2016年10月8日 関東経済産業局資源エネルギー環境部ガス事業課

2016年10月8日
関東経済産業局資源エネルギー環境部ガス事業課 パブリックコメント担当 御中
指定旧供給区域等の指定(関東経済産業局所管分)に対する意見の募集について
東京都生活協同組合連合会
会長理事 伊野瀬 十三
東京都生活協同組合連合会は、消費者視点から見た時、東京都多摩部の一部の地域に都
市ガスを供給する会社のうち3社(以下、当該会社)において、現時点で適正な競争環境
にあるとは認められないため、当面家庭用を含むガスの小売全面自由化後も経過措置とし
て小売料金規制を課す対象として指定するよう強く求めます。
1.当該会社のガス料金の当該地域住民のくらしに与える影響はきわめて大きいといえま
す。市民生活への影響の大きさに鑑み、当面経過措置として小売料金規制を課す対象とし
て指定いただくよう求めます。
2.LPガスとの競争については、STEP2で競争があると評価していますが、新築住
宅における競争はあるとしても、既築住宅における競争は、当該地域において見られませ
ん。当該地域では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都市ガス事業の
新規参入がない限り、経過措置料金規制規制を解除した後に、家庭用都市ガス料金がLP
ガス水準まで引き上げられる恐れを否定できません。競争を通じて料金を引き下げること
が自由化の目的であるにも関わらず、「規制なき独占」の下で料金の引き上げを懸念せざる
を得ません。とりわけ、集合住宅においては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理
的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、
選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。これらの集合住宅の
住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入が認められるまで、当該会社の料金
規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す対象事業者として指定すべきと考えます。
3.今回、経済産業省は、
「適正な競争環境が確保されている」と評価して、当該会社を「指
定しない」と判断しているわけですが、もし当該会社が対象事業者として指定されない場
合、
「規制なき独占」による値上げが起きないかどうかを、どのように行政として監視する
のか、監視の具体的な方法を示すべきです。その結果、値上げが起きた場合に、どのよう
に対処されるのか、その基本方針を示すべきと考えます。また、当該会社が対象事業者と
して指定されなかった場合は、事業者自らが検針票などに同封する形でそのことをすべて
の家庭用消費者に告知すべきと考えます。
以上