ステレオ画像法による三次元形状・変形計測法の開発

ステレオ画像法による三次元形状・変形計測法の開発
大阪府立大学大学院 工学研究科 航空宇宙海洋系専攻 正岡研究室
M1 河村恵里 B4 大平紘敬
ステレオ画像法による三次元計測法
研究目的
研究背景
近年、構造物の強度・信頼性を評価するための非破壊検査に
デジタルカメラを用いた画像解析の手法が用いられている。
変形前2枚
の画像
村田,増田,デジタル画像相関法による木材のひずみ分布解析,可視化情報学会論文,Vol.25,No9,(2006),pp57-63
白石,森田,デジタル相関法による構造物の変形解析技術の開発,埼玉県産業技術総合センター研究報告書,第4巻,(2006)
デジタルカメラを用いた画像解析の特徴
1000
レーザー変位計等の光学的非接触の計測法に比べ
•デジタルカメラを用いたステレオ画
900
画
素
数
・計測システムが簡易
700
600
400
・溶接変形の三次元計測に応用す
200
山口晃司,柴原正和,画像処理による非接触変
形・応力法の開発, 溶接シンポジウム(2006)
100
0
2000
・大型構造物の変形計測が可能
①画像相関法
500
300
・面内変形の計測が可能
対応点探索
システムを構築する。
システムを構築する。
800
・安価 ・全視野計測が可能
ステレオ画像法
像法による三次元形状・変形測定
像法による三次元形状・変形測定
急増して
いる
(万画素)
2001
2002
2003
2004
2005
2006
年度
清水英樹,大型構造物向け三次元形状計
測技術とその評価, 溶接学会誌(2003)
②サブピクセル画像照合法
ることにより、本手法の妥当性・有
ることにより、本手法の妥当性・有
2007 (年)
デジタルカメラの発売主要画素数
用性について検証する。
用性について検証する。
変形前形状
画像解析の利点や近年の画素数増加により今後期待される手法
であるが、三次元変形問題への適用事例は少ない。
対応点探索
①画像相関法
左右画像から対応点
を求め、三次元座標を得る
左右画像から対応点を求め、三次元座標を得る
bj(xi+Δx ,yi+Δy)
dx
Δx
dy
右カメラ
光軸
X P = B tan β R /(tan β L + tan β R )
YP
Z
ZP
αL θ1
βL
α0
XP
A(ai)
A (ai)
Z P = X P tan β L
αR
θ2 βR
R
右カメラ
視点
B
X
基準画像
比較画像
比較する画像領域 A(ai), B(bj)を
同サイズ dx×dy で設定(dx,dyは
10~100程度)
ステレオ画像法模式図
比較画像の画像領域 B(bj) をずら
しながら順次設定
最小二乗曲面が最大値の
座標(x,y)
対応点
輝度相関値
ただし、カメラ間距離B ,焦点距離 f,
カメラと基準線の成す角θ1θ2は既知
左カメラ
視点
Δy
ピクセル単位での対応点bj を基
準 に そ れ と 隣 接 す る 点 (x 方 向
3×y方向3)の輝度相関値から
最小二乗曲面を作成
B(bj)
YP = Z P tan α 0
L
②サブピクセル画像照合法
ai(xi,yi)
P(XP,YP,ZP)
左カメラ
光軸
変形後形状
三次元変形
ステレオ画像法による三次元計測法
Y
最小二乗曲面
P(XP,YP,ZP)
yR
x+Δx-1
xR
xR
xRsinθ
右画像座標
tan β R =
βR
θ2
sin β R =
90-θ2
xRcosθ
R
fsinθ
各々の領域の輝度相関値 Rij(ai,bj)
を正規化相関により求める。
yR
f
fcosθ
変形前2枚
の画像
(xR,yR)
f cos θ 2 + xR sin θ 2
f sin θ 2 − xR cos θ 2
f cosθ 2 + xR sin θ 2
f + xR
2
X
2
Z
x+Δx+1
x ピクセル座標
yR
f 2 + xR
輝度相関値Rijが最大時における
B(bj)の中心位置bj(xi+Δx,yi+Δy)が
対応点(ピクセル単位)となる。
2
αR
f
Y
X
X-Z平面
tan α R =
xR
x+Δx
対応点(サブピクセル単位)
R
右画像座標
全画素について繰り返し適用
溶接試験片の面外変形計測結果
結言
面外変位[mm]
•デジタルカメラを用いたステレオ画像
118
[mm]
Y
法による計測システムを確立
した。
法による計測システムを確立した。
[mm]
Z
X
•本手法による三次元形状計測の精
本手法による三次元形状計測の精
Z
118[mm]
[mm]
309
溶接条件
溶接長さ(mm)
70
溶接速度
(mm/s)
1.67
電流(A)
100
電圧(V)
約17
1.5
Z方向変位[mm]
-203
Y
118
118
282
Y
-176
255
-149
[mm] -122
228
X
-95 201
[mm]
59 [mm]
X
59
[mm]
A
ダイヤルゲージによる
計測結果
両者の三次元形状はほぼ一致!
0
-0.5
-1
ダイヤルゲージと比較した本手法の利点
A
-1.5
・撮影画像を元に計測するため計測時間・手間
計測時間・手間が大幅に短縮
-2
-2.5
0
A’
20
・全視野計測が可能なので計測点数
計測点数が多い
40
60
80
Y方向座標[mm]
A-A’におけるZ方向変位
100
した。
0
ダイヤルゲージ
0.5
実用上十分な精度
であることを確認
実用上十分な精度であることを確認
今後の展望
本手法による計測結果
本手法
A’
1
度はダイヤルゲージと同程度であり、
Z
ビードオンプレート溶接
を実施した鋼板
120
・面内変形計測
面内変形計測が可能
•船体外板等の大型曲面構造の三次
元形状計測への適用を試みる。
•簡易的に非常に多くの面内・面外変
形データが得られるため、様々な溶接
継手に関する変形データベースの構
築を容易に行うことが可能である。