電気事業と税金 2015 電気事業連合会 〒100-8118 東京都千代田区大手町1丁目3番2号 経団連会館内 TEL:03 (5221) 1437 電気事業連合会 2015.9 電 電気事業と税金 2015 気事業は1日あたり約32億円の税金を負担しています。 9,227 平成26年度に電気事業 (10電力会社) が、国・地方自治体に納付し た税金および水利使用料、道路占有料を合わせると、9,671億円という 巨額なものとなっています。 さらに、電力会社が発電用燃料として使用 181 67 電気事業の租税公課 負担推移 合計 ▲26 9,671億円 ▲82 9,330 9,201 法人税 199 9,412 法人税を除いての 合計 9,472 (単位:億円) その他諸税 167 188 する原重油等を購入する際に含まれる石油石炭税、原重油関税を試算 82 すると、約2,040億円となります。 3,280 これらを、電気料金との関係で見ると、26年度の一般家庭1件あたり 核燃料税 126 電源開発促進税 3,211 3,283 の電気料金約7,500円 (消費税含みの1か月平均) の中に電気事業者 の支払う租税公課が約500円 (石油石炭税等含む) 、 お客さまが電気料 租税負担率の業種間比較 金とともに支払う消費税が約500円、合計で約1,000円 (約13%) 含ま (売上高に対する割合) (単位:%) れていることになります。 3,278 固定資産税 3,282 3,241 平成 平成 平成 6.0 0.1 1,815 事業税 2,000 1,940 1,760 年度 1,183 116 年度 年度 23 24 25 5.5 5.0% 632 449 495 30 661 678 公課 93 昭和49年度 24 25 3.8 水利使用料 686 道路占用料 3.5 5.9 5.5 5.0 3.0 3.1 3.1% 100 100 100 1.2 1.6 1.4 法人税 電気料金収入と租税公課 負担の推移 453 505 507 514 529 533 電気料金収入指数 租税公課の法人税を 除いての負担指数 租税公課負担指数 780 796 801 租税公課(法人税を除く) (租税公課の負担は電気料金収入の 伸びを上回っています。) 昭和 49年度=100 3.5% 26 1.8 1.8 1.9% 1.1 1.1 1.3 2.1% 2.0% 1.6 1.7 2.5 2.7 2.7 1.2 1.1 1.2 1.5 1.0 1.2% 0.4 0.3 0.6 0.7 0.7 0.6 0.5 0.5 0.5 全産業 製造業 0.5 0.4 0.4 うち 化学工業 0.8 0.7 0.6 うち 鉄 鋼 1.4 1.5 2.3 2.2 2.1 1.0 1.1 1.7 0.4 0.4 0.4 うち 機 械 ガス 水道 熱供給 電 力 10社 出所:財務省「法人企業統計調査」より 注:電力の租税公課には水利使用料、道路占用料を含む。 電気事業の税負担率は、他の産業に比べて極めて高水準です。 な 電気事業と税金 2015 ぜ電気事業の税負担は重いのでしょうか? 電気事業特有の税があるからです。 他の業種とは異なり、電気事業には “電源開発 促進税” や “核燃料税” のような特有の税が課せ られています。 ●電源開発促進税 (昭和49年度より実施) 電源開発促進対策のための財政上の措置に要 する費用に充てるため、 販売電力量を課税標準とし て一般電気事業者に課せられるものです。 ●核燃料税 (昭和51年度より実施) 法定外普通税として、道県が条例を公布して施 事業税が収入金課税となっているからです。 行する (総務大臣に協議し、 その同意を得ることが 必要) もので、発電用原子炉に挿入された原子燃 料の価額等を課税標準とし、 その原子炉の設置者 に課せられるものです。 なお、平成15年度から、新潟県柏崎市と鹿児島 県薩摩川内市において、法定外税として、道県の核 燃料税とは別に、発電が終わった段階の原子燃料 に課税する 「使用済核燃料税」 が実施されています。 (都道府県税) 一 般 の 税 固定資産税 (市町村税) 法 人 税 (国 税) そ の 他 事業税の収入金課税方式と外形標準課税方式の比較(地方法人特別税含む) 収入金課税方式 収入金額による 課税 課 税 標 準 税 率 各事業年度の収入金額 標準税率 約1.3% (地方法人特別税含む) 所得割 土地・家屋および償却資産 標準税率 1.4% 各事業年度の所得 23.9% 税率 電 気 事 業 特 有 の税 (国 税) が使用した電気を含む) 税率 各道県ごとに税率が定められている LPG・LNG 2,040円/kl 1,080円/t 700円/t 現行(H26年4月~) 2,540円/kl 1,600円/t 1,140円/t 参 原油・ 石油製品 考 (国 税) LNG・石炭の数量 本則税率 約6.0% 石 炭 ※「地球温暖化対策のための課税の特例」により、段階的に税率が上乗せされている。 最終的には、H28年4月より、原油・石油製品は2,800円/kl、LPG・LNGは1,860円/t、 石炭は1,370円/tとなる予定。 付加 価値割 0.96% 税率 資本割 約4.8% 資本割 0.4% 所得基準 : 外形基準 1 : 1 (平成27年9月現在) 現 在 創設時期 (課税期間…5年間) 原油・石油製品・LPG 所得割 核燃料税率の推移 発電用原子炉に挿入された 石油石炭税 付加 価値割 所得基準 : 外形基準 5 : 3 375円/1,000kWh 原子燃料の価額等 平成28年度 0.3% 消費税・印紙税・都市計画税・不動産取得税・事業所税・登録免許税など 販売電気(電気事業者自ら (その他の事業) 0.72% 約1.3% 電源開発促進税 核燃料税 外形標準課税方式 (平成27年9月現在) 創設年 税率 税率 適用期間 備考 S51年 5% 17%(注1) H 23年 11月 ~ H 28年11月 第7回更新 茨 城 県(注2) S53年 5% 17%(注2) H 26年 4月 ~ H 31年 3月 第7回更新 愛 媛 県 S54年 5% 17%(注3) H 26年 1月 ~ H 31年 1月 第7回更新 佐 賀 県 S54年 5% 17%(注3) H 26年 4月 ~ H 31年 3月 第7回更新 島 根 県 S55年 5% 17%(注3) H 27年 4月 ~ H 32年 3月 第7回更新 静 岡 県 S55年 5% 17%(注3) H 27年 4月 ~ H 32年 3月 第7回更新 鹿 児 島 県 S58年 7% 17%(注4) H 25年 6月 ~ H 30年 5月 第6回更新 宮 城 県 S58年 7% 12% H 25年 6月 ~ H 30年 6月 第6回更新 新 潟 県 S59年 7% 17%(注3) H 26年 11月 ~ H 31年11月 第6回更新 北 海 道 S63年 7% 17%(注3) H 25年 9月 ~ H 30年 8月 第5回更新 石 川 県 H4年 7% 17%(注3) H 24年 10月 ~ H 29年10月 第4回更新 H16年 10% 15%(注5) H 26年 4月 ~ H 31年 3月 第3回更新 福 法定外普通税として 道県が条例で定める (電気事業) 平成27年度 電気事業に課せられる税 事 業 税 事業税の課税方式については、 資本金1億円超の大法人には、 平成16年度から外形標準課税が導 入されていますが、電気事業を含めた3業種 (電気、 ガス、保険業) については、従来どおり、収入金課税 となっています。 仮に、電気事業 (10電力会社) の26年度の事業税額 (2,000億円) を、 「その他の事業」 と同様の外 形標準課税方式 (28年度) に置き換えてみますと約500億円となります。 井 県 青 森 県(注5) (当面は12%) 注1: 福井県の税率17%の内訳は、価額割8.5%、出力割8.5%相当(出力割は熱出力当たりの税額を税率に換算、以下同様)。 なお、17%の税率のうち、2%は、福島第一原子力発電所事故に伴う緊急的な経費である。 注2: 茨城県の核燃料税は、11年4月から「核燃料等取扱税」として課税。税率17%の内訳は、価額割8.5%、出力割8.5%相当。 注3: 愛媛県、佐賀県、島根県、静岡県、新潟県、北海道、石川県の税率17%の内訳は、価額割8.5%、出力割8.5%相当。 注4: 鹿児島県の税率17%の内訳は、価額割12%、出力割5%相当。 注5: 青森県の核燃料税は、 「核燃料物質等取扱税」として課税されている。税率15%の内訳は、価額割13%、出力割2%相当。 注6: 福島県では、昭和52年から平成24年まで核燃料税が課税されていたが、現在は廃止されている。 電気事業と税金 2015 電気事業連合会 〒100-8118 東京都千代田区大手町1丁目3番2号 経団連会館内 TEL:03 (5221) 1437 電気事業連合会 2015.9
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