福井ヨーガ瞑想の会(第 9 回) 2007 年 3 月 11 日 永平寺公民館(開発センター) 第2章 ヨーガ修行者のライフスタイル グナを理解する ヨガの概念:3 つのグナ(グナは万物の 3 つの根本的性質のこと) ・サットヴァ:バランスと清浄と調和 ・ラジャス:活動と激情とエネルギーの発散 ・タマス :闇と無気力と惰性 この性質は自然界あらゆる場所に存在し、肉体、心、人格にも現れる。この 3 つのグナを 基準にして、あらゆる状況や精神状態を評価することができるために、集中を妨げている 理由やその状況の対処法を見つけるのに役立ちます。 サットヴァの状態(サートヴィック):心は内側に集中することができ、清浄で穏やかで ある。体が軽く感じられ、精神的に全ての存在に対し満足感と善意を持つことが出来る。 ラジャスの状態:心は乱れて不安定になり、動揺しやすくなる。気持ちが落ち着かずイラ イラして外側にある快楽から安らぎと安心を得ようとする。 タマスの状態:エネルギーは澱んでいて、心が鈍くなり、無気力で無関心になる。 ライフスタイル全体でサートヴィックな行動、言動、思考をするように日々の生活を送 る。 毎日のエクササイズ 体の健康を維持するために定期的にエクササイズを行う。 規則正しいエクササイズ(30 分間):ウォーキング、水泳、サイクリング、ジョギングな どで肉体を丈夫にする。 アーサナ(30 分〜1 時間):リラクゼーションのポーズ/太陽礼拝のポーズ/12 種類の 基本のアーサナ/リラクゼーションのポーズで、強くてしなやかで活力に満ち た体を維持する。 プラーナーヤーマ(30 分間):呼吸器系の浄化、内臓をマッサージして各機能を改善し、 神経系をリラックスさせる、更にナーディー(生気導管)を浄化し、全組織を活 性化し、心を浄化する。 ・アヌローマ・ヴィローマ(鼻孔を交互に使う呼吸法)10 回:ナーディーを浄化し、心を 穏やかにします。静 吸左(1)― 止(4)― 吐右(2)― 吸右(1)― 止(4) ― 吐左(2)。左手はチン・ムドラ。両目を閉じて心を眉間に集中する。 (伝統的ヨーガの調気法ではサヒタ・クンバカと呼ばれている。) ・カパラバーティー(腹部を前後させる呼吸法)3 回:呼吸器系を浄化し、肉体に活力を 与え、心をクリアにし、集中力を高める。鼻で深呼吸 2 回 ― 吸・吐両(30〜40 回)― 深呼吸 2 回 ― できるだけ長い深呼吸 1 回。 (伝統的ヨーガな調気法ではアグニ・プラサーラナと似てはいるが、少し異なっ ている。伝統的な調気法のカパラバーティーのやり方は 回) ― 吐 ― 止息(U・B)― 吸両) 1 動 吸・吐両(10〜20 肉体と心の準備をする ・朝早く起きて、その貴重な時間に瞑想の練習をするのはとても重要なことです。 ・シャワーを浴び、体を清浄にする。サットヴァな気分を生み出す。 ・瞑想用の服を着用する。服はゆったりと着心地のよい天然素材のもので、常に清潔に保つ、 瞑想以外には決して着ないようにする。 ・瞑想する前はポジティブで落ち着くイメージを心に与えることが大切です。タマスとラジ ャスの要素を持つ刺激は避ける。マウナ(沈黙)を守ったり、神や聖人の肖像を眺めたり、 ローソクの安定した火を眺めたりするのも瞑想を始める前には効果的です。 ・体内のエネルギーの流れを安定させる。 プラーナヤーマを数分間(カパラバーティー、2〜3 ラウンドで体内のプラーナーの流れを 改善する、アヌローマ・ヴィローマ、数ラウンドでエネルギーのバランスを保つ)、倒立 のポーズ 1〜2 分間で脳に新鮮なエネルギーを送って心を集中させる、アグニサーラで太陽 神経叢のプラーナを刺激し、覚醒の感覚を鋭くする。それでも体が重く感じたら、プラー ナーを動かすために、太陽礼拝のポーズを 2〜3 ラウンドを行う。 太陽礼拝のポーズ 体の主要な筋肉すべてを強化します。このポーズは酸素の摂取と循環を改善し、体全体の 血行良くし、エネルギーを与えてくれます。神経が落ち着いて集中力が高まります。 12 種類の基本のアーサナ 1.倒立のポーズ、2.肩逆立ちのポーズ、3.鋤のポーズ、4.魚のポーズ、5.前屈のポーズ、 6.コブラのポーズ、7.バッタのポーズ、8.弓のポーズ、9.ねじりのポーズ、 10.カラスのポーズ、11.起立した前屈のポーズ、12.三角形のポーズ 普段の食事 サートヴィックな食事をとることが必要である。 瞑想に最適な食事とは質素な食べ物で心に悪影響を与えない食事を摂ることである。 ・ 思考を鈍らせ心を不安定にする食べ物:辛くて刺激の強いスパイス、ガーリック、 オニオン、塩分過多、コーヒー、紅茶、肉など ・ 眠気を誘い心を鈍らせる食べ物:レトルト食品、鮮度の悪い食べ物、アルコール、 マリファナ・煙草など ・ ベジタリアンになることを推奨する。 ・ 動物性蛋白質にはアンモニアと尿酸が高い濃度で含まれ、痛風の原因となる。 ・ 肉の摂り過ぎは過剰コレステロールとなり、動脈硬化と心臓病の原因となる。 ・ 穀物、新鮮な果物、野菜を摂るようにし、添加物、インスタント食品、缶詰などは ・ 出来るだけ摂らないようにする。 ・ 癌になるのは、体の通常の細胞が過度な毒性によって突然変異し、異常繁殖するか ・ らであり、許容範囲内の発癌性物質の毒性でも数年間、蓄積されると癌になる。 ・ 道義的な問題として人間の食用の動物蛋白を得るためには 4 倍の穀類が必要となる。 植物は全生物のエネルギーの源であり、直接、植物から滋養を得る方がよい。 ・ 人間の消化器系は菜食に適して消化管は長く出来ている。歯も菜食に適している。 ・ ヨーガ修行者が心得なければならないのは、肉食をしないということよりも、アヒ ムサの基本原則、すなわち不殺生を守るということである。 ・ 人間は食べた物で作られる。食物の目に見えない部分が意識として体に取り込まれ 良い食べ物は意識を純化し、心を安定させるように働く。 2
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