埋設廃棄物の処理責任について

廃棄物管理の実務
~こんな時、どうする?どうなる?廃棄物処理法~
第 23 回【埋設廃棄物の処理責任について】
こんな時…
建設工事の元請業者が、土地所有者からの
依頼で建設予定地の掘削工事を行ったと
ころ、地中から廃棄物と認められるものが
確認された。この場合、廃棄物の処理責任
を負う「排出事業者」は、工事を受注した
元請業者ということになるのか?
※ 土地所有者(発注者)も、この埋設廃棄物の存在を認知していなかったケースを想定。
どうなる?
土地所有者等(発注者)が地中の廃棄物の存在について認知していない状況で、建設工
事の掘削工事に伴い廃棄物と認められるもの(埋設廃棄物)が発見され、それを廃棄する
という場合でも、その埋設廃棄物の「排出事業者」は、【廃棄物処理法 第 21 条の 3 の規
程】に基づき、原則、掘削工事を行った建設工事の元請業者となります。
土地所有者または占有者は、所有・占有・管理する土地において、他者により不適正に処
理されたと認められる廃棄物を発見したときは、速やかに都道府県知事または市町村長に
その旨を通報するよう努めること、とされています。まずは、所管の自治体へ連絡(相談)
しましょう。
その後、元請業者は土地所有者(発注者)と廃棄物撤去に伴う追加工事費の負担割合につ
いて合意した上で、排出事業者として埋設廃棄物を撤去・処理するのが一般的となってい
ます。
上記の回答は、あくまで原則に基づいた取扱方法をご説明したものです。
原状回復や処理費用等は、発見された廃棄物の種類や量を見極めた上で、対応方法を検討
していく必要があります。それについても、自治体へご確認された方がよいと思われます。
また、今回のケースとは別に、土地所有者が埋設廃棄物の存在を認知しており、建設工事
の発注前に土地所有者が地中の廃棄物を処理委託する場合は、土地所有者が排出事業者と
なることもあります。
このように様々なケースが想定されるため、ご質問・ご相談等がございましたら、ご遠慮
なく大栄環境グループの営業担当者にお申し付けください。
監修:弊社顧問
尾上雅典氏(行政書士エース環境法務事務所代表)