『経営学部・経営学研究科ファクトブックⅠ』 (強み・特色編) 1.他大学・他学部にない強み(独自性) ・・・P1 2.最近における特記事項 ・・・P47 3.社会貢献 ・・・P49 4.各界で活躍している教員・卒業生 ・・・P64 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 1.他大学や他学部等にない強み(独自性) ◆日本における経営学・商学の中核的な研究教育拠点 神戸大学は,神戸高等商業学校の創立(明治 35(1902)年)に起源があり,創立後 110 年の歴史と伝統を 有している。経営学研究科は,日本における経営学・商学の中核的な研究教育拠点(COE)として,「学理 と実際の調和」という建学の理念の下,神戸高等商業学校の伝統ある系譜を汲み,産学連携をとりわけ強く意 識しつつ産業界でのリーダーとなる人材の養成を手がけてきた。研究指導は,本研究科が伝統的に努力を傾注 しているものである。少人数の学生グループに教員 1 人がつき,個々の学生の能力を,教員を含めた少人数 のグループ活動を通じて引き出していくというゼミナールの教育スタイルを,わが国で最も早くヨーロッパか ら取り入れたのは,本研究科のルーツである旧制神戸高等商業学校であり,それ以来約 100 年の長きにわた ってわれわれ固有の教育スタイルとして定着している。また,経営学という学問領域の特性もあり,研究者養 成教育と社会人教育とを相互に分離するのではなく,研究者は現実の企業での実践の最先端の知見を取り入れ 実証研究を行うことができ,また社会人も自らの知り得た体験やデータをより高次元の理論や方法論,パラダ イムにまでさかのぼりながら研究に従事することができるというように両者が一体化され,運用される工夫が これまで着実に積み重ねられてきた。こうした学界と産業界の連携は,本研究科の目指す産業社会との相互協 力と相互批判を通じて研究を進め,その成果を学内外で教育するとともに,社会還元していくという「オープ ン・アカデミズム」という理念によって端的に表現されている。 昭和 28(1953)年4月,経営学研究科に修士課程と博士課程が置かれ,経営学・会計学専攻と商学専攻の 2専攻が設けられている。これは,経営学系の大学院としてわが国最初のものであり,国立大学としては博士 課程までを設けた唯一の大学院であった。また,昭和 43(1968)年3月には,経営学・会計学専攻を経営学 専攻と会計学専攻の2専攻に分離して,既存の商学専攻と合わせて3専攻体制に移行した。この段階での大学 院教育の目標は,もっぱら大学その他の研究機関等で研究職に従事する人材の育成に置かれ,長らくの間, 「経 営学博士」は,日本では本研究科だけが授与できる学位であった。また,大学院重点化が構想される中で,従 来からの大学院における研究者育成機能の拡充をはかりつつ,社会人に対する高度な経営学教育を求めるニー ズが急速に高まりつつあることを認識し,新たに社会人のリフレッシュ教育機能を付加する形で推進されるこ とになった。まず平成元(1989)年4月から,わが国の国立大学では最初に「社会人 MBA プログラム」が 開設され,平成 3(1991)年4月には,経営学研究科に独立専攻の日本企業経営専攻(修士課程)が設置され た。さらに,平成 5(1993)年4月には,博士課程後期課程にも日本企業経営専攻が設けられた。平成 7(1 995)年以降,それまでゼミ中心で行ってきた人材育成方針を改め,ゼミは研究指導に特化するとともに,コ ースワークで分野横断的基礎学力を育成するトップスクールモデル(コースワークとゼミの分業・統合システ ム)を志向してきた。これによって,学生は,基礎知識の修得範囲,修得量が増えるだけでなく,研究手法を 含む多様な分野でその専門教員から学ぶことができ,また,ゼミ担当教員が研究指導に特化することで指導で きる学生の数,研究指導量を増やすことができた。平成6(1994)年には,日本の他の大学院に先駆けて博 士課程教育の体系化を進め,コースワークによる体系的な教育を開始した。平成7(1995)年4月には,既 存の経営学専攻・会計学専攻・商学専攻の3専攻が大幅に再編されて,マネジメント・システム専攻(経営学 専攻を母体)・経営総合分析専攻(会計学専攻を母体)・企業システム専攻(商学専攻を母体)の3専攻とな り,先の日本企業経営専攻と合わせて,経営学研究科は新たな4専攻体制に移行することとなった。同時に, 博士後期課程においても MBA 修了者など社会人大学院生も積極的に受け入れ,本研究科は研究者育成と高度 1 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 専門職業人育成を両輪として相乗的な教育研究を展開してきた。平成7(1995)年度からは,博士課程後期 課程についても昼夜開講制を設け,課程博士レベルの高度な経営学についての専門知識や能力を要求される 「産業社会人」のグループおよび以前に博士課程後期課程を中途退学して博士号を取得することなく大学での 教育・研究職に就いている若手・中堅研究者である「大学社会人」のグループに対して,課程博士の学位取得 をめざしたリフレッシュ教育を開始した。そして,平成 10(1998)年度から2ヵ年計画で大学院重点化が進 められることになり,まず同年4月に「マネジメント・システム専攻」と「会計システム専攻」(経営総合分 析専攻を母体)が大学院講座化され,ついで翌平成 11(1999)年4月に「市場科学専攻」(企業システム専 攻を母体)と「現代経営学専攻」(日本企業経営専攻を母体)が大学院講座化されることにより,経営学・商 学系の分野ではわが国最初の大学院重点化大学が完成した。その後,文部科学省が高度専門職業人の育成を目 的にした「専門大学院」制度を設立したことを受ける形で,平成 14(2002)年4月に現代経営学専攻の博士 課程前期課程(修士課程)の部分を改組する形で,これを専門大学院化することとなり,社会人 MBA 教育は ここが中心となって実施される体制が整えられた。さらに,平成 15(2003)年4月には専門大学院は「専門 職大学院」に制度上移行した。その結果,1990 年代半ばまでは,年間数人だった博士号取得者数は,1990 年 代後半にかけて 10 人/年に増加し,2000 年以降は 20 人/年前後で推移し,平成 27(2015)年3月末現在 まで経営学博士(博士(経営学)を含む)を 426 名に,商学博士(博士(商学))を 145 名に授与してきた。 ≪課程博士の授与数の年度別推移≫ 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 博士(経営学) 13 21 13 17 19 11 18 18 8 16 18 10 15 博士(商学) 4 5 6 5 7 4 10 4 3 4 3 2 9 合計 17 26 19 22 26 15 28 22 11 20 21 12 24 (うち留学生) (2) (4) (2) (4) (2) (3) (4) (3) (1) (6) (4) (3) (7) 年度 2 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 教育研究の特色は,次の 3 点である。第 1 は,体系的なコースワークを備えている点である。欧米の経営 学大学院においては体系的なコースワークはすでに一般的であるが,日本の経営学大学院においてシステマテ ィックなコースワークを提供することで,大学院生の基礎的研究能力を育成するというものである。今回の専 攻を改組するに当たり,その改善のポイントとしては従来の専門分野(経営学・会計学・商学)というコアは 維持しながら,その学問分野を横断する形で広く専門性を拡げ,洞察を深めるような履修体系を目指すもので ある。 第 2 は,専門分野をまたいだ複数の指導教員による綿密な研究指導を行えるようにすることである。前述 のようにグローバル競争,ビジネスシステム間競争の時代においては,従来の専門分野にとらわれないような 課題が重要になってきている。例えば,現代の公企業の経営問題を取りあげようとする場合には,従来の経営 学分野の知識のみならず,公企業会計や市場科学分野の専門性が求められるようになってきている。したがっ て,研究指導を行う体制についても,従来の専門分野内の教員のみでなく異なる専門分野の教員が協力して指 導を行う。 第 3 は,グローバルに通用する研究力育成をより強化するための,研究論文作成能力向上への取り組みで ある。2007 年度から 2009 年度にわたって実施してきた大学院教育改革支援プログラム「経営学研究者の先 端的養成プログラム(研究力・教育力・実践力の縦横断的養成)」において行った,学生が自分の研究を題材 にして複数の分野の教員がその改善すべき点を指摘して論文を作成していくという形の「論文作成セミナー」 は,この方法をとった学生の論文が学術誌に受理されたということから,極めて有効であることがわかった。 また,現在試行している大学院生による「論文発表会」を発展・充実させ,21 世紀 COE プログラム「先端ビ ジネスシステムの研究開発教育拠点」等で頻繁に開かれてきたワークショップのように,広い分野の研究者が 参加し,そこでの発表や討論を通じて,論文の質を高めるようにする。ここでは,そのような機会を第 2 論文 作成とリンクさせ,「第 2 論文ワークショップ」として質の高い博士論文の作成へとつなげる 1 つのステッ プを設ける。これらは,従来型の専門分野別ではなく,異なる専門分野の教員が協力して指導する。 3 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 本研究科の修了者のほとんどが大学の研究職に就いており,中部から九州にかけての西日本を中心に全国的 な範囲で,国公立・私立の大学や研究機関への,経営学分野の研究者の養成校ないし供給源としての役割を果 たしている。修了者の多くは学会の会長や理事を歴任するなど中心的な役割を果たしており,近年多くの学会 賞受賞者(日本会計研究学会太田・黒澤賞~須田一幸,武田隆二,谷武幸など,日本商業学会賞~荒川祐吉, 田村正紀,石井淳蔵など,経営科学文献賞~石井淳蔵など,松永賞(社会科学部門)~天野明弘)を輩出して いる。 ≪大学院生の研究職就職地域分布の年度別推移≫ 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 国公立大学就職者数 8 5 5 6 5 3 6 8 3 2 5 3 6 私立大学就職者数 6 11 6 7 7 4 12 7 6 8 6 3 5 国外の大学就職者数 0 1 2 0 0 1 1 1 0 4 1 0 3 総計 14 17 13 13 12 8 19 16 9 14 8 6 14 北海道・東北 1 0 1 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 関東 3 1 2 0 1 1 2 2 1 1 1 1 2 中部 0 0 0 1 0 0 4 0 0 0 0 0 0 近畿 9 9 9 7 2 3 8 4 4 2 4 3 6 中・四国 3 1 0 1 2 1 1 2 3 4 3 2 3 九州 1 0 1 2 2 1 0 1 2 0 2 0 0 海外 1 2 0 0 1 0 1 0 4 1 4 0 3 年度 就職大学所在地 ★近年の博士後期課程学生学会賞歴 堀上明:経営行動科学学会学会賞「奨励研究賞」(2010 年 11 月) 大屋敷啓輔:国際公共経済学会「奨励賞」(2010 年 12 月) 藤原靖也 慶応大学経営管理研究科,株式会社カネカ共催『㈱カネカ 還元型コエンザイム Q10 マーケ ティングプラン・コンテスト』「最優秀賞」(2011 年2月) Nguyen Phuc Nguyen:Best academic paper awards(2011 New Orleans International Business & Economics Conference) 藤原史博:日本看護管理学会「学術論文奨励賞」(2011 年8月) 上西聡子:経営哲学学会「研究奨励賞」(2011 年9月) 大里大助:経営行動科学学会「奨励賞」(2011 年 11 月) 余合 淳:日本労務学会「日本労務学会賞(研究奨励賞)」(2010 年7月) 朝日 亮太:日本海運経済学会「日本海運経済学会国際交流賞」(2010 年 10 月) 小泉大輔, 西村知晃:経営行動科学学会「第 14 回年次大会優秀論文賞」(2011 年 11 月) 加藤 政仁:日本証券アナリスト協会「証券アナリストジャーナル賞」(2013 年5月) 祥平:European Academy of Management「European Academy of Management (Doctoral 林 Colloquium) Best Paper Award ファイナリスト」(2013 年6月) 小林 英夫:日本労務学会「研究奨励賞」(2013 年7月) 青木 慶:日本マーケティング学会「オーラルセッション 2013 ベストドクターコース賞」(2013 年 11 月) 渡邊 紗理菜:2014 International Conference of Asian Marketing Associations (ICAMA) Honorable 4 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 Research Paper Award 西村 知晃:日本労務学会賞(研究奨励賞)(2014 年7月) 早坂 啓:経営哲学学会研究奨励賞(2014 年9月) Nguyen Thi Thanh Tan:ベトナム-日本学術交流会議 2014 最優秀論文賞(2014 年9月) 田頭 拓己:日本消費者行動研究学会プロポーザル賞優秀賞(2014 年 11 月) 藤井 誠:第3回碩学舎賞一席(2015 年2月) わが国の国立大学では最初に「社会人 MBA プログラム」が開設するなど,企業に勤務しながら本研究科に 就学するものに対しても課程博士を授与し,社会人から研究者となる途を切り開いたことは特筆すべきことで ある。実際に,社会人から本研究科のプログラムを修了し,大学教員として奉職した者は,各機関の教育,研 究活動において学会賞を受賞,学術雑誌の編集を務めるなど,中心的な役割を担っている。 平成 24(2012)年4月からは,大学院教育(PhD プログラム)を,従来のマネジメント・システム専攻, 会計システム専攻,市場科学専攻および現代経営学専攻(PhD プログラム部分)の4専攻を「経営学専攻」 の1専攻に一元化した。背景には,大学のグローバル競争への直面という問題,転換期にある日本企業および 産業社会のニーズへの柔軟な対応の要請,ならびに個別に改善を積み重ねてきた教育体系の整備の必要性があ った。この改組により,専門分野を横断的に学びやすくなったことから,産業社会のニーズに柔軟に対応でき, かつより時代の要請に合致したグローバルに活躍できる次世代研究者や専門家を育成するとともに,日本産業 の国際競争力を高めることに寄与できるものと考えている。 ≪学界での中心的地位≫ 年度 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 教員現員数 48 69 67 66 66 59 61 58 61 60 57 56 61 会長,副会長,理事 15 18 21 23 25 25 25 40 44 47 44 47 51 学会賞受賞件数 7 6 5 4 2 5 10 9 2 7 5 4 4 学術雑誌編集委員・レフェリー件数 56 74 72 82 59 64 93 5 113 152 162 74 155 131 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆日本の国立大学では最初の「社会人 MBA プログラム」を開設 経営学研究科では,社会人に対する高度な経営学教育を求めるニーズが急速に高まりつつあることを認識し, 平成元(1989)年度に日本の国立大学では最初の「社会人 MBA プログラム」を開設した。平成 11(1999) 年には,大学院重点化を契機に,旧称日本企業経営専攻を「現代経営学専攻」に改め,平成 14(2002)年度 に高度専門職業人の育成を目的とした「専門大学院」へと発展し,平成 15(2003)年度には文部科学省の制 度改変により専門大学院から新たな学位課程(専門職学位課程)をもつ「専門職大学院」と改められ「専門職 大学院」となった。社会人 MBA プログラムでは,平成元(1989)年度の開設以来,大学院が経営教育に果 たす役割を「研究に基礎を置く教育」(Research-based Education)というコンセプトのもと,「プロジェ クト方式」という他のビジネススクールに例を見ない独自の教育プログラムを実践している。プロジェクト方 式とは,企業人学生が直面している実務上の課題を持ち寄り,アカデミックな研究成果の蓄積を踏まえつつ, 共同して調査・分析を行い,解決策を探ることを基軸とした教育方式である。現在ではプロジェクト方式は, ケースプロジェクト研究,テーマプロジェクト研究,そして現代経営学演習の3科目から成る教育体系に発展 しており,企業人学生が段階を踏んで能力を高めながら,より高度な課題に挑むことが可能となっている。 平成 16(2004)年度からは,COE プログラム「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」との関連で, 社会人 MBA プログラムも包括した,実践的で先端的な経営教育が「神戸大学大阪経営教育センター」を一つ の拠点として本格的に展開された(同センターは平成 19(2007)年度に COE プログラムの終了とともに発 展的に改組)。そして,「研究に基礎を置く教育」(Research-based Education)から,逆に「教育を起点に した研究」(Education–based Research)という一連のサイクルの中で教育と研究の相乗的発展をめざす「神 戸方式」の積極的推進により,経営学の教育と研究のさらなる高度化・深化がめざされた。こうした継続的努 力は競争的資金の獲得という形で現在まで認められてきている。平成 16(2004)~平成 17(2005)年度に は専門職大学院形成支援プログラムに「プロジェクト方式による MBA 教育の高度化」が採択され,また,引 き続き平成 18(2006)年度~平成 19(2007)年度は専門職大学院教育推進プログラムに「大学と企業にお ける経営教育の相乗的高度化 -B-C スクール連携の仕組みづくりと高度専門職教材の開発-」,さらに,平 成 20(2008)から平成 21(2009)年度は専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム に「産学連携による MBA プログラムの高度化 -戦略的品質管理リーダー育成から発展する専門職大学院教 育の洗練-」という教育事業が採択された。それに加え,平成 17(2005)~平成 18(2006)年度には魅力 ある大学院教育イニシアティブ「経営学研究者養成の先端的教育システム」,平成 19(2007)~平成 21(2 009)年度には大学院教育改革支援プログラム「経営学研究者の先端的養成プログラム -研究力・教育力・ 実践力の縦横断的養成-」,平成 24(2012)年度には研究拠点形成費等補助金「卓越した大学院拠点形成支 援補助金」も採択されている。 平成 23(2011)年度には,本研究科と京都大学経営管理大学院が,両大学院間の交流と協力を推進し,教 育研究の充実を図ることを目的として,相互に必要な授業科目を受けることができる相互履修協定を締結した。 平成 24(2012)年度からは MBA の学生は一定の条件を満たせば京都大学経営管理大学院の科目を履修する こともできる。また,平成 11(1999)年度より英国クランフィールド経営大学院と協働して双方の社会人 M BA 生向けに交流授業を毎年行っている。交流授業内容は,例年6月に日本研修として,英国クランフィール ド大学院より 15~20 人が1週間のスケジュールで来日し,本学の社会人 MBA 生と共に,本研究科での授業 および日本企業の訪問を行い,逆に2月に英国研修として,本学社会人 MBA 生が同程度の規模で1週間渡英 し,クランフィールド大学での授業と英国企業訪問を行う。いずれも英語で行われ,それぞれの国の経営シス テムに関する理解を深めると同時に,学生の様々な交流活動を通じ,異文化体験ができるように設計しており, 6 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 社会人 MBA 生にとっては,経営学研究科での授業に加え,産業の現場を日英で見聞できる貴重な機会となっ ている。 本研究科の社会人 MBA プログラムの学生は大阪市内とその周辺から通学する者が大多数である。そうした 事情から,平成 14(2002)年度から,通年にわたり大阪臨時教室を確保し,平日夜間の講義はこの臨時教室 で開講することとなった。なお,平成 16(2004)年度から平成 19(2007)年度においては,大阪府立中之 島図書館別館内に設けた「神戸大学大阪経営教育センター」をサテライト教室として通年利用し,平成 22(2 010)年度からは,場所を移し,神戸大学梅田インテリジェントラボラトリを開所し,同地区での教育の充実 を図っている。 本 MBA プログラムは平成 26(2014)3 月 8 日,日本の MBA 教育の認証評価機関である NPO 法人 ABE ST 21(The Alliance on Business Education and Scholarship for Tomorrow,A 21st Century Organi zation)から経営分野専門職大学院認証評価基準に適合している。」との評価を受けた。また,平成 26(2014) 年に日本経済新聞社と日経HRが行った「ビジネススクール調査」では,神戸大学は「ビジネスパーソンが通 ってみたい国内ビジネススクール」の西日本の部の第2位にランキングされた(平成 23 年度1位,平成 24 年度2位,平成 25 年度2位)。また,『日経キャリマガジン社会人の大学院ランキング 2015』にて、神戸大 学が「MBA 受講経験者が通いたい大学院ランキング」西日本1位に選ばれた。このように文部科学省だけで なくビジネススクールの質を評価する第三者機関や社会人からも本校のプログラムは高い評価を得られてい る。 ≪社会人 MBA プログラムへの志願者数・入学者数・修了者数の年度別推移≫ (人) 年度 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 志願者数 174 185 187 129 197 194 187 178 212 192 167 133 入学者数 67 69 85 71 72 71 72 69 73 72 72 72 修了者数 60 63 70 83 68 67 70 73 68 67 73 69 志願倍率 2.6 2.7 2.2 1.8 2.7 2.7 2.6 2.6 2.9 2.7 2.3 1.8 ≪専門職学位課程認証評価(維持認証)審査の結果≫ (認証評価機関:NPO法人ABEST21) 1) Peer Review Results Even though not many issues have been found in almost all the aspects of the maintenance accreditation, Kobe University Graduate School of Business Administration has a space to enhance the best Japanese business practices through its curriculum. For example, the School can provide an MBA education that imparts an understanding of each graduate’s responsibility not only to the nation but to the world. The concept of globalization should be more emphasized in its business education system. ABEST21 certifies that Graduate School of Business Administration, Kobe University has met all or most ABEST21 Business Accreditation Standards and the quality maintenance and improvement of education and research in its Management Degree Programs are assessed as excellent. The School’s KAIZEN plans are excellent, and quality maintenance and improvement of education and research are very promising. Accreditation commences April 1, 2014 for a five-year period. 7 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 2) Good Practice -Research-based MBA EducationThe school has been very successful in the Japanese management education. However, Japanese business will face extreme demographic changes over the next 20 years. Has the School adopted appropriate practices to cope with these changes? How will it deal with the globalization of the business environment? To respond to these challenges, the School is highly expected to develop its management innovations through the cooperation with professionally qualified faculty members who have a substantial experience in the global business. ≪社会人 MBA プログラムのランキング≫ (東) 1 (1) (西) 1597点 1 慶應義塾大学大学院 (1 ) 経営管理研究科 経営管理専攻 2 (4) (3) 2 グロービス経営大学院大学 (2 ) (2) 729点 3 一橋大学大学院 (4 ) 5 4 早稲田大学大学院 (3 ) (-) 633点 5 一橋大学大学院 (5 ) (1 0 ) 6 マサチューセッツ大学 (8 ) 8 7 筑波大学大学院 (6 ) (7) 350点 8 横浜国立大学大学院 (7 ) 9 ビジ ネス・ブレークスルー大学大学院 (9 ) 経営学研究科 経営管理専攻/グローバリゼーション専攻 10 264点 青山学院大学専門職大学院 43 0 点 九州大学大学院 38 2 点 立命館大学大学院 30 3 点 関西学院大学専門職大学院 29 7 点 立命館ア ジ ア 太平洋大学大学院 経営管理研究科 経営管理専攻(MBA) 277点 (6) 同志社大学大学院 経営戦略研究科 経営戦略専攻 国際社会科学府 経営学専攻博士課程前期(社会人専修コース) 9 46 7 点 経営管理研究科 経営管理専攻(専門職大学院) 381点 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻 (9) グロービス経営大学院大学 経済学府 産業マネジメント専攻 495点 MBAプログラム 7 48 0 点 ビジネス研究科 ビジネス専攻 国際企業戦略研究科 経営・金融専攻 6 神戸大学大学院 経営研究科 経営専攻(大阪校) 702点 商学研究科 ビジネス専攻 (5) 90 4 点 経営学研究科 専門職学位課程 現代経営学専攻 商学研究科 経営学修士コース 4 京都大学大学院 経営管理教育部 経営管理専攻 749点 経営研究科 経営専攻 3 13 4 8 点 26 6 点 大阪府立大学大学院 経済学研究科 経営学専攻 10 (11) 国際マネジメント研究科 国際マネジメント専攻 15 8 点 大阪経済大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 (注)大学院名の左の数字は順位、カッコ内は前年順位。「-」は順位なし (日経BizアカデミーHPを基に作成) 8 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆教育改革の取り組み(大学院) 経営学研究科は,日本における経営学・会計学・商学の中核的な研究教育拠点(COE)として,Ph.D.プロ グラム(博士課程前期課程・後期課程),MBA プログラム(専門職大学院)の双方において先端的な教育を 行ってきた。平成 16(2004)~24(2012)年度の間には,21 世紀 COE プログラム:「先端ビジネスシス テムの研究開発教育拠点」,法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム: 「プロジェクト方式による MBA 教育の高度化」,法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム:「大学と企業における経営教育の相乗的高 度化」,専門職大学院等における高度専門職業人養成教育推進プログラム:「産学連携による MBA プログラ ムの高度化」,「魅力ある大学院教育」イニシアティブ:「経営学研究者養成の先端的教育システム」,大学院 教育改革支援プログラム:「経営学研究者の先端的養成プログラム」,研究拠点形成費等補助金「卓越した大 学院拠点形成支援補助金」の支援を受け,本研究科が構築してきた教育プログラムの特徴は,3つの異なる 能力(高度研究能力・多角的教育能力・経営実践能力)の養成を縦横断的に実行していることである。具体 的には,以下の3つの能力育成プログラムを,それぞれの学年で習得すべきレベルに応じて縦断的に配置し, 高度研究能力・多角的教育能力・経営実践能力の養成を段階的かつ着実に行う体系的なコースワークとし, さらに,3つの能力育成プログラムを,それぞれの学年において並列的に配置することにより横断的な能力 を修得する。 [高度研究能力強化プログラム]国際的に最先端のフィールドで活躍できる高度な研究能力の強化を目指 す。具体的には,a)研究方法論の社会科学的基礎の強化(研究者の基礎としての社会哲学に関する科 目を前期課程1年次に提供して,現在の個別化した方法論研究の基盤を補強する),b)講義科目のシ ームレス化(現在提供している科目内容体系を再検討して科目の関連性を更に高める),c)論文作成力 養成セミナーシリーズ(学年の進行に合わせて, 「論文作成セミナー」, 「海外ジャーナル投稿セミナー」, 「学外者も招いたオープンセミナー」などの多様なリサーチセミナーを開催して,段階的な研究力の促 進を支援する),d)集団による博士論文指導(第二論文提出後, 「論文指導委員会」を組織し,関係分 野の複数教員による研究指導体制を確立する) ,というプログラムを実施する。 [多角的教育能力向上プログラム]一般学部生から実務家まで多様なバックグラウンドを持つ人々への教 育が可能な多角的な教育能力の高い研究者の養成を目指す。具体的には,多角的教育能力の段階的な養 成を行うため,第一段階として,前期課程の2年目は学部講義の TA として授業の補助業務を担当する。 後期課程に入ると第二段階として, 「ラーニング・ファシリテーター」 (LF)として学部および前期課 程の授業の質疑応答を担当したり,クラスディスカッションの指導を行うことによって教育能力を高め る。さらに,第三段階として経営実務家向けに経営の基礎について教育する機会を提供することで,実 践的経営の教育能力を養成する。 [経営実践能力育成プログラム]実務的,学際的な視野を広げ,理論的な研究成果を経営の実践にも応用 できる能力を育成することを目指す。具体的には,経営アクションリサーチを推進する。この経営アク ションリサーチは,企業等における実践的課題(業績管理システムの導入等)を実務者,研究者,学生 が協同し経営実践の場で解決するプロジェクト方式のプログラムである。プロジェクトを先進的理論の 学際的な「臨床試験の場」とすることで,研究成果を社会に還元するとともに,学生の企画・マネジメ 9 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ント力を高める。 特に,平成 19(2007)~21(2009)年度には,大学院教育改革支援プログラムにより,方法論科目の基 礎分野の強化,専門科目の履修体系のシームレス化,論文作成力養成セミナー・シリーズの導入,博士論文の 複数指導体制の確立,TA 業務の拡充と LF の導入,教員と大学院生による共同アクションリサーチ・プロジ ェクトの支援,等に取り組んできた。その成果もあり,近年では海外学会報告を行う大学院生数の増加,大 学院生の発表論文数に占める査読付き論文の割合の増加となって表れている。博士学位取得者の進路に占め る大学教員の割合も増加している。 本プログラムの実施によって,これまで本研究科が進めてきたトップスクールモデル(コースワークと ゼミの分業・統合システム)および経営アクションリサーチへの取組という特徴が先鋭化され,教育研究 の質的向上を図ることができた。また,本プログラムでは,大学院生だけでなく本研究科出身の若手研究 者を巻き込む形で実施されたという点でも効果的に他大学に伝わっている。 ≪組織的な大学院教育改革推進プログラム(経営学研究者の先端的養成プログラム)事後評価結果≫ (実施(達成)状況に関するコメント) 「国際的に通用する研究能力と実務家教育も可能な教育能力を兼ね備えた高度な経営学研究教育者の養成」 という教育プログラムの目的に沿って,高度研究能力強化プログラム,多角的教育能力向上プログラム,経営 実践能力養成プログラムの計画が着実に実施され,大学院教育の改善・充実に大きく貢献している。研究能力 強化の点では海外学会報告や査読論文発表の数が増加する成果が得られている。教育能力強化の点では大学院 生がより主体的に教育活動に関与するラーニングファシリテーターの仕組みが大学院生の教育指導力の向上 に役立っている。経営実践能力養成の点ではアクションリサーチが能力向上に成果をあげている。プログラム の課題および今後の計画も十分に検討されており,さらなる充実が期待できる。経営系研究教育者養成の優れ た教育プログラムを確立しており,高い波及効果が得られている。情報提供については,ホームページの充実, 成果報告書の公開,シンポジウムなどを通じて広く社会へ公表されており,支援期間終了後の恒常的な展開の ための措置もほぼ整っていることが確認できる。教育研究経費についても相応の工夫がなされ,効率的・効果 的に使用されている。 (優れた点) 当初の計画からよく練り上げられたものであったので,着実に計画を実施し成果をあげることができている。 コースワークとゼミの間を補完する各種セミナー,ラーニングファシリテーターの活用,アクションリサーチ など細部まで注意深く教育プログラムが作りこまれて実施されており,経営学研究教育者養成の優れた教育プ ログラムが構築されている。 10 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 11 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 平成 24(2012)年度には,文部科学省研究拠点形成費等補助金「卓越した大学院拠点形成支援補助金」 に申請し,独立行政法人日本学術振興会において行った経営学研究科経営学専攻の教育研究実績に基づく 卓越性の評価の結果,「S」としてグループ分けされ特に高い配分率を得ることができた。これにより, 優秀な学生をひきつけ,世界で活躍できる研究者を輩出する環境づくりを推進して,優れた研究基盤を活 かし高度な教育と研究を融合する卓越した拠点を活用し,博士課程の学生が学修研究に専念できる環境を 整備する。 (文部科学省 HP より抜粋) 「卓越した大学院拠点形成支援補助金」は,優秀な学生をひきつけ,世界で活躍できる研究者を輩出する環 境づくりを推進することを目的として,優れた研究基盤を活かし高度な教育と研究を融合する卓越した拠点を 有する大学に対し,博士課程の学生が学修研究に専念する環境を整備するために必要な経費を支援するもので す。文部科学省において事業実施要領に示す指標により「我が国の学術研究を格段に発展させる研究者を一定 数以上擁し優れた研究基盤を有する博士課程の専攻等」を選定し,独立行政法人日本学術振興会において行っ た当該専攻等の教育研究実績に基づく卓越性の評価の結果を踏まえた配分額を大学ごとに合計した額を上限 として交付決定額といたしました。 参考として,評価の結果,「S」としてグループ分けされ特に高い配分 率を得た専攻等を表 2 に示します。 【表 2】 機関名 専攻等名 北海道大学 大学院文学研究科人間システム科学専攻 東北大学 大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻 理工連携による化学イノベーション 大学院工学系研究科マテリアル工学専攻 東京大学 大学院理学系研究科物理学専攻 大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 大学院アジア・アフリカ地域研究科東南アジア地域研究専攻 京都大学 光・電子理工学の教育研究拠点形成 生物の多様性と進化研究のための拠点形成 コンフリクトの人文学国際研究教育拠点 大学院工学研究科応用化学専攻 大阪大学 生命環境化学グローバル教育研究拠点 免疫学フロンティア研究センター 神戸大学 大学院経営学研究科経営学専攻 12 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 生命科学研究科生理科学専攻 総合研究大学院大学 生命科学研究科遺伝学専攻 早稲田大学 「実践的化学知」教育研究拠点 関西大学 東アジア文化交渉学の教育研究拠点形成 そして,今後さらに若手教育研究者を継続的に輩出していくことで,わが国の経営学教育研究を活性化 するのみならず,大学院での高度な経営学教育を受けた人材を産業界に供給することによって,わが国産 業の国際的競争力の強化にも寄与することが期待される。 13 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆産学官・海外ビジネススクールが連携した,神戸大学大学院経営学研究科における新たな大学院プログラム の創始:「戦略的共創経営(SESAMI)プログラム」 平成 25(2013)年 4 月から,産学官の連携,海外ビジネススクールとの連携により,経営学分野では日 本初となる授業科目,研究指導をすべて英語で行う,修士・博士課程一貫教育プログラム, 「戦略的共創経営 (SESAMI)プログラム」を開始した。本プログラムは,経営学分野では日本初のすべて英語での 5 年間一 貫の博士課程教育プログラムである。平成 25 年 4 月から,産学官の連携,海外ビジネススクールとの連携 により,経営学分野では日本初となる授業科目,研究指導をすべて英語で行う,修士・博士課程一貫教育プ ログラム,「戦略的共創経営(SESAMI)プログラム」を始めている。このプログラムは,高度な戦略的企 業家の養成にかかわる「創造経営」とサステイナビリティ経営とグローバル・サプライチェーンの専門家の 養成にかかわる「共生経営」に特化している。グローバル人材の育成を目指して,海外のトップの研究機関・ 研究者(カリフォルニア大学リバーサイド,ロンドン大学,香港中文大学など 20 の海外ビジネスクール・ 研究所)と連携し,前期課程1年次にすべて英語による授業を 40 単位分提供している。前期課程2年次に は,実践的課題解決能力を育成するために,関西の主要な国際展開企業(パナソニック,カネカ,オムロン, 住友電工,大阪ガス,コニカミノルタ,積水ハウス,バイエル薬品,ネスレ,国際協力銀行など)の協力を 得て,アントレプレナーファイナンス,ベンチャーキャピタル,知的資産経営,サステイナビリティ経営, 環境会計,環境配慮型サプライチェーン等の研究プロジェクトに取り組む。後期課程では,海外連携大学の 研究室との研究室ローテーションを実施し,実践の結果を普遍的で汎用性の高い理論にまで昇華する国際的 な研究プロジェクトに取り組む。さらに,このような共同研究プロジェクトの経験を学術的な研究に昇華す る博士論文研究を行い,国際的学術雑誌への投稿・出版を目指す。SESAMI プログラムを通じた海外の大学・ 研究機関との教員レベルと大学院レベルの広範な連携を通じて,経営の最先端研究教育を行い,研究教育ネ ットワークの国際的な拠点となり,グローバル人材の養成を促進する。 本プログラムは経営分野における研究能力を有するグローバル人材の養成をミッションとしている。した がって,入学の対象とする者は,学部教育のバックグラウンドを経営分野に限らず,広い分野からの優秀な 大学院生としている。初年度からカリキュラムはすべて英語で運用されるので,授業を支障なく受けられる 英語力が入学の条件となる。選抜においては,経営に関する基礎知識を重視せず,コースワークを受講する ために必要な基礎学力と,英語によるコミュニケーション能力を必須とし,本プログラムが養成する人材像 を希望し,その達成が見込まれる者を,欧米のトップスクールで行われているように,TOEFL/GMAT の成 績,調査書,推薦書,小論文等に基づき書類選考をし,必要に応じて面接を行う形で選考する。こうするこ とにより,海外からの優秀な入学志望者についても,来日せずに出願が可能となっている。一方,海外で Ph.D. 等の学位を取得した者についても,SESAMI プログラムは,英語で教育,研究指導をする機会となるので, 優秀なグローバルな教員人材が集う可能性が高まる。 日本の大学の社会科学分野におけるグローバル人材育成の新規の試みである本プログラムの実施により, 博士課程前期課程と後期課程の学生定員の約 20%がすべて英語で授業と研究指導を受けることになる。さら に,本プログラムが特化する戦略共創経営分野以外の分野の授業科目も徐々に英語で提供されるようになり, 本研究科の研究教育の全般的なグローバル化が進展することになる。また,「戦略的共創経営(SESAMI) プログラム」の授業科目の一部を MBA 学生に受講させることにより,MBA プログラムのグローバル化の モデルを構築しつつある。 14 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 SESAMI プログラムのまとめ 独自分野である戦略的共創経営の研究教育を極 めるカリキュラム 経営分野では日本初のすべて英語のPh.D. プログ ラム 海外のトップの研究機関・研究者との連携 関西の主要な国際展開企業と連携した実践と理 論を架橋するプロジェクト型の研究 日本の大学の社会科学分野におけるグローバル 人材育成の新規の試み 15 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆教育改革の取り組み(学部) 経営学部では,平成 12(2000)年度から「会計プロフェッショナル育成プログラム」を開設した。同プロ グラムは,学部・大学院(博士課程前期課程)一貫5年教育体制のもとで,在学中の公認会計士第2次試験ま たは税理士試験合格をめざすとともに,職業会計人に要求される高度専門知識を習得することを目的としてい る。1年次前期には「初級簿記」(2単位),同後期には「中級簿記」(2単位),2年次には「上級簿記」 (2単位),「上級会計学」(2単位)を提供し,1年次前期に日商簿記3級合格を,同後期に同2級合格を, そして2年次に同1級の合格をめざす。さらに,希望する学生には,3年次より会計プロフェッショナル育成 プログラムに連動した会計学分野のゼミナールに所属し,会計職業専門家になるための勉学を進め,在学中の 公認会計士試験の短答式試験の合格をめざす。そして,米国では公認会計士試験受験の要件として大学以上で の 150 時間以上の専門教育履修を課しているとおり,国際的な高度会計教育の傾向をわが国で先取りした形 で,学業成績優秀な学生は,大学院進学を条件にして,3年次で早期卒業し,特別試験で大学院博士課程前期 課程へ進学することができる。 ≪会計プロフェッショナル育成プログラムの内容≫ 年 次 1 年次 学 期 前 期 「初級簿記」日商簿記検定 3 級合格目標 後 期 「中級簿記」「工業簿記」日商簿記検定 2 級合格目標 3 年次 前後期 (4 年次) (前後期) 内 容 と 目 標 公認会計士試験短答式試験合格目標 「研究指導」 公認会計士試験・税理士試験合格目標 16 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 平成 12(2000)年度以降,神戸大学は「出身大学(大学生・卒業生)別合格者数ランキング」で定常的に 上位 10 位以内にある。 * 第 2 次試験の神戸大学出身(大学生・卒業生)の合格者数 (『会計人コース(中央経済社)』および公認会計士三田会調べ) * 2000(平成 12)年度から会計プロフェッショナル育成プログラム開始 * 2006(平成18)年度から新公認会計士制度に移行 年次/順位 1位 平成21年度 慶應義塾 (2009) 258 平成22年度 慶應義塾 (2010) 251 平成23年度 慶應義塾 (2011) 210 平成24年度 慶應義塾 (2012) 161 平成25年度 慶應義塾 (2013) 121 平成26年度 慶応義塾 (2014) 120 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 早稲田 中央 東京 明治 一橋 関西学院 神戸 同志社 法政 247 159 84 72 56 56 52 52 49 早稲田 中央 明治 東京 同志社 立命館 神戸 関西学院 京都 221 152 98 67 62 57 49 46 45 早稲田 中央 明治 立命館 京都 一橋 東京 同志社 関西学院 169 96 83 52 47 46 44 38 36 早稲田 中央 明治 同志社 法政 立命館 神戸 青山学院 東京 109 99 63 49 38 30 29 29 28 京都 青山学院 立命館 早稲田 中央 明治 同志社 神戸 東京 関西学院 93 77 68 49 36 33 32 31 26 早稲田 中央 明治 同志社 立命館 関西 関西学院 神戸 法政 94 87 69 43 29 29 28 27 27 17 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 平成 23(2011)年度から,交換留学制度を再整備し,Kobe International Business Education and Re search (KIBER) Program を開始した。このプログラムは,1年間の短期留学を実りあるものとして,国際 社会と文化を理解した,グローバルな社会環境で活躍できる経営人材を育成するプログラムであり,交流協定 による短期留学制度と学部のカリキュラムの整合性を図り,留学時に必要な英語でのコミュニケーションスキ ルについての授業を追加し,また,1年間留学しても4年間で学部を卒業できるようにカリキュラムを整備し たものである。具体的には,2年生前期と後期において Culture の多様性と Business communication を英 語で学び,留学時に必要な communication,debating,report writing の能力を鍛えるための授業を設定し た。さらに,3年生前期より始まるゼミナールでは,従来のゼミナールは2年間を前提に学習計画が設定され ているため,1年間留学する場合は,学部卒業に5年間が必要となっていたが,あらたに KIBER 指定学部ゼ ミナールを設置し,英語での専門科目の履修と演習(研究指導)を課し,3年後期から1年間留学し,留学期 間中も学習計画に織り込むことにより,ゼミナールに所属し,かつ1年間留学しても4年間で学部を卒業でき る制度とした。4年後期に卒業論文を作成し,4年間で修了要件を満たすことができるように,カリキュラム を整備している。平成 23 年度は 20 名,平成 24 年度は 19 名,平成 25 年度は 32 名が KIBER プログラムに 参加し,平成 23 年度は内 14 名,平成 24 年度は内 7 名が海外留学に派遣されている。 平成24(2012)年度には,神戸大学は,文部科学省「平成24年度グローバル人材育成推進事業」に採択さ れた。「グローバル人材育成推進事業」は,国公私立大学を対象として,若い世代の「内向き志向」を克服し, 国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として,グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる 「人財」の育成を図るため,大学教育のグローバル化を推進する事業に対して重点的に財政支援することが目 的とされている。育成するグローバル人材像として,「問題発見型リーダーシップを発揮できるグローバル人 材」を掲げ,大学教育推進機構と取組部局(国際文化学部(代表部局)・文学部・発達科学部・法学部・経済学 部・経営学部・人文学研究科・経済学研究科)が,国際交流推進機構,国際コミュニケーションセンター,キ ャリアセンターとの連携の下,優れた外国語能力・コミュニケーション能力,異文化への深い洞察,旺盛なチ ャレンジ精神を発揮できる能力の基礎的能力に加え,深い教養と高度な専門性を備えた,グローバル人材の育 成を目指すものである。本学部においては,国際社会と異文化を理解した上で,グローバルな社会環境で活躍 できる経営人材(グローバル企業におけるコア人材,グローバル市場を相手とする起業家,国際機関職員,国 際共同研究を積極的に推進する研究者)を育成するために,グローバル企業及びグローバル経済における交渉 や管理で最低限必要とされる英語能力としてTOEIC スコア760,また,海外の大学に留学して授業について いくために最低限必要とされる能力としてTOEFL iBT スコア80をそれぞれ目標とする。また,グローバル 専門科目として,Operations Strategy, Supply Chain Management, Academic Reading and Writing fo r Business Ⅰ・Ⅱ, Business CommunicationⅠ・Ⅱ, International Business LawⅠ・Ⅱを設定し,英語 アフター・スクールの開設及び英語外部試験制度の導入によって,学部学生全体の英語力の底上げを行うなど 拡充を図り,culture の多様性とbusiness communication を英語で学び,留学時に必要なcommunication, debating, report writing等の能力を涵養する。 18 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ≪Kobe International Business Education and Research Program(KIBER プログラム)≫ 19 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ≪グローバル人材育成推進事業≫ 「問題発見型リーダーシップ」を発揮できる「グローバル人材」育成推進事業の概要 卓越した外国語能 力・コミュニケー ション能力 就職 グローバルな視 野 異文化・日本文化 への深い洞察力 創造的 リーダーシップ ・ 進学 ↑ 卒業 深い教養 外国語 既存の 科目等 共通 アカデミック ライティング 英 語 外部試験 取組部局 で相互 乗り入れ 既存の 専門 科目 (海 外) インターンシップ フィールドワーク等 英 語 外部試験 2年次 1年次 英 語に より実施 各取組 部局に おける 海 外 留 学 グロー バル 専門 科目 4年次 3年次 主体性・ 旺盛な チャレンジ精神 高度な専門性 教育 科目 グロー バル 共通 科目 アカデミック プレゼン テーション等 留学 準備 コー ス 海外短期 英語特別 研修 育成した人 材のグロー バル社会で の 活 躍 得 ら れ た 成果の積極 的 な 発 信 グ ロ ー バ ル・ハブ・ キャンパス の 実 現 持続性のあ るプログ ラム の 展 開 KALCS 全学共通教育科目 教育環 境・ 事務体制 の グ ロ ー バ ル 化 全 学 的 な 取 組 へ の 発 展 専門教育科目 各取組部局の教育プログラ ム の 特 色 を 活 か し た 連 携 グ ロ ー バ ル 教 育 力 の 向 上 留 学 ・ キ ャ リ ア 支 援 の 強 化 ①育成する人材の持つべき資質と能力、これを実現するための教育カリキュラムの内容・方法 高度な専門性を培う教育プログラムの展開 各学部の特色を活かした教育プログラムを「グローバル専門科目」として展開 法学部・経済学部・経営学部 ⽂学部・国際⽂化学部・発達科学部 アメリカ文学特殊講義 国際コミュニケーション論 (メディアシステム) イギリス文学特殊講義 地域統合論(国際協力史) 比較文化 東アジアの政治 英語学特殊講義 国際ジャーナリズム アメリカ文学演習 国連外交論 英語による授業 英語による経済学入門 英語学演習 ・ Advanced Reading Course on 比較現代日本論特殊講義 相互履修の実施 Contemporary Japanese Economy Cultures and Societies in JapanⅠ,Ⅱ アメリカ経済論 国際コミュニケーション演習Ⅰ,Ⅱ 欧州労働市場論 国際経済特論(英語) 英語文章表現(上級) Intermediate Microeconomics 民族誌学 Intercultural Management メディア文化論 Business Communication テクノ文明論 Operations Strategy 20 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆国際的研究教育拠点 神戸高等商業学校から現在の経営学研究科に発展的に継承されている教育研究活動の基本目的(理念)は, かつて先人たちによって,「学問の応用」,あるいは「学理と実際の調和」として説かれ,現在のわれわれは, それを「オープン・アカデミズム」という言葉で表現している。「オープン」とは,社会科学の中でも学際的 な応用的学問領域である経営学の特質に鑑みて,その研究対象である産業界の現実問題を素早く教育・研究対 象として取り上げるとともに,その成果を産業界や社会一般に発信して,その批判を受けるということである。 また,「アカデミズム」とは,このような研究教育活動を大学の主体性・自律性において行うということであ る。すなわち,「オープン・アカデミズム」とは,学理の探究のみに興じるのではなく,大学と産業界の情報 相互発信システムにもとづいて相互に批判し,産業界とアカデミズムがともに発展すること,そして,研究成 果を学内・学外での教育活動のみならず,産業界や社会一般に公開し還元するということである。現在の神戸 大学経営学研究科は,100年を超える伝統に立脚した「オープン・アカデミズム」の指導原理にもとづいて, 実現することに努めている。 質の高い教育を行うためには,質の高い研究の積み重ねが必要であり,また,先端的な研究と先端的な教育 とが不可分の関係にあることはいうまでもない。経営学研究科における研究活動の目標は,経営現象の全般と これに関連する諸分野の最先端の研究を行うことにある。すなわち,現実の企業行動とそれを取り巻く環境を 研究対象の真正面に据えた実証的・実践的な経営学の研究を行い,それを支える理論を開発する。そして,研 究成果を,学内・学外における教育活動のみならず,産業界,さらに,社会一般に広く公開し還元していくこ とである。 具体的には, 「オープン・アカデミズム」という経営学研究科の教育研究活動を統合する基本目的(理念)のもとで, 学理の探究のみを行うのではなく,大学としての主体性・自律性を保ちながら,アカデミズムと産業界と の双方向での情報交流にもとづき,現実の絶えず変化する企業環境とそのもとにおける企業行動を見据え た実証的・実践的な経営学の確立と発展をめざすこと 研究活動の結果として経営学研究科に蓄積された研究成果を,学内・学外における教育活動のみならず, 研究科それ自体あるいはそこに所属する教員個々の活動を介して,産業界や社会一般に積極的に公開し還 元することにより,社会・経済・文化の発展に寄与すること そして,このような過程を通じて,われわれの目的とする「オープン・アカデミズム」への挑戦を継続す るための戦略研究体制を構築し,経営学・会計学・商学(市場科学)の各専門領域における先端的研究を 推 進 し て , 経 営 学 の 分 野 に お け る 日 本 を 代 表 す る 学 術 研 究 教 育 上 の セ ン タ ー ( COE: Center of Excellence)としての地位をより確固たるものにすること 海外の大学や研究機関等との連携・交流を促進し,研究教育活動における経営学研究科の国際競争力を高 めて,経営学に関する学術研究教育のグローバル・センター(GCOE: Global Center of Excellence)を めざすこと さらに,社会科学系分野の学際的理論研究を幅広く行う社会科学系教育研究府を設置し,その中の一分野 としての経営学の基礎研究,臨床研究,臨床教育を行い,学理と実際の調和(社会科学系学理と実際の相 互作用によるネットワーク化)」を実現することである。 21 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 経営学研究科は「制度の神戸」と呼ばれ,ガバナンス,サプライチェーン,新規事業モデルなど経営制度の 研究教育に伝統的な強みを持ち,21 世紀 COE プログラム「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」に採 択された。本研究科では,国内研究教育拠点の拡張や海外の研究拠点の設置による国際的な視野での日本型ビ ジネスシステムの研究を通じて,欧米のビジネススクールにはない,研究と教育を相乗的に発展させるという 「神戸方式」によって,理論的及び実践的諸課題に取り組むと同時に,教育を通じての研究成果の社会的還元 は日本のビジネスを担う人材を育成することにより,先端的日本型ビジネスシステムの確立を図るとともに, 神戸発の経営理論の構築・発信を行った。わが国のトップスクールである本研究科に拠点を形成することは, 基礎的領域から応用的・先端的領域に至るまで,世界水準での「経営学」の研究教育の質を確保し,強化する だけでなく,「神戸方式」を軸にした教育を通じて次代の経営学の研究と教育を担う若手研究者の養成,日本 のビジネスを担う人材の育成に貢献するものである。 ≪21 世紀 COE プログラム≫ 「先端ビジネスシステムの研究・開発・教育」とは 本拠点の特色としては,(a)本拠点形成に全学的な支援体制が組まれていること,(b)母体となる経営学研究 科は,わが国における「経営学」の研究と教育のパイオニアであること,(c)経営学研究科が築いてきた産業 界との強固な連携を通じて,先端ビジネスシステムの研究と教育が展開できること,(d)グローバル・ネット ワークのもとで,海外の主要ビジネススクールと緊密に連携すること,が挙げられる。そして,これらの特色 を活かしながら,新規事業モデルの創造,企業間関係の新戦略,ガバナンスのモデル開発に従事し,先端ビジ ネスシステムの研究・開発・教育を推進することを目的とする。本拠点で達成された研究成果は,有効な国際 経営戦略を策定するために必要な指針を日本企業に与え,ひいては日本経済再生に向けての鍵を提供する。さ らに,教育を通じて研究成果を社会還元することによって,日本のビジネスをリードする人材を育成する。本 研究科における拠点形成は,基礎的領域から応用的・先端的領域に至るまで世界水準での「経営学」の研究教 育の質を確保し,日本のビジネスに革新をもたらすために必要不可欠である。 22 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 COE プログラム支援期間中は,アクションリサーチを駆使し地域と現場に根ざした独特の研究を推進し, 先端ビジネスシステムに限らず,地場産業など伝統的なビジネスシステムに見られる温故知新などの分析の 視点が研究を進める過程で追加され,より多数の研究者が参画できるように枠組みが広がった。COE プログ ラム終了後も,ファイナンス,国際会計,知的資本の問題に関する国際標準構築に取り組んできた。国際標 準化機構(ISO)の技術委員会ワーキンググループの議長を務める教員を擁し,環境管理会計の主要手法で あるマテリアルフローコスト会計(MFCA)の国際規格 ISO14051 を取りまとめ,平成 23(2011)年9月 に規格を発行した。これは,ISO14000 シリーズの環境マネジメントシステム規格において,日本が主導し た唯一の規格である。また,グローバル・環境配慮型サプライチェーンの国際的研究拠点,アントレプレナ ーファイナンスの国際的研究拠点として機能し,EUのクランフィールド大学,ミュンヘン工科大学,アメ リカのMIT,ハーバード大学,ペンシルバニア大学,クレアモント大学,カリフォルニア大学リバーサイ ド,ロンドン大学,香港中文大学を中心とした海外研究機関との親密な連携ネットワークを既に構築できて いる。本研究科では,サプライチェーン・マネジメントの研究の方向を国際的に著名な研究者を招へいして 議論する「第 10 回 Supply Chain Thought Leaders Roundtable」を主催した。 ○21世紀COEプログラム委員会における事後評価結果 (総括評価) 拠点形成計画全体については,日本型ビジネスの世界的研究拠点を確立し成果を世界に発信するという本 拠点の目的は十分に達成されており,研究の成果,教育効果ともに高く評価する。また,若手研究者のみなら ずシニア研究者層の研究意欲を高め,アクティビティを引き上げることに成功したことは特筆に値する。人材 育成面については,多数の若手研究者,大学院生を拠点に参加させたことは,効果的に次世代の人材養成が行 われるとともに,持続可能な大学院教育が定着していることを示唆している。研究活動面については,それぞ れの研究テーマに沿った論文が国内外の学術誌に多く発表されてきたことは評価できる。 23 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆経営学研究科の研究面における優位性 経営学分野における海外掲載論文数(2009 年11 月~2012 年6 月)は,日本の大学の中で第1 位,一人当たりの論文数では3 位に位置付けられている。下記は,海外学術誌ならびに海外書籍への論文公表数二つの学術情報データベース,すなわ ち EconLit ならびに Business Source Premier から得られるデータを用いている。 ≪海外学術誌に掲載された論文数≫ (本) 1 神戸大学大学院経営学研究科 51 2 名古屋大学大学院経済学研究科 38 3 一橋大学大学院商学研究科 35 4 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 26 5 北海道大学大学院経済学研究科 23 6 大阪大学大学院経済学研究科 23 7 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 22 8 慶應義塾大学大学院商学研究科 22 9 東北大学大学院経済学研究科 18 10 京都大学経営管理大学院 8 11 東京大学大学院経済学研究科 7 12 早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻 3 13 大阪市立大学大学院経営学研究科 3 14 関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科 3 15 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻 2 16 同志社大学大学院ビジネス研究科 2 ≪海外学術誌に論文が掲載された教員数≫ (人) 1 神戸大学大学院経営学研究科 23 2 一橋大学大学院商学研究科 22 3 慶應義塾大学大学院商学研究科 14 4 東北大学大学院経済学研究科 11 4 名古屋大学大学院経済学研究科 11 6 北海道大学大学院経済学研究科 10 6 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 10 6 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 10 9 大阪大学大学院経済学研究科 9 10 京都大学経営管理大学院 6 11 東京大学大学院経済学研究科 4 12 関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科 3 13 早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻 2 14 大阪市立大学大学院経営学研究科 1 24 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 14 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻 1 14 同志社大学大学院ビジネス研究科 1 1:Business Source Premier を用いることとした。 注 2:「雑誌掲載論文」とは匿名の査読者による査読を経て掲載される海外学術誌(Econlit において出 版物タイプが"Journal Article"あるいは Business Source Premier において出版物タイプが"Academ ic Journal"であるもの)を表す。 注 3:国公立大学は,北海道大学大学院経済学研究科,東北大学大学院経済学研究科(経済経営学専攻, 会計専門職専攻),東京大学大学院経済学研究科(経営専攻),一橋大学大学院商学研究科,同国際 企業戦略研究科,名古屋大学大学院経済学研究科,京都大学経営管理大学院,大阪大学大学院経済学 研究科(経営学系),大阪市立大学大学院経営学研究科,ならびに九州大学大学院経済学府産業マネ ジメント専攻である。神戸大学大学院経営学研究科は含まない。また,私立大学は,慶応義塾大学商 学部(三田キャンパス所属教員のみ),同経営管理研究科,早稲田大学大学院商学研究科専門職学位 課程ビジネス専攻,同志社大学大学院ビジネス研究科,ならびに関西学院大学専門職大学院経営戦略 研究科である。 注 4:期間としては,出版日が 2009(平成 21)年 11 月から 2012(平成 24)年 6 月までの論文等を 検索している。 注 5:この期間における教員の移動は考慮していない。つまり調査時点(2012(平成 24)年 8 月)にお ける各大学の在籍教員リスト(ホームページ)で把握した各大学所属教員の業績を調査している。な お,神戸大学大学院経営学研究科の場合は,常勤教員 56 人のみで業績を集計している。一部の他大学 については非常勤教員を掲載してある場合もあるが,リスト上非常勤・客員・特別教員であると判別 できた者は除いた。 注 6:標準偏差を掲載している理由は次のとおりである:すべての教員が平均的に海外での研究業績を あげている場合は標準偏差が小さくなり,ファカルティ全体として世界に情報を発信しているという 情報となる。一方標準偏差が大きい場合は,特定の(海外での業績の多い)教員に依存することでフ ァカルティ全体の業績が上昇する。その程度を表すための一つの参考資料としてこの情報を掲載して いる。神戸大学大学院経営学研究科の場合,特に若手・中堅教員を中心として全般的に海外での研究 業績を増加させている傾向がある。 ≪海外学術誌ならびに海外書籍などに掲載された論文・書籍数(教員 1 人当たり)≫ 2009(平成21)11月-2012(平成24)年6月 実績 雑誌掲載論文 著書 (単著・共著等) 著書 (書籍の1章分等) 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 神戸大学大学院経営学研究科 0.911 1.610 0.000 0.000 0.036 0.187 国公立大学 0.556 1.307 0.000 0.000 0.014 0.119 北海道大学大学院経済学研究科 0.451 1.254 0.000 0.000 0.020 0.140 東北大学大学院経済学研究科 0.295 0.691 0.000 0.000 0.016 0.128 東京大学大学院経済学研究科 1.000 1.155 0.000 0.000 0.000 0.000 一橋大学大学院商学研究科 0.583 0.907 0.000 0.000 0.000 0.000 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 0.553 1.364 0.000 0.000 0.000 0.000 25 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 名古屋大学大学院経済学研究科 0.844 2.099 0.000 0.000 0.000 0.000 京都大学経営管理大学院 0.320 0.627 0.000 0.000 0.000 0.000 大阪大学大学院経済学研究科 1.095 1.947 0.000 0.000 0.000 0.000 大阪市立大学大学院経営学研究科 0.094 0.530 0.000 0.000 0.000 0.000 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻 0.125 0.500 0.000 0.000 0.125 0.342 0.323 0.892 0.006 0.079 0.006 0.079 慶応義塾大学商学部 0.361 0.837 0.016 0.128 0.000 0.000 慶応義塾大学経営管理研究科 0.846 1.592 0.000 0.000 0.000 0.000 早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻 0.088 0.379 0.000 0.000 0.029 0.171 同志社大学大学院ビジネス研究科 0.133 0.516 0.000 0.000 0.000 0.000 関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科 0.120 0.332 0.000 0.000 0.000 0.000 私立大学 表から分かるように,経営学研究科では調査対象期間(2 年 8 ヶ月)の間に教員 1 人当たり約 0.9 本の論文 を海外学術誌に公刊している。もちろんこの数字は絶対数としては大きくないかもしれないが,少なくとも主 要国公立大学平均あるいは主要私立大学平均よりは大きい。しかし,日本のトップの水準にはまだなっていな い。例えば,他大学を個別に見ると,経営学研究科は大阪大学大学院経済学研究科(経営学系)の 1.095 本(標 準偏差 1.947),東京大大学院経済学研究科(経営専攻)の 1.000 本(標準偏差 1.155)に次いで三番目であ る。ただし,これらの大学の教員数は 21 人(大阪大学),7 人(東京大学)と少なく,カバーされる研究分 野が狭いことには注意が必要である。大学別に論文数を集計すると,経営学研究科は 51 本となり,2 位(38 本)以下を引き離して最多である。書籍については,刊行数はゼロである。ただし,書籍は比較対象とした他 大学でも殆ど刊行がなく,ある私立大学の教員が 1 冊刊行したのみである。書籍の 1 章については,教員 1 人当たり平均 0.36 であり,主要国立大学平均あるいは主要私立大学平均よりも大きい。さらに,海外学術雑 誌あるいは著書を 1 本あるいは 1 冊でも公刊した教員数が総定員に占める割合を計算すると,下記の通りと なる。 ≪海外学術誌ならびに海外書籍などに論文などを掲載した教員の割合≫(%) 神戸大学大学院経営学研究科 41.1 国公立大学平均 25.3 北海道大学大学院経済学研究科 19.6 東北大学大学院経済学研究科 18.0 東京大学大学院経済学研究科 57.1 一橋大学大学院商学研究科 36.7 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 21.3 名古屋大学大学院経済学研究科 24.4 京都大学経営管理大学院 24.0 大阪大学大学院経済学研究科 42.9 大阪市立大学大学院経営学研究科 3.1 九州大学大学院経済学府産業マネジメント専攻 6.3 17.2 私立大学平均 26 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 慶応義塾大学商学部 23.0 慶応義塾大学経営管理研究科 38.5 早稲田大学大学院商学研究科専門職学位課程ビジネス専攻 5.9 同志社大学大学院ビジネス研究科 6.7 関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科 12.0 経営学研究科の値は 41.1%であり, 主要国公立大学平均では 25.3%, 主要私立大学平均では 17.2%であり, 他大学よりも大きい。他大学を個別に見た場合には,経営学研究科は東京大大学院経済学研究科(経営専攻) の 57.1%,大阪大学大学院経済学研究科(経営学系)の 42.9%に次いで三番目である。以上の値は,書籍を 除いた場合も同じである。 平成 25(2013)年には,学際的会計研究の国際的なトップクラスの学会で,サステイナビリティと会計 問題や知的資本と会計管理等のテーマが中心に討議される「第7回 Asia Pacific Interdisciplinary Research in Accounting」を主催するなど,アジア地域を含む低炭素型サプライチェーンの構築と制度化,国際的な企 業サステイナビリティ・バロメーターの開発,日中の環境配慮型サプライチェーンの比較研究を国際研究拠 点として推進している。さらに,経済産業省,経済産業研究所,中小企業基盤整備機構,日本証券業協会, 大阪商工会議所等,専門委員会の委員長および委員,経済産業研究所や公益財団法人日本証券経済研究所の 研究プロジェクトに関わり,200 名以上の社会人にビジネスプランニングやアントレプレナーファイナンス の教育プログラムを NPO 法人現代経営学研究所を通じて提供し,平成 24(2012)年5月に戦略的企業家教 育センターを開設した。同センターは,企業家や大企業の新規事業担当者を対象に,アントレプレナーシッ プ,アントレプレナーファイナンス,戦略に関する実践教育のプログラムを提供している。 Pacific-Basin Finance Journal 誌に掲載された,Chan, k.C., Chen, C.R., and Lee,T.C. (2011), A lon g-term assessment of finance research performance among Asia-Pacific academic institutions (19902008). Volume 19 Issue 1, pp.157-171 によれば,ファイナンス領域の主要ジャーナル 23 誌に掲載された 学術論文の評価に基づく上位 50 大学のランキングで,神戸大学が 21 位と,一橋大学 24 位,京都大学 33 位, 国際大学 34 位,筑波大学 36 位,東京大学 39 位,南山大学 42 位,名古屋大学 49 位を上回り,日本の大学で は第 1 位にランキングされた。また,主導的研究者として,忽那憲治教授がリストアップされた。 忽那憲治教授: Journal of Finance, Journal of Financial Economics, Journal of Banking and Fina nce, Review of Financial Studies からなる Finance 分野でのすべてのトップジャーナルにアクセプトされ ている日本で唯一の研究者である。また,entrepreneurial finance の専門分野の学会誌である,Corporate Ownership and Control, Journal of Property Research, An International of Journal of Entreprene urial Finance に論文を掲載した。 27 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 Rank (1990–2008) ● Institution Country Institution Country 1 Hong Kong U Science Technology Hong Kong 26 U W eastern Australia Australia 2 U New South Wales Australia 27 National Chengchi U Taiwan 3 Chinese U Hong Kong Hong Kong 28 Korea Advanced Inst Science Technology Korea 4 National U Singapore Singapore 29 Lingnan U Hong Kong 5 Hong Kong Polytechnic U Hong Kong 30 Hong Kong Baptist U Hong Kong 6 Nanyang Tech U Singapore 31 Macquarie U Australia 7 City U Hong Kong Hong Kong 32 U Tech Sydney Australia 8 U Sydney Australia 33 Kyoto U Japan 9 Monash U Australia 34 International U Japan Japan 10 U Auckland New Zealand 35 Peking U China 11 U Melbourne Australia 36 U Tsukuba Japan 12 Korea U Korea 37 U Otago New Zealand 13 U Hong Kong Hong Kong 38 Auckland U Tech New Zealand 14 Singapore Management U Singapore 39 U Tokyo Japan 15 U Queensland Australia 40 Yuan Ze U Taiwan 16 National Taiwan U Taiwan 41 La Trobe U Australia 17 Massey U New Zealand 42 Nanzan U Japan 18 Victoria U Wellington New Zealand 43 Griffith U Australia 19 Australian National U Australia 44 Sungkyunkwan U Korea 20 National Central U Taiwan 45 Hankuk U Foreign Studies Korea 21 Kobe U Japan 46 Hanyang U Korea 22 RMIT U Australia 47 Tsinghua U China 23 Seoul National U Korea 48 Yonsei U Korea 24 Hitotsubashi U Japan 49 (t) Nagoya U Japan 25 National Chung Cheng U Taiwan 49 (t) Fu-Jen Catholic U Taiwan 大学評価:Times-QS World University Ranking (現 QS World University Ranking) Peer Reviewer である教員や,環境管理会計の主要手法であるマテリアルフローコスト会計(MFCA)の国際規格 ISO1 4051 を取りまとめ国際標準化機構(ISO)の技術委員会ワーキンググループの議長を務めた教員などを 擁している。また,国際的学術賞を受賞し高く評価される研究成果をあげるなど,グローバルに活動する 教員を多数擁している。 28 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ≪グローバルな活動≫ ●国際的学術賞 1 2015 年 2 月 松井 建二 2 2013 年 11 月 音川 和久 3 2013 年 8 月 村上 英樹 4 2012 年 8 月 村上 5 2012 年 7 月 松尾 6 2012 年 7 月 南 7 2012 年 7 月 松井 『Best Paper Award in "Channels of Distribution and Interorganizational Re lationships/Business-to-Business" Track』(American Marketing Association) 『国際会計研究学会平成 25 年度学会賞』(国際会計研究学会) 『ICASL2013 Best Paper Prize』(Asian Journal of Shipping and Logistics). (松瀨由佳里との共同受賞) 『日本海運経済学会・韓国海運物流学会国際交流賞』(日本海運経済学会・韓国海運 英樹 物流学会).(朝日亮太との共同受賞) 博文 知惠子 建二 『The Jose A.D. Machuca P&OM World Conference Highly Commended Awa rd』(EurOMA, JOMSA and POMS). 『Best Track Chair Award』(Korean Scholars of Marketing Science, Global Marketing Conference). 『BAI2012 Best Reviewer Award』(International Conference on Business an d Information). 『Best Paper Awards of 10th Northeast Asia Management and Economics J 8 2011 年 10 月 國部 克彦 oint Conference 第 10 回東北アジア経営経済学会最優秀論文賞』(東北アジア経営 経済学会).(北田皓嗣との共同受賞) 『Best Article in Total Quality Management & Business Excellence for 200 9 2010 年 6 月 松尾 博文 9』(Total Quality Management & Business Excellence).(Rita Arauz,Hi deo Suzuki との共同受賞) 10 2008 年 10 月 村上 英樹 『STX PRIZE』(STX Scholarship Foundation, Korean Association of Shippin g and Logistics). 『PriceWaterHouseCoopers Award for the “Best Junior Contribution to the 11 2008 年 10 月 與三野 禎倫 Development of Intangibles and IC theory and Practice”』(4th European Ins titute for Advanced Studies in Management Workshop on “Visualising, Meas uring, and Managing Intangibles and Intellectual Capital,”). 『Outstanding Article Awards 2007, Journal of Financial Research/Outstandi 12 2008 年 8 月 砂川 伸幸 ng Article Awards 2007, Journal of Financial Research』(Journal of Financi al Research). 13 2007 年 5 月 松尾 博文 14 2006 年 4 月 國部 克彦 15 2002 年 9 月 村上 英樹 16 1998 年 7 月 水谷 文俊 17 1988 年 三品 和広 『Outstanding Service as Regional Vice President - Australasia』(Productio n and Operations Management Society). 『中国環境科学学会優秀論文賞』 『日本海運経済学会・韓国海運学会交流ベストペーパー賞』(日本海運経済学会・韓 国海運学会). 『Public Transport Prize/Public Transport Prize』(World Conference on Tra nsport Research Society). 『ハーバード大学ビジネススクールプライズ賞』(ハーバード大学). 29 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ・宮原泰之准教授は、理論経済学のインターナショナル・トップランク・ジャーナルである Journal of Eco nomic Theory 誌に掲載された次の論文[1][2]により、繰り返し ゲームの研究で国際的に高い評価を得ている。 [1] Miyagawa, E., Miyahara, Y, and T. Sekiguchi (2008), “The folk Theorem for repeated games w ith observation costs,” Journal of Economic Theory, Vol.139, No.1. [2] Miyahara, Y, and T. Sekiguchi (2013), “Finitely repeated games with monitoring options,” Jour nal of Economic Theory, Vol.148, No.5,pp. 1929-1952. ・末廣英生教授は、次の論文[3]でリーダーシップ のゲーム理論モデルを提唱したが、組織の経済学分野で初 めての国際的ハンドブックである[4]においてその研究が取り上げられ、解説されている。 [3] Kobayashi, H. and H. Suehiro (2005), “Emergence of leadership in teams,” Japanese Economic Review, Vol56., No.3. [4] Gibbons, R. and J. Roberts ed. (2013), “Handbook of organizational economics,” Princeton Univ ersity Press. その他、忽那憲治教授の論文(Journal of Finance, 64 巻 1 号, 2009 年)、水谷文俊教授の論文(Journa l of Regulatory Economics, 26 巻 3 号, 2009 年)、丸山雅祥教授の論文(Journal of Economics, 第 98 巻 第 1 号, 2009 年)、三古展弘准教授の論文(Transportation, 第 37 巻第 2 号, 2010 年)などの国際的なトッ プジャーナル論文、松尾博文の編によるサプライチェーンマネジメントに関する国際学会の論文集、管理会計 分野の多くの学会賞を受賞した松尾貴巳教授の著書など、特筆すべき実績を有している。 グローバルに活動する研究者 Entrepreneurial Financeの忽那憲治 Finance Top 3 Journals (J of Finance, J of Financial Economics, Review of Financial Studies) に学術論文を掲載。神戸大学のファイナン ス主要ジャーナル掲載論文ランキングは、アジア21位、日本1位 Sustainability Accounting and Managementの國部克彦 会計学および環境経済学のトップジャーナルAccounting, Organization and SocietyやEnvironmental Resource and Economicsに学術論文掲 載。Accounting, Auditing and Accountability Journalをはじめ、5誌の国 際ジャーナルの編集委員。ISO/TC207/WG8の国際議長。 SCMの松尾博文 SCMのTop 2 Journals (Management Science, Operations Research) に11編の学術論文を掲載、両誌の編集委員を務める。Supply Chain Thought Leaders Roundtableのメンバー 30 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■その他,研究面における優位性 ● 平成 24(2012)年に採択された「卓越した大学院拠点形成支援補助金」において,経営学研究科経営学 専攻は,すべての学術分野を含む専攻の中で,教育研究実績に基づく卓越性が,「S(特に優れた)」と して,18 専攻のうちの 1 つとして評価された。 ● 21 世紀 COE プログラム「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」に採択(経営学分野で採択された 3 つのうちの 1 つ)され,国内研究教育拠点の拡張や海外の研究拠点の設置による国際的な視野での日本 型ビジネスシステムの研究を推進した。 ● 経営学博士(博士(経営学)を含む)を426名に,商学博士(博士(商学)を含む)を145名に授与し,本 学出身者は,(2015年3月31日現在)。 ● 経営学分野を含む経済学分野における研究費助成事業採択件数(2007 年~2012 年)は,日本の大学の中 で第 1 位に位置付けられている。 KAKEN(国立情報学研究所が運営する科学研究費助成事業データベース)を用いて、2007-2012 年の 6 年 間に採択された課題(新規及び継続)を研究代表者の所属機関別に獲得件数での上位にある分野は以下のとお りであり、大規模大学や社会科学系単科有力大学に比べて、経済学・法学・政治学の分野で本学の研究活動の 水準が高いことが示されており、伝統を有する社会科学系の部局(経済、経営、法学)が強みを有していると いえる。 ①研究力強化方針 神戸大学の強み 【科学研究費助成事業】採択件数 出典: KAKEN 2007-2012 経済学(経営学含む) 法学 政治学 順位 大学名 件数 大学名 件数 大学名 件数 1 神戸大学 490 東京大学 251 東京大学 199 2 東京大学 427 神戸大学 185 神戸大学 110 3 大阪大学 363 大阪大学 170 大阪大学 76 4 京都大学 307 東北大学 147 京都大学 66 5 東北大学 259 京都大学 135 東北大学 19 主な文部科学省採択事業を活用した大学院改革 ① 21世紀COEプログラムに採択 ・「市場化社会の法動態学」研究教育拠点」 法学研究科 ・「新しい日本型経済パラダイムの研究教育拠点」経済学研究科 ・「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」 経営学研究科 ② 「卓越した大学院拠点形成支援補助金」事業に採択 ・法学研究科、経済学研究科、経営学研究科(特に、経営学研究科経営学専攻は、「S」評価) 16 31 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ● 辞典やハンドブックの編集を行っている。 ・「経営学大辞典」〔第 2 版〕(中央経済社)神戸大学経営学研究室 ・「会計学辞典」〔第 6 版〕(同文館出版)神戸大学会計学研究室 ・「経営学ハンドブック」(ミネルヴァ書房)神戸大学経済経営学会 ● 編 編 編 「日経・経済図書文化賞」の経営学分野の審査員 2 名のうち 1 名が神戸大学経営学研究科の教員である。 ≪平成 27(2015)年度 第 58 回日経・経済図書文化賞審査委員≫ 審査委員 現職 吉川 洋 東京大学 八代 尚宏 国際基督教大学 斎藤 修 一橋大学 岩井 克人 国際基督教大学 本多 祐三 関西大学 杉原 薫 政策研究大学院大学教授 経済史(アジア、ヨーロッパ、アメリカ) 伊藤 元重 東京大学 大学院経済学研究科・経済学部教授 国際経済学 井堀 利宏 東京大学 大学院経済学研究科・経済学部教授 財政学、公共経済 櫻井 久勝 神戸大学 大学院経営学研究科教授 会計学 池尾 和人 慶應義塾大学 岡崎 哲二 東京大学 翁 百合 株式会社日本総合研究所 沼上 幹 一橋大学 大学院商学研究科教授 経営戦略論、経営組織論 大竹 文雄 大阪大学 社会経済研究所教授 労働経済学、行動経済学 松井 彰彦 東京大学 大学院経済学研究科・経済学部教授 ゲーム理論、貨幣論、障害と経済 芹川 洋一 株式会社日本経済新聞社 岩田 一政 公益社団法人日本経済研究センター ● 専門分野 大学院経済学研究科・経済学部教授 客員教授 マクロ経済理論 経済政策、社会保障・労働問題 名誉教授 経済史 客員教授 経済理論、法理論、日本経済論 総合情報学部教授 金融論と計量経済学 経済学部教授 日本経済論、金融システム論 大学院経済学研究科・経済学部教授 理事 日本経済史、歴史比較制度分析 金融システム 公的金融 金融監督・規制 金融行政 専務執行役員論説委員長 代表理事・理事長 国際金融論、金融論、コーポレートガバナンス 福田敬太郎元神戸大学学長が「日本商業学会」の発足に尽力した。日本の社会科学系では有数の規模, 流通・マーケティング分野での主力学会の学会賞受賞者のうち,約3割が神戸大学の教員と大学院出 身者によって占められており,これは日本一である。 ● 「日本会計史学会」(1985 年から 2012 年)までの受賞者の約 3 割が神戸大学経営学教員もしくは博士課 程修了者によって占められており,これは日本一である。 ● 「日本交通学会賞(論文の部)」(2005 年から 2013 年)までの受賞者の約 6 割が神戸大学経営学教員も しくは大学院生である。 32 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ● 神戸大学経営学研究科が深く関わっている学会があり,顕著な実績を残している。 ・日本経営学会 日本の経営学系で一番大きく,歴史のある学会。学会設立にも神戸大学が大きく携わった。西日本事務 所(西日本代表)は現在も継続して神戸大学経営学研究科にある(東日本事務所は一橋大学)。 ・日本労務学会 人事・人的資源系の最大の学会で,ここ数年の学会賞(学術賞および研究奨励賞)は,神戸大経営の 教授(上林憲雄,平野光俊,高橋潔)と神戸大の院生がほぼ独占している。 ・日本監査研究学会 昭和 30 年代から,神戸大学久保田音二郎教授を中心に,監査研究の推進および監査研究者の交流を 図るために設立された。 ・International Economics and Finance Society Japan(IEFS Japan) 経営学研究科出井文男教授,神戸大学経済経営研究所の下村和雄教授(故人),京都大学経済研究所(現 在)矢野誠教授,愛知学院大学(現在)多和田眞教授,の4人が 1995 年に創設した学会。1995 年から 2 001 年まで出井文男教授が会長を努めた。会員は現在 149 人。出井文男教授は 2004 年から現在に至るま で事務局長を努めている。 ・日本海運経済学会 日本海運経済学会は,1966 年8月の東京・虎ノ門の日本船舶クラブでの発起人会を経て,同年 10 月神 戸船舶クラブでの創立総会において設立された。その母体は,1953 年に結成された神戸海運研究会と 19 57 年に発足した東京海運研究会の2団体である。これらが結集して日本海運経済学会を設立するに当た り,本学会が,海運・造船・港湾・貿易・保険をも含む総合的視点からの海運経済の研究を,日本交通学 会,日本港湾経済学会,日本保険学会との連携のもとで遂行する一方で,海運経済独自の特殊性にも注目 した個別研究をも展開するという意図が明らかにされた。上記の創立総会において,初代会長に小島昌太 郎京都大学名誉教授,副会長に麻生平八郎明治大学教授,野村寅三郎神戸大学教授,佐波宣平京都大学教 授の3氏,常任理事に伊坂市助関東学院大学教授,加地照義神戸商科大学教授,佐々木誠治神戸大学教授 (事務局長兼務)の3氏を決定し,第1回の年次大会を 1967 年 10 月に東京・日本郵船青山クラブにお いて開催した。 33 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆社会科学系部局による連携 神戸大学六甲台キャンパスに位置する社会科学系の5部局(法学研究科,経済学研究科,経営学研究科,国 際協力研究科,経済経営研究所)は,質・量ともに日本で最大規模の陣容をもつ社会科学分野の中核的教育研 究拠点として発展し,実業界に優秀な人材を輩出し,共同研究,プロジェクト研究,公開講座,シンポジウム などを通じて深い連携・協力を進めてきた。昭和 24(1949)年5月公布の国立大学設置法の公布により,神 戸経済大学,神戸経済大学予科,神戸経済大学附属経営学專門部,姫路高等学校,神戸工業專門学校,兵庫師 範学校,兵庫青年師範学校を包摂して神戸大学が設置された。神戸経済大学は,法学部,経済学部,経営学部 の3学部となり,同時に,新制神戸大学に唯一の附置研究所として経済経営研究所が設置された。以来,経済 経営研究所は,全国の大学の附置研究所の中で経営学の研究部門(企業競争力研究部門,企業情報研究部門) を置き,サービス・イノベーション人材育成プログラムを推進するなどの実績を有する。一方,経営学研究科 には協力講座・国際戦略分析講座を置き,経済経営研究所の教員から経営学研究科の学生への研究指導を行っ ている。 ≪社会科学系5部局の強み・特色≫ ●法学研究科 ★企業取引に関わる先端的な法律分野や知的財産法関連分野について幅広い専門的知見の蓄積 (「市場化社会の法動態学」;2003年度21世紀COEプログラム) ●経済学研究科 ★グローバル化と人口減少下の持続可能経済に関する専門的知見の蓄積 (「新しい日本型経済パラダイムの研究教育拠点グローバル化と人口減少下の持続可能経済」;2003年度21世紀COEプログラム) ★持続可能な開発のためのごみ問題や防災教育等に関するアクションリサーチ型のフィールド研究教育 (ESD;Education for Sustainable Development))」(発達科学部、文学部と連携) ★COEに併設された経済学国際共同研究センター(以下「COREAP」という)による国際共同研究の蓄積 ★EUインスティテュート・イン・ジャパン関西(EUIJ関西)設立における中心的な役割(経済学部・経済学研究科、法学部・法学研究科)、EUに ついての包括的な研究、教育プログラムとして提供 ●経営学研究科 ★グローバル・環境配慮型サプライチェーン、並びにアントレプレナー・ファイナンスの国際的な専門的知見の蓄積 (「先端ビジネスシステムの研究開発教育拠点」;2003年度21世紀COEプログラム) ★サプライチェーン・マネジメントに関わる世界の専門家を一同に集めた会議の開催(サプライ・チェーン・マネジメント・ソートリーダー・ラウンド テーブル;松尾博文教授)の開催(2007年) ★アジア地域を含む低炭素型サプライチェーンの構築と制度化に関する研究実績(2012年度環境省受託事業) ★環境マネジメントシステム国際規格ISO14051設定における主導的な役割 ★実務に根差したフィールドリサーチを強化するための経営アクションリサーチの実施、実践者へのレクチャー機会の提供など独自の体系的プログラ ムを開発(2005年度「魅力ある大学院教育イニシアティブ」) ★サスティナビリティ経営、環境会計、グローバルサプライチェーン管理、アントレプレナーシップ等に関わる国際的な教育研究ネットワークの構築 (カリフォルニア大学リバーサイド、インペリアルカレッジ・ロンドン、シドニー大学、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ、WHU、ウイーン経済経 営大学、ワシントン大学セントルイス、UCLA、カリフォルニア大学サンディエゴ、MIT等) ●国際協力研究科 ★日本、アジア、欧米を繋ぐ三極連携の学際的・実践的教育研究の蓄積 ★経済危機・社会情勢危機などのリスクを管理する手法の蓄積 ★地球環境保全を含む世界的な社会的倫理的規範を策定する国際機関の教育研究の蓄積 ●経済経営研究所 ★グローバル化と人口減少下の持続可能経済に関する専門的知見の蓄積(経済学研究科との連携) ★サービス・イノベーション研究の体系化と成果普及推進事業 ★産学連携による実践型人材育成事業 研究成果公表のための印刷媒体として『国民経済雑誌』がある。同誌は,明治 39(1906)年創刊のわが国 における経済学・経営学系の学術誌の草分けともいえる存在であり,創刊当時は他の大学や高等商業学校の研 究者にとっても数少ない研究成果の公開メディアとなっていた。『国民経済雑誌』は,現在は本研究科,経済 学研究科,経済経営研究所の全教員,および国際協力研究科の一部の教員を正会員として構成される神戸大学 経済経営学会が編集・発行の母体となっており,月1回の頻度で刊行され,平成 24(2012)年6月で通算 2 05 巻を数えている。近年では,学生の他学部授業の相互履修推進という目的で,平成 20(2008)年度から, エッセンシャル・プログラム制度が神戸大学六甲台後援会の援助を得て開始された。エッセンシャル・プログ ラムは,経営・経済・法の六甲台3学部がそれぞれ他学部学生向けに授業を開講するというもので,経営学部 34 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 からは「エッセンシャル経営学」と「エッセンシャル会計学」の2科目が提供されている。学生は,自身が所 属する以外の2学部の授業を各2科目,合計4科目修得することによりプログラムの修了認定証が授与される。 平成 24(2012)年度からは,グローバル化のさらなる展開といった外的変化だけではなく,人口動態の変化 に代表される内的変化を前に,産業社会とのコーディネーションを多面的角度から統合的に行えるようにする ために,関連諸分野の各々拠点である各部局を土台として,社会科学系教育研究府が設置された。社会科学系 教育研究府が設置されたことにより,社会科学系部局は有機的かつ体系的に連携して教育・研究,さらに社会 貢献を行う枠組を構築することとなった。 ≪社会科学系教育研究府≫ 社会,企業における課題への対応力の強化と貢献 学理と実際の調和の実質的な推進 (Research Based Educationの機能強化) 学外 社会科学系教育研究府 国際機関 (他研究機 関) 他大学 (国内外) 論文・書籍 による情報 発信 フィード バックと 学習 教育と対外的 な情報発信 企業・非営 利組織 <高等アクション リサーチ・ユニット> <産業創生インキュベー ション・ユニット> 産学共同研究 革新的実践の 調査 関連知識・知見 の統合 <社会科学先端 リサーチ・ユニット> アクションリサーチに よる臨床研究・導入実践 実践の変化と 理論の進化 先端的基礎理論研究 学際的かつ産官学協働を推進するための組織的な研究教育拠点 <法学研究科> ・わが国の法学政治学 研究をリード ・法曹教育をリード <経済学研究科> ・わが国における経済 学の中心拠点 ・国際経済(EU研究) <経営学研究科> ・わが国における経営 学・商学の中核的研 究教育拠点 ・国立大学初のMBA開設 35 <国際協力研究科> ・グローバル・イシュー に対する学際的研究 ・教育 ・教育の国際化において 高評価 <経済経営研究所> ・国立大学最古の社会 科学系附置研究所 ・経済学・経営学研究の 国際研究拠点 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆神戸大学六甲台キャンパス 経営学研究科の主たる教室は,神戸大学六甲台キャンパスの本館(第一学舎)に位置している。六甲台本館 は,旧制神戸商業大学が六甲台に移転するにあたって昭和7(1932)年に建築されたものであり,ほぼ同時 期に建築された附属図書館(現社会科学系図書館)(昭和8(1933)年),兼松記念館(経済経営研究所) (昭和9(1934)年),講堂(昭和 10(1935)年)とともに,戦前の商業大学時代の面影を現代に伝える, 六甲台キャンパスの歴史的景観を形作っている(なお,これらの建物は文化庁により登録有形文化財に指定さ れている)。社会科学系図書館は,平成 16(2004)年度に人文・社会科学系図書館から改称したものである が,旧制神戸高等商業学校創設以来の歴史を有しており,神戸大学内では一番歴史が古くかつ最も規模の大き な図書館である。この図書館は,本館,書庫棟,管理棟,およびフロンティア館の一部から構成されている。 主として経営学研究科・経済学研究科・法学研究科・国際協力研究科に所属する学生と教職員をサービス対象 としており,したがって,その蔵書も,これらの部局の教育研究活動に関連した資料が中心であり,社会科学 系の大学図書館として全国有数の規模を有している。また,貴重資料として複式簿記に関して世界で最初に出 版された図書といわれるルカ・パチョーリ著の「ズムマ」の 1494 年ベネチア刊の初版本を所蔵している。 社会科学系図書館以外にも経済経営研究所が管理する図書館等として経済経営研究所図書館があり,経済 学・経営学関係の図書雑誌を幅広く収集している。特に,国際経済統計資料や,米国,オーストラリア,中南 米等各国の政府機関刊行の資料を重点的に収集している。また,その中には国際連合やその専門機関からの寄 託図書を所蔵する国連寄託図書館が設置されている。経済経営研究所附属企業資料総合センターでは,大学の 学術研究と社会とを「リエゾン(連携)」する役割を担うことを目的とし設置されているセンターであるが, 経営分析に必要な内外の有価証券報告書(昭和 24(1949)年以来の東証・大証・名証 1 部上場会社全社の有 価証券報告書が冊子あるいはマイクロフィルムで所蔵)や営業報告書(わが国の明治期から昭和 28(1953) 年までの諸会社約 5,000 社,昭和 34(1959)年から昭和 38(1963)年までの東証 1 部上場会社約 700 社, 明治期から昭和前期の鉄道関係会社 996 社の営業報告書が冊子,マイクロジャケット,マイクロフィルム, マイクロフィッシュで所蔵)を収集している。 36 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆グローバル・リンク計画 経営学研究科における国際的連携・交流は,「グローバル・リンク計画」に基づくものである。グローバル・ リンク計画とは,国際化・情報化へと急速に変化していくわが国の社会経済状況に即応した新しい教育環境を 整備し,教育を巡る国際交流ネットワーク構築とその拠点化をめざすという施策の一環として立案したもので あり,海外大学との学術交流の提携,本研究科の在学生を積極的に海外に送り出す施策,本研究科の教員の海 外派遣と外国人研究者の受け入れをその主な内容とする。 その嚆矢は,フランスのパリ高等商業専門学校(ESCP:Ecole Superieure de commerce de Paris)との 学術交流協定(昭和 57(1982)年締結,平成2(1990)年改定)による学生(学部・大学院)の交換,ドイ ツのコブレンツ経営管理大学(Die Wissenschaftliche Hochschule fuer Unternehmensfuehrung Koblent z)との学術協定(昭和 63(1988)年締結)による大学院生の交換(平成 18(2006)年度改定により,学部 生も対象),ならびに大学間協定(平成4(1992)年締結)に基づく英国エセックス大学との間の学生の交 換に始まる。その後,提携校は順次拡大された。まず,平成5(1993)年度にはワシントン大学大学院経営 学研究科との間に大学院生の交換に関する協定が締結され,さらに,これは平成8(1996)年度のワシント ン大学経営学部との学部レベルの学生の交換に関する協定へと拡張された。平成5(1993)年度には,カリ フォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン大学院経営学研究科との間にも,大学院生の交換に関 する協定が締結された。また,平成6(1994)年度には,英国マンチェスター大学大学院経営学研究科との 間に大学院生の交換に関する協定が締結された。さらに,平成7(1995)年度には,テキサス大学オースチ ン校大学院経営学研究科との間に大学院生の交換に関する協定が締結され,平成 10(1998)年度には,メル ボルン大学経済学部との間に学部学生の交換に関する協定が締結された。平成 11(1999)年にはフランスの エコール・シュペリエール・ド・コメルス・マルセイユ―プロブァンス(ESCMP),平成 13(2001)年度に はスウェーデンのヨーテボリ商科大学,タイのチュラロンコン大学,平成 16(2004)年には英国のカーディ フ大学,ノルウェー経済経営大学との交流協定が締結されるなど,グローバル・リンク計画は着実に推進され ていった。新たに設定された KIBER(Kobe International Business Education and Research)プログラム や SESAMI(Strategic Entrepreneurship and Sustainable Alliance Management Initiatives)との関係で, ニーズの高まっている提携先の増大に向け行動を開始したところである。 部局間の協定にもとづく学部の留学応募者数は,経済環境の悪化,またそれによる学生の海外志向の低下か ら,平成 19(2007)年度をピークに下降線をたどっていたが,交換留学説明会あるいは留学経験者による交 換留学座談会の開催等,派遣留学生の増加に向けた活動の結果,平成 22(2010)年度には 10 名にまで回復 した。さらに平成 23(2011)年度には,交換留学支援のための KIBER プラグラムの開始もあり,引続き 11 名の応募をみた。「社会人院生海外留学制度」は平成6(1994)年度より,大学院経営学研究科日本企業経 営専攻の在学生を対象にして,実行に移された。この制度の特徴は,①社会人院生2年コース在籍者のうち 1 年次修了者を対象とすること,②相手先・派遣先の双方が上限3人まで授業料を相殺すること,③学生の希望 により相手国での企業研修(インターンシップ)を経験できること,④派遣学生の選抜は相互に相手方大学に 任せること,⑤相手先での履修科目を派遣先で一定の条件下で単位認定すること,の5点に要約できる。平成 6(1994)年度の本制度開始以降,平成 23(2011)年度までに本制度を利用して海外に留学した社会人院生 は延べ 42 人にのぼる。 経営学研究科の教員の海外派遣と外国人研究者の受け入れは過去8年安定して活況を呈している。在外研究 制度は,長期(1年程度)または短期(3ヶ月程度),研究科での諸種の負担を免除され,海外の大学などの 研究機関に滞在して研究活動を行うものである。若手教員にとっては外国大学の PhD 学位を取得する,外国 37 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 での専門研究を深めるなど,そのインセンティブは計り知れないものがある。また,特別研究員制度ではロー テーションにしたがって,毎年2人がその恩恵に浴している。 ≪経営学研究科教員の海外派遣の年度別推移≫ (人) 年度 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 3 2 3 2 2 2 2 2 3 「教職員等派遣」に属する個別活動 40 50 45 76 95 79 65 61 24 その他「国際会議等への参加」に属する個別活動 33 30 43 43 41 25 38 36 39 在外研究員(出発) 海外からの招聘外国人研究者の受け入れは欧米,アジア,中国,ロシアなど多角化している。 ≪外国人研究者の受け入れの現況≫ (人) 年度 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 外国人研究者の受け入れ 15 4 8 7 5 9 3 1 外国人研究者(受託研修員) 0 0 0 0 0 0 0 0 平成 24(2012)年度から試行的に実施している SESAMI プログラムにおいて英語による体系的コースワ ークと国際的研究交流を推進することにより,国際研究教育者ネットワークのハブ機能が強化され,本学にま すます多数の海外の研究者が集結する好循環を生む。また,国内外企業や官と連携し,組織的に実際の経営課 題を解決することで,教育効果が高まる。その過程で生まれた Ph.D. レベルでの研究成果は,本研究科の社 会人 MBA 教育にも還流される。さらに,その教育方式は,本学の人文・人間科学,社会科学,自然科学,生 命・医学系分野においても展開されることが期待できる。現在,東南アジアや東アジアからは,多くの学生が 本研究科の博士課程への入学を希望しているが,この地域では,事業創造と地域社会との共生による経済発展 が期待されているので,さらなる応募者(特に英語圏のアジアから)が,期待できる。また,欧米では,環境 やサステイナブルな経済に関心が寄せられていることから,これらの国々からの人材の応募も期待できる。 38 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ≪SESAMI プログラム担当講師≫ Strategic Entrepreneurship (headed by Prof. K. Kutsuna): Kenji Kutsuna Area Director - Strategic Entrepreneurship University: Kobe University Areas of Expertise: Entrepreneurship, Entrepreneurial Finance Richard Smith International Alliance Advisor - Strategic Entrepreneurship University: University of California, Riverside, The A. Gary Anderson Graduate School of Management Areas of Expertise: Finance, Entrepreneurial Finance Niclas Rüffer University: Universität Mannheim Areas of Expertise: Innovation, Strategic Management, SME Research Douglas Cumming University: The Schulich School of Business, York University, Canada Areas of Expertise: Economics , Finance , Responsible Business Robert Eberhart University: Leavey School of Business, Santa Clara University Areas of Expertise: Comparative Corporate Governance of Growth Companies (Asia and US) Charles (Chuck) Eesley University: Stanford University Areas of Expertise: Policy for high growth entrepreneurship, New ventures K. Skylar Powell University: Western Washington University, College of Business and Economics Areas of Expertise: FDI theory, Strategic Management of Multinational Companies Janet Smith University: Claremont McKenna College, Robert Day School of Economics and Finance (with Ke nji Kutsuna) Areas of Expertise: Contract Economics, Financial Economics, Law and Economics, Organizations and Markets 39 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 Yasuhiro Yamakawa University: Babson College, USA Areas of Expertise: Revitalizing/Learning from Failure; Challenges inherent in Corporate Venturi ng Activities; Cognitive Legitimacy and the Failure of Industry Emergence; bankruptcy Law and Entrepreneurship Development Bishnu Kumar Adhikary University: Kobe University Areas of Expertise: SME Financing, Credit Management, Financial and Managerial Accounting, Financial Analysis, Institutional Finance, Foreign Direct Investment Sustainability Alliance Management (headed by Prof. K. Kokubu): Katsuhiko Kokubu Area Director - Sustainability Alliance Management University: Kobe University Areas of Expertise: Social and Environmental Accounting Jeffrey Unerman International Alliance Advisor - Sustainability Alliance Management University: University of London, Royal Holloway, School of Management Areas of Expertise: Accounting and Corporate Accountability Naren Agrawal University: Leavey School of Business, Santa Clara University Areas of Expertise: Supply chain management, Service supply chain management, Manufacturing competitiveness Mohammed Haider University: Kwansei Gakuin University Areas of Expertise: Sustainability Accounting Hirofumi Matsuo University: Kobe University Areas of Expertise: Operation Management, Supply Chain Management Edeltraud Günther University: Technische Universität Dresden Areas of Expertise: Environmental performance measurement, Life cycle assessment, Sustainabili ty management, Scenario planning, Barrier analysis Strategic Management (headed by Prof. K. Takahashi): 40 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 Kiyoshi Takahashi Area Director - Strategic Management University: Kobe University Areas of Expertise: Industrial Psychology, Organizational behavior Shige Makino International Alliance Advisor - Strategic Management University: Chinese University of Hong Kong, Business School Areas of Expertise: International Strategic Alliances, Theory of Foreign Direct Investment, Corpo rate Strategy Ralf Bebenroth University: Kobe University Areas of Expertise: Comparative Corporate Governance, esp. in Marketing, Human Resources an d Finance John Dawson University: The University of Edinburgh Areas of Expertise: Retailing and Marketing Kazuhiko Kakamu University: Kobe University Areas of Expertise: Statistics, Econometrics Kenneth S. Law University: Chinese University of Hong Kong, Business School Areas of Expertise: Research Methodology, Performance, Leadership, Emotional Intelligence and HRM Issues Desmond Lo University: Santa Clara University Areas of Expertise: Contracting in marketing channels, Sales force management, Business marke ting, Organizational economics, and Industrial organization 41 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 In-Sue Oh University: Temple University, Fox School of Business Areas of Expertise: Human Resources, esp. Psychological Testing, Personnel Selection, Validatio n, Meta-Analysis Carolus Praet University: Otaru University of Commerce Areas of Expertise: International Marketing, International Advertising, Cross-cultural issues in Marketing and Advertising, Celebrity Endorsement Andrew Smith University: University of Leeds, Institute for Transport Studies Areas of Expertise: Efficiency Analysis and Regulation in the Railway Sector / other Regulated Network Industries Ana Maria Takahashi University: Kobe University Areas of Expertise: Labour Economics Daphne Yiu University: Chinese University of Hong Kong, Business School Areas of Expertise: Corporate and international strategy; strategy in emerging economies; intern ational entrepreneurship; international corporate governance 42 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆景気低迷期の適切な組織行動を促す研究・教育プログラム 概算要求特別経費(平成 22(2010)年度~25(2013)年度)として, 「景気低迷期の適切な組織行動を促 す研究・教育プログラム」が採択された。日本の国際的な競争力を維持・向上させるため,景気低迷期におけ る企業(組織)の行動に関する包括的な研究が不可欠であるとの考えに基づき,1)社会科学発想の産学連携シ ステムを構築・運営すること,2)日本経済の立て直しに貢献すること,3)高度戦略的経営・管理人材の育成 を行い,景気低迷にも打ち勝てる頑強な組織経営体質を構築することをプログラムの目的としている。平成 2 2(2010)年には,社会への知の発信,産学官民との良好な連携を図るため,梅田インテリジェントラボラト リを開設した。経営学研究科教員が行った最先端の経営実践についての研究成果を発信し,ビジネスパーソン との意見交換を行うことを目的とした「経営グッドプラクティスセミナー」を梅田インテリジェントラボラト リにて行っている。景気低迷期に企業がとる経営行動には類似性が観察されると予想されることから,各種の 経済団体やコンサルティング会社(経済団体連合会,経済同友会,関西経済団体連合会,社会経済生産性本部, 日本能率協会,日本科学技術連盟,野村総研,三菱総研,リクルートマネジメントソリューションズ),これ までの競争的資金等を通じて研究・教育交流のある主要大学(東京大学,一橋大学,慶應義塾大学,早稲田大 学,青山学院大学,京都大学,同志社大学,関西学院大学等)との連携も事業の進行に応じて視野に入れてい る。また,「経営グッドプラクティスセミナー」のテーマに関連した内容について個別企業からの相談があっ た場合に,講師が問題解決のためのアドバイスを個別に行う「経営外来」に関しては,平成 23 (2011)年度の 実績が 11 件,平成 24 (2012)年度上半期の実績が7件となっている。なお,支援期間終了後は,経営面で多 くの問題を抱える医療機関の収益性改善に寄与する産学連携システムの検討や日本版ニューディールに関す る提言等を行う。 43 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ≪景気低迷期の適切な組織行動を促す研究・教育プログラム≫ 景気低迷期の適切な組織行動を促す研究・教育プログラムの事業デザイン 背景・課題 ・ 世界的な景気低迷に直面している日本企業・社会を再生するトータルシステムによる人材の 育成は急務であり、これに失敗すれば、わが国の競争力に重大な影響が懸念される。 目的・ねらい ・ 新たな産学連携システムの構築 ・ 景気低迷期の組織行動に関する研究の推進 ・ 産学の枠を 超えた広領域の教育 ・研修の提供 取り組み内容 「社会科学発想による産学連携システムの構築・運用」 ・ 研究成果に基づき、社会科学発想による産学連携システムを構築・運用 ・ 連携機関と協力し、神戸大学インテリジェントラブラトリを活用しながら、企業等の組織に向 けて、景気低迷期の適切な組織行動のための処方箋を提供 効果 ・ 社会問題解決に向けた実証・提言型の研究の増加 ・ 日本企業の競争力の維持、および早期の業績回復 ・ 産学連携システムが機能し、大学等高等教育機関の社会的意義の向上 社会科学発想による産学連携システム 開発 (産学官連携システムの拡張を視野に) 神戸大学大学院経営学研究科 「景気低迷期の組織行動」研究 ・人材育成 ・ビジネスシステム ・品質・環境 ・税務会計 神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ(大阪都心部) 教育 ・社会人大学院博士後期課程(共同設置も視野に) (社会人オピニオンリーダー 育成) ・社会人MBAプログラム (高度戦略的 経営・管理人材 育成) ・交流の場 ・「経営グッドプラクティス」セミナー ・経営外来 ・組織行動の情報 (経営行動資料センター) 連携・協力 連携機関 ・NPO法人 現代経営学研究所 ・公益法人 高等経営研究所 人材 ・継続的人材育成 ・提言 ・情報提供 ・税務会計改革 成果の 提供 ・教育・研修 ・提言等に基づく自己変革 濃密な産学 コミュニケーション ・経済団体、業界団体、 コンサルタント ・他大学 企業等の組織 景気低迷期の適切な組織行動 のための処方箋 ・教育 ・研修 ・コンサルティング 44 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 2.最近における特記事項 ◆平成 19(2007)年 ■文部科学省・大学院教育改革支援プログラム「経営学研究者の先端的養成プログラム」に採択 された。 *詳細は教育改革の取り組みの項を参照されたい。 ◆平成 20(2008)年 ■特になし ◆平成 21(2009)年 ■神戸大学大学院経営学研究科, 慶應義塾大学大学院経営管理研究科,京都大学大学院経営管理教育 部の3校は,経営管理人材教育に関して包括的連携協定を締結した。この連携を通じて,優れた人 材を輩出する教育システムの開発に着手した。 ◆平成 22(2010)年 ■神戸大学の学外情報発信拠点であるとともに,神戸大学が新たな産学連携システムを構築し,産 学の枠を超えた広領域の教育・研究の提供を通じてわが国企業の競争力を強化するため,主に社 会人を対象としたさまざまな先端的かつ実践的な教育研究を展開するため「神戸大学インテリジ ェントラボラトリ」を開設した。 ◆平成 23(2011)年 両大学院間の交流と協力を推進し, ■神戸大学大学院経営学研究科と京都大学経営管理大学院は, 教育研究の充実を図ることを目的として,平成 24(2012)年度より相互に必要な授業科目を 受けることができる相互履修協定を締結した。 ■短期交換留学制度を再整備し,国際社会と文化を理解した,グローバルな社会環境で活躍できる経 営人材を育成するため,Kobe International Business Education and Research (KIBER) Program を開始した。 45 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆平成 24(2012)年 ■法学研究科,経済学研究科,経営学研究科,国際協力研究科,および経済経営研究所から構成され る社会科学系5部局の総合性を発揮し,新たな課題に対処するため,「社会科学系教育研究府」を 設置した。 ■平成 24(2012)年度から社会科学系4部局(法学研究科,経済学研究科,経営学研究科及び国際 協力研究科)により六甲台第 1 キャンパスの学舎を用いた英語教育(社会科学系4部局英語イブニ ングコース)を導入した。本コースは,社会科学系部局における教育を補完するため,社会科学系 の専門分野の授業を英語で受講する基礎コース,TOEFL 等の点数アップのためのコース,国際学 会報告やプレゼンテーションのスキルアップのためのコースにより構成され,英会話学校が,大学 の学舎において,大学との協議に基づく英語コースを対象学生に提供する。対象学生は,法学部, 経済学部及び経営学部に所属する学部学生並びに当該研究科及び国際協力研究科に所属する大学院 生及びポスドク研究員とする。 ■文部科学省「卓越した大学院拠点形成支援補助金」に申請し,独立行政法人日本学術振興会にお いて行った経営学研究科経営学専攻の教育研究実績に基づく卓越性の評価の結果,「S」としてグ ループ分けされ特に高い配分率を得ることができた。これにより,優秀な学生をひきつけ,世界 で活躍できる研究者を輩出する環境づくりを推進して,優れた研究基盤を活かし高度な教育と研 究を融合する卓越した拠点を活用し,博士課程の学生が学修研究に専念できる環境を整備する。 ◆平成 25(2013)年 ■平成 25(2013)年4月から,産学官の連携,海外ビジネススクールとの連携により,経営学分野 では日本初となる授業科目,研究指導をすべて英語で行う,修士・博士課程一貫教育プログラム, 「戦略的共創経営(SESAMI)プログラム」を開始した。このプログラムは,高度な戦略的企業 家の養成にかかわる「創造経営」とサステイナビリティ経営とグローバル・サプライチェーンの 専門家の養成にかかわる「共生経営」に特化している。 46 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 3.社会貢献 ◆行政とのネットワーク 本研究科の教員が,従来,結びつきの強かった産業界のみならず,地方公共団体や中央政府等の公的機関へ コミットする機会も増大しつつある。具体的には,国や地方公共団体の各種委員会や国家試験関係の委員会, 政府系研究機関の研究会等に参加している教員が増えてきている。これらは,従来にも増して経営学研究科所 属教員の社会に対する貢献度が高まっていることを示している。行政とのネットワーク指標の一つとして,国 や地方公共団体の委員会委嘱件数の年度別推移を示したものである。 年度 2005 2006 2007 2008 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 教員数 66 66 59 61 61 58 58 58 57 56 61 委員委嘱件数(合計) 54 54 62 69 69 45 55 56 48 43 48 (国) (21) (20) (28) (31) (31) (17) (28) (29) (22) (22) (24) (地方公共団体) (33) (34) (34) (38) (38) (28) (27) (27) (26) (21) (24) 教員 10 人当たり委員委嘱件数 8.1 8.1 10.5 11.3 11.3 7.6 9.4 9.6 8.4 7.6 7.9 ●社会活動の実績 【政府関係に関する活動】: (1)環境省「環境報告ガイドライン等改訂に関する検討委員会委員」(2011 年 10 月 7 日~2012 年 3 月 29 日)(國 部克彦) (2)厚生労働省「高年齢者・障害者雇用対策関係委託事業委員会」評価委員(2007 年~現在)(上林憲雄) (3)中小企業基盤整備機構「ベンチャーファンド出資事業評価・検討委員会」委員(2007 年~現在)(忽那憲治) (4)経済産業省「産学連携人材育成事業(「人材マネジメント型企業変革リーダー育成プログラム開発・実証委 員会」委員)」(2008 年~現在)(平野光俊) (5)文部科学省サービス・イノベーション人材育成推進 GP の一環として、スウェーデンの製造小売業 IKEA 社についての研究を行い、日本法人を取材し映像教材を作成(南知惠子) 【企業・産業連携に関する活動】: (1)(社)産業環境管理協会 ISO14051JIS 化委員会委員(國部克彦) (2)関西経済連合会「関西企業価値研究会」アドバイザー(2006 年)(砂川伸幸) (3)アドバイザー:ルネサステクノロジ(2003 年~現在)、日立製作所(2000~2005 年)、全日空(2004~2006 年) (松尾博文) 【グローバルな活動】: (1)大学評価:Times-QS World University Ranking (現 QS World University Ranking) Peer Reviewer (2008 年~現在)(水谷文俊) (2)10th International Marketing Congress(パリ ESCP-EAP による開催)(2011 年)の chair(司会)(南知惠子) 47 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 (3)WG 8 (Material Flow Cost Accounting) TC207/ISOThe first meeting of WG8 Bogoda, Columbia(2 008 年 Columbia ; 2009 年 東京 ; 2010 年 Praha ; 2011 年 Berlin)の議長 (國部克彦) (4)International Associate, Centre for Social and Environmental Accounting Research(St. Andrews University)(1994-現在)(國部克彦) (5)Supply Chain Thought Leaders Roundtable (2008 年 Spain ; 2009 年 Costa Rica ; 2010 年 Nethe rlands)のラウンドテーブルメンバー(松尾博文) (6)The International Transport Forum at the OECD(2010 年 France)のラウンドテーブルメンバー(水谷 文俊) (7)The Third World Conference on Production and Operations Management(2008 年 東京)の国際会議 のプログラム委員長(松尾 博文) ほかにも、大学病院は、平成 22 年度文部科学省大学改革推進事業「看護師の人材養成システムの確立」 に採択された。本事業は、医学部附属病院看護部と神戸大学医学部保健学科看護学専攻とが連携して「教育 プログラム開発」および「教育指導者養成」を行うことにより、看護職員の看護実践能力の持続的な向上を 図り、質の高いジェネラリストを確実に育成するために、保健学科との人事交流を通して教育現場と臨床現 場が連動した教育システムを再構築し、看護師が自らキャリア・デザインを描ける体制を整備するものであ る。この事業にも、看護師への人材育成に関する講演会等で講師として招へいされるなど、本研究科の教員 が関わり、看護師のキャリア形成にも役立っている。 KOBE Reflective Educative Plan 概念図 人事交流 看護学専攻 病棟勤務 看護部 スーパー教育指導者 養成コース 非常勤講師 経営学研究科 教育指導者 人材育成:指導者に対するフォローアップ 看護実践教育力 育成プログラム 人材活用:NURSE NAVIを活用した人員配置 新人 看護師 能力評価:評価ツールの開発、評価の実施 処遇:称号付与、上位昇給 RF評価 ツール 教育 指導者 キャリアパス構築 RF評価 ツール N 教育プログラム開発 看護実践力 育成プログラム 経験学習に基づく リフレクションを軸とした 双方向型教育プログラム ・NURSE NAVI 機能拡充 ・eラーニング・iPadによるモバイル学習システム 48 ラダー Ⅱ ラダー ・ Ⅰ 教育指導者 養成コース プログラム開発に協力 認定看護師 工学研究科 教育指導者養成 人間発達環 境学研究科 専門看護師 医学研究科 看 護 管 理 者 スーパー 教育指導者 ラダー Ⅲ 教育指導者養成に協力 大学教育 推進機構 看護職キャリアパス ラダー Ⅳ 神戸大学大学院 保健学研究科 神戸大学医学部附属病院 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆現代経営学研究所との共催による社会貢献活動 本研究科では,平成元(1989)年度の MBA プログラムの発足と歩調をあわせて,「現代経営学研究学会」 を立ち上げた。この学会は,本研究科がイニシアティブをとりながら,実務上緊急で重要な問題について取り 上げて,その問題に対する最新の経営学の理論的視点も同時に提示して,その問題に詳しい実務家と研究者の 間で,目線をあわせて有意義なやりとりが行われる場として創設され,平成 16(2004)年度からは,特定非 営利活動法人(NPO)「現代経営学研究所」として新たに発足しており,先端的かつ実践的な経営教育の場 として神戸大学六甲台キャンパスを活動拠点の一つとして機能している。主たる活動は,年4回のワークショ ップ(神戸大学の六甲台キャンパス等で開催),および,年1回のシンポジウムがある。ワークショップは, 数十人から 100 人前後までの規模で,日曜半日をかけて行われ,基調報告やパネル討議のやりとり(フロア からの質問やそれへの回答を含めて)を含み,さらに,関連する投稿論文は,現代経営学研究学会の機関誌『ビ ジネス・インサイト』(季刊)の特集として後日公表されている。シンポジウムでは,本研究科の教員がまず 問題提起を行い,著名な経営者たちに基調報告やパネル討議に登壇していただき,最新の経営課題に関する, 学理と現実の融合を促進し,経営理論の一般社会への発信を行っている。その他, 「逸品」ものつくり経営塾」, 「人勢塾」,「ベンチャーファイナンス実践塾」などの研究会を,産業界などからメンバーを募集し,製品開 発・品質管理や人材マネジメント,ベンチャー企業の資金調達・投資などのテーマに関して,研究会参加者が, 最新の知識や経営課題について議論や研究を積み重ねている。これらの研究会は,研究者と企業が共同で研究 する「アクションリサーチ」の場としても機能している。 49 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ◆トップマネジメント講座 昭和 62(1987)年度以降,毎年3~4科目の頻度でわが国の代表的な企業人・経営幹部を非常勤講師とし て迎える「トップマネジメント講座」を開講している。本講座の目的は,学部学生に対して,企業経営トップ の現実の経験に根ざした知恵・知識に触れる機会や,各企業・各産業の最新動向と将来展望などについての理 解の促進,これからの産業界の担い手として育っていく学生への役割・手本に触れる機会,将来の進路判断の 材料等を提供することにあり,学部教育における社会連携の重要な手段となっている。 年度 講 座 平成18年度 企業税制の理論と実務 池田 隼啓氏 ほか近畿税理士会 企業変革論 幡掛 大輔氏 ほかクボタグループ 多国籍企業実践経営論 畔柳 文雄氏 ほかユニリーバジャパン 新時代の総合電気の経営戦略 日立製作所 平成19年度 経済社会と税制 池田 隼啓氏 ほか近畿税理士会 現代航空産業論 西松 遙氏 ほか日本航空インターナショナル 食を通じた顧客基点の経営 浦上 博史氏 ほかハウス食品 ファッション産業経営論 フェリシモ、ワコールほか 平成20年度 証券取引所論 米田 道生氏 ほか大阪証券取引所 企業経営者と税制 最先端ものづくり企業の経営と企業間連携 宮口 定雄氏 ほか近畿税理士会 内原 康雄氏 ほかエヌシーネットワーク ファッション産業経営論 フェリシモ、ワコールほか 平成21年度 グローバル「超競争」と日本企業の課題 梅澤 高明氏 ほかATカーニー 化学企業の経営戦略 積水化学工業 成長型中小中堅企業論 平成22年度 グローバル「超競争」と日本企業の課題 ワタベウェディング、オムロンヘルスケアほか 梅澤 高明氏 ほかATカーニー BtoBコミュニケーションの課題と実際 ものづくり企業の経営~神戸で生まれて105年、二世紀目 の複合企業 平成23年度 マーケティング・クリエイティブ 日本産業広告協会 神戸製鋼所 岩田 弘三氏 ほか神戸の企業各社 スポーツ品メーカーの事業戦略 ミズノ お客様満足を追求する経営戦略 アサヒビール ダイレクトマーケティング論 (社)日本通信販売協会 平成24年度 消費者志向の企業経営 滝田 章氏 ほか消費者関連専門家会議 アントレプレナーに学ぶ新規事業展開ビジネスモデル 企業経営と市場 長田 一郎氏 ほか中小企業各社 日揮、SMBC日興証券ほか 平成25年度 ダイレクトマーケティング論 (社)日本通信販売協会 地域に根ざした食品小売業の戦略的経営 マックスバリュ西日本 地域振興論 小林 茂氏 ほかシンクタンク各所 平成26年度 地域活性化:新しい地域づくりへの取り組み 内閣府ほか 経営品質賞受賞企業に学ぶ経営革新 辻本 健二氏 ほか受賞企業 消費者志向の生命保険経営 明治安田生命 平成27年度 会計プロフェッション論 日本公認会計士協会 経営と経営学:神戸大卒のビジネスリーダーたちから学ぶ 住友商事・野村ホールディングスほか イノベーションとアントレプレナーシップ 山本一彦ほか ◆公開講座 産業界や公的機関との関係を超えた,社会一般に対する啓蒙活動,特に企業経営とそれを取り巻く環境に関 わる一般的な理解を深めるための啓蒙活動として,法学研究科,経済学研究科,国際協力研究科,経済経営研 究所と協力して,公開講座の機会を利用して広く知識の伝播に努めている。 50 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 このほか,実際に行われている MBA の講義を公開の場で行っている。平成 15(2003)年 11 月に,「組織 変革にまつわる心理的プロセス:レクチャーとエクササイズ」というテーマの MBA 院生への実際の授業を, MBA プログラムに興味のある人に無料で公開するという試みを,大阪市の中央公会堂において,200 人を超 える聴衆を集めて開催した。また,平成 17(2005)年度は,MBA 教育に積極的に取り組んでいる,あるい は取り組もうとしている企業の担当者を対象として,「神戸大学 MBA フォーラム」として,「人材マネジメン トの問題点とその克服」と題する記念講演,「人材マネジメント応用研究」の模擬授業,MBA プログラムの説 明を 26 社の出席で開催した。平成 18(2006)年度にも同様の試みを,「組織行動応用研究」の実際の授業を 公開することで,前年とは別の 22 社からの参加を得て開催した。さらに平成 19(2007)年度から平成 21(2 009)年度まで,MBA 教育に関心をもつ企業担当者だけでなく経営学研究科の MBA プログラムへの受験を 検討している社会人を対象に実際の「オペレーションズマネジメント応用研究」の講義を公開している。 ◆景気低迷期の適切な組織行動を促す研究・教育プログラム 「景気低迷期の適切な組織行動を促す研究・教育プログラム」は,概算要求特別経費(平成 22(2010)年 度~25(2013)年度)として申請を行い,採択された研究・教育プログラムである。日本の国際的な競争力 を維持・向上させるため,景気低迷期における企業(組織)の行動に関する包括的な研究が不可欠であるとの 考えに基づき,1)社会科学発想の産学連携システムを構築・運営すること,2)日本経済の立て直しに貢献す ること,3)高度戦略的経営・管理人材の育成を行い,景気低迷にも打ち勝てる頑強な組織経営体質を構築する ことをプログラムの目的としている。 平成 22(2010)年には,社会への知の発信,近隣の産学官民との良好な連携を図るため,梅田インテリジ ェントラボラトリを開設した。経営学研究科教員が行った最先端の経営実践についての研究成果を発信し,ビ ジネスパーソンとの意見交換を行うことを目的とした「経営グッドプラクティスセミナー」を梅田インテリジ ェントラボラトリにて行っている。また,「経営グッドプラクティスセミナー」のテーマに関連した内容につ いて個別企業からの相談があった場合に,講師が問題解決のためのアドバイスを個別に行う「経営外来」に関 しては,平成 23 (2011)年度の実績が 11 件,平成 24 (2012)年度上半期の実績が7件となっている。 ◆SESAMI プログラムを通じた研究推進・研究成果の情報発信 本プログラムの目的は,日本のビジネスシステムの強みを継承した形でのグローバルスタンダード(国際標 準)の構築を理念とし,新規事業を「創造」し,「共生」を推進する能力を兼ね備えた戦略的共創経営人材を グローバルな観点から養成することである。戦略的共創経営は,日本の社会・企業が必要としている分野であ り,日本がグローバルリーダーの位置を確固たるものとできる研究教育領域でもある。この特化した目標を達 成するために必要な独自のリソースとして,本研究科は稀有なケーパビリティを持つに至っている。本研究科 は「制度の神戸」として,経営制度の研究教育に伝統的な強みを持ち,環境マネジメントシステム国際規格 I SO14051 の発行に主導的な役割を担う等,グローバル・環境配慮型サプライチェーンの国際的研究拠点,並 びに,アントレプレナーファイナンスの国際的研究拠点として既に確立しており,多数の海外研究機関との親 密な連携ネットワークを構築できている。また,国際展開をしている関西主要企業との連携関係は伝統的に強 く,本プログラムの効果的な実施と研究成果を経営の実践に迅速かつ効果的に展開できる体制を持つ。日本社 会・企業の喫緊の課題を解決する,グローバルリーダーとなりうる研究教育領域に独自のケーパビリティを持 って取り組む体制になっている。 51 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 創造経営ラボと共生経営ラボをユニットとし,海外提携大学,国際展開している連携企業と共同し,学生グ ループによるフィールド研究(プロジェクト研究,フィールド研究)を実施することによって,実践的課題解 決能力と実践に即した理論構築能力を修得することにある。グループ研究プロジェクトごとに,本学の教員, 海外提携大学の研究者,企業の担当者が組織的に指導,助言を与えることにより実践的課題解決能力を修得す る。さらに,このプロジェクトチームに適時,海外交換留学生と海外提携大学の研究室の大学院生が参加する。 戦略的共創経営の国際標準構築を目標として,産官学国際ワークショップを定期的に開催している。平成 25 (2013)年度においては,7 月 26 日(金)か ら 28 日(日)にかけて,「第 7 回アジア太平洋学際的会計研 究学会(APIRA KOBE 2013)」が神戸国際会議場にて開催され,本学会の組織委員長を國部克彦教授が務 めており,国内外から 200 本以上の報告,30 か国以上から 300 名以上の研究者が参加した。そして,教員の みならず,学生にも研究成果発表の機会を与える。国際的な研究発表の経験の早期の蓄積と,学生を国際的な 研究ネットワークに組み込むことにより,国際的に研究でリーダーシップを発揮できる人材を養成する。 ◆学外への情報発信 学外への情報発信に関しては,電子媒体によるジャーナルである『経営研究』(Business Research)の発 行,教員の執筆による『ディスカッション・ペーパー』,社会人 MBA プログラム院生の執筆による『MBA ワーキング・ペーパー』,Ph.D プログラム院生の執筆による『大学院生ワーキング・ペーパー』の発行およ びインターネット上での公開を通して,産学間における活発な知識・意見交流の促進を行っている。 近年,ホームページ以外の電子メディアを通じた活動にも積極的である。インターネット上での動画コンテ ンツ配信,メールマガジン『eureka』の発行はその一つの例であり,動画コンテンツの公開の方法は,VOD (Video on Demand)システムによりインターネット上に動画コンテンツを展開する他に,希望者に複製 C D-R を配布し,臨時号・EXPRESS も発行されている。講読は無料であり,登録さえすれば誰でも講読する ことができる。メールマガジンでは経営学研究科が行っている教育研究活動の報告や,ビジネス・キーワード を研究者の視点から解説するなど,ビジネスパーソンに向けて情報発信がなされている。平成 27(2015)年 12 月現在の講読者数は 2,074 人であり,多くの講読者を獲得している。 そのほか,平成 23(2011)年 12 月から,神戸大学大学院経営学研究科・経営学部の公式アカウントによ る Twitter(http://mobile.twitter.com/bkobeu)の試験運用にも着手している(平成 27(2015)年 12 月現在で, 公式アカウントによる Twitter は 1,690 のフォロワー)。現代経営学研究所でも Twitter(http://mobile.twit ter.com/riamjp)運用が開始されており,『ビジネス・インサイト』の発刊やワークショップ,ならびにシン ポジウムに関しても,より積極的な情報発信が行われている(平成 26(2014)年 12 月現在で,現代経営学 研究所の Twitter のフォロワーは 488)。 ◆ステイクホルダーへの意見聴取 経営学研究科は,日本における経営学・商学の中核的な研究教育拠点(COE)として,「学理と実際の調 和」という建学の理念の下,神戸高等商業学校の伝統ある系譜を汲み,産学連携をとりわけ強く意識しつつ産 業界でのリーダーとなる人材の養成を手がけてきた。本研究科の目指す産業社会との相互協力と相互批判を通 じて研究を進め,その成果を学内外で教育するとともに,社会還元していくという「オープン・アカデミズム」 という理念によって端的に表現されている。「オープン・アカデミズム」の概念は,学際的・応用的学問領域 である経営学の特質に鑑みて,産業界の絶えず変化する現実問題を遅滞なく教育研究対象として取り上げると 52 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ともに,その成果を産業界や社会一般に積極的に発信,還元し,その批判を受ける,ならびに,このような教 育研究活動を大学の主体性・自律性において行うということである。すなわち,大学としての主体性・自律性 を保ちながら,教育研究活動において産業界との相互交流を促進し,批判,研鑽しあい,アカデミズムと産業 界がともに発展するということ,そして,その研究成果を,学内・学外における教育活動のみならず,さらに, 広く社会一般に公開するということである。 この「オープン・アカデミズム」の理念のもと,継続的に在学生や修了生,教職員のみならず,社会人,企 業,社会など多岐にわたるステイクホルダーの意見・意向を継続的に受け入れて検討し,教育研究目的,教育 プログラムとカリキュラム,アドミッション・ポリシー,教員組織,管理運営体制の見直しを行ってきた。そ の過程において,教育研究上の目的を成文化し現在に至っている。そして,制度,組織,教育研究上の目的に 関する改善の方法,プロセス,および内容を,これまでの『神戸大学大学院経営学研究科 自己評価・外部評 価報告書(2000-2001,2002-2003,2004-2006,2007-2009,2010-2012)』において詳細に公表してきた。 本研究科では,社会人 MBA プログラムを試行的に開設した平成元(1989)年度から,「日本型経営教育 システム構想委員会」を設立し,経営学研究科における社会人 MBA プログラムの現状と課題,将来計画等に 関して大学側から報告を行ってきた。その場で,社会人 MBA プログラムの現在と将来について,派遣元(な いし一般)の企業の人事責任者と大学側の教務責任者とが忌憚なく意見を交換し合う機会をもってきた。合計 25 回を数えた当該委員会もまた,間接的ではあるが,学外の委員や企業を通じての社会人 MBA プログラム の存在を社会的に認知させる手段となってうまく機能してきた。 経営学研究科教員側の専門知識,教授ノウハウと経験からどのような社会人教育が可能かというサプライ・ サイドの議論は,学内の関係者のみの会合で議論できるが,産業界がどのような MBA 教育を望んでいるかと いうディマンド・サイドとの摺り合わせは,日本型経営教育システム構想委員会の場でなされてきた。その後 実施された多種多様なアイディア,たとえば,プロジェクト方式,平日夜間の開講,1年修了コースや秋入学 等のアイディアは,この場の議論から生まれて実験的に実施された。また,この委員会のメンバーとして議論 に参加し,経営学研究科の MBA プログラムに理解を示された委員の所属される会社から開設初期の段階で学 生の派遣が促進された。MBA 教育もこの立ち上げの時期から,20 年以上の歴史をもち,受験者数も定員の3 倍を超えることもあり,企業等からの派遣学生が占める割合も下がってきた。日本型経営教育システム構想委 員会は,その役割を果たし終えて,発展的に解消され,平成 15(2003)年度からは,人事担当者の視点を超 えて,さらに経営者の戦略的視点から今後の MBA プログラムの展開の方向を探るために,経営者を構成員と する新たな組織として「アドバイザリー・ボード」を設置した。 アドバイザリーボード委員一覧名簿(24.4.1~27.3.31) 氏 名 会社名等 職 名 H25.11現在 期 間 1 井原理代 日本放送協会 経営委員会委員(常 勤)兼監査委員 2 尾崎 裕 大阪ガス 代表取締役社長 22.2.15~ 3 小瀬 昉 ハウス食品株式会社 代表取締役会長 24.4.1~ 4 北 幸二 株式会社関西アーバン銀行 頭取 24.4.1~ 5 鈴木基史 鈴木公認会計士事務所 公認会計士 24.4.1~ 6 高﨑正弘 三井住友銀行 名誉顧問 18.10.1~ 7 冨山和彦 経営共創基盤 代表取締役CEO 24.4.1~ 8 宮下國生 神戸大学 名誉教授 24.4.1~ 9 宮本又郎 大阪大学名誉教授、関西学院大学名誉教授、 放送大学客員教授、大阪経済大学客員教授 24.4.1~ 関西学院大学 24.4.1~ 10 室崎益輝 教授 53 24.4.1~ 備 考 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 現在,定期的に実施されているステイクホルダーの意見聴取のプロセスとしてアドバイザリー・ボードのほ かに,MBA フェロー制度,MBA 懇談会がある。平成 18(2006)年度,実務界で活躍している MBA 修了生 が,先進的実務家として MBA プログラムの高度化に貢献するとともに,産学連携推進媒体となる「MBA フ ェロー」という制度を創設した。「アドバイザリー・ボード」および 24 人の MBA フェローは,外部評価者 として,MBA プログラムの運営について助言を行っている。さらに,在学生を対象とした「MBA 懇談会」 を実施し,意見聴取を行っている。そして,自己評価・外部評価報告書が作成される年度においては,修了見 込生を対象として,アンケート調査および意見聴取を行っている。 外部評価委員(主に他大学研究者)からのコメント抜粋 <全般> ・日本のトップスクールとして十分に高い評価を得つつも,その地位に安住せず,さらに世界水準の評価を得 るための努力を行っており,端的に言うなら「さすがだ」との感想を持つ。(東京大学大学院経済学研究科) <学士課程> ・神戸大学経営学部(経営学研究科)は,その歴史と伝統,各界に輩出した有為多彩な人材,教員スタッフの 高水準の教育研究業績,学界内外多方面での社会的・指導的な役割など,あらゆる点から見て,経営学(広 義)分野における,わが国を代表するトップスクールであることに,多言を要しない。その名に相応しく, 総合的に見て,入口のアドミッション・ポリシー,選抜方式から出口の進路支援に至るまで,そして正規の 教養科目・専門科目・ゼミから周辺的ユニークな取り組みに至るまで極めて高い水準の学部教育を維持し精 力的に推進している,と認められる。(立命館大学大学院経営管理研究科) ・貴学は,わが国のトップに位置する経営学部であり,常に他大学からの注目を集めている。今後も,他大学 にとって参考となりうるような教育内容および体制を整えていただくことを希望する。(横浜国立大学経営 学部) ・オープン・アカデミズムの基本理念がカリキュラム編成,学生選抜のあり方,履修上の条件設定,独自の取 り組み(トップ・マネジメント講座,社会人専任教員,会計プロフェッショナル育成プログラム,KIBER プログラムなど)に体系的に具体化されており,また,指導のあり方についても,ゼミの厳格化,GPA, 高度教育サポート制度,教授が語る研究の話会,経営学入門演習,充実した設備,多数の TA など,多方面 にきめ細かい目配りが行き届いている。教育体制としては,ほぼ文句ない程度の完成度である。また,アン ケートで見ても,授業への学生の出席率はよいし満足度も高い。ただ,問題は,学生の自己学習時間の少な さである。この克服のために成績評価のあり方を種々工夫されていることは理解できるが,さらに一段と自 己学習をする時間を増やすように学生を誘導する仕掛けを工夫されることが望まれる。さもないと,せっか くの良い教育プランが十分浸透しないことになる虞はないだろうか。(桃山学院大学経営学部) ・神戸大学経営学部は,経営学・会計学・商学の領域において高度な専門的知識を身につけ,21 世紀の知識・ 産業社会において知的リーダーシップを発揮できる人材の育成を教育の目的としています。そのための,教 育組織,施設や設備といったハード面は十分に整っていると思います。また,教育の質の向上や改善のため の努力は十分に行われていると思われます。その点で,経営学を学びたい学生にとって魅力のある大学であ ると思います。(一橋大学大学院商学研究科) <博士課程> ・欧米の一流大学にひけをとらない高いレベルの教育内容を院生が系統的に履修でき,最終的には博士号取得 54 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 につながるシステムを構築し,それを年々改善している点が何よりも優れていると感じた。特に,院生にコ ア科目の履修および総合学力試験を通じて基礎的学力を習得させた上で修士論文を書かせ,博士後期課程に 進学した者に修士論文とは別個の論文の提出を求めつつ,再び基礎力をつけさせるという指導方法は,幅広 い知識,深い思考力,広い視野などプロとしての研究者に必要な資質を涵養する上で最良の措置であろう。 (京都大学大学院経営管理研究部) ・神戸大学大学院経営学研究科は東の一橋大学とならんで,日本における経営学・商学・会計学研究者養成の 拠点校として多大な実績を挙げてきた。絶えず果敢に新機軸に取り組んできたアイディア力,組織としての 一体性は高く評価できる。近年では独自のカリキュラムにより,課程博士取得を促進する5年一貫のPhD 教育プログラムを開発したことが注目される。とくに「方法論研究」,「総合学力試験」,「第2論文」, 「(博士)論文指導委員会」などの導入は制度的取組として興味深い。(大阪大学大学院経済学研究科) ・神戸大学大学院経営学研究科は,日本を代表する経営研究の拠点であり,その研究水準も明らかに国内トッ プ・クラスです。研究を通じて教育するという,フンボルト理念を貫くのに十分な体制・組織だと考えます。 神戸大学の位置する関西圏には,京都大学,大阪大学といった総合研究大学があります。京都大学,大阪大 学とは,単位の全面的な相互認定を導入し,他大学の教員を博士論文審査委員会に入れるのを義務化するな ど,リソースの相互融通が考えられます。また,インブリーディングを薄めるため,他大学教員による博士 論文の査読を義務づけるのも一案でしょう。(慶応義塾大学大学院経営管理研究科) ・経営学・会計学・商学・金融論などの領域で研究者を育成する拠点として,日本を代表する重要な拠点であ る神戸大学大学院経営学研究科は,その拠点にふさわしい優れた研究者の集積による研究指導と,確実な教 育体制の整備が行なわれている点で高く評価できる。博士課程のコースワーク化,総合学力試験の導入など, 早い時点から基本的な体制を整備してきたが故に,現時点でもその完成度は日本を代表するレベルに達して いると思われる。(一橋大学大学院商学研究科) <専門職学位課程> ・学生の受け入れについて,企業の人材育成担当としては外部で非常に質の高い育成機会を神戸大学 MBA で 持ちうることは非常に評価できる。それだけにより多くの企業派遣を促進する施策実施してもらいたい。 (九州大学大学院経済学研究院) ・神戸大学大学院経営学研究科の社会人 MBA プログラムは,わが国の社会人 MBA 教育をリードしてきた実 績と優れた教授陣の研究業績によって,既に高い評価を得ている。とりわけ,実務から隔絶された環境で教 育する欧米型の MBA プログラムとは異なり,実務実践に直接関わる学生だからこそもつことのできる問題 意識と,優れた経営学研究者との交流を通じて「働きながら学ぶ」ことの積極的意義を,MBA カリキュラ ムに体系化した点は,わが国のビジネス風土においてきわめて有効な教育システムとして高く評価できる。 (首都大学東京大学院社会科学研究科) ・経営分野のアカデミクスの成果を MBA 教育に生かすための取り組みを着実に行っていることは高く評価す べきであると考える。しかし,日本のビジネススクール社会の為にも更なる教育科目の追加を実験するとと もに,MBA 教育のグローバル化の方向を当研究科のスタンスを明確にして推進していただきたい。更に M BA 教育を,教員サイドの視点だけでなく,学生サイド,ビジネス社会サイドから検討して,常にカリキュ ラムを変革していく仕組みの確立を期待する。(明治大学グローバルビジネス研究科) ・貴研究科も1年プログラムの導入など,カリキュラムの在り方において試行錯誤の結果,現在の「プロジェ クト方式」に到達されたと思います。アドバイザリー・ボードと MBA フェローを見る限り,メンバーが揃 っており,頻繁にコミュニケーションしているのは高く評価できる。こうした運営面での優れた対応力も特 55 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 筆すべきことですが,むしろ,ビジネススクールが社会の知識ハブとしての教育機関であることに鑑みれば, 貴研究科の方針とプロセスはベンチマークされるべき一つのモデルと思います。日本では,ともすると実務 家の経験や知識を安易に目玉にする研究科が散見される中で,貴研究科はビジネスを科学すると同時に,実 務界との接点も積極的に拡大している点で,世界標準にも合致しています。(早稲田大大学商学学術院) <研究> ・近年,英語による論文の発信が増加傾向であることは良い方向への変化であり,今後も継続的にこの傾向が 強化されていくことが期待できる。また学術的な著作の出版についても,年により増減は見られるものの, 数年単位でくくってみれば,十分にインパクトのある業績を生み出していると思われる。(一橋大学大学院 商学研究科) ・貴学の研究者は総じて研究の生産性が高いと判断できる。このことは,論文,単著の数でも,また,学会で の評価をみても明らかである。また,有能な若手研究者の排出は,指導陣の研究水準の高さの証左でもある。 今後は,国内外の大学,企業,地域との共同研究の推進と国際的な研究成果の発信が更に求められるであろ う。(慶應義塾大学大学院商学研究科) ・日本国内においては,研究の質,量ともに他大学の追随を許さないトップビジネススクールであることは疑 う余地もない。しかし,急速なグローバル化の進展に伴って,国際競争を余儀なくされるのは企業だけでは ない。世界の中のトップビジネススクールを目指した取り組みがほしい。たとえば,日本のリーディングビ ジネススクールとして,研究評価の基準となる尺度を提案していただきたい。ビジネススクールに所属する 日本の若手研究者達が,何を目指して日々,研究に取り組んでいけばいいのか,その指針を示してほしい。 (名古屋大学大学院経済学研究科) ・研究者の研究業績も,平均すれば日本の平均をはるかに超えており,また,きわめて国内外への発信力の高 い研究者が相当数存在することは明らかである。(東京大学大学院経済学研究科) アドバイザリー・ボード(産業界・言論界等)概要報告から抜粋 ・企業が本当に欲しいのは,欧米型のMBAを模しているようなカリキュラムではなく,日本的経営の勝ち 組企業のノーハウ等を取り入れた形での人材育成である。 ・MBA や学部の科目において,たとえば M&A やアライアンスなど従来の企業経営と少し切り口の異なる ものや,病院や公共企業,自治体のマネジメントをどのようにするのかというニーズが出てきている。 ・韓国や中国の一流大学の卒業生は,英語でビジネスができるぐらいになっているが,神戸大学の取り組み はどうなっているのか。TOEIC のスコアがすべてを表すわけではないが,800 点が目安。 ・神戸大学卒業の会計専門家にはリーダーシップを発揮してほしい。企業だけでなく,団体や行政なども含 めて広く活躍してもらわないといけない。 ・神戸大学のビジネススクールが他大学のビジネススクールと比較して有する特徴は何か,何を持って差別 化を図るのか。「日本型経営教育」(=「神戸方式」)の確立が望まれる。 ・日本の良さと欧米流の思考を融合させた新しい経営教育方法の創造に期待する。 MBAプログラム修了生からの意見聴取する機会の設置を望む。インフォーマルではなく,同窓会組織との 連携強化を図る。さらには,情報発信力の強化が望まれる。 56 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 4.各界・メディア等で活躍している教員・卒業生 ■学会会長・副会長・理事等 一覧(2015 年 12 月現在) 氏名 所属 期間 中野 常男 日本簿記学会会長 2014 年 08 月 - 現在 中野 財務会計研究学会監事 2011 年 11 月 - 現在 中野 常男 日本簿記学会理事 2011 年 08 月 - 現在 中野 常男 非営利法人研究学会理事 2003 年 10 月 - 現在 中野 常男 日本会計研究学会評議員 2000 年 09 月 - 現在 櫻井 久勝 日本会計研究学会 2012 年 09 月 - 2015 年 09 月 櫻井 久勝 日本会計研究学会評議員 1997 年 09 月 - 現在 正司 日本交通学会 副会長 2011 年 10 月 - 現在 正司 健一 日本交通学会理事 1997 年 10 月 - 現在 正司 健一 海運経済学会監事 1991 年 10 月 - 現在 水谷 国際公共経済学会理事 2008 年 12 月 - 現在 水谷 文俊 公益事業学会理事 2006 年 06 月 - 現在 水谷 文俊 日本交通学会理事 2005 年 11 月 - 現在 國部 克彦 環境経済・政策学会理事 2011 年 11 月 - 現在 國部 克彦 企業と社会フォーラム理事 2011 年 05 月 - 現在 國部 克彦 環境経営学会理事 2001 年 06 月 - 現在 國部 克彦 日本社会関連会計学会理事 1998 年 10 月 - 現在 藤原 金融学会理事 2006 年 04 月 - 現在 日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員及び国際事業委員会書面審査 2015 年 08 月 - 2016 年 07 月 常男 健一 文俊 賢哉 黄 リン 理事 員・書面評価員 黄 リン 日本商業学会関西部会 幹事 2015 年 06 月 - 2017 年 05 月 黄 リン 地域活性学会理事 黄 リン 国際ビジネス研究学会 黄 リン 日本商業学会関西部会幹事 1998 年 04 月 - 現在 2008 年 12 月 - 現在 審査委員 2002 年 04 月 - 現在 松尾 博文 オペレーションズ・マネジメント&ストラトジー学会理事 2010 年 06 月 - 現在 松尾 博文 オペレーションズ・マネジメント&ストラトジー学会幹事 2008 年 04 月 - 現在 原 拓志 日本ベンチャー学会理事 2011 年 11 月 - 現在 原 拓志 日本経営学会理事 2010 年 09 月 - 現在 原 拓志 企業家研究フォーラム理事 2009 年 07 月 - 現在 南 知惠子 日本商業学会学会誌編集委員長 2013 年 05 月 - 現在 南 知惠子 日本消費者行動研究学会副会長 2013 年 04 月 - 現在 南 知惠子 日本消費者行動研究学会学会賞審査委員長 2013 年 04 月 - 現在 南 知惠子 日本マーケティング学会理事 2012 年 11 月 - 現在 南 知惠子 ESCP Marketing Trend International Conference, Scientific Committee 2010 年 01 月 - 現在 57 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 南 知惠子 日本消費者行動研究学会理事 2007 年 06 月 - 現在 上林 憲雄 日本学術会議会員 2014 年 10 月 - 2020 年 09 月 上林 憲雄 日本経営学会 2013 年 09 月 - 2016 年 08 月 西日本代表理事・常任理事・関西部会代表理事 上林 憲雄 日本情報経営学会 忽那 憲治 企業家研究フォーラム理事 2009 年 04 月 - 現在 忽那 憲治 証券経済学会理事 2007 年 04 月 - 現在 忽那 憲治 日本ベンチャー学会理事 2006 年 04 月 - 現在 平野 光俊 組織学会評議員 2013 年 11 月 - 現在 平野 光俊 日本労務学会常任理事 2013 年 07 月 - 現在 平野 光俊 日本産業カウンセリング学会理事 2012 年 04 月 - 現在 平野 光俊 日本能率協会 HRD 大会 企画副委員長 2008 年 04 月 - 現在 髙橋 潔 日本労務学会常任理事 2013 年 04 月 - 2016 年 03 月 髙橋 潔 経営行動科学学会 理事 2004 年 04 月 - 現在 髙橋 潔 産業・組織心理学会理事 2004 年 04 月 - 現在 髙橋 潔 人材育成学会 常任理事 2003 年 04 月 - 現在 砂川 伸幸 日本経営財務研究学会評議員 2007 年 10 月 - 現在 砂川 伸幸 日本ファイナンス学界理事 2006 年 01 月 - 現在 音川 和久 日本会計研究学会評議員 2012 年 09 月 - 現在 音川 日本ディスクロージャー研究学会理事 2008 年 11 月 - 現在 松尾 貴巳 日本原価計算研究学会 2012 年 09 月 - 現在 松尾 貴巳 日本会計研究学会 鈴木 一水 税務会計研究学会理事 1998 年 10 月 - 現在 栗木 契 日本消費者行動研究学会理事 2014 年 04 月 - 現在 栗木 契 日本商業学会理事 2014 年 04 月 - 現在 栗木 契 日本マーケティング学会理事 2012 年 11 月 - 現在 栗木 契 日本消費者行動研究学会幹事 2009 年 04 月 - 現在 鈴木 組織学会評議員 2013 年 10 月 - 現在 梶原 武久 日本管理会計学会理事 2014 年 03 月 - 2016 年 03 月 梶原 オペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会 2013 年 06 月 - 現在 梶原 武久 日本原価計算研究学会常任理事 2012 年 09 月 - 現在 清水 泰洋 日本簿記学会 理事 2014 年 09 月 - 現在 清水 泰洋 日本簿記学会 幹事 2005 年 09 月 - 現在 和久 竜太 武久 理事 2013 年 05 月 - 2016 年 05 月 副会長 評議委員 2012 年 09 月 - 現在 與三野 禎倫 日本知的資産経営学会理事 2011 年 12 月 - 現在 與三野 禎倫 国際会計研究学会理事(事務局長兼任) 2011 年 09 月 - 現在 土木学会土木計画学研究委員会「都市間旅客交通研究小委員会」委員 2013 年 06 月 - 2016 年 05 月 堀口 真司 日本社会関連会計学会 2008 年 00 月 - 現在 平野 恭平 日本経営学会幹事 2010 年 09 月 - 現在 平野 恭平 企業家研究フォーラム幹事 2009 年 07 月 - 現在 三古 展弘 幹事 58 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■学会等受賞 (2014 年度末現在) 教員名 受賞名称 受賞年月 中野 常男 日本簿記学会・学会賞 2008 年 8 月 日本簿記学会 中野 常男 日経・経済図書文化賞 1992 年 11 月 日本経済新聞社,日本経済研究センター 中野 常男 日本会計研究学会・太田賞 1992 年 9 月 日本会計研究学会 櫻井 久勝 日経・経済図書文化賞 1991 年 11 月 日本経済新聞社,日本経済研究センター 櫻井 久勝 日本会計研究学会・太田賞 1991 年 日本会計研究学会 櫻井 久勝 日本会計研究学会・学会賞 1987 年 日本会計研究学会 丸山 雅祥 三島海雲記念財団 2007 年 6 月 三島海雲記念財団 丸山 雅祥 日経・経済図書文化賞 1993 年 11 月 日本経済新聞社,日本経済研究センター 丸山 雅祥 日本商業学会 優秀賞 1993 年 5 月 日本商業学会 丸山 雅祥 日本商業学会 奨励賞 1988 年 5 月 日本商業学会 金井 壽宏 第9回経営行動科学学会優秀研究賞 2011 年 11 月 経営行動科学学会 金井 壽宏 経営科学文献賞 金井 壽宏 日経・経済図書文化賞 1991 年 11 月 日本経済新聞社,日本経済研究センター 金井 壽宏 組織学会高宮賞(著著部門) 1993 年 6 月 組織学会 金井 壽宏 組織学会高宮賞(論文部門) 1989 年 6 月 組織学会 正司 健一 日本交通学会賞(論文の部) 2011 年 10 月 日本交通学会 正司 健一 尼崎市制 90 周年記念 2006 年 10 月 正司 健一 日本交通学会賞 正司 健一 国際交通安全学会賞 髙嶋 克義 髙嶋 克義 水谷 文俊 水谷 文俊 水谷 文俊 学術研究奨励賞 1993 年 市政功労賞 授与機関 社団法人日本経営協会 2002 年 10 月 日本交通学会 2002 年 4 月 国際交通安全学会 日本商業学会・論文賞 2001 年 5 月 日本商業学会 日本商業学会・優秀賞 1995 年 5 月 日本商業学会 著書の部 著作部門 Public Transport Prize/Public Transport Prize 日本交通学会賞/Japanese Transport Economic Society Prize 公益事業学会賞/Public Utility Economics Society Prize 1998 年 7 月 World Conference on Transport Research Society 1996 年 11 月 日本交通学会 1995 年 6 月 公益事業学会 2011 年 10 月 東北アジア経営経済学会 Best Paper Awards of 10th Northeast 國部 克彦 Asia Management and Economics Joint Conference 第 10 回東北アジア 経営経済学会最優秀論文賞 國部 克彦 中国環境科学学会優秀論文賞 2006 年 4 月 國部 克彦 日本原価計算研究学会・学会賞・著書 2003 年 9 月 日本原価計算研究学会 國部 克彦 日本原価計算研究学会・学会賞・論文 2000 年 日本原価計算研究学会 國部 克彦 日本公認会計士協会・学術賞 2000 年 日本公認会計士協会 59 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 國部 克彦 「環境管理」優秀論文賞 2000 年 國部 克彦 経営哲学学会・研究奨励賞 1998 年 経営哲学学会 國部 克彦 日本会計史学会・学会賞 1995 年 日本会計史学会 國部 克彦 環境経営学会・学会貢献賞特別賞 藤原 賢哉 金融ジャーナル賞優秀論文賞 小川 進 第 17 回電気通信普及財団賞(テレコム 社会科学賞) 環境経営学会 2001 年 3 月 金融ジャーナル 2002 年 電気通信普及財団 2001 年 日本商業学会 小川 進 日本商業学会学会賞・奨励賞 小川 進 組織学会高宮賞 2001 年 6 月 組織学会 黄 磷 日本商業学会・学会賞 2003 年 5 月 日本商業学会 黄 磷 国際ビジネス研究学会 学会賞 2003 年 5 月 国際ビジネス研究学会 黄 磷 日本商業学会・奨励賞 1993 年 5 月 日本商業学会 2012 年 7 月 EurOMA, JOMSA and POMS The Jose A.D. Machuca P&OM World 松尾 博文 Conference Highly Commended Award Best Article in Total Quality 松尾 博文 Management & Business Excellence 2010 年 6 月 for 2009 松尾 博文 松尾 博文 Outstanding Service as Regional Vice President - Australasia スケジューリング学会学会賞(技術部 門) 2007 年 5 月 2005 年 4 月 三品 和広 第5回 BizTech 賞 2005 年 4 月 三品 和広 第45回エコノミスト賞 2005 年 4 月 三品 和広 1988 年 南 知惠子 Best Track Chair Award 2012 年 7 月 南 知惠子 日本商業学会賞・奨励賞 1999 年 憲雄 平成 23 年度科学研究費補助金助成制度 審査委員表彰 Society 組織学会 第21回組織学会高宮賞 上林 Production and Operations Management スケジューリング学会 和広 イズ賞 Excellence 2004 年 4 月 三品 ハーバード大学ビジネススクールプラ Total Quality Management & Business ハーバード大学 Korean Scholars of Marketing Science, Global Marketing Conference 日本商業学会 2011 年 9 月 日本学術振興会 上林 憲雄 日本労務学会賞・学術賞 2002 年 6 月 日本労務学会 上林 憲雄 日本労務学会賞・研究奨励賞 1996 年 6 月 日本労務学会 原田 勉 組織学会高宮賞(著書部門) 2000 年 6 月 組織学会 原田 勉 2000 年 1 月 日本ナレッジマネジメント学会 日本ナレッジマネジメント学会研究奨 励賞 原田 勉 経営科学文献賞奨励賞 2000 年 1 月 社団法人日本経営協会 原田 勉 組織学会高宮賞(論文部門) 1999 年 6 月 組織学会 60 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 忽那 憲治 忽那 憲治 証券経済学会賞優秀賞 第1回企業家研究フォーラム賞(論文 の部) 2010 年 6 月 証券経済学会 2007 年 7 月 企業家研究フォーラム 忽那 憲治 平成 17 年度中小企業研究奨励賞準賞 2006 年 2 月 財団法人商工総合研究所 忽那 憲治 平成 17 年度中小企業研究奨励賞本賞 2006 年 2 月 財団法人商工総合研究所 忽那 憲治 2003 年 2 月 財団法人商工総合研究所 2001 年 2 月 財団法人商工総合研究所 2000 年 2 月 財団法人商工総合研究所 財団法人商工総合研究所・平成 14 年度 中小企業研究奨励賞本賞受賞 忽那 憲治 財団法人商工総合研究所・平成 12 年度 中小企業研究奨励賞本賞受賞 忽那 憲治 財団法人商工総合研究所・平成 11 年度 中小企業研究奨励賞本賞受賞 平野 光俊 経営行動科学学会第15回大会優秀賞 2012 年 11 月 経営行動科学学会 平野 光俊 経営行動科学学会第10回優秀研究賞 2007 年 11 月 経営動科学学会 平野 光俊 労働関係図書優秀賞 2007 年 9 月 労働政策研究・研修機構 平野 光俊 日本労務学会学術賞 2007 年 8 月 日本労務学会 平野 光俊 日本産業カウンセリング学会学術賞 (杉渓賞)(論文賞) 2006 年 日本産業カウンセリング学会 平野 光俊 日本労務学会研究奨励賞(論文賞) 1996 年 8 月 日本労務学会 髙橋 潔 日本労務学会学術賞 2012 年 7 月 日本労務学会 髙橋 潔 日本労務学会賞 1999 年 日本労務学会 Outstanding Article Awards 2007, Journal of Financial 砂川 伸幸 Research/Outstanding Article 2008 年 8 月 Journal of Financial Research Awards 2007, Journal of Financial Research 砂川 伸幸 日本経営財務研究学会学会賞 2007 年 10 月 日本経営財務研究学会 三矢 裕 日本原価計算研究学会賞 2007 年 9 月 日本原価計算研究学会 三矢 裕 日本会計研究学会太田・黒澤賞 2004 年 9 月 日本会計研究学会 三矢 裕 日本原価計算研究学会(著作賞) 2004 年 9 月 日本原価計算研究学会 音川 和久 国際会計研究学会平成 25 年度学会賞 2013 年 9 月 国際会計研究学会 音川 和久 日本会計研究学会・太田・黒澤賞 2009 年 9 月 日本会計研究学会 音川 和久 日本管理会計学会・論文賞 2008 年 8 月 日本管理会計学会 音川 和久 日本会計研究学会・学会賞 2003 年 9 月 日本会計研究学会 松尾 貴巳 国際公会計学会学会賞 2009 年 9 月 国際公会計学会 松尾 貴巳 日本原価計算研究学会学会賞 2009 年 9 月 日本原価計算研究学会 松尾 貴巳 日本管理会計学会文献賞 2009 年 8 月 日本管理会計学会 松尾 貴巳 2008 年 9 月 日本原価計算研究学会 2009 年 2 月 商工総合研究所 日本原価計算研究学会学会賞(論文部 門) 内田 浩史 中小企業研究奨励賞 61 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 鈴木 一水 日本公認会計士協会学術賞 2014 年 7 月 日本公認会計士協会 栗木 契 日本商業学会・優秀論文賞 2009 年 5 月 日本商業学会 栗木 契 第 18 回・テレコム社会科学賞・奨励賞 清水 泰洋 日本簿記学会奨励賞 2014 年 8 月 日本簿記学会 清水 泰洋 日本簿記学会学会賞 2008 年 8 月 日本簿記学会 清水 泰洋 日本会計史学会賞 2004 年 10 月 日本会計史学会 清水 泰洋 日本会計研究学会太田・黒沢賞 2004 年 9 月 日本会計研究学会 2002 年 PriceWaterHouseCoopers Award for 與三野 禎倫 the “Best Junior Contribution to the Development of Intangibles and IC 4th European Institute for Advanced Studies 2008 年 10 月 theory and Practice” in Management Workshop on “Visualising, Measuring, and Managing Intangibles and Intellectual Capital,” 日本会計研究学会・太田・黒澤賞 (著 與三野 電気通信普及財団 禎倫 作賞) 2003 年 9 月 日本会計研究学会 鈴木 竜太 神戸大学学長表彰 2014 年 11 月 神戸大学 鈴木 竜太 組織学会高宮賞(著書部門) 2014 年 6 月 組織学会 鈴木 竜太 日経・経済図書文化賞 2013 年 11 月 日本経済新聞社,日本経済研究センター 鈴木 竜太 第 25 回 組織学会高宮賞 2009 年 6 月 組織学会 鈴木 竜太 第 1 回経営行動科学学会優秀研究賞 2003 年 11 月 経営行動科学学会 松嶋 登 日本情報経営学会論文賞 2009 年 11 月 日本情報経営学会 三古 展弘 日本交通学会賞(論文の部) 2011 年 10 月 日本交通学会 三古 展弘 日本都市計画学会論文奨励賞 2006 年 5 月 社団法人 梶原 武久 日経品質管理文献賞 2008 年 11 月 日本管理会計学会 梶原 武久 日本原価計算学会学会賞(論文賞) 2008 年 9 月 日本原価計算研究学会 梶原 武久 日本原価計算学会文献賞 2008 年 8 月 日本原価計算研究学会 梶原 武久 日本原価計算学会学会賞(論文賞) 2005 年 9 月 日本原価計算学会 山﨑 尚志 日本経営財務研究学会学会賞 2009 年 9 月 日本経営財務研究学会 高田 知実 日本会計研究学会平成 20 年度学会賞 2008 年 9 月 日本会計研究学会 高田 知実 2006 年 3 月 神戸大学経済経営研究所 2011 年 10 月 経営史学会 2015 年 2 月 American Marketing Association 神戸大学経済経営研究所 兼松フェロ ーシップ入賞 平野 恭平 経営史学会賞 日本都市計画学会 Best Paper Award in "Channels of 松井 建二 Distribution and Interorganizational Relationships/Business-to-Business" Track International Conference on Business and 松井 建二 BAI2012 Best Reviewer Award 2012 年 7 月 鈴木 健嗣 証券アナリストジャーナル賞 2013 年 9 月 証券アナリスト協会 鈴木 健嗣 日本経営財務研究学会学会賞 2011 年 10 月 日本経営財務研究学会 日置 孝一 若手研究者奨励賞 2005 年 1 月 日本社会心理学会 62 Information 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■退官した教官 ( )内は,主な学会活動,社会における活動,受賞歴 海道 進(日本経営学会理事長,社会主義経営学会(現比較経営学会)初代理事長,ベルリン経済大学名誉経済学博士の 学位を授与) 秋山 一郎(日本海運経済学会理事,日本交通学会理事,神戸市交通事業審議会会長) 森 昭夫(日本経営財務研究学会会長,金沢学院大学・学長) 伊賀 隆(国際公共経済学会を創立,神戸市消費者保護会議会長,流通科学大学学長) 水島 一也(日本保険学会理事,保険審議会会長) 高田 正淳(日本監査研究学会会長,大蔵省企業会計審議会委員) 武田 隆二(日本会計研究学会・名誉会員,日本会計研究学会賞・太田賞受賞) 森 實(日本会計研究学会・太田賞,日本経済新聞社・経済図書文化賞,日本公認会計士協会・学術賞,日本経営協会・ 経営科学文献賞)を受賞,日本経営財務研究学会創設に尽力) 石原 定和(証券経済学会理事) 二木 雄策(日本金融学会理事,証券経済学会幹事) 小林 哲夫(日本原価計算研究学会会長,日本会計研究学会太田・黒澤賞受章) 黒田 全紀(国際会計研究学会理事,日本会計研究学会太田賞受賞) 佐々木 弘(日本公益事業学会会長,日本経済学会連合会評議員,郵政審議会専門委員,郵政大臣表彰) 田村 正紀(日本商業学会会長,日本商業学会賞受賞,神戸賞受賞,経営科学文献賞受賞) 宗像 正幸(日本経営学会常任理事・西日本代表,工業経営研究学会理事) 岡部 孝好(日本IR学会理事,日本会計研究学会評議員,日本会計研究学会学会賞受賞) 宮下 國生(日本海運経済学会会長,日本交通学会副会長,日本港湾経済学会理事,運輸大臣表彰,日経・経済図書文化 賞受賞,藍綬褒章受賞) 奥林 康司(日本労務学会代表理事,経営学会国際連合会日本代表理事,日本経営学会常任理事) 谷 武幸(日本原価計算研究学会会長,日本会計研究学会太田賞受賞) 榊原 茂樹(日本経営財務研究学会理事・副会長,証券経済学会幹事・理事) 内藤 文雄(日本監査研究学会理事,日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞) 石井 淳蔵(日本商業学会会長,日本商業学会賞受賞,経営科学文献賞受賞,流通科学大学学長) 坂下 昭宣(組織学会理事,日本経営学会理事長,財団法人松下社会科学振興財団理事,組織学会・高宮賞受賞) 古賀 智敏(日本簿記学会理事,日本会計研究学会理事,日本公認会計士協会学術賞受賞,日本税理士会連合会表受賞, 日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞) 桑原 哲也(経営史学会理事,国際ビジネス研究学会学会賞選考委員) 加護野 忠男(組織学会会長,日本経営学会理事,第 1 回組織学会高宮賞(著書部門)受賞) 加登 豊(日本原価計算研究学会会長,日本管理会計学会副会長,日本経営協会・経営科学文献賞受賞) 天野 明弘(日本経済学会会長,紫綬褒章受賞,松永賞(社会科学部門)受賞) 谷端 長(日本会計研究学会賞・太田賞受賞) 稲葉 襄(襄山会,神戸大学般若団を創立,経営道研究会を設立するなど,中小工業経営学の理論体系をはじめて確立し た業績として学界で高く評価,文部大臣表彰) 荒川 祐吉(日本商業学会の発起人として参加,日本マーケティング・サイエンス学会理事,日本商業学会賞受賞) 63 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■多数の企業経営者を輩出 多数の大企業・ベンチャー企業経営者を輩出神戸大学経営学部・大学院経営学研究科は、これまで多数の経営 者・企業家を輩出している。2013(平成 25)年 5 月時点での現職の方々を一部紹介するだけでも、多くの卒 業生が経営者として事業の第一線で活躍している。 ⃝江崎勝久 江崎グリコ株式会社代表取締役社長………………………… S38 年度卒 ⃝高岡浩三 ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼 CEO… ……………… S57 年度卒 ⃝古谷彰男 株式会社イノベーションコンサルティング代表取締役…… H2 年度卒 ⃝谷井 等 シナジーマーケティング株式会社代表取締役社長兼 CEO…… H7 年度卒 ⃝上原 仁 株式会社マイネット代表取締役社長………………………… H9 年度卒 ⃝高乘正行 株式会社チップワンストップ代表取締役社長……………… H16 年度 MBA 卒 ⃝矢崎和彦 株式会社フェリシモ代表取締役社長………………………… H16 年度 MBA 卒 (2015(平成 27)年 12 月時点の現職:卒業年度順) 64 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■新聞掲載 2014 年度 報道日 媒体 2014/4/5 朝日 2014/6/1 日経 氏名 正司 小川 健一 進 大見出し/コーナー名 記事内容 「LRT、大小路線で」 有識 堺市中心部の東西交通網を検討する有識者会議の座 者会議、報告へ 長として正司教授のコメントが紹介された。 世界でいちばん大切にしたい 小川教授による書評 会社、J・マッキー、R・シソ ーディア著 2014/6/30 日経 三品 和広 役員室に維新は来るかナ―― 取締役会のあり方について日経コラムニストが書評 “会社ムラ”に郷愁根強く(核 する中で、三品教授のコメントを引用。 心) 2014/7/24 朝日 正司 健一 LRTの導入、賛成3分の2 次世代型路面電車(LRT)の導入の効果など、市中 堺市、市民に意見募る 心部の東西交通網について検討した有識者会議の座 長として正司教授が紹介された 2014/9/7 日経 小川 進 ブラックスワンの経営学、実践 小川教授による書評 に役立つ世界最先端の研究 2014/9/28 日経 三品 和広 異次元緩和の効果は、転換期の 経済論壇において三品教授の主張が引用された 企業経営 2014/10/31 日経 松尾 博文 円相場と日本経済(下)―円安 経済教室において、松尾博文教授が円安の波及効果に の波及効果見込めず 関連して、サプライチェーン戦略の再構築が新規需要 の創出と為替変動の影響軽減のために必要であるこ とを解説 2014/11/3 2014/11/23 日経 日経 櫻井 久勝 第57回日経・経済図書文化 同賞選考委員として櫻井教授と金井教授が紹介 金井 寿宏 賞、受賞作品を読む 小川 進 How Google Works、エリック・ 小川教授による書評 シュミットほか著 2014/12/28 2015/2/22 2015/3/30 日経 日経 日経 小川 三品 栗木 進 和広 契 回顧 2014――エコノミストが エコノミストのトップバッターとして小川教授の書 選ぶ、経済図書ベスト 10 評が掲載 異端になる(1)本業は変わっ 革新力 The Company において三品教授の主張が引用さ てもいい れた マーケティング・エキスパート 企業でマーケティング分野に携わる専門人材を育て 養成塾 るための連続セミナーの講師陣として紹介された ※日経・毎日・読売・朝日の各紙のデータベースより 2013 年度 報道日 媒体 2013/7/17 日経 氏名 砂川 伸幸 大見出し/コーナー名 記事内容 企業統治を考える(下)神戸大 「経済教室」の集中講義「企業統治を考える」に登場。 学教授砂川伸幸氏、取締役は 企業経営でよく言われる、顧客(Customer)、 「資本」意識を 自社(Company)、ライバル(Competi 65 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 tor)の「3C」があるが、取締役になるには、4 つめのC(資本(Capital))を意識しなけれ ばならならず、昨年来、4つめのCである資本市場が 日本企業に対する評価を高めていることを解説。 2013/8/23 日経 砂川 伸幸 決める組織へ(4)ガバナンス 大学運営の透明性向上について、コーポレート・ガバ 改革には(大学は変われるか) ナンスの専門家として砂川教授がコメントした。 終 2013/8/30 2013/9/1 日経 日経 三品 小川 和広 進 規制改革、「押す」より「引っ 「大機小機」において、日本の規制改革に関する三品 張る」 教授のコメントが引用された。 LEAN IN、シェリル・サ 「この一冊」において、小川教授が書評。 ンドバーグ著 2013/10/22 日経 砂川 伸幸 ペブル“返還”――神戸大学教 「交遊抄」に登場。 授砂川伸幸氏 2013/10/28 2013/11/3 2013/11/3 読売 日経 日経 鈴木 竜太 「倍返し」と言いたいけれど… 職場にいる困った上司への対処法について、鈴木竜太 困った上司まず「理解」 教授がコメント。 同賞の審査委員として、櫻井教授と金井教授が審査。 櫻井 久勝 第56回日経・経済図書文化 金井 壽宏 賞、受賞5作品を読む 鈴木 竜太 第56回日経・経済図書文化 同賞を受賞した鈴木竜太教授の書籍に関する書評。 賞、関わりあう職場のマネジメ ント 2013/11/7 日経 三品 和広 事業立地の戦略論(1)~(8) 「経営学はいま」に登場。収益力を左右するのは、企 ~ 業・業種レベルの変数ではなく、あくまでも事業レベ 2013/11/19 ルの変数であり、この発見を経営の実践に活(い)か そうとする試みが、「事業立地」の概念にほかならな い。事業に固有の変数として「誰に何を売るのか」と いう根本定義に注目し、これまでの戦略論を概説した 上で、三品教授が日本企業の実態から明らかにした最 新の戦略論を解説した。 2013/12/18 日経 金井 壽宏 組織開発の最前線(1)~(10) 「経営学はいま」に登場。行動科学の知識を活用した ~ 計画的な介入である組織開発について、職場を望まし 2013/12/31 い方向に変える技法、これを支える応用理論体系、そ れらの基礎となる人間主義的な価値観などの視点か ら研究の最新情報を解説した。 2013/12/29 2014/1/17 ~ 日経 日経 小川 鈴木 進 竜太 エコノミストが選ぶ、経済図書 書評欄などでおなじみの経済学者、エコノミストら 15 ベスト10 人にお薦めの本をあげてもらった。小川教授が回答。 多 様 性 を 生 か す 組 織 論 (1) ~ 「経営学はいま」に登場。現代企業における組織論を (10) 実際の取り組みを交えながら、企業を構成する人材が 2014/1/30 多様化するなかで、従業員が持つ期待も一様でなくな ったため、会社側はこうした期待を丁寧に把握し、組 66 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 織と個人の関係を明確にしたうえで、従業員側にメッ セージとして伝えていく必要があると解説。 ※日経・毎日・読売・朝日の各紙のデータベースより 2012 年度 報道日 氏名 大見出し/コーナー名 記事内容 長引くデフレ、超円高など、厳しい経営環境下で企業 が生き残り、再飛躍を遂げるためには経営者の「正し 2012/5/16 三品 和広 選択の時代 い選択」が不可欠といえます。誤った選択をしないた めに必要なものは何かを、経営戦略論の第一人者であ る三品教授に聞く。 グローバルに活躍できる人材を育成するため、神戸大 学大学院経営学研究科は平成 25 年度、海外のビジネ ススクールと関西の主要企業などと連携した「戦略的 2012/7/5 松尾 博文 高度な経営戦略家育成 共創経営プログラム」を始める。5 年間のプログラム で、専門的な講義や研究指導はすべて英語で実施し、 高度な企業戦略家を養成する。 日本の電機産業が危機に直面している。電機が弱体化 した理由と再生への道筋を、企業戦略に詳しい三品教 2012/7/8 三品 和広 日曜に考える 授らに聞く。リーダーシップの劣化の原因などについ て。 リンクアンドモチベーション社長の小笹芳夫さんが、 「モチベーション」や「キャリア」という言葉を駆使 して、経営に切り込む神戸大学の新進気鋭の研究者、 2012/8/28 金井 壽宏 交遊抄 金井壽宏・神戸大教授と対談したり、本を一緒に書い たりする時が最もモチベーションが高まる時だと話 す。 高機能携帯電話「iPhone5」は、台湾の鴻海精密工業 が大半を受託生産する方針で、シャープも液晶パネル を供給する見通し。鴻海がシャープに近づいたのは、 2012/9/15 三品 和広 SHARP 100 年目の苦境 下 高い液晶技術を手に入れるためとみられる。三品和 広・神戸大教授は「最大の顧客であるアップルの要求 に応じるため」とコメント。 67 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 企業や企業家精神をテーマにした本が多数出版され ている。起業家精神を常に持ち、スタートアップの発 送を取り入れて人生を切り開いていく必要がある。変 化と不確実が増している今日、状況に応じて臨機応変 2012/9/16 忽那 憲治 今を読み解く に戦術を変える、変化に合わせて変えていき、新たな ビジネスモデルを作り出せる能力が問われる。組み合 わせる力も必要で、質問力・観察力・ネットワーク力・ 実験力・認知的スキルとしての関連づける力が重要で ある。 10 月 26 日開催。「モチベーションを実践的に捉える -リーダーシップへの意味合い」と題し、金井壽宏・ 社労士会シンポジウム 2012/9/20 金井 壽宏 神戸大学大学院経営学研究科教授が基調講演を行う。 中小企業と「人を大切にする経営」 パネルディスカッション「モチベーションマネジメン トとこれからの企業経営」でパネリストに金井氏。 プロノバ社長/グロービス経営大学院教授の岡島悦 子氏の話。「多くの企業経営者が女性の活用を切望し ている為、女性の活躍の機会は確実に増えている。理 想的な人材は学習によって得た知識を実践して成果 を上げ、そこから深めた知識を実践してより大きな実 績を上げていける人である。神戸大学の金井壽宏教授 2012/10/16 金井 壽宏 丸の内キャリア塾 らが提唱している「キャリア・ドリフト」という考え 方は、働く女性によく合っている。漂流しながらキャ リアを積んでいき、何年かに一度、節目ごとに次のス テップを構想する。自分がわくわくし続けられる仕 事、輝ける自分らしい働き方を考えることも大事」と 話す。 日本が生き残るために、多様な人材をどう生かすか。 ダイバーシティー推進シンポジウム「グローバル時代 2012/10/26 金井 壽宏 多様な人材 生かすには に日本が生き残る道」が 11 月 11 日に開かれる。金井 寿宏・神戸大大学院教授らがパネルディスカッション を行う。 ※神戸市東部に配達された朝日・読売・毎日・日経・産経・神戸の新聞各紙 2011 年度 報道日 氏名 大見出し/コーナー名 記事内容 日本経済新聞社は3月4日、大阪印刷60周年を記念 明日の関西会議 2011/4/27 三品 して討論会「明日の関西会議ー新たな未来像を描く」 和広 産業振興など、専門家が提言 を開催した。パネルディスカッションに三品和広神戸 大学大学院教授が参加。 68 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 神戸市内の民間企業で、経営学修士(MBA)の取得を MBA 取得目指す海外の学生 2011/5/20 栗木 神戸の企業 目指す海外の学生らの受け入れが進んでいる。プロジ 契 受け入れ増 ェクトに居力する神戸大大学院経営学研究科の栗木 契准教授のコメントが掲載。 神戸大学 2011/5/27 義 ゼミナール ~ 三品 集中講義 三品和広教授が、「経済教室」の 集中講 「企業を考える」に登場。 企業を考える 和広 企業が人類に豊かさをもたらしたのは、取引などのス (1)~(35) 2011/7/18 ピードを上げることで様々な利点が生まれる「速度の 経済」による。 リーマンショック以降の不況、立ち直りかけたときに 起こった東日本大震災。閉塞感が漂う中で、個人の「や 夢や楽しみ 閉塞感を打破 る気」をどう上げていくか。モチベーション(やる気) 2011/6/16 金井 壽宏 やる気を上げるには 金井壽宏・神戸 やリーダーシップなど日本の組織行動論の第一人者、 大大学院教授 金井壽宏・神戸大大学院経営学研究科教授(57)に聞 いた。 スマートフォンなどで使う新しいネットサービス事 業を、大学生が相次いで立ち上げている。アイデアさ えあれば、資金が少なくても起業できるため。神戸大 2011/7/6 高橋 潔 アイデア勝負で学生起業 学は6月末からインターネット関連企業などを経営 する約10人のOBが学生の起業を支援するプログ ラムを始めた。 経済学教室に神戸大学大学院経営学研究科内田浩史 2011/10/10 内田 浩史 新規ローン促進に節度を 教授が登場。 「日経からのお知らせ」に神戸大学大学院経営学研究 2011/10/24 金井 壽宏 「ホールシステム・アプローチ」販売中 科金井壽宏教授が登場。 ニッポンの企業力第 1 部空洞化ドミノに神戸大学大学 2011/11/7 三品 和広 構造変化は革新の好機 院教授三品和広氏登場。 2011/11/11 忽那 憲治 創業期に外部資本導入を 2011/11/24 砂川 伸幸 社外役員の質を高めよ 「経済教室」に忽那憲治神戸大学教授が登場。 「経済教室」に神戸大学経営学研究科砂川伸幸教授が 登場。 SUNDAY 2011/11/27 小川 進 NIKKEI 読書に神戸大学教授小川進氏が登 日本の優秀小売企業の底力 場。 2012/3/1 國部 克彦 消える環境規格ISO 環境会計に詳しい國部教授の話あり 開業丸3年の阪神なんば線。新たな需要開拓に意欲的 2012/3/4 正司 健一 なんば線開業 3 年 な近鉄と慎重な阪神電鉄。このことについて、正司副 学長がコメントした。 ※神戸市東部に配達された朝日・読売・毎日・日経・産経・神戸の新聞各紙 2010 年度 報道日 氏名 大見出し/コーナー名 69 記事内容 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 フィリップ・コトラー、ナンシー・R・リー著の「ソ 2010/4/4 小川 進 「ソーシャル・マーケティング」 ーシャル・マーケティング」を小川教授が書評。 リーダーは自然体 2010/6/23 金井 無理せず、飾らず、 前ナイキアジア太平洋地域人事部門長増田弥生さん 壽宏 ありのまま との共著。 9 月 20 日午後 1 時より神戸ハーバーランドにある神戸 新聞松方ホールにて、スポーツを通しての社会貢献に 2010/8/17 金井 壽宏 スポーツ通した人材育成法語る 取り組む NPO 法人「スポーツ・コミュニティ・アンド・ インテリジェンス機構」が、設立 10 周年を記念して 催す。講演・パネルディスカッションがある。 SCIX 2010/10/11 金井 KOBE スポーツシンポ ジウム 2010 読書 2010/11/7 パネル討論:金井壽宏(神戸大学大学院経営学研究科 壽宏 原 拓志 教授) SUNDAY NIKKEI グラハム・ベル空白の12日間の謎 原 拓志(神戸大学大学院経営学研究科教授)評 セス・シュルマン著 2010/12/30 金井 壽宏 企業経営の課題 2011/3/20 金井 壽宏 読書 ーリーダー育成ー 金井壽宏氏(神戸大学教授)が「経済教室」に登場 マネジャーの実像(ヘンリー・ミンツバーグ著)につ この1冊 いて神戸大学教授・金井壽宏氏が論評。 ※神戸市東部に配達された朝日・読売・毎日・日経・産経・神戸の新聞各紙 2009 年度 報道日 氏名 2009/4/7 ~ 大見出し/コーナー名 記事内容 やさしい経済学ー経営学のフロンティア 三品 和広 2009/4/20 /経営戦略論の系譜と本質(1)(2) (連載)新連載を三品教授が担当 /超長期の企業戦略論(1)~(7) 神戸市が主宰する研究会が市内企業などを対象にワ ーク・ライフ・バランスについて調査したところ、推 2009/4/7 上林 憲雄 中小企業取り組み遅れ 進の予定がないと答えた中小企業は 20.4%を占めた。 同会は神戸大経営学研究科上林教授ら 8 人で構成。 特定非営利活動法人・現代経営学研究所は、甲南大学 と神戸大学の経営系教授陣と連携して、中堅・中小企 2009/4/14 髙嶋 克義 神大、甲南大に「経営塾」 業の社長後継者らを対象にした「次世代経営者ビジネ ススクール」を 7 月に新設する。 宝塚市は 25 日、第 3 セクター「宝塚まちづくり会社」 の破綻の原因究明などを目的とした「アピア逆瀬川の 2009/5/26 正司 健一 宝塚市が調査委 再生に関する調査専門委員会」を設置した、と発表。 神戸大正司健一教授が首席委員。 2009/7/27 三品 和広 危機は飛躍のバネ、現場力を生かして 2009/11/29 栗木 契 成功は一日で捨て去れ 「不況を生き抜く経営」討論会パネリスト 柳井正著の「成功は一日で捨て去れ」を栗木教授が書 評。 70 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 宝塚市の「アピア 1、2」を運営する第三セクターが破 綻した問題で「アピア逆瀬川の再生に関する調査専門 2009/12/10 正司 健一 調査委が最終報告 委員会」が市長に最終報告書を提出した。首席委員の 正司教授のコメントが掲載。 一橋大学 2009/12/13 小川 進 沼上幹教授の著書について、小川教授が書 経営戦略の思考法/読書 評。 書評欄などでおなじみの経済学者、エコノミストら 30 小川 進 金井 壽宏 2009/12/27 エコノミストが選ぶ経済図書ベスト 10 人にお薦めの本をあげてもらった。宇南、小川、金井 教授が回答。 講演会 2010/2/13 2010/3/28 おまけ?それとも財産!企業 28 日 13~16 時 10 分、生田文化会館で。村上准教授ら 村上 英樹 金井 壽宏 ポイントを考える がパネルディスカッション。 リーダーの魂(本紹介) 伊藤謙介著「リーダーの魂」で、金井教授が対談。 ※神戸市東部に配達された朝日・読売・毎日・日経・産経・神戸の新聞各紙 ■ダイヤモンドオンライン紹介 松尾 睦(2010 年 7 月 6 日) 経営学の中には熟達研究という分野があり、ひとはいかにいったん入門した道で熟達していくのかにつ いて、認知心理学にもとづき、体系的に研究されてきました。客観的な熟達度が記録に残るので、スポ ーツなどでひとはどのようにして一人前になり、さらにどのように精進すればオリンピックレベルまで いくのか、また、よく工夫された練習方法とはどのようなものであるのかについて、研究を蓄積してき ました。 経営学の分野にこれを適用している代表的な学者が(ご本人は教育学者ですが)管理職としての熟達を 調べてきた京都大学の楠見孝教授と、ここで紹介する神戸大学大学院経営学研究科の松尾睦教授です。 この研究分野は、イエール大学の偉大な心理学者、ロバート・スターンバーグや、経営学でも名高いノ ーベル賞受賞学者、ハーバート・A・サイモン、さらに知識創造論で名高いわが国の経営学者、野中郁次 郎という諸先学の業績にも連なっていくものです。わが研究科の松尾教授は、マーケティングと組織論 や人材マネジメントという複数分野で世界に通用する研究成果を発信していますが、そのひとつに、仕 事の世界における熟達の研究があります。 平野 光俊(2011 年 4 月 11 日) ダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新・経営学教室」において、第 10 回の執筆を平野光俊教授 が担当しています。 平野 光俊(2011 年 5 月 9 日) ダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新・経営学教室」において、『キャリアの転機から生 まれるパフォーマンスを左右するメカニズムを解き明かす』というタイトルで、平野光俊教授が第 14 回の執筆を担当しています。 71 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 平野 光俊(2011 年 6 月 6 日) ダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新・経営学教室」において、『業績低迷の元凶と批判 された日本の人事部いま問われるその資質と役割は何か』というタイトルで、平野光俊教授が第 18 回の執筆を担当しています。 平野 光俊(2011 年 7 月 4 日) ダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新・経営学教室」において、『異なるタイプの人材の 最適な組み合わせを構想し実践する「人材アーキテクチャ」とは』というタイトルで、平野光俊教 授が第 22 回の執筆を担当しています。 平野 光俊(2011 年 7 月 4 日) ダイヤモンドオンライン「日本を元気にする新・経営学教室」において、『新人も育てよ、売上目 標も達成せよ!あちら立てれば、こちら立たずという「マルチタスク問題」を解決する途』という タイトルで、平野光俊教授が第 25 回の執筆を担当しています。 髙橋 潔(2012 年 7 月 17 日) ダイヤモンドオンラインに、高橋潔教授の連載『「脱」ガラパゴス人事』が掲載されています。 日本企業の人事制度・人事施策を別の視点から考え直すことを目的とした連載です。 金井 壽宏、平野 光俊(2012 年 9 月 7 日) ダイヤモンドオンラインで連載中の「日本を元気にする新・経営学教室」の第 46 回を、「グロー バルリーダー育成への挑戦(1)グローバルな舞台で求められる「超回復リーダーシップ」とは」 というタイトルで金井壽宏教授、平野光俊教授が担当しています。 忽那 憲治(2012 年 9 月 14 日) ダイヤモンドオンラインで連載中の「日本を元気にする新・経営学教室」の第 47 回を、「グロー バルリーダー育成への挑戦(2) 深刻な日本のアントレプレナーシップ 戦略的企業家の養成こそ が喫緊の課題 」というタイトルで忽那憲治教授が担当しています。 國部 克彦(2012 年 9 月 24 日) ダイヤモンドオンラインで連載中の「日本を元気にする新・経営学教室」の第 48 回を、「グロー バルリーダー育成への挑戦(3) 共生社会へ道拓くサステイナビリティ経営実現のための経営トッ プ、ツール、人材教育 」というタイトルで國部克彦教授が担当しています。 ■週刊東洋経済 金井 壽宏(2011 年 7 月 9 日) 東洋経済新報社「週刊東洋経済」2011 年7月9日号に、加登豊教授と金井壽宏教授のコメントが掲 載されています。 72 神戸大学経営学部・大学院経営学研究科 ■日経ビジネスオンライン(2010-2012) 松尾 博文(2011 年 11 月 24 日) 日経ビジネスオンライン 「ニュースを斬る」に松尾博文教授のインタビュー記事が掲載されてい ます。 「タイ洪水を機に「持続可能」な事業構造へ転換を サプライチェーンマネジメントに重要な「社 会性」」と題し、タイで起きた大規模洪水によって浮き彫りになった日本企業の課題について、サ プライチェーンマネジメントの観点から言及しています。 ■プレジデント(2010-2012) 小川 進(2012 年 6 月 18 日) 雑誌『プレジデント』2012 年 6.18 号(株式会社プレジデント社)に小川進教授の記事が掲載され ました。二か月に一度、連載しています。最新号は「初音ミク」についての記事です。 髙橋 潔(2012 年 7 月 30 日) 『プレジデント』2012 年 7 月 30 日号(プレジデント社)に高橋潔教授のインタビュー記事と分析・ 解説記事が掲載されています。「ザッケローニ直撃 120 分! 負けない組織はこうつくる」と題し、 チームづくりの秘密についてサッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督に高橋潔教授がイ ンタビューしています。 ■「Works 107 2011.08-09」 三品 和広 「Works」2011 年8・9月号にて、三品和広教授と三品ゼミ7期生の著書「総合スーパーの興亡」 (東洋経済新報社、2011 年 3 月)執筆の経緯についてのインタビューが掲載されています。 73
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