野菜つけ物工 H555-01 ど んな職業か 野菜つけ物工は、原料野菜の判別、洗浄、カット、数次の漬け込、塩抜き、計量、殺菌、検査、包装などの作業を行 い、野菜つけ物を製造する。 つけ物は、平安時代の制度、儀式作法書「延喜式」につけ物の種類が記述されているほどの日本古来の伝統的加工食 品である。現在では、原料となる野菜等の種類が極めて多いということに加え、浅漬け、古漬の大別の下に多様な漬け 込み方法がある。 まず、受入・保管している原材料(野菜等)の品質を判別し、洗浄した後、塩漬け(下漬処理)する。その後、再度 洗浄し、所定の大きさに切断(カット)する。次に脱塩(塩抜き)を行い、圧搾する。そして、最終調味料に漬込んだ 後、計量・包装・シール貼りを行い、金属検出(検査)を行う。最後に加熱殺菌・冷却を行い、保管・出荷する。 これらの工程では、かなり機械化、装置化が進んでいるが、一方、人手に依存せざるを得ない工程があり、総じてい えば人手を多く必要としている。 野菜つけ物工は、全工程の技術・技能を習得することとなるが、原料の多様さや品質の違い等から、かなりの期間の 経験が必要とされる。また、食品工場に共通する食品衛生の知識や品質管理技術等も求められる。 就 くには 入職にあたって、特に資格・免許は必要とされない。 最近では、食品の安全・安心ニーズへの対応能力や商品開発力等 が強く求められ、求人のスキルレベルを上げ、大学の農学部や食品 関係学科の卒業生を求める傾向も強くなってきている。一方で農業 高校や工業高校の食品関係学科の卒業生を、計画的に採用し、経験 、研修の中で技術・技能者に育て上げる企業も地方には多い。 雇用については、定期的、計画的な採用をしているが、全体的に 見れば一定規模以上の企業では、退職者の補充の形で随時採用する のが中心である。 つけ物製造業では、その業態上、手作業に依存する部分があるこ とから、かなりの女性従業員をパートタイマーとして採用している 企業が多い。 労 働条件の特徴 つけ物製造業は、基本的にはその地域の特産的野菜等を原料として地場で加工し、製品もその地域で消費するという 、いわゆる地産地消型の中小食品企業としてスタートしているため、職場は全国に渡る。 つけ物製造等を基本にした企業形態は、製造業のみのもの、製造業と卸売業を兼ねるもの(自社で製造する製品と他 のつけ物メーカーから仕入れた製品を卸売する形態)、自社製品を自から小売するもの(京都が中心)、の3つに分け られる。 事業所の規模としては、従業員50人以下の中小零細企業が中心であり、従業員100人を超えるような企業の割合 は5%以下と見込まれる。 従業員の構成としては、管理部門を担う正社員と手作業の多いパートに大別され、徐々にパートタイマーの割合が増 加してきている。パートタイマーのほとんどが女性で、年齢構成も非較的に高い。 労働条件としては、労働時間は一般的な就業時間帯の1日8時間制であるが、日配食品である浅漬けタイプのつけ物 を製造する企業では、残業やローテーションによる土曜、日曜出勤によって対応している。また、休日は、業界全体と しては、週休2日制と日曜休日の2タイプが中心であるが、徐々に週休2日制への移行が進んでいる。 賃金についてはその地域の他業種の水準に合わせたものが多い。 職場環境としては、生鮮野菜を原料としていることから、洗浄工程を中心に大量の水を使用するという職場環境にあ る。また、食品工場であることから特に衛生管理に十分な対応が求められる。 つけ物製品は、当面現在の生産量程度で今後も推移するものと見込まれる。 参 考情報 関連団体 全日本漬物協同組合連合会 http://www.tsukemono-japan.org/
© Copyright 2024 Paperzz