特定の木本植物の発芽・初期の生育に適した簡易吹付法枠緑化基盤 ソイルクリート 1. 技術の概要 「ソイルクリート」は、吹付モルタルによるのり枠工と枠内植生基材吹付工との併用工法であ る。緑化基礎工となる吹付のり枠によりのり面を小区画化し、この区画内に良質な生育基盤材を 吹付け、植物の生育に適した基盤を形成する。したがって、特定の木本植物を成立させるために、 特に木本植物の発芽・初期の生育を容易にする基盤材料を枠内に吹付けて適応することができ、 生育基盤材の流亡が少ないため、目標とする植物群落を確実に形成することができる。 また、基盤材料は有機質繊維・有機堆肥・保水基材からなる生育基盤材を使用するため、森林 表土に近い保水性・透水性、および養分を有している。 2. 技術の特徴 (1)緑化特性 緑化基盤は、従来の急速緑化工法に比べて、特定の木本植物の発芽・初期の生育に、より適 した基盤の特性を有している。 (2)耐侵食性 緑化基盤は、生育基盤として十分な耐侵食性を有している。 (3)環境に対する安全性 使用する緑化基盤からの有害物質の溶出量、および有害物質の含有量は法令等で定められる 環境基準を満足している。 (4)経済性 材料費で比較すると、従来の急速緑化工法に比べて、同程度である。 3. 審査証明の結果 (1)発生本数試験によって、特定の木本植物の発芽・初期の生育に適した基盤であることが確 認された。また、三相分布試験・pH 試験・土壌硬度試験・肥効試験・水分保持力試験・透水 性試験によって、緑化基盤としての特性を有していることが確認された。 (2)耐侵食性試験によって、100mm/hr の人工降雨による流失土量は吹付厚さの 1mm 程度に相当 する土量にとどまり、植生基材吹付とほぼ同等の生育基盤であることが確認された。 (3)環境安全性試験によって、緑化基盤からの有害物質の溶出量は、平成 3 年環境庁告示第 46 号「土壌の汚染に係る環境基準について」(改正:平成 22 年環境省告示第 46 号)(水田のみ に適用される銅を除く)および平成 14 年環境省令第 29 号「土壌汚染対策法施行規則」(改正: 平成 23 年環境省令第 13 号)の示す環境基準値以下であり、かつ有害物質の含有量は「土壌 汚染対策施策施行規則」の示す基準値以下であることが確認された。 (4)材料費で比較すると、従来の急速緑化工法と同程度であることが確認された。 4. 技術の範囲 法面緑化用の生育基盤材として、 「ソイルクリート」を使用する範囲とする。 5. 施工状況および出来形 施工状況および出来形全景を下記に示す。 写真 1 施工状況 写真 2 出来形全景 6. 施工実績 実績表を下記に示す。 主要実績一覧 施工年月 施 主 件 名 施工面積 H.18.10 久米南町 平成18年度地方特定道路整備事業 余角畝南線法面保護工事 600㎡ H.19.3 岡山県美作県民局 6-2復旧治山事業真賀(真賀) 地区山腹・渓間工事 1200㎡ H.19.12 岡山県美作県民局 7-2災害関連緊急治山事業(現年災) 真庭市見尾(コフシ畑)地区山腹工事 900㎡ H.19.12 中部森林管理局南信森林管理署 瀬戸沢復旧治山工事 H.19.12 栃木県日光治山事務所 平成19年度山地治山施設事業 保安林管理道開設緑化工工事 2600㎡ H.20.3 国土交通省関東地方整備局 湯西川ダム建設事務所 打越工区付替県道工事 200㎡ H.20.6 三好市 林道日和茶坂瀬線災害復旧工事 900㎡ H.21.3 国土交通省中国地方整備局 福山河川国道事務所 尾道・松江自動車道小童法面工事 2600㎡ H.21.3 岡山県美作県民局 15-2予防治山事業樫西(山生) 地区山腹工工事 2900㎡ H.21.3 岡山県美作県民局 5-7-3公共道路工事 5200㎡ H.21.3 国土交通省中国地方整備局 三次河川国道事務所 尾道・松江自動車道山手地区 法面工事 400㎡ H.22.4 岡山県備中県民局 1-2-2水源流域広域保全事業 神郷油野(大谷)地区山腹工事 1000㎡ H.23.10 関東森林管理局中越森林管理署 朝日地区地すべり防止工事 5200㎡ H.23.10 国土交通省中国地方整備局 岡山国道事務所 太田防災太田トンネル工事 600㎡ H.23.12 富山県新川農林振興センター 奥地保安林「笹川」山腹工事 1200㎡ H.24.1 青森県西北地域県民局 第5560号岩崎西目屋弘前線 災害防除工事 2100㎡ H.24.3 岡山県美作県民局 作西線3工区森林基幹道法面工事 600㎡ H.24.7 兵庫県光都農林水産振興事務所 船越2工事(治山激甚災害対策 特別緊急事業) 2200㎡ H.24.12 青森県西北地域県民局 平成23年度県営森林管理道 黒崎大間越線開設工事 200㎡ H.25.2 神奈川県湘南地域県政総合 センター 平成24年度日向林道改良工事 500㎡ 7900㎡ 7. 技術保有会社および連絡先 日本植生株式会社 設計部 〒708-8652 岡山県津山市高尾 573-1 TEL 0868-28-0255 8. FAX 0868-28-4850 審査証明実施機関 一般財団法人 土木研究センター 9. 審査証明年月日 平成 15 年 10 月 16 日 平成 20 年 10 月 16 日 内容変更・更新 平成 25 年 10 月 16 日 更新
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