第557号

発行日: 平成27年 7月21日
発行者:
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号
日本証券業協会加入
制作責任者: 営業業務部 調査課
Dynamic Psychological Ratio 9
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第557号
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上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場
下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場
80%ラインを下につき抜け→売り場
大 所 高 所
先週水曜日に中国の4~6月GDPが発表された。前年同期比7%プラスという
予想外に良い数字を見てNY株式は一旦上昇したが、中国報道官があえて「過大評価
されたものではない。実情を反映している」と繰り返したことで、逆に「政府が数字
を作ったのではないか」という疑念を掻き立てる結果となり、反落に転じてしまった。
中国上海市場や香港ハンセン市場も値下がりとなった。今後も中国経済の現状につい
て様々な情報が乱れ飛ぶことになりそうだ。
もともと中国は不思議な国だ。共産主義国家だから私有財産は認められていない。
それなのに株式市場が存在する。これを根本的矛盾と言わずにいられようか。それを
共産党一党独裁という非民主主義政体で押し通しているのだから、いろいろな軋轢が
出てくる。ソビエト連邦が崩壊したように、共産主義というイデオロギーの毒(人間
の欲を軽視し過ぎて起きる現実的弊害)が「上層部の特権化」「贈賄の常習化」「地方
の反乱」などを通して足元から政権を蝕むのだ。
ようやくギリシャ問題が一段落した今、今度は中国経済を巡る不安が世界の株式
市場を神経質にしている。しかしソ連崩壊が世界経済にとってプラスだったように、
ここで中国が一頓挫することは、世界にとって良い結果をもたらすという一面もある
のではないか。
(BIS)
た だ 一 筋
ギリシャ問題や中国株の動きが落ち着いたことで、先週の日経平均株価は 5 日連
騰で 871 円上昇、週間での上昇幅は今年最大である。買い主体はヘッジファンドによ
る先物の買い戻しと見られるが、下値での日銀ETFやGPIFの買い支えに加え、
個人投資家の押し目買いが顕在化してきたことで日本株の底固さと物色意欲の強さを
再確認できたのではないか。
ただこの水準からは、高値圏での一進一退の動きを想定、短期的な過熱感を冷ま
せる時間が必要と見る(外国人投資家が夏休みから戻る 8 月末頃まで)。一方、市場
の関心が日米の金融政策や国内景気動向に向かうと見られることから、今週から本格
化する 2015 年 4-6 月期決算をしっかり見極めたい。
このような状況下、中長期で期待できるテーマから中小型の関連株を選んでみた。
・マイナンバー・・・もしもしホットライン (4708)
・自動運転・・・・・UKCホールディングス (3156)
・電子書籍・・・・・メディアドゥ (3678)
・事業承継・・・・・M&Aキャピタルパートナーズ (6080)
・株主還元・・・・・GCAサヴィアン (2174)
・電力小売完全自由化・・第一実業 (8059)
・インバウンド・・・・共立メンテナンス (9616)
(三感王)
当 た り 屋 見 参
先週は、日本や海外の株式市場は総じて堅調だった。日本株は先週5日続伸と1
週間通じて戻り歩調。東証2部指数や日経ジャスダック平均は年初来高値を更新した。
米国株はNYダウが高値に接近、ナスダック指数は終値ベースで高値を更新した。欧
州株もドイツやフランスが6月の戻り高値を超えてきており、これまでの下げ基調に
変化が出てきた。外部環境が落ち着きを取り戻してきたことで、株式市場はリスクオ
ンのムードになりつつあるように見える。
株式市場全体が戻りつつある中で、注目すべき足取りを見せている大手建設株を
取り上げてみたい。大手建設株は日本株が下げる前の先々週まで相場のリード役のよ
うな形で上昇し、なおかつその後の調整場面でもあまり押さなかった銘柄群である。
このような銘柄は再び相場全体が上昇基調を取り戻せば、再度リード役になることが
期待できる。
一方、中国株の戻りが鈍いことに注意が必要だ。それまでの急落が大きかったこ
とで、回復には時間がかかると思われ、コマツなど機械株の一角や鉄鋼株といった中
国関連銘柄は上値が重い展開を予想する。
(枕上厠上)
中 堅 の 視 座
16 日にギリシャ議会が財政改革法案を賛成多数で可決し、ギリシャ危機は収束し
た様に見える。中国市場も落ち着きを取り戻し、今後は月末から始まる国内各社の決
算発表が注目される。状況次第で日経平均株価は先月 24 日の高値 20952.71 円を突き
抜け、更なる上値を試す展開も期待できるのではないだろうか。
そんな中で 26 期連続増配中の花王 (4452) に注目したい。過去中国人の大量買い
で注目を集めた紙おむつ「メリーズ」や温熱用品「めぐりズム」が好調で、株価も今
年 4 月に付けた上場来高値 6,270 円に近づいている。28 日発表予定の中間決算に期
待したい。
また、このところ、台風や豪雨、土砂災害、時期はずれの猛暑など異常気象やそ
れに伴う自然災害の話題が度々報道される。今まで以上に天気予報を気にする人達も
増えたのではないだろうか。民間世界最大手の気象情報提供会社、ウェザーニューズ
(4825) にも注目している。
(G)
き ら き ら 星
ギリシャ政府は欧州中央銀行(ECB)と国際通貨基金(IMF)に対する債務
の支払いを完了し、ECBからの債務未払いを理由とした資金供給を絶たれる懸念は
ひとまずなくなりました。また中国株の落ち着き、米国NASDAQ市場の最高値更
新などから、日経平均株価も近々 21,000 円を超える展開を予想します。
高値警戒感などから個人投資家の株売りの思いが強い中、それとは裏腹に日経平
均株価は知らぬ間にといった感じで再び高値トライの展開となって来ました。
昨年度、個人投資家は 6.5 兆円を売り越し、今年度もその動向は変わりませんで
したが、相場急落場面では 7 月第 2 週に 5271 億円と 1 年 5 ヵ月ぶりの買い越し額を
記録しました。株を売却した投資家の中でも未曾有の低金利、インフレへの対応から
の資産運用を改めて考え直す兆しが見え始めた証に思えます。
ちなみにユーラシア・グループが年初に発表した「2015 年のトップ・リスク」に
は①欧州の政情、②ロシア、③中国経済の成長率低下の影響、④金融の兵器化、⑤イ
スラム国―などが挙げられています。リスク情報を「売るため」ではなく「買うため」
としてご利用下さい。
(おけや)
ア ナ ロ グ の 俯 瞰
ギリシャ問題を乗り越え、中国株急落相場を乗り越えた。これでもう安心という
わけにはいかないが、とりあえずは目先の危機的状況は通過した格好。しかし、その
後に上値のやや重い揉み合い相場が残った。考えようによっては大型株相場から中小
型株物色の流れということで相場はうまく循環しているとも言えるが…。当面、次は
米国の利上げ時期を探る相場となりそうだ。
ただ、今の日本株相場は決して軟弱な相場ではなく、腰の強い相場に変貌しつつ
ある。過去何度となくあった急落とその後の相場展開を最近の相場と比較すると、
ショックからの立ち直りが異常に早い。金余りと景気回復期待を背景に、力強い相場
へと産声を発しているのだ。今後も外部環境に一喜一憂することはあるだろうが、来
るべき大活況相場に備えて、思い切って仕込むべきかもしれない。本当の意味での「日
出ずる国」の相場が始まる、そう信じたい。相場は語るものではなく、乗るものだと
いうことを忘れるべからず。
右肩上がりに勇気を持ってアルプス電気 (6770)、再浮上期待テクノプロ・ホール
ディングス (6028)、地元企業一つ日成ビルド工業 (1916)。
(体調万全、気分は上々、なのに株価は横這い空回りクレイジーゲーマー)
アナリストによる北陸企業便り
<共和工業所>
(織田真由美)
2015 年 4 月期連結決算は減収減益。売上高が低迷する中、営業利益・経常利益が
連結決算に移行して以来 3 期連続の減益だ。純利益も中国子会社の事業用固定資産の
減損処理によって赤字に転落した。
建設機械需要の先行きには不透明感が強い。コマツの推計による台数ベースの需
要では、2015 年度は 5 ~ 10% 程度の減少が見込まれ、2014 年度に続き 2 年連続の減
少見通しだ。日本で排ガス規制強化の反動減が見込まれるほか、鉱山機械需要も落ち
込みが続き、回復の兆しはまだ見えていない。
こうした中で同社の今期業績予想は大幅減収減益見通し。同社は鉱山機械などの
大型の建設機械向けが多いだけに、鉱山機械需要の低迷長期化が足を引っ張る。営業
利益、経常利益については、前期に比べてほぼ半減の見通しだ。
建設機械需要伸び悩みの中で、同社は潤沢なキャッシュフローを活用して新たな
体制を構築中。前期は中国子会社の減損処理を実施したが、今期は 4 億円を投じて本
社隣接地に新工場を建設、1k m 離れた南西工場を新工場に集約することで、固定費削
減、効率化・省力化を進める。
株価のバリュエーションは P B R が 1 倍を割り込み割安感はあるものの、建設機械
需要に先行き不透明感が強く、業績回復には時間を要しそうだ。投資判断はNEUT
RALとする。
罫 線 中 僧
4523 エーザイ
週足
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
日足
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
出所:ブルームバーグ
不安要素に事欠かない中、日経レバレッジ E T F が連日売
買代金のトップであることに象徴されるように、個別株を大
きく続伸させるほどに買いエネルギーは集中されていない。
日経平均採用 225 銘柄が平均的に買われ、銘柄選択に苦しむ
場面だ。今回は認知症とガンの領域において大きな成長の機
会を目前にしている「エーザイ」を取り上げたい。「エーザイ」
は 3 月 24 日に 9,756 円の上場来高値をつけた後、7 月の日
経平均大幅下げ局面での下げが最後の調整局面となっている
アルツハイマー型認知症治療薬への期待感から 1 月以降
動意付き 3 月に上場来高値へと駆け上がった。しかしその後
7,600 円まで調整局面が続いた。足元の信用貸借倍率は 0.53
倍(買い 41 万・売り 79 万)と売長の状態で、8,700 円まで
の切り返しとなっており、上げの弾みは近いと期待される。
(しんのすけ)
*情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、
投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。
株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当
する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ
きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。
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じるおそれがあります。
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よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式
や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、
当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価
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