2012 と 2013 の本試験で出たポイントをまとめていきます。 ×がついているものは、原文が誤っているもの(解答が B)ですが、 赤字で修正されている分に関しては、正しいものになっています。 追加・訂正よろしくお願いいたします。 臨床検査の目的 1. 病態把握 2. 病名診断 3. 予後の予測 4. 治療方針の決定 5. 治療効果の判定 6. 治療法の副作用の監視と評価 [2012-1] 身体診察の代用は臨床検査の目的の一つであるはない。 一般検査 尿検査、糞便検査、脳脊髄液検査、各種穿刺薬(胸水・腹水)検査喀痰検査、その 他の穿刺液・分泌液の検査(関節液、精液、尿道分泌液、子宮頸管粘液) [2012-16] 血液以外の体液などを検体として分析する検査を一般検査という。 「正確度」と「精密度」 正確度:真の値に如何に近いか。 精密度:バラツキの少なさ 正確度の管理を知る(内部精度管理と外部精度管理) コントロール物質を用いた内部精度管理 1. コントロール血清(市販) 2. 管理血清(分析器メーカー) 他の施設と比較する外部精度管理 日本医師会や日本臨床検査技師会による評価 (成績の点数化) 精密度の管理を知る ・日内精密度:同じ検体を同じ分析者が同じ場所・装置・方法で測定(同時再現性) ・日間精密度:同じ方法・装置で日を変えて測定 [2012-4,2013-5] 外部精度管理は正確度を管理するために行う。 [2013-6] 検査の正確度とは真の値に如何に近いかを示す。 X-R 管理図(X 変動のパターン) ①trend 現象 ・x が徐々に一方的上昇または下降をする現象 ・管理試料の劣化、標準液の変質、比色計の汚染などの累積的変化 ②shift 現象 ・x の中心線上方または下方への突然の逸脱と連続的ずれ ・標準液や試薬の変更、機器の再調整の後など何らかの仕様の変化 [2013-7] X-R 管理図で X が徐々に一方的上昇または下降する現象を shift 現象という。 [2012-2] 比色計の光路系の汚染は X-R 図における shift 現象をきたす原因である。 血糖:血漿>全血(毛細血管)>全血(静脈)、カリウム:血清>血漿 [2012-8,2013-8] 血漿での血糖値は静脈全血のそれより高い。 [2013-9] 血糖値は静脈血より毛細血管血で高くなる。 抗凝固財の種類 EDTA 塩(強力な非可逆性カルシウムキレート剤) 1mg/血液 1m:血液検査用 クエン酸ナトリウム(可逆性のカルシウムキレート剤) 1:血液 9:止血検査用 1:血液 4:血沈用 [2012-10] 血球計算に用いられる抗凝固剤はクエン酸ナトリウム EDTA である。 [2013-10] 赤血球沈降速度計算に用いられる抗凝固剤はクエン酸ナトリウムである。 採血方法・手順による検査値への影響 ・溶血にて増加するもの K,LDH,AST,ALT,Fe,TP(Hb 中のグロビンの影響を受ける) ・EDTA 混入で測定値が低下 ALP,AMY,Ca,Fe,UIBC [2012-9] EDTA 混入により ALP 測定値が低下する。 [2013-12] EDTA 混入により ALP 活性は上昇低下する。 [2013-11] 偽性血小板減少症は EDTA 塩に対する血小板凝集抗体が原因である。 [2013-13] 溶血にてカリウムは増加する。 検体の保存温度 全血では室温保存(保存温度が上がると) 1. glucose の低下 2. 無機リンの増加(phosphatase 活性上昇) 3. 血液ガス(PO2 低下、PCO2 上昇) 4. アンモニア増加(γ-GT 活性が高い場合) [2012-11] 全血室温保存では血糖値は低下する。 [2012-12] 全血室温保存で無機リンは低下増加する。 細菌検査の保存方法 できるだけ早く検体を検査すべきですができないものも多い 冷蔵可能なもの 喀痰、咽頭・鼻腔、尿、胸水・腹水、膿汁、カテーテル先端、便 (ただし金の種類により特殊な保存が必要な場合がある) 37℃で保存 血液(血液培養は血液線溶ボトル(好気・嫌気)を用いる)、髄液 [2013-15] 細菌検査をするための髄液検体を冷蔵してはならない。 [2013-16] 淋菌感染を疑う尿道分泌液は冷蔵保存する。 性差 【男>女】 赤血球、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、プレアルブミン、ハプトグ ロビン、尿酸、BUN、クレアチニン、総ビリルビン、VLDL、γ-GTP、フェリチン、CPK、 17-KS、17-OHCS、カテコールアミン、アドレナリン 【女>男】 HDL-コレステロール、血沈、ZTT、中性脂肪、IgM、IgD、クレアチン、GH、 エストロゲン、プレグナンジオール、黄体化ホルモン、プロラクチン [2012-3] 尿酸は女性が男性より高い低い。 [2013-2] クレアチニンは女性の方が男性より低い。 [2013-3] 平均赤血球容積に女性で高い。 年齢差【幼児高値】ALP、AST、ALT、γ-GTP、CPK、ChE、K、T3、リンパ球 [2012-6] アルカリホスファターゼは成人に比べ幼児は高値である。 日内変動の大きい項目 【朝高・夜低】ヘモグロビン、グロブリン、T3、ACTH、血清鉄 【昼高】総タンパク、アルブミン、尿酸、K 【夜高】ALP、アミラーゼ、UIBC、TTT [2013-4] コーチゾールは早朝高値となる 生活環境要因 食事に影響される項目 ・中性脂肪、血糖、ヘモグロビン、白血球、ZTT、TTT 上昇(脂質上昇による)、総タンパク 飲酒に影響される項目 ・γ-GTP、中性脂肪 喫煙に影響される項目 ・ヘモグロビン値、赤血球数の上昇 体位に影響される項目 ・総タンパク(立位で上昇) [2012-7] 臥床にて総蛋白は低下する。 [2012-15] γ-GT は飲酒により上昇する。 [2013-17] 遊離脂肪酸は食後低下する。 基準範囲 ・血中成分の基準値の多くは正規分布あるいは対数正規分布に近い形を示す。 ・健常人集団の測定値はぼぼ一定した分布を示し、この中央の 95%をしめる範囲を一般に 基準範囲という。 ・正規分布:血清電解質 総蛋白 脂質など ・対数正規分布(べき状分布):血清酵素(ALT,AST,LDH)など [2012-5,2013-18] 検査値の基準範囲は健康人集団での分布の中央部の 9995%を含む範囲である。 [2012-13] 血清 Na の測定値の分布は対数正規分布となる。 パニック値:重篤な病態と直結する極端な値 基準値 パニック値 カリウム(mEq/L) 3.6-5.0 6.0<(外来),7.0<入院 カルシウム(mg/dl) 8.0-10.3 12.0< ナトリウム(mEq/L) 135-147 160< 血糖(mg/dl) 60-110 350<(外来),500<(入院) [2012-14] カリウム 4.5mEq/L はパニック値として扱わうわない。 [2013-19] パニック値とは重篤な病態と直結する極端な値をいう。 尤度比(Likelihood ratio)「疾患がある時にある検査結果がおこる確率と疾患がないときに 検査結果が同じ検査結果を示す確率の比」 [2013-20] 陽性尤度比が高ければ疾患の存在診断に役立つ。 [2012-17,2013-23] 飢餓状態では尿中にケトン体が出現する。 [2013-64] 飢餓では血中ケトン体が増加する。 [2012-18,2013-22] ビリルビン尿は茶褐色を呈する。 尿中ビリルビンと尿中ウロビリノゲン 閉塞性黄疸では抱合型ビリルビンが腸管へ排泄されないため、糞便は灰白色となり尿中ウ ロビリノーゲンの減少する事から黄疸の鑑別診断に役立つ。 尿ビリルビン (+) (+) 尿 (-) 急性肝炎 溶血性貧血 肝硬変 シャント高ビリルビン血症 Dubin-Johnson 症候群 新生児黄疸 Rotor 症候群 URO (±) 正常 Crigler-Najjar 症候群 (-) 閉塞性黄疸 ×[2012-19] 胆管の完全閉塞では尿中ウロビリノーゲン強陽性陰性になる。 溶血で強陽性 [2013-27] 閉塞性黄疸では尿中ビリルビン陰性陽性、尿中ウロビリノゲン強陽性陰性になる。 ×[2012-20] 学校健診における検尿の目的は 間質性腎炎ネフローゼ,遊離腎,糖尿病の早期発見 にある。 ×[2012-21] 試験紙法にて尿中アミラーゼアルブミンの定量的検査を行うことができる。 ○[2013-24] 試験紙法による尿蛋白検査陽性は尿中のアルブミンを反映する。 ×[2012-22] グアヤック法による便潜血測定の際は食事制限不要が必要である。 ○[2012-23] 蟯虫卵はセロハンテープ貼付法で採取する。 ○[2012-24, 2013-28] 脂肪円柱はネフローゼにてみられる。 ×[2013-46] ネフローゼ症候群ではコリンエステラーゼが低下上昇する。 ○[2013-72] ネフローゼでは血清蛋白分画のα2 分画が増加する。 ×?[2012-25] 肺吸虫卵は集卵法にて採取する。 ←恐らく悪問である。学習不要。 喀痰、糞便から採取? ○[2013-48] ミトコンドリア分画に存在する mAST は重篤な肝障害で血中に逸脱する・ [2012-26,2013-33] δ-ビリルビンは血中でアルブミンと抱合ビリルビンが水素共有結合して存在する。 ○[2012-27] 胆汁うっ滞では直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症となる。 ×[2013-36] 胆汁鬱滞では総コレステロール低下上昇する。 ○[2012-28] 溶血性貧血では黄疸があるが尿中ビリルビンが陰性になる。 ○[2012-43] 溶血性貧血では HbA1c 値が低下する。 ○[2012-29,2013-35] Dubin Johnson 症候群では尿中コプロポルフィリンイソマーⅠ比が 著増する。 ○[2012-30] Gilbert 症候群の UGT1A1 活性(健常人活性を 100 として)は 30%程度である。 ×[2013-34] Gilbert 症候群では直接間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症となる。 Dubin Johnson が直接。 ×[2012-31] Rotor 症候群では BSP 試験の際負荷後 6045 分で再上昇を示す。 リポ蛋白(a) (Lp(a)) ・Lp(a)は、LDL のアポ蛋白であるアポ B-100 に、アポ蛋白であるアポ(a)が S-S 結合して 構成されるリポ蛋白である。 ・血中濃度は遺伝的に決定され、各種環境因子の影響は受けない。濃度は個人差が大きく 0 ~100mg/dl に分布する。日本人の多くは 20mg/dl 以下に分布している。 [2012-32] LDL の主要アポ蛋白はアポ蛋白 CⅡアポ B-100 である。 [2012-37] リポ蛋白(a)濃度は各種環境因子の影響を受けない。 ○[2012-33] LCAT の活性化にアポ蛋白 AI が必要である。 ○[2012-34] Tangier 病では HDL が低下する。 ×[2012-35] 甲状腺機能亢進症ではコレステロールが増加減少する。 ○難問[2012-36] リポ蛋白のアガロースゲル電気泳動において pre-β分画は VLDL に該当する。 ![2013-25] β2 ミクログロブリンは糸球体障害の指標である。 血中であれば○、尿中であれば×。出題ミスである。 ×[2013-26] 造影 CT 後には尿比重が低く高くなる。 ○[2013-29] 尿中シスチン結晶はシスチン尿症にてみられる。 ×[2013-30] 免疫学的便潜血検査は上下部消化管出血の検査に有用である。 上部だったら潜血ではなくタール便(黒色便) ○[2013-31] 血中ビリルビンの大部分は主にアルブミンに結合して存在している。 ○[2013-32] 血清ビリルビン測定法のうち化学酸化法では酸化剤としてバナジン酸を用いる。 ×[2013-37] リポ蛋白のうち最も中性脂肪含有が多いのは HDL カイロミクロンである。 ○[2013-38] 家族性高コレステロール血症は LDL receptor の欠損で発症する。 ×[2013-39] シトステロール血症は ABCA1ABCG5/G8 の欠損で発症する。 ABCA1:Tangier 病 ×[2013-40] Ⅱa 型の高脂血症(WHO 分類)では血中 VLDL が増加している。 ○[2012-38,2013-41] 血糖検査の際に解糖阻止剤としてフッ化ナトリウムの添加を行う。 ○[2012-39] 携帯型血糖測定器を用いた血糖測定の際マルトースの存在は正誤差となる。 ×[2012-40] グリコアルブミン値から過去 2 ヵ月時間の血糖コントロールを知る事ができる。 グリコヘモグロビン(HbA1c)は過去 2 ヶ月 ○[2013-42] HbA1c 値から過去 1~2 ヶ月の血糖コントロールを知る事ができる。 ×難問[2012-41] エリスロポイエチン投与後グリコヘモグロビン(HbA1c)は高値低値を示す。 ○[2012-42,2013-44] HOMA-IR はインスリン抵抗性を調べる検査である。 ×[2012-43] 抗 GAD 抗体は 21 型糖尿病で陽性になる。 ×[2013-45] 抗 GAD 抗体は膵ランゲルハンス氏島αβ細胞に存在する GAD65 に対する抗 体である。 αはグルカゴン、γはソマトスタチン ○[2012-44] 蛋白分画検査で免疫グロブリンは主にγ分画に存在する。 ○[2012-45] 肥満に伴う脂肪肝では AST/ALT<0.87(ALT 優位)になることが多い。 AST:11~15h ALT:40~50h ×[2013-47] AST の血中半減期は ALT より長い短い。 ○[2012-46] 肝硬変ではコリンエステラーゼが低下する。 ○[2012-47] 肝硬変ではヒアルロン酸が上昇する。 線維化病変である。 ×[2012-48,2013-54] 甲状腺機能低下症では血清アルカリホスファターゼ値(血清 ALP 値)が上昇低下する。 ×[2012-49] 悪性貧血では LDH5LDH1,LDH2 が優位の LDH 上昇がおこる。 ×[2013-50] LDH5 LDH1,LDH2 が優位となる病態に悪性貧血がある。 ○[2013-53] LDH は M と H の 2 つのサブユニットからなる 4 量体である。 ×[2013-49] ALP1 の上昇は骨肝臓由来である。 大半が肝臓由来である。 ○[2012-50] ALP3 の上昇は骨由来である。 [2012-51, 2013-51] CK アイソザイムの BBHB 型は心筋梗塞発作後に出現する。 [2012-52,2013-52] 急性膵炎では血清および尿中に SP 型アミラーゼが増加する。 [2012-53,2013-65] 中和反応は抗原抗体反応の第 12 相反応である。 凝集反応(agglutination) 細菌や赤血球などのような比較的大きい抗原分子(凝集原)が、対応する抗体(凝集素)と反応 して大小の凝集塊を作ること。沈降反応の 10~100 倍鋭敏 直接凝集反応 1. 細菌凝集反応(血清型、Widal 反応、Weil-Felix 反応) 2. 血球凝集反応(血液型) 受身凝集反応 3. 抗グロブリン凝集反応(クームス試験) 人工的粒子による受身凝集反応(ラッテックス凝集反応) 3. 補体結合反応(CF; complement fixation reaction) ・抗原抗体反応による補体の活性化による溶血反応などを利用している。 ・赤血球に抗体(溶血素)を結合させた感作血球に血清を加え、溶血がどの程度おこるかをみ る。血清中に Immune complex が多いと補体が消費され、溶血がおこらない。すなわち溶 血がなければ陽性となる。 ・ワッセルマン反応(梅毒) ・各種ウイルス抗体価 ・マイコプラズマ抗体価 [2012-54] クームス試験は補体結合反応凝集反応を利用した検査である。 沈降反応の応用(溶液内沈降反応の光学的測定法) 「溶液内において抗原抗体反応を起こさせた後一定の波長の光を照射して抗原抗体複合物 を測定する。 」 [2013-67] 免疫比濁法は溶液内の抗原抗体複合物に一定波長の光照射での光の減少を捉え る。 炎症マーカー 急性期反応物質(acute-phase reactant)とは炎症、壊死や腫瘍が存在するとき、急性に増量 するタンパク質。IL-6 などに誘導され炎症反応の急性期に肝臓で合成される。 CRP,SAA などの炎症マーカーやα-antitrypsin, α1-acidglucoprotein,Haptoglobin,cerulopasmin,Fibrinogen などがある。 [2012-99,2013-68] C 反応性蛋白(CRP)はリンパ球肝臓で合成される。 ×[2013-73] 急性糸球体腎炎では血清補体価が増加低下する。 ○[2013-74] SLE では血清補体価が低下する。 ×[2012-55] IgG は急性期慢性期反応物質である。 ×[2013-71] リウマチ因子は変性 IgMIgG の Fc 部分に対する抗体である。 ○[2012-56] プロカルシトニンは敗血症で高値となる。 ○[2012-57,2013-69] 貧血では赤沈が促進する。 赤血球がなくなるから ×[2012-58] 抗 CCP 抗体は SLERA の早期診断に用いられる。 ○[2012-59] 抗セントロメア抗体は FANA による ANA の染色で離散斑紋型を示す。 ○[2012-60] SLE では C3,C4 ともに低下する。 ×[2012-61,2013-77] ベンス・ジョンス蛋白は免疫グロブリンの HL 鎖である。 ○[2012-62,2013-79] 白血球の基準値は 4000-9000/μL である。 ×[2012-63,2013-80] 女性のヘモグロビンの基準値は 16-1812-16g/dL である。 ×[2013-81] 血小板の基準値は 12000-41000120000-410000 である。 ×[2012-64] 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は好酸球増加症をきたす。 ○[2012-65] 巨赤芽球性貧血は大球性貧血を呈する。 ○[2013-82] 鉄芽球性貧血は小球性貧血を呈する。 ○[2012-66] 骨髄線維症では涙滴赤血球を認める。 ○[2012-67,2013-89] 原発性マクログロブリン血症では赤血球の連銭形成を認める。 ×[2012-67] 原発性マクログロブリン血症では IgAIgM が増加する。 ×[2012-68] 菲薄赤血球は鉄欠乏性貧血サラセミアで認める。 ○[2012-69] Bernard-Soulier 症候群では巨大血小板を認める。 ×[2012-70,2013-90] 慢性急性前骨髄性白血病では Faggot 細胞を認める。 ○[2012-71] 巨赤芽球性貧血では好中球の過分葉がみられる。 ×[2013-85] 成熟血球の核には核小体が見られない。 ×[2013-87] 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)HUS 網状赤血球の手前で脱核。 では赤血球の粉砕・断片化が見られる。 ○[2012-72] 骨髄異形成症候群(MDS)では Pseudo-Pelger 核異常がみられる。 ○[2012-75] MDS では Pseudo-Pelger 核異常がみられる。 × [2012-73] 単 球 系 の 芽 球 は 非 特 異 的 エ ス テ ラ ー ゼ (naphtholAS-D chloroacetate esterase)染色陽性である。 ×[2012-74] 骨髄系の芽球は非特異的エステラーゼ(α-naphthyl butyrate esterase)染色陽 性である。 ×[2012-76] 急性白血病において芽球がペルオキシダーゼ反応陽性陰性であれば急性リンパ 性白血病である。 [2012-77,2013-88] 赤白血病(FAB 分類 M6)の赤芽球は PAS 染色陰陽性である。 ×[2013-91] チールニール染色では石炭酸フクシンを使用する。 グラム ×[2012-78] グラム染色を行う際、クリスタル紫→ルゴール→アルコール→サフラニンの順 で試薬を用いる。 ×[2013-92] 淋菌はグラム陰性桿双球菌である。 × [2012-79] 肺 炎 患 者 の 喀 痰 の グ ラ ム 染 色 で グ ラ ム 陰 性 短 桿 菌 が 見 ら れ た の で Staphylococcus aureus を測定した。 (グラム陰性短桿菌=インフルエンザ桿菌?) Staphylococcus aureus=黄色ブドウ球菌 ○[2013-66] マイコプラズマ肺炎では寒冷凝集反応が陽性となる。 ○[2012-80] 腸内細菌はブドウ糖発酵でオキシダーゼ陽性である。 非ブドウ糖発酵なら緑膿菌系。 ○[2013-93] 黄色ブドウ球菌はコアグラーゼ陽性である ×[2013-94] ブドウ球菌群はカタラーゼ陰陽性である。 カタラーゼによって、ブドウ球菌系と連鎖球菌系とに分ける。 固有ではない。 ×[2012-81] 最小発育阻止濃度(MIC)は細菌種で固有の数値である。 ×[2013-96] 最小発育阻止濃度(MIC)が大きい小さいほど抗菌剤に対する感受性がよい。 MIC:それ以上高くすると菌が発育しないギリギリの濃度 ○[2012-82] MIC の変動域が 2 管差以内であれば、再現性に問題はない。 ○[2012-83,2013-97] MIC は微量液体希釈法で測定できる。 ○[2012-84,2013-99] PCR 法は遺伝子増幅による病原体検出法である。 ×[2012-85] PCR 法は未知の病原体による感染症の診断に有効である。 PCR はあくまで増幅による検出が目的。 [2012-86,2013-100] 感染症診断における Point of care testing は検査室診断法より所要時間が長い短い。 [2012-87,2013-98] タイコプラニンバンコマイシンは MRSA 感染症の治療薬として有効である。 ×[2012-88] 抗菌剤感受性試験で感受性と判定された数種類の薬剤から投与する薬剤を選 択する場合常在細菌巣を減少させる薬剤を選択する。 広域スペクトルの低い(臓器移行性が高い)やつ ×[2012-89,2013-57] グルカゴンは下垂体前葉ランゲルハンス島α細胞から分泌されるホルモ ンである。 ○[2012-90] アミラーゼは膵臓から分泌されるホルモンである。 唾液腺からも出る。 ○[2013-59] ACTH はコーチゾール合成のみならずアルドステロン分泌も刺激する。 アルドステロンは副腎皮質系の経路 ×[2012-91] 下痢では高低カリウム血症を呈する。 ○[2012-92,2013-61] 原発性アルドステロン症では低 K 血症を見る。 ×[2012-93] 血中成長ホルモン濃度は昼夜に増加する。 ○[2013-58] 成長ホルモンはペプチドホルモンである。 ○[2013-60] プロラクチンは TRHTSH によって分泌刺激される。 ×[2013-62] ADH 不適合分泌症候群では血清 Na は上昇減少する。 ○[2013-63] 血清カルシウム濃度はアルブミン値で補正する必要が有る。 ×[2012-94] 採血時には検査目的の説明は必要である。 ×[2012-95] 尿量 720ml/日、血清クレアチニン 1.0mg/dl、尿クレアチニン 55mg/dl の時糸 球体濾過値は 5527.5ml/分である。 (55/1.0)×720=39600(ml/日)=27.5(ml/分) ×[2012-96] LDL コレステロールはメタボリック症候群の診断基準に含まれない。 尿酸も含まれない。HDL は含まれる。 ×[2012-97] 副甲状腺機能低下症の診断に Ellsworth-Howard 試験を用いる。 ×[2012-98] 後天性血友病ではプロトロンビン部分トロンボプラスチン時間が延長する。 ○[2013-95] 小川培地は抗酸菌の培地に用いられる。 ○[2012-100] サブロー寒天培地は真菌培養に用いる培地である。 ○[2013-55] 十二指腸潰瘍穿孔では血清アミラーゼ値が上昇する。 ×[2013-56] マクロアミラーゼ血症では尿中アミラーゼ値が上昇減少する。 血清なら上昇 ○[2013-70] ASLO は A 群溶血性連鎖球菌感染のための検査である。 ○[2013-76] CA19-9 は膵癌、胆管癌の腫瘍マーカーである。 ○[2013-78] Cryoglobulin は免疫グロブリンそのものか免疫複合体である。 [2012-Ⅱ(記)] Ⅱ-1) アイソザイムについて説明せよ。 触媒構造・化学的性質は同じだが、物理的性状の異なった一群の酵素のこと。 Ⅱ-2)pH 7.40,PO2 115mmHg, PCO2 30mmHg,HCO3 15mEq/l,Na 145mEq/l,Cl- 118mEq/l の時のアニオンギャップ(基準値は 12±2)求め、その病態を考察せよ。 Anion Gap(AG)=Na-(Cl+HCO3)=145-(118+15)=12 pH、Na 正常。PCO2 も HCO3 も下がってる。Cl、PO2 上昇。 AG 正常の代謝性アシドーシス。その代償機構として呼吸性アルカローシス。 酸塩基異常を読む手順 1. 第 1 段階:acidemia,alkalemia の有無の判定を行い,それが代償性のものか呼吸性のもの か判定する。 2. 第 2 段階:AG を計算する。推定[HCO3-]を計算する。 3. 第 3 段階:代償性変化が適当であるかどうかを検討する。 4. 第 4 段階:酸塩基平衡異常がなぜ生じているか病歴,現症,臨床検査などから判断し適切な 治療を行う。 Ⅱ-3) 70 歳男性が腰痛と倦怠感を主訴に内科を受診し、初診時に以下の検査結果を得た。白 血球 4800/μl,RBC300×104/μl,ヘマトクリット 30%,Hb9.4g/dl,血小板 16.0×104/μl,総蛋 白 10.8g/dl, ア ル ブ ミ ン 2.8g/dl, ク レ ア チ ニ ン 1.3mg/dl,Na140mEq/L,K 4.5mEq/L,Ca12.3mEq/L。このデータをもとに以下の問に答えよ。 1)mean corpuscular volume(MCV)を計算せよ。 MCV=(Ht/RBC)×10=100 2)検査結果で基準値をはずれるものはどれか。全て書け。 RBC↓、Ht↓、Hb↓、総蛋白↑、アルブミン↓、クレアチニン↑、Ca↑ 3)診断のために必要な検体検査を 5 つ以上書け。 骨髄穿刺、血清尿検査(ベンス・ジョンス蛋白)、採血(連銭形成)、電気泳動法、X 線(骨打ち 抜き像=パンチアウトリージョン) 4)最も考えられる疾患を示し、診断根拠を書け。 多発性骨髄腫 診断根拠: 初発症状が腰痛であることから、腰椎の圧迫骨折が考えられる。 また、補正カルシウム値(=Ca-Alb+4)が 12.5 と高値であり(正常値 8)、高カルシウム血症で ある。 そして、赤血球とヘモグロビンが減少していることから貧血が見られる。 (補足) 多発性骨髄腫の 4 つの主症状 CRAB C:高 Ca 血症 R:腎障害 A:貧血 B:骨病変 [2013-Ⅱ(記)] 以下の各設問に答えよ。 Ⅱ-1) ビリルビン代謝の概要を各段階(ビリルビンの生成、血中での輸送、肝細胞への取込 み、肝細胞内輸送、抱合反応、肝細胞から胆汁への排泄)に分けて説明せよ。(なお、正確な 用語、蛋白名、酵素名を用いなければ加点しない) ビリルビン生成:ヘムは肝臓、脾臓、腎臓、骨髄の実質細胞、網内系細胞に分布するヘム オキシゲナーゼ(HO)により、ビリベルジンへと代謝される。 産生されたビリベルジンは、続いてビリベルジンリダクターゼにより還元を受けビリルビ ンへと代謝される 血中での輸送、肝細胞への取り込み:血流を介した肝臓に到達したアルブミンに結合した ビリルビンは類洞から Disse 腔へ達した後、アルブミンからかい離し、類洞側肝細胞膜に 存在する輸送蛋白(OATP1B1/OATP1B3)によって肝細胞に取り込まれる。 肝細胞内輸送、抱合反応:肝細胞に取り込まれたビリルビンは肝細胞内結合蛋白と結合し た後、滑面小胞体へ運ばれ小胞体内でグルクロン酸転移酵素である UGT1A1 により抱合型 ビリルビンとなる。 肝細胞から胆汁への排泄:抱合型ビリルビンは毛細胆管側肝細胞膜に運ばれ、膜上の輸送 蛋白(MRP2)により ATP 依存性能動輸送され胆管内腔へ排泄される。 Ⅱ-2) 血清補体価(CH50)が低値となる疾患のうち C3,C4 ともに低下するものを 3 つ書け。 SLE、急性糸球体腎炎、悪性関節リウマチ、DIC、ループス腎炎 Ⅱ-3) 血小板減少をきたす疾患を 5 つ列記せよ。 [汎血球減少を来す疾患] 再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、発作性夜間白色素尿症、白血病、多発性骨髄腫 [その他] TTP,ITP など Ⅱ-4) 52 歳の女性。健康診断で血圧が高い事を指摘され来院した。常用薬はなく、健康食品 の摂取もない。身長 160cm、体重 46kg。脈拍 80/分、整。血圧 164/92mmHg。尿所見:蛋 白(-)、糖(-)、ケトン体(-)。血液検査:赤血球 500 万、Hb14.5g/dl、Ht46%、白血球 7,800、 血小板 18 万。血清生化学検査:Na 142mEq/l,K 2.3mEq/l,Cl 102mEq/l,BUN 21mg/dl, Crel. 1.1mg/dl,空腹時血糖 94mg/dl,動脈血液ガス(room air):pH 7.40,PO2 95mmHg, PCO2 48mmHg,HCO3- 32mEq/l, 1) LDL コレステロールを計算せよ。 LDLC=TC-HDLC-(TG/5)=220-80-20=120 2) 血液検査、血清生化学検査、動脈血液ガスの結果で基準値をはずれるものはどれか。 K↓,PCO2↑,HCO3-↑ 3) 病態を考察したうえで考えられる診断と治療方針決定に有用な検査をあげよ。 高血圧で高 K 血症であり、HCO3-が上昇していることから、代謝性アルカローシスである。 ケトン体と血糖が陰性だから、緊急性のある糖尿病ケトアシドーシスではなくて、アルド ステロン症と考えられる。 カプトプリル試験、立位フロセミド負荷試験、生理食塩水試験が有用である。
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