県内企業の事例に見る環境と調和したビジネス展開

(財)佐賀県地域産業支援センター
2006.11
No.46
SUPPORT FOR YOUR BUSINESS
県内企業の事例に見る環境と調和したビジネス展開
当財団では、成長が見込める分野に意欲的に取り組んでいる企業を応援しています。今回はこの中から環境
分野に係る県内企業の取組み事例について御紹介します。
環境ビジネスは将来58兆円市場に!
!
環境ビジネスと呼ばれる分野の市場規模は2000年
の29兆9千億円から、2010年には47兆2千億円に、
2020年には58兆4千億円になると言われています。ま
た、雇用規模についても2000年の76万9千人から、
環境ビジネス(市場規模と雇用規模)
市場規模
雇用規模
(兆円、万人)
140
123.6
120
111.9
100
80
2010年には111万9千人に、2020年には123万6千人
になると言われており、環境ビジネスは日本の主要産
76.9
60
58.4
47.2
40
29.9
20
業に成長する可能性があります。
0
2000
2010
2020
(年)
出典「平成16年版 環境白書」
(環境省)
環境配慮型ビジネス
近年、環境への取組みを企業競争力、取引拡大の重要な要素と
して捉え、収益性も加味した事業を展開している企業が増加して
きています。
たとえば、環境マネジメントシステムの国際標準規格である
ISO14001の認証取得を目指す企業が増えてきています。財団
法人 日本規格協会の調査によれば、県内企業のISO14001登録
数は、平成9年度末に5社であったものが、平成11年度末(21社)、
平成13年度末
(48社)
、
平成15年度末
(73社)
、
平成17年度末
(100
(エグチ宅配センター 江口代表)
社)と着実に増えてきています。
また、牛乳の宅配事業を主にその他小売販売事業を営むエグチ宅配センター(小城市)は牛乳を宅配する際
に使用済みの牛乳ビンを回収・洗浄して再使用するReuse(リユース)企業ですが、回収時に顧客とのコミュニ
CONTENTS
環境ビジネス関連特集(経営支援・研究開発推進チーム) 1∼5
サービスセンター加入事業所紹介(勤労者福祉サービスセンター)
9
環境対策融資制度のご紹介
(総合相談チーム)
6
10∼11
際立つ佐賀ベンチャー創出支援事業紹介
(経営支援チーム)
ISO14000シリーズ解説
(企業振興チーム)
7
ベンチャー企業の紹介
下請代金支払遅延等防止法解説 (企業振興チーム)
8
1
(経営支援チーム)
12
平成18年11月10日
(No.46)
ケーションを深めることで、顧客ニーズを把握し、他商品の提案機会を生み
出すなどして、売り上げ増を図られています。
それから、自然に優しい商品の製造・販売を行う企業として県内では、㈲フ
リーマム(佐賀市)があります。環境に配慮し、人体への有害性のない商品作
りがモットーで、重曹の洗濯剤「イオン・パウダーソーダ」は自然にやさしいだ
けでなく、高い洗浄力があるうえにすすぎが簡単です。無機質のため洗濯槽
にカビがつかず、室内干し臭も
抑制するうえ、小さなお子様や
お肌の弱い方にも安心して使
(㈲フリーマム)
用できる製品で、固定客をしっかりと掴んだ経営を展開されてい
ます。
一方、㈲善徳丸建設(太良町)は、有明海、八代海などの環境悪
化にともなう海底及び海水汚染に対して、当社の水流式活性化装
置により海底をより深く耕転し海底に海面のきれいな水と酸素
「水流式海底環境装置台船」
(㈲善徳丸建設)
を送り込むことにより海全体をよみがえらせる試みを実践中です。
環境課題解決型ビジネス
水、大気、土壌等の環境に与える悪影響や廃棄物、騒音、エコ・システム
に関連する問題を計測したり、積極的に予防・削減・最小化し、改善する製
品やサービスを提供する「環境
課題解決型ビジネス」を展開さ
れている企業も多数存在します。
このうち、廃棄物の発生を抑
える「Reduce(省資源化)」企
業の中に、鬼橋設備(嬉野市)が
あります。鉄分ろ過機、
ノリ汚水
処理装置の製造販売を主に行
「光触媒空気清浄機オキシオ」
(㈱ティオテクノ)
っており、クリークや海に排出
される汚水が原因とされる塩
「鉄分ろ過器」
(鬼橋設備)
害および赤水、悪臭を改善する商品を開発し、環境改善に取り組んで
います。
また、
㈱ティオテクノ
(佐賀市)
は、
佐賀県所有特許の使用許諾を受け、
光触媒用原材料であるペルオキソチタン酸水溶液及び酸化チタン水
溶液の製造販売、またその水溶液を塗布した空気清浄器「オキシオ」
など各種光触媒製品の開発及び販売を行っています。汚れの付着を
防ぐことができるだけでなく、大気汚染の原因となる有害ガスを分解
することができ、建物内部に用いれば、建材から発生するガスや細菌
「NDプラント」
(㈱環境アネトス)
の分解・脱臭などの効果も得られるなど、
環境改善にも効果あります。
2
平成18年11月10日(No.46)
一方、
「Recycle
(リサイクル)
」
企業は、
使用済み製品などを再生資源として有
効利用する事業を営んでいる企業をい
います。県内でも多数の企業が行って
おり、㈱環境アネトス(佐賀市)は、特別
管理廃棄物に指定されている飛灰を原
料として有害重金属安定剤製造、及び
原料飛灰の資源化システムの実用化に
取り組んでおり、
日本建設技術㈱
(唐津市)
は、廃ガラス材を再資源化した発泡廃
ガラス材ミラクルソルを使用し軽量盛土、
「ミラクルソルを使った軟弱地盤での
FWG軽量盛土工法」日本建設技術㈱
「ガイアフィールドライン」
㈱グリーンテクノ21
岩盤緑化、屋上緑化や水質浄化などを
行うミラクルソル工法を開発し、環境土木や環境緑化事業を展開しています。また、㈱グリーンテクノ21(佐賀
市)は、卵の殻を再生して造り上げた「ガイアフィールドライン」、
「ガイアロジン(ロジンバック)」など人に優し
い商品の製造・卸・販売を行っています。
さらに、大坪石材㈱(武雄市)は、湿式砕砂を製造する際に副
産物として発生する砕石微粉末(脱水ケーキ)を生石灰と混合
処理を行い製品化し、道路用路盤材および盛土材として国土交
通省新技術NETIS登録・佐賀県リサイクル認定を受けるなど
環境・安全性・経済性・品質に優れた製品に定評があります。
砕石に次ぐ新製品開発を行う
「武雄工場」大坪石材㈱
(最後に)
1997年に京都議定書が議決されて以降、2001年の家電リサイクル法施行、2004年の建設リサイクル法施
行などさまざまな環境関連法規制や施策などの追い風を受けて、環境ビジネスは特定の産業だけでなくさま
ざまな産業へ広がっています。また、官公需から民需へ、都市から地方へ多様な広がりを見せています。
当財団では、マネージャーによる支援や専門家派遣事業など各種支援策を活用して、なお一層、環境ビジネス
に取り組む企業を支援していきます。
●創業、ベンチャー、経営革新に関するお問い合わせ先
(財)佐賀県地域産業支援センター 経営支援チーム
TEL : 0952-34-4422 FAX : 0952-34-4412
3
平成18年11月10日
(No.46)
「エネルギー・環境ビジネス総合展2006」出展のご報告
と き 平成18年9月6日(水)∼8日(金)
ところ
福岡国際センター(福岡市博多区)
●来る平成18年9月6日(水)∼8日(金)の3日間にわ
たり、福岡国際センター
(福岡市博多区)において、
日刊工業新聞社主催の
「エネルギー・環境ビジネス
総合展」
「ものづくり総合展」
「eビジネス展」が同時
開催されました。
●エネルギー・環境ビジネス総合展は「新エネルギー
への挑戦と循環型社会構築のための総合技術展」
をキーワードに、全国から121社・団体が参加し、
最新機器・技術・情報が展示とセミナーで紹介さ
れました。
●県内からは【佐賀県土壌・水質汚染問題研究会(N
PO法人OSEN)】の5企業が環境保全や環境対策
に関する展示を行い、新たなビジネスチャンスを
求めて自社の活動をPRしました。
3日間の来場者数 合計
9月6日(水) 9月7日(木) 9月8日(金) ●各企業の出展内容
株式会社中山鉄工所
防塵機、自動車解砕機、土壌洗浄プラントのパネル
株式会社西村鐵工所
液体乾燥機CDドライヤ、汚泥乾燥機BDドライヤ
の説明パネル
株式会社ミゾタ
金属切粉圧縮機、研磨スラッジ脱液固化機、ホーニ
ング油泥処理機のパネル
森鉄工株式会社
バイオマス抽出装置の展示と関連パネル
株式会社ワイビーエム
汚染地下水浄化システムと水質浄化装置の説明
パネル
9,225人
2,649人 3,677人
2,899人
【加圧熱水抽出装置 (株)ミゾタ】
●お問い合わせ先 (財)佐賀県地域産業支援センター 研究開発推進チーム
TEL:0952−34−4413 FAX:0952−34−4412
4
平成18年11月10日(No.46)
水素エナジー研究懇談会へのお誘い
皆さん、
「燃料電池」というのをご存じですか。
「水素」と「酸素」を化学反応させて、直接「電気」を発電する装
置のことです。この燃料電池は、既存の発電システムよりも理論的なエネルギー効率が高いことに加え、NOx
やSOxの発生が少ない、低騒音、省資源、かつクリーンエネルギーといったメリットがあり、次世代の新エネルギ
ー源として期待が寄せられています。
支援センターでは、
この燃料電池とその原料となる水素の製造に関連した産業を県内に興すために、水素エ
ナジー研究懇談会を組織しています。現在、企業・公設研研究員の46人の会員です。
この懇談会では、研究開発の最前線にいらっしゃる大学や企業の研究者をお招きし、その原理や仕組みをは
じめとして、実用化までの課題や求められる素材・部材、さらに今後の普及のためのシナリオなどを語ってもら
うこととしております。また、
この分野に関して県内での情報交換の場にしたいとも考えております。
ついては、将来的にも大きな市場が見込まれる燃料電池関連産業に興味があり、新分野への進出に前向きな
企業を募集しますので、参加を希望される企業は下記の申込書によりお申し込みください。
担 当 : 研究開発推進チーム 松本
TEL:0952-34-4413
FAX:0952-34-4412
E-mail:[email protected]
水素エナジー関連産業戦略的育成事業(県新規事業)
次世代エネルギーの代表である水素を原料とする燃料電池の関連産業を県内に根付かせるため、県
内企業がこの分野へ進出するための環境整備を行います。
共同研究による提案
NEDO等のコンソーシアム
事業の採択
託
プロジェクト予測調査
委
佐賀大学
海洋エネルギー研究センター
(IOES)
共電水
同池素
体関製
連造
企関
研・
業心
究燃
のの
料
参あ
加る
福岡水素エネルギー戦略会議への参加
企業の参加
水素エナジー研究懇談会
構成 座長 門出教授(佐大IOESセンター長)
水素(燃料電池)に関心のある県内企業等
大学等の教授、研究者
補助金
県
懇談会の事業内容
水素(燃料電池)に関する勉強会
情報収集・交換
●お問い合わせ先
(財)佐賀県地域産業支援センター 研究開発推進チーム
TEL : 0952-34-4413 FAX : 0952-34-4412
5
平成18年11月10日
(No.46)
環境対策融資制度のご紹介
総合相談チームでは、中小企業者向けの県制度融資等のご案内を行っております。今回は環境保全、廃棄物
抑制又は省エネルギー対策に取り組む佐賀県内の中小企業者に対する佐賀県の貸付制度についてご紹介しま
す。佐賀県内に居住若しくは事業所を有する個人事業者や、佐賀県内に本店・事業所を有する法人がご利用いた
だけます。
■経営革新支援貸付(経営基盤強化資金 環境・省エネルギー対策)
(貸付対象)
1 大気汚染防止(煤煙・粉塵・有毒ガス等処理)施設、水質汚濁防止(汚水・廃液処理)施設、騒音防止施設、振
動防止施設、地盤沈下防止施設、悪臭防止施設といった公害防止施設・環境保全施設の設置・改善
2 再生資源の有効利用のための施設の設置・改善
3 産業廃棄物処理(自所での処理を含みます。)
4 環境保全目的での敷地内緩衝緑地帯設置、ディーゼル車用排気ガス微粒子除去装置の導入等、環境への
負荷の低減その他環境の保全
5 10%以上の省エネルギー効果のある設備の設置・改善(対象となる設備の種類については、お問い合わ
せください。)
貸付限度額
貸付期間
貸付利率
保証料率
設備5,000万円
(運転資金と合わせて)
・設備資金 10年以内
(不動産の取得を主な内容とするものは、
15年以内)
(据置2年以内)
1.8%
1.55%以内
運転2,000万円
・運転資金 7年以内
(据置1年以内)
※ 金利とは別に信用保証料が必要となります。
担保及び保証人は、佐賀県信用保証協会の定めるところによります。
設備資金は、機能を高めるための土地、
建物、設備の取得費を対象としますが、
土地のみの取得費は原則として対象と
なりません。
利用企業のご紹介
有限会社佐賀産業
代表取締役 山口 賢
嬉野市嬉野町下宿
TEL 0954-43-0352
畜舎敷材(籾殻)販売、籾殻燻炭製造販売
設備更新の際に、炭化炉から発生する煙等を
抑制する2次燃焼装置を備えた設備を導入する
ため、当貸付制度を利用されました。
◆お詫びと訂正◆
インフォSAGA
(2006.9No.45)
P7におきまして、次のとおり誤りがございましたので、訂正のお知らせをいたし
ます。ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
「特例有限会社として存続」
の「チェック」
の囲み記事中、下から2行目
誤
ない場合
正
ある場合
●お問い合わせ先
(財)佐賀県地域産業支援センター 総合相談チーム
TEL : 0952-34-4523 FAX : 0952-34-4412
E-mail:[email protected]
6
平成18年11月10日(No.46)
ISO14001
(環境マネジメントシステム)について
近年、大手企業は環境マネジメントシステムを構築し、
I
SO14001認証取得を進めておりますが、その取引先
においても環境マネジメントシステムの構築や、
I
SO認証取得を推奨または指示するケースが増えております。
そこで、
I
SO14001について一部をご紹介します。
ISOマネジメントシステムの目的
※ISO14001:環境マネジメントシステムとは
地球環境の改善 / ロス・リスクの改善 → 安心して住める → 利害関係者の満足
ISO14001の目指すもの
※
※
※
社会的責任を果たす。
・企業活動は、環境に負荷を与えている。
・地球環境を少しでも良くしていこうとする気持ちと実践が求められている。
情報公開を求めている。
・利害関係者は企業に環境に関する公平性、透明性、説明責任を求めている。
・企業はこれに対し、客観的事実に基づいて立証
環境保全に対する意識の高揚と実践を求めている。
・従業員1人1人が努力している会社であることが不特定多数の人にわかってもらえる。
・会社の評価が向上する。
ISO14001認証取得のメリット・デメリット
メリット
デメリット
1.経済的メリット
①企業イメージアップ ②商売上有利 ③取引先からの評価アップ
④業務範囲の拡大 ⑤体系的業務の進め方が可能
2.経済的メリット
①省エネ・省資源でコストダウン ②廃棄物の減少 ③不良品の減少
3.社内体制上のメリット
①従業員の意識の向上 ②全社員の一体感 ③体系的な業務遂行の定着
④PDCAの管理サイクルの好回転 ⑤環境を考慮した新製品の企画・開発
1.取得時にコストがかかりすぎて、経理面を圧迫する。
2.文書が増えて、その管理だけでも手間がかかる。
これらのデメリットの生じる主な原因として考えられるのが 1. I
SO14001の理解が不十分のままシステムを構築してしまったこと。 2. 参考書や他社の事例にとらわれてシステムを構築し、自社のものになっていない。
3. 完璧主義でI
SO14001の要求事項を全て細かく対応しようとして、管理主義に陥った。
従って、
ISO14001システム構築は自社の規模、状況に適した、言い換えると普段着のシステムを目指すこ
とが大事なことであり、余り早急な効果(即効性)を期待し過ぎないことです。
当センターの経営支援チームではI
SO認証(9001・14001)取得するための専門家の派遣に要する謝金の一
部を支援しております。
●お問い合わせ先
(財)佐賀県地域産業支援センター 企業振興チーム
TEL : 0952−34−4416 FAX : 0952−34−4427
7
平成18年11月10日
(No.46)
11月は下請取引適正化推進月間です
『下請代金支払遅延等防止法』
守っていますか?
下請代金支払遅延等防止法(下請法)クイズ
問 題
次の行為は、それぞれ下請法上減額となるでしょうか。
① 下請代金の支払に際し、円未満の端数が生じたので、円未満の端数を四捨五入の方法によって処理した。
② 下請事業者との間で協力金として下請代金の総額から5%値引することを合意していたので、下請代金
の総額から5%値引して、支払った。
③ 4月1日に下請事業者との間で単価95円に値下げすることを合意したので、3月25日に単価100円で発
注し4月5日に納入された物品の単価を95円に変更し、支払った。
① 1円以上の端数を切り捨てる場合は下請代金の減額になりますが、円未満の端数を切り捨てても、下請
代金の減額には当たりません。
例えば、下請代金の額が100,005円60銭であった場合、下請代金の額を100,000円とするなど1円以
上の端数を切り捨てる場合は、下請代金の減額になりますが、下請代金の額を100,005円とすることは
問題になりません。
② 下請法上、親事業者が、減額の名目、方法、金額の多少、下請事業者との合意の有無を問わず、下請事業
者の責に帰すべき理由
(瑕疵の存在、
納期遅れに限定。
)がないにもかかわらず、発注後に下請代金を減額
することを禁止しています。
この問題の場合は、
「協力金」として下請代金の総額から5%を徴収しているものですが、
この減額の理
由は下請事業者の責に帰すべき理由ではありませんので、たとえ、下請事業者との間で合意があっても、
発注時に決定した下請代金を発注後に減額していることになり、下請代金の減額になります。
③ 下請法上、親事業者が、下請事業者との間に単価の引下げについて合意が成立し単価改定された場合、
その前に既に発注されているものにまで引き下げた単価を遡って適用して下請代金を減額することを
禁止しています。
この問題の場合、3月25日に単価100円で発注していますので、単価100円で支払わなければならず、
単価を95円に変更して支払うことは、下請代金の減額になります。
なお、下請事業者との間で、4月1日納入分から新単価95円を適用するとの合意があっても、発注時に決
定した下請代金を発注後に減額していることになりますので、下請代金の減額になります。
【解答及び解説】
① ならない ② なる ③ なる
●下請法の相談はこちらに
公正取引委員会事務総局 九州事務所 下請課
TEL:092−431−6032 http://www.jftc.go.jp/
(財)佐賀県地域産業支援センター 企業振興チーム
TEL:0952−34−4416 http://www.infosaga.or.jp/
8
平成18年11月10日(No.46)
中小企業勤労者福祉サービスセンター
2006年もあとわずかとなりました。
日本の四季の中でも最も美しいこの季節は、
自然の空気にあたるだけで、
日頃の疲れを取ってくれるようです。
今回は、そんな癒しの空気にあふれた鹿島市にある 株式会社マキノ をご紹介します。
株式会社マキノ 九州事業部
鹿島市古枝字天神甲431-2
TEL:0954−62−5231
FAX:0954−63−3096
マキノは、75年間蓄積してきた粉体と水処理技術をコアに発展してきました。本社は愛知県常滑市にあり、東
には三河衣浦湾、西には伊勢湾に挟まれた知多半島のほぼ中央に位置しています。中部国際空港(セントレア)
も昨年春開港して、国内外への人の往来も多く、活況を呈しています。また、昔から焼き物の町としても知られ、
落ち着いた歴史のある町です。
九州事業部は、昭和44年に鹿島市の誘致企業として進出し、平成4年春に現在の鹿島市大村方工場団地へ移
転し、要員も増強して物造りに励んでいます。お蔭様で、鹿島市にお世話になり37年経過しようとしています。
良い環境と良い人達に恵まれ、
ここまでこれた事を心より感謝しています。
弊社は、大きく分けると粉体機器と水処理機器を製作し販売しています。粉体機器においては、窯業・ファイ
ンセラミック・化学関連で使用いただいている粉体機械です。水処理機器においては、工場排水処理・製造ライ
ン・上下水処理施設で使用いただいているフィルタープレスを中心とした脱水機・各種処理機械です。
こうした
機械を九州事業部を含めた三つの生産拠点で、バランスを考えた生産展開をしています。社是として「お客様
に喜んで頂く機械を造ります」を念頭において、お客様をはじめ企業から信頼される会社を目指します。
私共は、
インターネットにより「中小企業勤労者福祉サー
ビスセンター」のさまざまな助成制度を知り、社員が個々
のライフスタイルにあった余暇を有効利用して、
リフレッ
シュ・スキルアップにつながればと考えて、加入しました。
今のところ、加入したばかりという事もあり利用率は低い
ですが、いろんな企画・提案に積極的に参加活用させてい
ただき、利用率を上げていきたいと考えています。これか
らも、
よろしくお願いします。
株式会社マキノ 九州事業部 部長 末田 幸治
フィルタープレス(MDF710)
中小企業サービスセンターでは、県内の中小企業の
福利厚生をサポートしています!
!
●お問い合わせ先
URL : http://www.infosaga.or.jp/service/start.htm
E-mail : [email protected]
TEL:0952−34−5522 FAX:0952−34−5523
9
平成18年11月10日
(No.46)
際立つ佐賀・ベンチャー創出支援事業採択事業決定!
「際立つ佐賀・ベンチャー創出支援事業」は、新事業の創出を、早期かつ確実に推進するため、すでに基礎研究
段階を終えた新規の技術やノウハウをもとに県内で起業化を目指す個人・創業間もない企業の研究開発を支
援するものです。
(補助率4/5又は3/4、補助金額は12ヶ月間で1千万円以内)
本年度は県内外から11件の応募があり、以下に紹介する2件の研究開発事業が採択されました。
研究開発テーマ 佐賀ブランド・新規野菜アイスプラントの効率的生産技術の開発ならびに
販売体系の構築
研 究 者 下田敏史グループ 代表者 下田 敏史
所 在 地 佐賀県佐賀市本庄町1番地 佐賀大学農学部 熱帯作物改良学研究室
連 絡 先 TEL/FAX: 0952-28-8737 E-mail: [email protected]
●研究を行う事になったきっかけ
私たちグループは、アイスプラントの塩分吸収能力に着
目し、地球環境問題の1つである塩類土壌の修復技術に利
用することを目的に、8年前から佐賀大学で研究を行って
きました。そのような研究の中で、本植物が外国で食材と
して利用されていることがわかりました。2004-5年度に
は農林水産省の高度化事業として、主に野菜化に関する研
究を進め、塩味のする新規野菜として栽培できる技術を確
立しました。
●研究開発の概要
アイスプラントを佐賀県ブランド野菜として確立し、栽
培農家の収益性向上や佐賀県農業の活性化を実現するこ
とを目標とし、①アイスプラントの生産・販売、②栽培農家
への技術指導、③栽培技術やシステムの開発、④アイスプ
ラントを原料とした加工品の開発・販売を業務内容とします。
今回の研究開発では、栽培農家の方々へ技術指導しなが
ら実証栽培を進め、まずアイスプラントを安定的供給でき
る体制を作り、試験販売と市場開拓によって販売体系を構
築します。さらには、規格外品を利用した加工品の開発、食
品としての機能性成分の開発を行い、経営効率の向上や消
費拡大を図ります。今後の栽培農家の拡大を図るため、効
率的な生産技術の開発や品種の作出を進めることも大き
な課題です。
代表者の下田氏(手前左)と佐賀大研究室の皆さん
光輝く新規野菜、
アイスプラント
●事業化に向けての展望・PR
私たちが開発した方法で栽培したアイスプラントは、適度な塩味と酸味、クリスタルな水泡を持ち、新規性
に優れた野菜です。
しかしながら、日本ではなじみの薄い野菜ですので、消費者のニーズ把握、安全性への配
慮や情報提供を大切にし、日本の食文化に定着する野菜に育てていきたいと考えています。
さらにアイスプラントの塩分吸収能力を利用した塩類土壌の修復を実用化し、環境保全へ貢献することが
将来の大きな目標です。
この事業で設立する農業法人を魅力あるものにし、今後、大学で農業知識の修得や新技術の開発に携わっ
た後輩たちが農業法人設立へ進む手本になれるよう成長していきたいと思います。
10
平成18年11月10日(No.46)
研究開発テーマ インターネットを通じて、
数千人規模が同時に双方向で参加可能なイベント
運営を支援する事業
企 業 名 木村情報技術株式会社 代表者 木村 隆夫 http://www.k-idea.jp/
所 在 地 佐賀県佐賀市鍋島町八戸溝114佐賀県地域産業支援センター研究開発室3
連 絡 先 TEL/FAX 0952-31-3901 E-mail:[email protected]
●研究を行う事になったきっかけ
弊社は、テレビ会議システム3eConferenceを核として、
ユーザニーズに合わせて時間単位での課金、月、年契約の料
金体制を整備し、ASP事業を展開しています。
弊社システムの大きな特長として、サーバを連携すること
による多人数参加が可能なことがありますが、現状の機能で
は、ご要望の多い学会などのイベントでの使用には、足りてい
ない部分もありました。
そこで、現在問題となっている課題を解決し、新たな市場
を見出そうという決意で、今回の研究開発を行う運びとなり
ました。
●研究開発の概要
弊社システムでは、サーバの連携によって、従来のシステ
ムでは困難であった多人数参加時における配信品質の維持
が可能ですが、サーバ設定、管理の簡素化、システム全体とし
ての安定性の確保など解決すべき課題がいくつか存在します。
今回の研究では、
この連携対象となるサーバを統合管理し、
負荷の分散、生存監視を行うシステムの開発を行います。
従来の負荷分散機との違いは、従来のものが負荷分散機⇔
サーバ間のみを制御していたものに対し、今回研究開発する
ものはユーザから最も適したサーバへ振り分けるというユー
ザ⇔サーバ間での負荷分散を行うという部分です。
●事業化に向けての展望・PR
弊社ではこれまで、医療関係の大学、病院、製薬会社を中心とした営業活動の中で、多人数、双方向で参加
することのできる配信システムのニーズが非常に強いことを認識できました。既に小規模な研究会などでは、
使用され始めていますし、これまでに存在しなかったシステムなので、新たな市場となる確かな手ごたえを
感じています。
また、地上波デジタルでは、電話回線を使用した視聴者参加型のコンテンツも開始されていますが、
コスト
面から、手軽に使うことはできません。今回開発するシステムの完成によって、規模はTV程ではありません
が、同等以上のことが手軽に行えるようになります。
今後は、システムの更なる改良、
イベント会社との提携などによる全国規模の代理店網などの充実により、
新たな情報発信ツールとしての確立、発展を遂げたいと考えています。
●際立つ佐賀・ベンチャー創出支援事業に関するお問い合わせは
(財)佐賀県地域産業支援センター 経営支援チーム 片渕
TEL : 0952−34−4422
11
平成18年11月10日(No.46)
県内のベンチャー企業紹介
佐賀県ベンチャー交流ネットワーク参加企業
今回ご紹介する企業は、
ギャラリー器響です。
有田駅前で代
表の金子邦生さんと御両親で陶磁器の小売をされています。
元々は、有田で金子陶器株式会社という卸業をされてい
ましたが昭和57年に、”かね正陶苑”という有田焼の小売店
に業態変換されました。その店は、有田ではどこにでもあ
るような有田焼を扱う普通の店でした。
ところが、平成8年に東京でファッション関連大手企業で
商品開発を手がけていた姉の真里さんが有田に戻られ、2
年の歳月をかけて、真里さんとご家族全員の手作りで改装
し現在の”ギャラリー器響”が誕生しました。30代の女性に
ターゲットを絞り込み、やさしい、楽しい、おしゃれをコンセ
プトとして、磁器にこだわらず、陶器も扱う、周りの店とは
明らかに異なる雰囲気のお店になっています。
第31回
昨年の夏に姉の結婚を機に弟の邦生さんが代表となり、
今までのコンセプトを継承し更に強化されています。
その代表的な製品が”マイオリジナルギフト∼器響∼”で
す。これは、結婚式や誕生祝いなどの記念品を、顧客の要望
どおりの型に、更に、希望通りの絵付けを施し、自店の窯で
焼いて世界にひとつだけのオリジナルギフトを製作すると
いうものです。
顧客からのデッサンやイメージを伺い、実際に絵を書い
てみせて、顧客と何回ものやり取りをしながら納得されて
から製作するという流れです。
この”マイオリジナルギフト∼器響∼”を日本中に向けて
販売していきたいと御両親と力を合わせて頑張っていらっ
しゃいます。
〒844-0018 佐賀県西松浦郡有田町本町丙972-45
TEL 0955-42-5234 FAX 0955-42-5240
http://www.esaga.jp/~kikyo/
E-mail:[email protected]
ギャラリー器響
業種 : オリジナル陶器の製造販売、その他陶磁器販売
Q1.
御社のこだわりは何ですか?
やさしい、楽しい、おしゃれという三つのコンセプトを常
に忘れずに、来店いただいたお客様にゆったりとしたくつ
ろぎの時間を提供することです。
Q2.
『マイオリジナルギフト∼器響∼』を販売され
るきっかけは、どのようなことでしょうか?
当店の基本でもあります顧客との会話の中からヒントを
もらいました。当初は現在と違いセミオーダーという方式
でスタートしました。具体的には、数種類のパターンの型と
絵を組み合わせるという方式です。
ところが思ったとおりに注文は発生しませんでした。や
はり、真髄にある顧客の希望通りのギフトをつくるという
要求を満たしていなかったのです。そのことも、顧客との会
話や要望からわかりました。その後、現在のフルオーダーに
変更して昨年度から多くの注文を頂くようになりました。
∼店舗前で御両親とともに∼ 中央:金子邦生代表
Q3.
佐賀県ベンチャー交流ネットワークに参加し
て、良かったことは何ですか?
Q4.
今後の夢は何ですか?
現在、”マイオリジナルギフト∼器響∼”を全国に向けて
発信すべくホームページを製作中です。インターネットを
活用して全国をターゲットに販売していきたいです。
なんといっても、
これだけ多くの経営者、更に多様な業種
の経営者とのチャネルと色々な話を聞くことができること
です。また、色々な意味で刺激になっています。
佐賀県ベンチャー交流ネットワークへの参加をお考えの皆さんへ
●お問い合わせ先 (財)佐賀県地域産業支援センター 経営支援チーム 野田
TEL:0952-34-4422 メール:[email protected]
インフォSAGA
(№46号) 平成18年11月10日発刊(隔月奇数月発行)
発行者 : 財団法人佐賀県地域産業支援センター
〒849-0932 佐賀市鍋島町八戸溝114
TEL:0952-34-4411
(代) FAX:0952-34-4412
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URL http://www.infosaga.or.jp/
E-mail:[email protected]
古紙配合率100%再生紙を使用しています