特 許 公 報 特許第5792919号

〔実 11 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5792919号
(45)発行日
(P5792919)
(24)登録日 平成27年8月14日(2015.8.14)
平成27年10月14日(2015.10.14)
(51)Int.Cl.
FI
A61K 35/74
(2015.01)
A61K
A23C
9/123
(2006.01)
A23C
A23L
1/30
(2006.01)
A61P 31/12
(2006.01)
35/74
A
9/123
A23L
1/30
Z
A61P
31/12
請求項の数12 (全15頁)
(21)出願番号
特願2008-534490(P2008-534490)
(73)特許権者 500045257
(86)(22)出願日
平成18年10月6日(2006.10.6)
プロビ
(65)公表番号
特表2009-511470(P2009-511470A)
スウェーデン国
ンド
エービー
(43)公表日
平成21年3月19日(2009.3.19)
(86)国際出願番号
PCT/SE2006/001138
(87)国際公開番号
WO2007/040445
(87)国際公開日
平成19年4月12日(2007.4.12)
(72)発明者 アレンフォール
審査請求日
平成21年9月15日(2009.9.15)
スウェーデン国
審判番号
不服2013-20215(P2013-20215/J1)
審判請求日
平成25年10月17日(2013.10.17)
エス−223
ソルヴェガタン
70
ル
37
ロ
32
フ
41
(74)代理人 110000796
特許業務法人三枝国際特許事務所
マ
ジャン
エス−234
ニボベーゲン
(72)発明者 ベルグゲン
(31)優先権主張番号
0502209-0
スウェーデン国
(32)優先日
平成17年10月6日(2005.10.6)
リインゲ
(33)優先権主張国
スウェーデン(SE)
(31)優先権主張番号
0502250-4
スウェーデン国
(32)優先日
平成17年10月7日(2005.10.7)
ンデムガタン
(33)優先権主張国
スウェーデン(SE)
(72)発明者 ラスク
79
アンナ
エス−240
トゥルパンベーゲン
9
キャロル
エス−431
62
タ
31
最終頁に続く
(54)【発明の名称】ウイルス感染治療のための乳酸菌の使用
1
2
(57)【特許請求の範囲】
ラム HEAL9、DSM 15312、ラクトバチルス・プランタラ
【請求項1】
ム HEAL 19、DSM 15313、及びラクトバチルス・プラン
NKT細胞集団の増大及び細胞傷害性T細胞上の記憶マーカ
タラム HEAL 99、DSM 15316からなる群から選択される
ーCD45ROのアップレギュレーションのための薬学的組成
、請求項2に記載の使用。
物の製造のための、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lact
【請求項4】
obacillus paracasei) 8700:2、DSM 13434の使用。
ラクトバチルス・パラカゼイ 8700:2、DSM 13434と、前
【請求項2】
記少なくとも1種の乳酸菌株が、連続又は同時に投与さ
ラクトバチルス・パラカゼイ 8700:2、DSM 13434ととも
れることが意図される、請求項2又は3に記載の使用。
に、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus pla
【請求項5】
ntarum)、ラクトバチルス・ラムノーザス(Lactobacillu 10
前記薬学的組成物が、液体製剤又は固体製剤である、請
s rhamnsosus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lact
求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
obacillus fermentum)、ラクトバチルス・パラカゼイ及
【請求項6】
びラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)か
前記固体製剤が、錠剤、吸引錠剤(sucking tablet)、チ
らなる群から選択される、少なくとも1種の乳酸菌株が
ューイングタブレット(chewingtablet)、カプセル剤、
使用される、請求項1に記載の使用。
サシェ、散剤、顆粒剤、被覆粒子、被覆錠剤、被覆錠剤
【請求項3】
、腸溶錠及び腸溶カプセル、メルティングストリップ(
前記ラクトバチルス・プランタラムが、ラクトバチルス
melting strip)、及びフィルムからなる群より選択さ
・プランタラム 299、DSM 6595、ラクトバチルス・プラ
れる、請求項5に記載の使用。
ンタラム 299v、DSM 9843、ラクトバチルス・プランタ
【請求項7】
( 2 )
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4
前記液体製剤が、経口液剤、懸濁剤、乳濁剤、及びシロ
ている。先天性免疫系について、多形核細胞(PMN)の
ップ剤からなる群より選択される、請求項5に記載の使
食作用活性の上昇や、NK細胞の腫瘍攻撃活性の上昇が報
用。
告されている。われわれの知見として、プロバイオティ
【請求項8】
クス細菌摂取後における特異的細胞免疫系への影響を示
前記組成物が、担体材料を含む、請求項1から5のいず
す臨床研究はない。
れか一項に記載の使用。
【発明の開示】
【請求項9】
【発明が解決しようとする課題】
前記担体材料がオートミール粥、乳酸醗酵食品、難消化
【0003】
性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質、及び糖化タ
本発明に従い、乳酸菌やグラム陰性細菌のP.ルンデンシ
ンパク質からなる群より独立に選択される、請求項8に 10
ス(P. lundensis)の毎日の摂取後の先天性免疫や後天
記載の使用。
性免疫系への影響を徹底的に検討した。興味深いことに
【請求項10】
、L.プランタラム(L. plantarum)を受けた被験者にお
6
1 4
前記株が組成物中に、1×10 から1×10
CFUの量で存
いて、特異的な細胞免疫系の活性化が観察され、L.パラ
在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
カゼイ(L. paracasei)を受けた被験者においても、同
【請求項11】
様のことが示された。さらに、種々の乳酸菌スピーシー
8
1 2
前記株が組成物中に、1×10 から1×10
CFUの量で存在
ズを受けた被験者では、NKT細胞集団の増加や食作用活
する、請求項10に記載の使用。
性の増強のように、先天性免疫における免疫増強効果が
【請求項12】
観察された。グラム陰性細菌であるP.ルンデンシスでは
9
1 1
前記株が組成物中に、1×10 から1×10
CFUの量で存在
する、請求項11に記載の使用。
効果はなく、ここに記載している実験のとおり、測定し
20
た他のどのような免疫パラメーターにも影響しなかった
【発明の詳細な説明】
。
【技術分野】
【0004】
【0001】
抗生物質耐性の発達や様々な感染治療における失敗によ
本発明は、ウイルス感染の治療及び/又は予防のための
り、代替的手段としてプロバイオティクスに関心が高ま
薬学的組成物の製造のための、乳酸菌から選択される少
っている。カゼなどの問題に対して、プロバイオティッ
なくとも一種のプロバイオティクス細菌(Probiotic bac
ク機能性食品に対する必要性が存在するであろう。毎年
teria)株の使用に関するものである。
のカゼ感染の罹患率の高い数値の観点からもこのことは
【背景技術】
明らかである。ビタミンCを多く含む食物は伝統的にカ
【0002】
ゼの発症を抑えるために摂取されてきた。市場には免疫
プロバイオティクス細菌は生きている微生物と定義され 30
系に何らかの影響を与えると謳う多数の様々な製品があ
、適量の投与で宿主に有益な働きを及ぼす。乳酸菌やビ
る。
フィズス菌は、プロバイオティクス製品として最も頻繁
【0005】
に使用されている細菌である。これらの細菌は一般的に
本出願の目的とするところは、プロバイオティック機能
安全で、これらの菌体に基づいたプロバイオティクス製
性食品の規則的な投与後に、カゼの症状といった問題に
品も同様である。どのような年代に対しても病原性はな
どのように影響するかを明らかにし、ゆえに、一般的な
く、免疫低下者に対しても病原性はない。種々のプロバ
地域社会においてこの問題の代替案なり得る。
イオティクス細菌の摂取は様々な生理的、病理的状況に
【課題を解決するための手段】
おいて、臨床的な有益性を示してきた。最も明解な影響
【0006】
は、抗生物質治療や、ロタウイルスの感染が原因で生じ
発明の要約
る下痢において示されてきた。また、プロバイオティク 40
本発明の目的は、ウイルス感染の治療及び/又は予防の
ス細菌の摂取後、炎症性腸疾患やアトピー性皮膚炎、さ
ための薬学的組成物の製造のための、乳酸菌から選択さ
らに、高コレステロール血症に対しても、良好な臨床的
れる、少なくとも1種類のプロバイオティクス細菌(Prob
な効果が示されている。プロバイオティクス細菌がこれ
iotic bacteria)株の使用である。
らの臨床的改良に、寄与する機序は明らかではない。動
【0007】
物におけるインビトロ・インビボの研究と同様に、ヒト
本発明のもう1つの目的は、ウイルス感染の治療及び/
由来のインビトロにおける研究から、種々の乳酸菌は先
又は予防ほうほうであり、ここで、乳酸菌から選択され
天性免疫、および後天性免疫に様々な方法で影響を及ぼ
る、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌(Probioti
していることが示されている。臨床的な研究においては
c bacteria)株が個体に投与される。
主に先天性細胞免疫系の刺激や、自然感染に対する体液
【0008】
性免疫応答の増進や、経口又は全身免疫の増進が示され 50
本発明に従って使用される乳酸菌は、ラクトバチルス・
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5
6
プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバ
本文中に記載されている単語「治療及び/又は予防」と
チルス・ラムノーザス(Lactobacillus rhamnsosus)、
は、個体における予防的な処置、すなわち、すでに個体
ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus ferm
で進行してしまった疾病/感染を治療するのと同様に、
entum)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus
疾病や感染を予防するために、疾病やウイルス感染が発
paracasei)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillu
症する前に、プロバイオティクス細菌を用いた処置が開
s gasseri)、からなる群より選択されたものであり得
始されることを含む。後者の場合、例えば徴候の緩和が
るがそれに限らない。
期待されることか、もしくは患者の一般的症状がよい方
【0009】
向に向かうこと、もしくは患者が疾病/感染からより早
本発明に従って使用されるラクトバチルス・プランタラ
く治癒するということである。つまり、個体が感染を患
ムは299、DSM 6595、ラクトバチルス・プランタラム299 10
うリスクがあるかどうか、もしくは患者で、すでに感染
v、DSM 9843、ラクトバチルス・プランタラム
が進行してしまったかというである。
HEAL 9
、DSM 15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL 19、
【0015】
DSM 15313、及びラクトバチルス・プランタラムHEAL 99
本発明の実施形態において前記株は薬学的組成物中に約
、DSM 15316からなる群より選択されたものであり得る
1×10 から約1×10
がそれらに限らない。
約1×10 より好ましくは、1×10 か1×10 の量が存在
【0010】
するが、それに限定されない。
本発明に従って使用されるラクトバチルス・パラカゼイ
【0016】
は、ラクトバチルス・パラカゼイ8700:2、DSM 13434、
本発明に従う薬学的組成物は例えば液体製剤であり、も
ラクトバチルス・パラカゼイ02A、DSM13432からなる群
しくは固体製剤である。
より選択されたものであり得るがそれらに限らない。本 20
【0017】
発明に従って使用されるラクトバチルス・ガセリはラク
薬学的組成物が固体製剤であるとき、錠剤、吸引錠剤、
トバチルス・ガセリVPG44、DSM 16737から選択されたも
スウィート(sweet)、チューイングタブレット(chewing
のであり得るがそれらに限らない。
tablet)、チューインガム、カプセル剤、サシェ、散剤
【0011】
、顆粒剤、被覆粒子、被覆錠剤、腸溶錠、腸溶カプセル
ここで明確に開示したプロバイオティクス細菌株よりも
剤、メルティングストリップ(melting strip)、もし
、他のプロバイオティクス細菌株は、当然に本発明に従
くはフィルムとして処方される。
い使用され得、それらは、期待される効果、すなわちウ
【0018】
イルス感染の緩和もしくは、ウイルスの感染の予防効果
薬学的組成物が液体製剤であるとき経口液剤、懸濁剤、
を提供する限り、本発明の範囲内である。
乳濁剤、もしくはシロップ剤として処方される。前記の
【0012】
6
1 4
1 2
30
8
CFU、好ましくは、約1×10 から
9
1 1
組成物は、さらにオートミール粥、乳酸醗酵食品、難消
本発明の実施形態では少なくとも二つのプロバイオティ
化性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質及び糖化タ
クス細菌株が薬学的組成物において使用される。前記の
ンパク質からなる群より独立に選択される担体材料を含
少なくとも二つの株は連続的に、もしくは同時に投与さ
んでもよいが、それらに限定されない。
れることを意図している。すなわち、株は一つの組成物
【0019】
として、混合された形で投与されるか、もしくは、順番
本発明の実施形態において、前記の薬学的組成物は、医
に分離した異なる組成物として投与され得る。
療用食物、機能性食物、栄養補助食品、栄養製品、又は
【0013】
食品調製物である。
本発明に従い、ウイルス感染の治療が可能である。治療
【0020】
可能なウイルス感染とは、I型単純ヘルペスウイルス、I
I型単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、感冒ウ
本発明に従い使用され、本発明に従い製造される、本発
40
明に従う薬学的組成物は、不活性ビヒクル、もしくは薬
イルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パラインフ
学的に許容されるアジュバント、担体、保存料などのよ
ルエンザウイルス、RS(respiratory syncytial)ウイ
うな、当業者によく知られた、その他の物質を含んでも
ルス、エンテロウイルス、及びコロナウイルスからなる
よい。
群より選択されたものであるがそれに限らない。ここで
【0021】
特に述べていないプロバイオティクス細菌が影響を及ぼ
用語「薬学的組成物」は必ずしもその通常の意味での薬
す他のどんなウイルスの感染も、本発明の範囲内である
学的組成物である必要はないが、ウイルス感染の治療や
。風邪を引き起こす原因については多くの様々なウイル
予防といった、必要とされる効果が満たされる限り、食
スやその形態が存在することが知られている。すべての
品組成物、栄養補助食品、機能性食品、医療用食品、又
このようなウイルスは本発明の範囲内である。
は栄養食品として処方されてもよい。前記の食品組成物
【0014】
50
とは、飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、
( 4 )
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7
8
パン、ビスケット、シリアル、ヘルスバー、スプレッド
ために使用される:CD25 FITC (2A3)、HLA-DR PE (L243
、及び栄養製品からなる群から選んでもよい。食品組成
)、CD45RO PE(UCHL-1)、CD38 PE (HB7)、CD27 PE(L128)
物には、さらにオートミール粥、乳酸醗酵食品、難消化
、およびCD11b PE (D12)。すべての抗体は、ベクトン、
性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質及び糖化タン
ディッキンソン社(エレンボーデン、ベルギー)より購
パク質からなる群より選ばれた、担体材料をさらに含ん
入した。
でもよい。
全血(100 μl)は抗体(10 μl)と暗所にて4℃、30
【0022】
分インキュベートし、その後2 mlのFACS lysing soluti
従って、本発明に従う組成物の使用は、予防的に使用可
on(ベクトン、ディッキンソン社)を加え、暗所にて20
能であるという意味では、ウイルス感染が進行してしま
℃、15 分インキュベートした。細胞は3 mlのFACSFlo
う前に使用できるので、非常に有益である。使用された 10
wを加えて洗浄し、300 x gにて5 分間遠心し、200 μl
薬学的組成物は必ずしも本来の意味で薬学的組成物であ
のFACSFlowで再懸濁した。解析はFacsCalibur(ベクト
る必要はないが、健康補助食品や機能性食品であっても
ン、ディッキンソン社)とCellQuestソフトウェアを用
よいので、正常健常人にとって予防的に本発明の組成物
いて行った。
を摂取することは非常に都合がよい。
【0025】
【発明を実施するための最良の形態】
食作用測定法
【0023】
単球や顆粒球の食作用活性はPHAGOTEST(登録商標)(
実施例
オルペゲン・ファーマ社、ハイデルベルグ、ドイツ)を
実施例1
用いて、製造業者の仕様書に従い幾つかの改変を加えて
被験者と治験基準
測定した。簡単に説明すると、20×10 個のFITC標識さ
18歳から55歳の(平均26歳)57人の明確に健康なボラン 20
れた大腸菌(E. coli)、もしくは黄色ブドウ球菌(S.
6
ティアを盲検プラセボ対照研究のために選んだ。被験者
aureus)をあらかじめ冷やしておいた全血(100 μl)
は無作為的に8群に割り当て、グラム陽性菌、L.プラン
に加える。血球細胞と細菌を37℃、10
タラム(L. plantarum) 299v (n= 7)、L.プランタラム
し、FacsCaliburとCellQuestソフトウェアを行った。
・Heal(L. plantarum Heal) 19 (n= 7)、L.ファーメ
【0026】
ンタム(L. fermentum) 35D (n= 7)、L.パラカゼイ(L
計算
. paracasei) 8700:2(n= 7)、L.ガセリ(L. gasseri)
様々な免疫パラメーターに関する個人間の変化は、14日
VPG 44 (n= 7)、L.ラムノーザス(L. rhamnsosus) 27
目と0日目、あるいは35日目と0日目に得られた個人の値
1 (n= 7)、もしくはグラム陰性菌P.ルンデンシス(P. L
の比を計算することで決定した。これらの比は、すべて
undensis) n= 7)、もしくはプラセボ (n= 10)を受けた
の群の計算と統計処理に使用した。
1 0
。菌体の用量は乳酸菌においては10
細菌/日で、P.ル
30
9
インキュベート
【0027】
ンデンシスにおいては10 細菌/日であった。対象群には
統計処理
スキムミルク粉末1gを与えた。群によっては、調査は6
すべての統計学的解析はStatviewを用いて行った。マン
週間か、もしくは9週間行った。そのうち2週間は休薬期
フォイットニーU検定は異なる群間を比較するために使
間であり、アクティブ研究期間は2週間か5週間で、残り
用した。
は2週間のフォローアップ期間である(図4)。それぞれ
【0028】
の被験者に対して、すべての試験期間中で消費するべき
結果
ではないプロバイオティック製品を含む製品リストを渡
臨床学的観察
した。末梢血サンプルは被験者の静脈より2、3回、0日
57人のボランティアのうち54人が完全に研究された。2
目、14 日目、35 日目に採血した。被験者の副作用の訴
名が感染し、抗生物質治療のために除外した(1 名はプ
え、健康状態、摂取した研究製品の確認を記録した日誌 40
ラセボ群で、もう1 名はP.ルンデンシス受種群)。また
は治験中記録した。
、1 名は16 日目に妊娠のため除外した(プラセボ群)
【0024】
。研究製品の摂取後に、緩やかな胃腸系の副作用のみが
フローサイトメトリー
報告された(図1)
全血中のリンパ球の表現形の解析はフローサイトメトリ
【0029】
ーにより行った。様々な細胞集団の表面マーカーとして
乳酸菌摂取がT細胞を活性化する
、以下に示す抗ヒトモノクローナル抗体を用いた。CD3
活性化マーカーのCD4 およびCD8 T細胞において、個々
FITC (SK7)、CD4 APC (SK3)、CD8 PerCP (SK1)、CD19 P
の変動もあり、ベースライン(0日目)が非常に高かっ
erCP (SJ25C1)、CD56 PE (MY31)、CD16 PE(B73.1)、お
た。様々な細胞表面マーカー発現している細胞の百分率
よびCD5 FITC (L17F12)。以下に示す抗ヒトモノクロー
のベースラインは図2に示した。この時点の種々の群間
ナル抗体は様々な活性化および記憶マーカーを検出する 50
において、有意な差異は見られなかった。非常に大きな
+
+
( 5 )
JP
9
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2015.10.14
10
個体間差が観察されたので、それぞれ個人の0日目と比
データは示さない)。
較した14日目と、35日目の比の値を比較するために選択
【0033】
した。すべての計算値とその比較は比の値(14日目/0日
考察
目と35日目/0日目)で行った。L.プランタラム 299vを
免疫系の一次タスクは迅速かつ猛烈に微生物と反応し、
+
含む研究製品を摂取した14日後、CD8 T細胞上の活性化
その結果感染を予防し、治癒する。微生物の殺傷には強
マーカーCD25の約2倍の発現上昇が観察された(p=0.01
力な機構を採用しており、我々自身の組織も損傷を受け
)(図5)。また、有意ではないものの(p=0.12)、L.プ
る。ゆえに、我々自身の組織にも、その環境に存在する
+
ランタラム 299v摂取によって、CD8 細胞上のHLA-DRの
、無害な物質にも応答しないことが必要である。ゆえに
強いアップレギュレーションも示された。さらに、L.プ
、免疫系は、我々自身の体の成分と、食物や吸い込んで
+
ランタラム 299v摂取後にCD4 T細胞の活性化の傾向が観 10
きたタンパク質の両方に対する寛容を進展し、維持して
察された。グラム陰性細菌P.ルンデンシスと同様に本研
いる。もし、これが機能しなくなると、幾多もの疾病を
+
究に含まれる他の乳酸菌種の摂取も行ったところ、CD4
引き起こす。特定の免疫寛容を発生する手段は免疫系に
+
T細胞もCD8 T細胞も活性化しなかった。しかしながら、
おいて不可欠な作業である。
+
L.パラカゼイ摂取では確かに、CD4 T細胞のHLA-DRの発
【0034】
現が上昇する傾向にあった(p=0.18)。
すべての免疫反応において、ヘルパーT細胞が中心的な
【0030】
役割を担っている。ヘルパーT細胞が特定の抗原により
+
乳酸菌の摂取はCD4 T細胞の記憶型表現形誘導させる
+
活性化され、分裂し、成熟すると、様々なサイトカイン
+
CD4 およびCD8 T細胞上のCD45ROの発現の蛍光強度の幾
を産生し、それらは免疫系における、細胞障害性T細胞
何平均(Geometric means of the fluorescence intens
やB細胞などの、他のタイプの細胞に働きかける。ヘル
ity(GMFI))を異なる研究製品を受けた群間で比較し
20
パーT細胞の活性化は抗体産生を含むほとんどのタイプ
た。上記の通り、群の計算値は個人の比の値に基づいて
の免疫反応を作り上げるために必要である。逆に、ヘル
(14日目/0日目と35日目/0日目)比較のために使用した
パーT細胞の活性化が阻害されると、ほとんどのタイプ
。L.プランタラム299vを含む研究製品を摂取して35日後
の免疫反応は麻痺してしまう。
+
、CD4 T細胞におけるCD45ROのGMFI値は有意に上昇した
【0035】
+
(p=0.03)。また、L.プランタラムの摂取後のCD8 T細
ヘルパーT細胞の活性化と寛容の維持を堅固にするには
胞上のCD45ROの増加する傾向も存在した(図6)。その
様々な機構が存在する。一つの機構は、胸腺T細胞内で
+
上、L.パラカゼイの摂取がCD8 T細胞上のCD45ROのアッ
自分自身の組織を認識し、反応する能力をもって排除す
プレギュレーションにポジティブな効果を持っているよ
ることである。しかしながら、その排除は完全ではない
うである‘(p=0.10)(図6)
ので、さらに外来性抗原に対する特異的な免疫寛容を発
【0031】
30
達させる必要がある。そうでないと、吸入し摂取するす
研究製品の摂取による様々な細胞の集団への効果
べてのタイプの物質に対して猛烈に反応することになり
L.パラカゼイを摂取することで、NKT細胞と同定できる
、広範囲の炎症を引き起こし免疫資源を無駄にする。
リンパ球の百分率が上昇した(p=0.06)(図7)。0日目
【0036】
と比較して、相対的に増大したか減少したかについては
寛容の維持に中心的な細胞のタイプは制御性T細胞であ
+
+
+
CD4 T細胞、CD8 T細胞、B細胞、B-1細胞(CD19 、CD5
+
る。この細胞タイプは表面にCD4やCD25を発現し、細胞
)、NK細胞、顆粒球、単球などの、他の細胞に関しては
内においてはCTLA-4を保持し、核内タンパク質であるFo
確認できなかった。
xp3を転写するといった特定のマーカーによって認識さ
【0032】
れ得る。制御型T細胞は無害な物質に遭遇した際に、他
食作用活性
顆粒球と単球はFSC-SSCダイヤグラムで同定できる。こ
のT細胞が活性化するのを抑える能力を有し、従って、
40
要求されていないすべてのタイプの免疫反応を回避する
れらの細胞の、FITCラベルしたグラム陰性菌とグラム陽
。
性菌の食作用活性についてテストした。図8に示したと
【0037】
おり、L.プランタラム299v (p=0.064)、L.プランタラ
CD4 やCD25 のような特定のマーカーに関連している本
ムHeal19 (p=0.064)、L.ファーメンタム(p=0.064)
文中の記号「+」は、そのマーカーがT細胞に発現して
、又はL.パラカゼイ(p=0.05)受けたボランティアから
いることを意味する。例えば、CD4 CD25 T細胞はその表
得た顆粒球は、プラセボ群のボランティアより得た顆粒
面上にCD4マーカーとCD25マーカーの両方が発現してい
球に比べて、より効果的にグラム陰性菌である大腸菌の
るT細胞である。しかしながら、発現されるマーカーの
食作用を示した。ところが、グラム陽性菌である黄色ブ
量については何も述べず、それが存在することのみであ
ドウ球菌では食作用の群間での差異が見られなかった。
る。CD4
単球における、食作用活性の差異も検出されなかった( 50
る本文中の記号「++」は、そのマーカーがT細胞表層
+
+
+
+ +
+ +
またはCD25
+
のようなマーカーに関連してい
( 6 )
JP
11
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+
上で多量に発現していることを意味する。制御型T細胞
受けたとき、CD45RO
はCD25をその表面上で多量に発現している細胞、すなわ
とができる。これに対して、ナイーブT細胞はこれらの
+
ちCD4 CD25
+ +
+
+
T細胞である。それに対して、CD4 CD25 T
T細胞は増殖しIL-2を産生するこ
機能を実行するには、強いCD3-TCR刺激が必要である。
細胞は単に活性化したT細胞である。時には、CD4CD25の
感染およびワクチン接種後の効果的な免疫応答の誘導に
ように、「+」や「++」といった特異的な記号は使用
は、記憶型T細胞の形成が重要となる。
+
+
されず、これはCD4 CD25 細胞と同様に活性化された細
+
【0040】
+
胞を意味する。すなわち、CD4CD25はCD4 CD25 と同じで
先天性の細胞性免疫系は、プロバイオティクス細菌の摂
+
ある。制御型T細胞に関して議論する際には常にCD4 CD2
5
+ +
取によっても引き起こされる。
細胞と表記される。
L.パラカゼイ摂取に引き続いて、ナチュラルキラーT(N
【0038】
10
KT)細胞集団が増大することが実証された。NKT細胞はN
この、盲検プラセボ対照研究は独自のもので、初めて異
K細胞マーカーのCD56やT細胞マーカーのCD3-T細胞受容
なるグラム陽性菌である乳酸菌、またはグラム陰性菌P.
体複合体を共発現しているリンパ球亜集団を構成する。
ルンデンシス摂取後の様々な免疫パラメーターに対する
ヒトおよびマウスにおける研究では、多発性硬化症やI
影響を比較した最初の研究である。面白いことに、P.ル
型糖尿病、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾
ンデンシス摂取後は確かに測定したどんな免疫パラメー
患の制御において、NKT細胞が中心的な役割を担ってい
ターも影響を及ぼさなかった。これに対して、乳酸菌摂
ることが実証されている。NKT細胞はさらに、腫瘍やウ
取は特異的免疫系、先天性免疫系の両者の異なる要素に
イルス感染に対するエフェクター機能を働かせる。すな
影響を与えた。この研究における新規な知見は、L.プラ
わち、NKT細胞は自身の機能について多面的である。プ
ンタラムの摂取がT細胞集団において、記憶細胞の活性
ロバイオティクス細菌の免疫に対する効果を評価したそ
化と誘導にポジティブな影響を及ぼすと断言できる。細 20
の他臨床的な研究では、L.ラムノーザスHN101および、
胞傷害性T 細胞のHLA-DRのアップレギュレーションに対
ビフィドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium la
する強い傾向とIL-2受容体α鎖(CD25)の有意なアップ
ctis) HN019の摂取がNK細胞の(NKT細胞を含む)のK56
レギュレーションが見られた。これらの活性化マーカー
2細胞へ対する腫瘍殺傷活性を高めることを示した。こ
に対するアップレギュレーションに対する傾向はL. プ
の研究においては、ほかにも多核球細胞の食作用活性が
ランタラム摂取後における、ヘルパーT細胞においても
、様々な乳酸菌の摂取後に増加するという他人による観
観察された。活性化マーカーの発現はT細胞が抗原特異
察も確認されている。本研究において観察された種々の
的、または非特異的な刺激に応答して増殖開始すること
免疫パラメーターへの影響の結果として、ウイルス上昇
、および静止期T細胞(resting T cell)と比較してより
するといった感染および/または腫瘍に対して、免疫防
早くそのエフェクター機能を働かせることを示している
御が強化されるという点において細胞障害性T細胞の活
。L.プランタラムによって誘導されるT細胞の活性化の
30
性化とNKT細胞の増大が同時に起こると推測される。イ
背景にある機構は、微生物化合物が、Toll様受容体に結
ンビトロの知見として、乳酸菌は単球細胞のIL-12、お
合することで活性化し、抗原提示をしている細胞を介し
よびIL-18の分泌を誘導することを見出し、これらの細
ていると考えられる。
菌の摂取が、細胞を介した活性を刺激しているという理
抗原提示細胞の活性化は、T細胞に対する抗原提示をよ
論を支持している
り効果的にする。さらに、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T
本発明に従い、L.プランタラムおよびL.パラカゼイの摂
細胞の両者ともに様々なToll様受容体を発現しており
取が特異的、および先天的細胞免疫系に深い影響を有し
、微生物成分および生産物による、非特異的な活性化に
ていると結論付けられた。
対してこれらの細胞がおそらく感知させると考えられる
【0041】
。
実施例2
【0039】
40
この実施例での目標は、幾つかの(異なる種の)乳酸菌
ヘルパーT細胞コンパートメントの類似点から、CD45RO
を順序正しく次々に投与したときと比較して、同じ種の
の発現は細胞障害性T細胞において記憶集団をマークす
乳酸菌をより長期間与えることによる免疫系に対する効
るようである。L.プランタラム摂取後35日目において、
果を検討することである。
ヘルパーT細胞の、この記憶型細胞マーカーの有意な発
【0042】
現上昇と、細胞障害性T細胞がアップレギュレーション
ボランティアは14日間、もしくは35日間凍結乾燥された
する傾向が見出された。さらにまた、L.パラカゼイも細
粉末状の菌体を与えられた。グラム陽性細菌として、ラ
胞障害性T細胞上のCD45ROのアップレギュレーションの
クトバチルス・プランタラム299vのプロバイオティクス
+
傾向を示した。ナイーブT細胞と比較して、CD45RO T細
細菌を単独、もしくはL.ラムノーザス、L.ファーメンタ
胞は幅広い範囲でサイトカインの分泌を行っている。そ
ム、L.パラカゼイ、L.ガセリとの組み合わせで使用した
の上、CD3-TCR複合体が次善最適条件下において刺激を
50
。また、グラム陰性細菌としてシュードモナス・ルンデ
( 7 )
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ンシスを使用した。
この研究に参加した個人は500人で、90日間行った。250
以下に示す群で研究を行った。
人は活性化製品を摂取し、250人はプラセボ群とした。
1)ラクトバチルス・プランタラム35日間
研究は無作為抽出し、二重盲検プラセボ対照実験法の二
2)L.プランタラム7日間、L.ラムノーザス7日間、L.フ
つの治療群で行った。
ァーメンタム 7日間、L.パラカゼイ7日間、L.ガセリ7日
除外基準は以下の通り:製剤の中に含まれる含有物に対
間、合計35日間(連続)
してアレルギーか既知の不耐性を有する者;医学に処置
3)L.プランタラム、L.ラムノーザス、L.ファーメンタ
されたアレルギー;現在、深刻な胃腸障害で治療中であ
ム、L.パラカゼイ、L.ガセリの混合物。合計14日間
る者;妊娠もしくは授乳をしている者;12ヶ月以内にイ
4)L.ラムノーザス14日間
ンフルエンザウイルスに対するワクチンを接種した者;
5)L.ファーメンタム14日間
10
喫煙者。
6)L.パラカゼイ14日間
【0047】
7)L.ガセリ14日間
与えられたプロバイオティクスは凍結乾燥したラクトバ
8)シュードモナス・ルンデンシス14日間
チルス・プランタラム299vおよびラクトバチルス・パラ
コントロール群2)プラセボ35日間
カゼイ8700:2である。スクロース、マルトデキストリン
コントロール群1)プラセボ14日間
さらに加水分解されたゼラチンを凍結保護物質として加
血液サンプルは0日目、14日目、35日目に採血した。CD2
えた。投与量は毎日1g(約1×10
9
+
cfu/日)の凍結乾燥
5が大量に発現されているヘルパーT細胞(CD4 )の量は
した乳酸菌の摂取で、朝食とともに摂食した。
、上記実験例1にて説明したフローサイトメトリーを用
製品は、プロビ
いて、各群で決定した。
よって製造され、袋詰めされ、ラベルが貼られている。
【0043】
20
結果
エービー(ルンド、スウェーデン)に
製品の品質もプロビ
エービーによって確認されている
。それぞれのサシェには、研究で使用した名前、賞味期
14日目に、5種類の異なる乳酸菌株を順番に摂取した個
+
+ +
人において、CD4 CD25
限、保存の方法、製造業社名、調査責任者の名前と電話
T細胞の増大は境界の有意性で
番号が記されている。溶解及び摂取に対する詳細な指示
あった。
が二次パッケージに挿入される。製品はサシェで提供さ
【0044】
れる。
考察
開始14日前から開始後104日目まで、被験者はプロバイ
+
CD25分子を高密度で発現している(CD4 CD25
+ +
)ヘルパ
オティクス細菌を含む製品を摂ってはならない。被験者
+
ーT細胞(CD4 )は自己免疫疾患、アレルギー、炎症性
が試験期間中、摂ってはいけないプロバイオティクス製
腸疾患から保護するのに重要であることが示されてきた
品のリストを配布する。
。この知見からは、連続的に異なる乳酸菌を摂取した後 30
糞試料は一日目(研究製品を摂取する前)、15日目(摂
に、これらの細胞の数が増えるということが、上記疾病
取後)、104日目(摂取後)に提出された。サンプルは2
の進行に関するリスクを懸念する個人にとって、これら
本のチューブで回収し、18時間以内に解析を行い、この
の菌体の摂取が有益であることを示唆している。
期間の間、凍結保存した。サンプルは乳酸菌について分
【0045】
析される。
実験例3
血液サンプルは1日目と15日目に回収し、サンプルはCD4
この研究の目的は、少なくとも三ヶ月の間、乳酸菌を凍
+
結乾燥品/機能性食品における摂取がカゼの症状の重篤
【0048】
度、発症率、期間にどのように影響するか詳細に研究す
実験例1と2の結果からすると、プラセボ群と比較してプ
ることである。
とCD8
+
について解析を行った。
ロバイオティクス混合物を摂取した方がカゼに対する防
【0046】
40
御の増大が期待される。
インビトロの研究、もしくは動物実験は、ヒトに投与し
【図面の簡単な説明】
たときの有効性の程度を反映しないことから、ヒトにお
【0049】
けるインビボで行うことは重要である。これらの菌体は
【図1】図1は治験中において、胃腸系に何らかのマイ
、培養後直接投与した際に、小腸内にて定着する能力が
ナーな副作用の報告がなされたボランティアの数を示す
あることが先行研究において実証されている。
。
すなわち目的は、ラクトバチルス・プランタラム299v(
【図2】図2は血液1 ml当りの様々なリンパ球のベース
DSM 9843)とラクトバチルス・パラカゼイ8700:2(DSM
ライン数(0日目)(平均値±(SEM))を示す。
9
13434)の混合物(1×10
cfu/日)の消費で、カゼのリ
【図3】図3は様々な細胞の活性化と記憶マーカーに対
スクを減少することができるかどうか検討することであ
して陽性であるリンパ球のベースライン(0日目)の百
る。
50
分率とGMFI(平均値±(SEM))を示す。
( 8 )
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【図4】被験者を無作為に9つの異なる実験群に割り当
タラムとプラセボ群のみ)で示す。
てた。治験は二週間の休薬期間を設けて、その後続いて
【図7】NKT細胞マーカー(CD56CD16CD3)に対して陽性
、アクティブ研究期間を実施した。この期間では、被験
のリンパ球の百分率をフローサイトメトリーにて解析し
者たちは1日当たり1つの用量の研究製品を14日間(L.プ
た。群の計算は個体の割合に基づく(14日目/0日目)
ランタラム
。
Heal19、L.ファーメンタム、L.パラカゼイ
、L.ガセリ、L.ラムノーザス、P.ルンデンシス群)もし
【図8】好中球の食作用活性は、FITC標識した大腸菌ま
くは35日間(L.プランタラム299v及びプラセボ群)消費
たは、黄色ブドウ球菌と全血球細胞をインキュベートす
1 0
した。それぞれの用量は、10 (乳酸菌群)コロニー形
ることで解析した。14日目と0日目に得た平均蛍光値の
9
成単位(CFU)または10 CFU細菌(P.ルンデンシス群)
である。
割合を個々に決定し、群計算値を図に示した。
10
【図9】図9は実験2からの活性化表現形であるCD4CD25
【図5】活性化表現形であるCD8CD25、CD8HLA-DR、CD4C
が発現しているリンパ球の割合を示す。
D25やCD4HLA-DRを発現しているリンパ球の百分率をフロ
【図10】図10は実験2からの活性化表現形であるCD4 C
+
+ +
ーサイトメトリーで解析したものである。群平均値(±S
D25
EM)は個人内での数値の割合に基づいており、14日目/0
【図11】図11は実験2からの活性化表現形であるCD8 H
が発現しているリンパ球の割合を示す。
日目、35日目/0日目(L.プランタラムとプラセボ群の
LA-DR が発現しているリンパ球の割合を示す。
みを)で示す。
【図12】図12は実験2からの活性化表現形であるCD8 C
【図6】記憶型表現形であるCD8CD45ROおよびCD4CD45RO
D25 が発現しているリンパ球の割合を示す。
を発現しているリンパ球の百分率をフローサイトメトリ
【図13】図13は実験2からの活性化表現形であるCD4CD
ーにて解析した。群平均値(±SEM)は個体の割合に基
45ROが発現しているリンパ球の割合を示す。
+
+
+
+
づいており、14日目/0日目、35日目/0日目(L.プラン 20
【図1】
【図2】
【図3】
( 9 )
【図4】
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【図5−2】
【図6】
【図5−1】
【図7】
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【図8】
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【図10】
【図9】
【図11】
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( 11 )
【図12】
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【図13】
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フロントページの続き
(72)発明者
ウォルド
アグネス
スウェーデン国
エス−431
38
ムルンダール
アンティロプガタン
8
合議体
審判長
村上
騎見高
審判官
辰己
雅夫
審判官
穴吹
智子
(56)参考文献
特開2004−121073号公報
特開平10−167972号公報
特表2002−537867号公報
国際公開第2004/087893号
特表2004−507265号公報
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A61K35/00-35/76
A23L1/27-1/308
MEDLINE/CAplus/BIOSIS/EMBASE
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580
(STN)
(JDreamII)