平成28年度事業計画 - 東京都社会保険労務士会

平成28年度事業計画
自
至
平成 28 年 4 月 1日
平成 29 年 3 月 31 日
我が国の景気状況は、大企業においては上向いてきたところ、中国経済の減速や原油価格の急落等を受けて、円高・株安の傾向となり、日本にお
ける企業の勢いに翳りが見え始め不透明な状況となっている。また、少子高齢化が今後さらに進み、そのため多くの業種において、人材確保が困難
な状況がさらに増大することが予想される。これらの状況は、特に社会保険労務士(以下「社労士」という。)の顧問先である中小企業においては、
深刻な問題である。
東京都社会保険労務士会(以下「本会」という。
)の会員動向をみると、第 8 次社会保険労務士法改正による社員が一人の社会保険労務士法人、い
わゆる「一人法人」の設立が可能となったことによる法人会員の増加が見込まれるものの、昨年の社労士試験の合格率が 2.6%、全国の合格者数 1,051
人という結果を受け、今年度の本会への新規入会者数は減少することが予想されるため、事業を精査して、また、人口減少社会であることを視野に
入れ中長期的な展望で、より効率的な事業運営を図る必要が生じている。
平成 28 年度事業計画においては、平成 27 年度事業の 7 つのアクションプランを踏まえつつ、我々の活動領域を積極的に拡大し、さらに会員が円
滑に業務推進することができるよう取り組む。具体的には、①医療機関、介護事業者等に対する労務管理事業、がん患者の就労支援への参画及び社
会保険労務士法制定 50 周年(以下「法制定 50 周年」という。)について、全国社会保険労務士会連合会(以下「連合会」という。)や東京都社会保
険労務士政治連盟(以下「政治連盟」という。
)と連携して取り組む。②連合会及び政治連盟と連携して、第 9 次法改正に向けた内容の検討を開始す
る。③地方自治体に推進してきた「労働条件審査」のノウハウを基に中小企業の雇用環境等を整備するために取り組んでいく。④中小企業に対する
「健康経営」(「社員の健康」を重要な経営資源と捉え、健康増進に積極的に取組み成長力や収益性を高める企業経営スタイル)の普及・啓発・実践
を目的とした健康企業宣言事業に支援・協力し、併せて社労士の職域拡大に向けた「健康経営」に関する取り組みについて検討する。⑤社労士のマ
イナンバー制度への取組みを推進するため、引き続きマイナンバー推進本部によるセミナーの開催をはじめ、情報セキュリティ体制の強化に取り組
む。⑥法制定 50 周年に向けて広報のさらなる充実のため、本会ホームページのリニューアル等を実施し、社会貢献事業により、「社労士」という士
業が改めて広く国民から注目され、認知されるよう推進する。⑦これまで以上に高い職業倫理と専門知識・実務能力の向上を図るための研修体制に
ついて、万全の環境を整えていくことにより、個々の会員のスキルを向上させ、さらに社労士とそのスキルをPRし、会員の事業運営を支援してい
く。⑧電子化等の基盤整備を図ることにより、さらなる業務の効率化を図る。等について、取り組むこととする。
また、最近の科学技術の動向としてAI(人工知能)技術の急速な発達によって、近い将来、多くの業務において人工知能が人に取って代わるこ
とが予想されているため、社労士業務についてもどのような影響が生じ、どのような方向に進むべきか今後研究する必要がある。
以上の課題の実現に向けての具体的な事業展開として、次の事業を本年度の事業計画として取り組んでいく。
1.
社労士制度推進に関する事業
(1)社労士事務所のマイナンバーの取扱いに係る安全管理措置の向上を図るため、社労士事務所が宣言する社労士版特定個人情報保護評価及び
新SRPの取得を促進するとともに、ホームページ等を通じ社労士事務所がマイナンバー制度に適切に対応していることを広く国民にアピー
ルする。
(2)認証ADR機関「社労士会労働紛争解決センター東京」の認知度の向上・活用するメリットの周知を図るため、マスメディアを活用した積
極的な外部向けPR活動を検討し、実施する。また、専用ホームページの見直しを図り有効活用する他、あっせん事案に適正に対応するため、
総合労働相談所・社労士 110 番各相談員との密な連携を図るとともに運営委員と事務局の運営体制を強化して、あっせん申立及び和解件数の
増加を目指す。また、研修会等の様々な機会を捉えて「ADR制度」について周知を図るとともに、事業所に対しても同センターを活用する
メリットが大きいことを広くアピールする。
(3)特定社労士の活動範囲を拡大するため、あっせんの実践に対応できる体制作りとスキル向上を図る専門研修を企画し、実施する。また、相
談会やイベント等を開催してPRの強化を図る。
(4)業務侵害監視・牽制のための体制強化を図り、サイトを定期的に監視する体制により、業務侵害に対して警告やサイトの差止めなどの厳格
な措置を講じるとともに、引き続き監視活動結果等を公開することによって牽制効果を高める。
(5)業務監察等委員会による苦情処理の機能強化や綱紀委員会の活動による職業倫理の保持等を通して社労士業務の信頼性を担保するとともに、
会員の品位の保持に努め社会的信任の確保を図る。
(6)東京労働局から受託した「医療勤務環境改善支援センター事業」については、
「医業経営管理支援事業」の実施主体である東京都及び日本医
業経営コンサルタント協会と連携を密にして取り組むこととする。また、研修等により「医療労務コンサルタント」の養成・フォローアップ
にも努め、医療業界における社労士の業務拡大を推進する。
(7)介護業界、建設業界等人材の育成・確保、雇用の質の向上が求められている分野についても労務管理の専門家としての社労士の活躍する職
域の拡大を連合会と連携して推進する。
特に、介護事業者の労務管理に特化した実務的な知識・能力の習得を目的とした「介護事業労務管理研修」を実施し、同研修のフォローア
ップ研修制度の構築に向けて連合会に協力するとともに、自治体との連携を図る。
(8)がん患者の就労支援に係る取り組みについて、がん診療連携拠点病院等に対して、がん患者の就労等に関する相談の支援についての働きか
けを行う。企業及び医療機関等を対象とした「がん患者就労支援セミナー」を開催し、社労士が支援できることを周知するとともに、会員間
の情報共有の場を整備する。
2.
社会貢献に関する事業
(1)労働・社会保障等に係る学校や地域における教育への取組みについては、平成 27 年度に検討された本会の役割分担や大枠での財政基盤を基
に、講師活動の運用基準・規程の作成・整備を引き続き行い、労働・社会保障等教育の実施体制を整備する。
また、中学校・高等学校について、労働・社会保障教育が正規の教育課程として整備されるよう積極的に自治体に働きかける。
具体的な講師派遣活動については、都立高等学校を中心とした高等教育機関への講師派遣活動を積極的に実施するとともに、私立学校や大
学を含めたより幅広い教育機関への働きかけも行っていく。
(2)
「一般社団法人社労士成年後見センター東京」に新たに設置されたブロック支部と本会統括支部が連携し自治体等に対する働きかけを強化す
るなど積極的な支援を行う。
(3)「街角の年金相談センター(オフィス)
」については、適正な運営を図るとともに、ホームページや有効な広告媒体を活用して、アクセスの
よさと年金の専門家である社労士が運営していることをアピールするなどして利用促進を図る。
(4)社会貢献事業として展開してきた「強化月間のイベント」については、社労士業務そのものが社会貢献に繋がるという理念のもとに、継続
性を重視しつつ時宜にかなったテーマをとりあげ、事業主・労働者・国民のための研修会・セミナー等を企画・開催するとともに、これらの
事業をマスメディアを通じ幅広く発信する。
(5)会館の優れた立地とインフラを活かして、広く国民一般や企業を対象とした社労士が関わる労働及び社会保障に関する分野での講習会等を
企画・実施し、法律家・専門家として社会に貢献するものとする。
(6)障がい者の就労支援活動への取組みについて具体的に検討する。
(7)東京都が中小企業の非正規労働者の雇用環境の改善及び中小企業で働く人の仕事と生活の調和を図るために実施している「非正規労働者雇
用環境整備支援事業」と「中小企業ワークライフバランス推進専門家派遣事業」に引き続き東京都と連携して普及促進に努める。
3.
組織強化及び会員支援に関する事業
(1)来る法制定 50 周年に向けて、社労士制度の一層の発展・充実を目指して、本会の事業執行体制強化のため、本会と各統括支部・支部との役
割分担の指針に基づいた事業活動の推進、実効性のある事業計画・予算編成手法の検討など会全体の組織の在り方についての検討をさらに進
める。
また、統括支部・支部・会員への支援体制の整備、諸規程等の整備及び会の活動を支える事務局機能の強化のために以下のことを行う。
①
事務局の組織・職務権限・職務分掌・情報管理・事務処理方法・研修等の見直し、業務のIT化促進を行う。
②
予算編成・執行・経理等に係る諸規程の見直しを行う。
③
統括支部への業務支援として統括支部会議、賀詞交歓会等の案内文書の発送を引き続き行うとともに、新たに統括支部・支部作成の会報
の発送も行う。
④
メールを活用した統括支部・支部の広報等の活動をサポートする体制を構築する。
⑤
開業部会の中に、新たに「社労士法人連絡会」
(仮称)を設置し、一人法人制に関する検討を行うとともに、法人化のメリット等に関する
情報を会員に提供する。
(2)法制定 50 周年に向けて推進する諸事業を有機的・戦略的に推進するために組織・体制、インフラ等の環境整備を行うとともに、情報セキュ
リティ対策として、外部サーバーへのバックアップの検討を開始する。
(3)会員及び一般通報者からの苦情には、苦情処理体制に基づき迅速・適正に対処し、本会として、会員及び広く国民からの信頼に一層応える
姿勢を明確に示すこととする。
社労士業務の業務侵害については、ホームページ・パンフレット等に対する常時監視体制で臨み、侵害事案には、法的手段も含めて厳正に
対処する。
また、苦情処理及び業務侵害の事例について、その内容や処理結果等を適宜本会会報等に掲載し、会員に情報提供を行う。
(4)会費の収納対策として、当年度会費未納者に対しては、納期限後すみやかに督促を行う等の収納対策を講ずることにより年度内収納率の向
上を図る。さらに過年度分会費未納者に対しては、電話による督促の他、弁護士による支払督促を実施し、滞納会費の解消を図るとともに、
会則による処分及び法的措置を適正に行う。
(5)昨年度から本会が主体として実施している実務修習制度については、受講社労士の実務能力向上のための方策を継続して検討するとともに、
勤務社労士が受講しやすくするための措置を検討する。
(6)行政担当及び自治体担当副支部長からの様々な意見や要望を取りまとめ、関係行政と適宜協議できる体制作りを行うとともに、行政担当及
び自治体担当副支部長の支部内における活動に対する情報交換などの支援を行い、本会・支部との緊密な連携の強化に努める。
(7)勤務等会員の活動の場の拡大・活性化を推進するため、次のことを行う。
①
勤務等部会主催の時宜にかなった情報交流会等を引き続き定期的に開催するなど勤務等会員が企業内においてその存在価値を高めること
ができるような情報交換、施策の検討を進める。各統括支部の勤務等会員への研修会等の活動についても活性化のための支援を行う。
②
勤務等会員が講師、相談員、執筆、社会貢献事業等で活動する機会を増加させるための方策を検討するための手段として勤務等会員に対
しアンケートを実施するとともに、具体的な方策を策定する。
③
勤務等社労士による勤務等会員の相談窓口の設置を検討する。
④
地域型年金委員は勤務等会員の活躍の場の一つであることから、引き続き日本年金機構に対し候補者を推薦する。
(8)社労士試験合格者が東京会へスムーズに登録入会が可能となるように、入会促進のための施策を検討する。
また、社労士資格保有者に対する入会勧奨については、東京会入会のメリットをホームページの一般用サイトにアップする。
(9)社労士の信頼性を担保するために連合会と連携して、開業社労士の社労士賠償責任保険への全員加入を目指すとともに、情報漏えい保険特
約への加入を推奨する。
(10)経営労務監査が、社会保険労務士法第1条に規定する「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」制度として定着するための検
討を継続して行う。既に監査業務が定着している会計監査等を参考に、監査実施のために整備すべき環境の検討を行うとともに、監査対象と
なる開示すべき労務管理に関する情報の項目について個別具体的に検討する。
また、
「サイバー法人台帳
ROBINS」サイトに掲載して行う「経営労務診断サービス」については、連合会と連携して会員等に周知し、更な
る普及を図る。
(11)これまで推進してきた地方自治体における公契約の締結事業者(指定管理者等)に対して実施する労働条件審査業務を社労士の業務として
定着させるために、既に各支部に配布した「労働条件審査チェックリスト」
「労働条件自己診断チェックシート」などと併せて、統一的に整備
した地方自治体との「基本契約書モデル」を導入促進ツールとして活用し、普及促進を継続して強力に推進するとともに、労働条件審査の結
果報告書についても、統一化された様式の作成を検討する。
(12)平成 26 年度から実施している東京都財務局の建設業に係る低入札価格調査が、平成 28 年 1 月から都財務局が発注する全ての工事に対象が
拡大されたことにより、今後、他の業種も含め積極的に労働条件審査の導入を働きかける。労働条件審査未実施自治体に対しては、
「労働条件
審査出張説明会」を実施して、労働条件審査の目的や意義、効果について実施済み自治体の実績紹介などもしながら新規導入を働きかける。
今後社労士が行う労働条件審査をより信頼感の高いものとしていくために、手順書に従って厳格・公正に審査が実施されているか否か、ま
た、対象事業場からの苦情処理等に対応する組織体として「労働条件審査業務運用審査会」
(仮称)を設置し、運用を開始する。さらに、自治
体に対して「社労士無料相談派遣事業」及び「社労士相談員の活用」を推進し、関与率の拡大を目指す。
(13)連合会が実施した「企業リサーチ」
(社労士に対する認知度等のマーケティング)の分析結果を受け、引き続き社労士の認知度を高め、開業
会員の関与率向上に向けて様々な具体的施策を実施するとともに、勤務等会員の各事業場向けに“人事労務管理の専門家としての社労士”を
周知・広報することにより、社内での地位向上と能力発揮に資する施策の検討・実施を進める。
(14)会員相互の親睦を図るため、各種厚生事業を開催する。さらに、会員の家族や事務所職員も参加可能なイベントも企画し、参加率向上に努める。
(15)自主研究グループの研究成果を発表する「自主研究発表大会」において、会員はもとより都内事業所や都民に対しても社労士の活動をアピ
ールすることによって資質の向上と社労士制度の発展に繋げる。また、自主研究グループの育成活動として知識の習得はもとより新たなイベン
トを企画・開催し、一層の活性化を図る。
(16)急速な進歩を続けるAI(人工知能)によって予想される職種や職務の変革において、社労士業務に及ぼす影響及び活用について考察研究
する。
4.
専門能力等の向上及び研修に関する事業
(1)本年度実施する研修については「研修大綱」に基づき、研修計画や研修カリキュラムを策定し、会員の専門能力等の向上を図ることとする。
また、策定した研修計画及び研修カリキュラムを統括支部・支部に公開し、より有機的な連携を図る。
(2)倫理研修については、近年増加している社労士としての品位を失墜させる不適切な行為に対し、高度な職業倫理の理解が強く求められてい
ることから、あらゆる機会を捉えて、その意義を会員に周知させるとともに、DVD補講に加えて、出席が困難な会員に対してはeラーニン
グ方式を導入し受講率の向上を図る。
(3)必須研修については、
「必須研修実施要領」に基づき、すべての会員に受講を義務づけるにふさわしい研修を企画するとともに、研修受講の
意義を共有し、受講率の更なる向上を目指す。また、統括支部間の「振替受講制度」を定着させるともに倫理研修と同様に、eラーニングの
導入による受講機会の確保策を講じる。
(4)新規登録入会研修会については、職業倫理の徹底を図るためのカリキュラムの見直しを行う。また、本会をはじめ、統括支部及び支部が実
施する各種事業の周知を行い、積極的に参加を促す。
(5)年金研修については、初級、中級、上級、人事労務管理研修については、基礎編、実践編、応用編とそれぞれ段階的カリキュラムを編成し、
専門能力を担保に資する研修を実施する。また、これらの研修は、長期にわたって定期的に実施することが求められることから、実施時期の
集中を排除し、会員の利便に供するため年度を通じた実施形態とし平準化を図るとともに、受講機会の増加を図るためにeラーニングを活用
する。
(6)年金事務所、街角の年金相談センターに勤務できる業務委託社労士の育成・確保を図るため連合会街角運営本部の研修を活用するなどして、
東京会としての研修策を推進するとともに、業務委託社労士のスキルアップの向上を図るための研修を行う。
(7)社労士制度の使命と目的について広く国民や企業から支持を受け、社労士が活躍する職域の拡大、関与率向上を図るためには、専門士業と
しての能力担保と職業倫理のさらなる拡充が必要である。そのために、引き続き国民や企業の期待と信頼に応える労働及び社会保障に関する
分野の法律家・専門家として高いレベルでの能力担保、情報セキュリティに関する戦略的な研修制度の構築と実践を積極的に進める。
5.
広報に関する事業
(1)整備された広報体制、情報提供ルートにより、マスコミ・メディア等への戦略的な広報活動を推進し、会報、ホームページ、SNS、メデ
ィア等の情報手段の有機的な連動強化と整備を図る。本会が行う各種行事・業務関連情報・法改正情報等に関するプッシュ型情報提供を推進
し、IT時代にふさわしい迅速で能動的な情報提供方法の積極的活用を図る。
(2)毎月発行している会報の更なる充実化を図るため、会員の意見や要望など様々な声を集めて反映させることができるよう誌面のリニューア
ルも視野に含めた具体策を進めるとともに、引き続きマイナンバー制度導入にともなう社労士事務所のセキュリティ体制等有益でスピーディ
な情報提供を行う。
(3)社労士制度を広く国民に周知し認知度の向上を図るため、昨年度に引き続き、10 月の「社労士制度推進月間」に向けて、統括支部における
無料街頭相談を集中的に開催し、中小企業支援の一環として社労士制度推進月間に事業主向けセミナーを実施し、国民に広くアピールする。
(4)ホームページについては、一般・会員ページの一層の充実を図り、スピーディでタイムリーな情報提供を行うとともに、検索やダウンロー
ド機能を改善するなど利便性や充実度の向上を図る。その他、メールマガジン機能を有効活用するため、統括支部・支部の協力を得てメール
アドレスの管理体制を構築する。
また、一般向けに社労士制度をアピールする広報ツールの開発を企画・検討する。
(5)
「社労士会労働紛争解決センター東京」
「総合労働相談所」
「社労士 110 番」
「年金相談センター」など無料相談窓口、
「街角の年金相談センタ
ー(オフィス)
」や「一般社団法人社労士成年後見センター東京」を国民、企業、行政機関等に積極的に広報する。また、
「10 士業よろず相談
会」など他士業との協力関係の維持・継続を図り、国民の負託に応えていく。
(6)国民・企業の利便性向上を図り、社労士の活動をアピールするため、関係行政と連携・調整を図りつつ、労働・年金問題等社会保障に関す
る無料相談会等を実施する。
また、本会の活動を広く社会に知らしめる発信ルートの開発という観点から、自治体広報紙の活用や地域事業主団体への広報について各統
括支部・支部の協力を得て展開していく。
(7)文化活動事業・スポーツ振興事業、特に東京パラリンピックに向けた障がい者スポーツの振興やがん患者の就労支援等への本会の取組みを
含め、参加協力・支援等の具体的な方策について検討し、新たな広報活動を展開する。
(8)来る法制定 50 周年に向けて、準備委員会を中心に「社会保険労務士」を改めて広く国民に認知される士業としてアピールするとともに、記
念事業の準備として過去の周年記念事業をもとに 50 周年記念事業の概要の検討を行う。
6. 行政及び関係団体との連携に関する事業
(1)東京労働局、関東信越厚生局、東京都等の関係行政機関並びに日本年金機構、全国健康保険協会東京支部等との緊密な協力関係を構築する。
特に東京労働局、日本年金機構、東京都産業労働局とは、随時又は定期的に連絡会議等を持ち、協力関係を強化する。
昨年度に引き続き、東京労働局の後援のもと、
「労働保険年度更新事務説明会及び相談会」を実施する。年度更新業務等社労士として行政
に協力するとともに労働・社会保障に関する各種無料相談会を実施する。
(2)関係他士業や各種業界団体、経済団体、労働団体等とのさらなる関係強化を図るとともに、社労士制度のPRを推進する。
(3)政治連盟と連携を密にして、労働条件審査業務や学校教育の推進等社労士制度の発展のため各種事業に取り組むとともに、第 9 次社労士法
改正に向けての検討を進める。
(4)東京社会保険労務士協同組合、東京SR経営労務センター及び一般社団法人社労士成年後見センター東京との連携を密にし、相互に事業協
力体制を強化する。
(5) 国土交通省関東地方整備局が主催する「関東地方社会保険未加入対策推進協議会」に引き続き参画し、連合会とも連携して建設業に係る下
請企業の社会保険加入促進を支援する。
(6) 年金事務所における年金特別アドバイザーのスキルアップ研修、街角の年金相談センターにおけるフォローアップ研修、新規相談員養成研
修とも連携して効率化を図る。
(7)東京都が実施している「中小企業ワークライフバランス推進専門家派遣事業」に引き続き協力し、ワークライフバランスの普及促進を図る。
7.社労士制度基盤整備等に関する事業
(1)「社労士制度推進に関する事業」
「社会貢献に関する事業」「組織強化及び会員支援に関する事業」等本会が法制定 50 周年に向けて推進する
諸事業を有機的・戦略的に推進するために引き続き組織・体制、インフラ等の環境整備を行う。
特に、IT社会に対応したペーパーレス会議、モバイル・インターネット環境や統括支部・支部・会員支援のための情報連携・ファイル交
換システム・セキュリティ等のインフラ基盤整備を図る。さらに、社会貢献事業の拠点としての、ADRセンター・相談業務・セミナー・研
修・広報等に係る中枢機能強化のための体制整備を図る。
(2)社労士の主な関与先である中小企業を総合的に支援するために次の事業を推進する。
①
平成 27 年 12 月から義務化されたストレスチェックの中小企業への導入を支援(就業規則の整備、実施計画の策定など)する。
②
マイナンバー制度への会員の的確な対応を支援するため、HP等によるスピーディな情報提供、研修会などを開催するとともに、同制度
を中小企業が正しく運用できるよう各種セミナーの開催等を検討する。
③
中小企業の生産性の向上、従業員の創造性の向上、企業イメージの向上及びワークライフバランスの実現に向けた労働環境の改善・向上
等の効果があるとされる「健康経営」の普及促進を図るための方策を検討する。
そのため、ワークショップの開催及びファシリテーターの育成研修等具体的方策を検討するとともに、全国健康保険協会東京支部の「健
康企業宣言事業」及び東京商工会議所の「健康経営アドバイザー事業」に積極的に協力する。
④
地方公共団体に対して実施している労働条件審査のノウハウを基に、社労士が民間企業に対して労働条件審査を実施できるよう検討を行
う。