高専便り109号を発行しました

109号
第
平成27年
3月15日
CONTENTS
2 校長からのメッセージ
3 別れの言葉
4 卒業を祝う
・機械コース
・電気コース
・情報コース
・建設コース
8 修了を祝う
・専攻科
9 German Program Report
10 第11回全国高等専門学校デザインコンペティション2014
高専ロボコン2014 四国地区大会出場報告
11 第25回プログラミングコンテスト
四国移動型&自律型ロボットトーナメント2014(SMART2014)
第6回宇宙エレベーターチャレンジ参加報告
12 人権教育便り
第9回蒼阿祭
13 阿南市「人権啓発標語・ポスター及び人権作文」の紹介
第36回四国地区高等専門学校総合文化祭
14 図書館便り
16 各種大会報告
編集後記
発行/阿南工業高等専門学校 徳島県阿南市見能林町青木265 TEL(0884)23ー7100
校長からのメッセージ
メッセージ
地方創生と高専
校 長 吉 田 靖
現在、「地方創生」が国の重要な課題となっており、様々な施策が展開されよ
うしています。これは、少子化傾向が止まらず、このままでは、2040年までに
全体の半分近い自治体が消滅する可能性さえあるという推計がなされていること
などが背景にあります。
こうした状況の中で大学等の高等教育機関が地域の知の拠点として期待されて
おり、県南唯一の高等教育機関である本校にも同様の役割が期待されています。
もともと国立高専は、地方都市に立地する学校が多く、身近な高等教育機関と
しての役割を担っていました。本校でも阿南市との連携協力協定に基づいて、
LEDを活用したまちづくりの研究や、小中学校等への出前講座など様々な連携事
業を行っているほか、牟岐町との連携協力協定に基づいた共同研究など、自治体
との協力を進めるとともに、地域の企業との共同研究も行っています。
また、本校卒業者の進路は、本科卒業者の場合で、概ね75%が就職し、25%が
進学しますが、就職者の30〜40%弱が県内に就職していますので、毎年40名前
後は、県内企業等で活躍することになります。この数字については、いろいろな
評価があると思いますが、地方に所在する高専としては比較的県内就職者の割合
が高いのではないかと思います。
高度成長期に地方から大都市圏への人口移動が続き、昭和40年代の過疎対策を
はじめとして様々な対策がなされてきましたが、必ずしも大きな効果を上げてき
ませんでした。しかし、手をこまぬいて地方の衰退を待つわけにはいきません。
創造性のある実践的な技術者として地域の産業を支える若者を育成するとともに、
研究面にも力を入れ、県南の知の拠点としての役割を果たすことができるよう、
一層の努力をしていきたいと思いますので、皆様方の一層のご支援・ご協力をお
願いいたします。
2
別れの言葉
ホットモット
電気コース 當 宮 辰 美
大学の修士課程修了後、すぐに本校電気工学科助手に着任してからはやもう39年が経過し、今年の
春に退職することになりました。その当時、研究の深さと面白さを感じながら、少し若い学生達と一緒
になって夜遅くまで食べ、飲み、語り、卒研活動していたことが思い起こされます。
阿南高専での勤続期間、学校は時代の変化への対応を繰り返しながら変遷していき、私にとっては学
生諸君と教職員の皆様との多くの出会いと別れがありました。すべて懐かしく思われます。自分の出来
たこと・伝えられたことの少なさを思うと慚愧に念に堪えず、これまで奉職できたのも学生や保護者の
方々、ならびに教職員の皆様の支えによるものと本当に感謝いたしております。
高専は評価の高い教育機関です。諸先輩の先生方・卒業生が築き上げた伝統ある阿南高専で学ぶ皆さ
んは、社会からの多様的かつ厳しいニーズに対応できるよう、若い時期から勉強することと人格を磨く
ことを意識して、学校生活を送ってください。私にはもう戻ることが出来ない青春時代を、ここ阿南高
専で悩みながら、探しながら、思う存分楽しんでください。
私もこれからの残りの人生、気持ちだけは皆さんに負けないよう自分の人生設計を考えて、第二の人
生を歩みたいと願っています。やり終えた安堵感とやりきれなかった少しの未練を残しながら、それで
は皆様、ごきげんよう。また、いつかどこかで再会できることを楽しみにしています。
私を支えてくれたもの
建設コース 湯 城 豊 勝
私は普通の人とは多少違った人生を歩みました。回り道でしたが得るものもた
くさんありました。阿南高専卒業後、母校の助手として6年間勤務した後、開学
されたばかりの長岡技術科学大学に編入学しました。阿南高専土木工学科、また
長岡技術科学大学とも1期生という立場はかなりのプレッシャーにもなりました
が、自分にとっては励みになって精神を支えてくれました。
大学院修了後、再び阿南高専で働かせてもらうことになり合計 39 年、定年を
迎えることができるようになりました。ここでは、教職員はもちろんのこと卒業
生・保護者の皆様からもたくさんのことを学びました。また地域の人たちとの連携も多くできましたが、
気軽にお付き合いをさせてもらうことにより地域や時代のニーズを知ることができました。山に例える
なら、皆さんとともに登っていれば知らない間に眺めの良い所に達していたという感じで私を成長させ
てくれました。私を支え、かつ育ててくれた皆様に感謝です。
私を支えてくれた三つ目は、何の取り柄が無くて
も「無事これ名馬」の如く、ここまで大きな病気を
することがなかった身体でした。若い時から剣道や
居合道、さらには下手な野球もやっていて良かった
です。研究や剣道の先生方からは中途半端な私の人
生に叱咤されたことも多々あり、両方に集中できな
い苦しさもありましたが、総合的にはまあまあだっ
たかなと思っています。
阿南高専での定年は迎えましたが、人生の定年は
まだまだ先と思っています。いつまでも「臨終定年、
生涯修行」の気持ちでいますので、皆様方今後とも
よろしくお願いします。
全国大会3年連続準優勝
3
卒業を祝う
機械コース
5年生の言葉
■機械工学科
1年担任 川崎敏和、谷中俊裕、櫛田雅弘、高山直子
2年担任 田 上 隆 徳 3年担任 西 本 浩 司
4年担任 大 北 裕 司 5年担任 原 野 智 哉
■部 活 動 伊賀雅文
私はこれまで勉強や部活動、コーオプなどに取り組
んできました。その中でも、私が力を入れたことは部
活動です。ソフトテニス部に所属し、仲間とともに切
磋琢磨しました。努力の甲斐あって、高専3年での県
大会団体戦優勝できたことは、今でもいい思い出です。
高学年になってからは、進学のために勉強に力を入れ
てきましたが、あの頃が一番頑張っていたと感じてい
ます。
体育大会 贈る言葉
■学生よ、大志を抱け! 石 橋 衛
ものづくり、ひとづくり
機械コース 主任 多 田 博 夫 機械工学科の諸君、卒業おめでとう。そして、新たな門出を祝福
します。日本に留まらず、世界のものづくりに貢献できる人材に成
長することを願っています。今日のものづくりでは様々なハイテク
マシンやITなどが活躍していますが、実際は人が主役であり、技
術者がものづくりを支えています。
ものづくりには、あなたの成長が必要です。上司や現場、ユーザ
ーからの教えがあなた自身を育てます。まずは教えがいがあると信
頼される社会人となり、多くの教えに真摯に向き合い、そしてあな
た自身を磨いてください。良いものづくりが出来る技術者へと成長
し、そして次世代を担うひとづくりに貢献してください。
Consult with your pillow
「枕と相談」「物は相談」
機械コース 5M担任 原 野 智 哉 ご卒業おめでとうございます。昔からある英語のことわざに「良
い忠告が欲しければ老人に相談せよ」というのがあります。とくに、
携帯電話やインターネット、メールひいてはLI NEが普及してしまい、
人と会って話しや相談することも少なくなりつつあると思います。
しかし、新たなものづくりや改善、新しいものづくりを行うための
基礎・応用研究にあっては壁にぶち当たることが多いのも事実です。
私ももう少しで組立ラインがストップしそうになった失敗経験があ
ります。とくに、新人のうちは失敗しやすいもの。「知る(教えて
もらうの)は一時の恥、知らぬは一生の恥」とも言います。まずは、
何でも聞き知ること、困ったら先輩や上司(先生)に相談すること
を勧めます。意外にものごとうまくが進みます。
私の周りで、高専に来たことを後悔し何かにつけ諦
めてしまう人がいるのを何度も見ました。後輩の皆さ
んにはそういうことがないようにしてください。私は
日々挑戦している人をとても格好良く思います。環境
や人間関係に左右されずに、自分の目標に向かって挑
戦できる人を私は尊敬します。「高専だから」と諦め
るのではなく、「高専だからこそ」できることを試行
錯誤し、悔いのない5年間を送って欲しいと思います。
■今までと今 井 原 史 朗
入学してから今まではあっという間でした。先輩た
ちがそういうことを言うと嘘にしか聞こえなかった頃
が懐かしく思えます。中学校卒業時は希望が大きかっ
たですが、現在はどちらかというと不安が大きいです。
これからは、より理想と現実の間でどうすべきかの判
断を、人生かけて下し続けることになるでしょう。そ
のような決断で成功し続ける自信はありませんが、今
まで学んできたことは決して無駄にはならないはずで
す。
■この5年間 岩 瀬 一 輝
この5年間は部活、蒼阿祭、コーオプでの企業就業
など、多くの貴重な経験を積むことができました。先
輩後輩とよい交流関係をもつことができ、卓球部でよ
かったと思います。蒼阿祭での模擬店や専門展示では、
クラスメイトと協力し合うことで、よい経験を積むこ
とができました。高専5年間で学んだ知識、経験を生
かし、社会に出ても日々頑張っていきたいと思います。
今までお世話になりました。
■高専ならではの5年間 原 田 京 典
高専での5年間は、あっという間でした。工場実習、
工場見学旅行、ねじ商品開発など、高専でしか味わえ
ない貴重な体験ができました。その中でも特に力を注
いだのが、小水力発電プロジェクトでした。ドイツの
アイデア博覧会への出品、蒼阿祭での専門提示といっ
た様々なイベントに参加できました。また、技術者と
しての観点から環境問題を考えることができたのも、
高専ならではの思い出となりました。
■ここでしかできないこと 前 橋 勇 治
高専では、小学校の次に長い、5年を過ごした。学
業もそこそこに、ロボコン、留学生との交流、四国八
十八ヶ所巡りと、学生のうちにやりたいこと、ここで
しかできないことをやってきた。日本人以外の友人も
でき、充実した日々を送ることができた。私は就職し、
春からは社会人となる。しかし、ここでの経験や思い
出は忘れない。忘れられない。多くの経験を与えてく
れた阿南高専へ。5年間、本当にありがとう。
見学旅行(J FE )
4
卒業を祝う
電気コース
5年生の言葉
■電気電子工学科
1年担任 川崎敏和、谷中俊裕、櫛田雅弘、高山直子
2年担任 釜 野 勝 3年担任 釜 野 勝
4年担任 長谷川竜生 5年担任 砂 原 米 彦
■部 活 池内莉紗
一番力を入れたことは部活動のテニスです。最初は
3年生の総体が終わったら引退しようと考えていまし
た。しかし、悔しい結果で終わることが多く、気づけ
ば5年生の最後の高専大会までずっと練習をしていま
した。学年が上がるにつれて、同級生で部活に来る人
が減ってしまい、寂しいと感じたこともありました。
それでも、部員全員で頑張ってきた時間は、楽しいこ
とも悔しいこともいろんなことがありましたが、最高
の思い出です。
蒼阿祭
■支えあい 梯 亮 介
8年間のバスケットボール人生の中で最も苦しく考
えさせられ、それと同時に一番楽しく充実した5年間
でした。私は主将としてチームを率いてきました。前
年までのベスト8から落ち、何をやってもうまくいか
ず悩みました。自分が言っていること、やっているこ
と全てにおいて自信をなくし辞めたいと思うことがあ
りました。そんな時でも支えてくれた仲間、先輩たち、
先生方の存在があったから最後までやり遂げることが
できました。ありがとう。
贈る言葉
挑 戦
■感 謝 幸 内 康 宏
電気コース 主任 中 村 厚 信 ご卒業おめでとうございます。皆さんは今日から自分で決めた道
を進むことになりました。日々のニュースで見るように、世界は今、
激変激動しています。阿南にいたら想像もできないような事件が、
この瞬間にも世界中で発生し、矛盾に満ちて解決困難な課題が次々
と滞積しています。これらの課題を解決できるのは、まさに若い皆
さんであり、そのための指針が「挑戦」です。分かれ道に来たとき、
迷ったときには「挑戦」への道を進んでください。皆さんの実りあ
る未来を信じています。
目標を持って
電気コース 5E担任 砂 原 米 彦 ご卒業おめでとうございます。皆さんはこれから企業等へと旅立
って行きます。企業で働いていると学校のような進級・進学などの
節目がありません。毎日を忙しく過ごしていると、あっという間に
5年、10年が過ぎてしまいま
す。その時に、自分は何をし
ていたのだろうと考えること
になります。どんな小さな目
標でも構いません。目標を持
って毎日をより充実したもの
にしてください。頑張ってく
ださい。
思い返せば高専生活の思い出の多くはバレーボール
である。指導者、先輩、後輩、大会の時には必ず応援
に駆けつけ、練習試合や遠征の時には送迎をしてチー
ムを支え続けてくださった保護者の方、恵まれた環境
のおかげで、5年間切磋琢磨してバレーボールを続け
ることができた。感謝してもしきれない。そう実感す
るほどに周りに支えられた5年間であった。たくさん
のことを学んだ5年間。ありがとう。
■みんなに一言 平 井 智 士
阿南高専では、5年間でたくさんの友達と思い出が
できた。辛かったことよりも楽しいことばかりが思い
出される。みんなでバカをしたり、冗談を言い合った
り、笑顔に溢れることばかりである。これから就職や
進学で、それぞれ異なる道を進むことになる。しかし、
またみんなで集まって、昔話に花を咲かせたい。それ
が私の願いである。5年間、たくさんの思い出をあり
がとう。これからもよろしく。
■5年という時が流れ 三 宅 勇 輝
高専生活が始まった時は、5年間は長いだろうと思
っていましたが、今思い返してみると、あっという間
だったように感じます。努力の甲斐あって、徳島大学
の編入学試験に合格することができたので、これから
も努力を継続させていきます。進学する学科は違いま
すが、電気と制御という二つの学科の知識を習得し、
それらを使いこなせる人材になります。5Eの皆、5
年間ありがとう。それでは、どこかでまた会う日まで。
■助け合い 向 海 斗
昨年度、阿南高専は創立50周年を迎えました。こ
のような節目の年に蒼阿祭の執行委員長を任せられた
ことは、私の誇りとなっています。しかし、それと同
時に50周年だから今までとは違うことを…というプ
レッシャーも感じました。その時に手助けしてもらっ
たのが、先生、執行部のメンバーでした。周りの仲間
の力によって蒼阿祭を大成功させることができました。
社会に出ても、助け合いの心を忘れずに成長していき
たいです。
球技大会
5
卒業を祝う
情報コース
5年生の言葉
■制御情報工学科
1年担任 川崎敏和、谷中俊裕、櫛田雅弘、高山直子
2年担任 藤 井 浩 美 3年担任 安野恵実子
4年担任 岡 本 浩 行 5年担任 吉 田 晋
■さようなら阿南高専 岡田大樹
高専ではこれまでいろいろなことを学んできました。
専門的な教育、一般的な教科、団体行動の大切さ、寮
生活、組織運営など、学んできたことは数えきれませ
ん。私はこの高専に深く感謝の意を示すとともに、未
来へ羽ばたく後輩たちへエールを送り、ここに卒業に
あたっての別れの言葉を紡ぎます。ありがとう阿南高
専。「情報コース」になっても、どんどん学びを深め
てください。お世話になりました阿南高専。さような
ら阿南高専。
神戸花鳥園
贈る言葉
真にイノベーティブでグローバルであるとは
情報コース 主任 杉 野 隆三郎 諸君らは西堀栄三郎という人物を知っているだろうか。この人物
は我々エンジニアリングに関わるものにとって極めて興味深い人生
を送っている。専門は分子化学であり、京大助教授を辞して東京電
気(今の東芝)に転職した技術者であり「冒険家」でもある。京大
の学生時代には物理学者アインシュタインの京都見学に通訳として
同行し、戦時中には材料不足でも素人が製造可能な真空管を開発した。
戦後は、統計的品質管理手法を日本で初めて産業界に導入してデミ
ング賞まで受賞している。また、日本有数の登山家でもあり、当時
まだ国交のないネパール政府と交渉し、ヒマラヤのマナスル山に登
頂に成功している。しかも、第一次南極観測隊隊長として英断のす
え日本初の南極越冬も成し遂げたというすごい人物である。「皆、違
うからいい。異質だからいい」
、「実践こそが一番大事」などという
名語録を数多く残している。
技術者のタマゴである諸君らには社会に出てからも、ぜひ一度彼
の著書を読んで欲しい。西堀栄三郎は、一言でいうと「冒険家」で
あったと思う。南極越冬やマナスル登頂のみならず、広い視野と行
動力を持って戦後日本の技術分野で革新を実行してきた人物でもあ
る。このところグローバルとかイノベーションであるとかいう言葉
が高専教育にも浸透してきているが、西堀のように「自らの興味に
基づく実践的活動」を若者が
展開していかないと、これか
らの日本は大きく飛躍するこ
とはないだろう。
今、高専を卒業していく諸
君らに送る言葉は唯一つ「人
生の冒険家たれ」と。
東京研修
常に成長を意識して
■熱中した部活動 篠 原 大 輝
私が高専時代に力を入れたことは、ロボット研究部
での活動です。毎年10月に開催されるNHKのロボッ
トコンテストに向けて、部員一丸となってロボットを
製作しました。活動を通してうれしかったことは、や
はり自分たちが製作したロボットがアイデア通りに動
いた時です。また、ロボットのコンセプトに関わるよ
うなアイデアや、動作を改善するためのアイデアを自
分たちで考え、実現していくことはとてもやりがいの
あることでした。
■阿南高専で過ごした日々 下 田 誉
阿南高専に入学してからの5年間、いろいろなこと
がありました。入学した時のことがほんの少し前のこ
とであるかのように感じます。阿南高専に入学したば
かりの頃は、勉強もとても難しく感じていましたが、
今では学ぶことがとても楽しく感じます。部活動では、
Lego同好会に所属し、部員の皆とともに活動をして
きました。一番心に残っているのは、総合文化祭の出
し物を皆と協力して作ったことです。阿南高専で過ご
した日々を、私は忘れません。
■思い出と共に 髙曽根遥香
新入生となった4月、不安と期待を抱えてこの学校
に来ました。初めての寮生活では、初日にホームシッ
クで泣いたことを今でも覚えています。この学校で数
え切れないほどの経験と教えを得ました。楽しいこと
も辛いこともすべて、振り返ると思い出になっている
のがとても寂しく感じます。ここで出会えた人に、送
り出してくれた家族に、心から感謝します。本当にあ
りがとうございました。ここからまた一歩、踏み出し
ていきます。
■ありがとう、阿南高専 瀧 本 大 介
情報コース 5S担任 吉 田 晋 卒業おめでとうございます。新しい門出を前に期待と不安に心震
えていることでしょう、進学、就職と進む道はそれぞれ分かれます
が一生勉強ということに変わりはありません。学生の本業が勉強で
あるように、社会人の本業は仕事ですが、社会人となっても仕事の
中で学び勉強し続けてゆくものです。ここで言う勉強は必ずしも教
科書で学ぶのではなく、仕事をしながら、上司や先輩、そして関わ
った全ての人達から多くのことを学んでいくということです。仕事
をし、自分の力で社会の中で生きていくということは簡単なことで
はありません。苦労することも多いと思います、その苦労を乗り越
えていく努力から自らの成
長が実感できるはずです。
新しい門出に贈る言葉とし
て、「常に成長を意識し
て」を贈りたいと思います。
皆さんのこれからの成長と
活躍に期待しています。
京コンピュータ見学
6
4月、大きな夢と希望、そして少しの不安を抱いて
校門をくぐった時から、いくぶんの時間が経った。あ
の時望んだエンジニア像に私は近づけたのだろうか。
答えは否だ。あの時抱いていたビジョンはあまりにも
高く、険しいものであったから。しかし、一歩も進め
なかったわけではない。あの時のビジョンには程遠い
けれど、別の道のエンジニアとして確実に成長できた。
ありがとう、阿南高専。さらば、阿南高専。
■感 謝 福 岡 菜 江
阿南高専で過ごした5年間、私にとってはあっとい
う間でした。その中でたくさんのことを学び、たくさ
んの人に出会いました。特に寮生活では、集会に驚い
て怒られて辛いこともありましたが、毎日協力して過
ごす中で大切な友達ができました。皆と離ればなれに
なるのは、本当に寂しいなーと改めて思います。高専
5年間で得たものを忘れずに、社会人になっても頑張
っていきたいです!
卒業を祝う
建設コース
5年生の言葉
■建設システム工学科
1年担任 川崎敏和、谷中俊裕、櫛田雅弘、高山直子
2年担任 新 井 修 3年担任 吉 村 洋
4年担任 大 田 直 友 5年担任 湯 城 豊 勝
■明正寮での5年間 川 上 千 穂
高専の寮生活に最も力を入れ、十分に楽しんできま
した。入学当初は必死で挨拶をしました。集会で怒ら
れもしましたが、学年が上がるにつれ、その大切さを
知りました。3年からは指導寮生として後輩の指導、
寮の運営に携わりました。指導方針で悩んだこともあ
りましたが、それもよい経験です。仕事を共にした先
輩や後輩に感謝しています。任期が終わってからの寮
生活は、友人たちと楽しい時間を過ごすことができま
した。
球技大会
贈る言葉
前向きに一歩ずつ!
建設コース 主任 笹 田 修 司 卒業を迎えられた皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さん
は、きっと、学校という枠から放たれた開放感と新しい生活に向け
ての期待と不安と入り交じった複雑な心境ではないかと思います。
これからが、今まで以上に自分自身の意志と力で歩んで行く長い人
生の本番です。これから様々な事が起こるでしょう。自らの責任を
問われることや判断を求められることも多くなります。時には自分
を見失い迷い悩むこともあると思います。焦ることはありません。
頑張って卒業したではありませんか。一歩ずつ前向きに着実に歩め
ば良いのです。新しい社会でのご活躍を期待しています。
■人生はこれから 澤 田 竜 士
入学当初は5年間が長いと思っていましたが、今で
はあっという間に過ぎた気がします。その5年間の中
で先生方や友達に出会い、楽しい日々を過ごせたと思
います。高専でできた友達にはこれからもお世話にな
ると思いますが、今の友達がいるからこそ、ここまで
頑張ることができました。そんな友達ともお別れの時
期が近づいて来ています。それぞれの道で大変なこと
があると思います。人生これからなのでお互いに頑張
りましょう。
■剣道部後輩へ 西 岡 昌 哉
ワークとは
建設コース 5C担任 湯 城 豊 勝 高専卒業後進学する学生もいますが、遅かれ早かれ皆さんは仕事
をするようになります。人生は仕事の中から学ぶことが多いですが、
仕事(ワーク)をする上で大事なコツは何と思いますか。私が考え
るワークのコツは、ヘッドワーク、ハンドワーク、フットワーク、
ネットワーク、チームワークを上手につかうことと思います。また
仕事の目的は、食べるた
めのライス(米)ワーク、
好きになるためのライク
ワーク、生涯をかけるラ
イフワーク、世のため人
のために光を与えるライ
トワークと思います。卒
業する皆さん、「傍(は
た)を楽」にさせるよう
しっかり「働く」ことを
心掛けましょう。
まず、在学中にお世話になりました先生方、先輩を
はじめとする大勢の皆様、保護者に感謝申し上げます。
おかげ様で卒業いたします。そして、剣道部の後輩へ。
「皆と出会えたことは高専生活において最大の幸運だ
と感じています。そして、皆が成長したこと、今後も
成長していくことは僕の誇りであり、一番の自慢でも
あります。これからも、皆が目指しているものに向か
って、不撓不屈の一心で頑張ってください。活躍を期
待しています。」
■2年長くて、それでも短い。 二 宮 渉
高専生活をした5学年。しかし私にとっては7年で
す。いろいろありましたが、あっという間のことに感
じます。私は4年生の時に入院し、結果として2年遅
れました。復学して間もなく同級生の多くが卒業し、
短い間に周りの環境が大きく変わりました。しかし、
学校生活の楽しさは変わりませんでした。勉強のほか
にも大切なものを、先生から、仲間から、たくさん学
ぶことができたと実感しています。ありがとう!
■「外」へ目を向ける 秦 健 二
現場見学
高専時代には、とりわけ外に意識を向けるよう心が
けました。徳島は地方都市であり、阿南高専はその中
でも田舎に所在します。田舎だから経験できること、
学べることはたくさんありますが、田舎にいるとその
場の常識に偏ってしまう可能性があると考えました。
内にあるルールや常識は、外に出れば通用しないこと
が多くあると思っています。外と内との活動が相互に
作用して、多くのことを学ぶことができました。
■さよなら、阿南高専 米 川 直 希
これまで幾度となく一般教科、専門科目の試験を受
けてきました。決して楽しいことばかりではなかった
けれど、大変であればあるほど、周りの人に支えられ
ていたんだということを痛感します。これまで試験勉
強などを教えてくれた友達や、わからないこと、質問
などに丁寧に応えてくださった先生方に、とても感謝
しています。阿南工業高等専門学校で学べたことをと
ても嬉しく思います。本当にありがとうございました。
町並み見学
7
修了を祝う
専攻科
2年生の言葉(構造設計工学専攻)
■おもしろき こともなき世を おもしろく 2MC 柿 内 涼 太
とても面白い7年間でした。変える必要がない程に。嬉しかった記憶、
楽しかった思い出、後悔の念いろいろな心情が体中を駆け巡っています。
ところでメダカという生き物は、天敵がいないとすぐに絶滅してしまうそ
うです。外的要因がないと子孫繁栄を怠るのでしょう。人間も同じです。
ある程度の負荷をかけないと新しい経験が付加されません。僕にとって阿
南高専は居心地の良い環境となってしまいました。だから修了することに
します。というわけで、教職員の方々、クラスメートのみんなありがとう
ございました。将来、恩を返しにきます。
■時 間
贈る言葉
誇りと自信をもって活躍を
専攻科長 西 野 精 一 専攻科修了おめでとうございます。専攻科では長期
間のインターンシップ、海外留学、特別研究とその成
果の学会発表、そして多くの自学自習課題等、忙しい
2年間を過ごしたことと思います。皆さんは、専門知
識と課題解決能力、コミュニケーション能力等のエン
ジニアの基礎を身につけ、本校の学習・教育達成目標
を達成しました。
今後は、JABEEプログラムの修了生としての誇
りを持ち、企業や大学でさらに自己研鑽を積み、プロ
のエンジニアとして活躍し、日本の発展に貢献してく
れることを期待しています。
2MC 酒 井 圭 祐
阿南高専に入学してから今日に至るまで、7年という歳月が渓流のよう
に流れ過ぎました。この過ぎた時間の中で、私は学業に次いで通学に時間
を割いていたと思います。私は1日に4時間を通学に費やしており、通学
する日が1年間で180日だとすると、7年間で約5000時間が通学時間と
なります。その内2/3は通学のみに時間を使用したと考えられ、日数に
直すと約140日間となります。この時間が無駄だったのかそうじゃないの
かは、修了後における私の人生が決めると思います。あの時間が無駄じゃ
なかったと思えるような人生を歩みたいです。
■チャレンジ2ネンセイ
2MC 中 河 哲 郎
7年間の高専生活において私は、決して模範的な生徒では無かったと思
います。しかしながら私がここまで辿りつけたのは、偏に良き友人達や教
職員の方々に恵まれたからです。そんな周囲の方々から、私は様々なこと
を教わりました。特に、物事に取り組む際の姿勢の中から大切なことを3
つ選ぶならば、素直になること、真面目に取り組むこと、そして何度挫け
ても諦めないということです。
この3つのことにもっと早くから気付いていれば…と思った時はたくさ
んありました。だからこそ、教えて頂いたことを胸に抱きつつ、これから
も私は様々なことにチャレンジしていきたいです。
2年生の言葉(電気・制御システム工学専攻)
人生 楽ありゃ 苦もあるさ
2MC担任 吉 村 洋 2MCの皆さん、専攻科の修了、誠におめでとうご
ざいます。高専本科・専攻科の7年間の学生生活、長
かったように感じたかもしれませんが、とても充実し
たものであったと思います。この7年間は人生のごく
一部であり、皆さんは、まだまだこれからが大切です。
就職・進学とそれぞれの道に進まれ、さらに周囲から
も大人扱いされ、期限内に自ら考えて答えを出してい
かなければなりません。楽しいことや苦しいこと、た
くさんの経験をすることになります。その経験こそが
人生です。これまで一緒に学んできた友人を大切にし、
周りの人などに相談しながら、楽しい経験、苦しい経
験を味わって下さい。2MC修了の皆さんが、それぞ
れのところで益々の活躍することを期待しております。
Stay hungry, Stay foolish.
2ES担任 中 村 雄 一 2ESの皆さん、専攻科修了おめでとうございます。
皆さんは本科・専攻科とも本校で学びました。合計7
年間の勉学・研究活動はいかがでしたか?少し疲れ
た?いやいや、皆さんはこれからが本当の創造的活動
の時期を迎えるはずです。きっと、もっと勉強したい、
もっと研究したいと思っていることでしょう。創造的
に生きていくための精神を表わした有名な言葉があり
ます。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の
卒業式のスピーチで述べた、
“Stay hungry, Stay foolish.
−ハングリーであれ。愚か者であれ。”です。常に新
しい知識を欲し、新しいことに挑戦する精神を持ち続
けてください。
■前向きな失敗をしよう
2ES 高 橋 瑛 希
私は専攻科に進学してから、ドイツでの留学を通して日常会話程度の英
会話ならできるようになりました。第3種電気主任技術者試験(電験3
種)に合格しました。第一志望の企業に内定をもらいました。これだけ聞
くとただの自慢話に聞こえるかもしれません。しかし、上に書いているよ
うな成果を得られたのは、前向きな失敗を積み重ねたからこそだと私は思
っています。ドイツに留学してまもない頃に、現地の留学生の英語を聞き
取れず、自分の口からは何も言えずという日々が続きました。だから、毎
晩英会話の練習をしました。電験3種を合格するのに、三年の年月を費や
しました。不合格の度にあきらめの気持ちが表れましたが、粘り強く頑張
りました。第一志望の企業を受けるまでに、何社も面接や試験に向かいま
した。大学生と競い合うことが大きな刺激になりました。失敗というもの
は、その時は良い気持ちではありません。しかし、何事も全力で取り組め
ば、その失敗は良い経験になります。阿南高専の後輩達へ、前向きな失敗
を積み重ねましょう。自分が成し遂げたい目標に向かう前に、様々な事に
挑戦しましょう。阿南高専に7年在学していた先輩より。
■LEGO同好会
2ES 香 川 真 人
私は阿南高専に7年間通った。小学校よりも長い高専生活で私はLEG
O同好会で活動し続けた。本科2年の時には先輩がいなくなりどうしてい
いのかわからず四苦八苦した覚えがある。その活動の一つに S M A R T と
呼ばれる大会があり7年連続出場を果たした。専攻科1年の時は特別賞を、
2年の時には最多出場賞を受賞することが出来た。
毎年もっと機構に工夫を加えておけば、プログラムをもっと正確にして
おけばと後悔ばかり残った。特に練習でうまく動作しておきながら本番で
動作しなかった時はその思いが一層強く残った。私は大学院に進学する。
これらの経験を生かして後悔をしなくて済むように常に全力で臨みたい。
また、専攻科での生活や大会を通じて学んだ技術や考え方を残る後輩た
ちにしっかりと伝え、自分たちの夢であり、出来なかった大会での優勝と
いう夢を後輩に任せたい。いつか後輩たちの栄誉を聞くことを楽しみに待
っておきます。
最後になりましたが、7年間ご迷惑をおかけした先生方、友人、家族に
感謝します。ありがとうございました。
8
German Program Report
FUJITA Daichi (1ES)
2015.9.1 2015.11.28
TOYOSAKI Kazuki (1MC)
Fujii Daichi had stayed at Ostfalia
University Germany for 3 months.
The internship expanded his horizon.
He was surprised to see different
students from several countries.
During the school in Germany, he
was asked to make a decision
quickly, clearly and properly, so he became more alert in
making judgments. German cuisine was cheap and
delicious. Fujii was shocked when he had to pay for
using the toilets, water and tips. “In my opinion, I prefer
to live a life in Japan; but without this cultural exchange
opportunity, I would have not realized it.”
Toyosaki Kazuki thought that the
cultural exchange was a valuable
lesson that helped him mature
mentally. Kazuki was able to compare
strengths and weaknesses in studies
and culture between Japan and other countries. Kazuki
said it was embarrassing to know that he was poor in
world history and has less knowledge about other cultures.
He thought “communication in English will lead to
motivation to learn English.”
TADA Masaru (1ES)
NIIMI Yoshio (1ES)
Ostfalia University of Applied Sciences
attracts many international students
from all over the world; such as
Europe, Mexico, Russia, Kazakhstan
etc. Ostfalia University has won the
Robocup Competition almost every
year. “I have three reasons why I
applied for the Anan Kosen German
Internship Program. First, I wanted to be exposed to different
cultures in order to understand them directly. Second, I
wanted to improve my English communication skills. Third,
I wanted to know how Ostfalia prepared for the conditions
that let them win the Robcup again and again, etc. Actually,
I was on a Robcup team while I was in Germany. I
engaged in programming and assembling a robot. I gave a
presentation introducing Anan Kosen and LED.”
Niimi Yoshio really enjoyed the
international cultural exchange in
Germany. “I had learned about
many cultures. At the same time,
many people outside of Japan are
very interested in Japanese culture
and customs, such as: taking off
shoes, animation, Samurai, etc. We discussed and
became friends through my stories about Japan.
However, my stories were not clear because of my poor
English. I will try hard to improve my English abilities, so
I can tell people about Japan more in detail. In my
opinion, communication skills, including speaking
English, is one of the most important skills.”
INOUE Hidefumi (1ES)
KAWAKAMI Renya (1ES)
It was a valuable lesson in Inoue
Hidefumi’s life. “In my research, we
were able to detect the small
particles using a dust sensor. The
research’s devices were also
different compared to Japan. The
measurement was focused on
small particles, so I wanted to
continue the research at Anan Kosen on my own.”
At Osnabrück University, the teachers would not give
support unless we asked for help, and it was different from
Japanese school. “I had learned that in Germany, as the
member of a group, an employee has to be aggressive to
confront various problems and deal with them by oneself
before asking for help from others. The internship was a
very good experience for my future as an engineer.”
Kawakami Renya said that he was able
to broaden his experience during his
internship at Osnabrueck University.
First, it was possible to touch the real
culture, people, and day-to-day life of
German school. It was so lively and
could not be compared with what he
had already known from the internet,
novels or the news. Second, through this cultural exchange, he
was thinking about the advantages and disadvantages found in
Japan compared to other countries. “For example, Germany
has a firm separation between work and vacation, the thing
called 24-hour does not exist as far as I know. On Sunday all of
the shops are closed.” Third, Kawakami also thinks it necessary
to revise the passive attitude among young Japanese. The first
step is English conversation abilities, which will statisfy the
minimal needs for each student at Anan Kosen.
YOSHIZAKI Shin (1MC)
MAEDA Yuta (1ES)
“I had stayed at Osnabrueck University
of Applied Sciences during my
internship in Germany. The school
is known for material engineering
which I major in. In addition, they
have a connection with my dream
company-Volkswagen. In my lab, I
worked together with Malaysian,
Indian and Brazilian students. I attended ‘High Temperature’
and ‘Light Alloy’ lectures, The lectures were delivered in
English, and they were fascinating and stimulating. I had
learned many technical terms in these lectures. I hope
Anan Kosen will introduce English lectures for
engineering students. It will prepare a great foundation
for a global engineer in the future.
Maeda Yuta said that the results
obtained from exchanging cultural
experiences were valuable knowledge
and skills for his future improvement.
He had learned the differences in
culture and ideas from country to
country. In addition, Maeda got
involved in a variety of historical
backgrounds, and he was aware that his knowledge to
outside Japan was limited. “I was very ashamed of
myself because I was not too much impressed by my
own country; but I was so interested in German culture
and people. The German always have to think ahead of
things, as the Japanese always prepare for
completeness.” This trip was unforgettable for me.
9
第11回 全国高等専門学校デザインコンペティション2014
建設コース 笹
機械コース 多
田修司
田博夫
11月8日㈯〜9日㈰に「第11回全国高等専門学校デザインコンペティション2014 in やつしろ」の本選競技が熊本県八代市の八
代総合体育館に於いて開催されました。今回は「よりそう」をメインテーマに空間デザイン部門、構造デザイン部門、環境デザ
イン部門に、第7回3次元デジタル設計造形コンテストの同時開催として、同部門を加えた4部門として行われました。本校から
は、構造デザイン部門と3次元デジタル設計造形コンテスト部門に参加しました。
構造デザイン部門(指導教員:笹田・森山)の課題「エネルギータワーコンテスト」は、風力発電機を設置する高さ80cmの木
製タワーで、組み立ての速さ、軽さ、耐風・耐震性能、プレゼンテーションの競技に全国32高専60作品が参加しました。本校か
ら参加した作品『がいな塔』(5C宮本君、3C武市君・柴原君)の作品は総合32位、作品『井の中の風車』(5C丸山君・南さん、
3C増金さん・中島さん)は総合40位の成績でした。今までの競技内容とは異なる難しい課題でしたが、よく健闘しました。
3元次デジタル設計造形コンテスト部門(指導教員:多
田)の課題「フライング・プレーン」には全35作品が参加
し、3Dプリンタで造形したプレーンや台車を用いて、プ
レーンの飛行距離や滞空時間、プレゼンテーションの競技
が行われました。本校から参加した作品『ANAなん』(4
M折野さん、3M蛭子さん・谷さん、2E吉野さん)は、総
合2位の成績を収め、優秀賞をいただきました。作品の出
来が素晴らしかったことはもちろんのこと、ポスター評価
は満点であり、審査評価でも高評価を得ました。
来年度は和歌山高専が主管校となり、2015年11月14日・
15日開催の予定です。今後とも、ご声援・ご支援のほどよ
ろしくお願いします。最後になりましたが、お世話いただ
いた熊本高専関係者各位、御協力いただいた本校教職員関
係者ならびに後援会の皆様に御礼申し上げます。
[3D]参加学生と作品
[構造]耐風競技「がいな塔」
[構造]耐震試験「井の中の風車」
高専ロボコン2014 四国地区大会出場報告
[3D]競技の様子
機械コース 川
畑成之
本年度、高専ロボコン四国地区大会は2014年11月2日、弓削商船高専第1体育館で開催されました。本年度高専ロボコンのテ
ーマは「出前迅速」。そばの配達を模した競技で、3分間の競技時間中に配達できたセイロの枚数を競う競技です。コースの途中
にはスラロームゾーン、角材凸凹ゾーン、スロープゾーンがあり、セイロを落とすことなく運ぶ技術が求められます。
本校から出場した2チームを紹介します。
B
ʙĜʸ
ロボット名「 ZC-R (ゼットシー・アール)」
C
ʙĜʸ
タヌキをテーマに
製作したロボットで、
4つの切欠きを持つ
独創的な車輪で角材
をまたぎながらスム
ースに走行すること
ができます。
ロボット名「 Transnail (トランスネイル)」
カタツムリをモ
チーフとするロボ
ットで、カタツム
リが頭をもたげて
進むさまを再現し、
4本のサブクロー
ラを巧みに操りな
がらすべての障害
をスムースにクリ
アします。
大会では両チーム1回戦を勝利し、上位進出をうかがいましたが惜しくも2回戦で敗退。残念ながら両チームとも全国大会出場
とはなりませんでした。作り上げたロボットの性能を十分に発揮することができず、悔しさの残る大会となりました。今回の経験
を活かし、本校チームは今後もオンリーワンのロボットによる勝利を目指して挑戦を続けてまいります。皆様からの変わらぬご支
援をいただきますようお願い申し上げます。
10
第25回 プログラミングコンテスト
情報コース 吉
第25回プログラミングコンテストは、10月18日・19日、岩手県一関市(一関高専主管)
で開催されました。自由部門応募作品「ポケレジ」が予選通過し全国出場しました。「ポ
ケレジ」は消費税が8%の税込価格や買い物総額計算してくれる買い物支援スマホアプリ
です。スマホのカメラ機能で価格を読み取り消費税計算する機能と、片手で使える操作性
がアピール点です。5S瀧本君、鈴江君がアイデア出し、3S高橋君、樫福君、多富君、森
君がプログラム開発、4S居石君がプロジェクト推進とみんなで協力して夏休み返上で開
発しました。本選では、瀧本君が堂々としたプレゼンを、チーム全員でデモ審査やマニュ
アル審査をがんばりました。敢闘賞に終わりましたが、ブースを訪れた方の評価は良く、
参加した学生は手応えと充実感を得たようでした。
競技部門のテーマは1枚の原画像からマス目に切り分けられた断片画像をバラバラに並
べた問題画像を、元の画像に並べ替えるパズルをプログラミングで解くものでした。本校
チームは、前年のリベンジに燃える5S東手君が元画像復元プログラムを、4S里谷君が元
画像に並べ替えるプログラムを開発しました。複数のアルゴリズムを切り替えられるよう
に対応して本選に臨みました。本選では、1回戦を突破し、準決勝では、最後の最後で次
点となり決勝進出はなりませんでしたが、近年では一番決勝に近い成果でした。来年度も
続けてチャレンジしていきたいと思います。今後とも変わらない皆様からのご声援・ご協
力よろしくお願いします。
自由部門展示ブース
競技部門
四国移動型&自律型ロボットトーナメント2014(SMART2014)
第14回目となる「四国移動型&自律型ロボットトーナメント2014(SMA
RT2014)」(当番校:香川高等専門学校)が、12月21日㈰に香川高等専
門学校高松キャンパスにて開催されました。大会には、中国・四国地区の高
専生から大学生、大学院生まで総勢27チーム81名の参加がありました。
今年の競技課題は「Challenge the bingo!(チャレンジ ザ ビンゴ)」。
2分間の競技時間内に自陣フィールドに配置された9つの350ml飲料缶の上
にピンポン球を置いて縦横斜めのラインにビンゴを成立させる対戦型競技で
す。実際の競技はグループに分かれる予選リーグと各グループの上位が進出
できる決勝トーナメントで構成されています。
本校から出場した各チームは予選通過を目指し健闘しましたが、惜しくも
その願いを叶えることはできませんでした。しかし、この度、設けられた
『最多出場賞』(本大会に通算7回以上出場した選手に贈られる)を香川真
人君が受賞しました。
今回は思うような動きができず決勝進出とはなりませんでしたが、来年は
決勝進出を目標にさらに頑張って欲しいと思います。なお、来年度は本校が
当番校となりますので、引き続きご支援、ご声援の程、よろしくお願い申し
上げます。
「 ハ イ ド ラ 」※
「 ド ラ グ ー ン 」※
「ますかねっと」
「アジャイル」
「IT Monster」
田 晋
情報コース 安野恵実子
最多出場賞香川君
(右)
ドラグーン対戦の様子
武市伊織(3S) 樫野元晴(1-3) 櫻田雄一(1-3)
阿部廉太朗(3C) 佐藤圭太(3S) 坂野陽一(1-1)
岡田美那(3E) 小霜晶子(3E) 増金沙織(3C)
里谷佳紀(4S) 中野政利(4S) 井内正誠(4S)
香川真人(2ES) 黒田一平(2ES) 藤川明広(2ES)
※はLego同好会所属
ますかねっと調整中
第6回 宇宙エレベーターチャレンジ参加報告
機械コース 川
去る2014年8月6日〜10日、静岡県富士宮市の富士裾野を舞台に第6回宇宙エレベーターチャレン
ジ(主催:一般社団法人日本宇宙エレベーター協会)が開催されました。本競技会は、高高度に係留さ
れたバルーンを目標にベルトやロープ(テザー)を伝って昇降するクライマーと呼ばれる機体の性能を
評価する競技会です。ますます現実味を帯びてきた宇宙エレベーターの実用化を目指した技術開発のた
めの世界最高レベルの競技会となっています。本校は唯一の高専チームとして2011年の第3回大会よ
り継続して参加しており、今大会は海外からの参戦もあるなど国際色豊かな大会となりました。
本競技会では世界記録となる高度1300mで競技会を実施しました。本年度は特別研究として取り組む
専攻科生に加え、機械工学科・制御情報工学科有志学生によるチームを結成し大会に臨みました。大学
生・大学院生・社会人らとの交流を図りながら、調整作業や試験走行に取り組みました。その結果50m
程度の試験昇降には成功し、独自のブレーキ機構の確認など実施しましたが、残念ながら試験走行上位
チームのみ参加できる1000mチャレンジへの出場はかないませんでした。しかしながら本大会で得た貴
重な経験を今後の学生生活に活かしてくれるものと期待しています。本大会は来年度より会場を海外に
移す計画となっており、本校チームの参加については困難な状況ですが、今後も何らかの形で宇宙エレ
ベーター開発への挑戦と貢献を続けてまいります。皆様からのご支援賜りますようお願い申し上げます。
11
畑成之
人権教育便り
情報コース 福 見 淳 二
本校の人権教育
技術者
本校の学習・教育目標に含まれる「異文化の理解」や「技術者としての責任
倫理
や倫理観」の達成のためには、「人権教育」の基盤の形成が必要不可欠です。
また、自然環境に配慮する科学技術や、人権に配慮した情報技術の開発と活用
大学人権
など新産業分野における技術的貢献にも人権感覚が不可欠と考えています。
そこで昨年度より阿南高専の人権教育を刷新し、今後は「大学人権を基軸」
として取り組んでいきます。具体的には、中学・高校人権と大学人権との融合
中学・高校人権
によって、実践的技術者に必須の技術者倫理への接続を行っていきます。
低学年では各教科学習における包含的な人権教育に加え、L H Rにおいても人
阿南高専の目指す人権教育モデル図
権学習を実施しています。専攻科では「技術者倫理」の授業等で、具体的な事
例を通じて倫理的問題を考え、将来技術者として社会に貢献していく上で必要な工学的倫理観の育成を行っています。
また国際的な人権感覚を養うため、国際交流室が核となり海外の大学等に学生を派遣するとともに、海外からの留
学生の受け入れを積極的に行っています。海外連携先にはアメリカ、ドイツ、ベトナム、タイなど様々な文化圏があ
ります。これらの取り組みは、相互の文化に触れ尊重し会う良い機会として、国際的な人権感覚を養うことに貢献し
ています。このように、阿南高専のカリキュラムに沿った人権教育の構築と実施を今後も進めていきます。
൦Ǖ‫ޑ‬
ഓ!!‫!!چ‬੥
第9回蒼阿祭を終えて
執行委員長 建設システム工学科4年 三 木 和 真 阿南高専の毎年恒例の行事となりました蒼阿祭ですが、今年度で
第9回目を迎えることができました。昨年度の蒼阿祭は、阿南高専
創立50周年の節目の年での開催ということもあり、例年にない盛り
上がりを見せました。今年度はそれを超える蒼阿祭を目指して、執
行委員一同、準備に励んできました。
今年度の蒼阿祭の大きなイベントの一つとして「もち投げ」があ
りました。今年初めて開催するイベントだったので不安もありまし
たが、多くの方にお越しいただき、今まで見たことのないくらいの
大盛況となりました。準備・運営ともに非常に大変なイベントでし
たが、参加してくださった方から、お褒めの言葉をいただくことも
でき、非常に嬉しく感じております。
その他にも、学生自身が今まで阿南高専で学んできたことを存分
に発揮した各コースの専門展示や、各クラス・部活動などによる模
擬店、茶道部や演劇部などの文化部による展示や公演などの様々な
イベントもありましたが、どれも大盛況でした。また、昨年度に引
き続き、阿南中学校吹奏楽部の皆様やアイドル
のゆきなさんにも蒼阿祭を盛り上げていただき
ました。
最後になりましたが、蒼阿祭にご来場くださ
った方々や、蒼阿祭を盛り上げる為に頑張って
くださった学生やゲストの皆様、準備・運営の
手助けをしてくださった先生方や学生課の方々
には、深く感謝しております。本当にありがと
うございました。
写真部
ロボコン
もち投げ
12
人権教育便り
阿南市「人権啓発標語・ポスター及び人権作文」の紹介
毎年本校では、人権教育の一環として阿南市の人権啓発標語・ポスター及び人権作文へ学年単位で取り組
み、人権意識の涵養を行っています。本年度は人権作文の部で2S荒井さんが特選に輝くなど数多くの作品
が入選しました。以下に、今年度の本校「特選」および「入選」作品の受賞者(敬称略)を紹介します。
ポスター【入選】
1-2 丸山あすか
人権啓発標語【入選】
1-1 冨士原千夏
1-2
原千尋
なくしたい いじめする人 される人 3E 岡 田 美 那
1-1 地 道 愛 心
1-3 舛 田 冴
なくそういじめ あなたの意識で 救われる!! 3E 里 川 竜 太
1-2 大倉ありす
1-3 中 島 由 貴
ひとことの 言葉で救える その命 3E 新 田 純 也
1-2 平田茉安里
1-4 仲 西 葵
いじめはみじめ。やめて広がる友達の輪。 3S 川 人 俊 二
人権作文
【特選】「母の存在」 2S 荒井寿美麗
【入選】「呼ぶこと、呼ばれること」 2E 竹 田 菜 未
「何を変えるのか」 2M 髙 井 龍 馬
「それぞれの選択」 2C ⻆ 亜矢香
൦47‫ ޑ‬હਡණࣾ਒ຑಮᄑߔ৫!
つながる家族 つながる友達 つながる世界 つながる心
3S 後 藤 輝 成
考えよう 自分の言動 相手の気持ち 3S 川 上 千 夏
ひとりにするな泣いてる子。ふたりにするないじめっ子。
3C 永 久 晴 海
気づいてよ。私の気持ち。笑顔の中で泣く心。 3C 妹 尾 和 真
思いやりないツイートは、あなたもあの子も傷つける。
3C 中 野 恭 平
഍ਗဦ‫ݛ‬੥
12月13日㈯、14日㈰の2日間、阿南高専・阿南市市民会館・
スタジオアレンジの3会場において、本校主催により第36回四
国地区高等専門学校総合文化祭を開催しました。
今年は『君に魅せたい』をテーマに掲げ、四国5高専6キャ
ンパスの文化系クラブ活動を披露する場として34部門が参加し
ました。
日頃の努力の成果を競い合い発表するもので、約1200名の
学生が高専間の交流を行い、連帯感を深めました。また、一般
来場された市民の皆さまにも、高専生の存在をアピールするこ
とができました。
電気コース 小 松 実
開会式には岩浅阿南市長にも参列していただき、高専生らし
く英語によるアナウンスや生演奏を演出に取り入れ、『もっと
見て、もっと魅せる、熱い想で取り組み、実りある総合文化
祭』の目標どおり、学生主体による文化祭運営など、例年とは
ひと味違う斬新な総合文化祭を、成功裏に終了することができ
ました。
写真部門では竹林竜さん(4M)が優秀賞、書道部門では山
上祐美(5E)さんが優秀賞、吹奏楽部門では優良賞を獲得し
ました。
吹奏楽合同演奏
書道展示
開会式
茶道実演
13
図書館便り
読書感想文優秀作品紹介
変化に染まりながら
機械工学科2年 小 原 涼 香
生涯、変化の連続だ。いつか、名ばかりを知る芸能人がテレ
ビで世を去ると報じられ、家の外では冬の風が暖かくなり始め
ていた。そして春には泣く泣く友に別れを告げ、母校を巣立つ
者たちを見た。何はともあれ、散りゆく桜と共に新たな自分と
成りゆく。それが彼らの末路なのだろう。
時に私は、自ずと変化し続ける木々や花や空を羨ましく感じ
ることがあった。迷いや恐れなどとはこの上なく無縁で、己が
朽ちるなどまるで厭わない、みたいな。人の死も友との別れも
当然で儚い。季節の廻りも然りだ。人は変化に思い悩む。では
自然はどうだろう。木々は。花は。空は。かつてはそんなこと、
考えもしなかった。しかし、この本を介してその世界へのレン
ズを覗いたときである。本当は自然だって私と同じなのでは―
―――。そんな疑問が私の胸を曇らせたのだ。主人公のフレデ
ィ、彼が葉っぱだったから。
「葉っぱのフレディ」との出会いは中学三年生の頃で、彼と
私の仲立ちをしたのは塾の英語の先生。
「単純な絵本のようだけれど、年を重ねるにつれていろんな解
釈ができるのよ。」
そうおっしゃった先生に渡された英文を訳しながら、ただ変わ
り果て、死を迎える葉の虚しい姿だけが印象的であったのを覚
えている。
生きる努力
フレディはいつも素直だった。新しいことを知る喜び、厳し
い現実を受け入れる過酷さ、その全てに感情を訴えかけた。今
となって、その感性が私のものと似通うことに気付く。同時に、
変化が時に喜びをもたらすことにも。彼は考え方も、見た目も
変わっていったが、いつだってその度に一喜一憂して、それを
受け入れていた。なんて強いのだろうと、私は愕然とする。そ
して、どうも釈然としない気持ちが頭のどこかで積もってゆく。
私はフレディが羨ましかったのだろうか。いや、そうじゃない。
きっと悲しい変化を認めることを、心の片隅で無慈悲だとか、
薄情だと捉える自分がいた。だから、変化を乗り越えていくフ
レディの輝きが私の脆弱さを引き立てていたのが、ショックだ
ったのだ。
明日も変わらずテレビでは悲しいニュースが流れ、町のどこ
かでは別れの声があげる。しかし同じように新しい命が生まれ、
誰かの人生を変えてしまうような出会いが必ずある。その移り
変わりは奇跡みたいなもので、儚い。だから大事にしなければ
ならないのだと切に思う。何かのために味わう苦しみも何かの
ために噛みしめる喜びも。それを受け入れることが、私を強く
するのだから。
●書 名:葉っぱのフレディ
●著者名:レオ・バスカーリア ●出版社:童話屋
制御情報工学科2年 荒 井 寿美麗
私は去年の12月に16回目の誕生日を迎えた。自分が今もな
お、苦しまずに生活をおくれているのは、背後でいつも両親が
支えてくれているからだ。そういうところも含めて、秋雪君と
私との間には、いくつかの共通点がある。
秋雪君は、重い心臓病とダウン症を持って生まれてきた。主
治医には1歳の誕生日を迎えるのは難しいだろうと言われたそ
うだ。しかし彼は、苦しい思いをしながらも6歳まで精一杯生
き続けた。このことを知って私は考えた。人の幸せとは何か。
それは、今現在を楽しく元気に過ごせることだ。私が生まれて
くる時は、主治医に私がもし生まれても母子共に死んでしまう
かもしれないと言われる程の難産だったようだ。そんな中でも、
母親は無理をして、私をこの世界に導いてくれた。私の場合は
重い心臓病とへその緒が首に絡まって麻痺していたそうだ。そ
して、生きられても3歳までという厳しい条件を告げられた。
結果的に、私はまだ生きている。障害も持っていない。そこが、
私と秋雪君の違いである。この話は、私が小学校6年生の時に
親から聞いた。その時期はちょうど受験前ということでストレ
スが溜まって常にイライラしていた。また、友達付き合いも上
手くいかず親にひたすら反抗していた。その時に、1度だけ禁
句を言ってしまったことがある。それは、「私なんて生まれて
肝心なことは見えない
こなかったらよかったのに。」という台詞だ。言った瞬間、か
なり後悔した。不幸中の幸い、その言葉を聞いていたのは父親
だった。もし、母親の前でそんなことを言ってしまっていたら
と思うと冷や汗が出る。それから、父親にはこっぴどく叱られ
た。どんな苦労をしたかも知らないで、二度とそんなことを言
うなと。また、死にたくなるのは誰もが通る道だと教えてくれ
た。あの時の父親の顔はいつもより深く見えた。
私の名前は「寿美麗」である。この名前は父親がつけてくれ
た。これも親から聞いた話だが、すみれの花というのは実は雑
草らしい。しかし、たとえ踏み潰されても靴のかかとに香りを
残す植物だそうだ。そんな強い人になってもらいたいという思
いが私の名前にこもっている。そんな地味な植物に、凄く派手
な漢字をあてたものだから、名前負けしているようで少し辛い。
実際、していると言い切れるだろう。しかし、まだ私は咲いて
いない。小さな蕾である。これから、沢山の経験を積んで、一
輪の綺麗な花を咲かそう。いつか、名前を越えられるような素
敵な花を。
●書 名:たったひとつのたからもの ●著者名:加藤浩美 ●出版社:文藝春秋
建設システム工学科2年 関 本 風 花
子供の頃は見えていた。わかっていた。大事なものを。
でも、大人になるたびに見えなくなっていく。
この本にでてくる王子さまは7つの惑星を旅する。大人とい
うのは変わっていると思いながら。
人間は誰だってそうだ。あんな大人にはならないとか言うけ
ど、気づかぬうちにあんな大人になっていくんだ。忙しいフリ
してるだけなんじゃないの。寂しさをごまかすように。大人っ
ていうのは。
王子さまの星に咲いていた1本のバラは、王子様にとって大
切なバラだったんだけど、そのバラはどこにでもある普通のバ
ラだった。王子さまはすごく悲しむんだ。一生懸命愛したバラ
が実はどこにでもあるバラだったなんてって。でもキツネと出
会い、知った。
「あの花はぼくにとって、世界でただ1つの花になった」と。
これは王子さまが「無駄にした時間の分だけ、大切なものにな
る」ということを忘れていたから。王子さまがバラのために費
やした分だけ、バラは王子さまにとって大事なバラになる。た
14
とえそのバラがどこにでもある花だとしても。
たった1つの庭で私が5000本のバラを育てても、それでも
王子さまが探しているものは見つけられない。みんなが探して
いるものはたった1本のバラやほんの少しの水の中に見つかる
のに。それすら見えなくなっていく。肝心なことは目では見え
ない。いちばん大事なものは目には映らない。心で探さないと
いけない。
あ、そうか。私も忘れていた。初めから大切なものなんてな
い。絆とか愛とか最初からあるものじゃない。時間をかけ寄り
添うようにして一緒にいることで初めて見えてくる。そのため
には忍耐がいるけど。
すぐ近くに大切なものはあるのに見えないときだってある。
コンタクトをとった瞬間のぼやける風景のように。
大切なもの、ちゃんと見えていますか。
●書 名:星の王子さま ●著者名:アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ ●出版社:集英社
図書館からの推薦図書 平成26年度の新着図書から紹介します。
『書き出し「世界文学全集」』
『世界の夢の図書館』
柴 田 元 幸 編・訳 図書館と聞くとどのような図書館を想像し
ますか?本書を開くと、想像以上の図書館が
世界にはあるということに驚かされます。
ハリーポッターの舞台になった図書館など、
世界遺産から現代建築まで、ヨーロッパ、ア
メリカ、アジア、アフリカ、オセアニアから
厳選された37館が紹介されています。
世界中の図書館を旅した気分になれる一冊
*閲覧室:010.2||Se22
です。
タイトルは知っているけれど、読んだこと
のない作品は意外と多くあると思います。読
んでみようと思いつつも手を出しにくい文学
作品の冒頭部分が、本書では柴田元幸の新訳
で73作品読むことができます。
本書を読んで続きの気になる作品に出会え
たら、ぜひ手にとって読んでみてはいかがで
しょうか。 *閲覧室:904||Sh18
図書館利用統計〔平成26年度4月~12月期〕
◎図書貸出ランキング(上位10冊)
順位
回数
書 名
1
73
TOE IC テ ス ト 新 公 式 問 題 集 V ol .5
2
69
TOE IC テ ス ト 新 公 式 問 題 集 V ol .4
3
35
TOE IC テ ス ト 新 公 式 問 題 集 V ol .3
4
33
TOE IC テ ス ト 新 公 式 問 題 集 V ol .1
5
6
26
20
◎クラス別年間利用状況
貸出者数
(人)
700
電気機器 1
8
19
工業英検4級クリア
18
新編高専の数学3問題集
9
18
工業英検4級問題集
図書館からの
お知らせ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
9
400
350
500
大学・高専生のための解法演習
微分積分 1
20
貸出冊数
(冊)
600
新編高専の数学2問題集
6
貸出冊数 貸出者数
0
50
1 1 1 12222333344445555専 専
年 年 年 年MESCMESCMESCMESC攻 攻
1234
科科
組組組組
12
クラス
年年
0
開館時間 ・ 平 日 9時∼19時 (ただし休業期間中は9時〜17時)
・ 土曜日 11時∼17時 (日・祝日は休館)
★図書館は保護者の方、一般の方もご利用になれます。
・貸出を希望される場合は、運転免許証など身分を証明できるものをご持参ください。
貸出冊数 5冊まで(長期休業期間中は10冊) 貸出期間 14日間
館内資料の文献複写(著作権法の範囲内での有料複写)や、DVD・ビ
デオコーナーもご利用いただけます。
詳しくは図書館までお問い合わせください。
TEL 0884­23­7106 E-mail [email protected]
★ホームページにて、蔵書検索や利用案内、図書館開館カレンダーなどご利用いただけます。 URL http://www.anan-nct.ac.jp/library/
図書館では、
みなさんのリクエストを受け付けています。
読みたい本や、
授業や研究で使う本などがありましたら、図書閲覧室入口の投書箱へ投函してください。
15
各種大会報告
日 付 団体・個人
部 門
賞
クラス
第16回四国高等学校新人陸上競技選手権大会
H26.10.26 個 人 男子個人 3000mSC
第1位 2 C
徳島県高等学校弓道選抜大会
H26.11.2 団 体 男子団体
準優勝
個 人 女子個人
優 勝 1-3
徳島陸上競技カーニバル
H26.11.1 個 人 一般男子 やり投げ(大会新、高校新) 第1位 3 M
徳島県高等学校ソフトテニス新人大会
H26.11.1 団 体 男子団体
第3位
全国高等学校選抜ソフトテニス大会徳島県予選
H26.11.29 団 体 男子団体
第3位
第36回四国地区高等専門学校総合文化祭
H26.12.14 団 体 吹奏楽部門
吹
優良賞
個 人 絵画の部
佳 作 2 E
個 人
佳 作 3 M
個 人 写真の部
優秀賞 4 M
個 人
佳 作 2 E
個 人 書道の部
優秀賞 5 E
個 人
佳 作 4 E
個 人
佳 作 4 S
個 人 英語スピーチコンテスト 暗唱の部 第3位 1-4
個 人 英語スピーチコンテスト 自由弁論の部 第2位 4 E
個 人
第3位 5 C
個 人
第5位 3 S
阿南市人権啓発標語・ポスター及び人権作文
H26.12.14 個 人 人権啓発標語
入 選 3 E
個 人 人権啓発標語
入 選 3 E
個 人 人権啓発標語
入 選 3 E
個 人 人権啓発標語
入 選 3 S
個 人 人権啓発標語
入 選 3 S
個 人 人権啓発標語
入 選 3 S
個 人 人権啓発標語
入 選 3 C
個 人 人権啓発標語
入 選 3 C
個 人 人権啓発標語
入 選 3 C
個 人 人権作文
特 選 2 S
個 人 人権作文
入 選 2 E
個 人 人権作文
入 選 2 M
個 人 人権作文
入 選 2 C
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-1
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-1
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-2
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-2
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-2
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-2
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-3
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-3
個 人 人権啓発ポスター
入 選 1-4
2014徳島県冬季ジュニアテニストーナメント大会
H26.12.23 個 人 U17 男子シングルス
第3位 2 E
個 人 U17 男子シングルス
準優勝 1-3
日 付 団体・個人
部 門
賞
クラス
氏 名
平成26年度阿南市体育祭
H26.9.15 個 人 硬式テニス 高校生女子 準優勝 1-2 吉 原 千 尋
個 人 硬式テニス 高校生女子 第3位 2 M 新 田 莉 乃
個 人 硬式テニス 高校生男子オープンクラス 優 勝 2 E 村 口 巧
個 人 硬式テニス 高校生男子オープンクラス 準優勝 1-4 大 西 友 樹
個 人 硬式テニス 高校生男子オープンクラス 第3位 2 M 小 島 悠 人
個 人 硬式テニス 高校生男子オープンクラス 第3位 2 E 加賀谷 匠
H26.9.21 団 体 卓球 男子団体
優 勝 阿 南 高 専 A
団 体 卓球 男子団体
第3位 阿 南 高 専 B
第1位 2 E 池 下 大 翔
H26.9.23 個 人 弓道 個人男子
個 人 弓道 個人男子
第3位 2 S 仁 木 大 雅
団 体 弓道 団体
優 勝 阿 南 高 専 A
団 体 弓道 団体
準優勝 阿 南 高 専 B
第37回全国高等専門学校テニス選手権大会
第3位 2 E 村 口 巧
H26.8.29 団 体 硬式テニス 団体戦
団 体 硬式テニス 団体戦
第3位 5 E 北 人
団 体 硬式テニス 団体戦
第3位 5 M 本 田 誉 浩
団 体 硬式テニス 団体戦
第3位 3 M 奥 荘 介
団 体 硬式テニス 団体戦
第3位 3 E 古 川 敦 史
団 体 硬式テニス 団体戦
第3位 3 M 新 見 悟
個 人 硬式テニス 個人戦
第1位 4 M 吉 積 沙 瑛
個 人 硬式テニス 個人戦
第1位 5 E 池 内 莉 紗
平成26年度徳島県高等学校全国選抜テニス県予選大会
第3位 2 E 村 口 巧
H26.9.27 団 体 硬式テニス 男子団体
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 1-3 溝 渕 貴 大
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 2 M 小 島 悠 人
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 2 S 下 川 敦 也
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 2 E 加賀谷 匠
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 1-2 藤 本 優 輔
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 1-4 芝 井 尚 輝
団 体 硬式テニス 男子団体
第3位 2 M 山 田 祐 輝
徳島県高等学校新人テニス大会
第3位 2 M 新 田 莉 乃
H26.10.4 団 体 女子団体 4人制
1-2 吉 原 千 尋
2S 木内理香
2M 大 塚 生 采
平成26年度第30回阿南市会長杯バドミントン大会
H26.10.12 団 体 男子団体一部 阿南高専A 第3位 3 E 近 藤 祐 太
3 E 播岡航平
3 E 上坂淳平
3M 折 口 賢 吾
H26.10.12 団 体 男子団体一部 阿南高専B 第3位 4 M 高 島 直 輝
3M 仲 尾 光 貴
3M 大 岡 達 也
4M 吉 岡 迅
H26.10.12 団 体 男子団体二部 阿南高専C 第3位 2 M 髙 井 龍 馬
2M 井 形 友 蔵
2M 池 上 克 哉
1-1 岩 瀬 滉 平
H26.10.12 団 体 女子団体二部 阿南高専F 準優勝 2 E 竹 田 菜 未
3M 長 尾 茉 侑
1-1 岡 田 萌 香
1-2 野 村 知 里
H26.10.12 団 体 女子団体二部 阿南高専E 第3位 2 C 畠 山 美 咲
2 S 荒井寿美麗
2M 中 林 優 芽
2 C 沖本麻由奈
2M 藤 本 芽
第8回全徳島弓道大会
H26.10.18 団 体 男子団体
第3位
個 人 男子個人
優 勝 2 E 池 下 大 翔
編 集
後 記
氏 名
大平祐生
折野未歩
麻植一輝
奏 楽 部
櫛田佳那
尾崎志帆
竹林 竜
早瀬拓深
山上祐美
鴻上朝香
椿野詠美
大戸璃玖
井上雅貴
秦 健二
四宮将士
岡田美那
里川竜太
新田純也
川人俊二
後藤輝成
川上千夏
永久晴海
妹尾和真
中野恭平
荒井寿美麗
竹田菜未
髙井龍馬
⻆ 亜矢香
冨士原千夏
地道愛心
大倉ありす
平田茉安里
丸山あすか
原千尋
舛田 冴
中島由貴
仲西 葵
村口 巧
溝渕貴大
高専便り第109号をお送りします。
今号は、卒業・修了特集号です。
4月からは新たな1年がスタートし
ますが、よい1年をお過ごしください。
平成26年度
広報情報室高専便り編集委員
川 畑 成 之(機械コース) 山田耕太郎(一般教養)
松 浦 史 法(機械コース) 一ノ瀬元喜(情報コース)
平 山 基(一般教養)
阿南工業高等専門学校 総務課 総務広報係 電話(0884)
23-7100
徳島県阿南市見能林町青木265 E-mail : [email protected]
〒774−0017
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