ささえる Power 力 伝え る 「ささえる力 Power」 は、情熱と誇りをもって働く 「人」 に スポットをあて水資源機構の仕事を紹介するコーナーです。 ようこそ、日吉ダムへ! 総貯水量6, 600万トンを誇り、治水・利水に活躍する多 目的ダムとしては近畿地方最大の日吉ダム。風光明媚な嵐 山の上流に位置し、京都市など周辺都市部からアクセスし やすいことから多くの人が訪れる。平成5年に、「地域に 開かれたダム」第1号として指定され、周辺にはレジャー 施設やリラクゼーション施設などが整備されており、人々 の憩いの場となっている。全国有数の利用者が訪れるダム の広報担当管理職として、ダムのPRや見学者の案内など の業務に奔走する小宮所長代理に話を伺った。 日吉ダム管理所 所長代理 小宮 礼行 Komiya Hiroyuki 平成2年4月水資源開発公団(現水資源機構)入社。事務職として、本社、浦 山ダム建設所、千葉用水総合事業所で主に経理業務に携わる。平成23年4月よ り現職。 日吉ダムの魅力 周辺施設と合わせ、年間約 54 万人が訪れる日吉ダム。 ダムと一体となった公園整備がなされており、美しい芝 生が広がるダム下流広場、 天然温泉や地元特産品コーナー を備えた『道の駅スプリングスひよし』 、 郷土資料館やキャ ンプ場などを備えた『府民の森ひよし』など見所は多い。 春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が湖面に映え、ダム湖 と自然が織りなす四季折々の景色を楽しむことができる。 「ダムと言えば、街から離れた山奥にあり、どこか遠 いイメージがありますが、日吉ダムは気軽に来ること ができ、間近にダムを 見て 、触る ことができます。 」 ダム堤体には、日本初のダム堤体内部を見学できる 施設『インフォギャラリー』があり、水源地の恵み、 ダムの歴史や働きについて学ぶことができる。 「インフォギャラリーは、ダムの堤体内部を歩くこと 日吉ダムは、京都府南丹市、桂川 中流部に位置する平成10年に完成 した多目的ダム。洪水調節、河川の 流水の正常な機能の維持、そして京 都 府・大阪広域水道企業団等に水 道用水を供給している。総貯水量は あま わか こ 6, 600万トン。貯水池は天若湖。 14・水とともに 水がささえる豊かな社会 ができ、他のダムでは見られない常用洪水吐ゲートま で見学することができます。ここの温度は年間を通し て約 20℃と涼しいので、夏におすすめです。スプリン グスひよしや芝生広場にお越しの際には、ここまで足 を運んでいただきたいですね。」 地元でとれた新鮮野菜がならぶスプリングスひよし の夜の漆黒の湖面に幻想的な風景が映し出される。 「ダムの果たす役割も伝えたい。実は、去年は非常に雨 の多い年で、日吉ダムでも管理開始以来最多となる5回 の防災操作を行い、下流の洪水被害を軽減しました。こ のようなダムの活躍も知ってほしい。 」 普段から大雨による洪水や水質事故への備えも怠らな い。いざというときにスムーズに対応できるよう洪水対 応演習や水質事故対応訓練にも取り組んでいる。 日吉ダムカレー 日吉ダムマラソン 地域と連携したPR ダム周辺では、マラソン大会や花火大会など年間を通 して様々なイベントが催されており、日吉ダム管理所で もダム見学会などを開催している。イベントの企画・実 施にあたっては、地元関係機関や地域の人々との調整、 連携が欠かせないという。 「地元のおまつりに合わせて、ダムの一般公開やダム探 検ツアーを実施しています。多くの人にお越しいただく ためには、地域の方々の協力が欠かせません。広報にお いて大切なことは、地域のことを知り、地域の方の思い を理解したうえで、情報を発信することだと思います。 」 また、訪れる人々が安全・安心に楽しめるよう、毎年5月 の連 休前と秋の行楽シーズン前の9月に、地元関係機 関と合同で、公園やダム湖周辺の安全点検を行っている。 伝えたいこと 爽やかな笑顔で見学者を案内する小宮。ダムに訪れる 人に必ず伝えたいことがあるという。 「日吉ダムを造るために、201 世帯の方々に移転をして いただいています。見学者をご案内するときには、 この方々 の協力があったからこそ、下流のみなさんが恩恵を受けて いるということを必ず伝えるようにしています。このこと は、伝えなくてはならない大切なことだと思っています。 」 日吉ダムでは、天若湖アートプロジェクト実行委員会 が中心となり、ダム湖に沈んだかつての集落の家々のあ かりを湖面に灯す『天若湖アートプロジェクト∼あかり がつなぐ記憶∼』が、毎年8月に実施されており、真夏 スプリングスパーク(ダム下流広場) 愛される日吉ダムへ∼地域の活性化∼ 日吉ダムでは、季刊紙「南丹(にゃんたん)さんぽ」 の発行やブログの発信を行っており、周辺地域のPRに も力を入れている。 「ダムだけでなく周辺地域の様々な季節の情報を、ブロ グなどでもっと積極的に発信していこうと思っています。 ダムに来てくださいと言っても、それだけでは一般の人 に来てもらうことはなかなか難しいと思うので、まずは この南丹地域に興味を持って来てもらい、その中で日吉 ダムにも寄っていただいて、少しでもダムや水源地のこ とを知っていただきたい。そうすることで、地域の活性 化につながればと思っています。 」 なんたん 「ぜひ、水と緑の豊かな南丹地域、そして日吉ダムに来 てください。私がご案内します。 」 頼もしげな笑顔で小宮は言った。 はじめて広報業務に携わり、 最初は戸惑うことも多かったと 話す小宮。単身赴任中である彼 に休日の過ごし方を聞くと、 「趣 味の盆栽を手入れしているとき が一番楽しいですね。 」 と、少し 恥ずかしそうに笑った。 ささえる力 Power・15
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