目次 情報の過剰と貧困 処理の限界 制約 反転図形

目次
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情報の貧困と過剰
知覚における制約
語意の獲得における制約
多重制約充足のアイディア
類推の多重制約理論:ARCS
–
–
–
–
意味の制約
構造の制約
プラグマティックな制約
制約の相互作用、緩和
情報の過剰と貧困
• 過剰
– 腹痛の原因
– デバッグ
– 原因の組み合わせ
• 貧困
– 断定的な証拠は得られないことも多い。
処理の限界
• 作業記憶
• 数字(3,3)を覚えても、文字(英語4.6,日本
語5.7)を覚えても、名前を覚えてもだいたい
7±2くらい。
• 340915280473252875
• チャンク単位で覚えている。
制約
• 多様な情報、仮説の中から特定のものを選び出す
生体の内的傾向性
• 外部情報や内部的仮説のフィルタ
• 注意、重要度などを表現する
• 注意すべき点
–
–
–
–
–
制約しつつ(入力情報)、豊かにする(処理機構)
意識的かどうかは無関係
逸脱が許される(許されねばならない)
最善ではない(経験的なもの)
生得性?
ネッカーズキューブの
制約ネットワーク
反転図形
F:A
E
F:D
H
A
D
F
F:E
F:H
G
B
C
制約
対立する仮説は抑制リンク
調和する仮説は興奮リンク
F:B
F:F
F:C
F:G
1
Quineのパラドックス
• 直示的定義
– 「これは猫だよ」
• 可能な解釈
– 猫全体
– この猫(固有名詞)
– 猫の色
– 猫のしっぽ
– 4つ足で立っている猫
語意獲得における相互排他性制約
• 1つの対象は1つの名前を持つ(むろん違う
場合も多い)。
• 実験
– 既知の対象、未知の対象 → 選択
– 既知の対象、未知の対象 → dax → 選択
• 新しい言葉を聞いた場合には80%以上の確
率で未知の対象を選択する。
• 聞かない場合には、55%程度。
類推における意味的制約
• ベースとターゲットに含まれる言葉の意味の
表層的類似によって検索が左右される。
• 意味プライミング
• 写像においても同様。同一、同一タイプの
objectが用いられると正答率が上がる。
語意獲得における分類学的制約
• 子供はテーマ的に関連したものをグループ化する傾
向がある。
– パトカー → (車、警官) → 警官(59%)
– テニスシューズ → (ハイヒール、足) → 足
• しかし、これだと言語は獲得できない?
• Taxonomic Constraint:
– ある名前が発せられたときには、その名前はそれが指し
示す対象を含むカテゴリー(基礎カテゴリー)を指示する。
• 新しい言葉が発せられたときは(2,3歳児)
– パトカー → (車、警官) → 車(83%)
語意獲得における全体制約
• 未知語が与えられると、まだ名前のない、未
知の対象の名前と考える。
• 未知語が既知の対象に対して与えられると、
その語はその対象の部分の名前と考える。
• 未知語ー未知対象 部分の選択は20%
• 未知語ー既知対象 部分の選択は57%
元のストーリー
– カーラという年老いた鷹が樫の木の上に住んで
いました。ある日、猟師が弓と羽のついていない
矢を持ってやってくるのが見えました。猟師は
カーラ目がけて弓を放ちましたが、それは外れて
しました。カーラは猟師が羽を欲しがっているの
がわかっていました。そこで彼の側まで降りて
いって、羽を何枚か落していきました。彼はたい
そう喜んで、もう鷹を狙うことはしないと誓いまし
た。そして立ち去り、そのかわりに鹿狩りに出か
けました。
2
対象レベルの類似
– 昔、ザーディアという名前の鷹がいました。ザー
ディアはある運動選手に尾の羽を何枚かあげた
ので、彼は鷹を狙うことはしないと約束しました。
ある日、ザーディアが岩山の巣で休んでいると、
その運動選手が弓を持ってやってくるのが見えま
した。ザーディアは彼に会おうと降りていきました
が、彼は弓を放ちました。ザーディアはふらふらと
落ちていきながら、その矢には前にあげたちまし
た羽がついていることに気がつきました。
関係レベルの類似
– 昔、ザーディアという国があり、そこでは最高のコ
ンピュータを作っていました。ある日、ザーディア
は好戦的なガラチという国に攻め込まれました。
彼らはミサイルで狙ってきましたが、外れてしまい
ました。ザーディアの政府はガラチがコンピュータ
を欲しがっていることがわかっていたので、いくつ
か売ることに決めました。ガラチの政府はたいそ
う喜んでもうザーディアを攻めることはしないと約
束しました。
対象レベルの類似−−中間レベ
ルの類似ストーリー
– 昔、ザーディアという国があり、そこではもっとも
素晴らしいコンピュータを作っていました。ザー
ディアはスーパーコンピュータを隣国のガラチに
売ったところ、ガラチはザーディアを絶対に侵略し
ないと約束しました。しかしある日、ザーディアは
ガラチからの急襲を受けました。降伏後に、ザー
ディアの政府はそのミサイルがザーディアが売っ
たコンピュータによって制御されていることを知り
ました。
各ストーリーの関係
主人公
対象
所有
相手
関係
実験結果
• 対象レベルの類似ストーリーを手がかりとし
て与えられた場合には、78%が元のストー
リーを再生した。
• 一方、関係レベルのストーリーでは、元のス
トーリーを再生できたのは、44%にすぎな
かった。
• 人間のベースの検索には、対象レベルの類
似が強い影響を与える。
元ストーリー 対象一致
関係一致
ストーリー
ストーリー
カーラ
ザーディア ザーディア
鷹
鷹
国
羽
羽
計算機
猟師
運動選手
ガラチ国
(羽→猟師) (羽→選手) (計算機→ガ
ラチ)→平和
→平和
→死
例題からの転移
• 宮廷の騎士たちが槍の試
合のトーナメントを行います。
参加する8人の騎士たちは
王の持ち馬11党の中から
一頭を選びます。騎士たち
がでたらめに選んだとき(体
重の重い順に選んでいきま
す)、最も重い騎士が最も
大きい馬、2番目に重い騎
士が2番目に重い馬、3番
目に重い騎士が3番目に重
い馬を選ぶ確率は?
• この問題は、まず
– 何個の要素から → N
– 何個の要素を抜き出
– すか → R
• を求めます。
• N=8, R=3
• 次に以下の式で計算します。
1/n(n-1)(n-2)….(n-r+1)
• この場合は、
1 / 8×7×6
• となります。
3
転移問題
• 宮廷の騎士たちが槍の試合の
トーナメントを行います。29頭用
意された馬は魔法をかけられて、
言葉をしゃべるようになり、23人
の騎士の中からひとりずつ気に
入った騎士を選んでいきます。馬
たちがでたらめに選んだとき(体
重の重い順に選んでいきます)、
最も重い騎士が最も大きい馬、2
番目に重い騎士が2番目に重い
馬、3番目に重い騎士が3番目に
重い馬に乗る確率は?
• N = 23
• R=3
• 1 / (23 × 22 × 21)
• が答えとなる。
• しかし半数程度の大学生
が
1 / (29 × 28 × 27)
類推における構造制約
• Gentnerの構造写像理論を参照。
• ただし、構造の制約は数ある制約の中の1つ
である。
• という間違いをおかす。
類推におけるプラグマティックな制約
プラグマティックな類似
• ターゲットとゴールが同一であるベースは有
効であるケースが多い。
• ラジオの予約をしたことがあれば、ビデオの
予約もうまくいく。
• Gickの実験では、ターゲット問題で起こりや
すい間違いを、ベース問題で経験させること
により、類推的転移が生じやすい事を明らか
にした。
• ターゲットとゴールが同一であるベースは有
効であるケースが多い。
• ラジオの予約をしたことがあれば、ビデオの
予約もうまくいく。
• Gickの実験では、ターゲット問題で起こりや
すい間違いを、ベース問題で経験させること
により、類推的転移が生じやすい事を明らか
にした。
ARCS
• Analog Retrieval by Constraint Satisfaction
• Thagardらはベースの検索を以上3つの類似
が協調的に働く過程であると主張し、ARCS
というコンピュータシミュレーションモデルを構
築した。
• これはlocalist表現をとる、制約ネットワークで
ある。
カーラ=ザーディア(鷹)
与える=与える
カーラ=ザーディア(国)
与える=与える
生存=平和
生存=殺害
羽=羽
漁師:選手
羽=計算機
漁師:ザーディア
意味ユニット
プラグマティック
ユニット
4
ターゲット
P1
P1-1: A(a, b)
P1-2: B(b, a)
ARCSにおける制約の種類
• ネットワークの構成には、関係の制約を用い
る。
• 対象レベルの類似性、プラグマティックな類
似性については、特別なユニットをもうけ、そ
こから興奮性の信号によって表現する。
• 様々な制約の持つ力を相互作用させるのが
類推。
ベース候補
S1
S1-1: M(m, n)
S1-2: N(n, m)
S2
S2-1: M(n, m)
S2-2: N(m, n)
ARCSの動作(1)
ARCSの動作(2)
• WordNetというシソーラスを用いて、関連する
ベースをいくつでも選んでくる(語彙レベルの
関連)
• 統語上の制約だけを用いて、ターゲットの要
素と潜在的に関係づくと考えられるベースの
要素の対応を表すノードをつくる。
• 関係の制約を用いて、ノード間に興奮性、抑
制性のリンクを張る。
• 意味的に似ているもの、ゴールの達成に関与
したものには、各々意味論ユニット、プラグマ
ティックユニットから強い興奮性の信号を送る。
• 制約緩和アルゴリズムにより、収束させる。
記憶する文
近い手がかり
• ジョンは大変な自信家でした。彼はよい成績
を取るためにかなり勉強しました。ところが彼
はあまりいい点を取ることができませんでした。
その後、彼の高校の先生がイエール大学の
陸ルータに合わせてくれました。彼が学校か
ら帰るとイエールから不合格通知が届いてい
ました。その夜、彼はアイビーリーグの出身
者がどれほどうぬぼれ屋であるかを父に語っ
たのでした。
• リサは自分の会社のために多くの時間を割
いてきました。彼女は自分に絶対の自信があ
りました。1年前、彼女は婚約者と別れていま
したので、彼女は新しいパートナーとの出会
いを求めていました。同僚が知り合いの男性
を紹介する場を用意してくれました。しかし彼
女がずいぶん止まったのにもかかわらず、彼
は現れませんでした。彼女は、その男はハン
サムはないだろうし、サラリーマンには飽き飽
きしたと友人に言いました。
5
遠い手がかり
近い偽手がかり
• 一角獣のエリーは川の向こうに何があるかを
みたいと考えていました。たぶんそこにはす
てきで豊かな草原と果物があると考えていま
した。エリーはある日川を渡ろうと思い、渡り
始めました。しかし、20分ほどがんばったの
ですが、流れが速くとてもわたりきることはで
きませんでした。エリーは川向こうについての
いろいろな話は全部嘘で、そこには何も価値
のあるものはないと思いこむことにしました。
• ジェニファーは新しいビジネスを起こそうと躍
起になっていました。彼女は離婚していたの
で、新しい恋人を探していました。ある日彼女
の友人がある男性とのデートを持ちかけまし
た。彼女は大変に喜びその場所に出かけて
いったのですが、2時間待っても彼は現れま
せんでした。彼女は、自分はさほど魅力的で
もないだろうし、自分の職業に相手は関心を
持ってくれないだろうとあきらめたことを友人
に伝えました。
実験の流れ
結果
単独
条件
真の手がかり
偽の手がかり
60
50
40
ターゲット
ストーリー
の記憶
再生
真の手がかり
偽の手がかり
30
20
競合
条件
10
真の手がかり
偽の手がかり
1つの手がかりは構造的対応す
るターゲット、表層的に対応する
ターゲットを持つ。
0
near
far
単独条件
near
far
競合条件
6