散乱プラスチックのツケは誰が払うのか

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気づきにくい汚染源
直径 PP 以下のプラスチックにはマイクロビーズがあります。天然素材のマイクロビーズも
散乱プラスチックのツケは誰が払うのか
ありますがポリエチレンやポリプロピレン製のものが多く、肌の角質を除去するスクラブ剤とし
て洗顔料などに入っているものがあり、これは使うたびに排水口から下水管を通り、大雨が降る
生活協同組合パルシステム東京 目黒連絡会
プラスチックは安価で軽く、丈夫で加工しやすいことから大量に生産され大量に消費されてきま
した。今では、私たちのくらしの中ですっかり定着してしまったレジ袋やペットボトル、食品の容
器や包材など、便利で手軽なプラスチックを手にしない日はありません。一人一年間で、レジ袋は
枚、ペットボトルは 本が使用され、一世帯で一日数百グラムのプラごみを出しているとい
われています。しかし、この便利さの陰で何が起きているのか、私たちは知るべき時が来ています。
プラスチックのゆくえ
と下水処理場からあふれ河川・海に流出していきます。
アクリルたわしなども使うたび、フリースなどの合成繊維の衣類も洗濯するたびに繊維がマイ
クロプラスチックとして排水口から同様にして河川や海に出ていきます。台所用スポンジや削れ
て汚れを落とすタイプのメラミン樹脂製スポンジもマイクロプラスチックのもとになっています。
その他、劣化したプラスチックやレジンペレットと呼ばれるプラスチック製品の中間材料も海
のマイクロプラスチックの発生源になっているのです。
どうしたらいい?
便利さの裏側で私たちは自然界に多大な負荷をかけていることを、まず認識しなければなりま
プラスチックは石油由来であり分解しにくく、製造過程で可塑剤などの化学物質が添加されるた
せん。また、環境負荷だけでなく、回収のための運搬や焼却、リサイクルに膨大な費用(税金)
め、焼却すれば大気を汚染し &2₂も発生します。海のごみになれば太陽の熱や紫外線、波の力など
をかけているのです。ここでちょっと立ち止まって考えてみませんか? 今、早急に手を打たな
で劣化し、微細なプラスチックになって海洋を汚染します。
ければ、いずれはそのツケを私たちの子どもや次世代、もの言えぬ生き物たちが払うことになる
世界のプラスチック生産量は年間 億 万トン( 年)で、その半分を占める容器包装プラ
スチックのうち %はリサイクルされていません。毎年 万トンものプラスチックが川や湖・海
へごみとして流出し、現在、世界の海には 億 万トンのプラスチックが存在していると推定さ
れています。私たちの海はまさに≪プラスチックスープの海≫になっているのです。
プラスチックスープの脅威 プラスチック汚染は、今、地球規模の大きな問題となっており、新聞やテレビでも大きく報道さ
れるようになりました。ウミガメやクジラなどの海洋動物や水鳥は海に漂っているキャップや破片
などのプラスチックを誤食して胃をふさがれ、餌を食べられず栄養失調で餓死してしまいます。
大きさが5PP 以下のプラスチックはマイクロプ
ラスチックとよばれ、魚や貝などがプランクトン
と間違えて食べ、プラスチックに吸着した有害化
学物質が脂肪に蓄積します。食物連鎖により生態
系に組み込まれた有害化学物質は、人間も含めて
生物への脅威となっているのです。
のです。まず、できることからやってみましょう。
今、私たちができること
1.何よりもごみの量を減らすことが一番
特にプラスチックの使用量を削減して、〔ごみゼロ〕を目指すこと!
・ ペットボトルはできるだけ使わない 水筒持参
・ プラカップより紙カップ マイカップ持参
・ レジ袋よりマイバッグ 布製がいいね
・ 食品用ラップや使い捨て食器の使用を控える マイ弁当箱
・ メラミン樹脂製スポンジを使わない こまめに掃除
・ アクリルたわしを使わない 亀の子たわしや布たわし
・ 合成繊維の衣類は頻繁に洗濯をしない 天然素材に勝るものなし
・ プラスチックのスクラブ剤入り洗顔料・練り歯磨きを使わない
・ 国や企業に意見を伝える 国民生活センター、お客様相談室
2.プラスチックは必ず分別回収し、散乱させない
現在、海流に乗って遠くまで運ばれたプラスチ
路上のポイ捨ても散乱の原因になり、海のごみになっています。
ックは、世界中の浜辺に打ち上げられ、ごみの山
となっています。私たち人間が、このまま放置す
目黒区では、プラマーク のついているものとペットボトルは行政で回収し、リサイクルに回
れば、海は 年までに、魚よりもプラスチッ
しています。(プラマークのないプラスチック製品は現在のところ可燃ごみとして回収し、清掃工場
クの方が多くなるという予測もあります。
で焼却しています。灰になったものは東京都が管理している東京湾の処分場に埋め立てられます。)
(重量計算・ 年ダボス会議にて)
3.生活を見直し、購入するときは最終処分のことまで考えること
参考資料 パルシステム東京目黒連絡会学習会 環境カウンセラー栗岡理子さん レジメより
パルシステム東京プラスチック学習会 東京農工大教授 高田秀重さん レジメより
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自ら行動し、みんなで伝えあいましょう!! 美しい海のために!!
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