機械・金属 工 業 窯業・土石 工 業 沿 菊 業界のデータ(愛知県内) き く 産業の起源 昭和 22 年 革 年間出荷量 約4 億 6,520万本 商 品 知 識 菊は秋を代表する花のひとつであるが、 花が咲く時期から、夏ギク、夏秋ギク、秋 織り込んだ多くの歌が詠まれており、その ギク、寒ギクに分類され、また、開花時の ふくよかな香りと清楚な姿は万人に愛され 姿から、一輪菊、スプレー菊、小菊に分け 業 てきた。 られる。 業 いわれている。 『古今和歌集』には、菊を 工 木工品 工 わが国へ菊が伝わったのは、7 世紀頃と 主要な産地 田原市 繊 維 1 本の茎に 10 ∼ 20 輪の中小花を咲かせる 工 前、すでに菊(夏ギク)の栽培が行われて 菊をスプレー菊といい、さらに小さい花を 業 いたようであるが、本格化するのは後に 多数咲かせるものを小菊と呼ぶ。 食 品 愛知県では名古屋で今から 200 年ほど なってからのことである。 従来、菊は業務用として多く利用されて 業 工芸品 工 業 郷土玩具 工 現在、菊を栽培する場合、電照を行うの いたが、最近は、一般家庭用にスプレー菊 が一般的となっているが、この栽培方法が の側芽をすべて取り除いたディスバッド仕 最初に試みられたのは、昭和 14 年の渥美 立てやピンポン仕立てなど、新しい花形、 郡牟呂吉田村(現・豊橋市北島町)におい 花色の切り花が生産されている。 てである。 晩秋種に対してアセチレンガス(当時 菊は日長( 1 日のうちの明るい時間のこ と。日の出から日没までの時間に約 1 時間 業 その他 工 は、電力の供給が充分でなく、カーバイト を足した時間)が短くなると花芽ができ、 から発生するアセチレンガスを照明に利用 蕾が膨らみ開花する性質がある。 した)で照明し、開花を抑制、年末の出荷 農 業 野 菜 に成功した。 電照に電灯が利用されるのは、それから 従って花芽ができる前に電照し、人工的 に日長を長くすることによって、自然の開 花時期より遅く花を咲かせることができ、 逆に暗幕などで光を遮り、日長を短くする 農 田原市)の小久保英男と藤井縫次によって実 ことにより開花時期を早めることができ 業 用化され、 これ以降 、 電照栽培が本格化した。 る。 果 樹 8年後の昭和22 年。渥美郡伊良湖岬村(現・ 菊 花 卉 農 業 業 畜 産 農 水産業 工 業 機械・金属 窯業・土石 愛知県では、農業試験場や農業改良普及 工 業 菊 11∼4月、遮光によって5∼6月に出荷。 代表的な品種には「神馬」 「精興の誠」 改善され、現在では夏秋ギクと秋ギクの電照 などがある。 木工品 工 業 所などが中心となって、 開花調節技術が改良・ 栽培による周年生産体制が確立されている。 生 産 状 況 ● 夏秋ギク: ∼ 10 月に出荷。 本。国内シェアのおよそ 3 割を占め、全国 主な品種には「岩の白扇」 「精の波」 「優 一を誇る。 されている。 国内屈指の産地を形成している。 工 業 た黄色の「夏黄 1 号」 「夏黄 2 号」も注目 田原市が県内生産量の 80%以上を占め、 食 品 花」がある。このほか、愛知県が育成し 工 業 愛知県の菊の出荷数量は、約 4 億 6,520 万 繊 維 自然開花期は 7 ∼ 9 月。電照によって 6 形態別では、一輪菊 81%、スプレー菊 工 業 ● 秋ギク: 工芸品 17%、小菊 2%となっている。 自然開花期は10∼11月。電照によって 〔全国 16 億 6,200 万本〕 4.7 郷土玩具 5.0 愛知県の菊の出荷量推移 工 業 菊の県別出荷量(平成 22 年産) (億本) (億本) 6.0 4.0 5.5 5.5 5.4 5.4 5.4 3.0 5.2 4.9 2.0 4.7 1.2 1.1 1.0 4.5 0.5 0.4 ∼ ∼ 0 福岡 長崎 静岡 奈良 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成 / 年産) 野 菜 0 農 業 0.7 沖縄 鹿児島 愛知 出所:農林水産統計 業 5.2 その他 5.1 5.2 5.0 工 3.1 農 業 果 樹 農 業 菊 花 卉 農 業 畜 産 水産業 取材協力・写真提供:愛知県花き温室園芸組合連合会 機械・金属 工 業 バ ラ 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 田原市 窯業・土石 工 業 ば ら 沿 産業の起源 明治時代 年間出荷量 約 5,170 万本 革 業 木工品 工 日本には古くから野バラが自生し、 『万 葉集』には「宇万良」の名で詠まれ、『枕草 子』や『源氏物語』にも「さうび」の名で登 業 あり、江戸時代には何種類ものバラ(ヨー 繊 維 工 場する。 『大和本草』にもこの花の記述が ロッパから持ち込まれたものを含む)がす 西尾、豊橋、田原などへも広がり、愛知県 業 園用としてであった。 は全国一のバラ産地を形成するようになっ 食 品 工 でに栽培されていたようだが、もっぱら庭 切り花用のバラの温室栽培のさきがけと た。 業 工芸品 工 なったのは、大阪の猿棒忠恕である。大正 6 年に本格的なアメリカ式の温室で生産を 商 品 知 識 バラは栽培品種が極めて多く、その美し はじめた。 業 郷土玩具 工 さ、豪華さなどから「花の王者」ともいわ ていたようだが、この頃の技術的先駆者と れている。野生種は北半球の各地に 100 種 なったのは、実際にアメリカで栽培経験を 以上あり、日本にもノイバラ、ハマナスな 積んだ東京の長田傳であったとされている。 どがある。 今日一般に栽培されている品種は、これ 栽培(露地栽培)されていたが、温室栽培が らの原種を交配して得られた高度な雑種 行われるようになったのは、戦後間もなく で、現在までに発表された数は 1 万を超え 業 のことで、知多の青山啓三が新舞子の名鉄 るといわれている。 野 菜 愛知県でも、すでに明治時代からバラは 農 業 その他 工 営利栽培は大正10年頃には盛んに行われ 温室で80坪ほど栽培したのが最初である。 日本でバラといえば先の尖った花びらが 八重に巻き上がって咲く、いわゆる剣弁高 業 ルハウスでの栽培を始めると、このあと、 芯咲きの人気が高く、従来品種の大部分は 果 樹 農 昭和 26 年に半田市の伊藤賢一がビニー バ ラ 花 卉 農 業 バラの県別出荷量(平成 22 年産) 愛知県のバラ出荷量推移 (万本) (万本) 5,170 〔全国 3 億 1,600 万本〕 5,000 6,000 5,880 5,750 5,740 5,890 5,720 4,000 5,500 業 畜 産 農 5,230 2,000 1,970 5,000 1,720 1,590 1,360 1,310 1,000 水産業 5,410 2,940 3,000 5,170 5,160 4,760 4,500 ∼ ∼ 0 0 静岡 福岡 愛知 出所:農林水産統計 山形 神奈川 愛媛 群馬 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成 / 年産) 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 バ ラ この花型に属していた。 しかし、この頃は切り花用のオールド 工 業 木工品 ローズ、 イングリッシュローズが育成され、 丸弁のカップ咲き、ロゼット咲きなど、剣 弁高芯とはほど遠い花型の品種も人気を博 工 業 繊 維 している。さらに、満開時の直径が 20 セ ンチ近くもある巨大輪が登場するなど、大 きな花が好まれるようにもなっている。 工 業 食 品 花色は漆黒と青以外なら、あらゆる色が あるといわれるほど多様である。 年間出荷量はおよそ 5,170 万本、国内シェ 「ファンファールフ」、ピンクの「ラブリー リディア」、黄色の「フレアー」などである。 工 業 なお、愛知県のバラ栽培では、栽培面積 を占め、西尾市を中心とする西三河地域が が大変に良く、愛知県産バラの品質向上に 約 15%を占めている。 大きく貢献している。 業 されている。この栽培法は、バラとの相性 工 中心とする東三河地域が県全体の約 70% の 8 割以上に「ロックウール栽培」が導入 その他 地域別では、田原市、豊川市、豊橋市を 郷土玩具 アの約 16%を占めている。 「ティネケ」など、スプレー系では、赤の 工芸品 愛知県は全国 1 位の切りバラ生産県で、 工 業 生 産 状 況 主な栽培品種は、スタンダード系では、 ス」 、黄の「ゴールドストライク」 、白の ロックウール培地による溶液栽培 農 業 ロックウール栽培 野 菜 赤の「ローテローゼ」、ピンクの「ノブレ ロックウール 農 業 グをコークスや石灰 果 樹 玄武岩や鉄鉱石から鉄を取り除いたスラ 石と混合して、高熱 花 卉 繊維化した人造物繊 バ ラ ダーにかけアメ状に 農 業 で溶解、回転シリン 維 合成専用枝に用い、 する方式 水産業 茎長の長い花を採花 農 業 枝を折り曲げて光 畜 産 アーチング方式 取材協力・写真提供:愛知県花き温室園芸組合連合会 機械・金属 工 業 カーネーション 窯業・土石 工 業 かーねーしょん 沿 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 西尾市 産業の起源 大正末期 年間出荷量 5,750 万本 革 業 木工品 工 愛知県にカーネーションが導入されたの は大正末期。西春日井郡(現・名古屋市西 区)の永田利平、知多郡の野畑孫六がそれ 工 業 繊 維 ぞれの温室で栽培したのが最初である。 現在、全国屈指のカーネーション産地 として知られる西尾市一色町で栽培がはじ 業 史は浅い。鈴木信吾が苗を導入し、栽培を 食 品 工 まったのは昭和 35 年のことで、比較的歴 はじめた。 業 工芸品 工 一色町を中心とした地域(西尾市・碧南 市)は昭和 40 年代以降、カーネーション需 要の増加を背景に、生産を飛躍的に伸ばし、 業 郷土玩具 工 昭和 50 年には県内生産量の 50% 以上を占 商 品 知 識 カーネーションは、別名オランダナデシ コと呼ばれるナデシコ科の植物。 ナデシコ類のうち、オランダセキチクに セキチクなどを交配して作り出された系統 める産地に発展した。 発展の要因としては、土地に恵まれ栽培 をカーネーションと呼んでいる。 業 その他 工 規模を拡大しやすかったことがあげられる カーネーションは品種の交配が比較的容 が、省力技術への関心が高く、設備導入に 易なため、以前からさまざまな掛け合わせ 積極的だったことも見逃せない。 で改良が行われ、日本国内では約 500 品種 業 フラワーネットが一色地区で開発され、40 現在の主力品種は、ヨーロッパで育成さ 年代には温風暖房装置、50 年代には二層 れ、改良された地中海系と呼ばれる品種群 農 カーテンや天窓自動開閉装置、電磁弁灌水 で、従来の品種に比べ、花が大きい、花色 業 装置などがいち早く導入されている。 が豊富、茎が丈夫、病気に強いなどの特徴 野 菜 農 昭和 42 年、当時としては画期的だった 果 樹 カーネーション 花 卉 農 業 がある。消費者、生産者のいず カーネーションの系図 ダリアンサス・カリオフィルス シム系 カーネーション始祖 ウィリアム・シム セキチク(カワラナデシコ) 業 畜 産 農 水産業 が扱われるようになっている。 地中海系 SP 系 れにも人気がある。 カーネーションは、切り花 の形態から 1 本の茎に 1 個の花 を咲かせるスタンダード・カー SP 系 中 輪 ネーションと、1 本の茎に 4 ∼ 小 輪(ムルチフロラ系) 7 個の小さめの花を咲かせるス エンゼル系、マイクロ系、ディアンティニ系 プレー・カーネーションに大別 される。 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 カーネーション 昭和 50 年代初頭までは、カーネーショ ンといえばスタンダード・カーネーション 工 業 木工品 であったが、50 年代半ば以降、スプレー・ カーネーションが徐々に増え、今日ではほ ぼ同じ量が生産されている。 工 業 繊 維 従来、赤、白、ピンクしかなかった花色 も、地中海系カーネーション導入とともに、 緑、オレンジ、紫のほか、それぞれの中間 工 業 食 品 色が加わり、今では選ぶのに苦労するほど バラエティに富んでいる。 最近の傾向として、見ごたえのある大輪 工 業 工芸品 花の人気が高く、スタンダード系品種の生 産が徐々に増えているようである。 は約 5,750 万本。全国シェアの 16.7%を占め、 7,000 〔全国 3 億 4,340 万本〕 6,230 5,750 業 6,000 工 多く、次いで、田原市、武豊町と続いている。 (万本) 愛知県下の市町村別では、西尾市が最も カーネーションの県別出荷量 (平成 22 年産) その他 長野県に次いで全国第 2 位の地位にある。 郷土玩具 愛知県におけるカーネーションの出荷量 工 業 生 産 状 況 5,000 4,050 農 業 4,000 3,650 野 菜 2,930 3,000 2,110 2,000 1,250 1,000 北海道 千葉 長崎 静岡 農 業 愛知 兵庫 長野 出所:農林水産統計 果 樹 0 愛知県のカーネーションの出荷量推移 農 業 花 卉 8,000 カーネーション (万本) 7,570 7,630 7,210 7,270 7,000 畜 産 6,560 農 業 6,830 6,430 6,480 6,000 5,750 5,920 水産業 ∼ ∼ 0 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成/年産) 取材協力・写真提供:愛知県花き温室園芸組合連合会 フラワーガーデンリーブス 機械・金属 工 業 シクラメン 窯業・土石 工 業 しくらめん 沿 革 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 豊川市・田原市・設楽町 産業の起源 昭和 30 年代 年間出荷量 約 242 万鉢 商 品 知 識 業 木工品 工 シクラメンの原種「ペルシカム」がイギ 鉢物の王者シクラメン。シクラメンはサ リスに渡ったのは 1731 年。東インド会社を クラソウ科の多年生球根植物で、原産地は 通してキプロス島からであったが、シクラ 地中海の東部あたりである。 和名を「カガリビバナ」という。原種の 業 らである。1870 年頃には、すでにイギリス 花びらの先端がよじれて上を向き篝火のよ やドイツで、今日みられる大輪系の品種が うに見えることから付けられた。 繊 維 工 メンの育種が盛んになるのは 1860 年頃か かがりび また、かつて西洋でブタがこの球根を好 業 ただ、ラッフルド咲き、絞り咲き、八重 んで食べたため、美しく清楚な花にはおよ 咲きなどの特殊咲きと呼ばれる品種は、い そ相応しくない「ブタノマンジュウ」とい ずれも 20 世紀に入ってから育成されたも う名も用いられた。 食 品 工 いくつか育成されていたといわれている。 業 工芸品 工 のである。 シクラメンの花は長さ 15 ∼ 20 センチの 業 郷土玩具 工 日本にシクラメンが導入されたのは明治 花柄(花軸から分かれ出て、その先端に花 時代になってからのことだが、愛知県で本 をつける小さな枝)の上に着生し、開花す 格的に栽培されるようになったのは昭和 ると花筒部は下向きに、5 弁の裂片は上向 30 年以降で、比較的最近である。 きになって特異な花形をあらわす。 業 その他 工 一般には秋から冬にかけて開花し、花色 ン栽培が普及したが、50 年代に入ると鉢 は、赤、白、ピンク、黄、淡紫、覆輪、絞 花生産品目の多様化や収益性の問題などか りなどがある。もっとも多く栽培されてい ら、一時的に生産は縮小する。 るのは赤系とピンク系である。 品種は花色、花形、花の大きさなどから とする東三河で、トマトやメロンからシク 多岐にわたるが、大別すると、ペルシカム ラメンへの転換が行われたため、再び生産 (普通)系、パステル系、F1、ミニシクラ 業 量が増加、こんにち東三河は全国有数のシ 果 樹 しかし、そのあと豊川市や豊橋市を中心 農 業 野 菜 農 昭和 40 年代には各地で急速にシクラメ クラメンの産地を形成するに至っている。 シクラメン 花 卉 農 業 業 畜 産 農 水産業 メンの 4 つの系統にわけられる。 シクラメンは冬の室内を華やかに飾る代 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 シクラメン 工 業 木工品 工 業 繊 維 【シクラメンの系統別品種】 F1 エスメラルダ、オフェリア、 オベロン、シルビア、 ディープレッド、スカーレットなど 生 産 状 況 愛知県のシクラメンは、豊川市、田原 市、設楽町を中心に生産されており、平成 ミニシクラメン 22 年産の年間出荷量は 242 万鉢となってい ディープローズ、スカーレット、 ワインレッド、ローズなど 〔全国 2,040 万鉢〕 280 300 シクラメン系の生産も増えている。 業 (万鉢) 近年、ガーデニングブームを背景にミニ その他 シクラメンの県別出荷量(平成 22 年産) 工 る。 工 業 シューベルト、シュトラウス、 ベートーベン、ブラームス、リスト、 ボロディンなど 郷土玩具 パステル系 工 業 バーバーク、シルバーエッジ、 ピュアホワイト、ビクトリア、 ハーレクィーンなど ペルシカム系 (普通系) 工芸品 屋の店頭に並ぶ。 工 業 さまざまにアレンジされたシクラメンが花 食 品 表的な花。 とくにクリスマスシーズンには、 242 農 業 野 菜 200 116 105 105 100 101 92 農 業 果 樹 0 長野 愛知 栃木 出所:農林水産統計 北海道 千葉 茨城 福岡 農 業 花 卉 309 313 300 シクラメン 愛知県のシクラメンの出荷量の推移 (万鉢) 301 288 282 畜 産 258 250 農 業 275 254 256 242 ∼ ∼ 0 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成 / 年産) 水産業 シクラメン・ペルシカム 取材協力:JA ひまわり 営農部 長春園 小島久己氏(豊川市) 機械・金属 工 業 洋 ラ ン 窯業・土石 工 業 ようらん 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 東海市・南知多町・西尾市・豊橋市 産業の起源 大正時代 年間出荷量 約 382 万鉢 みられるため、新品種の導入や仕立て方の 沿 革 業 木工品 工 日本における洋ラン(熱帯・亜熱帯地帯 工夫など、新しい需要を開拓する努力が各 地で試みられている。 を原産とするラン)の栽培は、明治 16 ∼ 17 年頃、施設栽培の創始者である福羽逸 工 業 繊 維 人が始めたとされている。 商 品 知 識 ラン科植物は単子葉植物の一種で、熱帯 業 食 品 工 愛知県においては、大正初期にはじまっ か ら 亜 熱 帯 を 中 心 に 700 ∼ 800 属、20,000 たといわれているが、当時は一部の愛好家 ∼ 25,000 種が分布する地球上最大の植物群 や生産者に限られていたようである。 である。 業 工芸品 工 洋ラン栽培が急速に広まったのは、繁殖 「属」は花や茎葉の特徴からグループ分 方法としてメリクロン(成長点培養)が実 けした単位で、よく耳にするシンビジウム 用化され、短期間に大量の苗を生産できる やカトレヤはそれぞれの属の名前である。 ようになった昭和 40 年代以降のことであ また、交配等の仕組みから進化上植物界 る。 の頂点にある植物と考えられている。種間 業 郷土玩具 工 メリクロンは植物の茎の先端にある分裂 だけでなく属間の交配も容易なものが多 組織( meristem )を利用し、クローンを作 く、人工的に新しい種が数多く作られてい り出す方法で、昭和 35 年にフランス人モ る。 交配によって作られた品種の数は、サ ンダースリスト(英国王立園芸協会が発行 同時進行するように国民生活が豊かにな するランの品種登録リスト)に登録された り、 贈答品として洋ランの人気が高まった。 だけで 10 万種以上あり、年々交配が進み、 業 こうした背景の下、愛知県でも洋ラン栽培 新しい品種が生みだされている。 野 菜 わが国では、このメリクロン苗の普及と 農 業 その他 工 レルによって完成された。 が盛んになり、生産量が急速に増えていっ 農 業 果 樹 た。 洋ラン 花 卉 農 業 業 畜 産 農 水産業 最近は世相を反映し贈答用需要に陰りが ラン類は俗に「洋ラン」と「東洋ラン」に 分類される。 この分類は原産地とは関係なく、 欧米で改良されたものを洋ランと呼び、東 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 洋 ラ ン 工 業 木工品 工 業 繊 維 工 業 食 品 洋ラン出荷量の地域別割合 洋に産する希少価値や観賞価値の高いラン 工 業 で原種あるいは原種の突然変異をそのまま 工芸品 その他 20.0% 維持してきたものを東洋ランと呼んでいる。 知多地域 東三河地域 前者ではシンビジウム、 デンドロビウム、 37.9% 11.0% 工 業 郷土玩具 コチョウランなど、 後者ではカンラン、 セッ 西三河地域 31.1% コク、フウランなどがよく知られている。 (注)平成18年産の出荷量をもとに算出 〔全国 1,750 万鉢〕 382 業 400 (万鉢) その他 平成 22 年産の全国の洋ラン(鉢物)出荷 洋ランの県別出荷量(平成 22 年産) 工 生 産 状 況 量は約 1,750 万鉢。このうち、愛知県の出 農 業 ている。 300 200 185 野 菜 荷量は 382 万鉢で全国シェアの 21% を占め 178 栽培品目は、以前はシンビジウム、デン 102 90 82 61 0 愛知 福岡 熊本 出所:農林水産統計 く、次いでシンビジウム、デンドロビウム 宮崎 愛知県の洋ランの出荷量の推移 洋ラン (万鉢) 809 800 797 に限られていたが、夏の間、温室を冷房す 629 757 519 566 周年にわたって出荷されている。このこと 200 によって平成 10 年以降、生産鉢数が急増 0 451 445 382 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成 / 年産) 取材協力:愛知県花き温室園芸組合連合会 マルタカ園芸(豊橋市) 有限会社ハナモリ(豊橋市) 水産業 期的に購入することが可能となり、今では 400 畜 産 る技術が開発され、加えて外国産の苗を定 農 業 676 600 した。 埼玉 花 卉 ファレノプシスの出荷は、元来 12 ∼ 4 月 山梨 農 業 の順となっている。 静岡 果 樹 ドロビウムが多数を占めていたが、最近は ファレノプシス(コチョウラン)が最も多 農 業 100 機械・金属 工 業 窯業・土石 工 業 観葉植物 業界のデータ(愛知県内) かんようしょくぶつ 産業の起源 明治 43 年 主要な産地 田原市・西尾市・岡崎市 年間出荷量 約 2,160 万鉢 加え、家庭用の需要も大きく伸び、商品構 沿 革 成も大型の鉢物に代わり、小型の鉢物、ミ 明治 43 年。名古屋市商品陳列館内に温室 現在では、それらに加え、商品の一部で が建設された時といわれている。ここに外 ある鉢や仕立て方に工夫を凝らし、インテ 国産の多くの植物が入れられ、この中にク リアとしても通用する観葉植物が多数生産 業 ロトン、 ドラセナ、 ベゴニア・レックス、 フェ されている。 業 木工品 ニ観葉、花つき観葉へと大きく変化した。 工 工 愛知県で観葉植物の栽培が始まったのは 繊 維 ニックスなどの観葉植物が含まれていた。 業 しむ愛好家が現れたようだが、本格的な営 食 品 工 このあと、観葉植物のコレクションを楽 利栽培に発展することはなかった。 業 工芸品 工 営利栽培の芽が育ちはじめたのは昭和 20 年代のことで、30 年頃からは各地で先 観葉植物とは、葉を見て楽しむ植物のう ち、熱帯・亜熱帯地域原産のものをいう。 したがって、そのほとんどは屋外で越冬し ない。 業 郷土玩具 工 業 その他 工 駆者らによる本格的な生産がはじまり、と 観葉植物の魅力は、エキゾチックな美し くに豊橋や知多では盛んに観葉植物を扱う い葉の数々が観賞できる点にあり、今日で ようになっている。30 年代の半ば、すで は何百という種類の中から、あらゆる大き に愛知県は全国一の観葉植物の産地として さ、形、色、手触りのものが選べるように その名を馳せた。 なっている。 40 年代の初めには、アナナス類を筆頭 に観葉植物ブームが巻き起こったが、当時 業 して扱われた。 野 菜 農 は業務用がほとんどで、主にレンタル品と 昭和から平成に替わる頃から、業務用に 業 果 樹 農 観葉植物 花 卉 農 業 業 畜 産 農 水産業 商 品 知 識 代表的な観葉植物は次のとおり。 アンスリューム: 熱帯アメリカ原産のサトイ モ科に属する多年草。花つき観葉の代表格。 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 観葉植物 ベンジャミン:東南アジア原産のクワ科ゴム属 の常緑小高木。ゴムの仲間であるが葉は小さい。 工 業 愛知県の平成 22 年の観葉植物の出荷量 木工品 ポトス:南太平洋原産のサトイモ科に属する常 緑の蔓性多年草。耐陰性が強く、育てやすい。 生 産 状 況 は約 2,160 万鉢。全国シェアは約 47%で、 他県の追随を許さない断トツの出荷量を 工 業 主な産地は田原市、西尾市、岡崎市など 繊 維 誇っている。 である。 工 業 食 品 工 業 工芸品 アレカヤシ:アフリカ原産のヤシ科に属する常 緑植物。耐陰性は強いが耐寒性は比較的弱い。 パキラ:中南米原産の常緑樹。茎頂部に美しい 工 業 郷土玩具 葉が茂る。耐陰性は強い。 野 菜 農 業 1,500 1,000 491 500 性とも強い。 395 227 174 174 173 福岡 鹿児島 千葉 0 愛知 三重 静岡 出所:農林水産統計 オリヅルラン:南アフリカ原産のユリ科植物。 観葉植物 花 卉 愛知県の観葉植物の出荷量の推移 (万鉢) 2,500 2,420 2,380 農 業 適度な光を好む。比較的寒さにも強い。 岐阜 果 樹 のウコギ科に属する常緑蔓性植物。耐寒性、耐陰 農 業 ヘデラ(アイビー) :ヨーロッパ・アジア原産 業 〔全国 4,510 万鉢〕 2,000 工 (万鉢) 2,160 その他 観葉植物の県別出荷量(平成 22 年産) 2,400 2,380 2,180 2,160 2,160 畜 産 2,160 農 業 2,250 2,180 2,000 1,980 1,750 13 14 15 16 出所:農林水産統計 17 18 19 20 21 22 (平成 / 年産) 水産業 ∼ ∼ 0 取材協力:愛知県温室園芸組合連合会 写真提供:有限会社三浦園芸(岡崎市)☎ 0564-82-2651 機械・金属 工 業 サボテン 窯業・土石 工 業 さぼてん 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 春日井市 産業の起源 明治 30 年代 年間出荷量 約 345 万鉢 をとっても風変わり。サボテンはポルトガ 沿 革 業 木工品 工 サボテンはメキシコを中心とした南北両 アメリカ大陸の熱帯および亜熱帯に原生す る多肉植物である。 ル語の シャボン(石鹸) が変化した名と いわれ、油や垢を取るために茎を切って 使ったことに由来している。 サボテンには砂漠のイメージがついてい るが、森林地帯や雪が降るような高地にも 業 かは明確でないが、長崎へ出入りしていた 生息しており、その種類は 234 属 3,000 種を オランダ船がもたらしたものといわれ、 『大 超える。市販されているものだけでも、高 工 和本草』 ( 1708 )に記載があることから、 さ 2 センチ余りの小さなものから、15 メー 業 少なくとも 300 年ほど前には存在していた トルにも及ぶ巨大なものまであり、色や形 ようである。 は多種多様である。春日井市で栽培されて 繊 維 工 日本へはどのようなルートで入ってきた 食 品 業 工芸品 工 愛知県では大正初期頃からサボテン栽培 いるものだけでも 200 種類以上もある。 がはじまり、昭和初期には愛好家たちの手 グロテスクな姿とは対照的に美しい花を により本格的に栽培されるようになった。 咲かせるおもしろさや、室内栽培が簡単で 業 郷土玩具 工 春日井市の桃山地区では大部分の農家が、 あることもサボテンの魅力である。 最近では、 業 その他 工 果樹栽培を行いながらサボテン栽培を行っ 室内園芸の楽しみとして、あるいはインテ てきたが、昭和34年の伊勢湾台風により果 リアのひとつとして陶器製の鉢などに入っ 樹園が大打撃を受け、それ以後、栽培の主 たミニサボテンも広く愛好されている。 体をサボテンに移し、今では全国有数のサ ボテンの産地を形成するに至っている。 野 菜 農 業 産 地 の 特 徴 春日井のサボテン生産は、苗を育てる 業 産)の分業形態がとられている。産地の主 果 樹 農 実生づくり(第 1 次生産)と育苗(第 2 次生 体は、全国のサボテン栽培業者の真似ので サボテン 花 卉 農 業 きない実生づくりである。 春日井市は実生サボテンの生産で全国の 約 8 割を占める。 業 畜 産 農 商 品 知 識 強い太陽や乾いた大気に適応するように 水産業 体積はなるべく大きく、逆に表面積はなる べく小さく、刺や毛で覆われた姿は、どれ 第 1 次生産(実生づくり) 種子の約半分はメキシコ、南米等からの輸入。あ とは桃山地区で交配した種子を使用。播種の時期 は、湿度の高い 5 月下旬∼ 6 月頃の梅雨期が最適 で、播種後 2 週間∼ 1 ヵ月で発芽し、稚苗は移植 を行いながら約 6 ヵ月間育苗し、直径 1cm ぐらい になった幼苗を第 2 次生産者に委託する。 第 2 次生産(育苗) 第 2 次生産者は、実生づくり農家 1 戸に対し、 4 ∼ 5 戸あり、第 1 次生産者から委託を受けた幼 苗を 1 年∼ 1 年半かけて移植を行いながら育苗し、 小苗∼中苗(直径 3 ∼ 5cm )までに育て上げる。 工 業 機械・金属 者 数 0000 出 荷 額 0000 窯業・土石 工 業 業 工 業 木工品 工 業 繊 維 生 産 状 況 作付面積は 202 アール、出荷量は年間 345 郷土玩具 工 業 サボテンは、木の葉サボテン、ウチワサボテン、 工 業 (愛知県農林水産部園芸農産課調べ) 工芸品 万鉢、産出額は 1 億 3,224 万円である。 食 品 多肉植物とは水分をたくさん含むように体のど こかが変化した植物で、押し花にできないほど葉 や茎が肉厚になっているものの総称で、サボテン は多肉植物の一種。多くの多肉植物は、葉が多肉 化したのに対し、サボテンは茎が多肉化し、葉は 刺になっている。刺は、 枝が変化したとみられる「刺 座」と呼ばれるところから、数本単位で出ている。 サボテンを見分けるには、この刺座があるかどう かで判断できる。 愛知県の平成 21 年におけるサボテンの 工 業 サボテンと多肉植物 柱サボテンの 3 つのグループに大別できるが、 とげ テンの順に進化してきたと考えられている。 天敵から身を守ると同時に、 日光が直接あたらないよう にレースのカーテンのよう な役割を果たす。 刺 葉の形状を残していて、一見すると普通の樹 木のように見える。 業 その他 ● 木の葉サボテン 工 木の葉サボテン → ウチワサボテン → 柱サボ 農 業 野 菜 ● ウチワサボテン しゃもじのような姿のものや球状のものがある。 ● 柱サボテン 果 樹 農 業 柱型や球状など、身近にみるサボテンのほと んどがこのグループに入る。 農 業 サボテン 花 卉 し ざ 刺座 稜 乾いている時には溝が深くな り、水分を吸うと膨らむ。 農 業 りょう 畜 産 刺の根本にある座布団のよう なもの。サボテンには刺座が ある。 ノパル(ウチワサボテン) 水産業 このサボテンは生で食べることができる 取材協力:有限会社後藤サボテン(春日井市) ☎ 0568-81-7467 愛知県農林水産部園芸農産課 機械・金属 工 業 植 木 窯業・土石 工 業 うえき 沿 革 業界のデータ(愛知県内) 主要な産地 稲沢市・西尾市 産業の起源 鎌倉後期 商 品 知 識 業 木工品 工 愛知県の植木生産は、680 年ほど前の鎌 倉時代後期、現在の稲沢市矢合町にあった 年間生産本数 2,367 万本 植木として使われる樹木は多種多様だ が、以下のように大別される。 針 葉 樹 国分寺住職柏庵禅師が、中国から柑橘類の 針のように先がとがった細い葉を持つ 業 伝授したのがはじまりとされている。 樹木。マツ、スギ、ヒノキなど。 繊 維 工 接木技術と種子を持ち帰り、近隣の農家に 常 緑 広 葉 樹 明治時代、稲沢や祖父江を中心に、桑苗 一年中落葉しないで、緑色を帯びた葉 業 生産が盛んに行われるようになるが、この をつけている樹木。クスノキ、ツバキ、 苗木類と密接に関連する植木もこの頃から シイなど。 食 品 工 木、山林苗木、果樹苗木といった苗木類の 業 工芸品 工 落 葉 樹 目立って増加するようになり、稲沢を中心 とする地域は産地を形成、需要が増加した 一年以内で成葉が枯死し、一定の休眠 大正時代にはその規模を急速に拡大した。 期間後に再び新葉をだす樹木。カエデ、 業 郷土玩具 工 クリ、ブナなど。 生産拡大は昭和 15 年ころまで続き、こ 低 木 性 樹 木 の間、全国規模での植木取引がはじまり、 クチナシ、カンツバキ、サツキなど。 仲買業を行う生産者も現れた。稲沢が植木 業 その他 工 竹類・特殊樹木 の 4 大生産地のひとつに数えられるように シュロ類、ヤシ類、ソテツ類など。 なるのもこの頃である。 太平洋戦争で被害を蒙った稲沢の植木産 ◆ 植栽時期 針 葉 樹 2 ∼ 4 月上旬・10 ∼ 11 月 業 大型事業(東京五輪、大阪万博)や公共事 常緑広葉樹 3 ∼ 4月上旬・6 ∼ 7月の梅雨期 業(道路、公園、住宅団地などへの植栽工事) 落 葉 樹 2 ∼ 4 月上旬 ・10 ∼ 11 月 農 などを背景に再び生産が活発になり、稲沢 亜 熱 帯 樹 気温の上がった5∼7月の梅雨期 業 は「植木王国」の名を不動のものにした。 竹 類 タケノコが出る直前 野 菜 農 業も、高度経済成長期を通じて実施された 果 樹 植 木 花 卉 農 業 業 畜 産 農 水産業 工 業 機械・金属 窯業・土石 工 業 植 木 工 業 木工品 工 業 繊 維 1. 根 回 し: 移植の 1 年から半年前に行 たりして細根の発生を促す。 な土壌が広がり、気候に適度な寒暖がある 植木の地上部分の成長を抑制するが、肥沃 1.5 倍∼ 2 倍必要。 な土壌のもとで根の部分は丈夫に成長して いくため、稲沢地域で産出された植木はど る庭園用から、イチョウやハナミズキに代 表される公共緑化用(街路樹用)まで数多 さらに水を入れる。 くのものがある。稲沢ならば何でも揃うと ・植付け後は必ず棒で突き固めるか、灌水 を開催し、植木・盆栽・観葉植物などの展 示即売会を行っている。 エナメル・クレオソートなどを塗布して 技術の向上を図り、 生産振興に寄与するため、 枯れこみ腐枝を防ぐ。 愛知県植木センターを昭和61年に設立、今日ま 農 業 愛知県では稲沢市の植木生産者らの知識と 畜 産 ・太い枝を切った時は、切り口にペンキ・ 国府宮神社境内で「いなざわ植木まつり」 農 業 定して根の負担を軽くする。 稲沢市では毎年 4月中旬以降 29日まで、 花 卉 ・植付け前、または植付け後に、整枝・剪 く、ベニサザンカは人気があるという。 植 木 を十分にし、 空気が入らないようにする。 のも少なくない。とくにサザンカの数は多 農 業 水不良地等)では良質の土壌を客土する。 いわれるほど樹種は多いが、少量生産のも 果 樹 ・土壌条件の悪い場所(埋立地、粘土質、排 農 業 かけ、土を落ち着かせて、 移植・植付けの注意点 業 栽培されている樹種は、マツに代表され 工 ようにする。 こに植えても根付く良質なものとなる。 その他 土を突き入れ、隙間のない 水:土を7分目まで入れたら水を 工 業 高に盛る。大きさは根鉢の 郷土玩具 冬に吹く冷たくて強い「伊吹おろし」は、 野 菜 ◆ ため、植木を育てるのに適している。 らにして、柔らかい土を中 3 . 植 え る :細い棒で根鉢とふちの間に 工 業 稲沢地域は木曽川の沖積層からなる肥沃 工芸品 う。前もって根の一部を切っ 2. 横穴を掘る:側壁は上広がりに、底は平 4. 灌 産 地 の 特 徴 工 業 植栽手順 食 品 ◆ 水産業 で植木生産や造園施工の基礎と実務的な研修 を行うなど、人材養成にも力を入れている。 機械・金属 工 業 植 木 窯業・土石 工 業 うえき また近年、社会学習の一環として地元の 小学生に樹木を見学させたり、植木や苗木 業 木工品 工 に触れさせて樹木の生長の変化を気づかせ たりする、現場体験学習を積極的に取り入 れている。 業 繊 維 工 生 産 状 況 平成22 年度の愛知県の植木(緑化木)の 業 は、稲沢市が1,714 万本と県全体の 72%を占 食 品 工 生産本数は、およそ2,367 万本。市町村別で め、次いで西尾市の 420 万本、豊橋市の129 業 工芸品 工 万本と続いている。 ここ10年の生産本数の推移をみると、ゆ るやかな減少傾向が続いているが、新興の 業 郷土玩具 工 生産地の台頭や生産コストの高騰などがこ の背景にあるとみられる。 市町村別の緑化木の生産本数の割合 しかし、愛知県の緑化木生産本数の全国 業 その他 工 シェアは、平成17 年度以降トップの座を キープしており、愛知県内の植木産地の優 位性は変わっていない。 業 葉樹、落葉樹の順に多く、樹種別では、サザ 野 菜 農 種目別では、常緑広葉樹、低木性樹木、針 その他 105 4.5% 豊橋市 129 5.4% 西尾市 420 17.7% 平成22年度 (単位:万本) 稲沢市 1,714 72.4% ンカ、カシ類、ツゲ類、マキ類、カイズカイ 業 を占める。 (平成 22 年度調査) 農 業 (万本) 果 樹 農 ブキの順にあり、この 5 種で全体の 44.4% 出典:緑化木生産状況需要動向調査 緑化木の県別生産本数(平成 21 年度) 植 木 花 卉 2,500 愛知県の緑化木の生産本数の推移 (万本) 2,425 3,000 2,899 2,853 2,929 〔全国 1 億 42 万本〕 2,894 2,652 2,000 2,711 1,614 業 1,000 畜 産 農 1,500 2,489 2,500 2,432 2,453 1,155 2,367 740 727 2,000 562 500 339 水産業 0 ∼ ∼ 0 愛知 兵庫 福岡 東京 埼玉 三重 出典:農林水産省「緑化樹木の生産状況調査報告書」 千葉 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 出典:愛知県「緑化木生産状況需要動向調査」 (平成/年度) 取材協力 : 稲沢市経済環境部農務課 愛知県植木センター
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