フランス研修記 2日目

フランス研修記 2日目
今日のスケジュールはローヌのDard et Riboの訪問です。AM7:30パリのホテルを出てムッシュが運転する車で出発!!
賑やかなパリから数時間・・・。瞬く間に周りは一面静かなぶどう畑のみ広がる風景に・・・。
9人乗りの車もいつの間にか後ろからは会話の声が途切れ、みんなすやすやと眠りについている中、ムッシュは眠気を
こらえ、ひたすら運転に没頭!!何時間もの長い道のりをたった一人で運転してくれました。
それはこの旅これから続く全ての移動をムッシュが運転してくれたのです。本当にありがとうございました。
みんな、寝ちゃだめっ!!!
車に揺られて数時間・・・途中のシャロン・シュール・ソーヌにあるレストランで昼食です。外は若干の雨…。
昼食にグルヌイユが食べたくてレストランを探しましたが、見つからず…。
まず立ち寄ったレストランは「Le Bourgogne」。歴史を感じるクラシックなレストランです。
私達は個室のような大きな部屋に案内され、席につきます。
夜に備え、それぞれアラカルトで1品 choix。飲んだワインは '06 Volnay 1er cru Clos des Chênes Grillot et Bitouzet
Filet de chalolais au grille
Filet de charolais aux morilles
Fromage blanc a la crème
アラカルト1品がボリューム満点でお昼から1級畑のワインを味わい、しかもムッシュは運転の為飲めませんでしたが
食事とワイン、至福のひとときを堪能させていただきました。
帰り道にはグルヌイユの看板が・・・ですが、どの店も閉まっていました。さて、目的の地へ改めて出発。
途中には様々なぶどう畑が・・・。
ローヌを代表するミッシェルシャプティエとギガルの畑の前を通り、少し寄り道をして丘の上までムッシュが車で連れていって
くれました。実際の畑はほんとにこんなところで畑仕事ができるのかとびっくりするほど超急斜面。
標高が高く急斜面の山道で道路も狭くドキドキでしたがさすがムッシュ、そんな険しい山道もすらすらと運転。
車が通るのもやっと、畑の中は機械はまず通れない、人の足でも足元が安定しない様な急斜面、こんな危険な場所で
汗水たらして精一杯畑仕事をしている人たちとその一つのワインに込められた思いを痛感し、改めてローヌの素晴らしさ
に心がうたれました。本当に感動をうけたローヌの魅力!!
ミシェルシャプティエ コートロティ
ギガル
コートブロンドの畑↓
丘の頂上 下を見下ろせば足元もすくわれます。今にも落ちそうな急斜面!!
コート・ロティは、特殊とも言える場所にブドウ畑が形成されていました。
ローヌ側の斜面にしがみつくように、目がくらむような急斜面にブドウ畑が広がっているのです。
畑を安定させるために、空積みした石垣で土を囲い込んでいます。
添え木が1本ごとに直立する南の畑とは違い、
コート・ロティのシラーは、2本ごとに逆V字形に固定された、多数の添え木を登っています。
風力発電も行われています。
さて、次は今日の目的のダールエリボを訪問。到着です。
畑の中は見学できませんでしたがたくましい幹が存在感を増し、見ているだけで圧倒されます。
畑は雑草が取り囲みまさに自然そのもの。
大自然の中に畑を構えています。
ダールエリボと言えば、ローヌでは天才醸造家で有名。しかし、マスコミやジャーナリスト嫌いだけあってほとんどの
訪問は拒否、日本ではなかなか情報が少ないですが、彼らの造るワインはその圧倒的な個性に魅了させてしまう
ほど。彼らのワインは本当に理解すればするほど素晴らしいワインなのです。
下がルネジャンダール氏、今日は39度の熱があるにもかかわらず、こころよく私達の為に出向いてくれました。
建物自体100年以上立っていますが、カーヴは思いのほかきれいで清潔感のある空間でした。
↓これは以前1リットル\200くらいでタンクで買っていく人がいるため中古で購入したものだそう。
2011 St-Joseph Blanc
クローズエルミタージュの斜面。還元も終わっていてマロラクティック発酵も終わっている状態。
葡萄をくきが付いている状態で空気の力で、少しづつジュースをしぼりとり、そのジュースの状態がきたなかったら、
デブルバージュ(ジュースを澄ませて)樽に入れて発酵させる。
(これは今はあまりしないようにしている。しないとワインが強くなるからだそう。)
2011ピトロブラン
まだ若干微発泡。9/10収穫。春は暑くて夏は涼しく、9月に熱帯夜があり、それによって葡萄がやけてしまったそうだ。
2011Crozes Hermitage Rouge C'est le printemps
クローズエルミタージュの区画で収穫されたブドウをよりフレッシュですぐ楽しめるようにと特別に醸造したワイン。
プランタン=春に出荷するの意。造り方がほかのワインに比べ短い。ぶどうをすぐ樽に入れて、10日間で醸しを終え、
ジュースを発酵させる。
開放樽とキューブで半々に発酵。
全くSO2は入れない。
今年は役人のOKが出れば、
出荷が多くなる見込みとのこと。
2011 Croses Hermitage Rouge Les Baties
納得いく品質のブドウができた年だけリリースされる、「レ バティ」という区画だけのブドウを使ったワイン。
2011 St Joseph Rouge Pitrou
2011St Joseph Rouge Les Champs
サンジョセフの斜面。マセラシオンカルボニックを(ギガルは30日以上、シャプティエも30日だが)これは15日のみ。
ぶどうのクオリティは変わらない。タンニンを引き出すためだそう。
2011 Hermitage Rouge
骨格が別格。後口にカカオ(エピスの甘い香りが残る)。
ダール エ リボのトップキュヴェ。このエルミタージュの丘は、日照、斜面の向き、勾配などにおいて好条件を備えた畑。
ダールエリボのワインは今は赤は全く酸化防止剤を入れない。白はジュースが汚れていて、デブルヴァージュしてきれい
にする作業の時だけ少し入れる。
さて、この後はジャンダールを招待してMange et Vinでのディナー。日本人の山田恵子さんがお店をきりもりしています。
ワインリストも豊富。
小さなお店ながら満員、ワインリストも素晴らしいアイテムが勢ぞろい。
まるでオザミのワインリストをフランスでみているようでした。
遅い時間だったにもかかわらず店内は皆ワインを楽しんでいました。
Pied de Porc
Ormeau Breton et champignon eringi fenouil èmincé
Crème de Lentilles vertes du put aux escargots œuf mollet
Filet de lieu jaune de ligne sauce curry doux
Carré de cochon duventoux rôtie a ŕos jus carsé
当日飲んだワイン
フランスの地で日本人の女性がシェフをやっているということに感銘致しました。女性ならではの料理が非常に
繊細でまさにその人柄を思わせるような温かくぬくもりのある、それでいて奥に秘めている芯の強さを感じました。
店内もこじんまりしていましたが、お客様で席は満席。フランス人にも人気のレストランだというのがうかがえました。
お料理も全て素晴らしく、ワインもローヌの現地で飲む、しかもさまざまな畑を見学した後のワインは愛着が湧いて、さらに
いっそうおいしく感じられました。ワイン1本一本がどんな思いでこれだけの愛情が込められていて、どんな大変な作業
で造られたのか、それを感じながら飲むワインは格別。早く日本に帰りその思いを伝えたいと思いました。
ルネジャンも熱にかかわらず快くディナーにも来て下さり、本当にありがとうございました。
2日目はこちらのディナーで終了です。
7日間のフランス研修本当に本当にありがとうございました。
本当にこの感謝の気持ちは、一言では簡単に言い表せません。
まだまだ未熟で、研修に行かせてもらえるような立場ではないのにもかかわらず、本当に恐縮しております。
実際フランスの地を踏み、現地の空気に触れ、本場のフランス料理を味わい、さまざまなぶどう畑を見学し、標高、土壌、
気候、生産者の思いや造り方、全てにおいて1本のワインに秘められた思いを5感で感じられたことは本当に貴重な
ことで、今回の旅は、今までの人生の中で本当に最大で最高な体験でした。
フランスに行き、オザミワールドで普段提供している料理、そして豊富なワイン、店内の雰囲気はフランス現地に
負けない、むしろ現地よりも最高のものを提供しているように思えました。
日本にいてもまるでフランスにいるような気分になれる、そして最高の料理と最高のワイン、最高のサーヴィス、
店内の空間が賑やかでお客様が皆楽しんでそのひと時を過ごしている、そんなレストランがオザミではないかと。
今の現状はいろいろな面でさらに上へ上へ目指していけるものはあると思います。
この経験を生かし、お客様にもプラスアルファで料理もワインも楽しんでいただけるように伝えていきたいですし、
スタッフにも伝えていきたいと思います。
いろいろな面でこれよりも最高のものはできないのか、常にそれを追求しながら営業に臨んでいきたいと思います。
本当にいろいろな経験をさせていただき、文章にまとめることが本当に一言では言い表せず、むしろ大まかに
まとめてしまうのが恐縮してしまいますが、5感で感じ取った経験を自分のものにし、人に伝えていけるよう
これから努力したいと思います。
本当にムッシュには感謝しています。今回参加させていただき本当に本当にありがとうございました。
この感謝の気持ちを仕事で返せるように頑張っていきたいと思います。
オザミトーキョー 佐藤