エキナシア - 新しいページ 1

≪エキナシア≫
●人体の免疫システムに作用するエキナシアについて
<歴史的背景>
エキナセアは最も使用されている一般名をパープルコーンフラワーと言い、9種類
があります。一般的に流通している代表種は、Echinacea
Echinacea palilida,
Echinacea
Angustifolia,
purpurea, の3種類です。
このハーブが医療用メディカルハーブとして認知されたのは近年に入ってからで、
まだ歴史の浅いハーブと言えます、エキナセア(Echinacea)と言う名前が付けられた
のでさえ、1974年の事です。
と言うのもこのハーブは、北米の限られた地域にしか点在して原生しておらず、人
知れずひっそりと生息してきたからです、従ってこのハーブの薬効を始めに利用した
のはネイティブアメリカン達でした。部族の中で、シャーマンと呼ばれる医師と牧師
を兼ね備えた役柄の彼等は、同時に偉大な自然科学者でもありました。数多くの薬草
を体系づけ、中でもこのエキナセアを他のハーブとは区別してあがめていました。
1600年頃の遺跡からこのハーブを使用していたことが明らかになっています。
初めて白人で彼等の伝承医学と言える知識を分け与えられたのは、ドイツ人の医師
H.C.F.Meyer で、1870 年代の事です。
その後 Meyer は、ネイティブから学んだ薬学を基にエキナセアを使用した独自の処
方で特許を取得し“
Meyer の血液浄化剤”
として販売を始めました。そしてこの万能
薬は徐々に一般に認知され始めてきたのです。
やがてエキナセアは医学界に大きな論争を巻き起こしました。米国医学協会は、こ
のハーブを認める事なくまやかしであると決めつけました、と言うのも、始めの
Meyer のパフォーマンスがあまりにも現実離れしていた事であったからです。
それはガラガラ蛇に自らを咬ませこのハーブだけで治療するというものでした、ま
さに“
四六のがま”
アメリカ版と言ったところです、もっとも Meyer には自信があっ
たに違い有りません、彼はネイティブがそのようにエキナセアを利用していることを
知っていたからです。
薬と認められないまま、それでも自然療法医学の医師達はこのハーブを大いに利用し治
療を続け、一般にも浸透していきました、多くの医師達は、この“
万能薬”
であるエキナセ
アの薬効がヒト免疫システムに作用している事に気がついていました。
1914年に、Dr.A.L.Nourse は、American Journal of Clinical Medicine に次のよう
なコメントを発表しています。
私の経験を通じ、体の快復力の増強、つまりオプソニン指数の上昇を必要とする症
状に対して、エキナセアより優れた薬を知らない…それは、個体の免疫増強を必要と
するいかなる場合にも効く。オプソニン指数とは、バクテリアや細菌、他の異形細胞
等を免疫システムが作用しやすい状態にする血液中に存在する免疫体のレベルの数値
の事です。「血液浄化剤」と言う言葉は、体の排泄力を増強し、キラー細胞(T 細
胞)等の免疫機能を刺激する薬であることを意味しています。
20年から25年の間、エキナセアは、数千人の医師の管理下で厳しい実験を通過
し、その顕著な特性について確証されてきた、そしてこのハーブを利用した人たち
は、すぐに熱狂者になってしまう。」と記述しているのは、Dr.Finley Ellingwood で
す。このように、医学協会が認めようと認めまいと、いかに医師達の間に受け入れら
れ、信頼を持って使用されていたかが分かります。
それでも当時の米国医学協会は、薬として承認せずに来ました。今でもこのハーブ
は、FDA(米国)では、食品として、西ドイツ(コミッションE)では、医薬品と
して扱われています。独におけるエキナセアの適応症は“
体内インターフェロンの増
幅に伴う免疫力の強化”
で240種類以上の製品に成分として使用されてきました。
日本(厚生省)では、98年3月、クラス 2-a として食品分類に加えています。
echinacea の主な生理学的効果
・白血球を刺激する(伝染病との闘いを助ける白血球)。
・免疫細胞の「食細胞」を増やす(バクテリア、伝染し又損傷した細胞、そして有害
化学物質を除去する身体の能力を増強させる)。
・ヒアルウロニダーゼ(細胞間充物質を溶かす酵素)の抑制(これはまず第一に感染
中細胞を保護し、病原体、バクテリア、そしてウィルスが入り込むのを妨げる)。
・穏やかな抗生効果
・健康で新しい組織の成長を刺激する
・炎症抵抗効果(痛み、赤み、そして他の感染症状の緩和を助ける)。
・properdin/補完システムを刺激する(身体が伝染を抑制し伝染を妨げるのを助け
る)
・アルファ-1とアルファ-2ガンマグロブリンの増加した産物を刺激する(これら
は、ウィルス性や他の伝染病を妨げる)。
・インターフェロンのような作用(ウィルス性伝染病の予防と抑制を助ける)。
・全体的な細胞の免疫性を促進する
・killer t-細胞を刺激する
・腫瘍の成長を抑制する
・ウィルスと闘う
・candida と闘う?
Echinacea の主な用途
ネイティブアメリカンの使用例を見ますと、広範囲にわたっているのに驚きます、
これは、各部族の生活地域とそこに生息するエキナシアの種と、それらの使用部位、
接種方法などで変化したと想像できます。主に外用には葉を、内服には根を中心に全
草を使用しました。自然療法医は次のような症状にエキナセアを使用してきました。
一般的な伝染病や傷の治療、風邪又は流感、悪性のインフルエンザ、カン
ジタ菌感染症ストレップ(連鎖状球菌)のどブドウ状球菌伝染病、泌尿器官
系統伝染病、骨盤炎症病(P.I.D.)、扁桃腺と非ストレップのど伝染病、上部呼
吸器系統伝染病、感染した傷、やけど、ヘルペス、皮膚潰瘍、乾せん、百日
咳、気管支炎、白血球減少症(低白血球量と低 T ヘルパー細胞レベル)、リ
ューマチ性関節炎、アレルギー、歯痛や口、歯ぐきの感染症、咬み傷と刺さ
れ傷(虫、動物−ガラガラヘビ)、血液と食中毒、おでき、ようちょう、はれ
物、湿疹、など。