加 藤 守 孝 加 藤 守 孝

「WORLD WIDE」「TECHNOLOGY」「FOOTWORK」「ARTISTIC」
∼ 世界に拡がる情報網と芸術性を追求したもの作りの姿勢、それを支える技術力と行動力をフルに使って∼
代表取締役社長
加藤守孝
氏
名古屋モザイク工業株式会社
●住 所:岐阜県多治見市笠原町 2455 − 20
●
T E L:0572−44−3060
●F A X:0572−44−3073
●U R L:http://www.nagoya-mosaic.co.jp/
index.html
●事業内容:建設石材窯業製品卸
●従 業 員:108 名
●会社略歴:
1938 年 創業者・加藤正一が名古屋モザイク共同
販売所を名古屋に開設
1956 年 建設事業の急増にともないタイル工事部
門を設立
1965 年 社名を名古屋モザイク工業株式会社と改
める
日本釉色煉瓦工業株式会社を設立
1970 年 イタリアタイルのデザイン性に着目し輸
入を開始する。
1975 年 東京ショールームを開設
1990 年 笠原物流センター事務所棟完成
1995 年 I C O T 広東有限公司への資本投入はかる
2008 年 TOTO 株式会社と光触媒ハイドロテクト
技術のライセンス契約を締結し、販売開
始 2
人と経営 2009 年 6 月 Vol.381
【 歴 史 は 未 来 を 映 す 鏡 】
聞き手:貴社は 70 年の歴史をお持ちですが、創設のきっか
け・社名の経緯についてお聞かせ下さい。
加藤社長:笠原町で茶碗販売を営んでいた祖父が昭和初期に
北海道小樽市に拠点を移し建材販売業を行いました。その後
名古屋でタイル販売を始めたのが社名に名古屋が入っている
由縁となっています。また昭和 24 年、空襲後の名古屋でタ
イル事業を行う工場を作ったのが現在の会社の礎となってい
ます。
聞き手:昭和初期は笠原町も茶碗が多かったのでしょうか。
加藤社長:その頃は茶碗の町でした。タイルの町笠原町が
発展するための基礎造りには、山内逸三さんという方の存在
が大きかったとされています。残念ながら当時のそういう経
緯を記録した資料は現在大変少なく、次世代の方たちへの伝
承を危惧している部分もあります。そのようなきっかけから
10 年程前から笠原町にタイル資料館を作ろうという計画が
あります。古い資料を体系的にまとめて資料館に展示し、若
い人が勉強し次の世代に引継ぎ発展させるという事が必要だ
と思います。
聞き手:創業 70 年の催事もそういうお考えが顕れているの
ですか。
加藤社長:昨年当社が創業 70 年を迎えた時、節目として何
かを残したいという思いから自社 70 年誌を作ろうと思いま
した。しかし、笠原町タイル産業 70 年誌ならより多くの方
に読んで頂けると思い、中部経済新聞を巻き込んで笠原町タ
イル産業 70 年誌を作成することにしました。中部経済新聞
では、70 年誌とは別に「美濃タイル産業史」を今年 11 月∼
来年3月まで 150 回連載することにもなりました。タイルの
歴史を紐解くことによって、タイルに関わる諸々のことを次
世代へ伝承し、新しいタイル産業が生まれると期待しており
ます。
【
と
め
柄
】
聞き手:タイル産業の現状についてお聞かせ下さい。
加藤社長:タイルの用途は外壁材・内装材・床材・アート材
等多方面に及んでおりますが、販売数量は商品の柄によって
大きく左右されます。昭和 40 年頃には「とめ柄」といって
笠原町のタイルメーカーが自社の柄を組合に登録することに
より、他メーカーは真似をしないという紳士協定がありまし
た。その結果、各社が独自の柄を追求し数多くのオリジナル
でデザイン性の豊かなものが作られました。しかし、残念な
がら現在「とめ柄」はありません。現在では、一つの現場の
経営者インタビュー
タイル見積に対し同じようなタイル柄で 10 ∼ 15 社が
提出し、あとは必然と価格での競争という状況になっ
てきています。また、市場の縮小傾向と価格低下の進
みにより利益が出ない実状もあります。各社が独自性
のある商品を作り、お互いのオリジナリティを尊重す
ることが今必要なことだと思います。
【 地 球 に や さ し い タ イ ル 】
聞き手:新しい機能を持ったタイルの開発についてお
聞かせ下さい。
加藤社長:一つは光触媒タイルです。ハイドロテクト
タイルという商品で、ビルの外壁素材として全国で約
7,100 件の採用実績を持っております。光触媒の特徴
である分解力と浸水性による汚れの付着力を弱め、美
しい外観を保つことが出来ます。更に光触媒作用に
よる活性酸素で、有害物質 NOx・SOx を分解し浄化
します。浄化能力は、1,000 ㎡でポプラ 70 本と同じ働
きをするとされ、当社では現在 12 万㎡/年の実績を
持っております。目標値は 20 万㎡/年で、目標達成
すればポプラ 14,000 本と同効果を生み出すことにな
ります。
もう一つはエージープラスという商品で調湿・消
臭・有害物質吸着の効果のあるタイルです。空気中の
ホルムアルデヒトなどの有害物質吸着効果、更に銀イ
オンによる消臭・抗菌・抗カビ効果を持たせた内装タ
イルです。光触媒・調湿タイル共大手メーカーが特許
を持っておりますが、いずれもそれぞれの事情で自社
での商品化を断念しております。そこで、タイル専門
の当社がロイヤリテイを支払うことで商品化・販売を
しております。
葉」があります。着物の柄として親しまれた江戸小紋
からヒントを得て、小さな三角形を組み合わせて作る
新しいタイルの可能性を追求した商品です。一般のタ
イルに比べると高価なものになりますが、芸術性を評
価して頂いてか、アメリカでの展示会の後オーダーが
殺到しました。現在アメリカの住宅産業は不況下にあ
りますが、それでも良いものは良いと認めて頂ける人
もおり商品の価値を崩さぬよう販売していくつもりで
す。このようにタイルは工芸品の部分も持っており、
今後は過当な価格競争から脱却するためにもオリジナ
ルな商品の開発を継続していくことが必要であると考
えています。
【
人
の
育
成
】
聞き手:どこの企業でも人の育成は重要な経営課題だ
と思いますが、貴社のお考えを聞かせて下さい。
加藤社長:今まで現場経験に主をおき育成してきまし
たが、新技術・新商品を理解しないとなかなかお客様
に対応できないのが実状です。またタイルのアート性
についても相当なセンスが求められます。そこで集合
研修を行い専門家の意見を聞いたり、工場見学を行っ
たりしております。当社はメーカーではありませんが
現場に届いた商品を、営業・物流部門の社員一人一人
が商品内容を理解した上で、お客様に商品をお届けす
ることを重要視しております。また、社員ありきの会
社という経営理念に基づき厳しい経営環境下で一般経
費は 10%減としておりますが、教育研修費は前年比
3倍としております。
聞き手:休日はどのようにお過ごしですか。
加藤社長:タイルは工場生産品ということもあり工
芸品分野には入っていないという捉え方をされてお
ります。しかし、実際にはアートタイルは沢山生産さ
れ利用されております。そこで当社では、全国にあ
るショールームのリニューアルに伴いアートモザイ
クデザインパターン 144 点と床タイルとの組み合わせ
も出来るマトリックスパネルを展示し、新製品を立ち
上げております。例えば、オプト 600 角特殊面状とい
う商品は、イタリア製床タイルオプト FLOOR TILE
OF THE YEAR を受賞しております。またイギリス
の建築やデザイン産業における仕上げ材の展示会で最
優秀賞にも選ばれております。ヨーロッパのタイルデ
ザインは、メタリックや光沢のあるテイストがトレン
ドですが、この製品は比類見ないデザイン性で従来製
品の延長線上に位置付けられるのではないかと自負致
しております。 今アメリカで注目されているタイル商品に「麻の
◆聞き手 丸理印刷株式会社
代表取締役
伊藤忠一
聞き手:工芸品としての焼物は茶碗や皿を思い浮かべ
ますが、タイルにも工芸品的な要素があると思われま
すが。
加藤社長:安定的家庭を維持することの大切さが、
年々歳々身にしみてわかるようになったこともあり、
家族と一緒に過ごす時間を大切にしております。家内
の趣味もあり一緒にゴルフに行ってリフレッシュする
ことが多いです。
【アート品としてのタイル】
氏
人と経営 2009 年 6 月 Vol.381
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労働行政レーダー
【岐阜県における労働災害状況】
岐阜労働局が発表した 2008 年における死傷災害発生状況によると(1月∼ 12 月)の岐阜県内における労働
災害死亡者数は、前年に比べ6人増加の 26 人となった。
また、休業4日以上を伴う死傷者数は、2,398 人で、前年に比べ 121 人の減少となり、休業4日以上を伴う
死傷者数は過去最低の数値となった。
本年で 82 回目を迎える「安全週間」が6月1日㈪∼ 30 日㈫を準備期間とし7月1日㈬から7日の期間で実
施される。今回の全国安全週間は、「定着させよう『安全文化』つみ取ろう職場の危険」をスローガンとして
展開する。岐阜労働局より各事業主への職場活性の着実な実施について要請があった。
【岐阜県労働災害発生状況】
平成 20 年
平成 19 年
対前年比
増減数
対前年比
増減数
署
別
岐
阜
815
34.0%
818
32.5%
̶3
̶ 0.4%
大
垣
461
19.2%
484
19.2%
̶ 23
̶ 4.8%
高
山
226
9.4%
237
9.4%
̶ 11
̶ 4.6%
多 治 見
322
13.4%
374
14.8%
̶ 52
̶ 13.9%
関
313
13.1%
340
13.5%
̶ 27
̶ 7.9%
那
189
7.9%
170
6.7%
19
11.2%
岐阜八幡
72
3.0%
96
3.8%
̶ 24
̶ 25.0%
2,398
100.0%
2,519
100.0%
̶ 121
̶ 4.8%
恵
合
計
死傷者数(人)
構成比
死傷者数(人)
構成比
【平成 20 年度岐阜県におけるあっせん申請件数が過去最高】
岐阜労働局が5月8日㈮に発表した「平成 20 年
労働相談件数の推移
度の個別労働紛争解決制度の運用状況」によると
労働基準監督署に設置している総合労働相談コー
ナーに、平成 20 年度の1年間に寄せられた相談が
17,482 件となり過去最高の件数となった。前年と比
較すると 2,489 件(17%)増加しており、民事上の
個別紛争でも件数だけでなく労働相談に占める割
816
1,506 1,531 1,430
2,236
3,648 3,712
4,636
合が昨年の 24%から4%増加の 28%となっており、
高くなってきていることがわかる。
内訳別に見てみると 30%の解雇が一番多く次い
で退職勧奨・雇止・内定取消・自己都合退職(15%)、
労働案件引下げ(12%)の順になっている。解雇に
ついては昨年度の 23%に対して7%も上昇してお
り、昨年と件数・内容ともに変化が生じてきている
のがわかる。
ご案内
外国人雇用はルールを守って適正に
6月は「外国人労働者問題啓発月間」です。
外国人労働者(特別永住者等を除く)の雇用及び離職の際には、当該外国人労働者の氏名、在留資格等を確
認しハローワークへ届け出て下さい。
外国人労働者の適正な雇用の推進及び不法就労の防止について、事業主を始め皆さんのご理解とご協力をお
願いします。
問い合わせ先:岐阜労働局職業対策課(058̶263̶5563)又は最寄りのハローワーク
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人と経営 2009 年 6 月 Vol.381
労働部会からのお知らせ
労務コンプライアンス研究会 報告 №1
当協会が今年度実施いたします、「労務コンプライアンス研究会」の開催概要は以下の通りです。
会員企業様には、当協会ホームページ内、「会員専用」ページにて、詳細をご覧いただけます。
1.研究会のねらい
⑴労務問題について、中小企業が実施しうる対策を導き出す。
⑵成果を公表し、労務リスクと対策を広く啓発する。
2.開催日(今年度中に6回開催)
1回目:平成 21 年5月 19 日㈫ ※2回目以降の開催日は未定。
3.テーマ
1回目で取り扱う予定のテーマは以下の3つです。
2回目以降のテーマは研究会の進捗に合わせて適時決めていきます。
⑴労務コンプライアンスの必要性 ∼人事・労務管理の役割とは∼
⑵労働契約① ∼労働者性の理解∼
⑶労働契約② ∼“社員”の区別∼
4.メンバー(支部・業種・会社名50音順、敬称略)
支 部
業 種
岐
会 社 名
阜 印刷・同関連
杉浦紙工㈱
〃
卸売・小売
アルフレッサ日建産業㈱
〃
卸売・小売
岐阜スズキ販売㈱
西
濃 窯業・土石製品
関ケ原石材㈱
中
濃 鉄鋼業
トーカイ㈱
東
濃 非鉄金属
瑞浪精機㈱
川 一般機械器具・電気機械器具
㈱ソーワテクニカ
騨 化学工業
東京ファブリック化工㈱
中
津
飛
㈳岐阜県経営者協会
コーディネータ 吉村 庸輔 氏(中小企業診断士・社会保険労務士)
賃金改定調査 特別集計 の結果
5月 13 日㈬現在の集計結果は下表の通りです。
業種
規模別
組合
集計社数
(社)
平均年齢
(歳)
平均勤続年数
(年)
平均ベース
(円)
50
39.1
12.3
製造業
34
38.6
非製造業
16
100 人未満
23
100 ∼ 299 人
300 人以上
要 求
要求額
(円)
上げ率
(%)
248,337
5,020
2.07
986
0.53
12.1
248,588
4,643
1.89
1,155
0.59
40.3
12.7
247,805
6,300
2.70
627
0.41
40.8
12.1
257,096
4,207
1.57
▲ 39
0.13
15
37.9
13.1
240,446
5,259
2.22
2,563
1.08
12
37.4
11.7
241,415
4,972
2.04
980
0.63
有
22
38.0
13.1
243,877
5,020
2.07
2,159
1.00
無
28
40.0
11.7
251,842
−
−
64
0.16
総 計
妥結額
(円)
上げ率
(%)
※集計は単純平均。
※「企業属性」について、組合が無い企業の場合は従業員についての数字で集計している。
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育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に
関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案
短時間勤務を義務化
∼平成 21 年 4 月 21 日閣議決定され国会に提出された内容です∼
少子化対策の観点から、喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層進めるため、男女と
もに子育てをしながら働き続けることができる雇用環境を整備する。
1 子育て期間中の働き方の見直し
・3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けることを事業主の義
務とし、労働者からの請求があったときの所定外労働の免除を制度化する。
・子の看護休暇制度を拡充する(小学校就学前の子が、1人であれば年5日(現行どおり)、2人以上
であれば年10日)。
2 父親も子育てができる働き方の実現
・父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2ヶ月(現行1歳)までの間に、1年間育児休業を取得
可能とする(パパ・ママ育休プラス)。
・父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする。
・配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する。
※これらにあわせ、育児休業給付についても所要の改正
3 仕事と介護の両立支援
・介護のための短期の休暇制度を創設する(要介護状態の対象家族が、1人であれば年5日、2人以上
であれば年10日)。
4 実効性の確保
・苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みを創設する。
・勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対す
る過料を創設する。
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