レストラン理由はありません

学校教育目標
夢と希望をもち、
人間性豊かで
心身ともに
たくましい子の育成
人生 何度でも挑戦
校 長
益 子
聡
◆ カーネルおじさんの びっくり人生
お店の前に立っていて誰もが知っているカーネルおじさん。モデルとなったカーネル・サンダ
ースさんは、アメリカ生まれのあのフライドチキンの味を世界中に広めた人物です。しかし、彼
の波乱に満ちた人生は、あまり知られていません。
彼は 1890 年9月9日 (*私と誕生日が同じです)、アメリカ・インディアナ州で生まれました。6歳
の時に父を亡くし、母親の代わりに食事の支度や洗濯、弟や妹の面倒をよく見ていました。7歳
の時、弟たちのために焼いたパンが、お母さんやお母さんが働く工場の人たちに〈おいしい!〉
と大評判。この時に大喜びされた感動が〈美味しいものを人に食べさせたい〉という、生涯の原
点になりました。家計を助けるために 10 歳で学校をやめ、農場に働きに出ました。その後は、機
関車の機関士、保険やタイヤのセールス、ガソリンスタンド経営など、40 ほどの職業を転々とし
ました。しかし、大事故、火事、人に騙されるなど、どれも失敗続きで、何度も財産を失いまし
た。
40 歳の時にケンタッキー州でガソリンスタンドの経営をはじめ、来る人にもっと喜んでもらえ
るようにと、その一角で小さなレストランを始めました。ここで一番人気だったのがあのフライ
ドチキン。近くの高速道路を利用するトラックドライバーを中心に大盛況となり、やがて大型レ
ストランに成長。後に彼の偉大な事業に発展する種となりました。
軌道に乗っていたレストランも、高速道路の出入り口が変更となったとたんに客が激減。自分
の力ではどうにもならない理由で倒産し、無一文になってしまいました。この時 65 歳。人生最大
のピンチに立たされますが〈私はあきらめない。
〉と言って、残された古い車に、圧力鍋とスパイ
スを積み、車に寝泊まりしながら旅に出ました。アメリカ中のレストランを訪ねては〈この店の
フライドチキンは美味しくないね。もっと美味しく作れる調理方法があるよ。売り上げの一部を
払ってくれたら秘密のレシピを教えるよ。
〉と言って、契約を取り付けました。これが、飲食業と
しては世界初のフランチャイズビジネス、現在の『ケンタッキーフライドチキン(KFC)
』とし
て大成功しました。彼のレシピ通りに作ったフライドチキンはたいへんおいしいと評判になり、
米国最大のフランチャイズレストランとなりました。1980 年、彼は 90 歳でこの世を去りました
が、その時にはKFCのチェーン店は 48 か国、6,000 店に広がっていました。
◆ 人生の危機(ピンチ)は 飛躍の好機(チャンス)
人生の中で、失敗や挫折、苦難の体験というものは誰もが味わうものです。子どもたちも、間
違えや失敗を経験することなく、勉強やスポーツなどがすぐにできるようになるということはめ
ったにありません。ここで大切なことは、困難に直面した時、自分の今の状況をどのように受け
止めるかということです。私たちは、できない理由を自分で作ってしまう傾向があります。カー
..
ネルおじさんが人生最大のピンチに立たされた時も、
「65 歳だから(もうここで諦めようかな)」と、
ピンチをピンチとして受け止めるだけではそこから進むことはなかったことでしょう。彼は、そ
..
..
の時を自分を高める絶好のチャンスとして捉え、
「だから」の2文字を「65
歳だけど
(諦めずにや
..
..
ってみるぞ)
」に代えて受け止めることで成功の道が拓けたのです。
“ だから と だけど ”- わ
ずか2文字の差が、できるようになる人とできないままで終わってしまう人の大きな差となって
現れるのです。
2学期がスタートしました。新学期に新たな目標を作って頑張る子どもたちも、困難にぶつか
ることが多いと思います。その時、思い通りにならない、うまくいかないということを正面から
..
受け止めつつ、自分の限界を自分で決めずに、
“○○○だけど(頑張ってやってやるぞ!)”の精神で
何度でもチャレンジしてほしいです。 - いつか必ずうまくいく - と信じて‥‥。