新着図書 (平成28年3月)

家へ
石田
千
東京の美大で彫刻を学ぶ大学院生「シン」は、母と、その内縁の夫「じいさ
ん」と新潟の海辺の町で育った。一方、島に住む実の父親「倫さん」とも親
しく交流を続けている。複雑ながら穏やかな関係を保つ家族だったが、シン
の心に小さな違和感が芽生えはじめる……。
異郷の友人
上田
岳弘
阪神大震災を予言し、信者を増やす淡路島の新興宗教。イザナキ、イザナミ
の国生みの地で、新たな世界創生を説く教祖のもと、アメリカ西海岸から謎
の天才ハッカー集団が訪ねてくる。彼らは何を企んでいるのか。すべてを見
通す僕とは、いったい何者か?世界のひずみが臨界点に達したとき、それは
起きた。
シェア
加藤
秀行
IT企業、シェアハウス…クールな文体でスタイリッシュな世界が秘める真
実の感触に迫る!芥川賞候補作&文學界新人賞受賞作。
死んでいない者
滝口
悠生
第 154 回芥川賞受賞!
生と死が響きあう奇跡の一晩。ある秋の日、ひとりの男の通夜に集まった親
類たち。それぞれが故人を思う中で、広がりゆく複数の時間と記憶を豊かに
描き出す。
異類婚姻譚
本谷
有希子
第 154 回芥川賞受賞!
子どもなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、
自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づく。
「俺は家では何も考
えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間
にか夫婦の輪郭がまじりあって……。
つまをめとらば
青山
文平
第 154 回直木賞受賞!
太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女な
らば、答えを知っていようか―。時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説。
ヨイ豊
梶
よう子
黒船来航から 12 年、歌川の大看板・三代豊国が亡くなった。これから誰が一
門を率いるのか。清太郎と八十八の兄弟弟子が、江戸から明治への激動の中
で、浮世絵を守り抜こうと奮闘する。
戦場のコックたち
深緑
野分
一晩で忽然と消えた 600 箱の粉末卵の謎、不要となったパラシュートをかき
集める兵士の目的、聖夜をさまよう幽霊兵士の正体……。誇り高き料理人だ
った祖母の影響で、コック兵となった 19 歳のティム。彼がかけがえのない仲
間と過ごす、戦いと調理と謎解きの日々を連作形式で描く。
羊と鋼の森
宮下
奈都
ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長す
る姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
孤狼の血
柚月
裕子
昭和 63 年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの
癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪事件
をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思い
も寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰
か、日岡は本当の試練に立ち向かっていく―。
王とサーカス
米澤
穂信
「さよなら妖精」から十年のときを経て、高校生だった太刀洗万智は、異郷
でふたたび大事件に遭遇する。絶賛を浴びた「満願」をも超える、現在注目
の著者の最新最高傑作。
君の膵臓をたべたい
住野
よる
ある日、高校生の僕は病院で1冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そ
こには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれてい
た。こうして、偶然にも「ただのクラスメイト」から「秘密を知るクラスメ
イト」となった僕。まるで自分と正反対の彼女に、僕は徐々にひかれていっ
た。だが、世界は病を患った彼女さえ、平等に残酷な現実をつきつける―。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至。
世界の果ての子どもたち
中脇
初枝
戦時中、高知県から親に連れられて満州にやってきた珠子。言葉も通じない
場所での新しい生活に馴染んでいく中、彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、恵
まれない家庭で育った茉莉と出会う。お互いが何人なのかも知らなかった幼
い三人は、あることをきっかけに友情で結ばれる。しかし終戦が訪れ、運命
は三人を引きはなす。戦後日本と中国で、三人は別々の人生を歩むことにな
った。
教団X
中村
文則
謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠
すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と 4 人の男女の運命が絡ま
り合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何
か。絶望的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。
真田幸村と真田丸
渡邊
大門
大坂夏の陣から 400 年を経て、今よみがえる幸村と十勇士の物語―。
史料を駆使して、逸話と謎を解き明かす問題作。
その他2冊