はじめに(学校長より)・感謝の言葉

は じ め に
吹田市立片山中学校
校 長
今 西
保
2 年 生 の 皆 さ ん、 職 業 体 験 は い かが で した か。 2 日 間 が 長 かった と い う人 も 短
かった と い う人 も い ると 思 いま す。 今 回 皆 さ んは、 自 分 で 選 んだ 職 場 で それ ぞ れ
お 店 の 方 や 会 社 、 学 校 ・ 園 な ど い ろ んな 職 種 の 方 々 か ら 、 い ろ んな 事 を教 え て
い た だ い た こ と と 思 い ま す 。 それ は 皆 さ ん自 身 も よ く 分 かって い るも の だ と 思 い ま
すが、実 際 働 くこ とのほんの1 部 で、 本 当 の 仕 事 の大 変 さや厳 し さ、またおもしろ
さは、これから皆 さ んが 学 校 を 終 えて 後 、社 会 人 として 自 立 した 時 に追 々分 かっ
てくるものだと思 います。でも短 期 間 ながら多 くの方 々が一 生 懸 命 働 いておら
れ 、 社 会 を支 えて 頂 いて い るこ と に 気 づ き、 今 後 皆 さ んが 自 立 して いく ため に 必
要 なことのヒントを、きっとたくさんもらえたと思 い ます。
江 戸 時 代 、 大 坂 ( 当 時 、 大 阪 は 大 坂 と書 かれ 、 明 治 にな って今 の 表 記 にな っ
た よ うで す。 )は 商 人 の 町 と して 栄 え、 「 働 くこ と」 の 意 義 が 子 ど もこ ろ から 厳 し くし
つけ られた そう です。 多 くの子 どもは6 歳 から10 歳 位 ま で 寺 子 屋 で読 み書 きそろ
ばんを習 い、10歳 位 で 丁 稚 として商 店 に奉 公 に出 、その後 手 代 、番 頭 、のれん
分 けで自 分 の 店 を持 つとい った 一 生 であ ったとの 事 ですが その 商 人 の 間 では
「三 方 良 し」 とい う言 葉 があ り、商 売 (あ きない) は「売 り手 良 し」「 書 いて良 し」「 世
間 良 し 」 で な け れ ば な ら な い 。 社 会 全 体 が 幸 せ に な るた め に 「 働 く 」 。 「 は た の 人
が 楽 」 と 解 釈 し て 、 自 分 も 周 りの 人 も 幸 せ に して い くこ と が 「 働 く 」 と い うこ と で あ る
と い う考 え が あ っ た よ う で す。 皆 さ んも 今 回 の 体 験 から 「 働 く 」 こ と の目 的 、ま た 多
くの職 業 があ る中 で将 来 自 分 がどのよ うな職 業 についたらよ いかなど 考 えて みて
下 さい。 皆 さ んが そのよ うなこ と を真 剣 に 考 え、 来 年 3 年 生 で 経 験 す る進 路 選 択
に生 かしてもら うことが、今 回 お 世 話 になった多 くの職 場 の方 々への本 当 のお礼
になると思 います。
また、私 の 好 きな言 葉 に、島 田 洋 七 さ んの「佐 賀 のが ばいばあち ゃん」の中
に、おばあちゃんが洋 七 さんに語 ったという「死 ぬまで夢 をもて。かなわなくても所
詮 夢 だ から 」 と い う 言 葉 が あ りま す 。 皆 さ んが こ れ か ら い ろ んな 職 業 に あ こ が れ 、
一 生 懸 命 働 い て も 、 全 て が 思 い 通 りに い く と は 限 りま せ ん。 で も 、 働 く こ と が 周 り
の 人 も 幸 せに す るこ と を 、 また いつ か自 分 の 夢 が かな うこ と を信 じて 努 力 す るこ と
の大 切 さを、ぜひ今 回 の体 験 を通 して考 え、ひ とまわり大 きな片 中 生 に成 長 して
もらえることを心 より期 待 しています。
最後になりましたが、お忙しい中、本校の職業体験学習に多大なご理解を頂き、様々
なご協力頂けました各事業所の皆様方には厚くお礼申し上げます。
事業所の皆様への感謝の言葉
吹田市立片山中学校
第二学年教職員一同
今年度の職業体験学習は、学級閉鎖により本番の体験ができなかった人がいた
ことが残念でした。が、無事体験を終えることができた人は、それぞれ有意義な
経験となったようです。
「しんどかった~!」と言いながらも1つの事を成し遂げた満足げな顔、
「勉強
になった」
「この仕事、将来したい!」等々、うれしい報告がたくさんありました。
また、保護者の方々も、2日間とはいえ、子どもだけで社会に出て、仕事をす
ることに、心配の1つもされたことと思いますが、子どもとの対話を通して、そ
のがんばりをはげまし、応援していただけたように思います。
事業所の皆様方には、毎年の、あるいは突然の依頼にも関わらず、本校「職業
体験学習」をご快諾いただきました。その上、何回もの書類のやり取りなどお手
を煩わせ、2 日間生徒たちをお預りいただいて、手取り足取り、心のこもった丁寧
なご指導をいただきました。生徒たちは、普段、表の面しか知らない「仕事」を「働
く者の立場」からその大変さ、厳しさ、また楽しさややりがいを学び、働くこと
の意義を実感出来ました。学校の学習では、得ることが出来ない貴重な体験の数々
を手に、目を輝かせ、帰って参りました。この経験で、彼らは、将来の見通しが
少し現実的に考えられるようになったと感じております。
さて、子どもは、
「家庭」
「学校」
「地域社会」が育てるものだといわれています
が、なかなか「社会」との接点を持てない現状におきまして、事業所や職員の方々
のご理解、ご協力を戴き、このような学習の機会が持てましたことは、子どもた
ちの今後の成長にとって大切な一歩となったと改めて感謝申し上げます。本当に
有り難うございました。
この「職業体験学習報告書」には、生徒や保護者の思いの一端を載せておりま
す。この「報告集」を私どものお礼の気持ちとしてお届けいたします。ともに、
ご一読戴き、何らかのご参考となりましたら幸いに存じます。
末筆ではございますが、事業所のご発展、皆様方のますますのご活躍とご多幸
をお祈り申し上げます。また、今後とも本校の教育活動にご指導ご鞭撻のほど、
よろしくお願いいたします。
1