2種類の天使 天使は主に2つに分けられる。 第一は、「御使い」と呼ばれている。これは翼をもたず、普通 の人と変わらない。成人か若い青年の姿で表れるが、姿は見え ない。 第二は、多数の目、多数の翼を持った姿のものである。これら は、私たちが考える天使のイメージとは異なり、怪物的な姿で 表現されている。 現在の天使像はどこからきている? 無垢な子供や女性、優しげ な男性の姿といった天使のイ メージ。 これは、ルネサンス期に ローマ神話のクピド(愛の神 様)からイメージを借りたと されている。 『風景の中のクピド』 バルトロメオ・スケドーニ 看護婦と子どもは天使!!? 天使は嘘がつけない。すなわち、「真」 にして「善」なる存在であることから、 比喩的に心の無垢な人、善意に満ちた人 を天使としていた。 そのため、悪を知らないと考えられてい た子どもを天使、病人への献身的な治療 につくしてくれる女性(看護婦)を「白 衣の天使」とも呼んだ。 天使の原義 ヘブライ語で (ְךָאְלַםマルアハ):遣わす 英語で angel:伝令、使いの者 としており、天使は神の使いであるということが 伺える。 「君は天使のようだ」 天使は神に近い存在であるが故、 「真・善・美」において神に準じて完成 度の高い水準にある。 そこから、「美しさ」を天使で比喩す るようになり、美しい女性や、美少年、 美少女を比喩的に天使と呼ぶ用法が 生じた。
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