核兵器のない世界をつくろう

子どもらと
手まりつきつつ
この里に
あそぶ春日は
くれずともよし
良寛
(ぐすくばら)
瀬戸内町立俵中学校
平成22年8月号 №5
核兵器のない世界をつくろう
校 長 笠野 展聖
昭和20年8月6日に広島に原爆が,同じ年の8月9日は長崎に原爆が落ちた日,そして同
じ年の8月15日が終戦記念日になります。戦争が終わってから今年は65年目を迎えること
になります。
8月20日の出校日は,出張で熊本に行っているため話ができませんので,長崎で被爆をさ
れた下平作江さんの話を紹介します。もう一度平和の大切さについて考えてほしいと思います。
1941年12月,私が6歳の時太平洋戦争が勃発し,10歳の時戦争が終結しました。戦
争さえなければあの忌まわしい,原子爆弾も投下されないですんだのに思うと無念でいっぱい
です。私たち子どもたちにとってつらかったのは,食べる物がない,履く物がないため裸足で
学校へ行きました。しかし私たちは「欲しがりません,勝つまでは」のスローガンを掲げて頑
張りました。
しかし,戦争が激しくなり横穴つまり防空壕生活が始まりました。忘れもしないあの日,1
945年8月9日,朝早く空襲警報のサイレンが鳴り渡り私たち子どもは爆心地から800m
ほど離れた横穴へ急ぎました。暗い穴の中で多くの子どもたちが隠れていました。間もなくし
て「空襲警報解除,空襲警報解除」の声が聞こえてきました。子どもたちは壕の外へ飛び出し
ていきましたが,私たち姉妹と近所の7,8人が残りました。 その時です。ピカッと光り暗
い穴の中が隅から隅まで見えたと思った途端に爆風が吹き込んで私たち子どもは,あっちこっ
ちと吹き飛ばされ岩に叩き付けられ,気絶してしまいました。誰からか頭をたたかれ気がつき
ました。ビックリしました。誰もいないはずの防空壕の中は黒こげになっている人,肉がちぎ
れて血まみれになっている人,眼球が飛び出ている人,火傷して二倍,三倍にふくれあがって
いる人たちがいっぱい入っていました。(中略)
1954年末に長崎の焼け野原にバラックを建ててもらい助かった近所の人たちと一緒に共
同生活が始まりました。電気もない,食べる物もない生活です。(中略)せっかく生き残って
も人間らしく生きることも人間らしく死ぬこともできませんでした。得体の知れない病気に苦
しまなければならなかったこらです。妹も頑張ったのですが,貧しさに負け,病気に負け,原
爆で死んだ母を恋しがって列車に飛び込み鉄道自殺をして生命を絶ちました。「なぜ,死んだ
の,なぜもっと頑張らなかったの!!」と声をかけると同時に涙が流れてどうしようもありま
せんでした。死ね勇気,生きる勇気を並べられた時,妹は残念ながら死ぬ勇気を選んでしまい
ました。でも私は生きる勇気を選びました。今は生きていてよかったと心の底から思い,次の
世代の人々にどんなことがあっても生きてほしいと心から願っています。生命は地球よりも重
いと言われています。戦争という名のもとに死ぬことを拒みながら死んでいった多くの人達の
苦しさをわかってください。
二度と被爆者を作らないため今こそ英知を結集して戦争のない,核兵器のない世界を作って
いこうではありませんか。
ALTベン先生お別れ
1年間お世話になったベン先生がイギリスに帰
国することになりました。最後の授業では,生徒
たちとおいしいピザをつ
くり会話が弾みました。
2学期新しく担当する
方は,アメリカ出身のシャ
ノンさんです。ベン先生同
様よろしくお願いしま
す。
戦跡から学ぶ
8月3日(火)職員研修として加計呂麻島内の戦跡現地研修を行いました。生徒
たちの総合的学習においても戦跡巡りを計画しており,その事前調査も含めた研修
でした。今回は,三浦集落の艦船給水用ダム跡と呑之浦特攻艇基地跡を現地研修す
ることにし,学校で資料をもとに学習してから現地へ出かけました。前日に係の方
でダム跡の下見にいきましたが,うっそうと茂る木々の中で見つけるのに大変苦労
しました。初めて見たダム跡の止水壁では,高さ約十メートル最大幅は約 50 メートルもの大
きさに圧倒されました。資料によると工事が始まったのは 1938 年(昭和 13 年)で,
全国から徴用されてきた人たちによって難工事の末に完成したということでした。
呑之浦では,特攻艇震洋を納めた格納壕跡を見学,終戦前々日の 8 月 13 日に発動
したが発信することなく終戦という運命に翻弄された当時の人たちに想いをはせる
ことができました。
三浦ダム跡入り口
止水壁跡
呑之浦特攻艇格納壕跡
日
1
2
3
5
8
13
曜
水
木
金
日
水
月
行
事
等
日
始業式・体育大会生徒会オリエンテーション 15
課題・実力テスト,体育大会打合せ
20
課題・実力テスト
22
実久地区体育大会(俵中)
24
鹿大フレンドシップ事業
26
いじめ問題を考える週間~17
27
曜
水
月
水
金
日
月
行
事
等
心の教育の日
敬老の日
体育大会予行
体育大会準備(5・6校時)
第63回体育大会
代休