市場活性化事業アドバイザーと若手買参人との意見交換会

市場活性化事業アドバイザーと若手買参人との意見交換会
◇日 時:平成 23 年 10 月 12 日(水)午後 8 時~10 時 30 分
◇場
所:大阪鶴見フラワーセンター2階卸売会社会議室
◇主
催:若手買参人勉強会、㈱大阪鶴見フラワーセンター
◇アドバイザー:岐阜大学応用生物科学部
福井博一教授
〔司会者〕
これから 10 月の勉強会を始めさせてもらいたいとただきたいと思います。
本日は、岐阜大学応用生物科学部の福井先生に来ていただいております。
先生よろしくお願いします。
~お花屋さんにとって大切なお話~
どうも皆さんこんばんは。
毎月このように勉強されているってすごいなと思って、うちの学生にも少し爪の垢を煎じて
飲ませてやりたいなと思いました。
今日は、買参人の方たちが主だということで、どんなお話がいいかなと思っていろいろ準備
をさせていただき、『お花屋さんにとって大切なお話』というタイトルで話をさせていただこ
うと思っています。
“海外からの輸入切り花が急増している!”
いきなりですけれども、今も海外からの輸入の切り花がすごく増えているのはもう実感され
ておられると思います。先程もこちらへ来るときに「なにわ花いちば」の方とお話をしていて
「一番今出荷の多い地域はどこですか?」という話になって。
「輸入です。海外です。」という
話でした。私が心配しているのは、例えばこんなことを思う花屋さんはおられませんか。「輸
入の切り花は値段が安定していて取り扱うのが便利だよね。」とか「国産はロットが揃わない
からね。なかなか使いにくいんだよ。」とか。あるいは「同じ品種であっても生産者によって
品質がばらばらでなかなか使いにくいんだ。」とか。
「でも言うほど輸入の切り花は品質悪くな
いよね。」というふうに思われている生花店が徐々に増えているんじゃないかなというふうに
思っています。
これからしばらくお話をするのは、輸入の切り花というのは花屋さんにとって有利な商材な
のかどうかということを考えていただこうと思っていろいろな資料をつくってきました。
資料はすごく厚いんですけれども、私のこの3年ぐらいの研究の成果も後ろのほうに載せて
あります。私がこれからお話しするのは、例えば私はバラを研究しているので国産のバラの魅
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了をもう一度考えてみませんかということを話ししたいと思っています。
これが実は日本の花の生産量の推移とアメリカの花の生産量の推移を両方対峙させたもの
です。一番下にあるのがこれはキクです。その上にカーネーション、バラ、そしてその他の切
り花という状態です。
確かに 1996 年 1998 年ぐらいから切り花の生産量が年々減っているというのが分かると思い
ます。それともう一つ特徴的なのが、切り花が8割も、1990 年代は切り花が9割ですね。鉢
物とか花壇苗については、すごく日本の場合は量が少ないというのが特徴的です。
それに対してアメリカを見ていただきますと、1991 年からのデータなんですが、このピン
ク色で示したのが切り花です。国産の切り花です。もうどんどん減少して国産の切り花はもう
ほぼ壊滅状態。その代わりに鉢物も増えていますし、花壇苗がすごく増加しているというのが
見て取れると思います。
このデータは 1991 年からです。それ以前のデータは、これはちょっとあえて出さなかった
んですが 1970 年代はちょうどここら辺です。アメリカちょうどこういうバランスになってい
てそれから三十数年間の後切り花はこうなっているという状況です。今現在は、アメリカは切
り花供給を海外にほぼ 100%に近い状態で依存をしています。
その結果どういうことが起きたのか。アメリカでどういうことが起きたのかということを見
ていただいて、日本の花産業がどうあるべきかということを考えていただければと思ってお話
をします。
“アメリカは、切り花供給を海外に依存した!”
これはアメリカのキク生産量の推移です。1970 年代は日本とほぼ同じようにすごくたくさ
んの切り花がつくられていましたが、一気に 20 年間の間に激減をして、今ほぼキクは生産さ
れていないという状況になっています。
同じように、カーネーションはもう0にへばりついちゃいましたね。アメリカでは、カーネ
ーションは国内では一切つくられていない状況です。切り花は深刻です。流通はしているんで
すけれども。ということはほぼ 100%輸入という状況です。
私はバラの生産の専門ですから、バラのデータはすごく詳しく持っていますので、バラにつ
いてもう少し詳しく見ていただくと、国産の割合は、1978 年のころはほぼ 100%でした。2010
年とうとう3%を切っています。1980 年代はそれなりに頑張っていた。この水色が国産です
けれども赤色がコロンビアです。コロンビアは、1980 年代からじわじわと増えて 1990 年代に
全流通量の輸入が 40%を越えるようになりました。以前どこかでお話ししたもしれませんが、
産業界で海外に 40%以上を依存した産業は国内産業は崩壊するというそういう法則があるん
だそうです。経済のことだからお互いに。
まさにアメリカは、40%を越えた時点で一気に崩壊して、今アメリカ国内でバラをつくって
いる生産者はほとんどいません。ところが不思議な現象なんです。何かというと国内の生産量
はどんどん崩壊していったにも関わらず、この一番上の数値がアメリカのバラの総流通量です。
国内の生産は崩壊したにも関わらず、国内のバラの流通量は増えているんですね。すなわち、
アメリカ国民は国内の国産のバラというのは無くなってしまったにも関わらず、バラ大好きな
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んですね。輸入のバラをどんどんどんどん買って飾ってくれている。そういう状況がアメリカ
で今起きている真っ最中ですね。まだまだ海外からのバラの輸入コロンビア・エクアドルから
の輸入がすごく大量に増えているという状況を表しています。
“切り花供給を海外に依存した結果、アメリカでは何が起きたか?”
切り花供給を海外に依存した結果、アメリカでどんなことが起きたのかというのを簡単に紹
介しようと思います。どんなことが起きたか。これがアメリカで今流通している切り花の種類
と割合です。この 46%を占めているのはバラです。バラが全流通量の 46%を占めています。
19%はカーネーションです。1%がキク類。ここでバラ、カーネーション、キク、この3品目
だけで何とアメリカの切り花流通量の 80%を占めているんですね。それに加えてチューリッ
プ、ガーベラ、ユリの3品目を加えると全切り花流通量の 90%ですよ。
要するにバラ、カーネーション、キク、チューリップ、ガーベラ、ユリで 90%。それ以外
はたった 10%しかないんですよ。いかにアメリカのマーケットでは花の種類が少なくなって
いるかというのは理解していただけますよね。アメリカの国民は、切り花供給を海外に依存し
た結果、欲しい花を飾れないということです。ソリダゴなんて特殊な切花は無いんです。まし
てや、ススキとかワレモコウとかそんなもの全然売ってないんですから。それ以外は 10%で
す。
東京の銀座の鈴木フローリストの鈴木さんがよく言われることですが、「アメリカのフラワ
ーアレンジメントなんてカスだ。見るに堪えん。」いつも言っておられます。それは仕方がな
いんですよ。花の種類がないんですから。誰かがアレンジを作ろうと、キク、バラ、カーネー
ション、チューリップ、ガーベラ、ユリしかないんですもん。いろいろなアレンジを、例えば
グロリオ。「こんな曲線を見せたい」と思いながらも、そういう商材がマーケットに無いんで
す。したがってアメリカの切り花アレンジメントは、もう文化でも何でもありません。芸術な
んてそんな域にはとてもとても行けない状態です。
アメリカでは、バラ、キク、カーネーションで 80%、更にチューリップ、ガーベラ、ユリ
の6品目を加えると9割です。切り花の販売は、スーパーマーケットが主体です。生花店なん
てほとんどありません。花束加工業という業態がアメリカでは極めて大きな力を持っています。
もう一つ、輸出をしてくる国は、コロンビア・エクアドルです。ここは熱帯高地と言われる
ところで、年中最高気温が 25 度、最低気温が 12 度。それが 365 日続いていますから季節感な
んて無いんですね。そういうところで、季節感が無いところで作られる花というのは周年生産
で、季節感なんて関係無い花しか作ってもらえません。アメリカ国民は、切り花で季節感を味
わいたいと思っても、そういうものがマーケットには無いんですよ。秋だからといってアメリ
カ人は季節感が無いのかというとそんなこと無いですよ。秋になったら秋を感じたいと思うん
だけれども、ほとんどの切り花が季節の関係ないエクアドル・コロンビアで生産されて、そう
いう季節感のないキク、バラ、カーネーションしか輸出されていないと。それが8割を占めて
いる状況で「季節感を切り花で味わいたい」といくら言っても、そんなものが味わえる土俵が
ないんですよ。日本もアメリカのように切り花を海外依存していいんだろうか?というふうに
私はすごく感じているんです。
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そうは言いながら、日本の状況を見ると 1980 年代の後半に第1次輸入増加期になりました。
デンファレとかレザーファンとか言われる熱帯の切り花が一気に増えた時期があります。その
後 2000 年あたりから第2次輸入増加期が始まって、いまだにこれは収束していません。年々
増えている状況です。これは何かというと、正にキク、カーネーション、バラがこの第2次輸
入増加期を担っています。
“カーネーションの場合”
実際にどんな状況か見てみましょうか。これがカーネーションです。コロンビアからどんど
んどんどん輸出されています。ベトナムはまだ少ないですが、これから私はベトナムがすごく
怖い輸出国になってくるだろうと思っています。中国は今第2位ですけれども、もう怖くない
です。何故かというと、中国はもう今国内需要の方がすごく旺盛で輸出する余裕なんてもうな
いんです。中国はおそらくこの後どんどんどんどん減っていきます。それを受けてベトナムが
増えていってコロンビアとベトナムの二大輸出国の時代が来ると思います。
その影響を受けて、これが国内と輸入の割合を示したものですけれども、もう 1995 年から
国産が下の水色ですけれども右肩下がりというんですかね。それを補てんするように輸入が増
えています。
カーネーション自体の総消費量としては、2002 年ぐらいからむしろ増えてきているんです
ね。増えてきているんだけれども国産はどんどん減っているという状態。とうとう 2010 年、
昨年は 46.2%の輸入割合になりました。思い起こしてください。40%の法則と言いましたね。
40%を超える依存率を示した産業は崩壊していくという法則。何とかこの法則が崩れてほしい
なと私は思っているんですけれども、どうも歯止めが利かないんです。どうも今年は 50%を
超えそうだという話をちらちら伺っています。アメリカのバラの崩壊のような一歩手前に来て
いるのかなという気もせんでもないわけです。
“キクの場合”
キクの切り花の輸入国の推移を見ると、同じようにマレーシアがもう全然まだ止まらないで
すね。どんどんまだ伸びている。中国はちょっと頭打ちになってきました。これは輪ギクなん
ですけれども、もう多分中国からの輪ギクの輸出は一段落してくるだろうと思います。何が怖
いと言ってベトナムです。ベトナムは 2003 年ごろから急速に輸出量日本をターゲットにした
輸出攻勢をかけ始めてきています。これを受けてマレーシアとベトナムから輸出されてくるの
は、これはスプレーギクです。中国が輪ギクです。スプレーギクはどんな状況か。こういう状
況なんです。
日本の国内生産は、もう 2005 年あたりから横ばいちょっと下がり気味かなという状況です
が、輸入は止まるところを知りません。昨年の実績でとうとう 43.6%に達しています。カー
ネーション、スプレーギクはとうとう4割の法則を超えてしまったというふうに言っていい状
況かと思います。
「輪ギクはどうなんだ?」と言われると、実は輪ギクそんなに輸入の割合が多くないんです
ね。たかだか 5.2%です。むしろ輪ギクが怖いのは、総消費量が着実に毎年下がっていること
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です。これを何とかしないことには、すごく怖いことが起きてくるのかなというふうに思って
います。
“バラの場合”
じゃ~私の専門のバラは、1位がインドです。ところがインドは最近下がっているんですね。
何故かと言うと、インドというのはどういう位置にあるかというと日本とヨーロッパのちょう
ど中間にあります。インドは日本をターゲットにしているわけじゃないんですね。ロシアが急
速に伸びているので、実はこの下がった分だけロシアに転送されている。ですからおそらくイ
ンドはこれ以上増えることはないだろう。ロシアが元気である限りは増えることはない。むし
ろ私が怖いと思っているのは緑色で示したケニアとエチオピアです。これはもうおそらくどん
どん増えていくというふうに予想しています。
こういう影響を受けて、当然国産もかなり厳しい状況というふうに言われているんですけれ
ども、実際にはカーネーションとかスプレーギクのような状態にはなっていません。まだ
21.7%です。昨年実績で。むしろバラが怖いのは総消費量が落ちていっているということです
ね。これは輪ギクと同じようなパターンです。バラってそんなに人気がないのかな?って私は
思うんですけれども、現実に国内の生産量も落ちているし。カーネーションは国内生産が落ち
たらそれを補うように増えていったんですけれども、増えていないんですね。バラの総消費量
が落ち込んでいる。
ここで日本でも同じように輸出してくる国というのは、ケニア・エチオピア・マレーシア・
インドというように熱帯の高地です。熱帯の高地というのは、先ほど言ったように年中同じ気
候ですね。25 度 28 度で最低気温が 10 度前後という国で作っている。そういう気候にぴった
り合うのが、キク、バラ、カーネーションだということになります。
“同じ品種、同じ規格の生産では勝負にならない!”
「輸入の花はロットが揃うし、欲しいと言えば 3,000 本でも 5,000 本でも同じ品種がいくら
でも集まってくるから便利だよね。」って買参人の方はよく言われます。それはそのとおりだ
と思います。どうしてかというと、これは私がケニアに行って日本に戻ってきて「いや~すご
いよ!ケニアのバラの生産農場、オセリアンに 350 ヘクタールもあったんだよ。日本のバラ総
面積が 550 ヘクタールだからね。」って言っても、学生達が「よくわからないんです。」と言う
もんだから Google Earth でダウンロードさせました。Google Earth で見えるんですね。こう
いうふうに。
「すごいだろう~。Google Earth で見えるんだから。」と言ったら「よくわから
ないですよね~」と言うもんだから、しょうがないので、じゃ~ディズニーランドとディズニ
ーシーを同じ縮尺にしました。これがディズニーランドとディズニーシーの Google Earth の
写真です。こうやって見るとディズニーランドが幾つ分あるんですかね。四つか五つ分。ディ
ズニーランドとディズニーシーって歩いたらとんでもなく疲れますよ。それが四つか五つ分が
1社の生産農場です。
いや~うちの学生って意外とディズニーランドに行っていなくて「よくわかんない」と言う
ので、もう否が応でもやったのが、岐阜大学 65 ヘクタールもあるんですけど、これを見たと
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き「大きいね~!」って初めて言う。岐阜大学こんだけですから、ここでいうここにいるのが
岐阜大学の一つ分。岐阜大学 15 個か 20 個分になるという話ですので、いやとんでもないね。
このケニアもエクアドルもエチオピアもインドも全部行ってきましたけれども、共通してい
ることは、とにかく外貨を獲得するための国策として切り花を生産している。もう当然優先的
にインフラ整備がされています。もうこの農場の出荷用に高速道路のような道路がパーンと直
付けです。貨物空港が整備され、年間一定した気温で当然ちょうど今ぐらいの時期の気候と言
っていいですかね。それが 365 日続くわけですからもう無暖房です。
当然のことながら、台風というのは赤道の上と下で発生して両側に行きます。赤道直下とい
うのは台風が無いです。ですから強風がないので軽装備。どれぐらい軽装備かというと木造の
ハウスがあります。木造のハウスにこうやって柱に向かってもたれかかったらハウス全体がゆ
さっと揺れるんですよ。これ壊れるんじゃないのかっていうぐらい、いいかげん。土台もまと
もにない。当然設備費はほとんどかかりません。人件費はむちゃくちゃ安いです。ケニアは高
い高いと言われているんだけど1日1~2ドルです。今1ドルが 76 円、高くても 150 円で1
日働いてくれるんですよ。エチオピアまで行くと 0.5 ドルですから 40 円。40 円払ったら女性
が1日働いてくれるんです。日本の最低賃金が 750 円とか言っていますよね。750 円あったら
何日働いてくれるんですかね?17 日?750 円で 1 ヶ月働いてくれるようなものですよ。そうい
うところと、まともにコスト計算をして張り合うなんていうことは無理です。
私がケニア・エチオピア・エクアドル・コロンビアをずっと回って出た結論は、同じ品種同
じ規格の生産をするんだったら止めた方がいい。これは結論です。その結果アメリカは切り花
が壊滅したわけです。
日本はまだそこまでは行っていないです。でも、この二つを見比べてこんなことしてみまし
た。日本の将来です。日本がアメリカのようにならないという保証はどこにも無いんですよ。
こうなったときに、果たして日本の花というのはどういう位置付けになるのか?産業としてど
ういうことになるのか?ということをやはり十分皆さんが考えていただかないといけないこ
とになるんじゃないかなと思っています。
“日本とアメリカの切花流通の相違”
ただ、アメリカと日本は今現状はかなり違います。アメリカはコロンビアからの輸入が第1
位です。コロンビアの輸出相手国第1位がアメリカですので、コロンビアはアメリカのために
アメリカに切り花を輸出するために仕掛けてきます。第2位はエクアドルです。エクアドルも
アメリカが輸出国第1位ですので、同じようにアメリカをターゲットに絞って切り花を生産し
て輸出している。
それからもう一つは、アメリカは切り花産業を放棄しました。切り花産業は産業としてアメ
リカの国内に無くてもいいという国策をあえて取りました。それは何故かというと、エクアド
ル・コロンビアがコカインの密輸国だったんですね。ですからコカを他の物にするために花を
作れと。花を作ったらそれは関税ゼロで輸入してやるよと。ということは、もう完全に花生産
を国策としてアメリカは放棄したんですね。
これには裏話もあって、じゃ~1970 年代アメリカで切り花を作っていた生産者というのは
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誰でしょうか?これは実は日系人でした。ヨーロッパ系のアメリカ人じゃないです。日系人が
アメリカで切り花を生産していた。それだったら崩壊しても構わないんじゃないかという国策
をあえて取ったからアメリカはそうなっているという見方もあります。もう一つはマイアミ。
フロリダ州のマイアミが、コロンビア・エクアドルからの輸入中継基地として機能しています。
こういうことまでそろえてきて、アメリカは完全にコロンビア・エクアドルに切り花を委ね
国内の切り花生産業は完全に崩壊したというそういう歴史的なストーリーがあります。
じゃ~日本はどうなのか?というと、輸入の第1位はインドです。ところがインドの輸出マ
ーケットはどこかというと、EU・ロシア・日本であって、日本が目的国ではない。インドは
日本のためにバラを生産・輸出している訳では無いので、コロンビアとは違う。エクアドルと
は違う。
カーネーションも日本の第1位はコロンビアです。ところが、コロンビアの輸出マーケット
の第1位は USA アメリカです。日本をターゲットにしてコロンビアはカーネーションを作って
いるわけではないんです。アメリカに輸出して日本にも輸出しようというスタンスです。
スプレーマムは、これはちょっと違って日本が輸出の第1位ですので、これはちょっと脅威
かなと思っています。輪ギクに関しては、もう全然問題はないと思っています。中国は、国内
消費が増加しているので輸出の量が減退するだろうと。そう考えるとアメリカは、エクアド
ル・コロンビアはアメリカへの輸出を国策として進めていた。じゃ~日本への輸出国はそうで
はないんだということを考えると、果たして日本の切り花生産業はこのまま崩壊するのかどう
か。もっと端的に言うと、日本のために切り花を生産しているわけではない国のおかげで、日
本の産業が崩壊していいのか?ということを私自身はすごく考えます。
もう一つ。買参人の皆さん方にぜひ考えていただきたい。アメリカでは 80%がバラ、カー
ネーション、キクです。販売はスーパーマーケットが主体です。じゃあ~日本はどうかという
と、バラ、カーネーション、キクでまだ 53%ですね。残りの 47%は、実はキク、カーネーシ
ョン、バラ以外です。ですからこの「なにわ花いちば」でもそうだと思いますけれども、いろ
いろな種類があって日本の消費者は季節感を切り花で味わうことが出来る。
それからもう一つは、いろいろな花屋さんが腕を競ってアレンジメントをするという技術を
示すことが出来るんです。アメリカではもう、キク、バラ、カーネーションあと3品目入れる
と 90%になっちゃいますから腕の見せどころなんて無いんですよ。誰が作ったアレンジもみ
んな同じになっちゃう。
47%が三大品目以外だというところに日本というのは特徴があるんだと。アメリカは、スー
パーがほとんどの販売先だということに対して、日本は生花店の販売金額は 65%をまだ占め
ているんです。スーパーは多い多いと言ってもまだ 12%です。日本の今の現状は、
「抱負な花
の種類を消費者にまだまだ提供出来る」という状況にあること。「季節感を重要視した消費者
の意向を大切にしてあげられること」という特徴が今日本にはあるんだけれども、先程のこう
なっちゃうとアメリカになっちゃいますよ。
もう一つ。アメリカの現在の切り花流通の現状。コロンビア・エクアドルから輸入商社が花
を輸入して花束加工業者がそれを加工してスーパーで販売するというのがアメリカの流通の
現状です。
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1990 年以前まだ輸入が活発でなかったときは、日本の国内の切り花生産者は、市場に出荷
して→仲卸→生花店という流通がしっかりルートとして確立されていました。ところが 2000
年以降輸入が増えてきて、輸入商社→花束加工業→スーパーというルートが出てきて、輸入商
社が花束加工業者から溢れたものを生花市場に廻していくというのが今の現状ですね。
皆さん方は、
「いや市場はすごい。海外からの輸入の花が多くなっているよね。
」って言われ
るかもしれませんが、市場で流通している海外の輸入切り花というのはカスなんですよ。輸入
商社というのは当然買い取りですね。契約で輸入します。1本いくらで輸入をしてそれを花束
加工業者にいくらで買うかという交渉をして、それが成立をしたときに輸入をしてきているん
ですね。
ところが花束加工業者とちょっとトラブルがあってオーバーフローした部分が今市場に出
てきているわけです。というのは輸入商社というのは花市場なんかへ出荷したらいくらで売ら
れるかわからないわけですよ。下手したら赤字になっちゃう。基本的に輸入業者は、花き市場
の流通に流すために輸入してる訳じゃないんですね。それにも関わらず、小さな細い線で書き
ましたけどそれにも関わらず結構な量がここで流れているという、この怖い雰囲気をもう少し
実感していただきたいです。
これがもっともっと厳しくなるとどうなるか?こんなんですよ。市場なんて要らない。花屋
なんて要らない。アメリカはもうそうなっているわけですよ。皆さんが「輸入の花いいよね。
いいよね。国産よりいいよね。」って本当に言い続けて国産がつぶれてしまったときに、実は
一番困るのは市場と花屋さんじゃないんですか。
国内の生産者もつぶれるかもしれない。国内の生産者は潰れても花屋は残るなんてことはな
いです。というのは、輸入が主体になったときに、商社は皆さんのような花屋さんをターゲッ
トにしないからです。例えば、イオンと契約すれば毎週何百万本という流通が確保できるわけ
ですから、それを小口の花屋さんにそれを分荷するなんてことはしないです。輸入商社は、当
然分荷能力を持っています。空港に分荷センターを持っています。花束加工業者もそういう能
力を持っています。果たしてアメリカのように輸入の切り花が 90%以上を超えてしまったと
きに市場は要るんですか?その証拠にアメリカには花市場というのはありません。花屋さんも
ほとんどありません。
もう少しそういうことをやはり考えていただきたい。輸入の切り花は、実は今、現状皆さん
にとってすごく便利な商材のように一見思えるんですけど、それが実は自分の足元を崩すこと
につながりかねないということも認識していただきたい。
今は花屋さんが主体です。53%しか主要な三大切り花はなくて、後はいろんな品目がある。
だからこそ花屋さんは、元気にフラワーアレンジメントを加工出来る訳ですよ。アメリカは、
バラ、カーネーション、キクで 80%、後3品目を入れると9割ですから、アレンジメントな
んて存在しないような国で花屋さんが活躍できるはずないんです。したがってスーパーが主体
になる。季節感のない切り花装飾というのがアメリカになってしまっているんですけれども、
本当に皆さん、日本もそうなっていいと思っておられるんですか。もう少しそういうことをや
はり真剣に考えないと。4割の法則にカーネーションとスプレーギクは達してしまっているん
ですよ。このままカーネーションとスプレーギクが国内から消えると、着実にアメリカに近づ
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いています。ということをやはり実感認識していただきたいなと。皆さんは「いや。俺そんな
ことまでいってねえよ。」と思うかもしれませんが、実際にはヒタヒタと皆さんの背中を押し
ているんだという現実も理解していただきたいと思っています。
“なぜ、ユリは輸入が少ない?”
実はいろいろ統計をとって面白いことに気が付きました。キク、バラ、カーネーションです。
どんどん増えている。ところがユリ。輸入がほとんど増えないんですね。ほとんど無いと言っ
た方がいい。「何でユリは輸入が少ないんだろう?」というのをちょっと思い起こしてみまし
た。ふとこんなことに気が付きました。
これはケニアの写真です。この箱、本当は四角なんですよ。四角い箱なんですけども、バラ
を目いっぱい詰めて膨らんだ状態にして、それに蓋をがばっとして足でこうやって挟みながら
テープ巻いて四角にする。当然この中のバラはどういう状態になっているか?こんなんなって
バラ同士がこんなになっています。こんな状態でユリって梱包したらどうなります?だからユ
リは空輸が出来ないんです。
空輸というのは、基本的に容積と重量の最大値に従いますから、ユリのように、例えばスカ
スカに傷ついたりとか折れたりするのでスカスカにというか、もうこれは容積の金額になって
とんでもない航空運賃が必要になる。
バラが何故、キクが何故、カーネーションが何故国際流通出来るのかというと、ギッシギし
に詰めても問題が無いからです。水揚げがすぐ出来ます。それに対してユリは、国際流通でき
ない。同じようにガーベラもそうです。ガーベラ、ユリというのは、箱にぎっしり詰め込んで
輸送出来ないので、国際流通商品にはならない。だからユリは全然増えないんだということに
気が付いたわけですね。
バラはつぼみの状態で出荷するから、到着してから少し開き気味にして販売しますよね。だ
から別に大丈夫。痛まないし。カーネーションもそうですね。つぼみの状態で輸入される。キ
クなんかもっとひどいですよね。
“国際流通できない切花を育種する”
じゃ~って、今私が考えているのは、じゃ~国際流通出来ない切り花というのをもっともっ
と育種するべきじゃないかというので、10 年前からバラらしくないバラというのをずっと生
産者と語り合ってようやくこういうものが出てきました。もうこういうものは、つぼみの状態
で採花、切り花してしまうと開かないんですね。開いた状態でないと流通できない。まさにケ
ニアでは作れないです。
例えば、実はこのバラなんですけれども、イングリッシュローズです。日本にもデビッドオ
ースチン社ジャパンというのが出来ていて、日本でイングリッシュローズの切り花が始まって
います。デビッドオースチンが、実はケニアでもイングリッシュローズを大量に生産させてい
ます。日本にそれを輸入しようと。切り花で輸入しようというのをデビッドオースチン社が仕
掛けました。去年です。
どんなことが起きたか?当然つぼみでは切り花ができないので、開き加減のところで収穫し
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てそれで空輸してきます。愛知県の三輪さんという方がイングリッシュローズをずっと作って
おられて、デビッドオースチンといろいろ交渉されて「いや~ケニアの輸入のイングリッシュ
ローズは、絶対日本では売れない。
」
「いやそんなことない。ケニアはすごくいいイングリッシ
ュローズが作れるから、高品質のものが作れるから大丈夫だ。」と言って輸入さしたんです。
三輪さんは見て「だめだよ~傷ついているし、シミ付いているし、ボトとかついているし、
こんなの売り物にならへん。ごみだ!」と言ったら、デビッドオースチンの社長は何と言った
かというと「何を言っているんだ!」と「こんな高品質なイングリッシュローズはないだろ
~!」って。海外で言っている高品質というのは大きいということだけど。大きければ高品質。
「でも傷が付いているし、シミ付いているだろう」「いや、そんなことヨーロッパでは誰も言
わないよ」と言った時に三輪さん「ガクっとした」って言ってました。「あ~価値観こいつら
と違うんだ。こういうことなら絶対大丈夫!」って思ったんだそうです。
ということは、ここに示したバラはすべて輸入されない品種という。先程のお話で、ケニア
のいろいろなところを回って、同じ品種・同じ切り花を生産したら日本では勝てないというふ
うに言いましたけども、これは勝てます。同じようなものが実は最近この3~4年、実はキク
の研究もし始めて成功例でいろいろな育種のプロジェクトも立ち上げ始めました。キクってこ
んなキクあるんですね。これはネオ輪ギクという種類の品種です。これも開いた状態でないと
採花しないといけない。
これはフルブルームマムという通称言われるキク、輪ギクです。ここまで来ると、うちの学
生「これ菊なんですか?ダリアじゃないんですか?」と言ったですね。実際に昨年の9月に私
の姪が神戸で結婚式を挙げました。結婚式の最後のファイナルイベントで、御両親に花束贈呈
って泣かせるプロジェクトがありますよね。うちの姉に姪が贈った花束の中に、実は菊が入っ
ていたんですね。フルブルームマムです。まさにダリア咲きの菊が入っていて「あ~世の中変
わったんだな~」と思いました。それは、一昔前、結婚式でキクを使ったら「ばかやろう~!」
って叱られませんでした?「あ~菊ようやくそういうフルブルームマムが認識されてきたんだ。
これは面白い話だな。」と思いました。
キクというのは今輪ギクはどんどん下がっているというデータをお見せしましたけれども、
むしろ新しい世代のキクは見せる可能性があるんじゃないかと。バラもそういう見せる可能性
があるんじゃないかと思っています。
ここで示したのはもう古典ギクです。こういう古典ギクというのも新しい世界がつくれるし、
それは正に、「輸入出来ない、国産しか出来ない世界を示すことが出来るんじゃないかな」と
いうふうに私は思っています。
“こういう切り花は・・・”
「どうですかね~こういうバラ。」「どうですかね~こういうキク。」と言うと、実は大田の
市場に渥美の生産者がキクの生産者がフルブルームマムを出荷してフルブルームマムのフェ
アというのを開いたんですね。展示をしたんです。そうしたら何て買参人の人が言ったか。
「こ
んなに開いちゃうと灰カビに弱いんだよねぇ」って言った人がまず一番。「水あげが難しそう
だねぇ?」とか「いや、フルブルームマムっていいと思うけど、使い方どうしたらいいんだろ
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うねぇ?この使い方。」
「いや、フルブルームマムもいいけどさ。普通の輪ギクだったら、量で
ザーと流せるけど、こういう特殊な需要の切り花だから取り扱いが・・・」とか、あるいは「1
ケース買っても売り切るのが難しいんじゃないの?」と言われたのを聞いて、すごくがっかり
しましたし「あなた達は、本当に花屋さんですか!」って少々腹が立ちました。
「水あげが難しんだよねぇ」って、「水あげする技術を持っているのはあなた達じゃないん
ですか!」と。「灰カビに弱いんだけど・・。それをクリアする技術を持っているのはあなた
達じゃないんですか」。
「使い方が難しい。それを開発しなかったらあなた達の花屋さんとして
の腕はどこに行ったんだ」。
「特殊な需要だから。じゃ~あなた達はスーパーと競争するのか?
葬儀屋さんと競争するんですか?」。これからどんどんどんどん輸入が増えてきますよ。止め
ることは出来ません。TPP とか言っていますけど、切り花はもう TPP です。関税フリーですか
ら。自由なんですよ。そういう状態でカーネーションもキクもバラも、もう輸入を止めること
は出来ないんですよ。どんどん入ってきてしまうんです。その結末は、「アメリカのように切
り花のほぼ9割以上は、スーパーで売られるという状況を招いていいのか」ということを考え
ていただきたいということです。
“バラの消費構造から”
これは、バラの消費構造として前回もお見せしましたけれども、一番下にはバラどころか花
も買った人がない人というのがたくさんいます。本当に「バラは花もち悪いし」とか「高いし」
とか言う人がやっぱりいる。でもその人たちの人口はすごく多いです。その上にバラ好きと言
われる人がいます。
「いわゆるバラって、花もち剤を使えば最後まで咲ききるよ。
」とか「花の
女王だよね。
」とか「私は庭でもバラを作っているんだよね。
」とか「オールドローズがいい。」
とか。一番トップにはバラマニアといわれるこだわりの人達がいます。
先ほどのイングリッシュローズの切り花。花屋さんで 1 本 2,500 円です。でも着実に売れる
んです。その人たちがここにいます。面白いのはそこで買っている人にちょっと質問をしたこ
とがあります。「イングリッシュローズってお宅の庭でも作っておられますか?」と言ったら
「はい」って言ったんです。全員が。イングリッシュローズを庭で作っているけれども、イン
グリッシュローズの切り花を買うんですよ。
「何それ?」。そうしたら話していてわかったこと
があるんです。庭で作っているイングリッシュローズは、街を行くあるいはお客さんが見えた
ときに見せるためのイングリッシュローズの庭植えです。「それを切り花で切ったら寂しいか
ら切らない」っていう。でもお客さんが見えた時やはり楽しんでもらいたいので、あえて家の
中は切り花としてのイングリッシュローズを買って飾りたい。「ほ~そういう人達はやっぱり
違うな~。2,500 円のイングリッシュローズを買う人達は違うな~。
」と思いましたね。
ここの人達。この人達も「オールドローズタイプのバラはいいね~」って。でもこの一番底
辺の人たちは、普通のバラらしい高芯剣弁のバラが大好きな人です。需要ニーズ本数から言っ
たら、ここは人数も多いですからすごい需要があります。
じゃ~私は日本のバラの生産者たちに何て言っているか。「もうあなた達、ケニア・エチオ
ピアと競争するのはもうやめろよ。」もうこの底辺の最も初心者の人たち普及的なバラの購入
者というのは、バラらしいバラで赤やピンクや黄色が好きですという人達です。「もうそれは
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輸入の切り花にもうパイを委ねたらどうですか。」
「むしろその人達が1ステップ上がってきた。
バラ好きとかバラマニアとかいう人達をターゲットにして生産をしてみたらどうですか。」と
いうことを今提唱しています。
「いや~福井さん。そんなことを言うとさ。今の本数は要らんようになるだろう」って。そ
うでしょうね。国内の生産量はもうちょっと減るかもしれない。でもいいんです。少なくとも
アメリカのようにバラの生産者がいなくなってしまうということだけは避けたい、というのが
私の思いです。
むしろ、これは三角形になってますけれども、ひょっとすると金額で言うと上の方もうちょ
っと太くなるんですよね。本数でこれはベースで三角形を作ってますから、金額で言うと上の
方は 2,500 円ですから、ここで買う人は1本 100 円か 150 円ですので 20 倍の売上になるわけ
ですよね。そういう世界というのは有り得るんじゃないかなと。むしろそういうことを考えて
いかないと、例えばアメリカは、全てコロンビア・エクアドルに輸入のバラに 97%委ねたわ
けです。その結果として何が起きたか。アメリカの消費者は、バラの香りなんて味わうことが
出来ないんです。コロンビア・エクアドルは、香りの無いバラしか作りませんから。
あるいは、先程見ていただいた、こういう「オールドローズ咲きのバラっていいよね~」っ
てアメリカの消費者は思っているんです。だけどコロンビア・エクアドルは、こんなの空輸出
来ないバラは作らないということですよね。ラカンパネラ。私、結構好きなんですけど、絶対
アメリカの消費者はラカンパネラを楽しむことは出来ないんです。97%コロンビア・エクアド
ルに委ねてしまった結果、高芯剣弁のバラしかアメリカの消費者は楽しめないんです。「ダマ
スククラシック」
「ダマスクモダン」
「フルーティー」
「スパイシー」
「ミルナ」
「ブルー」
「ティ
ー」バラには7種類の香りがあると言われていますが、その香りをアメリカの消費者は楽しむ
ことは出来ません。
「本当にそういう世界になっていいのか?」と言ったときに、私は日本の消費者にその部分
はしっかり残してあげたい。だから「日本の生産者頑張れ!」と言っているんですね。
“花の良さ・花の魅力を・・・”
ところが買参人の人達の口からは、「輸入の切り花は値段が安定して便利だよネッ!」って
いう声が頻繁に聞かれます。ケニアやコロンビア、マレーシアは、日本の消費者のことを考え
て生産・輸出してくれているんですか?日本の消費者がイングリッシュローズ欲しいと言った
って絶対作ってくれないですよ。こういった周年生産には季節感なんて無いんですよ。毎月毎
週同じ品種しか輸出してくれないんですよ。「秋なんだから秋らしいのを」そんなこと絶対あ
り得ません。「国産はロットが揃わないからねぇ・・」とか「国産は、同じ品種でも生産者に
よって品質がまちまちだからね・・」とか。そんなことないでしょう。これから残った生産者
は、結構規模が大きくなります。今現在でも、1軒で9月の中旬に 1,000 本のバラの注文を受
けたとしても、供給する能力がある人がいます。生産者に直接「何とかしてよ!」と言えば、
今でも 1,000 本 2,000 本ぐらいなら難なく手に入ります。ただし市場を通しましょう。
「フルブルームマムはいいけどね。使い方がね~」とか「オールドローズの需要、本当にあ
るんですか?」新たな需要の開拓は誰の仕事なんですか?と。むしろ何もしなくても売れるも
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のというのは、価格競争の渦の中に入っていく。そういう商材じゃないんですか。何にもしな
くても売れるというのは、スーパーとの土俵で相撲を取ることになるんですよ。「輸入の切り
花の品質は悪くないよネッ!」。品質って何を品質というかという話ですよ。
もう一つは、輸出国の取引相手は個々の生花店なんかじゃないんですよ。市場に出回る輸入
の切り花は残りものです。スーパーとパックの花束販売で花屋さんは競争出来るんですか?競
争していくんですか?これからも。そういうふうに考えたときに、是非「花の良さ・花の魅力」
それを消費者に伝えて、それを豊かな気持ちになっていただくという仕事を皆さんがもっと頑
張っていただきたい。そういうふうに思っています。
~バラの花色と花型によるイメージ分類の研究~
この3年間、実はちょっと変わった仕事をしてきました。うちの研究室は、育種だとか生産
技術の研究室なんですけど、この3年間変わった研究をしてきています。それは何かというと、
バラの花色と花型によるイメージ分類という研究をしてきています。
“同じ花型でも色が変われば、イメージが変わる”
バラですね。同じ花型でも色が変わるとイメージがだいぶ変わりますよね。黄色のバラと赤
いバラと少なくとも違う、イメージが違います。じゃぁ~イメージが違う。何が違うんだろう?
白いこれは「清楚だよね」というイメージですよね。これは何か「すごく元気そうな感じ」で
すね。それを数字で表現できないか。数字で説得できないか。これは「キャシャな感じ」とか、
何かそういうイメージというのを個々に一人一人が持っているかというと、実は「共通性があ
るはずじゃないか」ということで研究をし始めました。
まずどんなことをやったかというと、いろんなことをやっているので、まずこれは、バラを
市場から毎週取り寄せて、特徴的な品種を指名して取り寄せて、スタジオを作って花の写真を
撮りました。結構お金がかかっています。スタジオを作るのに 50 万円かけました。花を毎週
のように買って写真を撮りました。
ここに示したのは 44 枚写真を示してあります。花の型・色でいろんなタイプのものを示し
てあります。この 44 枚の写真を消費者の方に見せてバラ一覧の1から 44 の写真から、
「あな
たが好きな花はどれですか?1位から5位まで選んでください」とか「いやされるとかホッと
するとか感じる花はバラはどれですか?」とか「この花を見たら私はキレイになれそうだと思
う花はどれですか?」というアンケートを採りました。
首都圏で全部で 4,500 件のアンケートを採りました。取りあえずここでお話しするのはその
首都圏の話です。今、東海圏で 2,500 ぐらいアンケートを採り終えました。まだ関西はほとん
ど採れてないので、是非関西で採って比較をしてみたいと思っているんですけれども、こうい
うアンケートをまずひとつ第一弾で最初の序盤戦のアンケートです。
「さあ~この中で好きな花はどれですか?」と聞いたんですね。ちなみにどれがどんな色が
好きだというふうに答えられたと思いますか。
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(ピンクですかね。)
ピンクですかね。どうですか?どう思いますか。ピンク?。
(オレンジ系。)
オレンジ系とかね。と私も思ったんです。
青・藤色でした。1位2位は。
3番目に淡いピンク、濃いピンク、サーモンピンクが入ってきました。
藤色好きなんです。これはちょっと予想外でしたね。「あ~そうなんだ」って。4,500 件の
データです。「この中でいやされるというバラはどれですか?」って。サーモンピンク、淡い
ピンク、白、それから淡い赤茶色、藤色。以外とブルー系って底堅いという。ちなみにこのア
ンケートの対象はすべて女性です。男性は採りませんでした。男なんて採ってもしょうがない
なと思ったので。でもアンケートは、これは奥さんにと言うと「俺もやりたいんだけど」とい
う方がみえるので、しょうがないから「駄目です」とは言えないからお願いしてその結果は捨
てました。それで 4,500 件女性です。
本番はこの次です。こういうふうに写真を1品種ずつ高芯剣弁とか丸弁とか何弁とかクォー
ターとかグロビュラーとかいろいろ花型があります。あと色についてもいろいろ分けて、これ
はその番号になっていますけれども、この写真を見せて。それで、こんなアンケート。「写真
のバラを見た印象に当てはまる箇所に丸を付けてください。「好き・嫌い」「温かい・冷たい」
「カジュアルな・フォーマルな」「洋風な・和風な」「若々しい・大人びた」「女性的な・男性
的な」
「新しい・古い」
「陽気な・落ち着いた」とか、そういう対峙する用語を丸を付けてくだ
さい」と。「どちらとも言えなければ真ん中ですけれども、温かいと思ったらこちらの方に、
フォーマルだと思ったらこちらの方に」というふうにアンケートを採りました。
当然1枚の写真を見てみんな「うーん・・・」と言いながらこうやって丸を付けるもんです
から、すごい時間がかかるんですね。最初は 10 枚やってもらおうと思ったら 30 分ぐらいかか
っちゃって叱られちゃってですね。しょうがないので、途中からは5枚にしました。それでも
15 分 10 分ぐらいはかかる。そういうのをず~っと一人一人説明をしながらアンケートを採り
ましたので、すごく時間がかかりました。「このバラを見てどういう感想を感じますか?」と
か「このバラを見てどう思いますか?」とか「このバラを見てどういう印象を持ちますか?」
「これについてはどうですか?」こういうふうに見てもらいました。
なかなかいい写真ですよ。素人が撮ったとは思えない。私が撮った写真です。皆さん写真に
惚れて「いいねえ~この写真!」とか言って「いやアンケートに答えていただきたいんですけ
ども」と言いながら写真を見ていただいて、その結果がこれですね。ちなみに年齢は 20 代、
30 代、40 代、50 代、60 代以上というふうに分類してそれぞれが均等になるようにアンケート
の数も揃えてあります。
“年齢別にみたバラのイメージ”
それから、年代で見たバランスです。これを見ると意外と年代のばらつきがないんですね。
少ないんです。特にこれを見るとこの4ポイントが実はどちらとも言えないですから、平均が
3ポイント以下になっているのは、かなりそのイメージが強いということですね。ということ
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はバラ全体のイメージとして「洋風な」というイメージを持つ方がほとんどです。それと「女
性的な」という印象を持つ方がほとんどです。それから「美しい」と思ってくれるんですね。
バラが美しくないという人はほとんどいませんでした。
それから加えて赤い色。「個性的な」とか「上品な」とかあるいは「カワイイ」とかいうイ
メージを持つ方がすごく多かったというのがバラの共通点です。年齢によってそんなに差はな
いと言いながら、実は詳しく見るとあります。20 代と 60 代でバラの印象が異なります。赤い
色が 60 代です。濃いブルーが 20 代です。ここですね。20 代 60 代だいぶ違いますね。4ポイ
ントが「どちらとも言えない」です。60 代の人はバラを見て「若々しい」と思う。それに対
して 20 代の人は「大人びた」って言うんですね。
「お~違うんだ!」それから 60 代の人はバ
ラを見て「陽気な」だと思いますけれども、20 代の人は「落ち着いた」という印象を持ちま
す。60 代の人はバラは「ういういしい」と言いますけど、20 代の人は「風格がある」と思う
んですね。あるいは 60 代はバラは「さわやかな花だ」。いやいや 20 代は「濃厚な花だ」とバ
ラのことを思う。これが年代によって違うバラのイメージだというふうに私は感じています。
60 代と 20 代でバラに対するイメージが、20 代の人は「大人びた」
「落ち着いた」
「風格のある」
「濃厚な」というイメージをバラに対して抱いた。それに対して 60 代は「若々しい」
「陽気な」
「ういういしい」「さわやかな」というイメージを持っているということをまず認識をすると
いうことは重要だと思うんですね。
それから 20 代の人に「これ、陽気で若々しくていいバラでしょう~」
「ええ~?大人びてい
るじゃないですか?」っていうふうに思っちゃうということですよね。そこはやっぱり売る方
としては、知っていなきゃいけないかなと思います。
“花型からみたバラのイメージ”
花の型によっても、先程よりも更にもうちょっとばらついているのが分かると思います。こ
のばらつきが大きいところをマークしたり花の型によって「カジュアル・フォーマル」という
のが変わります。
「若々しい・大人びた」とか「上品な・派手な」とか「新しい・古い」
「陽気
だ・落ち着いた」「ういういしい・風格がある」という用語が花の型によって結構変わってく
るということが分かりました。
じゃ~それを個別にちょっと見てみようかなと思います。
高芯剣弁のバラのイメージはほかのバラに比べてどうなのか。離れたところをマークして
あります。高芯剣弁のタイプのバラは「フォーマルな」というところがちょっと飛び抜けてい
ますね。
「平凡な」というのも飛び抜けています。
「上品な」というのも他と比べてかなり。そ
れから「古い」
「落ち着いた」
「風格がある」他のものとはちょっとずれてきている。それから
「クラシックな」。こういうふうに見ると高芯剣弁、高芯丸弁のバラは、
「フォーマル」
「平凡」
「上品」「古い」「風格がある」「クラシック」という印象のイメージの花の型ですよというこ
とがわかってきました。
波弁というのはここに示したようなバラです。ラ・カンパネラも入ってきます。こういう
波弁のバラもちょっと特徴的で離れています。他のグループと明らかに離れているところがあ
ります。「カジュアルな」「洋風な」「個性的な」「若々しい」「カワイイ」「新しい」「陽気な」
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「ういういしい」
「キュートな」
「モダンな」
「繊細な」
「さわやかな」というこういう花型のバ
ラは、こういう印象を共通的に女性は感じてくれるということを表しています。
“花色からみたバラのイメージ”
これは花の色です。花の色になるとずごくばらついてきます。
私はイメージとして花の型という方が大きいんじゃないかなと思ってたんですけれども、実
は花の型よりも花の色のばらつきの印象がすごく大きいということが分かりました。これはち
ょっと私自身も予想外でした。「あ~バラって色なんだ。色によってすごいイメージ変わるん
だ」ということなんですね。
それをちょっと一つ一つ見てみると、黄色、オレンジのバラ違うところがあるんですね。
他のものが上の方にあるのに対して、黄色は下になりますよね。このマークを示したのが実は
黄色、オレンジのバラが他のバラと比べて大きく印象が違うところ。黄色やオレンジのバラは
「温かい」「カジュアルな」「洋風な」「若々しい」「派手な」「男性的な」「陽気な」「ういうい
しい」「キュートな」「豪華な」「モダンな」という用語が特異的に選択をされています。黄色
やオレンジのバラというのはこういう印象の花ということなんですね。
同じようにブルー系。藤色系・ブルー系のバラ。もう断然離れていますね。ここら辺ね。
他のバラと断トツ、グループが違うのが分かると思います。ここが違いますね。「フォーマル
な」
「洋風な」
「個性的な」
「大人びた」
「上品な」
「女性的な」
「落ち着いた」
「風格のある」
「シ
ックな」という言葉が、このブルーのバラでは選択されている。特異的に選択されています。
藤色系ブルーのバラというのは、こういうイメージを女性は感じているということなんですね。
白色のバラはどうなんだろう?違いますねこれは。断トツに離れているところがあります
ね。ここなんかね~全然群を抜いて白だけが違う。見ると「冷たい」
「フォーマルな」
「和風な」
「平凡な」「上品な」「女性的な」「自然な」「カワイイ」「落ち着いた」「ういういしい」「マイ
ルドな」
「キュートな」
「美しい」
「シックな」
「クラシックな」
「繊細な」
「さわやかな」こうい
う用語が選択的に白い花のバラを見た時に丸が付けられているという結果になりました。
赤色・紅色。これも同じように「個性的な」「大人びた」「派手な」「男性的な」「感性に合
わない」
「古い」
「風格のある」
「刺激的な」
「豪華な」
「モダンな」
「ダイナミックな」
「濃厚な」
というイメージです。ちなみにこの「感性に合わない」というのは言葉を迷ったんですけど「カ
ワイイ」というのに対して「カワイクない」というよりも、何かちょっと、私「カワイイ」と
いうイメージがどうもしっくりこなくて、「カワイクない」というイメージです。こういう意
味こういう用語を赤いバラを見た女性は、丸を付けてくれるということですね。
ピンク・サーモンピンクのバラもそうです。「温かい」「カジュアルな」「女性的な」「カワ
イイ」「ういういしい」「マイルドな」「キュートな」「繊細な」「さわやかな」というイメージ
を感じてくれています。
最後になりますが、緑色系グリーン系のバラ。「冷たい」「個性的な」「男性的な」「人工的
な」
「感性に合わない」
「新しい」
「美しくない」
「モダンな」
「さわやかな」
。こういうふうな感
じなので、これを実は統計的に多変量解析という因子分析というのをすると、もっと視覚的に
示すことが出来ます。このデータは出たばかりです。つい先々週に出たデータです。
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全部で 4,500 件ですので、いろいろこうデータがいっぱい出てくるものですから、ようやく
今まとめて今年度中に論文にして公表しようと思っているんですけれども、まだまだ出たばっ
かで、多分本邦初公開です。あまり論文出る前ですので、あまり言いふらさないように。デー
タはちゃんと残して皆さんに見ていただけるようにしましたので。
“因子分析を用いたバラの分類”
因子分析という分析をしてそのバラの分類を行いました。
縦軸と横軸にばらけさせて、それで花が「どういうふうな印象になるか?」
「ばらつくか?」
というのを示したものです。全部で 70 幾つバラがあります。
その 70 幾つのバラの品種の中で、
こういうふうにばらついてそれに対して先ほどの言葉を把握してね。その言葉がどういう位置
付けになるかというのを示したのがこれです。
「ダイナミックな」
「シックな」
「上品な」
「さわ
やかな」「ういういしい」「キュート」「カジュアル」こういうふうに言葉があります。この言
葉に対して、言葉とそのバラの花が「どういうふうなグループ枠になるのか。一致するか」と
いうを示したものです。
まず赤色系。これは赤色系で提示した花の写真です。この写真を見せると赤色系ここら辺
に全部固まるんですね。ばらつかない。きれいに一つのグループに第1印象のところに固まっ
てきます。
じゃ~この部分の言葉ってどんな言葉なんですか?というと「ダイナミックな」「派手な」
「刺激的な」「濃厚な」「風格のある」「豪華な」という言葉に代表されるのが赤いバラです。
という見方をする。
ですから、赤いバラというのは一つのグループにみんなまとまって、一つのグループにまと
まって、それがこういう言葉に代表されるグループだということになります。
じゃ~濃いピンク。これは濃いピンクのバラですけど、これも集まるんですね。赤いバラ
がここでしたね。それよりもちょっと下にかかってきます。赤いバラよりもちょっと下かなと。
でも一つ集まってきます。この言葉は「モダンな」
「人工的な」
「個性的な」というようなある
いは「カワイクない」とかですね。何かちょっと中途半端な言葉のほうへ集まってくるんです
ね。あんまり好きじゃないのかもしれないですね。女性はあんまりこの色のバラをあんまり好
きじゃないような印象を受けますね。
じゃ~ピンク色。サーモンピンクはこれ一つだけちょっと外れるんですけど、よく見てみ
ると、これはピンクというよりもちょっと赤に近い品種だったので、これだけ1個飛び抜けた
んだなというふうに思います。さすがデータはすごく正しいなと思って。ほとんどがここの左
下のところに集まっているのが分かると思います。ここに集まる言葉というのは何かというと
「カワイイ」
「さわやか」
「自然な」
「平凡な」
「美しい」
「和風な」
「繊細な」というような言葉
に代表されるバラ。すなわちピンク・サーモンピンクというのはそういう言葉に代表される花
の色というふうに表現できるというふうに思います。
特異的だったので次です。これ黄色・オレンジです。黄色・オレンジは、赤がここでした
ね。ここら辺に赤がある。それからピンクがこの下のほうにある。それに対して黄色は左の方
の一群として集まっています。これはどんなイメージなんですかというと「陽気な」「カジュ
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アルな」「キュートな」「若々しい」「モダンな」という言葉に代表される言葉で黄色のバラは
表されるということを意味している。女性は、黄色のバラを見てそういう言葉をインスピレー
ションとして思い浮かべるということですね。
青色のバラこれも、全然違うところに分布していますね。赤・ピンク・黄色と正反対です。
それも一群のように集まってきます。この言葉は「フォーマルな」「大人びた」「落ち着いた」
「クラシックな」という言葉に代表される言葉のグループのところにブルー系のバラは集まっ
ていると。むしろ別の表現をしますと、ブルー系の花を見た女性は「フォーマルな」とか「落
ち着いた」とか「クラシックな」とかそういうイメージを思い起こさせるんだということを意
味しているわけですね。
白も特異的ですね。全然違うところに飛び出てくる。一番下ですね。これも全部集まって
きます。どんな言葉かというと「上品な」「繊細な」「マイルドな」「さわやかな」そういう言
葉に代表される場所に、白のバラは集まってくるというのが分かっていただけるかと思います。
グリーンのバラは真ん中です。本当に中心のところにグリーンが集まってきます。これは
どんな言葉かというと「個性的な」「洋風な」「新しい」「和風な」そういうような言葉のとこ
ろにグリーンのバラは集まっているのが特徴的な分布というふうに言えるかと思います。
まだありましたね。あ~ベージュです。ベージュのバラは、横に長いこういうところに分
布するんですね。茶系と言われるバラですけど「カワイイ」「落ち着いた」「フォーマル」「ク
ラシック」というようなところにやっぱり分布しているんですね。
“バラのイメージ分類の使い方”
では、私はこの分類をして何をしたいか。実はこれは、花屋さんにとってすごく大きな武器
になるというふうに私は考えています。このバラのイメージ分類の使い方も、私の今思ってい
る現範囲内でのお話。もっと別の使い方が出来るかもしれません。
“ブライダルで!”
例えば、ブライダルで。お二人が、結婚されるお二人がですね。「フォーマルで落ち着いた
雰囲気の結婚式にしたいんだけど。
」
「『フォーマル』で『落ち着いた』ですか。」フォーマルポ
イントというポイントで出てきます。カルトブランシュ[5.81]、ローテローゼ[5.80]、ブラッ
クバカラ[5.71]、メタリナが[5.71]、アプローズ[5.56]、ザ・プリンス[5.53]、アイボリー[5.53]。
もう 5.5 以上というのはすごい高い点数ですよね。4.0 がどちらとも言えないという点数です
からもう 5.81 というのは6に近いということはもう限りなくフォーマルで落ち着いたという
フォーマルなというふうなイメージのバラということがこのデータで。したがって落ち着きポ
イントこれも 5.5 以上を拾ってみましたがメタリナとかリトルシルバー、カルトブランシュ、
アムネシア、アプローズ、マダムビオレ、こんなようなバラが「落ち着いた」
「フォーマルな」
というポイントで高い点数を取ったものです。このバラで結婚式の披露宴あるいはブーケを作
ってあげれば、奥さんは「本当、フォーマルで落ち着いた、いい結婚式だったね。」って満足
するんですよね。
これはもう 4,500 件のデータから取った数値ですので、別の言い方をすると、ほぼ間違いな
く多くの女性がそう感じるということです。
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“お母さんの誕生日に花束を!”
もう一つの使い方。例えば、「お母さんの誕生日に花束を贈りたいんだけど」って娘さんが
言った。
「お母さんてどんな性格なんですか?」
「うーん?陽気でね。ちょっとキュートな性格
なんです。」陽気ポイントとキュートポイントです。これは4より低いほうの点数であります
から 2.5 以下のもので点数があります。ピンクチュチュ[2.44]、ラ・カンパネだと[2.45]、シ
ンディー[2.50]で、あとルナロッサ、クレージーマカレナ。キュートポイントは、ジュリエッ
ト[2.11]すごいキュートですね。セプタードアイル、アンブリッジローズ、アレキサンダー、
グラミスキャスル、こう続きます。
「お母さんは陽気でキュートな方なんですか。
」と言ってこ
のバラで花束をつくってあげれば、お母さんは絶対に喜ぶに違いないと私は思うんですね。
と言うのは、お母さんは陽気でキュートな方ですから、この花で間違いなく自分の感性にぴ
ったりだと思うバラだということですよ。例えばそういう使い方を出来るんじゃないかなとい
うふうに私は思うんです。
何故こんなことを、私が育種だとか栽培技術を研究者が何でそんなことをしているかと言う
と、先程の三角形を思い浮かべてください。アメリカの状況を思い浮かべてください。アメリ
カでは、例えば陽気でキュートなお母さんに贈るバラなんて無いんですよ。いいですか。日本
の国産のバラが豊富に提供されている今現状だからこそ、陽気でキュートなお母さんにあげる
バラが有り得るんです。
これってどうですか。先程も空輸に耐えられないものも、これじゃないんですか?でしょう。
アメリカのお母さんは、娘から陽気でキュートな花をもらうことは無いんです。
皆さんが「輸入のバラはいいよね」「輸入の花はいいよね」ということを追求していく、そ
の延長線上にそういう結末があるんじゃないかと。そうならないように日本の国産のバラをこ
ういう言葉で活用してもらえる一つの材料を私は提供したいと思って、この3・4年この研究
をずっとやってきました。すごい研究費つぎ込みました。350 万円ぐらい注ぎ込みました。誰
からも、まだデータを出していないんで、資料もまとめていませんが、でもいいです。
私は、日本のバラ生産が日本で存続し続けるんだったら安い投資だと思っています。むしろ
花屋さんが、こう言う言葉の先程から言うこういう言葉のイメージを大切にしていただければ、
こういうことを大切にしていただければ、日本のバラは十分三角形の上のほうを狙って生き残
れることが出来ますし、日本の消費者は、バラをもらって贈って心豊かな気持ちになれるんじ
ゃないかなというふうに思う。
是非、皆さんがそういう気持ちで花を扱っていただければ、ありがたいなと思っています。
“魔法の法則”
最後です。アメリカでは、バラの供給をコロンビアとエクアドルに委ねてしまいました。ア
メリカで流通しているバラは、高芯剣弁のバラだけです。品種もこんなに日本のようにたくさ
んありません。花型や花色でバラを選ぶことは全く出来ません。日本でバラが生産されている。
『国内でバラが生産されている日本だからこそ作れる、魔法の法則』だと私は思っています。
一時的な衝動で輸入のバラを優先すると、その結末は必ず花専門店に戻ってきます。
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是非とも国内のバラの生産者と共存して、日本の消費者に心豊かな満足を与える産業であり
続けていただきたい。切にそう願っています。単純に経済優先で「安いから」とか「ロットが
揃うから」とか「なかなかいいんじゃない。輸入のバラも」とかそう言うことを言っている時
期ではもうないんじゃないでしょうか。
何回も言います。アメリカは 90%以上海外に委ねてしまった結果、花屋さんも消えたんで
すよ。その結果、豊かな花を楽しむ心もアメリカの消費者は無くしてしまたんです。是非、そ
ういうことを支えていただけるのは皆さんだと思います。この最後の一言が私の思いです。
是非とも国内のバラの生産者と共存して、日本の消費者が豊かな気持ちを感じていただける
ような花の世界を広げていただけないかなと思います。
是非よろしくお願いします。以上です。
〔司会者〕
どうもありがとうございました。
それでは少し休憩を挟みまして、その後質疑応答のほうに移りたいと思います。
意 見 交 換 会
〔司会者〕
それでは時間ですので、どしどし質問してください。切り込み隊長。
〔参加者〕
すみません。カナモエと申します。すごくバラの生産者の方がご努力されていろいろな品種
を開発されているんですけれども、僕らは品種の名前も特徴も知らないことが多くて、しかも
新しく開発された品種は少量ですので、目に見る機会も少ないですので、やっぱりそういうふ
うな品種情報をちゃんとこう小売店とか出来れば末端の一般消費者まで素早く知らしめるよ
うなシステムというのが要ると思うんですけど。今 JF コードというのがありますよね。何も
役に立たへんようなやつ。あれをもっと販売する小売店の立場から使い勝手の良い、そういう
ふうなコードを開発してもらって、それに新しい品種情報を載せていただけるようにしてもら
わないと、今5けたしかないんですかね。もうパンクですよね。だからそういうふうなのをお
客さんに、専門店はより高度なこんなんもあるあんなんもあるというそういうふうな新しい提
案が出来るために、そういうふうなちょっと方も開発してもらいたいなと思うのを、先生こう
いらっしゃるので是非ちょっとお願いしたいなと思って来たんですけれども。
それでそれを出来たら、
「そろそろこういう品種が出荷されるのでぜひ買ってください。試
しに買ってください」いうことを見えるとかで小売店に素早く出してもらって、その小売店の
方は、こういう新しいのがあるから提案しようというふうな心構えもできますし、写真も見れ
20
ます。写真と一緒にね。インターネットとても最近はものすごく快適に使えますので、昔やっ
たら性能があれなので、どうしてもコードが限られていたんでしょうけども、そういうふうな
ところに品種情報を提供してもらって、そういうふうなことは出来ないだろうかと思います。
ちょっとよろしくお願いします。
〔アドバイザー〕
端的に言うと、情報を提供するということは、提供する側にメリットがないと提供してくれ
ないんですよね。「欲しいんだ!欲しいんだ!」と言っても、出す方がメリットが無いと。例
えば、明日から日本バラ切り花協会という生産者の協会の研究大会が札幌であるので、明日、
私は札幌へ行くんですけど、生産者の大会の時には、例えばバラの種苗会社、京成バラ園芸と
かジャパンアグリバイオだとかそういう育種会社が種苗会社が、新品種をずばーっと並べるん
ですよ。それこそもう 100 以上。それでカタログ、生産者にどんどん無料で配る。私は種苗会
社にもう5~6年前から「あなたたちね~。こんな分厚くなくていいので、一番いいところの
おいしいところ、新品種と言われるところだけ4ページか5ページでいいので、何で花屋さん
に配らないんですか?」と常に聞いているんです。むしろ花屋さんの例えば JFTD の総会の時
に、
「何で種苗会社は、新品種を生産者の研究大会じゃなくて JFTD の大会の時にどうしてズラ
ーっと展示しないんだ?」。それはハッキリしているんです。
「苗を買ってお金を払ってくれるのは農家だから」違うでしょう。農家は確かにそれが売れ
なきゃ新品種買わないんだから。むしろあなた達花屋さんのところに行って、「この品種、来
年今の新品種です。」「これいいね。いつごろ?」「来年の秋には出ると思いますよ。」「へえ~
どこの市場で出るの?」
「お宅はちなみにどこの市場で仕入れているんですか?」
「いや~「な
にわ」で仕入れている。」「そうですか~」って言ったら、逆に生産者に「「なにわ」でこれを
欲しいという人が 30 人以上いるんだけど、あなた作らない?」と言ったら生産者は喜んで作
りますよ。ですよね。欲しいと言う人が「なにわ」にいるんだったら、「なにわ」に出せば必
ず売れるということですよね。そういうやりとりが必要だということ。
よく言われるのは、花屋さんが「この品種いいね~」と言うだけで、じゃぁそれを出荷した
らボタンを押してくれないんです。それじゃ~やっぱ駄目でしょう。
「いいね。」と言った。そ
れに対して生産者は安心して「じゃ~出荷しよう」というそういう信頼関係がないと新品種情
報ってやっぱり出せないんじゃないか。多分そういうところがミスマッチなんだろうね。
むしろ例えば仮にですよ。この鶴見フラワーセンターが主導になって、日本のバラの育種資
料会社、個人でやっている人達もいますので、全部で言うと多分だいたい 10 社ぐらいある。
その人達に全部声を掛けて、とにかく鶴見のフラワーセンターに日本の来年リリースされる、
あるいは今年リリースされた品種を全部展示すると。それに対して買参人の方が責任を持って
投票する。これだったらどれぐらい欲しいのかというところまで、「だいたい毎週こうやった
ら1ケースは買えるよ」とか「月に2ケースは買えるよ」とかいう入札をしてくれれば、多分
その情報はすぐに生産者に伝わって、生産者は「こんなに人気があるんだったら、もうあと2
ベッド増殖しようか。」すると十分な供給が出来る。そういう関係が今出来ていないんだと思
うんですね。
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花屋さんの不満の情報というのをよく聞きます。でも不満の情報と言いながら、じゃ~よく
言われる生産者からも聞く「あそこの市場でこれ売れるよって言うもんだから作って1ベンチ
増やして出したら、全然値段がつかないじゃないか!」っていうことも結構あるわけですよ。
やっぱり生産者も経済行為ですから、同じようにやっぱり信頼関係の中で情報を提供する、そ
れを受けたら必ずその情報に対して報いる。そういう関係がないと「情報を提供してください。
新品種をどんどん見せてください。それをどんどん出してください。」
「いいや~出すのはいい
けど、買ってよ!」っていうところに結び付いていけば、むしろ歯車がコロコロ回り始めると
いうことですね。
そういうところを私は、むしろ買参人の方、鶴見フラワーセンターの方に、「なにわ花いち
ば」や「鶴見花き」の方に、そういう関係の組織だからこそ、今日こういう話をさせていただ
きました。
むしろ一番最後に書きましたように、もっと日本の生産者とバラ生産者と連携を取ってほし
い。それが今言われる情報が提供されるという要だと思うんですね。是非、鶴見フラワーセン
ターの方々がおられるので、そういう動きをしていただければ、もっともっと鶴見は「あそこ
に行くと新品種は必ず第一番に出荷されるよ。
」そうすれば、当然、買参人も集まってきます。
値段も良くなるし。そういうふうに正の歯車の回転を作るいいきっかけになるんじゃないか。
さっきそこで品種展示してありますよね。あれはもう、生産者が自分のやつを売りたいため
に展示しているんですけど、それだけじゃなくて、例えば今言われたようなそういう情報が欲
しいんだということを、鶴見フラワーセンターさんに言っていただければ、新品種を今年・来
年この2年間でリリースされる新品種の展示、展示するだけじゃ何のメリットもないので。結
局けどやらんです。それに、俺はこれだったら、例えば月にどれぐらい欲しいですかと。例え
ば記載をして入札する。投票する。そういう情報があれば逆に言うとしたら京成バラ園の種苗
会社としたら苗売れるということですよね。
そいうことが今、日本ではちょっと欠けている。お互いに「欲しい。欲しい。欲しい。情報
が欲しい。」でもその情報を提供する側の気持ち、それに対して信頼関係を持つということを
もう一歩踏み込んでいただければ、それはすぐにでも確立できることじゃないかなと。そうい
う気はします。
是非やってみられたらどうですかと思います。
〔参加者〕
だから種苗メーカーの方のね。1枚か2枚ぐらいフリーでね。こういう品種というのをもう
現状ではね。新品種が出来てそういう意味で見て「ああそうか。なんやこれは?なんや?」と
思うてるうちに終わる感じで、それでそういうふうな、今は先取りの割合も7割ぐらいは先取
りですから、文字情報だけで終わっていることも多いので、ですので、やっぱり本当ならここ
らは本がしっかりしたものがあって、その番号であそこに品種の特徴とか写真とかそういうも
のを載っけて、それで生産者の方とコミュニケーションを取れると一番正確だと思うですけど
も。
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〔アドバイザー〕
まあフラワーコードに関しては、国家プロジェクトなので何とも出来ないんですよ。
〔参加者〕
国家プロジェクトで、だから小売店が使い勝手の良いようなものじゃなくて、いっぱい何て
言うか流通のためのコードですよね。ほんでお客さんにそのごっついコードでそれで使い勝手
が悪い、ものすごいでっかいシステムが必要ない、もっと臨床の学術的な要素はもう全部省い
て、末端の小売店に近いというような、そういう人たちが声を聞いたものの設計をまた何か小
売にちょっと
〔アドバイザー〕
それは農水でそういう話が出てきていますので、その時にはそういう話はしていきたいと思
いますけど、コードは完成したから自由に出来る話じゃないですよね。例えば、今言われた種
苗会社に「数ページでいいので無料でそういうのを配ってほしい」。種苗会社にしたら「無料
で配って、うちにはどういうメリットがあるんですか?」ですよね。
〔参加者〕
だから知らんかったら・・・。
〔アドバイザー〕
言っているのはそういうことなんですよ。やっぱり信頼関係が構築されていけば、そういう
のは自動的に回ってくるといことが一番まず大事だと私は思います。
だから、例えば新品種の展示会を頼めば実物を持ってきてくれますよ。京成バラ園では。そ
れが一番来年何が売れるという数字さえ見えれば、喜んで展示してくれると思います。という
のはその苗が必ず売れるんですから。ですよね。
是非私は、現実的に行動としてやるキーワードは、そういう信頼関係出てきたら「必ず買う
よ。」という意志を表示していただければ、種苗会社も生産者もすぐに動きます。動けると思
います。コードの話は別にしてね。コードはそう簡単に動かないです。もうこの十数年不満だ
らけで何も変わってないですから。本当に何億という金額が動くことになりますので、それは
ちょっとすぐにはかと思います。むしろアメリカはあのコードでいいんですよ。少ないですか
ら品目が。日本は品目が多過ぎるので、いろいろトラブルがあるという。それはま~良しとす
る考え方もあるかもしれません。
〔司会者〕
お願いいたします。
〔参加者〕
はい、すみません。以前にレックスの展示会品種のあれにちょっとお邪魔したことがあるん
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ですけど、その時に来られる生産者のこれはバラの生産者との共存ということなんですけれど
も、来られる方が必ず生産者の方が口にするのが「数が取れるやつ」。ほんで、それは私たち
小売店が望んでいる部分とは少し懸け離れているかと思うんですけれども、必ずみんなこれを
口にされるんですけれども、やはりこういう部分を意識的に改善していってもらえない限りは、
なかなか共存というのは難しいかと思うんですけれども、そこは先生、そういう部分の改善と
いうのは提案というのはされていることがあるんでしょうか。
〔アドバイザー〕
先程の話とも関係してくるんですけれども、生産者もそれで生計を立てていますので、例え
ば 2,000 坪の面積、施設面積で何本上げるかというのが生活ですよね。例えば1坪、バラだっ
たらだいたい平均で 300 本ぐらいなんです。それで値段もだいたい仮に話しやすく 100 円とし
て、300 本かけると 100 円で3万円の坪売上がやねと。それで 2,000 坪だからいくらやね。そ
れがもし 400 本切れるんやったら坪4万円やね。という話なんですね。それはま~そういう考
え方もあるでしょう。
でも例えば、今 300 本で 100 円で3万円ですと。そうすると例えば 200 円で 150 本だったら
一緒ですよね。ただ、今現実としていろいろな市況を見ていると、下がることはあっても上が
ることが無いという生産者の感覚があって、やっぱり本数が切れるのが大事やなという意識な
んだと思います。だから生産者と話していると「「なにわ」で出して終わり」とか1本 250 円
でずーっと取引されてきてる方がおられるわけですから。だからそこら辺のバランスをどう考
えるかということなんだと思うんです。
例えば 300 本切れる。片や 150 本半分しか切れないんだといった時に、いやでも「高いと困
るんだよね」と言われると、やっぱり生産者も困っちゃうということがある。面積広げられな
いわけだから。そこら辺のやっぱり経済バランスというのをどう考えていくかというのは、こ
れから大事な問題になると思っています。
というのは、今まではどっちかというと、護送船団方式で「みんなでバラ作りしていこうね」
という時代だったですね。今はもう、多分廃業するか残れるかという状態ですから、今言われ
たような本数だけという感覚ではない部分も、ひょっとして生まれてくるかもしれないし、当
然「せり」よりもネット先取りの方が仕切り単価は高いですから、そういう部分というのがや
っぱり必要になってくると。加味しなければいけない。
もっと端的に言うと、コラムでちょっと書きましたけど、生産者が「いいな」という花と買
参人の方が「いいな」というようなのは全然違うんですよね。そこら辺の感覚というのは、生
産者がもうちょっとこうポリシーアップして欲しいなと。やっぱり末端の意識で品種選びはし
て欲しいな、でも実際はいつもそう。むしろ今の問題はどっちが正しいわけじゃなくて、すれ
違っているだけだと思うんです。
だから連携を取るということは、例えばパチンコと一緒で、高い時もあれば安い時もある。
それよりも、一定の価格での方が生産する経営する方としては有り難いわけですから、そうい
う考え方もこれから出ていると思うんです。むしろそういうところを、生産者と販売店がいろ
いろ折り合って話をしていきますということが出来るようになれば、いろんな方法が見えてく
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るんじゃないかなという気がします。
意外と生産者は、まだまだ切れたから市場に出荷しているのであって、それが欲しくない時
期であっても出荷されちゃうとか。欲しいやつは出て来なくて、欲しくない品種が出荷されて
いるというミスマッチも今ある。そういうことがやっぱり、もっともっと市場さんが仲介にな
って、両者のやっぱり意見を本当にマッチングさせるということは、これからより一層必要に
なってくる時代がもう目の前に来ているというふうに思っています。
あまり生産者とは話をする機会はないですものね。現実としてね。やっぱりそういうところ
が、それから外部化し、私は明日も札幌でお話をするんですけど、やっぱりもっともっと販売
店の方と話をして欲しいというつもりです。それが一番基本だと。
特に最近は、生産者が自分で出荷しても市場に持って来なくなりましたから、顔を合わせて
話すことも無いですね。そういうところも、やっぱいろんな問題が出てきているんだけれども、
そして是非そういうことが出来るような仕組みを市場の方で作っていただきたいと思ってい
ます。
〔参加者〕
いいですか?先生のお考えをちょっとお聞きしたんですけど、今の切り花総生産本数ですね。
と輸入もそこにプラスして今国内で消費されているというか、国内に入り込んでいる年間の切
り花セールスの本数というのは、その生産量というのは、こっち日本の生産量プラス輸入の量
というのは、今の国民の量から言うて量的にはどう思われますか?僕はちょっともう飽和状態
を超えて、僕はかなり溢れ返っている状態じゃないかなという気がすごくするんですけども。
〔アドバイザー〕
私はそうは思っていないです。どうしてかというと「もっともっと輸入したらいい。輸入が
増えたらいい。」と思っています。例えば私の夢ですよ。どんなレストランに行ってどんな喫
茶店に行っても、テーブルに各テーブルごとにバラの花が飾ってあれば、それを日常的に目に
している消費者は、家にも飾りたいなと思うようになる。それは安いスーパーのバラでいい。
「花が毎日どこかに家の中のどこかに飾ってある。」そういう生活をしている人は、必ずお母
さんの誕生日に、あるいは「何々の日にお母さんに花をあげたい」と思う。その贈る花という
のは、スーパーの花は贈りませんよ。それは「もうちょっとええ花を贈りたいな」という世界
が生まれてくる。
じゃぁ今、レストランに行って喫茶店に行ってテーブルに花を飾ってありますか?会社の受
付のところに花を飾ってありますか?応接間に行って花が飾ってありますか?例えば「なに
わ」の社長、フラワーセンターの社長の応接テーブルに花が飾ってありますか?そうやって考
えると、まだまだ安い花でいいんですよ。
〔参加者〕
そこなんです。僕もそこが言いたくて。じゃ~その底辺の各家庭にお花がある生活というの
が、僕たちには、僕はもう 49 歳なんですけど。僕たちでは小学校時代、中学校時代。今で言
う中級層より少し貧困な下町育ちでもレベルの低い家庭にもトイレに花が一輪あったりとか
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ね。玄関にちょっと花があったりとかっていうのもあったんですね。
〔アドバイザー〕
そうですね。
〔参加者〕
でも、今それがもう淘汰されてしまって、今そういう本当に今先生がおっしゃったようにち
ょっとしたところで花が目に付くということが今ない状態なんですよね。それをどうみんなが
意識して掘り起こして行けばいいのかというのが、先生からの提示がないかなと思って。
〔アドバイザー〕
基本的にね。花というのは、段々段々やっぱり経済優先で廃れていくと、やっぱり見切られ
ているものだと思うんです。だけどそのおかげで、私も同じような年代なんで、例えば私の子
どもの頃「吉本ちゃん事件」って覚えています?誘拐されて殺された。あれって何カ月も報道
されていましたよね。今同じようなことでも2週間で切れちゃうんです。それは間違いなく心
がすさんでいるんだと思います。むしろ今の時期だから、こういう状況だからこそ、むしろ花
というのが大事なんです。
例えば、私の子どものころはおふくろが何て言ったか。「もう多分先生のところの机の花が
終わっとるはずや。これ持ってけ!」って、男って花を持って歩くのは嫌なんだよね。でも、
こうやって新聞のチラシに「こうやってこうやって持ってけ!」とか言う。「えー!」って。
こうやって持って学校へ行った覚えあるけど、今の子どもそんなことしないものね。むしろそ
ういう習慣じゃない。そういうことを「いいことなんだ」っていう、そういう変な言い方、キ
ャンペーンなのかもしれないけども、そういうことをすることが大事だし、それをやりさえす
れば、まだまだ花の需要はいくらでも掘り起こせる。
それは底辺の三角形のここが大きくなればなるほど、上はもっと大きくなるんですよ。だか
ら私は輸入反対論者ではないです。どんどん安い花は輸入しちゃえばいい。それが喫茶店や会
社のテーブルやレストランのテーブルにどんどん使われればいい。それがあれば必ず花屋さん
に来るお客さんも必ず出てくる。
その負のサイクルから正のサイクルにいかに持っていくかというのは、これさえやればとい
うことはないです。でも、例えば毎日のテレビのニュースのバックには花があるとか、ドラマ
の一家団らんのところには花があるとか、そういう日常的なインスピレーションをインプット
させるということは大事だと思うんですよ。それをむしろ経済行為というところで疎かにして
きたというところが今の状況を招いているんだと思うし、先程言われた生産者に対するこうい
うような不満というのも同じだと思うんですよ。むしろ一歩一歩、もう今だからこそ一歩一歩
やり始めないと本当にアメリカになっちゃうよという。
私は全然今の花の流通量はフルサイズだとは思っていません。「何もしなくてここまで売れ
ているんだよ。何かすればもっと売れるんだよ。」私はそう思います。
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〔参加者〕
私がよくだから飛躍的な話になっちゃうんですけど、今の先程のそういう皆さん全国の集ま
りであったりとか種苗会社さんの品評会であったりとか、いろいろあるんですけど、そういう
いらん経費を全部花の消費に回せと言うんですけど。
〔アドバイザー〕
いいですね。
〔参加者〕
だから、今の子ども達というものを、今から「そういうお花があるのは、こういう効果があ
るんだよ」というところに、「みんなもっと投貨をしたげたらええのにな」ということを思う
んですけど。
〔アドバイザー〕
私はね。花育に関してはちょっと違う意見を持っていて、データがもうはっきりしていて、
子どもの頃に周りに花があった人は 30 歳になった時に花を買っているんです。じゃあ例えば
皆さんそうだと思うんですけど、子どもの頃にアサガオを育てたりとか何か必ずしているんで
すよね。小学校の教育の中で。でもそれをやったから花好きになっているかってなってないん
ですよ。それは、「一過性の花の体験が花育」というふうに言われているので、私は「違う」
って言っている。そうじゃなくて一番大事なのはお母さんです。お母さんがターゲットです。
あるいは、おばあさんかもしれない。身近に花があったというのは、子どもが体験しているん
じゃないんです。お母さんやおばあさんが身近に花を扱っている、そういう環境にあった子ど
もは、花を好きになる。だから私はどちらかというと、子どもに向けての花育じゃなくて、PTA
のお母さん向けのアレンジメント教室の方がずっと効果的だと思っているし、お母さんと一緒
にガーデニング教室とかそういうことなんだと思います。まあ、結局は一緒なんですけど言っ
ていることは。
やっぱりそういう子どもは、花が周りにあったところで育った子どもは、必ず花を買ってく
れる人になる。それは正しいと思います。それはやっぱり、一歩一歩。
「そんな 20 年先のこと
なんか。俺そんな余裕ねえよ」と言われるかもしれないけど、今それをやらないと 20 年後は
無い。
〔参加者〕
スナックのママが何かよく言うのは、男って花を見ていないようで見ている。だからトイレ
に花を常に飾ってはるスナックが、たまたまその日花が無かったら「今日、花無いの?」と言
いはる。
〔アドバイザー〕
そうですね。
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〔参加者〕
お客さんがね。でも自分が買ってきて飾るとかいう意識はなくても、飾ってあるとやっぱり
みんな見ているというね。そういうことに気を配られているお店というのは、やっぱり今でも
生き残ってはるんですよね。という効果はあるんだなというのが面白いですね。そういう話を
聞いていると。
だから僕は今、花屋業界からみんなでそういうところにもっとお金をだからそういう広告宣
伝費とかそういうものを要らんところにすごく使い過ぎている気がするんで、何とか先生の力
で・・・。
〔アドバイザー〕
「千分の一構想」がぽしゃっちゃったのですごく残念には思っているんですけども、例えば
フラワーバレンタインが今ちょっと動き始めている。まだ首都圏から離れていないのでもう一
踏ん張りして欲しいなとは思っているんですけど、やっぱりそういう動きはやはり少しずつ回
り始めているのかなと思って、私はあまり暗い気持ちにはなってないです。やれるところから
動き始めている。
〔参加者〕
それか毎月花の日をつくるとか。
〔アドバイザー〕
そうですね。
〔参加者〕
何かそういう何かねアレンジをしたほうが。
〔アドバイザー〕
はい、そうですね。
〔参加者〕
あのフラワーバレンタインでは、僕はチョコレート業界をつぶすのは難しいだろうなと思い
ます。
〔アドバイザー〕
そうですね。
〔参加者〕
ありがとうございました。
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〔参加者〕
先生に直接じゃないんですけど、要するに小売は輸入物を安い花ばっかり買うなと。
〔アドバイザー〕
いえいえそれは・・・。
〔参加者〕
あるんですけど、逆に花の卸売市場は、どういうふうに思うてはるのかな?いうのをその辺
をちょっと聞いてみたいと思いまして。
それと先程から言われている、いわゆる花の需要を増すためにその辺でいうと。一つね。つ
い先日のことなんですけど、私びっくりしたんですよ。アレンジ、小さいミニのアレンジを店
に置いてるけれども、「それをテーブルに飾りたい。これ水をやらなあかんの?」って。結構
そんなお客さんが多いんですよ。ちょこちょこと。その辺の要するに花にまぁ我々としては、
切り花とはいえ花に水をやるのは当たり前と。花屋さんの常識というか世間の常識やと思って
いるのが、その世間の常識が世間の常識で無くなっている。そういうふうなところをどういう
ふうに改善していったらいいか。
一つは、昔は花のいわゆる生け花いうものを習うている女性の人がかなりの数おったから、
そういうようなところで教育も出来たんやろうけど、今それがもうどのぐらいになっているか
僕は知らんけど、だいぶつらいと思いますんで、今言う話で、「花に水やらないかんのか?」
と。
「水やらんでも置いとけば、そのままでええんちゃうの?」というふうな人が増えている。
その辺をいかにやると言ったらいいか、どうお考えか、この2点すみません。
〔アドバイザー〕
一つは、鉢物の人にも同じようなことを言っているんですけど、消費者というのは自分が何
か手を加えることで変化してくれるのが喜び。だから、例えば花だったら飾って最後まで開き
きってくれる。これはやっぱり自分が変な言い方だけど育てている。自分が手を掛けたからこ
うなったんだ。やっぱりそういう変化と満足感を欲しがっていると思うんですね。だから、例
えば「水をやってください」というと何かやらなきゃいけない。例えば花もち剤ですよね。
「こ
れを使って毎週足りなくなったペットボトルに入れてちょっとやってみてください。最後まで
開ききってすごくきれいですよ。」と言われたら一生懸命やろうとしますよ。だから、
「やらな
きゃいけない。」と思う言い方ではなくて、「これをやるとこんなふうな花になりますよ。」と
言われたら、多分気持ちよくやれるのかなということもあるような気がします。
現実にどっちかと言ったら、花を飾って水が切れたら花がこうなるのは当たり前だろうと思
うんだけども、まぁそれを「面倒くさい。」と思うか、
「私が手を掛けたから最後まで開いた。
」
と思うか、というのはこれはもう単なるとっかかりの違いなのかなという気もせんでもないで
すね。それで、一回これで開いた後は、絶対に水を切らさないようにするだろうと思うんです。
次回からは。
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やっぱりそういう私は先生なので教育者なので、教育というのはそういうもんだと思ってい
ます常に。と言うのは、学生というのは今日も一人来ていますけど、知らないのが当たり前。
知らないことを恥ずかしいと思うより、むしろどんどん学んでいく面白さ楽しさというのを味
わって欲しい。やっぱりそういう意味だと私は思っています。
「何で知らないんだ?」って「知
らないものは知らないんだ!」っていうことになっちゃうので、「知らないのはいい。それを
知ることによってこんなふうな楽しみが生まれてくる」という、そういう気持ちになっていた
だければ、教育も一緒ですけど、消費者の方もそういう気持ちになっていただければ、花に対
してもう一歩踏み込んで前進できるような気がします。するんですね。
知らないのは、「どうして知らないんだ!」って言われたら学生なんか「だって習ってない
んです」ってこう言っちゃう訳だから、それに乗っかって「高校で習ったはずだろう」みたい
なのを言ってもそれは水掛け論になっちゃうので、むしろ「知ることによって一歩を踏み込め
る」そういう気持ちになることをさせてあげることというのが、私は先生として必要なんだと
自分でずっと思っています。
市場が輸入をどう考えているかというのは、何とも言い難いところはあるんですけれども。
〔参加者〕
それは先生にじゃなく花市場の方にお聞きしたいので。
〔司会者〕
じゃぁ~後ほど聞いていただくか、ここで答えていただくか。そんなこと伝えてくれるわけ
ねぇか?。
〔参加者〕
ノーコメントです。
〔アドバイザー〕
ですよね。そう思います。
〔司会者〕
無理だよね。
〔参加者〕
はい。
〔参加者〕
もう1個いいですか。最近の生産というのは、例えば施設投貨であったりとか新しい技術で、
確かにその生産効率を上げたりとかいうことに対してコストダウンとかをかけ過ぎて、逆にそ
ういうことを追い掛けるためにコストを掛けちゃっている部分というのがすごく多く感じら
30
れるんですよ。だから、そういうものを自分で本当にその生産効率がいいというのは、基本、
昔は露地だったじゃないですか。露地栽培というのが基準にあって、その中で例えば、いいも
のがつくれる技術ができれば僕はすごく技術革新だと思うんですけど、今は逆にすごい施設投
貨をしてお金の生産コストをどんどん掛けることに対して、僕はすごく疑問があるんですけれ
ども、それとそのやっぱり一品目に対する周年ですね。周年栽培というか周年的な部分も昔か
ら僕はちょっと提示を疑問を投げ掛けているところで、先生のおっしゃるその季節感というも
のがどんどん損なわれていくのは、その周年によってそういうことがどんどん損なわれていく
という分があると思うんで、先生はその辺どういうお考えなのかと。
〔アドバイザー〕
そういう周年生産で大量生産に走れば走るほど、海外との競争の渦の中に入ってくるんです
ね。今は、例えばバラで言うと二極分化し始めました。例えば過剰投資って、例えば補光もし
てヒートポンプも入れて、それこそ加湿器も入れて除湿器も入れてって、そこまでというふう
な言い方もあるんですけど、それだからこそ、例えばヒートポンプが入ってなかったらラカン
パネラは作れないんですよ。だから、この品種を作るためにという投資は、過剰ではないと思
います。
ただ、「何でヒートポンプを入れてローテローズを作るんだ!ばか!」っていうのは過剰投
資だと思う。だからそういうのがようやく分かってきて生産者もだいぶ変わってきています。
例えば、季咲きとまでは言わないんですけども、例えば先程紹介した愛知県の三輪さんは、
ほとんど無暖房の切りバラ生産も一部でしている。一部で結構な面積でしています。それはな
ぜかというと、雨よけだからですね。あの5月に木咲きで咲いてくるバラの強さというか力強
さというか華麗さと言ったらいいのかな。それにやっぱり本人も惚れ込んでいるし、それを高
く評価してくれる花屋さんもいるが、捕まっているというか捕まえている。一緒に連携してい
るというふうになると、もうそれは生産コストうんぬんの世界でなくなってきているんですよ
ね。だからそういう人たちも増えてきている。むしろ中途半端な人たちが「みんなもヒートポ
ンプ入れていて、俺も入れなきゃな」とかいう人達が今一番苦しくなっているんじゃないかな
と思っています。むしろ言われるように、何も考えないで「これをしなければいけないんだ」
とかいうふうな方達は、多分退場していく方達なんでしょうね。冷たい言い方かもしれません
けど。私はそれで結構だと思ってます。
投資をするよりも、植物の力を最大限に活用して、それで季節感のあるいい花をという生産
者も着実に増えてきていますので、私はそういう動きは、もう出てきているからというふうに
は感じています。
〔参加者〕
今のお話を聞いていたら、すごくこう要するにエネルギーの効率になるんか知らんけど。実
際のところ花屋さんとは直接関係無いとは思いますが、ただ実際にそのエネルギーを使って花
を栽培するという意味でものすごくコストには影響してくるんですけど、結局今のあれでやっ
たり、いわゆる重油焚くとかそういうようなところかなと思いますけれども、逆にその地熱を
31
利用するとか温泉やらでいわゆる発電の波はどうやこうや言うていろいろありますけど、一般
言うたら地中 20 メートルか 30 メートルぐらい掘ったら地中の温度というのは一定ですやん。
ほなら前にビフォーアフターか何だかやっていたけど、それにファンを付けてその一定の温度
のやつを部屋に回すと部屋が温くくなるとかなどいうふうな、そういうふうなことをやっとっ
たけど、そういうふうないわゆるコストの安いエネルギーを使うようなことって、開発何か考
えられているんですか。
〔アドバイザー〕
オランダはもう始まっています。
〔参加者〕
日本では?
〔アドバイザー〕
日本ではなかなか環境問題とかがあって、すんなりちょっと・・・。でも、着実に動き始め
ています。オランダはもう、今の話の地中深くの地熱を使ったヒートポンプというので、暖房
というのが動き始めていますし、そういう話というのはもう日本でも動いてくるでしょうね。
もうここまで重油がという話で。それはもう。
ただそれをやるにも、結構な設備投資がかかったりするので、今の状態は、生産者すごく苦
しくて設備投資をする一歩が踏み込めない人が結構いるんですけど、技術的にはもうかなりの
レベルまで確立され始めてきていると思います。
〔参加者〕
まぁ~ただ、だから私思うに、その何度かクラスとかちょっとよう分かりませんけれども、
案外とそんなにむちゃくちゃ深くなくても。
〔アドバイザー〕
深くなくていいですよ。
〔参加者〕
50 メートルとかそのぐらいやったらもう、日本なんかボーリングなんかは簡単に技術的に
は簡単なものが提供されているからコスト的にも、ものすごく安く出来るん違うかな。
〔アドバイザー〕
井戸を掘るのにだいたい 50 メートルから 100 メートル。そうすると 600 万円かかるんです
よ。結構井戸を掘るのって金かかって。そういう余裕が無くなってきて、そういう設備投資を
新規にするのが難しくなってきているというのが現状ですけど、まぁ~そうや言いながらハウ
スを2個建てるという人は今でもいるんで、そういう人はそういうのでそういう道を歩んでい
32
くんだろうと思います。技術的にはかなり進んでいます。
〔参加者〕
ただ1本 600 万円ぐらいでできるものやったらね、十分同じ地区で 10 本も掘られて 6,000
万円でしょ。ただし、6,000 万円もかからんで1本 600 万円で 10 本掘ったら1本当たり 300
万円~200 万円位で出来るような気するから、かなり安く出来るん違うかなと今ちょっと今ぱ
っと聞いただけです。
〔アドバイザー〕
そうでしょうね。
〔参加者〕
そうしたらまた熱利用とかいうので、だいぶ目先が変わってきてええもん出来るのと違うか
思って。
〔アドバイザー〕
まさに地熱というのは湿度を上げませんので、熱交換だけですからすごくいい環境が確保で
きるという実証例がオランダであります。本当にそういう話はおいおいもう出てくると思いま
す。
〔参加者〕
生産者の方は、1本なんぼで売れたら「あ~よかった!」というか、
「最低これぐらいで売
れて欲しいな~」とかどんなもんなんですかね。
〔アドバイザー〕
それはやっぱり品種の作り難さとか、そういうのも関係しているので、ちょっとまぁ何と・・・。
〔参加者〕
ざっくりで結構なんですけど。
〔アドバイザー〕
何とも言えんな。
〔参加者〕
それは難しいわ。
〔アドバイザー〕
下手にそんなこと言ったら、
「その金額でいいんだよね。」と言われそうで。例えば、九州の
33
大分のメルヘンローズさんですけど、メルヘンローズさんは、例えば採花の人件費とか収穫調
整の人件費、それから肥料代、それから電気代、施設設備投資の減価償却、それが全部一つの
こうチャートの中に入っていて、「この切り花1本にかかっている原価はいくら」というのを
きちんと計算できる生産者もいますし、そういう生産者は何人もおられます。むしろその人そ
の人によって、やっぱり変わってくる。結局、減価償却で変わりますし、もう 20 年以上作っ
ていれば減価償却はありませんし、その人その人によって金額は変わってくるんじゃないかと
思います。
ただ一概に「80 円だったら OK かい?」っていうふうには言えない部分があると思いますけ
ども、例えば 80 円と言ったときに、高値が 80 円で、それ以下がどんどん出てくるようじゃ~
それは話にならないわけで、80 円と言ったら仮に年間通して 80 円でなくちゃ困るわけだし、
それは人それぞれによって品種によっても違うし、一概に「いくらなんでしょうね?」ってい
うのは、私の口からは言えないですけれども、皆さんは思っています。生産者は一人一人「自
分の生産原価というのはいくらか。それに対して経営として上乗せしなきゃいけないのはいく
らぐらいまで」というのを一人一人持っておられると思いますから、むしろ単刀直入に聞かれ
たらいい。全然失礼な話じゃないです。むしろそれを「高い方がいいよな」という人は、多分
10 年後には退場している人です。そんな丼勘定しかできない人は、10 年後にはもう退場して
います。
〔参加者〕
逆に、今の話のときに先生、小売店はなんぼやったら買う思ってはります?
〔アドバイザー〕
なんぼで売れるかというのもあるでしょうでも。
〔参加者〕
いやいや、そやから自分の店は「このレベルの花やったらなんぼで売るかで、なんぼ以下で
買いたいな」というようになるんです。
〔アドバイザー〕
そうですよね。なりますよね。
〔参加者〕
思うんですけど、多分それって、どこもいわゆるマックスでいろいろな店の平均としてかな
りのところでないんかなと思うんです。
〔アドバイザー〕
でも市場さんの価格ってそういうことなんじゃないですか。
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〔参加者〕
価格は先生、競争があってこそ楽しいので。例えば「うちはプライドでこれを 500 円で売る
ねん」という人もおれば「私は 200 円以上のバラはよう売らん」という人もおるやろうし、僕
は一概に平均単価がなんぼやうんぬんというのは、すごく花屋の業界だとナンセンスな話しや
と思うんであって、僕に言わせると。やっぱり先程おっしゃった、すごくちゃんとイメージ意
識をしていいものを取り組んでいいものを売ってはるんやったら高評価してあげなあかんや
ろうし、その一山なんぼで売っている人のやつ、それはその人らと一緒にするというのはすご
く失礼な話なんで。だから、どこを扱うかというのは、その花屋さん花屋さんのね。僕はそう
思いますんで。だからさっきの1本単価いくらというのはなかなか難しい話やなと思うんです
けれども。先生どうでしょう。
〔アドバイザー〕
平均単価は、市場の平均単価が市場価格じゃないですか?
〔参加者〕
いや、それはあくまでも買ってる値段やから。
〔アドバイザー〕
ああ~。
〔参加者〕
この辺までやったらという、妥当な値段いうのとまた違うかなという。
〔アドバイザー〕
かもしれない。
〔参加者〕
今、木本さんが言われたように、確かにその店その店あるけれど、その地域、地域の特性が
あるから、だからある程度は固定された値段が・・・。
〔参加者〕
僕はだから、付加価値をどう評価するかやなあと、商品に対して。だからご自分の持ってる
付加価値で会社の評価、絶対皆さんバラバラやと思うんで。
〔司会者〕
時間も大変過ぎておりますので、先生も明日もあるということですので、いろいろ質問のあ
る方は、この後また時間の許す限り先生のほうへ直接お伺いしに行っていただきたいと思いま
す。
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本日の勉強会は途中で切る形になったんですけれども、かなり時間も過ぎておりますのでこ
の辺で一応終わらせていただきたいと思います。どうも先生ありがとうございました。
〔アドバイザー〕
ありがとうございました。
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