消臭・芳香など「におい」をうたった商品についてのアンケート調査結果 平成28年12月 (公社)札幌消費者協会 調査部 近年、テレビや新聞・雑誌の広告で、消臭・芳香など、「におい」について多様な商品が取り上げられています。そ こで調査部では消費者がどのような商品を利用しているのか、「広告」についてどう感じているのかをアンケート調査 しましたので、その結果を報告します。 1.調査概要 調査期間 : 平成28年9月1日(木)~9月30日(金) 調査対象 : (公社)札幌消費者協会会員及び札幌市民 有効回答数 : 306名 2.調査結果 ※回答者について ①性別 : 男性 41 名(13%)、女性 243 名(80%)、無回答 22 名(7%)、合計 306 名 男 女 無回答 合計 41 243 22 306 13% 80% 7% 100% ②年代 : 60代(30%)が最も多く、次いで70代(24%)、50代(16%)、40代(12%)、30代(10%)の順で した。 30 歳未満 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 歳以上 無回答 合計 8 32 37 49 93 74 7 6 306 3% 10% 12% 16% 30% 24% 2% 2% 100% 無回 答 7% 性別(n=306) 80歳以 上 2% 男 13% 年代 (n=306) 無回答 2% 30代 10% 70代 24% 女 80% 30歳 未満 3% 60代 30% 50代 16% 40代 12% <問 1> 身の回りの「におい」に関心がありますか? 「関心ある」が 240 名(78%)で、年代に限らず、「関心ある」が多い結果でした。 また、男女を比べると、女性の方が男性より若干多い傾向でした。 関心 関心 どちらとも ある ない 言えない 240 15 78% 5% 関心があるか (n=306) 無回答 合計 43 8 306 14% 3% 100% (%) ある 78% 年代別割合 (n=300) 100 75 50 25 0 30代以下 40~50代 60代以上 あ る な い 言 え な い -1- ど ち ら と も ない 5% 無回答 3% どちらとも 言えない 14% <問 2> あなたが「におい」を消すために使っているものは?(複数回答) 全体的にはトイレ用(61%)が最も多く使用され、次いで玄関用(31%)、柔軟剤・洗濯用洗剤(30%)、制汗 用・居間用(27%)の順でしたが、「使っていない」は 37 名(12%)でした。 年代別に見ると、高齢なほど、トイレ用、玄関用の使用が多く、若い年代ほど洗濯用洗剤、制汗用、柔軟剤、シ ャンプーが多く、身体の消臭を重視する傾向がみられました。 また、車用は男性の使用が多い傾向でした。 においを消すために使っている「その他」は、ペット用、生ごみ用、下駄箱用、布巾用、重曹、酸素系漂白剤、はっ か、木炭、コーヒーカス、アルコールなどでした。 居間用 トイレ用 玄関用 車用 衣服用 洗濯用 洗剤 柔軟剤 制汗用 シャンプー その他 使って いない 82 188 95 56 67 91 93 84 50 30 37 27% 61% 31% 18% 22% 30% 30% 27% 16% 10% 12% (名) 100 「におい」を消す 188 200 95 82 93 56 67 91 車 用 衣 服 用 洗 洗濯 剤用 84 50 30 37 プ シ ーャ ン そ の 他 使 なっ い て い 0 居 間 用 (%) 80 60 40 20 0 居 間 用 ト 用イ レ 玄 関 用 柔 軟 剤 制 汗 用 年代別割合 (n=300) 30代以下 40~50代 60代以上 ト イ レ 用 玄 関 用 車 用 衣 服 用 柔 軟 剤 洗 洗濯 剤用 制 汗 用 プ シ ーャ ン そ の 他 使 なっ い て い <問 3> あなたが「香り」をつけるために使っているものは?(複数回答) 全体的にはトイレ用(34%)、柔軟剤(30%)、玄関用(20%)、次いで洗濯用洗剤、居間用、シャンプーの順で、 「使っていない」は 85 名(28%)でした。下部右のグラフが示すように、「香りをつけるために使用するもの」は、問 2 の「においを消すために使用するもの」と比較すると少なく、「使っていない」は逆に多い結果でした。 年代別に見ると、高齢なほど、トイレ用、居間用が多く、若いほど柔軟剤、シャンプーが多い傾向でした。 また、問 2 と同様に、車用は男性の使用が多い傾向でした。 「香り」をつけるため使用している「その他」は、香水類、ハンドクリーム、ボディクリーム、ハッカ油、石鹸類、花、 ハーブ、果物、犬用、お香、かんきつ類の皮、アロマオイルなどでした。 居間 トイレ 用 用 39 13% (名) 150 車用 衣服用 103 62 30 31 34% 20% 10% 10% 洗濯用 103 39 92 62 30 31 41 19 使って 制汗用 41 92 34 38 19 85 23 13% 30% 11% 12% 6% 28% 8% 洗剤 (名) 200 85 34 38 シャン 柔軟剤 「香り」をつける 100 50 玄関用 150 23 0 100 50 居 ト 玄 車 衣 洗 柔 制 シ そ 使 無 間 イ 関 用 服 濯 軟 汗 ャ の っ 回 他 て 答 用 レ 用 用 用 剤 用 ン い プ 用 洗 な ー 剤 い その他 プー いない <使用数の比較> においを消す 香りをつける 188 82 39 103 95 62 56 67 30 31 91 無回答 93 92 84 50 37 34 38 41 85 0 居 間 用 -2- ト イ レ 用 玄 関 用 車 用 衣 服 用 洗 濯 用 洗 剤 柔 軟 剤 制 汗 用 シ ャ ン プ ー 使 っ て い な い (%) 年代別割合 (n=300) 50 30代以下 25 40~50代 60代以上 0 ト イ レ 用 居 間 用 玄 関 用 車 用 衣 服 用 洗 剤濯 用 洗 柔 軟 剤 制 汗 用 そ の 他 シ ャ ン プ ー 使 っ い て い な <問4>「におい」に関する宣伝広告(コマーシャル)を商品選びの参考にしましたか? 全体的には、「大いに参考にした」と「少し参考にした」を合わせると 53%で、「参考にしなかった」40%を上回り、 年代別でも、男女間でも大きな差はありませんでした。 (n=306) 大いに参 少し参考 参考にし わから 考にした にした なかった ない 26 134 123 16 7 9% 44% 40% 5% 2% (%) 60 無回答 参考に しなかっ た 40% 年代別割合 (n=300) 30代以下 40~50代 60代以上 40 20 0 少 し し た参 考 に 大 に い し に た参 考 参 か考 っ に たし な 大いに 参考に した 9% 無回答 2% わから ない 5% 少し参 考にした 44% わ か ら な い <問5>「におい」に関する宣伝広告について、どう思いますか(複数回答) 「表現がおおげさ」(44%)が最も多く、次いで「使ってみたくなる」(21%)、「押しつけがましい」(14%)、「内容がおも しろい」(12%)、「不安をあおる」(10%)の順でした。年代別では高齢なほど、「大げさ」「押しつけがましい」が多く、若 いほど「使ってみたくなる」「内容がおもしろい」が多い傾向でした。 「その他」は、「関心ない」「気にならない」「迷う時もある」などでした。 使ってみたく 内容が わかりやすく 不安を 表現が 押しつけ なる おもしろい 心に残る あおる おおげさ がましい 65 38 24 31 135 21% 12% 8% 10% 44% 135 150 100 50 無回答 43 35 11 14% 11% 4% 年代別割合 (n=300) (%) 60 宣伝広告について (名) その他 30代以下 40 65 38 24 31 43 35 11 40~50代 20 60代以上 0 0 押 使 内 わ 不 表 し っ 容 心か 安 現 なて ろ が に り る を し つ が さ る み い お 残や お い け あ た が す る も お お く ま く げ し そ の 他 使 っ て み た く な る 無 回 答 -3- 内 容 が お も し ろ い わ か り 残や る す く 心 に 不 安 を あ お る 表 現 が お お げ さ 押 し つ け が ま し い そ の 他 <問6> 近頃の「におい」を気にする風潮をどう思いますか 「やむを得ない」(43%)が最も多く、次いで「好ましくない」(28%)、「どちらとも言えない」(20%)、「好ましい」 (9%)の順でした。男女別でも同様の傾向でした。 年代別にみると、若いほど「やむを得ない」が多く、高齢なほど「好ましくない」が多い傾向でした。 好ましい やむを得ない 好ましくない どちらともいえない 29 132 85 60 9% 43% 28% 20% 風潮について (名) 150 50 60 85 100 60 29 30代以下 40 40~50代 20 0 好 ま し い 年代別割合 (n=300) (%) 132 や む を 得 な い 好 ま し く な い ど ち え ら なと い も い 60代以上 0 好 ま し い や む を 得 な い 好 ま し く な い え な い ど ち ら と も い <問7> その他のご意見(記入 105 名) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 消臭剤、芳香剤などのにおいは好まない。(17名) 洗濯用洗剤あるいは柔軟剤の強いにおいは好まない。(16名) アレルギーの人や病気の人など、においが体に影響を与えないか。(12名) においに敏感になる傾向は CM の影響が大きいなど、CM について。(9名) 生活の中ににおいがあるのは当然であり、悪とするのはおかしい。(5 名) 自然の香りを取り入れるのがいい。(3名) においに敏感になっている傾向がある。(5名) その他(37名)は「もっと楽しんで香りを使えたらいいのにと思います」「本人がいい香りだと思っていても他の 人に不快なことが多い気がします」などでした。 3.まとめ ・ 身の回りの「におい」について、年代を問わず、関心を持っている方が多い結果でした。 ・ 全体的に、においを消すために使っているものに比べ、香りをつけるために使っているものは少なく、不快なに おいは消したいが、あえて香りをつける必要はないとの傾向と思われます。 ・ 宣伝広告について「表現がおおげさ」が最も多かった反面、若い年代では「使ってみたくなる」「内容がおもしろ い」など一定の評価がみられました。 ・ においを気にする風潮について、年代を問わず「好ましくない」が「好ましい」を大きく上回りましたが、「やむを得 ない」が最も多く、好ましくはないがやむを得ないという意識と思われます。 ・ 洗濯用洗剤や柔軟剤をはじめ、「消臭」・「芳香」をうたった商品について、強いにおいを好まない旨の意見が 多く、健康面の影響を心配する声もありました。また、においを気にする風潮について、コマーシャルの影響も あるとの指摘がありました。 ・ 身の回りの「におい」についてどう考えるか、自然のにおいとして付き合うか、消臭するか、香りを付加するかは 個々の判断ですが、良くも悪くも強いにおいは周りに不快感を与えます。 身辺を清潔にして、常識の範囲で不快なにおいを除去すると共に、消費者が選択できるように、香りの弱い、あ るいは香りを付けない商品も多く揃えてほしいものです。 ・ また、過度に誇張された表現や不安をあおるような広告については、消費者に誤解を与えないような配慮が 必要と思われますし、消費者も冷静に広告を見る目を養い、店頭で表示内容を確認して選択するよう心掛け る必要があります。 -4- 5
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