オリーブについて

オリーブについて
オリーブの植物学的分類
オリーブはモクセイ科(
Olea
に
Oleaceae
)、オリーブ属( Olea)に属する常緑の中高木で 、
学名
europaeaといい、西アジア、地中海沿岸に広く分布している。 世界中
500 種とも 1000 種ともいわれていますが、明確に分類されていません。原産地としては
中近東とする説が最も有力です。日本では瀬戸内海の小豆島での栽培が知られてい る。
オリーブの歴史
オリーブの樹の栽培は紀元前 3000 年前に地中海沿岸地方で始まったと言われ 、オリーブ
オイルは古くから儀式用、日常生活 では灯火、医薬品、化粧品として、また貴重な栄養源
として調理用にも欠かせないものとなっていました。
またキリスト教においてもオリーブとの関わりは深く、聖書の中にもいくつかの記述が見
られます。旧約聖書で、ノアの洪水の後、ハトがくわえてきたオリーブの枝は平和の象徴
とされ、オリーブの果実から採れた油はキリスト教の象徴として儀式用に使用されてきま
した。
オリーブの産地別 栽培品種
オイル用 ▲
テーブルオリーブ用●
スペイン
P
I
C
U
A
L
▲ H
O
J
I
B
L
A
N
C
A
▲● C
O
R
N
I
C
A
B
R
A
▲L
E
C
H
I
N
▲M
A
N
Z
A
N
I
L
LA
●(グリーン)
V
E
R
D
I
A
LD
EB
A
D
A
J
O
Z
▲ E
M
P
E
L
T
R
E
▲ A
R
B
E
Q
U
I
N
A
▲ C
A
C
E
R
E
N
A
●(ブラック)
日本
MI
SSI
ON▲● MANZANI
LLO● LUCCA▲
オリーブの樹
オリーブは常緑樹で、一般的には3∼5 の高さになりますが、稀に 10mを越すものもあり
ます。品種によって、<まっすぐ上にのびる><横に広がる><その中間>の3つのタイ
プがあります。樹齢は大変長く、地中海沿岸諸国などでは 年を越すものも珍しくあり
ません。
オリーブの葉
葉の寿命は 3年ですが、ほとんどは2年めに新しい枝が成長している間に落下します。革
質披針形の単葉で対生につきます。葉の表はクチクラに被われていて濃緑色、裏は毛茸が
密生していて銀白色をしています。
オリーブの花
花芽は前年の春から夏にかけて伸びた部分の脇芽から分化・発生します。複総状花序(ク
ラスター)で、白色の小花を
∼
個着生します。1個花は直径約3
程度、乳白色・鐘
形状の4裂した合同花冠で、4片のガクと1つの雌蕊と2つの雄蕊を持っている両性花で
す。多量の花粉を飛散させる風媒花ですが、虫媒も行なわれます。自家不和 合性が強く、
単一品種では結実しない傾向が強いのと、不完全花が多いため開花した花の2∼3%しか
収穫できる果実をつけません。開花後の花の寿命は2週間程度、花蜜はなく、かすかな香
りがあります
オリーブの果実
果実は外側から、<外果皮><果肉><核><胚乳・胚>からなっています
果実は 2 ∼ 10g の楕円形の 形 で 、塩蔵 ( 塩漬け ) し食用とする他、熟果からはオリーブ油を採る。
。
10 月中旬∼11 月上旬に成熟期となり、以後、赤紫色か黒紫色に変わって完熟します。
オリーブは、品種を問わず、果実には強い苦味があり生食できません。そのため、塩漬けにして食べられています。
脂肪分を含む果実は独特の風味をもち、栄養価も高い。また熟した果実の果肉からはオリーブ油、核からはオリー
ブ核油が得られます。
塩蔵
「緑果塩蔵」(グリーンオリーブ
[
g
r
e
e
n
o
l
i
v
e
]
)
と
「熟果塩蔵」(ライプオリーブ [ripe olive])があり、
前者は未熟な緑色果を用い、後者は紫黒色に完熟した果実を用います。
いずれもアルカリ液で苦味をとった後、4∼8%の食塩液に塩漬けし、乳酸発酵を行なって製品となります。
オリーブと言うと、カクテルに入れたり、ビン詰めになった「スタッフドオリーブ」などを連想されると思います。
スタッフドオリーブは、緑果または熟果の種子を除き、ピメント、オニオン、アーモンドなどを詰め合わせた物で、
一般によく出回っている物は緑果にピメントを詰めてビン詰めにしたものです。