UNIONリーフレットNO.1 速達配達方法の見直しを考える!

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UNIONリーフレットNO.1
速達配達方法の見直しを考える!
発行:郵政産業ユニオン豊中分会
発行日:2013年9月1日
(1950年、沖縄で販売されていた速達用の切手)
速達配達方法の見直し?基本編
「郵政民営化すればサービスは良くなる」小泉・竹中らは国会で何度も何度も答弁し
てきた。しかし、良くなったサービスなんか何一つない。かんぽの宿問題やJPEX統
合など失敗続き・・。
今回の「速達配達方法の見直し」もその一つ。大失敗間違い無しの施策だ。利用者に
とっても働くものにとってもなに一つ良いことはない。ひいては、速達郵便に対する利
用者の信頼を裏切り愛想を尽かされるのが落ちかもしれない。
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一般に、追加料金を支払うことで、速達でない郵便よりも速く配達するサービスを速
達郵便という。
速達の配達は基本的には対面配達(手渡し配達)であるが、必ずしも手渡しとは限ら
ず、在宅であっても(繁忙などの理由で)郵便受箱に配達する方法も許されている。受
け取りの際に受領印は不要。受取人が留守の場合は、郵便受箱に入る大きさなら受
箱に配達となる。
1日の配達は3回、当日の午前7時までに到着した速達は、最先便で配達となり速達
1号便で届けられる。それ以降に到着したものは、2号便、3号便という形で届けられ
る。午後5時以降に到着したものは、翌日配達となる。
速達の取扱いは、「当社は、郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先
して送達する速達の取扱いをします。」と内国郵便約款にきちんと明記されいる。つま
り、特殊料金をお客さまから頂いていることにより、優先配達が約束されているのが
速達と言える。
しかし、会社は経費節減のために速達1号便を原則なくし、通集配区での併配を平成
25年10月1日から全局で実施するというのだ。
いつも会社施策にイエスマンで大失敗の片棒を担ぐ、図体だけでかく役にたたない、
憲法改正賛成、原発賛成を主張し参議院選で組織内候補を落選させた日本の御用
組合の典型=JP労組と合意したというのだからJP労組のお粗末さをまたしても暴露
している。
通集配区とは、一般の普通郵便物を受け箱配達する担当区のことである。期間雇用
社員の多くは、安い時給で山ほどの郵便物を昼休みもろくろくとれず従事している担
当区である。その担当区に速達、レターパック、ポスパケット、薄ものゆうパック、時間
指定定形外郵便物、代引き、税つき郵便物、EMS といった郵便物を一般普通郵便物
と同時に持ち出し配達させるというのである。
無茶なことをさせるな!(`Δ´)
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速達配達方法の見直し?サービス編
速達1号便が廃止となり通集配区の担当者が配達することで速達サービスはどう変
わるのか?
現在は速達担当者が配置されているのでその担当者が速達や他の対面配達郵便物
を満載させ午前9時から9時半頃までに局を出発し配達を開始し順次配達を行う。都
市部では、8時から9時までに配達を終える局もある。遅くともだいたい、正午までに
は速達は配達を終える。その後残った時間帯指定のない対面配達物を昼休みに食
い込んでも配達をやり終えて帰局する。
しかし、これが通集配の担当者となるとそうはいかない。通集配担当者は普通郵便物
の道順組み立てを終えなければ出発できない。早くて10時半、遅くて11時頃からの
配達となる場合が多い。普通郵便と速達の併配となるために普通郵便物を配達順路
通りに配達しつつ速達を配達するとこととなる。当然、速達配達はおそくなり、午後か
らの配達エリアにかかる速達は空走りし昼休みのために帰局する前の時間ぎりぎり
の配達となる。
一般利用者の側から言えば、これまでは9時から順次受取り遅くとも12時ごろまでに
は必ず受け取れていた速達が今回の施策によって11時ぐらいから順次受け取れ、
大半の速達は12時半前後に集中的に受け取るということになるのである。
明らかに速達サービスの低下!
前日の午後5時以降局に到着した速達が、翌日のお昼になってようやく配達されたな
どということも十分ありえるのだ。
これで速達料金を払えるわけがない!
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速達配達方法の見直し? 総務省編
今回のサービスの見直は、たんに一企業のサービス問題にとどまらない問題をはら
んでいる。それは、市民の社会生活や企業の経済活動に絡むことであると同時に郵
便法や郵便約款というコンプライアンスに係わる事柄であるからだ。
所管の監督官庁、すなわち総務省がでたらめな判断を下したことが問題だ。
経過はこうだ。
郵便局会社は、約款の変更の必要が生じることを考え、総務省に相談する。総務省
は、 いがいに約款の変更の必要性はなしと簡単に判断を下したことで10月1日実施
となった。
そこで問題になるのが約款である。
約款には
速達の取扱いが記載されている。
第96条 当社は、郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達
する速達の取扱いをします。
速達とする郵便物は次により送達します。
(1)最も速やかな運送便により遅滞なく運送すること。
(2)次に掲げる方法により配達すること。
配達方法
当日の到着後の最も速やかな速達配達便により配達すること。
(当社が、速達すると認めるときは、通常の配達方法による場合があります。)
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約款によると速達配達便をなくすことはできないのだ!
「当社が認めるときと」は、たとえば臨時的に大量の速達が到着し速達便では対応で
きないときのことを想定し、その場合は、通常の配達方法による場合もあることを記し
ている。
あくまで臨時的一時的な緊急処置にすぎない!
通常の配達方法とは、手渡しでなくポスト投函配達であり実際に実行した例はあまり
聞かない。
では、いったいなぜ会社やJP労組、総務省は、約款を無視しコンプライアンスに違反
してまで実施を急ぐのか。人件費コスト削減→利益の増加→日本郵政の株式上場→
金融2社の完全売却を急いでいるのだ。
TPPや震災復興を口実に完全民営化にひた走る会社や総務省にとってすれば多少
のコンプライアンス違反はお構いなしというこということかもしれない。
その犠牲になるのは
一般市民であり
労働者なのだ!
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速達配達方法の見直し 労働者編
速達、速達書留、代引き、EMS、時間指定定形外、ゆうメール、ポスパケット、レタ
ーパック350/500、税付き、商品券、薄ものゆうパックこれらすべてを通集配で配
達するとなると一体どういう事態になるのだろうか?
近年、通常郵便物は減少の傾向にある。しかし、増加しているのはゆうメールとゆう
パックである。配達物が大型化しているので郵便物は減少しつつも作業時間は増加
する傾向である。大型化している配達物には、ニッセンカタログや進研ゼミといった超
大型類もあり積載不可能といった事態もある。通集配区には、もともと特定記録やゆ
うメールといった記録扱い郵便物もあり、1ネット実施局では一般書留も通集配区で
配達している。現在、端末器機による作業能率管理が実施されており、四国支社管
内ではすでに作業能率個人別ランキングが職場に掲出され、競争管理の徹底が図ら
れている。一人の配達エリアは基準時間によって平準化されているが正確なもので
はなく公平な設定とはなっていない。会社が残業を抑制しているために昼休みの休憩
時間を作業している社員も多数いる。それでも残業は常態化している。
こういう実態がある中で通集配区に上記の速達などの郵便物を配達させるというのだ。
その結果、おきることとは・・・・
①午前中に通集配で配達できる郵便が減少し、午後からも配達時間が増える。
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→残業が増加する。
②バイクのボテ箱に積載できない事態も起きる
→大型化している定形外郵便物は午後配達となる。
③時間帯指定の郵便物を優先配達することとなる
→時間とのたたかいが迫られ、誤配達、交通事故の原因となる。
④とくに、年末年始繁忙、11月から12月の繁忙期、1月2月の大学受験シーズンは
超繁忙となる
→年賀への影響、遅配が広がる。
東京の板橋郵便局は、すでにこれが行われている。その実態を聞くと日によっては
午前中は速達類の配達だけで終わっているとのこと。午後から一日分の通集配区を
配達しているために2時間残業でも配達が終わらないこともある。
これでいいわけがない!!
通集配の午後からのエリアになる速達類も午前中にそれだけのために配達に走らな
ければならい。空走りが増加する。こんな非効率な仕事は、ほんとうのムダではない
のか!
結局、無理、ムダ、ムラをつくりだし、
サービスを低下させても郵便再生には結びつかない
だろう。
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豊中分会の主張と要求
①速達1号便について
1)10月1日廃止は延期し、条件整備に時間をかけること。
2)速達等の配達方法についての訓練研修を十分行うこと。
3)利用者に対する説明を検討すること。
②2ネットから1ネットへの移行について
1)1区当たり370分区を基準として新区画を作成すること。
2)速達1号便の併配をするならば320分区の新区画を作成すること。
3)書留配達にかかわる訓練計画を示すこと。
4)欠員後補充を行うこと。
③その他
1)団地配達の将来像を示すこと。
2)短時間社員の雇用と勤務条件、坦務について説明すること。
3)実施に係わるスケジュールを示すこと。
4)プロジェクト会議並びに業務研究会を開催すること。