【中学校作文の部】最優秀賞 小さな言葉 中学校1年生 「バカ」 「アホ」 「死ね」みなさんは今まで何回この言葉を聞いてきまし たか?普段、何気なく聞く言葉。言う言葉。最近はテレビでもこの言葉を よく聞きます。だけど、最近ではなく、今よりもっと前から聞いている言 葉だと思います。ただ、それが日常で聞くこと、言うことが当たり前にな っていて、ひどい言葉だと気付くことができませんでした。 「いつからそこにいたの?」 「影うすい。 」たったこれだけの、小さな言 葉かもしれないけれど私はこんな小さな言葉で傷つきました。 五年生の二学期、始業式の日。一番仲の良かったAさんと二学期からも 遊ぶ約束をしていました。私は楽しみにAさんの所へ行きました。Aさん は友達のBさん達といました。私は正直に言うとBさんが苦手でした。で も、Aさんがいたからそこへ急いで行くと、BさんがAさん達に「無視し よう。 」というようなことを言っていたと思います。私はみんなの話に合 わせようと必死でした。無視されたくない。無視されるのは怖い。頭の中 がそのことでいっぱいでした。しばらくして、Bさんが「あれ?いつから いたの?影うすすぎ。 」Bさん達が笑っていました。Aさんも笑っていま した。私は心をナイフでえぐられたような気がしました。 「ずっといたよ。 」 笑いながら答えるしかありませんでした。私がいることを知っているのに 知らないフリをされたことが一番傷つきました。約束を忘れていたのか、 なぜ助けてくれなかったのか。結局、疑問が出てくるばかりでした。 その日、私は思い出しました。私は四年生のころ、自分が仲間はずれに されるのが怖くて周りと一緒に友達をいじめていました。いじめられても その友達は毎日一生懸命笑顔でいました。私もがんばらなくてはいけない。 そう思い、次の日はいじめに負けたくない気持ちがありました。だから、 思いきって同じクラスのCさんに「一緒に遊んでいい?」と聞くと「いい よ。 」と明るく答えてくれました。 「いいよ。 」という小さな言葉。たった それだけの小さな言葉だけだったけど私には大きな幸せや喜びに感じま した。その後、Cさん達と一緒に遊ぶようになりました。AさんやBさん 達とももう五年生のころの出来事を忘れるかのように、仲直りして、今で はたまに遊んでいます。 「いじめられている人の気持ちはいじめられてみないと分からない よ。 」四年生の時、親からそう言われて私はバカみたい。やられなくても 分かる。すごい苦しくてつらいんでしょ。そう思いました。でも、いじめ られて、言葉にできないくらいつらくて悩みました。言われたとおり、や られてみなくては分からないと思いました。 今までは一人でいる人に声をかける勇気が出なかったけど、小学校のこ ろのことを思い出し、今年はクラスで一人でいる人を見かけたら、明るく 声をかけられるようになりました。 私は小さな言葉や出来事で傷つけられ、大きな勇気を出して、小さな「い いよ。 」という言葉から大きな幸せができました。世の中には「バカ」 「ブ ス」 「消えろ」 「死ね」等の、悪口だと分かりやすい言葉はたくさんありま す。だけど、 「あっち行ってて。 」 「影うすい。 」そんな分かりにくいものだ ってあります。 「いじめてない。遊んでいただけ。 」私達はいじめがあるた びに、この言葉を聞きます。悪口を言われていた人が傷ついていれば、そ れは遊びではないと思います。でも、私は今も友達の悪口を言ってしまい ます。相手の気持ちを考えずに口に出してしまい、後のことを考えずにい ます。いつかケンカになると分かっていても、言ってしまいます。そんな 時は、五年生の時のことを思い出したいと思います。いじめられて、いや なことはあるけど、プラス思考に考えてみれば、いじめられていじめられ る側の気持ちが分かり、相手のことを考えて毎日を過ごせる人に近づけた と私は思います。 もし、みなさんの周りにいじめられている人や悪口を言われて傷ついて いる人がいたら、その人の力になってあげられますか?今、できると思っ たとしても、本当にそんな事が身の周りで起きても、助けてあげられます か?私の周りでいじめられたり、悪口を言われている人がいたら、大きな 勇気を出して、 「大丈夫?」等の小さな言葉で助けてあげたいと思います。 今はこうして簡単に口に出せるけど、本当にしてみると難しいことだと思 います。だけど、あの時のことを思い出して、悪口を言わないように努力 していきます。私はこれから小さな言葉を大切にしていきます。
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