GC注入口部品カタログ

GC 注入口部品カタログ
Agilent GCシステムの性能を最適化する
GC 注入口部品カタログ
Agilent GCシステムの性能を最適化する
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はじめに
セプタム
トラブルシューティング
注文情報
フェラル
トラブルシューティング
注文情報
ライナ
トラブルシューティング
注文情報
装置用注入口部品および消耗品
適切なスプリット/スプリットレス
注入口部品の選択方法
Agilent は品質の高い装置、部品および
消耗品だけでなく、30 年にわたる知識と
用をおすすめします。 Agilent の消耗品
経験を元に、最新のトータルソリューショ
いるため、お客様のシステムに最高の性
ンを提供しています。
能を提供し、ダウンタイム(装置を使用で
は Agilent GCシステムに完全に適合して
きない時間)
を最小限に抑えることができ
Agilent のトータルソリューションは、ク
ます。
品 情 報 に つ い て も 記 載し て い ま す 。
ロマトグラフィーの成功をもたらします。
注入口の重要な部品であるセプタム、ラ
Agilent 部品および消耗品は、お近くの
クロマトグラフィーを成功させるには、装
イナ、フェラルなどは、定期的な交換が
正規代理店あるいは弊社営業へお電話で
置から消耗品にいたるまで、すべてのコ
重要です。本書では、注入口の消耗部品
注文できます。
ンポーネントに最適化された機能を持つ
の役割と、定期的なメンテナンスを怠っ
製品を使用することが重要です。それぞ
た場合に起こる可能性のある問題につい
最適なライナの選択や困難なアプリケー
れのコンポーネントがシステム全体の性
て 説 明します 。このガイドは、 4 8 9 0 、
ション問題の解決など、クロマトグラフに
能に影響するため、定期的なメンテナン
5890、6850 および 6890 に対応していま
関することはすべて業界のリーダーであ
スを実施し、 Agilent の純正消耗品の使
す。さらに注文時に参考となるように製
る Agilent にお任せください。
2
セプタム
注入口セプタムは、サンプル導入時の重
セプタムは通常、推奨される最高温度以
要なコンポーネントです。カラムにはキ
下で使用されます。一般的に低温用セプ
ャリアガスの流れを確保するために、ヘ
タムは高温用より軟らかく、シール性に
ッド圧力がかかっています。セプタムは、
富み、より多くの注入回数に耐えること
この圧力に耐えてガス漏れを防止し、ま
ができます。しかし推奨温度以上で使用
た、カラムに空気が混入するのを防ぐ役
すると漏れや分解が起こる可能性があり、
割があります。セプタムにはいくつかの
サンプルのロス、カラム流量の減少、カ
サイズと材質があり、注入口のタイプや
ラム寿命の低下およびゴーストピーク等
分析時の必要性を考慮して選択します。
の原因になります。
●
機能
●
交換の必要性
●
問題を最小限に抑えるには
セプタムはサンプル流路を外界と隔てる
セプタムを定期的に交換することにより、
セプタムに関する問題を抑えるには次の
目的で使用されます。内部に圧力がかか
次のような問題を防ぐことができます。
点に注意してください。
っている状態でも、カラム内を汚染せず
・漏れ
・推奨温度内で使用する
に容易に穿孔できる必要があります。一
・分解
・定期的に交換する
般的なセプタムの材質は、高温使用可能
・サンプルのロス
・セプタムナットを締めすぎない
な低ブリードのシリコンラバーです。
・カラム流量またはスプリット・ベント・フ
・可能であればセプタム・パージを使用
ローの減少
する
・ゴーストピーク
・オートインジェクタを使用する
・カラムの性能低下
・鋭利なシリンジニードルを使用する
3
セプタムのトラブルシューティング
状
況
考えられる原因
対応方法
ゴーストピーク/ベースラインのうねり
セプタムブリード
インジェクタ・ヒータを Off にして異常なピ
ークがなくなるようであれば、高温で使
用可能なセプタムに交換するか、注入口
の温度を下げる
正常
異常
大きいピーク後のベースラインの変化
注入時またはその直後セプタムに大きな
セプタムを交換するか、小さいサイズの
漏れが存在する
(通常はニードルサイズが
ニードルを使用する
大きいことが原因)
正常
異常
異常
(流量の増加) (流量の減少)
リテンション・タイムが長くなる
正常
異常
キャリアガスがセプタムまたはカラム接続
漏れがないか確認し、セプタムを交換す
部から漏れている
るか必要であれば接続部を締め直す
異常
注入口セプタムの特性のまとめ
セプタムタイプ
BTO
(ブリード/
温度最適化)
ロングライフ
アドバンスドグリーン
✔✔✔ = 最高
4
ブリード
寿命
使用温度
✔✔✔
(高温使用に
最適化)
✔
最高 400℃
✔
✔✔✔
最高 350℃
✔✔
✔✔
最高 350℃
✔✔ = 非常に良い
✔ = 良い
Agilentブリード/温度最適化
セプタム(BTO)
・使用温度の範囲が最大、低ブリード
・最高使用温度 : 400℃
●
・注入口への粘り着きがほとんどない
プレミアム・セプタム
・ MS グレードカラムでの分析時に好適
Agilentプレミアム・
部品番号 5183-4757
センターガイド・セプタム
弊社のプレミアム・セプタムは注入面にく
Agilent ロングライフセプタム
ぼみがあるため、毎回同じ位置にシリン
・寿命を伸ばし「芯抜け」を減らすために前
ジニードルが挿入できます。
もって穴のあけられているセプタム
・センターガイドによりニードルが簡単に
・オートサンプラ向き
挿入でき、セプタムかすの発生も減少
・ニードルが曲がりにくい
・夜間運転に最適
・注入口に正確にフィットするように正確
・最高 400 回まで注入可能
・注入口温度は 350℃まで
にモールドされている
・バッチ毎に Agilent 6890 GC-FID でブリ
部品番号 5183-4761
・45 デュロメータと軟らかいため、オートサ
ンプラニードルに優しい材質
ードテストを実施
Agilent アドバンスドグリーン
セプタム
・高温使用時に長寿命を誇るグリーンセプ
タム
・より多くの注入回数に耐えることができる
・注入口への粘り着きが小さい
・注入口温度は 350℃まで
部品番号 5183-4759
・他社の グリーン セプタムよりも経済的
GC 分析条件
装置: Agilent 6890
カラム: DB-5
15 m x 0.53 mm I.D., 1.5 µm film
P/N: 125-5012
Carrier: Helium at 4 mL/min constant flow
Oven: 50 ℃ for 15 minutes
50 - 250 °at 20 ℃/min
250 ℃ for 15 min
Injector: Splitless, 250 ℃
10 minute purge activation time
Detector: FID, 280 ℃
5
●
汎用セプタム
Agilent 汎用セプタムは、流し込み成型さ
れた改良シリコンラバーです。このセプ
タムはレンガ色またはグレーで、350℃の
注入口温度で 200 回以上の自動注入が可
能です。弊社は品質検査を実施した高品
質のセプタムのみを提供しており、信頼
できるクロマトグラフをご提供します。
経済的な Agilent の汎用セプタムには、
次の特徴があります。
・低ブリードで、装置のメンテナンスの
ためのダウンタイムが少ないラボ
・最高温度の注入口で使用して 200 回以
上の注入が可能
・ニードルの穿孔が容易で、ニードルの
挿入時や複数回の注入による漏れに対
する耐久性が高い
●
Merlin マイクロシール
セプタム
・スプリット/スプリットレス注入口用の標
準的なセプタムよりも低ブリードで寿命
が長い
・サンプルの種類や操作状況により2000
回以上の注入が可能
・セプタムの交換およびセプタムの破片
が原因でおこる注入口ポートライナの
交換による、装置のダウンタイムを大
幅に減少
・二つのシールメカニズム : ダブル O-リ
ングシールによってシリンジニードル回
りを、スプリング付ダックビルによって
注入口側をシールしています。
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セプタム注文情報
部品番号
プレミアム・セプタム
BTOセプタム(レンガ色)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
5mmセプタム、オンカラム用穴あき(50 個)
5183-4757
5183-4757-100
5183-4758
Agilent アドバンスドグリーン(グリーン)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
5mmセプタム、オンカラム用、穴あき(50 個)
5183-4759
5183-4759-100
5183-4760
Agilent ロングライフセプタム(オレンジ)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
5mmセプタム、オンカラム用、穴あき(50 個)
5183-4761
5183-4761-100
5183-4762
汎用セプタム
低ブリードグレイセプタム
9.5mm(3/8")セプタム、5700シリーズ、5830/40 用(50 個)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
9.5mm(3/8")セプタム、5700シリーズ、5830/40 用(100 個)
5080-8728-50
5080-8896-50
5080-8894-100
5080-8726-100
低ブリードレッドセプタム
11mmセプタム、穴なし、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、穴なし、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
11mmセプタム、穴あき、4890、5890、6850、6890 用(50 個)
11mmセプタム、穴あき、4890、5890、6850、6890 用(100 個)
5mmセプタム、穴あき、オートサンプラおよびマニュアルオンカラム注入用(25 個)
5mmセプタム、穴なし、高注入口圧対応(25 個)
9.5mm(3/8")セプタム、5700シリーズ、5830/40 用(50 個)
9.5mm(3/8")セプタム、5700シリーズ、5830/40 用(100 個)
5181-1263-50*
5181-1263-100*
5181-3383-50*
5181-3383-100*
5181-1260*
5181-1261*
5181-1283-50*
5181-1283-100*
Merlin マイクロシールセプタム
高耐圧セプタム
(高耐圧セプタム、
ナット)
高耐圧 Merlin マイクロシールスタータキット
マイクロシール高耐圧セプタム、
交換用 *
マイクロシール高耐圧ナット、
交換用
5182-3442
5182-3444
5182-3445
マイクロシールセプタム・バイアル・シリンジキット
(高耐圧 Merlin マイクロシール、
23 ゲージシリンジ×6、バイアル+キャップ×500)
5181-8839
標準圧 Merlin マイクロシールセプタム
標準圧 Merlin マイクロシールセプタム
(30psi)
、
交換用
マイクロシール PTFE ナットライナ、
交換用
(2 枚)
標準圧 Merlin マイクロシールスタータキット
(ナットおよびセプタム 1 個)
標準圧 Merlin マイクロシールスタンダードキット
(ナットおよびセプタム 2 個)
5181-8815
5182-0853
5181-8816
5181-8833
* 高耐圧用セプタムは古いナット(ゴールドで 303C の刻印あり)では締められません。
7
フェラル
カラムの接続部のシールに適切でないフ
ェラルや使い古したフェラルを使用する
と、分析が不安定になり、信頼できる結
果が得られません。不適切なフェラルを
使用すると、カラム接続部と装置の間で
漏れや他の汚染が起こる原因となり、カ
ラムや検出器の性能に悪影響をおよぼし
ます。最適な状態を維持するために、カ
ラムの交換時および使用中のカラムのメ
ンテナンス時に、フェラルを毎回交換す
ることをおすすめします。
Agilent では様々の材質、形態のフェラル
を用意しており、カラム接続部でリーク
カラムフェラルのタイプ
利点
が発生しない、装置に最適のフェラルを
提供しています。
グラファイト
使いやすく、
シールが安定しており、
高い温度まで使用できる
軟らかいため、容易に変形し
破損するため、
・システムが汚染されやすい
・GC/MSインターフェースには使用不可
Vespel および
Vespel/グラファイト
耐久性が高く、
寿命が長い
昇温分析の注意点
・頻繁に締めなおす必要がある
・漏れやすくなる
検出器の種類
(NPD および ECD)
に
よって、ポリマーブリードが問題になる
場合がある
キャピラリGC カラムで使用される代表的
なフェラルには、グラファイト、 Vespel 、
Vespel/グラファイトの三種類があります。
使用最高温度はそれぞれグラファイトフェ
注意点
ラ ル で 4 5 0 ℃、 ベ ス ペ ル フェラ ル で
280 ℃、ベスペル/グラファイトフェラルで
380℃になります。
●
機能
●
交換の必要性
●
問題を最小限に抑えるには
フェラルの役割は、カラムやライナとシ
フェラルの破損は次のような状況から判
一般的なフェラルの取り付け時の注意点
ステムの接続部をシールすることです。
別できます。
は次のとおりです。
フェラルは漏れがなく、さまざまなカラム
・酸素がシステム内に漏入するバックグ
・固く締めすぎない
の外径に対応するものが理想的です。ま
た、カラムやフィッティングに固着せず、
温度変化に柔軟に対応できることも重要
です。
ラウンドノイズ
・酸素が漏入することによるカラムブリ
ードの変化
カラムのナットは初め手で締め、その
後レンチで増し締めする
・常に汚れを取り除いておく
・サンプルの劣化
・使用前に空焼きする
・サンプルのロス
・指紋やオイルなどの汚染を避ける
・検出信号やノイズの増加
・フェラルを再利用する前に、ルーペな
・リテンション・タイムの再現性の悪化
どで割れ目やくずの付着、その他の破
損がないか検査する
・新しいカラムやインジェクタおよび検出
器の部品を取り付ける場合は、フェラ
ルも交換する
8
フェラルのトラブルシューティング
フェラル交換後に起こりやすい問題
正常なピーク
溶媒ピークのテーリング
異常なピーク比
注入口、 FID 共に適切にカラム
カラムが注入口に正しく取り付
キャピラリ注入口においてカラム
が取り付けられている
けられていないか、フェラルの
の位置が適切でない(フェラル先
破片がキャリアガスの流路に入
端からカラム先端までの長さが
っている可能性がある
長すぎる、または短すぎる可能
性があるため、長さが 4 ミリから
6ミリであることを確認する)
100%グラファイト・フェラル
フェラルを含むすべての Agilent グラファ
イト製品には、高純度のグラファイトが使
用されています。一部の検出器で干渉が
起こる原因となる硫黄や他の汚染物質が
Agilent のカラムナットには 2 つのタイプが
含まれていません。
あり、これらのフェラルに対応していま
す。
高純度のグラファイトを使用したフェラル
・汎用カラムナット
(部品番号 5181-8830)
はとても軟らかく変形が容易なので、ヒ
は六角形のヘッドで、レンチでを用い
ューズド・シリカやガラス製カラムを効率
て締めるタイプ
的にシールでき、検出器や注入口の汚染
・指締めタイプのカラムナット
(530μm カ
の原因となる過剰なグラファイト・フラッシ
ラム : 部品番号 5020-8293 、 320μm
ュが発生しません。適切に取り付けるに
以下カラム用 : 部品番号 5020-8292)
は
はまず指でナットを締め、さらにレンチで
レンチで締める必要がない
ナットを 1/4 回転させます。
ただし 100%グラファイト フェラルのみ
使用可能
100%グラファイトフェラルは軟らかく、く
ずが出やすいため、GC/MS インターフェ
ースでの使用はお勧めしません。
9
ベスペル/グラファイト
(85%/15%)
フェラル
ベスペル /グラファイト混合フェラルは、
酸素透過性が低く、またベスペル 100 %
フェラルよりも熱による縮みも小さいとい
う特長があります。ベスペル /グラファイ
ト フェラルは、GC/MS や ECD などの酸素
キャピラリカラムで使用するベスペル/グ
Agilent では、ベスペル/グラファイト フェ
の影響を受けやすい検出器に推奨されま
ラファイト フェラルには、使用するナット
ラルを使用する際、最初に温度プログラ
すが、他の FID や NPD などの検出器にも
に応じて 2 つのタイプがあります。標準タ
ムを実施した後にカラムナットをさらに
使用できます。
イプのフェラルは、汎用カラムナットに対
1/4 回転締めることを推奨しています。
応しています。もう一方のフェラルは少
空焼き済みのフェラルでも、温度プログ
さらに、ベスペル /グラファイト フェラル
し長く、 GC/MS システムで使用される
ラムを実施した後に多少縮むことがあり
は適切に取り付けることで確実に漏れの
MS インタフェースナットに対応するよう
ます。
ない接続が可能です。適切に取り付ける
に設計されています。大きいフェラルは、
には、まず指でナットを締め、その後レ
注入口と他の種類の検出器との接続にも
ンチでナットを 1/4 回転させます。
使用できますが、長いフェラルに対応す
ベスペル /グラファイト フェラルはとても
05988-20066)が必要です。
る特 別 に 設 計 さ れ た ナット( 部 品 番 号
固く変形が困難なため、カラム径の種類
によっては対応できない場合があります。
確実にシールするために、フェラルの穴
はカラムの外径と正確に対応している必
要があるため、 Agilent ではキャピラリカ
ラムの径に応じた特定のフェラルを用意
しています。カラム径に対応していない
大きな穴のフェラルを使用すると、大量
リークの原因になります。もしチェックを
怠り、注入口のシールが不適切なまま使
用を続けると、カラムブリードが高くなり、
カラムの寿命が短くなります。検出器側
のシールが適切でないと、ノイズの増加
の原因となります。MSD の場合はイオン
源の酸化が進み、メンテナンスの機会が
増える原因になります。
ベスペル/グラファイトのナットとフェラルの組み合わせ
標準的なフェラルと標準的なナット
汎用カラムナット
+
ベスペル/グラファイト・フェラル
5181-8830
5181-3323(カラム内径 0.1、0.2、0.25mm)
5062-3514(0.32mm)
5062-3512(0.45 および 0.53mm)
ロングフェラル
05988-20066
10
+
MSインタフェースナット
5062-3508(カラム内径 0.1、0.2、および 0.25mm)
5062-3506(0.32mm)
5062-3538(0.45 および 0.53mm)
100% ベスペルフェラル
Vespel は非常に固い、高温使用可能なポ
リイミドです。ベスペルフェラルは酸素透
過率が低く、金属やガラスの接続部をシ
ールするのに向いています。ただし、ベ
スペルフェラルは変形が困難なため、カ
ラム内径に対応したフェラルの穴のサイ
ズを適切に選択することが重要です。
100% ベスペルの弱点は、温度プログラ
ムを繰り返すことにより縮むことです。
www.agilent.co.jp/chem/yan
Agilent 推奨フェラルの選択
フェラル/シール
タイプ
グラファイト
最高温度
450℃
(100%)
使用方法
制限事項
キャピラリカラム用の汎用フェラル
MSまたは酸素に弱い
FID および NPDに推奨
検出器には向かない
高温使用およびクールオンカラム・
アプリケーションに推奨
取り外しが容易
ベスペル/グラファイト
350℃
(85%/15%)
キャピラリカラム用の汎用フェラル
再利用不可
MS および酸素の影響を受けやすい
検出器に推奨
接続部のシール性が最も高い
ベスペル
(100%)
280℃
定温分析向き
昇温分析時に
再利用でき、取り外しが容易
締め直しが必要
11
フェラル注文情報
フェラル内径
カラム内径
(mm)
(mm)
数量
部品番号
汎用グラファイト・フェラル
10 個
5080-8853
1.0
0.4
0.8
0.1, 0.2,
0.25, 0.32
0.53
0.05-0.25
0.45, 0.53
10 個
10 個
10 個
5080-8773
500-2114
500-2118
0.4
0.5
0.8
0.1, 0.2, 0.25
0.32
0.45, 0.53
10 個
10 個
10 個
5181-3323
5062-3514
5062-3512
0.3
0.4
0.5
0.8
0.1
0.1, 0.2, 0.25
0.32
0.53
10 個
10 個
10 個
10 個
5062-3507
5062-3508
5062-3506
5062-3538
0.4
0.5
0.8
0.1, 0.2, 0.25
0.32
0.45, 0.53
10 個
10 個
10 個
5181-3322
5062-3513
5062-3511
0.4 ID holes
0.5 ID holes
0.1, 0.2, 0.25
0.32
10 個
10 個
5062-3580
5062-3581
10 個
5181-3308
2個
1個
1個
1個
2個
5181-8830
5020-8293
5020-8292
5020-8294
5183-4732
MSインタフェース用カラムナット
GC/MSフェラル用カラムナット
1個
1個
05988-20066
05921-21170
カラムナット用レンチ、
1/4、5/16 in
各1個
8710-0510
(ショートフェラル)
0.5
85% ベスペル、15%グラファイト・フェラル
(ショートフェラル)
空焼き済み 85% ベスペル、15%グラファイト・フェラル
(ロングフェラル)
GC/MS 用に推奨
100% ベスペル高性能フェラル
(ショートフェラル)
低温分析のみでの使用を推奨
特殊フェラル 85% ベスペル、15%グラファイト
2ホール
穴なし
カラムナット
ショートナット
汎用カラムナット、
1/16 in、六角
指締めカラムナット、
0.53mmカラム用 *
指締めカラムナット、
0.32mm 以下のカラム用 *
プラグ
(盲栓)
6850 用カラムナット
ロングナット
*グラファイト・フェラルのみで使用できます
パーフェクトフィットを実現するためには、
ショートナットとショートフェラル、
ロングナットとロングフェラルの組み合わせで使用してください。
12
ライナ
Agilent では、GC スプリット、スプリットレ
ス用のライナを豊富に取り揃えています。
ライナは、Agilent の寸法精度や化合物に
対する不活性についての厳しい規格に適
合するように設計、製造されています。
たとえば、 Agilent のスプリットレス・ライ
ナと他社製品との最大の相違点は、ライ
ナ外径の寸法精度を上げるために研磨が
施されているところです。このため注入
口に完全にフィットし、スプリットレス注入
の性能を最大に引き出すことができます。
特定のアプリケーションに適したライナを
選択するのは難しくも取り組み甲斐のあ
る作業です。各アプリケーションを実施
する際に考慮する必要のあるライナの特
性は次の三つです。
・ライナ容積
・ライナの処理および不活性度
・注入口を通過するキャリアガス流路や
サンプルの気化に対するライナの設計
特性
www.agilent.co.jp/chem/yan
●
機能
●
交換の必要性
●
問題を最小限に抑えるには
注入口ライナはサンプルを気化してカラ
定期的にライナ交換がされていない場合
ライナは次の状況を考慮して定期的に交
ムに送り込むという、注入口システムで
や適切なライナが使用されていない場合
換します。
最も重要な役割を担っています。
には、次のような問題が起こる可能性が
・それまでの使用状況
あります。
・サンプルの汚れ
・ピーク形状の悪化
・以下のようなクロマトグラフの異常 :
・ディスクリミネーション
・再現性の低下
・サンプルの分解
・ゴーストピーク
- ピーク形状の悪化
- ピークのディスクリミネーション
- 再現性の低下
- サンプルの熱分解
13
ライナの特徴
容積
注入口の目的は、正確に再現できる方法
でサンプルをガスクロマトグラフの中に
導入することです。気化されたサンプル
は液体サンプルを正確に再現している必
要があり、特に意図した場合を除いて、
化学的な変化を起こさないようにサンプ
ルを導入する必要があります。注入口は
高温に保たれ、液体サンプルを気化して
大きな容積(800μL 以上)のライナは内径
気化容積電卓ツールについて
カラムヘッドに送り込みます。液体から気
が大きく、通常 1μL 以上の注入量で使用
体への変化により、サンプル容積は非常
されます。小さい容積のライナは内径が
Agilent ではソフトウェアツール(気化容積電卓)を提供し
ています。このツールを使用すると、Agilent 注入口ラ
イナの注入口温度と圧力の組み合わせから、さまざま
に大きく変化します。発生するガスの容
小さく、このライナを使用するのは通常、
な溶媒の気化容積を知ることができます。このソフトウ
積は、ライナの容積に収まる程度の大き
少ない注入量(1μL 未満)の場合や 100μ
さである必要があります。ガスの容積が
m 内径カラムによる高速分析の場合、ガ
ライナの容積よりもはるかに大きいとバ
スサンプルを使用する場合、ヘッドスペ
ックフラッシュが発生し、セプタム・パー
ース、パージ &トラップなどの外部サンプ
ジおよびスプリットラインにおいてサンプ
リングデバイスを使用する場合です。
ェアは無料で、Agilent ホームページ www.agilent.com/
chem にてダウンロードできます。 Technical Support 、
User Contributed Software をクリックして、 GC
Pressure/Flow Calculator をクリックするとダウンロード
が始まります。
ルロスが発生するため、測定感度や再現
性が損なわれます。バックフラッシュは、
サンプル残留の原因にもなります。
ライナの不活性化処理
注入口ライナの表面に活性点が存在する
不活性化処理されたライナであっても使
とサンプル化合物の吸着が起こり、ピー
用を繰り返すことで活性を示し始めます。
クがテーリングして感度や再現性を低下
その場合には、ライナを交換しましょう。
させる原因になります。そのため通常は
ライナをクリーニングして粒状物質を取り
不活性剤を使用して、ライナのガラス表
除き、溶媒で洗浄して低揮発性化合物を
面に存在する活性点を被覆するかまたは
除去する方法もありますが、適切なクリ
活性点と反応させます。Agilent では、不
ーニング方法を選択することは容易では
活性で再現性が良く、寿命の長いライナ
ありません。使用する溶媒の種類によっ
を実現するために、ライナに不活性化処
ては不活性化層が取り除かれてしまった
理を施しています。スプリットレス・アプリ
り、ツールによってライナのガラス表面
ケーションを実施する場合、または多少
に傷が付く可能性があり、予期しない活
でも極性を持つ化合物を分析する場合
性点を発生させる原因になるためです。
は、不活性化処理されたライナを使用す
ることをおすすめします。
14
ライナ設計の特徴
寸法
・ライナの外径によって、スプリットモー
ドまたはスプリットレスモードでより効
率的に使用できるライナが異なる
・外径の大きいライナは、ライナ内によ
り多くのサンプルを保持することがで
き、分析成分の回収率を改善できる
・Agilent のスプリットレス・ライナはすべ
て厳密な寸法で設計されており、注入
口に密着してサンプルが金属表面に接
触するのを最小限に抑える
パッキング材
・小さい外径のライナは、注入口内のキ
ャリアやスプリットフローの通気抵抗が
ガラスウール
ガラスカップ
小さいため、スプリット注入に使用する
ライナの多くには、不活性化処理が施さ
ガラスカップは、サンプルの気化と混合を
・スプリット注入用の大容量ライナは、広
れたガラスウールがパッキン材として用
促進する目的でライナ内に取り付けられ
範囲のスプリット比にも使える寸法精度
いられています。ガラスウールは大概ラ
ています。
ガラスカップ・ライナにもガラス
を持っている
イナの中央部分付近に入っており、次の
ウールや不活性なパッキングを使用して
ような役割を持っています。
再現性を向上することができます。
ガラス
・表面積が増えることによりサンプルの
カップ・ライナは、電子式圧力コントロール
テーパ
ライナ先端のテーパやライナ内部が細く
気化を促進し、温度によるディスクリミ
なっている理由は次のとおりです。
ネーションを最小限に抑える
・底部のテーパによりサンプルをカラム
の先端部に集中させる
・底部のテーパにより注入口の金属部に
サンプルが接触するのを防ぐ
・中央部のテーパによりガラスウールを
適切な位置に維持する
の注入口にはお薦めしません。
・不揮発性の成分およびセプタムの破片
をトラップする
・シリンジニードルに付着するサンプル
を取り除くことにより再現性を向上し、
サンプルの残留物がセプタムや Merlin
マイクロシールに残るのを防ぐ
・上端のテーパによりサンプルのバック
フラッシュを防ぐ
ライナの中央付近にガラスウールが充填
された、Agilent 部品番号 5183-4647 およ
正確な分析を行うためには、カラムの先
び 5183-4711 などのライナは、
自動注入時
端をテーパの半分の位置にするか、フェ
や Merlin マイクロシールセプタムを使用
ラルの先端からカラム先端が 6mm 突き出
する場合に使用することをお薦めします。
図 1.
す状態にするなど、カラムを正しく取り
付ける必要があります(図 1 を参照してく
ライナの底部にあるガラスウールの主な
ださい)。アプリケーションによってはカ
目的は、不揮発性の成分のトラップです。
ラムの深さ設定を変更したほうが良い結
一般に次の化合物を分析する場合は、ガ
果を得られることもあります。そのため
ラスウールの使用はお薦めしません。
装置のマニュアルを参照して適切なカラ
・フェノール類
ムの取り付け位置を確認し、アプリケー
・有機酸
ションに適した取り付け位置を設定する
・農薬
必要があります。再現性のある定量分析
・弱酸性化合物
(アミン類)
を実施するには、カラムの取り付け位置
・薬物
を再現することが重要です。
・高反応性の極性化合物
・熱変性を受けやすい化合物
15
ライナのトラブルシューティング
状
況
考えられる原因
ピークのテーリング
対応方法
カラム、注入口ライナ、あるいは汚れたゴ
新しい不活性処理されたライナを使用す
ールドシールにサンプルが吸着している
るか、汚れのないライナを再利用しガラス
ウールを交換するか、
ゴールドシールを汚
れていないものに取り換える
正常
異常
ニードルが注入口ライナに当たっている
ライナからパッキングの一部またはすべ
か、パッキングが破損している
てを取り除く
カラムの先端が適切にカットされていない
カラムを取り外して汚れを取り除き、高性
(サンプルの吸着)
能のヒューズドシリカキャピラリ用カッテ
ィングツール(セラミックカッタや Agilent
カラムカッタなど)で直角にカットし、
カラ
ムを再度取り付ける
注入口ライナの破損または欠け
注入口のトータル流量を 40mL/min 以上
にする
ピークのリーディング
サンプル分解
注入口ライナを取り外し、汚れがないか確
認する
新しい不活性処理されたライナを使用す
るか、
ガラスウールや充填材を取り替える
正常
異常
ピークの前後のベースラインが上昇する
サンプルの分解
注入口ライナを取り外し、汚れがないか確
認する
新しい不活性処理されたライナを使用す
るか、
ガラスウールや充填材を取り替える
正常
異常
異常
大きいピークの後にベースラインが変化する
カラムとライナがアライメントされていない
カラムの端と注入口ライナが正常にイン
ストールされていることを確認する
必要に応じて調整を行う
正常
異常
異常
原因不明のピーク
カラムまたは注入口ライナが汚染されて
寿命を延ばすために、
ガードカラムを使用
いるか劣化している
する
新しい不活性処理されたライナを使用す
るか、
ガラスウールや充填材を取り替える
正常
16
異常
異常
カラムの先端を最低 6インチに切り取る
Agilent 推奨ライナ
Agilent の注入口ライナーは、開発時に、
スプリット注入用 ライナ
先に挙げたパラメータに重点をおいて研
Agilent スプリット・ライナにはガラスウー
ダイレクトコネクトライナは非常に不安定
究およびテストが行われました。総力を
ルが充填されており、底にテーパがありま
な化合物の分析や、注入口によるサンプ
結集して行われたライナの開発テストの
す。
また、取り付けやすいようにガラス・ビ
ル分解なく、 GC または GC/MS 分析で最
結果、分析メソッドの開発時や最適化を
ードがあり、不活性化処理されています。
大限の性能を得る必要のあるお客様に対
行う時、または現在のメソッドに問題があ
(最適なスプ
Agilent 部品番号 : 5183-4647
する Agilent の新しいソリューションです。
る場合などにお勧めできる一連のライナ
リット性能を得るために、厳密に寸法を
このライナは、 6890/5973 GC/MSD で
を生み出しました。
調整してあります)。
EPA 8270 メソッドを最適化するように設
ダイレクトコネクトライナ
計されています。
スプリットレス注入用 ライナ
片方テーパでガラスウールのない、不活
ダイレクトコネクトライナは不活性化処理
性化処理されたライナです。
済みで、シングルまたはダブルテーパが
Agilent 部品番号 : 5181-3316
ありカラムにプレスフィット接続できます。
さらに、小さなドリル孔がライナの側面に
あり、孔のサイズと位置は Agilent R&D エ
ンジニアによって EPC 用に最適化して設
計されています。部品番号は次頁参照
フォーカスライナ
フォーカスライナの使用により再現性を
向上し、分析結果が改善できます。
フォー
カスライナには注入口ポートライナの理
想的な位置に、正確に調整されたガラス
ウールが入っています。注入部分のガラス
ウールにより表面積が増えるため気化が
促進され、また不揮発性のサンプルの残
留物をトラップできます。更にサンプルを
注入するニードルに残ったサンプルの残
留物を取り除き、その結果再現性が向上
します。
部品番号は次頁参照
一般的なスプリット/スプリットレス注入用 ライナ
弊社では特定のアプリケーション用に幅
Agilent 部品番号 5183-4647 に類似した設
広い種類のライナを提供しています。
計ですが外径および不活性化処理が異な
っており、スプリット/スプリットレス注入
ライナ O-リング
の両方に対応できるようになっています。
ライナは注入口内部でベスペル O-リング
Agilent 部品番号 : 5183-4711
またはグラファイトシールでシールされて
います。変形しやすく壊れやすいグラファ
ダイレクト注入用 ライナ
イトに比べ、ベスペル O-リングは容易に取
ガラスウールのない、不活性化処理され
り外しおよび交換ができます。
グラファイ
たストレートライナです。 Agilent 部品番
トシールは注入口温度が 350 ℃以上の場
号 : 5181-8818(ガスサンプル、ヘッドス
合に使用します。
ペース、パージ &トラップを使用するアプ
部品番号は次頁参照
リケーションのみに使用します)。
Agilent 部品番号 : 5181-3316
17
ライナ注文情報
1本
部品番号
5 本/パック
25 本/パック
部品番号
部品番号
870
5183-4647
5183-4701
5183-4702
900
5181-3316
5183-4695
5183-4696
直接注入向き(ガスサンプル、 250
ヘッドスペース、パージ&トラップ用)
5181-8818
5183-4703
5183-4704
870
5183-4711
5183-4712
5183-4713
900
5062-3587
5183-4693
5183-4694
800
5181-3315
5183-4705
5183-4706
250
18740-80220 5183-4707
5183-4708
140
18740-80200 5183-4709
5183-4710
990
210-3003
シングルバッフル、内径 2mm、不活性化処理済、
ガラスウール付
180
5183-2038
シングルバッフル、
内径 2mm、
不活性化処理済
200
5183-2036
マルチバッフル、
内径 1.5 mm、
不活性化処理済
150
5183-2037
フリットガラス、
内径 1.5 mm、
不活性化処理済
150
5183-2041
その他のライナ
スプリット注入口ライナ
スプリット用、
ガラスウール入、
不活性処理なしライナ
990
19251-60540 5183-4691
5183-4692
スプリット注入口ライナ
(マニュアル注入用)
スプリット用、
カップ付、
ガラスウールなしライナ
800
18740-80190 5183-4699
5183-4700
スプリット用、
カップ付、
ガラスウール入、
パッキング入
(電子式圧力コントロール[EPC]での
使用には適しません)
、
マニュアル注入用
800
18740-60840 5183-4697
5183-4698
アプリケーション
ライナ容積(μl)
Agilent 推奨ライナ
スプリット用、
低圧力損失、
ガラスウール入、
テーパ付、
不活性処理ライナ
スプリット注入向き
スプリットレス用、シングルテーパ付、 スプリットレス注入向き
ガラスウールなし、不活性処理ライナ
ダイレクト注入用、
2mm ID、
不活性化処理ライナ
ライナ、一般的スプリット/スプリットレス用、 スプリット/
ガラスウール入、
テーパ付、
スプリットレス注入用
不活性化処理ライナ
スプリットレス用ライナ
スプリットレス用、
シングルテーパ付、
ガラスウール入、
不活性化処理ライナ
スプリットレス用、
ダブルテーパ付、
ガラスウールなし、
不活性化処理ライナ
ダイレクト注入ライナ
ライナ、
ダイレクト注入用、
2mm ID、
不活性処理なし、
石英製
ダイレクト注入用、
1.5mm ID、不活性処理なし
(ガスサンプル、
ヘッドスペース、パージ &トラップ用)
ストレート、
スプリットレス、
4.0mm ID
210-3003-5
PTV ライナ
ダイレクト接続ライナ
部品番号
シングルテーパ・ダイレクトコネクトライナ、
4mm ID、不活性化処理
デュアルテーパ・ダイレクトコネクトライナ、
4mm ID、不活性化処理
G1544-80730
G1544-80700
フォーカスライナ
ID
フォーカスライナ、テーパなし(5 年) 4.0 mm
フォーカスライナ、テーパ付(5 年)
4.0 mm
ウール
寸法
Yes
Yes
6.3 mm X 78.5 mm
6.3 mm X 78.5 mm
部品番号
210-4004-5
210-4022-5
ライナ O-リング
部品番号
バイトン O-リング
(12 個)
グラファイト O-リング、
スプリットレス・ライナ用
(10 個)
グラファイト O-リング、
スプリット・ライナ用
(10 個)
18
5180-4182
5180-4173
5180-4168
装置用部品および
消耗品
Agilent GC システムには Agilent 純正部品
を使用し他社の類似品の使用は避けてく
ださい。弊社の注入口は、弊社の部品と
の組み合わせにより最高の性能を引き出
すように Agilent エンジニアによって設計
され、テストを実施した後、製造されて
います。さらに、弊社ではシステムの一
部の部品のみでなくすべての交換部品を
取り扱っております。 Agilent の消耗品お
よび交換部品を使用することで、装置と
部品がパーフェクトフィットし、最高の性
能を引き出すことができます。
6890/6850シリーズ用 GC スプリット/スプリットレス注入口部品
説明
セプタム・リテーナ・ナット、
グリーン、
標準
リテーナ・ナット、
ヘッドスペース用大口径、
黒
シェルウェルドメント
(注入口ライナを入れる部分)
リテーニング・ナット
(注入口下部で
部品番号
18740-60830
18740-60835
G1544-80570
G1544-20590
リデューシングナットとペアで止めるナット)
リデューシングナット
(金メッキシールが入っているナット)
18740-20800
部品の分解図をご覧になりたい場合は 5890、
6890 および 6850シリーズ GC 用ユーザー
またはサービスマニュアル、
または www.agilent.com/chem を参照してください。
19
適切なスプリット/スプリットレス注入口部品の選択方法
Agilent の純正交換部品およびサプライ用品
スプリット注入は、対象成分が約 500 ppm 以上の場合のサンプルの導入方法と
システムを正しく設定し、保守すれば、
して最適です。
スプリットレス注入は、GC 微量分析用のサンプルを導入する
分析方法は堅牢で再現性のあるものに
有効な方法です。一貫した結果を得るためには、適切なセプタム、
ライナー、
なります。次の表に、最も一般的な注
およびフェラルを選択する必要があり、交換時期を
入口部品の選択と交換についてのガイド
認識しておくことが必要です。
を示します。複数のオプションが記載さ
れている場合は、各カテゴリの最も上の
部品が、ほとんどのアプリケーションに
対応します。
適切な注入口部品のための選択ガイド
項目/部品番号
利
点
用
途
例
セプタムのタイプ
5183-4757
中心にくぼみがあるため、
ニードルが
貫通しやすく、開く穴もわずか。
ブリードおよび高温に最適なパフォーマンス。
注入口温度が最大 400℃までの
アプリケーション。
オンカラム注入ができない場合の
重い炭化水素混合物の分析。
Agilent 高機能緑色セプタム
5183-4759
中心にくぼみがあるため、
ニードルが
貫通しやすく、開く穴もわずか。
注入口温度が 350℃未満の
ほとんどのアプリケーション。
EPA 半揮発性化合物の分析方法。
汎用赤色セプタム
中心にくぼみがあるため、
ニードルが
貫通しやすく、開く穴もわずか。
ブリードが少なく、寿命の長い
コスト効率のよいセプタム。
注入口温度が 350℃未満の
ほとんどのアプリケーション。
EPA 半揮発性化合物の分析方法。
寿命のきわめて長いセプタム技術。
粒子の発生なし。
高スループット。中程度の
クロマトグラフィー温度での
ルーチン分析。
原料の面積パーセント純度検定。
ステンレススチールシールよりも不活性。
ほとんどのスプリットレスインジェクター
流速に適切な流体動力学。
スプリットレス注入、
または、
インジェクター流速が
200mL/min のスプリット注入。
通常のパージ流速を使用した
すべてのスプリットレス注入。
ステンレススチールシールよりも不活性。
ほとんどのスプリットインジェクター
流速に適切な流体動力学。
インジェクターの総流速が
200 mL/minを超える
スプリット注入のみ。
高スプリット流速を使用した、
複雑な混合物の面積パーセント純度検定。
ガラス綿と底部のテーパーによって
注入精度が向上。
特に電子圧力制御(EPC)注入口を
使用したスプリット注入。
複雑な混合物の面積パーセント純度検定。
不活性化、
カラムに流量を集中。
ほとんどのスプリットレス
アプリケーション。
EPA 半揮発性化合物の分析方法。
不活性化、
カラムに流量を集中。
ガラス綿によって、不揮発性の
残留物質の影響が緩和される。
汚れたサンプル用。注意:活性を持つ
分析対象物では、
ガラス綿によって
問題が発生する場合があります。
不活性な分析対象物を使用した
生物学的/土壌抽出物の微量分析。
シングルテーパーと同じ。
ただし、バックフラッシュの
防止に役立つ。
非常に揮発性の高い溶媒を使用した
高温における大量の注入。
水、
メタノール、塩化メチレンが溶媒で、
インジェクタ温度が 250℃を超える場合。
10μl、固定ニードル、23-26s
5181-1267
強度を上げ、開く穴を小さくするために、
内径が先細になっている。
スプリットまたはスプリットレス注入。
ほとんどのスプリットレスアプリケーション。
10μl、固定ニードル、26s
9301-0714
セプタムの穴を小さくするための、
一般的な内径の小さいニードル。
スプリットまたはスプリットレス注入。
ほとんどのスプリットレスアプリケーション。
5μl、固定ニードル、23-26s
5181-1273
5181-1267と同じ形状で
最少 0.5μl の注入が可能。
少量の注入が必要なスプリットまたは
スプリットレス注入。
カラム/検出器の過負荷を防止する
高濃度のサンプル。
10μl 、固定ニードル、先端がテフロンの
プランジャ、23-26s、5181-3354
気密、小さいヘッドスペース注入に使用。
環境ヘッドスペース分析、
場合によっては水の注入にも使用。
10μl、固定ニードル、23 ゲージ、
ALS 9301-0713 セプタム。
Merlin Microseal セプタム専用。
Merlin Microseal セプタムに必要。
ブリードおよび温度最適化済みセプタム
5181-1263
Merlin Microseal セプタム
5182-3444。
Merlin Microseal 5182-3442と併せて使用。
密封のタイプ
金めっきシール
18740-20885
金めっきシール、
クロスノッチ
5182-9652
ライナのタイプ
スプリット
ライナ、
スプリットのみ、
テーパー、
不活性化、低圧力降下、5183-4647
スプリットレス
シングルテーパーライナ
5181-3316
シングルテーパー、
ガラス綿
5062-3587
二重テーパーライナ、不活性化
5181-3315
オートサンプラのシリンジのタイプ
20
環境ヘッドスペースについては、
「アプリケーションノート」5966-1473E を参照。
原料の面積パーセント純度検定。
PerfectFit 注入口純正部品
セプタムナット
部品番号 18740-60835
セプタム
表を参照して下さい。
スプリット/スプリットレス注入口の溶接
部品番号 G1544-60575
(EPC 付き 6890 GC 用)
Viton Oリング
(12 個/パック)
部品番号 5180-4182
ライナ
表を参照して下さい。
交換が必要な時期
可変。
ニードルの状態によって異なる。
通常は 50 〜 100 回の注入後。
可変。
ニードルの状態によって異なる。
通常は 50 〜 100 回の注入後。
ヒーターセンサーアセンブリ
部品番号 G1544-61140
可変。
ニードルの状態によって異なる。
通常は 100 回の注入後、
または漏れが観察されたとき。
可変。
ニードルの状態によって異なる。
2000 回の注入後、または漏れが
観察されたときにチェック。
極性を持つ分析対象物の応答が許容可能な
レベル以下になったとき、
または過度の
テーリングが見られたとき。
極性を持つ分析対象物の応答が許容可能な
レベル以下になったとき、
または過度の
テーリングが見られたとき。
金めっきシール(スプリットレス)
。
表を参照して下さい。
保持ナット
部品番号 G1544-20590
精度が低下したとき、
またはライナが汚れたとき。
極性を持つ分析対象物の応答が許容可能な
レベル以下になったとき、
または過度の
テーリングが見られたとき。
ワッシャー
(12 個/パック)
部品番号 5061-5869
継ぎ手ナット
部品番号 18740-20800
(各 1)
フェラル
(85% ベスペル、
15%グラファイト)
− 部品番号 5062-3516、
内径 0.37mm、
100 〜 200μm カラム用(10 個/パック)
− 部品番号 5181-3323、
内径 0.40mm、
250μm カラム用(10 個/パック)
内径 0.50mm、
− 部品番号 5062-3514、
320μm カラム用(10 個/パック)
内径 0.74mm、
− 部品番号 5062-3512、
530μm カラム用(10 個/パック)
分析対象物のピークのテーリングが
許容できないレベルになったとき。
極性を持つ分析対象物の応答が許容可能な
レベル以下になったとき、
または過度の
テーリングが見られたとき。
6890 GC 用カラムナット
(2 個/パック)
部品番号 5181-8830
ニードルまたはシリンジプランジャが曲がったとき。
ニードルまたはシリンジプランジャが曲がったとき。
ニードルまたはシリンジプランジャが曲がったとき。
テフロンが摩耗したとき、
またはニードルが
曲がったとき。
ニードルまたはシリンジプランジャが曲がったとき、
またはセプタムを交換したとき。
21
部品番号
6890/6850 スプリット/スプリットレス注入口アセンブリ
セプタム皿付近一式のチューブ付アセンブリ。
ガスコントロール方式、
ヘッドトラップの形、バルブの有無によって部品番号が異なります。
マニュアル圧力注入口用、
5890 兼用
EPC 注入口用、1/4インチ径ベントトラップ接続タイプ、初期標準
EPC 注入口用、1/4インチ径ベントトラップおよびケミカルフィルタ接続タイプ、ECD 用
S/SLインサートウェルドメント
EPC 注入口用、カートリッジ式ベントトラップ接続タイプ、現在標準
バルブ付 6890 用、
1/4インチ径ベントトラップ接続タイプ
バルブ付 6890 用、
カートリッジ式ベントトラップ接続タイプ
19251-60575
G1544-60575
G1544-80580
G1544-60585
G1580-60575
G1580-60585
5890 スプリット/スプリットレス・マルチモード注入口部品
セプタム・リテーナ・ナット、
グリーン、
標準
ヘッドスペースサンプル用リテーナ・ナット、
大口径、
黒
リテーニングナット
(注入口下部でリデューシングナットとペアで止めるナット)
リデュ−シングナット
(金メッキシールが入っているナット)
18740-60835
18740-60830
19251-20620
18740-208000
部品の分解図をご覧になりたい場合は 5890、
6890 および 6850シリーズ GC 用ユーザーまたはサービスマニュアル、または www.agilent.com/chem を参照してください。
ライナシール
18740-20880
18740-20885
5182-9652
ステンレス製シール
金メッキシール、
標準
金メッキシール、
クロス溝、
テーパ底ライナ向き
金メッキシール、
標準、
部品番号 18740-20885
www.agilent.co.jp/chem/yan
金メッキシール、
クロス溝、
テーパ底ライナ向
き、
部品番号 5182-9652
22
GC 機器の部品と消耗品
フリップトップ注入口システム
フリップトップ注入システム
フ リッ プト ッ プ 注 入 口 シ ス テ ム は 、
汚れたライナを交換すると今度は注入口
Agilent GC の注入口ライナをすばやく簡
ナットを締めなければなりませんが、そ
単に交換する新しい方法です。
の際にレンチがナットからすべって、すり
・注入口ライナの交換がたったの 30 秒で
傷、やけど、切り傷などを負うことがあり
可能です。
ます。専用レンチと熱くなった注入口ナ
・専用工具がどこにおいてあるかわからな
ットと格闘しながら、汚れたライナを取り
くていらいらする必要はもうありません。
出して新品に交換するだけで最低でも 5
・ユーザフレンドリな設計― 熱くなった
分はかかります。交換作業を終えて再度
部分に触れる必要はなくなりますから、
分析を開始する時までに、少なくとも 15
やけどもすり傷もありません。
分のダウンタイムが発生してしまいます。
・システムダウンタイムを大幅に短縮=
生産性アップ
・カラムが外気に触れる時間を最小にし、
カラム寿命を延ばします。
・15 分で取り付けが終わります
(お客様で
取り付けていただけます)。
もちろん、GC/MS のカラム交換で起こる
問題はそれだけではありません。外気が
キャピラリカラムに入り、さらに高温の
MS インタフェースを通して熱せられたイ
オン源に入り、カラム寿命の短縮、 MS
における大気バックグラウンドなど複数の
問題を引き起こします。
次の質問のお答えください。
1. ライナを週に 2、3 回交換されますか。
2. ライナの交換にどれくらいの時間がか
簡単に注入口ライナを交換できる方法です
かりますか
(システムダウンタイム)。
テムは、工具を使わず、また確実にリー
3. 生産性を上げ、カラム寿命を延ばした
クを防ぐ方法でユーザが注入口ライナを
いとお考えですか。
Agilent の新製品フリップトップ注入口シス
わずか 30 秒で安心、確実に交換できるよ
4. 熱くなった注入口を開けようとして、
う設計された仕組みです。レンチをどこ
指をやけどしたりすりむいたことはあり
においたかわからなくていらいらしたり、
ませんか。
熱くなった注入口で指をやけどしたりす
る必要はもうありません。
GC 、 GC/MS システムで分析を行う際、
ヒントとツール
最も頻繁なメンテナンス作業の1つが注
Agilent だけのこのフリップトップには、
6890/6850/5890 のどのインサートウェル
入口ライナの交換です。24 時間から 48 時
ドメントにも取り付けることができるレバ
間毎に、熱くなった注入口を開いて汚れ
ーアームが付いており、アダプタリングを
た注入口ライナを交換しなくてはなりま
注入口に回し入れることによってこのレ
せん。このために使用する専用レンチは、
バーアームが注入口に固定されます。い
よく置き場所がわからなくなったり、変な
ったん取り付けたら、後はフリップトップ
角度に折れ曲がってしまったり、細すぎた
のアームを持ち上げるだけでインサート
り、やたらと使いにくかったりします。さ
ウェルドメントを注入口から外すことがで
らに、注入口ナットは通常熱くて触れるこ
き、ライナをすぐに取り出すことができま
とができないので、注入口の上部アセン
す。ウェルドメントを注入口にまたシール
ブリが外れるまでにレンチを使って何回
するのもこの手順を逆にすればよいだけ
も回さなければなかったりします。
です。
入数
オンラインビデオを
ご覧ください
この新開発フリップトップ注入口シ
ステムの仕組みをビデオクリップで
ご覧になりたい方は、
www.agilent.com/chem/FlipTop
にアクセスしてください。
部品番号
フリップトップ注入口システム
フリップトップ注入口システム
フリップトップ専用注入口ライナ用 O-リング
1
10
5188-2717
5188-2741
23
横河アナリティカルシステムズ株式会社
本社/〒 192-0033 東京都八王子市高倉町 9-1
●カストマコンタクトセンター 7 0120-477-111
※仕様は予告なく変更する場合があります。
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Printed in Japan. Oct. 31, 2004
5988-3466JAJP