ごみとトイレの近代誌

彩流社の新刊案内
ごみとトイレの近代誌
―絵はがきと新聞広告から読み解く
山崎達雄著 A5 判並製 224 頁 2016 年 6 月刊 定価本体 2200 円+税
近代の到来は便利さの裏で増加したごみの処理に四苦八苦した時代でもあった。京都・大阪・
東京・名古屋等で発行されたごみ焼却施設の絵葉書は、9 ㎝ ×14 ㎝の小さな世界から、ごみ
処理技術の進歩と、都市の発展によって追われる焼却場の苦闘の歴史を映し出す。屎尿の処
理や排泄スタイルも、近代の衛生事情の変化により、立小便から座り小便、ポットン便所か
ら水槽・水洗便所、新聞紙、ちり紙、トイレットペーパーから、現代の温水へと大きく変わっ
たが、有料トイレと違警罪、大阪天神祭での共同便所船、更には明治の鬼才、宮武外骨の『滑
稽新聞』は、トイレの世界をどう描きだしたのか?
研究者、元行政マン、コレクターである著者が、長年収集してきた当時の絵葉書と新聞広告
から、120 点余りの多彩な図版を使い、社会風俗や人びとの暮らしの裏面史を解き明かす!
ベルトコンベア上を
流れるごみを人力で
選別する(東京市)
Ⅰ ごみの近代誌
第 11 章 女性の立小便
第 12 章「有料便所」絵葉書と「違式詿違条例」
、
「違警罪」
、
「警察犯処罰令」
第 13 章『滑稽新聞』が描くトイレの世界
第 14 章 新聞広告に登場した水槽便所
第 15 章 近代小学校トイレ史/第 16 章 排便スタイル
第 17 章 活性汚泥法により、日本で最初に屎尿を処理した都市は
第 18 章 トイレットペーパーの新聞広告と幻のペーパー
女性の立ち小便姿
Ⅱ トイレの近代誌
大阪・木津川の対岸
から見た煙を吐き出
す焼却場全景
第1章 ごみ焼却施設が絵葉書になった(京都市)
第2章 時代に翻弄されたごみ焼却施設(京都市)
第3章 木津川塵芥焼却場誕生物語(大阪市)
第4章 大阪のごみ、堺の大浜海水浴場に漂着(大阪市)
第5章 都市の名建築に浮かぶごみ船と今宮塵芥焼却場
第6章 ごみの再資源化をめざして(東京市)
第7章 屎尿浄化装置を併設したごみ焼却施設(名古屋市)
第8章 彩色されたごみ焼却施設(一宮市)
第9章 堆肥、埋立、野焼きからごみ焼却施設の建設へ
第 10 章 里山に映えるごみ焼却施設(瀬戸市)
山崎達雄著
書名
本棚に知の彩りを
彩流社刊
共同便所舟
絵葉書
「蛙に小便」
定価(本体 2200 円+税)
ごみとトイレの近代誌
ご担当者名 =
彩流社
1948 年東京都生まれ、昭和 47
年に京大卒業後、京都府に勤務、
廃棄物・環境・水道・企画政策
等に携わる。2008 ~ 12 年、京
都府亀岡市副市長。大正期のト
イレットペーパーをはじめ、集
めた絵葉書・古文書・ポスタ-
等は 1000 点以上。これらを駆
使して、京都を中心に、ごみ、
屎尿、トイレの歴史を解き明か
す異色の元行政マン。
主著:
『洛中塵捨場今昔』
(臨川
書店)
、
共著『トイレ考・屎尿考』
、
『もっと知りたい水の都・京都』
他。 2004 ~ 05・2013 年度、龍
谷大学非常勤講師。
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◉山崎達雄(やまざき・たつお)◉
ISBN978-4-7791-2235-4 C0039
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