創世記1章24~31節 「第6日目 8」 (Autosaved)

「創造
第6日目」
~創世記連続講解説教 8~
創世記 1 章 24~31 節
序論
1) 平行と対称がある:Symmetry(左右相称)
① 1 日目(光と闇)→4 日目(昼と夜の光源)
② 2 日目(空と海)→5 日目(鳥と魚)
③ 3 日目(陸地と植物)→6 日目(生きる場所とそれを食べる動物と人間)
2) 3日目と 6 日目の共通項
① 2 種類の創造記事がある~創造のフレーム・プロセスが 2 重
② その 2 種類がそれぞれ、両日間に対応している
3) 「日」・YOM について
① 24 時間上の長期間を意味する場合もある。
たとえば OT に数多く出現する「主の日」は 7 年間。
② 創世記 1 章の「日」は 24 時間であろう
 聖書のほかの箇所で、数値と併用される場合は常に 24 時間である
 「夕があり、朝があった」とは、24 時間を意味する
 安息日は 7 日目に神が休まれたことに基礎を置くモーセ律法である。
これは一日が 24 時間でなければ意味をなさない。
 「日、年、しるし、季節のために」4 日目に、光源が造られた。
このことは、既に「・24 時間、一年・365 日システム」が 4 日目以前から存
在していたことを意味する。
本論
Ⅰ.第 6 日目
① 6日目の役割は 3 日目の働きを完成させる。
② 3 日目と同様に、同一日に 2 種類の創造記事があることが記述パターン・プロセ
スからうかがい知れる。
{前半}動物の創造
③ 「地が~生き物を生ぜよ」動物界は土から誕生した。2:19.
④ 動物界は「種類に従って」3 分割される。
 家畜~羊、ヤギ、牛、、、
 はうもの~短足か足のない動物など。
 野の獣~家畜とらない野獣一般。
{後半}人間の創造
⑤ 高等動物と同じ 6 日目に土から創造された。身体の構成要素は同じ土であり、内
臓や神経系統の機能、配置など高等動物と変わらない。
⑥ 神のような霊的な資質があり、神を意識し、認識できる点が異なる。
⑦ Let us make:ヘブル語では一つの語で Naaseh
これは Let there be(一人称・命令形)からの格変化に過ぎない。
ここから汲み取れることは、言葉による瞬時の創造であった点。
⑧ 複数形の神の代名詞、所有格、そしてエロヒム(複数形)自体が三位一体の教え
と合致する
⑨ ユダヤ教ラビは、「複数形」問題解決のため、神は天使と相談して人を創造した
と苦し紛れの説明をする。
⑩ 「人」:Adam について。
後に固有名詞となるが、ここでは人類一般をさす。
⑪ In our image:ヘブル語では一つの語 Betzalmeinu
Tzalam(原型、彫像)がその語幹。これは偶像(民数 33:52)や幻(詩篇 39:6)
にも使われている。
⑫ 神の形の外面的要素
 表情が豊か。恥を感じて赤くなる。
 言葉の使用
 世界を支配
⑬ 神の形の内面的要素
 知性
 自意識
 道徳性
 意思の力
 霊性
⑭ 「われわれに似るように」:ヘブル語では一つの語、Dmut からの派生語
 モデル、コピー、などの意味
 エゼキエルでは神の顕現の用語として頻出している
エゼキエル 8:22、10:21,22
結論
1) 人は神による美的創造の冠である
① 人の価値の回復がこのメッセージにある
② 人が人を計る物差しは、生産性、優劣、偏差値、外見、、、であろうか?
③ 神に「似せて」造られたゆえに、神ほどに尊いのが人間である
④ 「人の命は地球よりも重い」との文言の根拠はここにある
2) 王としての地位からの転落:詩篇8:3~8
① 天体の運行を見るとき、その神秘さに驚きながら、さらに精巧に尊いもの
としての「人の子」に思いを致す
② 王としての地位~「栄光と誉の冠」「万物を足の下に置かれた」
③ 人の堕落により、その王としての地位を失った
 恥と罪の中を生きるようになった
 万物の支配権を失った
例えば、最後の敵である死から逃れていない
3) 最後のアダムであるメシアが人を回復させた:へブル 2:6~10
① 詩篇8篇からの引用であるが若干の相違点あり
 「人」が「彼」(7節)となった。「彼」は人であり、メシアであ
る双方を意味しているのであろう
 「神よりも」が「御使いよりも」(9節)となった。エローヒムは
「御使い」とも翻訳可能な言葉。1章で天使に勝るメシアを論じて
いる関係からここでは「御使い」とされたのであろう。
② 御使いよりもしばらくの間、低くされた方であるイエス(9)
 人間的制約のもとに置かれたという点で「低くされた」
 普遍的な御子の価値は変わらない
 死の苦しみを通じて人と同じようになられた
 復活、昇天を通じて「栄光と誉れの冠」をお受けになられた
 ゆえに人を栄光に導かれることのできる方であられる(10)