意見と回答 - 東京都建設局

野川流域河川整備計画(変更原案)への意見募集において提出された意見と対応(基本的な考え方)
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整理
意見・提案
基本的な考え方
番号
1
分水路整備で国道20号以北の浸水もカバーできるのか。上流 国道20号以北の中仙川は河川区域ではなく、地元市が管理す
部の整備もお願いします。
る下水道となっています。そのため河川管理者が整備を行う
ことはできませんが、河川整備と連携して、下水道整備を行
うことにより、浸水被害の軽減が可能となります。
2
分水路は水害対策上重要だが、常時使うものではない。付属 分水路の整備にあたっては、取水施設用地などを利用した雨
設備を造って防火対策、浸透対策等他の用途も検討してほし 水浸透対策等も今後検討していきます。消防水利等の防火対
い。
策での利用については、関係部署から要請があった場合に、
可能な範囲で協力していきます。
3
野川・入間川と同様、仙川にも調整池等検討してほしい。
本計画の目標である1時間あたり50mm規模の降雨に対する整備
においては仙川に調節池の設置は必要ありません。将来、治
水水準の向上を図る際には、調節池等の設置も含めて検討し
ていきます。
4
入間川は中央高速の下から流れている。洪水のピークカッ
本計画の作成にあたっては、流域全体を見て、治水、河川の
ト、親水化など、広い観点から、これを忘れないでほしい。 利用、環境等総合的な検討を行っています。
5
付近は地下水位が高いうえ、深大寺用水などの旧水路が3本 分水路整備にあたっては、詳細な地質調査や地下水調査を実
残っている。大径のトンネルを通すので、調査・評価をしっ 施し、地下水へ与える影響等を把握した上で、必要であれば
適切な対策を実施していきます。
かり行ってほしい。
6
分水路が地下水の流動を阻害しない対策を講じてほしい。そ
うした可能性がどの程度あり、それに対してどのように対処
しているか、技術的な情報を明らかにしてほしい。
7
平成17年9月の集中豪雨により浸水家屋数101戸という大きな 本計画では、当面分水路を早急に整備し、できるだけ早期に
被害を繰り返さないために、早急に十分な対策を実施してほ 治水安全度を向上させていくこととしています。分水路の整
しい。地球温暖化により、台風に加えて、ゲリラ豪雨などが 備により、平成17年9月と同程度の豪雨においても、被害を相
今後大型化、頻発し、大きな被害が発生することを恐れる。 当軽減することが可能となります。
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第1章 流域及び河川の概要(土地利用)の記述、p.5図1-5野 東京都では土地利用を5年ごとに調査していますが、計画書作
川流域の土地利用と市街地率の変遷における市街地率は平成 成時点では平成19年の状況については調査・とりまとめ中で
14年が最新だが、流量の算出に関係するので直近の年の数値 あったため、平成14年の調査のものを示しています。
に改めるか追加することが望ましい。
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入間川の50mm/hr対応の治水施設整備によって、被害がどの程 本計画は、1時間当たり50mm規模の降雨に対応するための河川
度減少するのか不明確なので示してほしい。具体的には、① 施設の整備を行っていくものです。①平成17年9月の豪雨は入
H17.9.4~5と同じ集中豪雨を想定した場合の被害、②ハザー 間川の近くにある長久保雨量観測所で1時間あたり109mmを記
ドマップ(H12.9東海豪雨と同じ豪雨)の整備前後の比較を示 録するなど、計画規模をはるかに超える降雨であり、現時点
の概略検討では本計画の分水路の整備によって被害が相当軽
してほしい。
減されますが、完全には解消されません。具体的には、同じ
雨が降った場合には地盤の低い一部地域の床下浸水程度は残
ると想定しています。今後、整備施設(分水路等)の詳細が
決まった段階でより詳しく検証していく予定です。②各市が
作成したハザードマップは、都のシミュレーションによる浸
水予想区域図がベースとなっています。この図では、東海豪
雨と同じ規模の雨が降った場合の現況河川での浸水予想区域
を示しています。本計画に基づく整備が完了した場合の浸水
10 本案で浸水世帯がすべて無くなる保証があるのか。
区域の公表については、今後浸水予想区域図の見直しに合わ
せて実施していきます。
11 図3-1において、入間川の「当面の目標流量」の意味が不明確 本計画では、流域の治水安全度をできる限り早期に向上させ
なので説明してほしい。2段階に分けて整備を行う理由につ るため、段階的に整備を行うこととしています。当面は、1時
いて説明してほしい。また、当面の整備の比重を出来るだけ 間50mmの降雨に対し、現在の土地利用状況や下水道の施設水
大きくするべき。
準を考慮した場合の流域から河川への流出量を「当面の目標
流量」としています。将来は、流域の市街化の状況や関連施
設の整備などにより、河川への流出量が更に増加することが
予想され、これへの対応を最終目標としています。
入間川河道の拡幅整備には、長い時間や費用を要するため、
当面、比較的早期に整備が可能な分水路で対応する計画とし
ました。
当面の整備の比重(目標)については、分水路整備条件、浸
水被害軽減の程度、整備期間などを総合的に検討して決定し
ています。
12 p.18図3-1の入間川の計画流量(分水路が10, 河道が30(20) 入間川を含む野川水系の計画流量は、合理式を用いて計算し
3
m /sにそれぞれ対応すると思われる)の根拠が不明確なので ています。計画では、流出係数は将来の土地利用を見込んで
示してほしい。
f=0.8としており、この場合の河道流量が30m3/sです。分水路
例えば合理式(Q=f・r・A/3.6)を用いる場合、流出係数はいく により早期に達成する当面の目標流量では、現在の土地利用
らか。「国土交通省 河川砂防技術基準(案)」における流 状況等を考慮してf=0.6としており、この場合の河道流量が
域状況別の標準値に照らすと、入間川の現状はf=0.7~0.8が (20)m3/sです。分水路の流量は将来とも10m3/sです。
妥当と思われる。
気候変動等に対する治水水準の見直し等については、今後東
また、将来における流域の土地利用状況、地球温暖化による 京都全体で検討していきます。
気候変動(雨量の増加等)をどの程度反映しているのか。
13 都市計画道路 調布3・4・10号線は、平成18年度から27年度ま 都市計画道路 調布3・4・10号線の計画は調布市により進めら
での優先整備路線のひとつだが、下水道や入間川の流量を増 れており、今後詳細な排水等の検討がなされることとなりま
加させ、下水道からの溢水や下水道から流れ込む入間川の溢 す。道路の排水を河川へ放流する(下水道経由を含む)場合
水を助長することが懸念されている。この道路計画の影響
には、河川の能力以上の放流がないように協議していきま
は、今回の整備計画に反映されているか。されていない場
す。現時点では道路管理者や下水道管理者からの協議は受け
合、影響の有無の検討やその対策など今後どのように対応す ていません。今後、市と調整していきます。
るのか。
野川流域河川整備計画(変更原案)への意見募集において提出された意見と対応(基本的な考え方)
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意見・提案
基本的な考え方
番号
14 p.22「(3)河川環境の整備と保全に関する事項」の本文及び 入間川の河道整備は、将来的な流域の市街化の状況や関連施
p.23表4-2河川環境整備に係る施行の場所の内容が不明確なの 設の整備状況などを踏まえて必要な箇所について実施するこ
で具体的に説明してほしい。
ととしており、現時点では具体的な断面図等は作成していま
第一に、p.24~25の野川のような計画標準断面図、並びに
せん。詳細な区間、線形、断面や環境整備の内容、さらには
p.27のような環境施設整備構想図を示してほしい。
その効果については、今後、必要となった時期に、地元住民
第二に、この整備の効果を具体的に示してほしい。
や市などの意見も考慮しながら検討していきます。
15 河道整備は、p.18図3-1計画流量配分表の数値(30(20)及び 詳細な検討は今後実施していきますが、治水上安全で良好な
35(25))と関係があるのか。もしそうであれば、現状約4mの 環境の河川とするためには、河道の拡幅が必要になると考え
川幅を約6m(以上)に拡幅する必要があると推察するが、百 ています。整備が必要となった区間については、川沿いの住
戸規模での沿岸の住宅の立退きを必要とすると思われ、実現 民の方々のご理解やご協力を頂きながら事業を進めていきた
が非常に困難ではないか。
いと考えています。
河道整備のおよその予定年度を示してほしい。
現時点では河道整備の時期は未定です。
河道整備の費用対効果が低いのではないか。
入間川の整備手法については費用対効果の比較検討を行い、
分水路と河道により整備を行うことが最も治水に対する費用
対効果が高いとの結論になっています。
16 河道整備よりも、むしろ当面の目標水量、分水路に出来るだ 分水路の分担量については、現在の流域の土地利用状況や下
け多く分担させるべきではないか。
水道の整備規模を考慮して決定しています。これ以上の流量
を分水路に分担させることは、分水路のルート上の制限、放
流先の野川との関係などから困難であり、本計画の分水路の
分担量が最適であると考えています。
17 ゲリラ豪雨と呼ばれる、限られた地域への集中的降雨が生じ 平成17年9月の豪雨は入間川の近くにある長久保雨量観測所で
ている。仙川・入間川でH17、H18に生じた集中豪雨は、どの 1時間あたり109mmの降雨量を記録するなど、計画規模をはる
ような特徴であったのか。H17、H18に生じた集中豪雨に関し かに超える降雨でした。平成18年の降雨は、1時間あたり30mm
て、計画策定にあたって留意すべき事項には何があるのか。 の降雨量を記録しましたが、河川からの溢水による浸水被害
は発生していません。野川流域の浸水被害の軽減には、まず
は東京都の中小河川整備の目標である1時間あたり50mmの降雨
に対応する河川整備を着実に実施していくことが重要です。
また、整備水準を越える豪雨に対して、被害を最小限にとど
めるため、河川情報の提供などのソフト対策を推進していく
ことも重要です。
18 近年の河川行政では、洪水・集中豪雨時に住民が撮影したビ 東京都においても、実際の洪水のビデオ映像等を検討の材料
デオ映像も政策判断の材料とする取り組みが始まっている。 として使用しています。今後ともこうした映像等を活用させ
野川流域に限らず、都内でも同様な取り組みを期待したい。 ていただきたいと考えています。
19 河川沿いに住む人たちに対して、洪水時の予防的対処方法の 河川整備などのハード対策と共に、自助・共助に代表される
検討も考える必要があるのではないか。個々の住民自身で取 ように住民自身が洪水時の予防を行うことが非常に重要で
り組める対策についての計画での項目提示も期待したい。
す。5章1節に記述したとおり、東京都では、その一助とする
ために、インターネットによる降雨・水位状況の公表や浸水
予想区域図の公表などのソフト対策を実施しています。ま
た、計画書に記載はしていませんが、河川や下水道への流出
を抑制するための各戸における貯留・浸透施設設置は有効で
す。
20 計画期間は、何年からおおむね20~30年であるのか。計画開 今回の野川流域河川整備計画の計画期間は、策定(今回の変
始年を記載しなくてよいのか。変更計画を作成するたびに、 更計画ができた日)から20~30年です。
その計画期間は20~30年という意味か。
21 「今回募集する意見は、原則として追加した入間川の整備に 今回の整備計画の変更にあたり、人口や産業、水質など各種
関することです。」とある。当初計画策定後(H18.3)2年が データを更新しましたが、野川流域全体の目標や考え方を変
経過しているが、新たな課題は生じることなく、計画の想定 更するに至るような大きな社会状況や自然状況の変化はない
範囲内で対処できていると理解してよいか。
と考えています。現在のところ想定範囲内と理解していただ
いて結構です。
22 計画書の図面の画像の画質が低く、きちんと文字を読み取れ インターネット上への掲載では、ファイルサイズに制限があ
ない。流域内の小中学校での教材としての利用も考えられる り、画像の解像度をある程度落とさざるを得ません。ご意見
ため、より画質精度の高い図面を記載されることを望む。
のようにご利用される場合は、東京都建設局河川部へご相談
ください。
23 野川・仙川・入間川は、国・都・市によりどのような管理区 野川・仙川・入間川については東京都が管理しています。P28
分となっているのか?誰と誰がどう連携していかないといけ に記載の通り、野川及び仙川の世田谷区内の区間については
ないのかを検討するにあたっての基礎的な参考資料として追 「特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例」に
加してほしい。前回パブリックコメントでも「遊歩道の整備 基づき、地元区との適切な役割分担を行い、河川の維持修繕
や街路灯の設置など」の意見が出ており、一過性でないより 及び維持管理を区が行っています。
良いパブリックコメント制度としていってほしい。
パブリックコメントで頂いた意見について、必要なものにつ
いては関係区市などと連携していきます。
24 入間川について「遊歩道の整備など川に親しめる空間を創出 東京都の河川事業で河道整備に合わせ河川を管理するために
するとともに」の記載があるが、東京都が遊歩道の整備を行 必要な管理用通路を整備します。計画書のこの部分は、地元
うのか。
市などと連携しこの通路の遊歩道としての利用を図るという
意味です。誤解を招く表現となっているため、「管理用通路
を整備し遊歩道としての利用を図るなど、川に親しめる空間
を創出するとともに」に修正します。
25 計画策定プロセスの全体像を提示することがより良いパブ
法定計画である河川整備計画には記載すべき項目が決まって
リックコメント制度になるのではないか。当初計画(H18.3)の いるため、計画には記載していません。計画は、様々な段階
パブリックコメントでの回答では、「今後も引き続き検討が での検討、調整、修正などを重ねて策定していますが、参考
必要」等の記載がある。今回の変更原案の検討での、新たな 情報としてこれら策定プロセスの全体像を公表することにつ
見直しの必要性の検討の有無、審議記録など、計画策定プロ いては、今後の検討課題とさせていただきます。
セスの全体像を参考情報として記載されることを期待する。
野川流域河川整備計画(変更原案)への意見募集において提出された意見と対応(基本的な考え方)
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意見・提案
基本的な考え方
番号
26 入間川流域では、後背地の市街化区域内での雨水浸透など、 流域における雨水の貯留や浸透により、河川への負荷を軽減
河川への負荷をより軽減・分散させる取り組みは考えられて する取り組みは重要です。P31に記載したように、東京都では
いるか。
区市町村と連携して「東京都総合治水対策協議会」を設置
し、流域からの雨水流出抑制を目的とした貯留・浸透施設の
設置について開発業者に対し協力の依頼を行うとともに、広
く住民に理解や協力を得るための啓発活動を行っています。
27 分水路の整備区間での大雨時の分水路からの影響には、どの 分水路の整備区間において、大雨時の分水路からの影響はあ
ようなものがあるか。
りません。
28 分水路の直径2.8mはどのような制約条件・計算式等により決 分水路の分担流量は、敷設ルートの条件、放流先の野川との
定されたのか。
関係、浸水被害軽減の程度及び整備期間などを総合的に検討
し、毎秒10m3としています。この流量を野川へ確実に流すた
めに、入間川と野川の計画水位や高低差などをもとに、マニ
ングの平均流速式を用いて計算し決定しています。
29 分水路の直径の設計値(2.8m)による入間川・野川本流への 分水路流入地点から下流の入間川合流点までの野川は計画流
影響をどのように理解したらよいか。
量に対して若干余裕があり、分水路から毎秒10m3の流量が増
加しても流下する能力を有しています。
30 浸水101世帯の分布を教えてほしい。
甲州街道以北の中仙川において、床上浸水21棟、床下浸水24
棟の浸水被害となっております。京王線以南の入間川沿いに
おいて、床上浸水32棟、床下浸水24棟の浸水被害となってい
ます。
31 甲州街道までの中仙川、入間川は甲州街道下に流れ、入間橋 甲州街道を横断し入間川上流端の入間橋に流れ込んでいま
下流には一切流れ込んでいないと考えてよいのか。
す。
32 分水についての他の案をすべて教えてほしい。
京王線より上流で取水する案、下流で取水する案、入間川左
岸側を通る案、右岸側を通る案、川の下を通る案の複数案を
比較検討した結果、本計画の案としました。
33 東京都内の集中豪雨対策の方式についてすべて教えてほし
河川での対策として、洪水をすみやかに流下させる河道の整
い。
備(拡幅、掘り下げ、線形の改良)、洪水の一部を一時的に
貯める調節池の整備、洪水の一部を迂回させる分水路の整備
があります。また、流域での対策として河川への流出量を抑
制するため、降った雨を貯留したり、浸透させる施設の整備
等があります。
34 西野橋、小金橋、野川大橋、入間川野川合流地それぞれの地 西野橋(入間川)、小金橋(野川)、野川大橋(野川)、入
点の海抜水位を教えてほしい。
間川野川合流地点それぞれの計画高水位はそれぞれ、
A.P.+32.3m, A.P.+27.6m, A.P.+26.5m, A.P.+25.4mです。
35 まず、入間川両岸の嵩上げを進めるべきではないか。
嵩上げは、下流への流下量が増大するため、下流の流下能力
を考慮して行う必要があります。また、高くすると、地表水
が周辺から川へは流入できなくなるなどの問題もあり、それ
らを総合的に判断して行う必要があります。そのため、平成
17年9月の水害後、可能な範囲で嵩上げを実施しています。
36 嵩上げで不十分の場合、京王団地中央線→若葉小学校と第四 分水路のルートについては、地形、道路、地下埋設物など
中の間→稲荷前バス停付近→野川のルートで分水路を埋設し 様々な条件から複数のルートを比較検討して決定していま
たらどうか。
す。地下埋設物の状況や施工性などから、ご意見のルートよ
37 分水路は、中仙川端末→国道20号線→神代出張所→神代団地 り本計画書の案(入間川西野橋~野川小金橋)の方が有利と
交差点→野川小金橋のルートに埋設したらどうか。
判断しました。
38 分水路を品川通りに通すルートの場合、現状の4m道路下に敷 水害対策としての分水路整備はできるだけ早く行う必要があ
設するより、調布3・4・10号線を計画どおり延伸し、その下 ります。現在のところ、調布3・4・10号線の整備時期は未定
に敷設するのが妥当である。
であると聞いているため、現在の4m道路を利用し、早期に整
備していきたいと考えています。