観光の町箱根町、水と緑豊かな南足柄市。 そこでなぜ今、「がれき漁網

がれき広域処理に反対する会
会報第9号
2013年6月30日
南足柄市の住民・議員のみなさま、箱根町の住民・議員のみなさま
観光の町箱根町、水と緑豊かな南足柄市。
そこでなぜ今、「がれき漁網受入れ」か?
―国や県は「小さな自治体」を狙います-
神奈川県は最初、横浜市・川崎市・相模原市でがれきを焼却
しようとしましたが、その計画は住民の反対により頓挫しま
した。次に、横須賀市で漁網を埋立てようとしました。しか
し、それも同じ結果に終わりました。
何故、他の自治体が漁網埋立に手を上げないのか、また、が
れき広域処理に参加「しない」自治体が圧倒的に多いのか?
環境省と神奈川県がすすめる「がれきの広域処理」は、危険
な事業だからです。
福島原発事故以来、環境省は「100ベクレル/kg 以下なら燃やしても大丈夫」と言い出
しましたが、これは違法です。放射性物質を扱う施設では、たとえ100ベクレル以下であっ
ても、今なお「低レベル放射性廃棄物」としてドラム缶につめ厳重に保管しています。放
射性物質は移動も拡散もしてはいけないものです。
山奥の処分場はどうしても汚染事業を引き寄せ、周辺はいつしか「ごみの山」になった
り、汚染水が漏れ出したりするものです。南足柄市も、箱根町も、大雨に特別な注意が必
要な地区です。南足柄市では、処分場は土砂災害特別警戒地区にかかっており、県は自ら
それを指定したのに、その危険性については一切検証をしていません。比重の軽い漁網が
あふれ出したりしたら大変危険です。
横須賀市にある県営の最終処分場への漁網埋め立てが失敗したのは、現地住民が反対し
たからです。地元自治会と県の間には、
「公害防止協定書」が交わされており、それにもな
じまないものでした。県には地元との約束を守る義務があるにもかかわらず、事業を進め
ようとしていました。しかし、
「公害防止協定」のおかげで、住民は反対を貫けました。箱
根町・南足柄市にはそんな協定がありますか? なければ、どれほど危険な廃棄物
を持って来られても歯止めはありません。すぐに協定締結を求めて下さい。
行政は、がれきも魚網も「安全」「環境に影響はない」といいます。
でも、津波に襲われた東北の震災がれきや魚網は、普通の災害ごみ
と違い、大量の毒物に汚染されています。漁網そのものにも有害物
質が含まれています。埋立てると土壌から水系を汚染するでしょう。
工場等の有毒物質
「がれき」は、津波に襲われた沿岸部の家屋やビル、工場など建築物、道
路や橋、下水道、電柱、ガスタンク、港湾施設などのインフラが破壊されて生じたもの。これらの
施設や建設物で生産されていたり、使用・保管されていた有害化学物質―PCB 汚染物、感染性廃棄
物、有害重金属類(鉛・カドミウム・クロムなど)、石油貯蔵施設の中身など―が、殆ど全量、が
れきに含まれています。何れも環境汚染と人体被害を引きこすことから、本来は特別法で処理する
ことが定められています。
下水や河川の汚泥、建材の毒物
がれきは、大津波によって港湾や海底、河川の底泥や、上下水
道の内容物やヘドロをかぶっています。これらの底泥・汚泥・ヘドロには、昔、廃棄された大量の
有害物質が含まれていることが多く、それらが大量にしみこんだがれきはとても毒性を帯びていま
す。また、古い建材に使われていたアスベスト、ヒ素、カドミウムのような有毒物質も、本来なら
特別な施設での処理が求められています。放射性物質による汚染は、問題の一部でしかないのです。
魚網そのものの危険性
魚網そのものにも、防汚剤として、ポリカーバメート、ホウ素及びその
化合物、キシレンなど、海水汚染をもたらす有害物質が使われています。古い魚網に使われていた
トリブチルスズ(TBT)も、重しに使われている鉛も、すべて有害であり、「化学物質の排出移動登
録法(PRTR法)」対象物質です。
箱根は国立公園もある有数の観光地、南足柄は美しい水を誇る自然
豊かな土地、そのような場所で環境影響調査(アセスメント)も実施せ
ず、「公害防止協定」もない事業をどうして、急いで進めるのか?
南足柄市民は、7月6日の市の説明会に参加しましょう。(南足柄市環境
課環境衛生班℡0465-73-8059) 箱根町民も、南足柄市のような、全
町民参加できる説明会を開催するよう、町に求めましょう。
そして、自治体に説明及び協定締結を求め、自分たちが暮らす地域を、
自分たちの手で守ってください。
★★勉強会「魚網受入問題を考える」開催のお知らせ★★
2013年7月5日(金)18:30~21:00 場所:南足柄市女性
センター(大雄山駅下車すぐ。ヴェルミ3内)研修室 主催:環境と未
来を考えるかながわの会(神奈川県と交渉を1年続けきた市民の集まり
です) 申込不要、資料代100円。連絡先:伊藤英雄(090)6012-1907、山本
節子(ジャーナリスト)
「ブログ“ワンダフル・ワールド”http://wonderful-ww.jugem.jp/”
のコメント欄にご質問連絡をお寄せ下さい(非公開です、ご安心を)」。