第7 章 L Pガスの 安 定供 給 日本のLPガス需給 であった薪、炭、練炭に代わって、取り扱いが便利でハ ●LPガスの需給推移 イカロリーなエネルギーとして急 速に普及しました。 日本国内で燃料として最初にLPガスが使用されたの その後、家庭業務用を中心に産業 用や自動車用(タク は、1929年(昭和4年)、有名なツェッペリン伯号の飛 シーの燃料)で需要が増大し、オイルショックによる一 行船が飛来した時と記録されています。この時は、プロ 時的な低迷はあったものの、1996年(平成8年)には ペラ推進エンジン用の燃料としてLPガスが使用されて ピークとなる1,970万トンを記録しました。しかし、そ いました。 れ以降は日本経済の低迷により産業用部門を中心に需 家庭用燃料としてLPガスが使われ始めたのは1953 要が減 少し、現在の需要は約1,550万トン(2013年 年(昭和28年)ごろからで、当時の家庭 用燃料の主流 度)となっています。 飛行船「ツェッペリン伯号」 昔のタクシー (写真提供:毎日新聞社) (写真提供:毎日新聞社) ■日本のLPガス需要の推移 需 要 量( 千トン) 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 その他 化学原料用 自動車用 一般工業用 家庭業務用 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 事業年度 (西暦) (出所:日本LPガス協会) 56 第1章 第2章 ●LPガスの用途別需要 現在日本国内においてLPガスは、家庭業務用、自動 ■日本のLPガス用途別構成比率(2013年度) 車用、工 業 用、化 学原 料用、都 市ガス用や電 力用とし 4.6%(2012年実績)を占めています。最も多いのは 家庭業務用で42.7%、次が工業 用で20.1%、その次 が化学原料用で19.0%となっています。使われ方とし ては、自動車用はタクシーの燃料、化学原料用はエチレ 自動車用 6.6% (1,030) 電力用 4.2% (653) 大口鉄鋼用 0.4% (65) 第3章 て幅広く使われており、国内最 終消費エネルギーの約 都市ガス用 7.0% (1,093) ンやプロピレン等化学製品の原料、都市ガス用は都市 燃料となっています。 第4章 家庭業務用 化学原料用 (単位:千トン) 42.7% (6,631) 19.0% (2,947) ガスの熱量調整用、電 力用は電 力会社のバックアップ 一般工業用 20.1% (3,119) 第5章 (出典:日本LPガス協会) ●日本のLPガス供給 第6章 LPガスが普及し始めた当初、その供給は国内の製油 ■国別LPガス輸入構成比(2013年度) 所における生産品が中心となっていました。そのため、 当時のLPガスは他の石油製品の副産物という位置付 けになっており、その供 給量は季節や製 油所の稼 働状 況によって非常に不安定となっていました。 オーストラリア 4.7% の増加に対し、生 産品だけでは対応が困難になってき アメリカ 10.2% たことを受け、海外からのLPガスの輸入が始まりまし た。そ の 後 需 要 の 増 加に合 わせて 輸 入 量も 年々 拡 大 し、直近では国内で消費されるLPガスの約80%が輸 輸入 元を国別で見ると、カタールやサウジアラビア など中東 諸国が 76%を占めていますが、最 近では、 シェールガス開発によるアメリカからの輸入量が増加し 中東その他 0.2% カタール 27.4% クウェート 11.2% サウジ アラビア 12.2% UAE 25.5% 第8章 入品となっています。 その他 4.3% 第7章 1961年(昭 和36 年)12月、急 速に進 展する需 要 東ティモール 4.3% (出典:日本LPガス協会) ており、今後その比率はさらに増えるものと見込まれて います。 資料編 57
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