2005年次報告 - Asian Development Bank

ア
ジ
ア
開
発
銀
行
2
0
0
5
年
次
報
告
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
[email protected]
www.adb.org
Treasury Department
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
(注)上記の E-mail は、英語のみ送受信できます。
アジア開発銀行 駐日代表事務所
〒100-0011
東京都千代田区内幸町 1-1-7
大和生命ビル 2 階
TEL: 03-3504-3160
FAX: 03-3504-3165
Email: [email protected]
2005
年次報告
アジア開発銀行
アジア開発銀行について
アジア開発銀行(ADB)の活動は、アジア・太平洋地域の人々、特に 1 日 2 ドル未満で暮らす約 19 億の人々
の福利を改善することを目指しています。多くのサクセス・ストーリーがあるにもかかわらず、世界の貧困人口
の 3 分の 2 の人々が依然このアジア・太平洋地域に暮らしています。ADB は、アジア・太平洋地域の 46ヵ国及
び域外の 18ヵ国、計 64ヵ国が加盟する国際開発金融機関です。ADB の目標(ビジョン)は貧困のない地域です。
その使命は、開発途上加盟国が貧困を削減し国民の生活の質を改善することを支援することです。
ADB が開発途上加盟国を支援する主な手段は、政策対話、貸付、出資、保証、無償援助、及び技術援助です。
ADB は本部をマニラに置き、世界中に 26 の事務所を有し、50ヵ国以上から集まった 2,000 人以上の職員が
働いています。
アジア開発銀行
マニラ
© 2006 Asian Development Bank
本書では、用いられるデータの正確性の確保に全力を
尽くしているが、ADBの出版物においてはデータの情
報源とデータの解釈が異なっている場合があり、デー
タの使用において生じる結果についてADBは一切責任
を負わない。
2006 年 4 月 3 日
アジア開発銀行
総務会議長殿
拝啓
ADB において「国」と言う場合、ADB 加盟国を指し、
主権や独立の有無に関する ADB の見解を示すもので
はない。
アジア開発銀行協定第 39 条およびその付則第 13 項に従い、特別
基金の諸活動に関する報告書を含む、2005 年度年次報告書を総務
本書で「ドル」と言う場合には米ドルを指す。
会に提出いたします。本年次報告にはまた、付則第 15 項に定める
財務諸表も含まれています。
ADB 非公式の翻訳文書
本文書は、広く読者に周知されることを目的とし
て、英語で書かれたオリジナルを日本語に翻訳した
ものである。ADB の公用語は英語であり、本文章
の英語のオリジナルのみが唯一真正な(すなわち、
ADB 公認の)テキストである。
敬具
総裁・理事会議長
黒田東彦
2005
年次報告
アジア開発銀行
1
記録
(単位:百万ドル)
1966–2005
2002
2003
2004
2005
116,040 a
1,940
84,630 b
1,093
56,377
31,411
1,105
22,118
113,648
1,846
82,252
1,000
54,945
31,396
1,100
22,103
2,392
94
2,378 b
93 b
1,432
14
5
14
5,658 a
70
4,008
35
3,067
1,650
53
1,136
5,548
67
3,898
32
3,011
1,650
53
1,136
110
3
110
3
55
–
–
–
6,085
66
4,706
37
2,688
1,379
47
1,128
5,918
62
4,539
33
2,575
1,379
47
1,128
167
4
167
4
113
–
–
–
5,239
63
3,997
32
2,508
1,242
47
1,055
4,947
58
3,705
27
2,399
1,242
47
1,055
293
5
293
5
109
–
–
–
b
36
4
–
–
882
4
382
3
500
1
178
27
179
323
0
0
2,713
33
36
3
–
–
240
3
70
1
170
2
454
12
175
312 b
0
0
2,563
28
164
11
–
–
10
1
10
1
0
0
104
27
195
321
0
0
2,437
32
b
業務活動
貸付 (金額 )
プロジェクト件数 c
通常資本財源( OCR )貸付(金額)
貸付件数
実行額 (金額 )
アジア開発基金( ADF )貸付(金額 )
貸付件数
実行額 (金額 )
A. 政府向け貸付および政府保証付き貸付(金額)
プロジェクト件数 c
OCR 貸付(金額)
貸付件数
実行額 (金額 )
ADF 貸付(金額)
貸付件数
実行額 (金額 )
B. 民間セクター貸付(金額)
プロジェクト件数
OCR 貸付(金額)
貸付件数
実行額 (金額 )
ADF 貸付(金額)
貸付件数
実行額 (金額 )
出資 (金額 )
出資件数
株式引受 (金額 )
約定件数
保証
プロジェクト件数
政治リスク保証 (金額 )
プロジェクト件数
部分信用保証 (金額 )
プロジェクト件数
無償援助 (金額 )
プロジェクト件数
技術援助 (金額 )
プロジェクト件数
マルチトランシェ融資ファシリティ d(金額 )
件数
協調融資 e (金額 )
プロジェクト件数
1,121 b
137 b
40
6
3,166
25
763
9
2,403 b
16 b
2,065
151
2,782 b
5,923 b
1,520
2
49,492
692
b
b
b
b
b
b
b
b
5,797
64
4,421
32
3,498
1,376
40
1,247
5,261
58
3,885
25
3,294
1,376
40
1,247
536
7
536
7
204
–
–
–
217
10
–
–
68
2
50
1
18
1
1,151
51
199
299
1,520
2
7,385
34
財源
通常資本財源
授権資本 (期末 )
応募済資本 (期末 )
借入 (総額 )
負債残高 (期末 )
通常準備金 (期末 )
特別引当金 (期末 )
総収入
手数料・保証手数料を特別引当金に充当した後の純利益
特別基金財源
アジア開発基金財源合計(期末)
技術援助特別基金財源合計(期末)
日本特別基金
定期拠出金および追加拠出金(期末)
アジア通貨危機支援ファシリティ
ADB 研究所特別基金財源合計(期末)
アジア津波基金財源合計
パキスタン地震基金財源合計
50,163
50,163
59,553
24,454
8,957
194
34,010
11,478
47,288
47,234
6,145
26,324
8,470
184
1,979
978
51,997
51,997
4,141
26,359
8,892
186
1,657
436
54,162
54,162
1,629
24,212
8,865
190
1,313
427
50,163
50,163
4,230
24,454
8,957
194
1,432
105
27,605
1,257
22,853
920
26,759
1,006
29,571
1,062
27,605
1,257
904
241
110
565
85
836
241
71
853
241
83
877
241
96
904
241
110
565
85
– 該当データなし
a
b
c
d
e
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
終了した貸付/保証/出資/技術援助を除外するように調整。
複数の貸付を受けるプロジェクトは 1 件として数える。追加貸付はプロジェクトの累積件数には含まれない。
マルチトランシェ融資ファシリティは貸付を行うファシリティである。ファシリティから行われる貸付は、 ADB の承認時に貸付として計上される。
これらは、 ADB のプロジェクトのために ADB の協調融資業務により確保された外部資金である。
アジア開発銀行 年次報告 2005
目次
理事会議長挨拶
2
4
理事会報告
2005 年の業務概要
東・中央アジア
メコン
60
太平洋
72
82
南アジア
94
東南アジア
105
財務報告
付録
連絡先
175
185
46
30
理事会議長
挨拶
ADB:適切性、敏速性と
成果重視
ADBの支援により改装されたインド、ジャイプール
の女性専用病院を訪問する黒田総裁
2005 年、アジアでは驚異的な規模の悲劇が繰り返されま
越える運輸およびエネルギー・インフラ計画の調整から利
した。国際社会はインド洋大津波の被災者救済に奔走する
益がもたらされるようになりました。さらに最近では、こ
なかで新年を迎え、10 月の南アジア大地震で家を失った数
れらの諸国はADBの支援を受けつつ、環境や健康に対する
百万人に避難所を提供するという人道上の大きな課題を
脅威等、国境を越える諸問題への対応に向けて協力を始め
抱えた状態で年を終えました。
ました。
このふたつの災害と、年中続いた鳥インフルエンザの脅
威は、国境の中に収まらない現象に対するアジア太平洋地
域の脆弱性を浮き彫りにしました。
ADB は地域協力・統合に向けたイニシアティブをさら
に強化し、その一貫性と戦略性を確保するため、2005 年に
「地域経済統合室」を新設しました。
また、地域全体が世界経済の中で重要な役割を果たすよ
昨年には、他の開発パートナーとの協力関係も深まりま
うになったとはいえ、貧困層の数の多さと格差の拡大を見
した。これは、 100 以上の国と主要国際機関が「援助効果
れば、力強い経済成長の恩恵がすべての人に行き渡ってい
に係るパリ宣言」を採択した 3 月のハイレベル・フォーラ
ないことは明らかです。所得以外のミレニアム開発目標を
ムで表明された方針に従ったものです。国際社会はまた、
2015 年までに達成できそうにない国も多くあります。貧困
9 月にニューヨークで開催された「国連ミレニアム+ 5 サ
削減が引き続きアジアの重要な課題であることは明らか
ミット」において、貧困削減とミレニアム開発目標に対す
です。
るコミットメントを再確認しました。ADB はこれら 2 つの
アジア開発銀行は、開発途上加盟国におけるこれらの課
会合に貢献し、参加しました。
題、そしてそれ以外の新たな課題に、これまで以上に固い
決意を持って立ち向かっています。私たちは、国家、経済
と社会が互いに依存性を高め、統合されつつある開発の新
時代にあって、貧困のないアジア太平洋地域というビジョ
ンを追求していかねばなりません。私たちは、アジアおよ
び域内の各国がよりインクルーシブ(非排他的)な社会を
実現し、ダイナミックな成長の恩恵をより平等に行き渡ら
せるための支援に努めていきます。
ADB は、地域協力と地域統合が、貧困を削減し、より良
い未来を築く国レベルの努力を補完し得る強力なツール
であると考えています。 2005 年には私たちの努力が報わ
れ、中央アジア諸国とメコン河流域諸国において、国境を
2
— 私たちは、国家、経済と社会が互
いに依存性を高め、統合されつつある開
発の新時代にあって、貧困のないアジア
太平洋地域というビジョンを追求してい
かねばなりません
ADB は開発パートナーと連携して、津波と地震の被害
年間の業務の有効性を高めていきます。ADBはアジアの開
を受けたコミュニティに対して迅速な復興・再建支援を提
発パートナーとして創設 40 年を迎えようとしています。私
供しました。また、世界保健機関および国連食料農業機関
たちは開発途上加盟国の新たな課題に対応する備えがで
と共に鳥インフルエンザの流行を防ぐ闘いに加わりまし
きつつあるという自信をもって、すべての人が持続的な経
た。昨年中に実施した一連の内部改革・再編成により、
済成長に参加し、貢献し、その恩恵を受ける機会を得られ
ADBはより有効かつ敏速な組織になり、業務における成果
るよう努力しています。職員、全加盟国およびパートナー
重視の姿勢を強めました。
「改革アジェンダ」の下で、政策
による支援とコミットメントを得て、ADB のために働き、
と戦略の改善、開発成果マネジメントの追求、業務プロセ
アジア太平洋地域の平和と繁栄を育むという ADB の役割
スの精緻化、ナレッジ・マネジメントの拡大、そして人材
を支援していくことは、私の光栄とするところでありま
開発のための新たな手続の導入に取り組んでいます。
す。
ADB のパフォーマンスを国レベル、組織レベル、そして
開発機関ネットワークの一部として世界レベルで把握す
るため、計画、モニタリングおよび評価のためのより良い
システムを設計中です。すべての開発途上加盟国におい
て、成果重視型の国別戦略・プログラムが導入されていま
す。また、新しい「情報公開政策」により、ADB の利害関
係者に対する透明性と説明責任の大きな改善が約束され
— ADB は、域内で作用しているダイ
ナミックな力を踏まえて業務の水準を引
き上げていく決意を固めています
ています。
一方、
「革新・効率性イニシアティブ」の下で提供される
一連の金融商品は、開発途上加盟国の
投資ニーズへのより柔軟な対応を意図
したものです。ポートフォリオ管理と
プロジェクトの実施に対する集中度を
高めることで、公共セクター向けの貸
付実行額が増加する一方、リスクのあ
るプロジェクトは着実に減少しまし
た。
開発業務に内在するリスクを管理す
「リスク管理ユ
るため、ADB は昨年、
ニット」の新設を通じて、中央集権的な
リスク管理構造に移行しました。
ADB は引き続き、アジア太平洋地域
での貧困との闘いにおいて、主要な役
割を果たしていきます。ADB は、域内
で作用しているダイナミックな力を踏
まえ、業務の水準を引き上げていく決
意を固めています。
近々開始される「第 2 次中期戦略」に
は、従来以上に明確な戦略的重点事項、
成果重視姿勢の徹底、支援内容をより
厳しく選別するアプローチ、そして開
発パートナーとのさらなる連携を盛り
込む予定であり、これによって今後数
貧困層の数の多さと格差の拡大を見れば、力強い経済成長の恩恵がすべての人に行き
渡っていないことは明らかです
3
理事会報告
理
事
会
報
告
組織的有効性の改善
津波や地震などの災害、鳥インフルエンザの脅威、そして石
油価格の高騰にもかかわらず、アジア地域の大部分では 2005
年に力強い経済成長が見られた。多くの国は、もはや世界経済
への参加を希望する段階を越えて、その中心に位置するよう
になった。
購買力平価で判断すれば、アジア太平洋地域は今や、世界の
国内総生産(GDP)の 30%を占めている。また、1 日 1 ドル
未満で生活する人口の比率は、1990 年の 34%から 2003 年に
は 19%(およそ 6 億 2,000 万人)に低下している。
しかし、アジア太平洋地域は依然として、他のどの地域をも
上回る、世界の貧困層の実に 3 分の 2 を抱えている。1 日 2 ド
ル未満で生活している人はまだ 19 億人もおり、これは世界人
口の 3 分の 1 近くに相当する。貧困削減が、今後も引き続きア
ジア開発銀行(ADB)の基本的な重点課題であることは明ら
かである。
ADB は、開発途上加盟国(DMCs)および地域全体がミレ
ニアム開発目標(MDGs)を達成できるよう、全力で支援を
続けている。 2015 年までに MDGs の全目標を達成すること
は容易ではない。それは開発パートナーだけでなく、開発途上
国自身の行動にも依存する。ADB はこうしたパートナーシッ
プを強化し、進捗を積極的に監視する役割を果たしていく。
アジア地域全体は MDGs の第 1 目標(極端な貧困と飢えを
撲滅する)の、所得面での貧困に関するターゲットの達成に向
けて順調に進んでいるが、いくつかの国はこれを達成できな
い可能性がある。アジアはまた、所得以外の目標の達成につい
てはかなりのリスクを抱えている。入手可能なデータによれ
ば、 ADB の DMCs のうち 27 カ国には、指標の 25%以上を
達成できないリスクがある。
4
女性の権利拡大および高等
教育におけるジェンダーの
平等を達成するには、さらな
る努力が必要である
理
事
会
報
告
5
理
事
会
報
告
最も懸念されるセクターは、保健、上下水道、初等教育
および環境である。加えて、女性の権利拡大および高等教
育におけるジェンダーの平等を達成するには、さらなる努
力が必要である。
— 黒田東彦 ADB 総裁は、ADB によ
り適切な対応、より迅速な対応、そして成
果重視姿勢の強化を求めた
ADB は地域全体を通じたあらゆる業務において、最優
先目標である貧困削減を目的としなければならない。全プ
ログラムおよびプロジェクトに貧困層を重視した強力な
要素を含めることで直接的に介入するか、DMCs において
とのパートナーシップ・フレームワークに関する協議ミッ
貧困層を重視した持続可能な経済成長を促進することで
ションや、ADB の組織再編および「革新・効率性イニシア
間接的に介入するかのいずれかである。
ティブ」の効果に関する独立評価を含む、他の評価結果と
昨年イスタンブールで開催された第 38 回 ADB 年次総会
概ね一致するものであった(11 ページ参照)。
での演説において、黒田東彦総裁は、MDGs の達成に関す
分析の結果、アジア金融危機による 1997 ∼ 98 年の貸出
る借入加盟国の課題および要求に応えられるよう、ADBに
増の影響を除けば、過去 10 年間の OCR およびアジア開発
対してより適切な対応、より迅速な対応、そして成果重視
基金(ADF)からの貸付承諾額は年間 52 億ドル程度で伸
姿勢の強化を求めた。
び悩み、OCR貸付の実行額は着実に減少したことが明らか
以下では、 ADB がその業務をより効果的かつ効率的に
になった。 OCR 貸付からの収入は 2001 年から 04 年にか
実施するために取っている対策を紹介する。本報告のその
けて 43%減少し、その結果、ADB の年間総収益は 38%減
後の章では、目標達成のために各業務地域で継続した業務
少した。
および 2005 年に開始した業務を記述する。
過去 10 年間の貸付プロジェクトのうち、およそ 86%は
遅延のため 1 回以上の貸付実行期限延長が必要となった。1
組織的有効性の改善
ポートフォリオ・パフォーマンスと成果
年以上の延長が必要となったのは 60%で、全体の延長期間
は平均で約 2 年であった。
プログラム・ローンについては、2 回目以降のリリース条
業務評価局の『貸付および技術援助のポートフォリオ・
件を満たすのに苦労する借入国が多く、トランシェ・リ
パフォーマンスに関する年次報告』2004 年版は、いくつか
リースの遅延による繰越額は 2 0 0 5 年末時点で約 1 2 億
の重要な戦略的課題の特定に必要な証拠および統計を提
5,000 万ドルに達した。また、貸付の集中度合が高く、8 カ
国の DMCs が総額の 83%を受け取る一方で、規模の最も
小さい 23 カ国は 9%しか受け取らなかった。
供し、 ADB 理事会に歓迎された。
この評価結果は、中所得・通常資本財源(OCR)適格国
6
これらの大きなトレンドは、 ADB の伝統的な商品が主
対応している。マルチトランシェ融資ファシリティ、公共
要クライアントのニーズの多くを満たさなくなっており、
セクター向けのサブソブリンおよびノンソブリン融資ファ
開発業務の効果を高めるためには新商品と手続の簡素化が
シリティ、現地通貨建て貸付、リファイナンスおよび事後
必要であるという主張を支持するものであった。
融資ファシリティ、融資シンジケーションおよびリスク分
1998 年から 2004 年までに、ADB のポートフォリオに
担契約といった新商品が導入されつつある。また、プロ
おける継続中の技術援助無償の件数は 53%増加したが、技
ジェクトの監視を強め、応答時間を短縮するため、駐在員
術援助ポートフォリオの正味金額は42%しか増加しなかっ
事務所への権限委譲が進められている。
た。技術援助ポートフォリオの増加ペースが速すぎて、そ
この報告書の直接的な影響は、主に ADB自身に対するも
れを効果的に管理する ADB の能力が追いつかなかったと
のである。開発効果委員会は、業務評価局の報告書の所見
いう徴候がある。技術援助案件に対するレビュー・ミッ
に対応する行動計画の作成を経営陣に初めて要請した。経
ションの派遣比率は、1998 年に最高値 66%となった後、毎
営陣は、報告書で特定された問題に全組織レベルで対応す
年じりじりと低下し、 2004 年には過去最低の 25%となっ
る行動計画を作成するため、タスク・フォースを設置した。
た。また、技術援助ポートフォリオが大幅に増加している
この報告書のより大きな、そしてより重要な間接的影響と
にもかかわらず、技術援助レビュー・ミッションに費やさ
して、ADB によるポートフォリオ管理のパフォーマンスお
れる年間平均人日数は、1998 年から 2004 年にかけてほと
よび DMCs によるプロジェクト実施の改善が期待される。
んど変わっていない。
これらの問題点については、
「改革アジェンダ」の下で、
革新・効率性イニシアティブその他のプログラムを通じて
プロジェクト品質の評価
ADBの業務全体を通じて実施されている改革は、業務評
価局においても同様に重要である。同局で始まった変化に
よって、2005 年の「年次評価レビュー」は最終的に、評価
— これらの大きなトレンドは、ADB
の伝統的な商品が主要クライアントの
活動のレビューではなく、開発成果のレビューへと変貌し
た。
以前のものと比べ、2005 年のレビューはその構造、内容
ニーズの多くを満たさなくなっており、
および分析の深さが異なっている。特に、ADB の累積貸付
開発業務の効果を高めるためには新商品
額の84%を占める公共セクター事業について回顧的な評価
と手続の簡素化が必要であるという主張
を支持するものであった
が行われた。その結論は、ADB が今後プロジェクトの質と
ポートフォリオ・パフォーマンスを改善していくために役
立てていく。
7
理
事
会
報
告
理
事
会
報
告
— 968 件のプロジェクトを対象とし
た分析によると、プロジェクトの成功率
は 1970 年代に低下し、1980 年代に底を
打ち、 1987 年以降改善している
968 件のプロジェクトを対象とした分析によると、プロ
ジェクトの成功率は 1970 年代を通じて低下し、1980 年代
に底を打ち、1987 年以降改善している(6 ページのグラフ
参照)。調査結果はまた、1990 年代初頭に行われた、プロ
ジェクト管理構造、入り口での品質、ポートフォリオ管理
およびプロジェクト監理を通じたプロジェクト品質改善努
力がいくらかの効果をもたらしたことを示唆しているが、
これらの努力は今後も継続していく必要がある。
この報告書では、 ADB が成果重視型組織になるために
必要ないくつかの主要要素が提示された。例えば、過去の
全体的に見て、エネルギー・セクターは ADB のパフォーマンスが
最も良好なセクターのひとつである
プロジェクトの成果を考慮して選別性と集中度を高める、
過去の実績に問題がある国のパフォーマンスを改善する、
がパフォーマンスの重要な決定要因であることが分析に
プロジェクト計画の基礎となる経済予測を強化する(ほと
より示された(7 ページの表を参照)。1990 年代に承認され
んどのインフラ・プロジェクトには数十年単位の長期予測
た運輸およびエネルギー・セクターのプロジェクトが「成
が必要)等である。
功」の評価を受ける確率は 8 5 %を越えていた。農業セク
暦年末にプロジェクトの承認が集中することを防ぐ方策
ターおよび政府系開発金融機関への信用供与については、
も提案されている。これには、貸付の承認年度よりも開発
成功確率が 46%と低くなっている。農業セクターの問題は
成果の達成の方が重要であるという明確なメッセージをス
広範囲にわたるが、灌漑および農村開発プロジェクトのパ
タッフに発することが含まれる。8 月には ADB の経営陣が
フォーマンスは比較的良好であった。
これに応え、実施中および将来の業務において報告書の主
当然、パフォーマンスは国によって様々であるが、1990
な勧告を支持すると述べた。報告書ではまた、ADB が、特
年代にはすべての国別グループで改善が見られた。ブータ
に成果重視型の国別戦略・プログラムおよび「プロジェク
ン、中央アジア諸国、中国、大メコン河流域圏(GMS)、モ
ト・パフォーマンス管理システム」を通じて、業務全体に
ルジブおよびモンゴルでは、 ADB が資金を提供したプロ
おける「開発成果マネジメント」の主流化に多大な努力を
ジェクトの 3 分の 2 以上が成功した。
払ったことが注目された。
2005 年報告書には、あるセクターでの ADB の業務に関
する大まかな分析結果を 1 章にまとめるという新要素も盛
り込まれた。
太平洋島嶼国のプロジェクト成功率は、パプアニューギ
ニアとフィリピンのパフォーマンスの悪さが影響し、50%
未満であった。
ポートフォリオ・パフォーマンスと借入人の要求が明ら
業務評価局はこれとは別に、同年中にいくつかのセク
かに異なるにもかかわらず、ADBの各政策はすべての国に
ター評価報告書を発表した(パキスタンの社会セクター、
対して一律に適用されていた。ADB は現在では、能力の高
フィリピンの電力セクター等)。また、ブータンおよびイン
い D M C s に対してより多くの権限と説明責任を委譲すれ
ドネシア向け国別援助プログラムの評価も行った。
ば、効率が上がり、取引費用が減り、より良い成果が得ら
れる可能性が高いことを認識している。この努力は、中所
国別戦略の改善
こうした評価結果はまた、 ADB の国別戦略を改善する
ために活用されている。
具体的な結論のひとつとして、プロジェクトのセクター
8
得国戦略および「革新・効率性イニシアティブ」を通じて
続けられている。小規模、脆弱、またはパフォーマンスの
悪い DMCs を支援する努力も必要である。これらの国の主
なニーズは、貸付によるプロジェクトまたはプログラムで
— 評価された電力プロジェクト94件
のうち、76 件が「成功」以上の評点を受
を達成する上での ADB の有効性が高まりつつある。
改革アジェンダは、ADB 全体に適用される 19 項目の改
革イニシアティブからなり、内部改革および再編成に関連
けた
して 5 つの成果の達成を目的としている。5 つの成果とは、
はないかもしれない。
( i ) 業務政策、戦略およびアプローチの改善、( i i ) 開発成果
マネジメントの主流化、(iii) 組織的プロセスと構造の洗練、
(iv)ナレッジ・マネジメントの強化、ならびに(v)人材管理
これらの報告書をレビューした開発効果委員会は、セク
ターの選別性と国別戦略への集中度を高め、中核技能を強
および職員インセンティブの改善である。
化し、駐在員事務所への権限委譲を進め、貸付および技術
改革アジェンダのイニシアティブ 19 項目の多くについ
援助プロジェクトの実施を強化するべく、さらなる努力を
「革新・効
て、2005 年中に大きな進捗があった。これには、
行うよう勧告した。同委員会は、セクター別の過去のパ
率性イニシアティブ」の下での 3 つの変革提案の採択(新
フォーマンスは重要な要素であるが、借入人の要求や貧困
たな金融商品・融資形態、現地通貨建て貸付、費用分担お
削減に対する潜在的影響といった他の要素も考慮する必要
よび支出適格)、プロジェクト・パフォーマンス管理システ
があると述べている。
ムの設計変更および監視フレームワークの採択、独立した
リスク管理ユニットおよび地域経済統合室の設置、新たな
注目されるエネルギー・セクター
業務評価局は 2005 年の報告書において、エネルギー・セ
クターに注目することを選んだ。同セクターが累計貸付額
「情報公開政策」の採択、人材戦略の下での新たな業績管理
システムの採択が含まれる。
組織全体を貫く糸のように、ADB は業務の計画、監視、
の 19.7%を占め、多くの国において同セクターに構造的な
報告および評価における成果重視型システムの適用を徹
変化が起きつつあるからである。
底しており、これによる開発成果マネジメントの改善を目
全体的に見て、エネルギー・セクターは ADB のパフォー
指している。
マンスが最も良好なセクターのひとつである。実施の遅延
が多いものの、評価された電力プロジェクト 94 件のうち、
開発成果マネジメント
76 件は「成功」以上、16 件が「部分的に成功」の評点を受
け、「不成功」とされたのはわずか 2 件であった。
ADBの支援は、電気へのアクセスを増やし、エネルギー・
ADB における開発成果マネジメントは、DMC レベル、
ADBの組織的枠組みの内部、そして開発成果マネジメント
セクターをより効率的にすることで、経済の発展に貢献し
トワークの一部として世界レベルでの学習および意思決
ている。ADB は引き続き、電力セクター改革、健全な規制、
定の改善に焦点を当てている。
に関与する組織および実務家の間で生まれつつあるネッ
料金改革および原価回収を支援し、民間投資に適した環境
を形成し、公共・民間双方のインフラ投資に資金を提供して
いくべきである。
政策・手続の策定と改訂
適切性を維持するための改革
2005 年は ADB にとって大きな変化の年となった。新総
「改革
裁が 2 月に就任し、現行中期戦略の最後の年を迎え、
アジェンダ」を通じて多くの変革が実施された。
複雑かつ急速に変化する環境において敏速かつ適切な
対応を続け、経済成長の恩恵が可能な限り多くの人々に届
くようにするため、ADB は各種手続、政策およびプログラ
ムの改革を進めている。多くの変革は、2004 年に採択され
た「改革アジェンダ」と呼ばれる計画に沿って実施されて
いる。これにより、国レベルでの開発成果と貧困削減目標
ADB は、すべてのプログラムおよびプロジェクトに貧困層を重視
した要素を含めなければならない
9
理
事
会
報
告
理
事
会
報
告
2005 年には例えば、ADB の貧困削減戦略について、成
生活向上の鍵となるマイクロファイナンスの基本を学ぶバングラデ
シュの女性たち(左)。 ADB は業務の有効性を明確に、かつ継続
的に実証していかなければならない(上)
果重視型の年次報告書を初めて作成した。この報告書は、
戦略の進捗状況を評価し、明確な指標に基づく成果重視型
のモニタリングおよび評価の枠組みを提示している。
ADB 理事会はまた、バングラデシュ、ブータン、モンゴ
ルおよびフィリピン向けに、成果重視型の国別戦略・プロ
— 成果重視型の国別戦略・プログラ
ムは、加盟国における開発の制約に照準
を合わせるための柔軟性を提供する
グラムを承認した。これらの国は、2004 年に成果重視型国
別戦略・プログラムを試験的に作成したネパールに続く、
最初のグループとなった。フィジー、インドネシア、パプ
地域レベルでは、新たな「太平洋地域経済協力戦略・プ
アニューギニア、ウズベキスタンおよびベトナム向けの国
ログラム」
(「太平洋戦略」)も、成果重視の管理を念頭にお
別戦略・プログラムを現在作成中で、開発成果マネジメン
きつつ、利害関係者との協議および広範囲に及ぶワーク
トを可能にするツールを含める予定である。これらはいず
ショップを経て作成された。この「太平洋戦略」は ADB 内
れも、各国の幅広い利害関係者との徹底的な協議を経て作
ではユニークな文書であり、
同地域内のあらゆる国別戦略・
成されている。これによって、戦略とプログラムにはこれ
プログラムおよび地域レベルの活動の指針となる。 3 つの
まで以上に貧困層のニーズを取り入れ、それを内容に反映
目的と 7 つの主要成果領域からなるマトリクスを通じて、
している。
この戦略は地域全体を通じたモニタリング、報告および評
価、そして重要な点として、このプロセスの教訓を将来の
国別戦略・プログラムにおける成果
意思決定に活かすことを基本としている。
成果重視型の国別戦略・プログラムは、各種目標と進捗
を監視するための明確な指標からなるマトリクスを設定
プロジェクト・パフォーマンス管理システム
し、加盟国における開発の制約に照準を合わせるための柔
プロジェクトが失敗する主な理由として、準備段階にお
軟性を提供する。例えば、フィリピンの国別戦略・プログ
ける不適切な計画と利害関係者の参加不足が挙げられる。
ラムは財政赤字に焦点を合わせ、バングラデシュとネパー
成果重視のアプローチは、プロジェクト・パフォーマンス
ルのそれはガバナンスに力を入れ、ベトナムのそれは地域
管理システムの下で、プロジェクト・レベルにおいても作
格差を重視する内容となっている。
用している。ADB のプロジェクト、プログラムおよび技術
成果重視の姿勢を採用する能力は国によって異なる。例
えば、規模の大きな中所得国は、規模の小さい脆弱な国家よ
りもその能力が高い。開発成果マネジメントの下で鍵とな
援助の設計とモニタリングの枠組みを改善することが、こ
のシステムの中核をなしている。
新たな枠組みは、プロジェクトの概念化、設計、実施、モ
る行動として、 ADB はこの戦略に関連した能力を開発し、
ニタリングおよび評価に役立つ成果重視の参加型ツールで
各国のシステムを強化するべく DMCs と協力していく。
ある。改善された枠組みを有効活用することによってすべ
10
ての貸付業務・非貸付業務に一貫した構造がもたらされ、
他の援助機関との調和化によって成果(アウトカム)が明
確になり、プロジェクトの「結果の連鎖」が描写され、パ
—「革新・効率性イニシアティブ」は、
ADBのクライアント重視および成果重視
フォーマンス指標の特定により所期の開発成果の定式化が
の姿勢を強め、効率を高めることを目的
促進されると期待される。
としている
グローバルな課題
ADB はまた、開発成果マネジメントの主流化を目的と
新たな商品と融資形態
した国際開発金融機関の協議において、指導的役割を果た
ADBはクライアントのニーズをより効率よく、かつ低コ
してきた。例えば、 ADB は国際開発金融機関の「共通パ
ストで満たすため、 5 種類の新たな金融商品および融資形
フォーマンス評価システム」の共同開発を開始した。これ
態の試験運用を行っている。新商品は当初 3 年間パイロッ
は、開発成果マネジメントの主流化に関する 5 つの銀行の
ト・ベースで供与し、その後、パフォーマンス、適切性およ
進捗を一括して評価するものである。
また、2005 年 3 月には「援助効果に関する第 2 回ハイレ
ベル・フォーラム」が開催され、 100 を超える先進国、開
び成果を評価する予定である。健全、適切かつ効果的である
と判明すれば、これらは、ADB の業務ツールキットに加え
られる。
発途上国および主要国際機関の代表が「援助効果に係るパ
新たな金融商品は、クライアント重視の考え方に基づ
リ宣言」を採択した。彼らは、援助の管理手法を改革する
き、使いやすさを追求したものである。それらは ADB の戦
ため、広範囲に及ぶ監視可能な行動の実施を決議した。
略的枠組みおよび設立協定に従うものであり、既存の政策
ADB と他の国際開発金融機関はまた、ドナーと開発途
および手続に合致している。
上国の取引費用を低減するために、業務に係る政策、手続
新商品はまた、組織としてのトリプル A の信用格付けを
およびアプローチを調和化させることを約束した。ADBは
維持するように設計されている。独立したリスク管理ユ
主要な経済調査、セクター調査およびテーマ別調査につい
ニットが 2005 年に新設されたのは、パイロット商品の前提
てパートナーと協力しており、成果重視型国別戦略・プロ
条件として、また償還請求権のない(ノンリコース)融資
グラムの作成に当たっても調和化されたアプローチを採
またはノンソブリン融資を評価するためである。このユ
用するようになっている。
ニットは、地域局、民間部門業務局または共同チームが処
理する公共セクターおよび民間セクターの業務を担当す
革新・効率性イニシアティブ
ADB はクライアントに資金と専門知識の双方を提供す
る。
新たな金融商品は以下の通り。
る。資金提供の手段には、貸付、出資と保証が含まれる。専
• マルチトランシェ融資ファシリティ。これはスタンド
門知識は、各種セクターおよびテーマ領域を網羅し、主に
バイ・クレジットおよび無条件信用枠と似たもので、
技術援助無償を通じて提供される。市場への近接性および
貸付と保証の双方に関連する。このファシリティの主
セクター/テーマ別の知識だけでなく、ADBには域内各国
なターゲットは、投資プログラム、大規模なプロジェ
と緊密な協力関係を維持しているという強みがある。
こうした強みを活かしてより大きな開発効果を達成す
るため、ADB は一部の業務プロセスを合理化し、新たな金
融商品および融資形態の開発を進めている。
「革新・効率性
クトおよび信用枠である。試験運用は、 2005 年に 2 件
の取引(1 件はインド、もう 1 件はパキスタン)をもっ
て開始された。
• サブソブリン主体、準ソブリン主体および国有企業への
イニシアティブ」は、この目的のために立ち上げられた。
直接融資。この新商品は、域内で進みつつある分権化の
ADBのクライアント重視および成果重視の姿勢を強め、効
率を高めることが狙いである。このイニシアティブは、7 つ
の変革領域を対象としている。すなわち、( i ) 現地通貨貸付
を含む新たな金融商品、(ii) 国別戦略の改善、(iii) 業務プロ
セスの簡素化、(iv)調達政策の改訂、(v) コンサルティング・
サービスの簡素化、( v i ) 費用分担および支出適格要件の強
化、そして(vii) セーフガード政策の改善である。
プロセスに対応し、ADB が一連の新たなクライアント
にサービスを提供できるようにするものである。
• 現地通貨建て融資。これは現在、公共セクターと民間
セクター双方の融資に適用できる。借入は外貨建てだ
が収入は現地通貨建てという潜在的なミスマッチに対
応するもので、特に公共サービス、公益事業、インフ
ラ・プロジェクトに関連性がある。
11
理
事
会
報
告
— ADB はその政策、戦略およびアプ
理
事
会
報
告
ローチが成果重視型であり、適切である
ことを確保するため、見直しと改善を
行っている
ガバナンス政策および汚職防止政策についても、実施状
況のレビューの一環として、同様の広範囲に及ぶ協議を
新たな国別戦略・プログラムは、徹底的な協議を経て作成され、こ
れまで以上にインクルーシブ(非排他的)かつ貧困層を重視した
内容となっている
行った。ADB はレビューの結論を「ガバナンスの改善と汚
• リファイナンス・ファシリティ。これによって、資金
度を高めることに成功し、2000 年から 2004 年にかけて支
調達計画の不適切な既存プロジェクトの再編または拡
援額を大幅に増やしたことが指摘されている。しかし、ガ
大を支援できるようになる。
バナンス政策と汚職防止政策の実施を ADB の主流業務に
職との戦い:ガバナンス政策と汚職政策の実施状況」の草
稿として 2005 年 12 月に広く公開し、コメントを募集した。
このレビューでは、 ADB が地域内でガバナンスの注目
• 新形態の協調融資。官民両セクターの商業金融機関の
間で、 ADB とのリスク分担契約(融資シンジケーショ
織り込んでいくには、まだ努力が必要だと結論されてい
ンを通じた協調融資および商業金融パートナーとのリ
いことから、小規模・短期間のプロジェクトがあまりに多
スク分担)に対する関心が高まっている。これらの新
く企画され、人的資源が手薄になるという結果を招いた。
たな取り決めは、関連する全当事者のために協調融資
とパートナーシップの機会を拡大するものである。
る。ガバナンス政策とその行動計画の対象範囲が非常に広
このレビューはまた、ADB が調達における不正・汚職に
対応し、汚職防止政策に対する認識を高める点ではある程
度成功したと結論している。しかし、国の開発目標達成能
その他の政策と戦略
ADB はその政策、戦略およびアプローチが成果重視型
であり、適切であることを確保するため、見直しと改善を
力に対する汚職の影響の評価については、それほどの進歩
が見られていない。
このレビューはまた、多くの DMCs が、保健、教育、水、
行っている。2005 年には、既存の「民間セクター開発戦略」
免許、歳入や土地所有権等のサービス供給について、非効
を見直し、地域協力・統合に関する新戦略の作成を開始し
率や汚職に悩まされていると指摘している。現地の透明
た。民間セクター開発戦略のレビューを受けて、ADB は新
性、参加および苦情の仕組みに対する投資支援をこれまで
たな戦略的枠組みを作成し、理事会に提出した。これは、異
以上に優先すべきであり、プロジェクトの設計に汚職対策
なる金融商品のために平等な競争条件を確保する環境整
を盛り込み、実施段階では効果的な監督および汚職リスク
備的な介入、民間セクター開発に向けた資金の動員、そし
を軽減する管理手法によってフォローしなければならな
て公共財および公共サービスに対する新たな資金提供手
いと述べられている。
段に焦点を当てるものである。この枠組みには行動計画も
付随している。
また、
「情報公開政策」が承認され、後に政策レビューの
基調を決めることとなった。世界中の利害関係者と徹底的
ADB はまた、ADF からの無償資金および貸付の配分を
規定する「パフォーマンスに基づく配分政策」の実施を継
続した(下記参照)。
2005 年には「第 2 次中期戦略」の作成作業も行われた。
かつ透明性の高い協議を行った後、草稿をインターネット
この戦略では、アジア地域で起こりつつある急速かつ広汎
で公表し、寄せられた数多くのコメントをADBのイントラ
な変化への、より包括的かつ長期的な対応の第 1 歩として、
ネット上で公開した。すべての投稿内容を注意深く検討し
いくつかの戦略的対策が導入される予定である。この文書
て、最終文書を作成した。この文書は、ADB という組織に
は、 2 0 0 6 年に発表する予定である(w w w . a d b . o r g /
よる知識と情報の普及について進歩的な基調を設定して
「長期戦略フレー
Documents/Policies/MTS/2006/)。また、
ムワーク」のレビューも 2006 年に開始する予定である。
いる(13 ページ参照)。
12
理
事
会
報
告
情報公開政策:情報の提供
民に影響するプロジェクトについては、
を ADB のスタッフに負わせるものであ
識の共有に向けた野心的な変革を先導
設計の早い段階で、影響を受ける可能性
る。
するものである。 ADB は対外関係に対
の高い人々に情報が提供される。 A D B
本政策はまた、情報を出さないことよ
して洗練され、より焦点を合わせたアプ
は借入人またはプロジェクトのスポン
りも「編集」を選好する。つまり、文書
ローチを取ることに専心している。この
サーと緊密に協力して、確実に情報が提
の大部分を公開できるよう、機密箇所を
アプローチでは、重要な問題について立
供され、フィードバックが求められるよ
削除するということである。そして、
場を明確にし、それを説明するために、
うにしていく。また、日常的な連絡を取
ADB は、内容が否定的であるという理
より良い情報商品を従来以上に広く提
るための窓口(フォーカル・ポイント)が
由のみによって情報公開を拒否するこ
供していくことを目指している。この政
設置される。
とはない。成功だけでなく、失敗や期待
新たに策定した「情報公開政策」は、知
策に取り入れられた業務情報の公開に
国レベルの市民団体等の組織は、自国
外れの結果も報告していく。 ADB は現
関する新たな規則は、他の国際金融機関
の開発戦略にますます関与したいと望
在、情報請求への回答に厳格な期限を設
よりも進んだ内容となっている。
むようになっている。 ADB は、国別戦
けており、政策がその原則と規則に従っ
新情報政策では、 ADB の活動に関し
略・プログラムの草稿について国内利害
て運用されるよう定期的に監視してい
て情報やアイデアを要求し、受け取り、
関係者への公開を義務づけることで、こ
る。本政策の実施に関する報告書を毎年
伝える人々の権利が率直に支持されて
の関与を可能にしている。
作成し、公開していく。
いる。特徴として、要請を受けた場合だ
ADB は新たな業務政策や戦略を採択
けではなく、ウェブへの掲載によって情
または改定する前に、様々な団体と定期
報を積極的に公開していく方針が採用
的に協議しているが、今回はさらに、政
されている。 ADB が必要な情報を推定
策および戦略の草稿文書を日常的に
するのではなく、人々が欲しい情報を見
ウェブサイトに掲示することが義務づ
つけられるようにすべきである。
けられた。
みによって情報公開を拒
開示が説明責任を可能にする
否することはない
ADB の保有する情報が明確な守秘義
務基準に合致しない場合、その情報は公
開されなければならない。新政策では、
利害関係者とオープンかつ幅広い協議
利益を上回る場合には、デリケートな情
を開始した時から(このプロセスはある
報すら公開することが選択される。
大手 NGO から、国際開発銀行のこれま
ADB は新政策によって他の国際開発機
での政策レビューの中で最良のものだ
関を一足飛びに追い抜き、透明性と情報
と評された)、ADB は本政策の下で新た
公開の拡大に向かう国際的な動きに歩
な方向を指し示してきた。 ADB は公的
調を合わせることとなった。ADB は、そ
金融機関として、公的に説明責任を果た
の目標に対する意識を高め、理解を深め
すことを望んでいる。
立つと考えている。
定的であるという理由の
本政策の作成に当たって、実に多様な
情報を受け取る公共の利益が ADB の不
てもらうことが、人々の信頼の醸成に役
— ADB は、内容が否
A D B が支援する開発活動の費用は、
加盟国の市民が支払っている。したがっ
て、 ADB は一般市民に対する透明性を
開示が参加を可能にする
確保する必要があると認識している。
同政策による透明性の高いアプロー
A D B は定期的に作成する全書類をレ
チにより、政策、国別戦略またはプロ
ビューし、それぞれについて「この書類
ジェクトの早い段階で、すなわち決定が
を公開することでどのような害が生じ
下され、一般市民が自らに影響する開発
るか」を検討した。これは、情報がなぜ
イニシアティブに影響を及ぼせなくな
公開できないかを説明し、弁護する責任
新情報政策では、 ADB の活動に関して
情報やアイデアを要求し、受け取り、伝
える人々の権利が率直に支持されている
る前に、より多くの情報が公開される。
情報を共有することで、人々は意思決定
により効果的に参加できるようになる。
ADB はまた、情報を必要とする人々
がインターネットにアクセスできると
は限らないことを認識している。地元住
— 情報を受け取る公共の利益がADBの不利益を
上回る場合には、
デリケートな情報すら公開すること
が選択される
13
理
事
会
報
告
パフォーマンスに基づく配分政策
ADB の「パフォーマンスに基づく配分政策」は、貧困国
に対して非常に譲許的な条件の貸付と無償援助を提供す
び昇進の各制度の強化を通じて同フレームワークの実施
を継続していく。
上記イニシアティブのひとつである新業績管理システ
る A D F の資金配分を規定する。この政策とその実施は、
ムでは、職員と上司の間で合意される年間業務計画におい
ADF 第 8 次財源補充(ADF IX)交渉の中心テーマであっ
て、各職員の責任と説明責任が明確に定義される。
「業績・
た。ADB は、2004 年 12 月の理事会承認を経て、改訂され
開発計画」により、各職員の業務計画と組織の主な成果と
た「パフォーマンスに基づく配分政策」の実施を開始した。
の整合性が高められる。この枠組みは、時宜を得た継続的
2005 年には、本政策の実施を強化し透明性を向上させる
かつ建設的なフィードバックおよびより客観的な業績の
ため、またパフォーマンスに基づく業務を開発パートナー
識別と表彰という、日常的な業績管理に必要な仕組みを提
の業務とさらに調和化させるために、数々の措置を実施し
供する。業績・開発計画により、ADB は職員の能力開発と
た。
人事決定をより効率的に管理できるようになる。業績管理
フォーカル・ポイント
(窓口)
がADBの戦略・政策局内に
設置された。アフリカ開発銀行、ADB と世界銀行グループ
システムは、 2006 年度も引き続き改善していく予定であ
る。
の国際開発協会が共同で企画した「パフォーマンスに基づ
職員の募集と選定に関する取り組みを改善するため、監
く配分に関する第1 回国際開発金融機関技術会合」が2 0 0 5
視機能の一部を副総裁(財務・管理担当)に委譲し、民間
年1月にマニラで開催された。
部門業務局および新設されたリスク管理ユニットの上級
4 月には、ADB はフィジーのスヴァおよびタイのバンコ
職については外部のリクルート専門会社を活用した。外部
クで地域別技術ワークショップを開催し、新政策の目的を
候補者のスクリーニングと面接を行うため、専門職員のパ
DMCs の政府関係者と市民団体に説明した。
改訂された政策に従い、2005 年の国別パフォーマンス評
ネル面接を行い、採用部局の参加を要請した。
価を実施するために世界銀行の「国別政策・制度評価」質
コンピテンシー、モチベーションおよび業務遂行に必要な
問表が採用され、両機関は評価が一貫性をもって実施され
潜在能力を有していることを確保するため、職員構成を調
るように調整を行った。
整する柔軟性を獲得する必要があった。「拡大離職プログ
戦略の実施を促進する上で、ADB はまず、職員が適切な
改訂後の政策に基づく最初の国別パフォーマンス評価
ラム」の実施は 2005 年に開始され、2006 年に完了する予
は、2007 ∼ 08 年の ADF 配分を決定するため、2005 年に
定である。このプログラムは、キャリアが頭打ちとなった
実施された。評価対象は、マクロ経済運営、構造的政策、社
特定職員に対して、通常の退職時期よりも早期に離職する
会的インクルージョン/平等、ガバナンスおよびポート
機会を提供するものである。
フォリオ管理という 5 つの領域であった。
最近になって、ADB は数値評価を初めて公開し、改訂後
の「パフォーマンスに基づく配分政策」の実施における重
要な里程標に到達した。
学習に焦点を当てる新ユニット
2005 年には「学習・能力開発ユニット」を設置した。学
習および能力開発に関する各種資源を活用し、より効率的
なアプローチをサポートし、業務環境における学習ニーズ
内部イニシアティブ
の特定についてより戦略的なアプローチを採用すること
が目的である。組織的効率性および有効性を改善し、リー
人的資源
ダーシップ・プログラムを再設計し、技術プログラムを改
人材戦略
善することに主眼が置かれている。新業績管理システムの
2004 年に承認された「人材戦略」は、ADB の「改革ア
一環としてADBの学習ニーズを特定するため、組織全体を
ジェンダ」の不可欠な構成要素である。2005 年にはこの戦
対象とする訓練ニーズ評価が実施された。2005 年にはいく
略の下でいくつかのイニシアティブを実施し、大きな進歩
を達成した。これらのイニシアティブは、人材管理の改善
を通じて、 ADB による成果の達成に貢献している。
ADB 全体に適用されるコンピテンシー・フレームワー
クは、新たな業績管理システムおよび学習・開発プログラ
— 人材戦略は、ADB の改革アジェン
ムを通じて実施された。2006 年も、職員の募集、選定およ
ダの不可欠な構成要素である
14
つかの新たなワークショップが導入され、技術面・業務面
理
事
会
報
告
での技能開発に関する幅広い訓練プログラムに加え、リー
ダーシップと説明責任を強化するリーダーシップ・コーチ
ングが実施された。駐在員事務所のローカル・スタッフに
対して、ジョブ・ローテーションの試験運用が実施された。
多様性およびジェンダーに関する感受性研修等、インク
ルーシブ(非排他的)かつ女性に優しい環境を創造すると
いう目標を引き続き支持する取り組みを行った。
人員
2005年末時点におけるADBの職員数は2,456名であり、
出身国は 64 の加盟国のうち 53 カ国に及んでいた。このう
ち専門職員は 887 名、ローカル・スタッフは 1,569 名であ
り、そのうち 342 名(約 17.2%)は現地事務所に配属され
ている。2005 年には新たに 95 名の専門職員が採用され、68
名が退職した。ローカル・スタッフは 137 名が採用され、
102 名が退職した。女性専門職員の数は増えたが、全専門
職員に占める割合は低下した。女性専門職員の数は、2004
年末時点で 255 名(全専門職員の 29.8%)だったのに対し、
2005 年末時点では 259 名(同 29.3%)であった。
新たな業績開発計画により、職員の業務計画と ADB の主な成果と
の整合性が高められる
— 2005 年末時点における ADB の職
報酬
市場主導の報酬制度に従い、理事会は 2006 年について、
専門職員を対象とする 3.4%(加重平均ベース)の昇給およ
員数は 2,456 名で、出身国は 64 の加盟国
のうち 53 カ国に及んでいた
び年金に加算されない 0.9 %の臨時ボーナスを含む給与予
算を承認した。理事会はまた、本部のローカル・スタッフ
および事務職員を対象とする 10.9%(同)の昇給、25 カ所
の現地事務所のローカル・スタッフと事務職員については
の差額は主に、地震および津波の被災地域に緊急援助を実
10.8%(同)の昇給を承認した。
施したにもかかわらず、人件費、出張費と管理費が予想を
理事会は 2005 年 11 月に、専門職員の「報酬および手当
下回ったことから生じた。差額の一部は、コンサルタント
の包括的レビュー」について協議し、専門職員の給与設定
および職員の転勤にかかる予算超過により相殺された。業
方法の変更を承認した。世界銀行に加えて、欧州復興開発
務評価局の人件費が予想外に増加し、理事室の転勤費用が
銀行が比較対照に追加された。給与予算の増加分は、2 つの
予想を上回ったため、一般臨時費予算からおよそ 70 万ドル
構成要素に分けられる。業績に基づいて配分される昇給額
が移転された。
と、業績・開発計画の下で特に優秀と評価されたスタッフ
に提供される年金不可算の臨時ボーナスである。理事会が
2006 年の内部管理予算は 3 億 1,290 万ドルで、これには
1%の一般臨時費用(概要は付録 10 を参照)および多国間・
協議し、経営陣が承認した手当の変更には、スタッフ年金
二国間機関の信託基金の管理により回収可能と見積もら
制度および年金受給者向け集団医療保険の変更ならびに
れる純額 380 万ドルが含まれる。2006 年予算は、専門職員
海外駐在員の住居、帰国および教育支援に関する諸手当の
の純増を伴わない「実質ゼロ成長」シナリオの下で作成さ
細かい変更が含まれる。
れた。2005 年予算からの名目増加率は 5.3%であるが、こ
れはすべて物価の上昇に起因する。この「実質ゼロ成長」予
内部管理予算
算を達成し、優先順位の高い 2006 年の業務プログラムに必
2005 年における内部管理支出は 2 億 9,430 万ドルとな
り、当初予算の 2 億 9,980 万ドルを 550 万ドル下回った。こ
要な資源を確保するため、専門職員の認可済み定員数およ
び一部の裁量的支出に対して一律 5%の削減が適用された。
15
理
事
会
報
告
2006 年予算は優先順位の高い業務プログラムに向けて
支出される。主なイニシアティブには、
( i ) D M C s の優先
ニーズに応えることを目的としサブソブリン主体および
2005 年 11 月、ADB は ISO 14001 および OHSAS 18001
の 2 年次サーベイランスに合格し、それぞれの認証を維持
した。これにより、ADB の環境、健康および安全に関する
ノンソブリン主体への貸付を含む OCR 貸付の拡大、(ii) 現
管理システムが国際基準に合致していることが確認され
在 ADB の支援を受けていない DMCs の支援を目的とした
た。
民間セクター業務の拡大、( i i i ) プロジェクトの実施および
総務部はまた、自己予約ツール「i-travel」を導入・管理
その他の機能の駐在員事務所への委譲によるポートフォ
し、職員が必要なときにいつでもオンラインで出張の予約
リオ管理の強化、(iv) 信用リスクの評価および管理の強化、
を入れられるようにした。昨年実施された他の事業として
(v) 地域内・準地域内の協力および統合の強化、(vi) 改革ア
は、調達手続および外注機会の改善ならびに最新の印刷技
ジェンダの下での開発成果マネジメントおよび人材戦略、
術へのアップグレードが挙げられる。
これらの全行レベルの取り組みについては、いずれも
( v i i ) トレッドウェイ委員会組織委員会フレームワーク、
(viii)ナレッジ・マネジメント行動計画および情報公開政策 「バランス・スコアカード」および「シックス・シグマ」に
の実施が含まれる。これらのイニシアティブを支えるため
よる管理を行った。この 2 つの枠組みは現在、業務プロセ
の予算増は、他分野での予算削減、交換取引、生産性の向
ス管理を改善するために業務の質を把握するツールとし
上、および各種の効率改善措置を通じて手当てされる。
て利用されている。
2006 年予算には内部管理費に加え、410 万ドルの年間設
備投資予算が計上されている。これは主に、本部の施設お
情報システムとテクノロジー
よび IT 機器に関する定期的設備投資、ならびに現地事務所
情報システム技術部は、必要に応じて知識および情報に
による設備等の取り替えおよび取得ニーズに対応するも
対するアクセスを提供し、情報システム、技術インフラおよ
のである。
び情報技術ガバナンスという 3 つの主要分野における ADB
の目標を支援している。
総務事務
同部は情報技術ガバナンスの考え方に基いて最近再編
2005 年中、総務部は安全かつ良好な職場環境を維持する
成され、技術課、ソリューション開発課、インフラ・ユニッ
ため、いくつかの大規模なイニシアティブを実施した。
「保
トおよび業務プロセス支援ユニットという 4 つの業務部門
安強化・アクセス管理事業」
(理事会が 2004 年 4 月に承認
が設置された。
した特別資本予算事業のひとつ)の下で、本部ビルの出入
「情報システム技術戦略(第 2 期)」の一環として、情報
り口 6 箇所がすべて改修され、年中無休でタイムリーな情
技術分野の効率改善を目指すいくつかの取り組みが開始
報を提供する保安業務センターが設置された。同事業はま
された。最も重要なのは、既存技術の簡素化と統合を目的
た、2005 年 2 月に承認された「事業継続性戦略」の開発に
とするインフラ最適化イニシアティブである。これによ
つながった。リスクの発生確率とリスク・イベントの影響
り、業務の方向性に合致するエンタープライズ・アーキテ
の軽減を目指す同戦略は、ADBの業務プロセスに影響する
クチャに向けてADBの情報技術環境が合理化され、費用効
不測の事態に遅滞なく対応することを主眼としている。
果が高まることが期待される。
情報システムについては、同部はナレッジ・マネジメン
ト・センターおよび地域協力・持続的開発局と緊密に協力
して、意思決定およびナレッジ・マネジメントを支援する
より良い情報共有の要件を特定しつつある。
— 2006 年予算は、専門職員の純増を
伴わない「実質ゼロ成長」シナリオの下で
作成された。2005 年予算からの名目増加
率は 5.3%であるが、これはすべて物価の
上昇に起因する
16
て全会一致で選出され、2005 年 2 月 1 日に就任した。ジョ
管理体制
セフ・アイケンバーガー副総裁は 2005 年 12 月 31 日をもっ
総務会と理事会
て任期を終了し、総務会は C・ローレンス・グリーンウッ
ADB の最高政策決定機関は、加盟国各 1 名の代表で構成
ド・ジュニア氏を後任に選出した。グリーンウッド氏は
される総務会である。年 1 回の総務会では 2 年任期の理事
12 名が選出され、理事はそれぞれ理事代理を任命する。5
2006 年 2 月 28 日に就任した。
2005 年、理事会は正式の会合を 49 回、状況説明、ディ
年任期の総裁は総務会によって選出され、理事会議長も兼
スカッション・セミナー、プレゼンテーションなどの非公
務する。総裁は 4 名の副総裁と事務総長の補佐を得て ADB
式会合を 38 回開催した。理事会のメンバーは、インド、モ
の運営に当たる。(総務および役員の最新名簿については
ルジブおよび中央アジア 3 カ国を公式に訪問した。
付録 4 と付録 5 を参照。)
年次総会は、2005 年 5 月 4 日から 6 日にかけてトルコの
新総裁には、黒田東彦氏が 2004 年 11 月の総務会におい
イスタンブールで開催された(17 ページ参照)。
第 38 回年次総会
総務会の第 38 回年次会合は、2005 年
5 月 4 日から 6 日にかけてトルコのイス
の枠組みにおいて政策・手続を合理化
賞賛し、 ADF IX の無償資金の利用
し、新たな融資商品を開発し、業務の
は、ADB の開発効果に対する全体的
タンブールで開催された。
焦点を明確化し、コスト面での競争力
なコミットメントに沿うものでなけれ
を確保するという ADB の計画を歓迎
ばならないと述べた。
総務会は、アジア開発途上国が開発の
新時代に入ったことが認識した。この新
時代の特徴は、ダイナミックな成長、相
互依存の高まり、そして世界経済におけ
るアジア地域の重要性がかつてないほど
高まっていることである。また、経済状
況は一般的に上向きであったが一様では
した。
• 各国政府、開発パートナーおよび民間
年次総会には、国際機関、二国間援助
セクターと協力して、
域内のインフラ
機関、国際金融業界、市民団体の代表者
に関する大きな課題に取り組むことを
を含む約 2,500 人が参加した。第 39 回
ADB に強く要請した。
年次総会はインドのハイデラバードで
なかったこと、国内および地域内部で経
• ADF 第 8 次財源補充(ADF IX)にお
済・社会開発の大きな格差が残っている
ける無償支援の導入について ADB を
開催される。
こと、そして所得以外の貧困削減が多く
の国で遅れていることも認識された。
総務会は、アジア太平洋地域における
貧困削減と MDGs の達成に向けた固い
決意を表明し、貧困のないアジア地域と
いうビジョンを再確認した。
総務会はさらに以下を行った。
• ADB が 2004 年末の津波被害に迅速
に対応し、リーダーシップを発揮した
ことに対して強い感謝の意を表明し
た。
• 開発成果マネジメントの重要性を再
確認した。
• 地域協力および地域統合についてよ
年次総会には、国際機関、二国間援助機関、国際金融業界、市民団体の代表者を含む
約 2,500 人が参加した
り積極的な役割を果たすとの強い決
意に注目し、地域経済統合室の設置を
歓迎した。
• D M C s に対する純資源移転がマイナ
スになったことに関する ADB の懸念
を共有し、明確に定義された中期戦略
——– 総務会は貧困のないアジア太平洋地域を実現す
るため、貧困削減および MDGs の達成に向けた固い
決意を表明した
17
理
事
会
報
告
理
事
会
報
告
理事会委員会
理事会には 4 つの常任委員会が設けられている。委員に
ついては付録 6 を参照のこと。
通常業務、ADF 無償、マルチトランシェ融資ファシリティ
および緊急援助の各プログラムに関する最新の予測が提
供された。委員会は、
「実質ゼロ成長」予算が業務の拡大、
新イニシアティブの実施、そして中期戦略に与える影響に
監査委員会
監査委員会はその権限の範囲内で、 ADB の業務と活動
を横断する様々な問題点を特定・検討した。論点のひとつ
であった四半期ごとの財務諸表は、ADBの財政の健全性を
吟味し純収益の動向を把握するため、綿密に分析された。
ついて懸念を表明した。委員会は、業務計画には十分な資
源が配分されており、その目的および目標の達成が妨げら
れることはないとの説明を受けた。
委員会は ADB 研究所の業務計画および 1,420 万ドルの
2006 年予算案を検討し、その承認を勧告した。
委員会は、金融派生商品に関する会計の原則と実践を対象
「事
とする「財務会計基準 133 号(FAS133)」の実施状況、
遵守状況審査委員会
業継続性計画」の一環としてのバックアップ手続を含む内
「説明責任体制」
(19 ページ参照)の下で設置された遵守
部統制手続の有効性と効率性、および不正・汚職防止措置
状況審査委員会は、遵守状況審査パネルが審査を行う際の
の監視を続けた。
委託条件や期間を承認し、理事会が承認した是正措置の実
委員会は、関連する ADB の部局と共に自らの委任事項
施に関するパネルの報告書草案を最終決定の前に検討す
を見直し、他の国際開発金融機関の委任事項との整合性を
る。委員会は 2005 年中に、スリランカの「南部交通網開発
高める改訂を行った。委員会の役割はより具体的になり、
プロジェクト」の下で要請された遵守状況審査の委託条件
リスク管理ならびに調達政策および調達手順が内部統制
および、
「チャシュマ右岸灌漑プロジェクト(第 3 期)」の
レビューの対象に含められた。委員会は、イスタンブール
審査要請に関する是正措置実施状況のモニタリング報告
年次総会において、独立したリスク管理ユニットの新設に
書草案 3 件を検討した。この委託条件およびモニタリング
関する総裁のイニシアティブを支持した。
報告書は、パネルのウェブサイトに掲載されている
(www.compliance.adb.org)。
予算検討委員会
予算検討委員会は「拡大離職プログラム」について協議
開発効果委員会
し、これは後に理事会で承認された。委員会は、同プログ
ADB の業務評価プロセスの独立性を確保するため、業
ラムが人材戦略に即して人的資源を調整するための柔軟
務評価局が開発効果委員会を通じて理事会に直接報告を
性をどのようにして提供するのかを明らかにした。
行う体制が 2004 年 1 月 1 日に導入された。
委員会はまた、自らの委任事項を協議・修正し、会合へ
委員会が関心を寄せる分野は時と共に変化するが、経営
の副総裁の参加の必要性を反映させると共に、業務計画と
陣が受け入れた評価の勧告内容が改善を目的としてどの
予算枠組みを決定する前に戦略的な方向を協議できるよ
ように実施されるか、インパクトがどのように監視されて
うにした。また、コスト情報の改善努力とその進捗を検討
いるか、そして業務評価局がどうすればより戦略的な役割
した。委員会は、業務計画と予算枠組みは、ADB がより強
を果たせるか、といった点が含まれる。
力な結果フレームワークを採用して有効性を高めるため
「情報公開政策」に従い、すべての評価報告書は、理事会
のビジネス・プランの一つとして捉えるべきだと述べた。
および経営陣への配布が済み次第、ADBのウェブサイトに
委員会は、本部の業務が非常事態によって中断された場
掲載される。報告書と勧告に対する経営陣の反応、および
合に代替業務施設として機能する事業継続性施設に関す
委員会が業務評価局の主要報告書を討議した内容の議長
る特別資本支出案を検討した。同案は後に理事会により承
要約も、作成され次第ウェブサイトに掲載される。
認された。委員会はまた、2006 年の内部管理費予算および
委員会はその検討と討議の焦点を、個別プロジェクトの
年間設備投資予算の承認を勧告した。予算作成の指針と
評価から、国、セクター、テーマ、政策というより高次の
なったのは「実質ゼロ成長」の原則であった。
レベルでの大局的な評価に移した。そのため、2005 年の委
委員会は、2006 年予算の協議中に、予算草案における全
員会の議題においては、そうした大局的な調査のみが対象
体的な貸付プログラム予測の見直しを要請し、結果的にこ
とされ、プロジェクト・レベルのものは含まれなかった。委
れらの予測は上方修正された。これを受けて、委員会には、
員会は初めて、ポートフォリオ・パフォーマンスに関する
18
理
事
会
報
告
説明責任体制
ADB の「説明責任体制」は、開発効果、
る人は、遵守状況審査パネル(h t t p : / /
合意書の実施に関する経過報告書を提
プロジェクト品質および業務の透明性
compliance.adb.org)に遵守状況審
出することとされた。
の向上を目的としている。同体制には協
査を要請することもできる。パネルは申
2004 年 12 月、遵守状況審査パネルは
議および遵守状況審査という 2 つの機能
請が適格かどうかを判断し、理事会の同
スリランカの「南部交通網開発プロジェ
があり、前者は問題解決、後者は ADB の
意を得て遵守状況審査を実施する。遵守
クト」について遵守状況審査の申請を受
政策や手続に違反があったとの申し立
状況審査パネルはこれらの事項につい
理した。パネルは、このプロジェクトに
てを調査するためのものである。
て、 ADB 理事会に直接報告を行う。
おいて、 ADB のいくつかの政策および
ADB が支援するプロジェクトにより
特別案件促進部は、南カリマンタンの
手続の違反があったと認定した。対象と
悪影響を被る人は、この体制を通じて、
5 つの村から、インドネシアにおける「農
なった政策・手続には、非自発的移住、環
ADB 総裁に直接報告を行う特別案件促
村開発のためのコミュニティ・エンパ
境配慮、ジェンダーと開発、および ADB
進部(www.adb.org/SPF)に苦情を申
ワーメント・プロジェクト」に関する苦
業務における社会的配慮に関するもの
情を受理し、 2005 年にそれが適格であ
が含まれる。理事会は 2005 年 7 月に、パ
本体制の協議機能においては、全当事
ると判断した。全関係者による準備会
ネルの最終報告書に盛り込まれた勧告
者間の合意が追求される。事実調査、会
合、共同事実調査、および複数の利害関
を承認した。パネルは現在、ADB 経営陣
議、座談会、利害関係者との協議および
係者との協議を内容とする行動方針が
による是正措置の実施を監視している。
その他の状況に合わせた適切な手段を
合意された。
し立てることができる。
2005 年 9 月末、当事者は 5 つの村を
含む、問題解決の場とプロセスが提供さ
れる。
これとは別に、 ADB がその政策や手
パネルはまた、パキスタンの「チャ
シュマ右岸灌漑プロジェクト(第 3 期)」
対象とする村落合意書に署名し、協議段
に対する審査要求を受けて理事会が承
階は終了した。インドネシアの 3 つの
認した是正措置の実施を監視した。
続を遵守しなかったことによってプロ
NGO が仲介者として重要な役割を果た
特別案件促進部および遵守状況審査
ジェクトによる悪影響を受けたと考え
した。当事者は、 2006 年 1 月末までに
パネル部は、政府当局、市民団体、民間
セクター、学会、および ADB 職員と共
に、9 カ国におけるアウトリーチ活動を
強化した。
— ADB が支援するプロジェクトによって悪影響
を被る人は、この体制を通じて苦情を申し立てること
ができる
遵守状況審査パネル部は「第 2 回説明
責任機構会議」を主催し、様々な開発機
関の説明責任機構の代表者 18 名が参加
した。
年次報告書で特定された重要な戦略課題に対応するため
の包括的な行動計画の作成を経営陣に勧告した。経営陣は
この勧告に前向きに対応し、かかる行動計画についてのモ
ニタリングと理事会への報告を約束した。
19
理
事
会
報
告
— ADB が DMCs に支援を提供する
債務負担の軽減、紛争から平和と安定への移行および HIV
ための主な手段は、政策対話、貸付、出資、
/エイズその他の感染症対策を支援するために提供され
保証、無償援助および技術援助である
ている。
ADB はまた、日本奨学生プログラム、貧困削減日本基金
および情報通信技術日本基金を管理・運営している。これ
には、技術援助および貸付のソフト部分を支援するために
二国間および多国間ドナーが提供する無償援助が含まれ
る。最近では、技術援助業務と貸付プロジェクトの特定部
2005 年の融資業務
分を支援するために、ジェンダーと開発、ガバナンス、貧
困削減、水資源、エネルギーおよび環境を焦点とするテー
財源
授権資本と応募済資本は 502 億ドルであった。 ADB は
マ別信託基金が設立されている(41 ページ参照)。
無償援助や貸付の資金を用いて提供される技術援助は、
総額 42 億ドルの長期資金を調達し、そのうちの 10 億ドル
ADBによる開発効果の最大化に貢献している。無償技術援
は国際公募債によるものであった。
助は、プロジェクトの準備、法律・政策の改革、財政に関
収入および純実現利益を含む総収益は 14 億ドルで、この
する政策・手続の強化、グッド・ガバナンス、能力開発、天
うち貸付案件からの収益が 10 億ドル、投資案件からの収益
然資源管理などの分野における助言活動および地域別活
が 3 億 7,530 万ドル、その他からの収益が 3,630 万ドルで
動の支援に活用されている。
あった。その他からの収益のうち、2,450 万ドルは出資業務
ADB はトリプル A に格付けされ、公的機関、民間組織、
によるものである。
輸出信用機関からの協調融資を通じて積極的に資金を調
ADB の特別基金の内訳は、2005 年の約定済み財源を含
む ADF1 が 26 億ドル、技術援助特別基金が 1 億 9,550 万ド
ル、日本特別基金が 3,430 万ドル、ADB 研究所特別基金が
1,390 万ドル、アジア津波基金が 5 億 7,860 万ドル、パキ
スタン地震基金が 8,550 万ドルであった。
達している。ADB が DMC を支援することにより、民間セ
資金調達
業務概要
貸付累計の約 72.9% は通常資本財源(OCR)によるも
ので、OCR の主たる原資は、私募および資本市場からの借
入、株主からの払込資本金、リスクを吸収する累積利益剰
余金(準備金)の 3 つである。
ADB が DMCs に支援を提供するための主な手段は、政
クターにも発展の道が開かれる。ADBは民間の投資家や金
融機関を支援するため、民間セクターのプロジェクトにも
資金を直接提供している(w w w . a d b . o r g / a b o u t /
fnncemgt.asp)。
2005 年、ADB は 64 件のプロジェクトに対する 72 件・
計 58 億ドルの貸付、 10 件・計 2 億 1,710 万ドルの出資、
2 件・計 6,840 万ドルの保証、51 件・計 12 億ドルの無償援
助プロジェクト、そして 299 件・計 1 億 9,870 万ドルの技
術援助業務を承認した。これらをすべて合計した支援総額
策対話、貸付、出資、保証、無償援助および技術援助であ
は74億ドルとなった(24ページ参照)。これに加えて、ADB
る。
は 2 件・計 15 億ドルのマルチトランシェ融資ファシリティ
ADB はパフォーマンスの改善を目的として、様々な形
を承認した。
態および条件の貸付を提供している。
貸付は特別基金からも行われている。アジア開発基金
(ADF)からは、1 人当たり GNP および債務返済能力が低
い加盟国に対して譲許的条件で貸付が行われる。ADF は、
貸付
政府保証付き貸付については、58 件のプロジェクトおよ
びプログラムに対する 65 件・計 53 億ドルのローンが承認
アジアの経済社会開発に特化した国際開発金融機関の譲
された。このうち 39 億ドルが OCR からの 25 件の貸付、14
許的基金としては唯一の存在である。ADF の財源は、供与
億ドルが ADF からの 40 件の貸付であった 1。貸付総額は
国からの定期的な任意拠出金である。現行の ADF 第 8 次財
2004 年の 50 億ドル弱から 6%増加した(OCR 貸付の増加
率は 4.9%、ADF 貸付は 11%)。政府保証を伴わない民間
セクターへの貸付は、7 件のプロジェクトに対して 7 件が供
与され、その総額は 5 億 3,600 万ドルであった。5 件のプロ
源補充プログラムの規模は 70 億ドルで、対象期間は 2005
年 1 月 1 日から 2008 年 12 月 31 日までである。
ADF 第 8 次財源補充の無償資金は、各国による開発金融
20
理
事
会
報
告
2005 年に行われた借入人との協議において、各国は、 ADB が貧困削減プログラムに対する支援を拡大する必要性を強調した
ジェクトに対して 5 件・計 2 億 9,250 万ドルの貸付が行わ
政策ベース貸付 2 の承諾は、2004 年が 14件・計 11 億 2,000
れた 2004 年から、金額ベースでは 83.2%の増加となった。
万ドルだったのに対し、2005 年は 10 件・計 11 億 4,000 万
2005 年に承認された公共および民間セクターのプロジェ
クトおよびプログラム 64 件のうち、16 件(25%)はター
ゲットを絞った介入、48 件(75%)は一般的介入に分類さ
ドルとなった。2005年に承認された2件のプログラム・ロー
ンは、投資プロジェクト貸付または技術援助貸付と組み合
わされた。
れた。テーマの中で最も優勢だったのは持続可能な経済成
長で、53 件のプロジェクトに関連していた。セクターの中
で最大のシェア(30%)を獲得したのは運輸・通信セクター
であった。
公共および民間セクターのプロジェクト 54 件の総投資
出資
出資案件の承諾は、2004 年が 11 件・計 1 億 6,400 万ド
ルだったのに対し、2005 年は 10 件・計 2 億 1,710 万ドル
であった。
額は約 197 億ドルとなった。そのうち 51 億ドル(26%)は
ADB、 44 億ドル(23%)は政府および借入人、 101 億ド
ル(51%)は協調融資機関、出資者および現地の金融機関、
5,070 万ドル(0.3%)はプロジェクトの受益者により提供
される。セクター融資の実績は、2004 年が 7 件・計 13 億
ドルだったのに対し、2005 年は 8 件・計 10 億ドルであった。
— テーマの中で最も優勢だったのは
協調融資と保証
ADB は、開発途上加盟国への支援を二国間パートナー、
国際金融機関、輸出信用機関および民間金融機関の資金に
よって補完するため、協調融資を積極的に促進している。
2005 年末現在、ADB の協調融資業務によって調達された
外部資金は 74 億ドルに上っている。そのうち 52 億ドルは
国際銀行、国内銀行および輸出信用機関からの民間協調融
資、18 億ドルは公的貸付による協調融資、3 億 5,260 万ド
持続可能な経済成長で、53 件のプロジェ
ルは二国間および多国間開発パートナーからの協調無償
クトに関連していた。セクターの中で最
援助であった。このうちADBの財務管理サービスまたは信
大のシェア(30%)を獲得したのは運輸・
通信セクターであった
用補完サービスを通じて調達された協調融資は 3 億 2,290
万ドルに上った。その内訳は、民間貸付に対する信用補完
(保証)が 6,840 万ドル、公的貸付の部分的管理サービスが
21
理
事
会
報
告
3,050 万ドル、プロジェクト無償の完全または部分的管理 ルチトランシェ融資ファシリティが承認された 3 。対象は、
サービスが 2 億 2,400 万ドルであった。
パキスタンの「国道開発セクター投資プログラム」
(7億7,000
「貧
万ドル)およびインドの「地方道路セクター投資プログラム
加えて、ADB は 2 つの新たな信託基金を設立した。
」
(7 億 5,000 万ドル)である。これらのファシリティ
困削減・地域協力中国基金」
(2,000 万ドル)および「アジ (第 2 期)
(1,280 万ドル) からの貸付承認は、2006 年に開始されると予想される。
ア太平洋地域 HIV /エイズ対策協力基金」
である。両基金は設立時の資金拠出額 3,280 万ドルに加え、
財源の移転
5,720 万ドルの拠出により補充された。
2005 年には貸付実行に改善が見られたものの、クライア
無償援助
ントへの貸付は過去 10 年間伸び悩んでいる。同年に実施さ
ADB は 51 件・計 12 億ドルのプロジェクト無償を承認し れた借入人との協議において、各国は、ADB が貧困削減プ
た。総額のうち、2 億 4,660 万ドルは ADF 第 8 次財源補充、 ログラムの支援を拡大する必要性を強調した。理事会はク
5 億 7,000 万ドルはアジア津波基金、8,000 万ドルはパキス ライアントの要求に応えるため、革新・効率性イニシア
タン地震基金、2 億 5,470 万ドルは ADB が完全または部分
ティブの下で様々な新融資制度および業務手続の改革案
的に管理する協調融資財源から供与された。協調融資の内
を検討した。
訳は、貧困削減日本基金が 2,840 万ドル、地球環境ファシ
ストラリア、カナダ、フィンランド、オランダ、ニュージー
DMCs から ADB への財源の純移転は、2004 年の 21 億
ドルから 2005 年には 4 億ドルに減少した。OCR 借入人/
投資家から ADB への純移転額は 10 億ドル(2004 年は 26
億ドル)となった。その主な要因は、17 億ドルの韓国向け
ランド、ノルウェー、スウェーデン、英国および欧州委員
金融セクター・プログラム・ローンが完済されたことと、
会)が 2 億 1,180 万ドルであった。
の多国間および二国間ドナーから供与される。
OCR 貸付について 6 億ドルの期限前返済があった(2004
年は 28 億ドル)ことである。しかし、 ADB から ADF 借
入国への純移転額は 2004 年の 4 億 6,850 万ドルから 2005
年には 6 億 1,220 万ドルに増加した(統計付録の表 27 と表
28 を参照)。
2 0 0 5 年の貸付実行総額は 4 7 億円で、同年の目標額の
116.8%となった。そのうち OCR の実行額は 35 億ドル(74
%)、ADF の実行額は 12 億ドル(26%)であった(統計付
録の表 8、表 9、表 15 を参照)。
貸付返済額は、2004 年の 56 億ドルに対し、2005 年は 52
億ドルとなった。減少の主な要因は、期限前返済が 2004 年
の 28 億ドルから 6 億ドルに減少したことであった。ADB
からの純財源移転額が最大となった 4 カ国は、中国、イン
ド、パキスタンおよびベトナムであった(統計付録の表 27、
表 28 を参照)。
マルチトランシェ融資ファシリティ
民間セクター業務
リティが 1,210 万ドル、情報通信技術日本基金が 240 万ド
ル、ADBが管理する二国間・多国間ドナーの無償資金(オー
さらに、ADB が資金を供与した 7 件のプロジェクトに対
し、国際機関および二国間ドナーがADBの管理サービスを
受けないパラレル無償 1 億 2,860 万ドルを供与した。
技術援助
2005 年には 299 件・計 1 億 9,870 万ドルの技術援助が承
認された。このうち269件は新規案件、30件は追加案件だっ
た。2004 年の実績である 321 件・計 1 億 9,510 万ドルから、
金額ベースでは 2 %増加した。 299 件の技術援助案件のう
ち、68 件はプロジェクトの形成、152 件は助言、79 件は地
域支援を目的とするものであった。承認総額のうち、8,950
万ドルは技術援助特別基金、2,840 万ドルは日本特別基金、
200 万ドルはアジア津波基金、残る 7,900 万ドルはその他
新たな融資手法の下で、2 件・計 15 億 2,000 万ドルのマ
— ADBは2つの新たな信託基金(「貧
困削減・地域協力中国基金」および「アジ
ア太平洋地域 HIV /エイズ対策協力基
金」
)を設立した
22
ADB は 2005 年、民間セクター支援として、17 件・計 8
億 2,150 万ドルの金融市場プロジェクトおよびインフラ・
プロジェクトを承認した。介入の内訳は、出資が 10 件・計
2 億 1,710 万ドル、貸付が 7 件・5 億 3,600 万ドル、部分信
用保証が 1 件・1,840 万ドル、政治リスク保証が 1 件・5,000
万ドルであった。
セクター事業となる、ナムトゥン 2 電力会社向けの事業が
承認された。
A D B は 1 9 8 3 年に民間セクター業務を開始して以来、
191 件のプロジェクトに対し、累計で約 50 億ドルの支援を
承認してきた(あらゆる種類の介入を含む)。ADB の出資
および貸付の累計額 35 億ドルが触媒の役割を果たし、民間
セクター事業に約 316 億ドルの資金がもたらされた。すな
わち、ADB の投資のレバレッジ率は 5.4 倍ということにな
る。民間セクター事業に対する累計実行額は、これまでの
ところ 21 億ドルとなっている。
2005 年末現在、民間セクターに対する全体的なエクス
ポージャは約 1 7 億ドルである。この内訳は、出資が 5 億
9,820 万ドル、貸付が 7 億 3,220 万ドル、保証が 3 億 6,170
万ドルとなっている。ADBの民間セクターに対するエクス
ポージャは、インフラ部門が計 8 億 2,090 万ドルと最も大
きく、それに続く投資基金および金融機関部門が 7 億 4,230
万ドルとなっている。その他の全部門に対するエクスポー
ジャは 1 億 2,890 万ドルである。
国別に見ると、民間セクターに対するエクスポージャの
総額が大きいのはインド(17.1%)、中国(15.6%)、スリ
ADB は民間セクター向けの貸付および出資を通じて、自己資金の
10 倍近い外部資金を動員した
A D B は民間セクター向けの貸付および出資を通じて、
自己資金の 10 倍近い外部資金を動員した。2005 年、ADB
は民間セクター業務において、水資源、貿易、金融、中小
企業およびマイクロファイナンス銀行、資産担保証券市場
の開発、労働者の海外送金といった分野の能力開発を目的
とする技術援助を開始した。
ADB は、貧困削減に不可欠な民間セクターおよび経済
成長に対して国内資金を供給するための DMC の国内能力
を強化するべく、関連プロジェクトにおける官民パート
ランカ(11.5%)およびバングラデシュ(11.2%)である。
地域プロジェクトは全体の約 8.9%を占めている。
2005 年、 15 の民間企業に対する ADB の持株の全部ま
たは一部を売却したため、 5,340 万ドルの資金を新規投資
に利用できるようになった。期限前返済を含む同年の貸付
返済額は 5,470 万ドル、投融資実行額は合計 3 億 3,620 万
ドルとなった。
ADB は民間セクター業務におけるリスク管理を改善す
る方法を常に模索しつつ、出資および貸付にかかる損失引
当金を計上している。減損引当金を含む損失引当金は、
2005 年末現在、約 1 億 1,660 万ドルとなっている。投融資
残高に対する損失引当金の比率は 10.8%だった。
ナーシップを通じて戦略的な介入を行っている。これらの
プロジェクトは、基本的サービスの供給を改善し、貧困層
に拡大することを目的としている。民間セクター業務は依
然として比較的経済規模の大きい DMCs に限定され、将来
— ADB は 1983 年に民間セクター業
もそうだと思われるが、ADB は引き続き、様々な地域別お
務を開始して以来、累計で 191 件のプロ
よび国別戦略・プログラムで特定された優先順位に従いつ
つ、比較的小規模な借入 D M C s における機会を探ってい
ジェクトに対し、約 50 億ドルの支援を承
る。例えば、2005 年には、ラオスで最初にして最大の民間
認してきた
章末注
1
ADF 業務(貸付および無償援助)の総額は 16 億 2,000 万ドルとなった。
2
政策ベース貸付には、プログラム・ローンおよび、セクター開発プログラム・ファシリティの政策貸付部分が含まれる。
3
2005 年には、総費用が 10 億ドルを超えたプロジェクトが 4 件あった。 2004 年には、これほどの規模のプロジェクトはなかった。
23
理
事
会
報
告
24
25
26
27
理
事
会
報
告
経営陣
黒田東彦
総裁
Liqun Jin
副総裁
28
Geert van der
Linden
Khempheng
Pholsena
C. Lawrence
Greenwood, Jr.
副総裁
副総裁
副総裁
Young-Hoi Lee
Jeremy Hovland
事務総長
官房長
理事会
理
事
会
報
告
Volker Ducklau
David Taylor
Emile Gauvreau
Pasi Hellman
理事
理事代理
理事
理事代理
Sibtain Fazal
Halim
Marita MagpiliJimenez
理事
理事代理
オーストリア、ドイツ、ルクセンブルク、
トルコ、英国
カナダ、デンマーク、フィンランド、
オランダ、ノルウェー、スウェーデン
カザフスタン、モルジブ、マーシャル諸島、
モンゴル、パキスタン、フィリピン、
東ティモール
Agus Haryanto
Richard Stanley
Chol-Hwi Lee
Batir Mirbabayev
大村雅基
水野敦
理事
理事代理
理事
理事代理
理事
理事代理
クック諸島、フィジー、インドネシア、
キルギス、ニュージーランド、サモア、トンガ
韓国、パプアニューギニア、スリランカ、
台湾、ウズベキスタン、バヌアツ、ベトナム
日本
Patrick Pillon
Niklaus Zingg
Ashok Saikia
Nima Wangdi
理事
理事代理
理事
理事代理
Stephen
Sedgwick
Richard Moore
理事代理
理事
ベルギー、フランス、イタリア、ポルトガル、
スペイン、スイス
アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、
インド、ラオス、タジキスタン
オーストラリア、アゼルバイジャン、カンボジア、
ミクロネシア連邦、香港、キリバス、ナウル、
パラオ、ソロモン諸島、トゥヴァル
Paul W. Speltz
Paul W. Curry
Sein Tin
Xiaosong Zheng
Xiaolong Mo
理事
理事代理
Chaiyuth
Sudthitanakorn
理事代理
理事
理事代理
理事
米国
マレーシア、ミャンマー、ネパール、
シンガポール、タイ
中国
29
2005 年の
業務概要
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
成長の促進、貧困との闘い
2005 年はアジア太平洋地域にとって、ある意味では悲劇の
年であった。インド洋津波の被災者が破壊された生活のかけ
らを拾い集めるなかで年が始まり、南アジア大地震で家を
失った人々がヒマラヤの冬から身を守る場所を探すなかで年
が終わった。
ADB はこれらの自然災害に迅速かつ柔軟に対応し、津波被
災国には 8 億 5,000 万ドル以上、パキスタンには 10 億ドルの
支援パッケージを提供した。いくつかの地域では遅れも見ら
れたが、初期の支出は道路、発電施設等の主要インフラの再建
に集中した。ADB は、災害対応におけるプロジェクトの迅速
な実施および開発パートナーとの緊密な協力(34ページ参照)
を確保し、鳥インフルエンザ・ウィルスの流行を抑止するべく
(38 ページ参照)集中的な努力を行った。
その一方で、2005 年の業務全体においては、経済成長の加
速に対する障壁を取り除くために必要な物理的インフラに焦
点を当てた。経済成長は、生計機会の貧困層への拡大を支援す
る相補的なサービスおよび活動と結びつく場合には、貧困削
減努力における重要な要素となる。
開発事業に対する民間セクターの支援を引き出すことは
ADB の業務における 5 つの重点テーマのひとつであるが、
ADB はこのために、投資家のためらいを取り除く可能性のあ
るリスク軽減商品を含む、新たな方策を見いだした。開発途上
国の多くは、海外および国内双方の民間市場による関与を高
める上で、まだ発揮されていない大きな潜在力を有している。
国際開発金融機関はこの潜在力を解放し、インフラ事業に対
する巨大な資金ギャップを埋めるための支援を行うことがで
きる。
30
ADB のインフラ事業、
特に道路事業は民間企業の
投資促進に役立つ
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
31
同様に、ADB は第 2 の主要開発テーマである「能力開発」
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
のプログラムは協力および開発効果の強化に関するモデル
の下で、ソフト面でのインフラ整備を継続した。力強い経
となった。同プログラムでは、今後 2 年間の地域協力プロ
済成長を確保するには、財産権を守り、開放性を促進し、財
ジェクトのために計約 10 億 5,000 万ドルの資金が動員され
務ガバナンスを改善し、資本市場を強化することが必要で
たのに加え、中央アジアにおける協力推進に役立つ膨大な
ある。
知識基盤が構築された。
例えば、 ADB の地域プログラムのうち最も進んでいる
ADBはこうした努力を通じて、各国による力強い経済成
長の達成、および 2015 年までに貧困を削減するとの国際的
に合意された MDGs の達成を支援している。
「大メコン河流域圏経済協力プログラム」(GMS プログラ
しかし、アジアでは、他のどの開発途上地域よりも多く
ム)は、健全なインフラ基盤の整備を着実に進めることで
の人が栄養失調に苦しみ、スラム環境に住み、上下水道へ
メコン河流域における共同体意識の構築に貢献し、他分野
のアクセスを欠いている。貧困層が直面する問題を軽減す
への拡大も始まっている(63 ページ参照)。パートナーシッ
るため、ADB の貸付プログラムでは、教育、ガバナンス、
プの力を認識した ADB は、地域協力をさらに進めるため、
エネルギー、環境、水資源、金融、社会開発および保健を
他のテーマ分野には、地域協力・統合、ジェンダーと開
発、そして環境が含まれる(37 ∼ 43 ページ参照)。
「中央アジア地域経済協力プログラム」の下で、8 カ国およ
び 6 つの国際機関からなる同盟を形成した。その結果、こ
含むいくつかのセクターにも焦点が当てられている。
例えば、バングラデシュとカンボジアの保健サービスの
改善を目指す官民パートナーシップは、大いに成功してい
る。双方のケースにおいて、非政府組織(NGOs)が公営
診療所における保健サービスの供給改善に関与している
— ADB は第 2 の主要開発テーマであ
る「能力開発」の下で、ソフト面でのイン
フラ整備を継続した
(68 ページ、 89 ∼ 90 ページ参照)。
また、ADB が管理運営する貧困基金を通じて、長年にわ
たり、何百もの工夫に富んだプロジェクトが実施されてき
た(41 ページ参照)。特に傑出しているプロジェクトの一
つとして、貧困削減日本基金から資金が提供され、企業主
導の NGO であるフィリピン・ビジネス社会開発財団が実
施した「都市部における貧困削減のための民間セクター戦
略パートナーシップ」が挙げられる。同 NGO は、マニラ
都市圏においてスラム環境および都市部貧困層の生計を改
善する上で、数多くの目覚ましい成功を収めている(101
ページ参照)。
ADBの貧困削減努力を支援するその他の基金には、英国
の資金供与による「貧困削減協力基金」
(41 ページ参照)お
よびオランダ政府の資金供与による「国家貧困削減戦略策
定・実行支援協力基金」等がある。
ADB は貸付業務全体を通じて、貸付業務の 5 つの優先
テーマの 2 つである環境問題および、不利な条件に置かれ
ている女性その他の集団に影響する問題を、特に重視する
べく努めている。環境に対する配慮はすべての貸付に反映
されているが、いくつかの案件は、中国等における環境配
慮を高度経済成長の要求と折り合わせることを目的として
いる(ページ 56 ∼ 57 参照)。
ラオスのナムトゥン 2 発電所のアクセス・トンネル。GMS は健全
なインフラ基盤整備に向けて着実に進歩している
32
インフラストラクチャー
過去数年間と同じく、2005 年の貸付の多くはインフラ投
資に向けられた。このカテゴリーは、 ADB の貸付ポート
フォリオ全体の約 60%を占める。 2005 年に承認されたこ
れらの貸付のうち、30%弱という最大の比率を占めたのは
2 0 0 5 運輸・通信関連のプロジェクトであった。エネルギー関連
プロジェクトに対する貸付は全体の約 18%、上下水道・廃
年
の
業
務
概
要
棄物管理は全体の 11%だった。
2005 年のハイライトの一つは、ラオスの「ナムトゥン 2
水力発電プロジェクト」である。この事業は、インフラの
みならず、民間セクター、地域協力、利害関係者との協議、
そして開発機関および金融機関の間の緊密な協力が重要
であることを浮き彫りにした。本事業完成の暁には、タイ
には大いに必要とされる電力が、ラオスには大いに必要と
される開発資金が供給される(69 ページ参照)。
インフラ整備によって経済成長の障害が取り除かれ、貧困削減が促
進される
しかし、アジアおよび太平洋の開発途上国では、インフ
ラ整備資金はいまだに必要額を大きく下回っている。東ア
ジアでは 1997 ∼ 98 年の金融危機後に民間投資が冷え込
中国の経験は、そうしたインフラに対する大規模な投資
み、インドネシアやフィリピン等の国ではそれが顕著で
がどれほど経済成長の支えとなり、貧困削減に役立つかを
あった。域内の比較的貧しい国には、依然として民間イン
示している。特に、運輸事業はボトルネックを解消し、新
フラ資金がほとんどあるいは全く流入していない。
市場への道を開くのに役立つ。ADB は 9 月に、河南省と陝
エネルギー、運輸、情報通信技術および上下水道に対す
る今後 10 年間の資金ニーズは、年間 2,500 億ドルを超える
西省をつなぐ近代的な鉄道の開発を目的とする多額の貸付
を承認した(55 ページ参照)。
と予想されている。ADB、世界銀行と国際協力銀行が 2005
これに対し、 インドネシアのあるインフラ向け貸付
年 3 月に発表した共同研究によれば、東アジアだけでも、高
(2005 年後半に承諾)は、貧しく、往々にして孤立した村
度成長を維持し、若年層向けの雇用を創出するためには、
落の生活水準を向上する ADB の努力の事例である。石油
今後 5 年間で 1 兆ドルのインフラ投資が必要である。東ア
価格の急騰および政府補助金の廃止による灯油価格上昇の
ジアにおける投資の大部分は依然として中国に集中して
影響緩和を目的とし、約 1,800 のコミュニティを対象とす
おり、その比率は約 80%となっている。
る政府の事業を支援するため、ADB は 3 年間で 5,000 万ド
A D B の 4 0 年間にわたるアジア太平洋地域への投資額
1,130 億ドルのうち、半分以上は運輸・通信、エネルギーお
ルを供与する。この貸付は、コミュニティ組織と協力しつ
よび上下水道の改善に向けられている。穴だらけの道、旧
および改修に対して資金を提供するもので、受益者は約
式の電話システム、脆弱な灌漑施設が使われ、飲料水源が
身近にない限り、商業は発達せず、貧困層が生活を改善す
200 万に達すると見られている(101 ∼ 102 ページ参照)。
ADBのインフラ向け貸付およびその他の貸付プログラム
ることもできない。
の詳細については、地域別の各章を参照されたい。
つ、道路、橋梁、灌漑システム、送水管や排水施設の建設
民間セクター開発
インフラその他のプログラムに向けた開発資金の調達は
— エネルギー、運輸、情報通信技術
および上下水道に対する今後10年間の資
金ニーズは、年間 2,500 億ドルを超える
非常に困難な課題であり、そのためには資金と専門知識の
双方において民間セクターの幅広いコミットメントが必要
である。しかし、その支援を獲得するには革新が必要であ
る。
と予想されている
33
ADB による被災地域支援
2005 年 10 月 8 日、パキスタン北部で
子供たちと一緒に家にいたサキナ・ビビ
2 0 0 5 さんは、山々が揺れるのを感じた。彼女
は当時を回想し、「この世の終わりだと
…そして、私たちは皆死ぬのだと思いま
年
の
業
務
概
要
した」と言う。「私はアッラーの名を叫
び、子供と一緒に外に走り出ました。そ
の数秒後には、家全体が崩れ落ちていま
した」
この大地震は、 2005 年の始まりと終
わりに起きた 2 つの大災害のひとつだっ
た。年が明けたのは、大津波がインド洋
沿岸部を襲い 20 万人以上の命を奪った
わずか数日後のことである。そして年の
暮れには、大地震を生き延びた数百万の
被災者がテント・キャンプでの越冬に直
面していた。
この 2 つの災害に共通していたのは、
ADB の迅速な対応である。ADB は長時
間に及ぶ法律・審査業務を終え、記録的
な速さで「アジア津波基金」を設立した。
ADB のプロジェクト・チームはこれに
劣らぬスピードで、全被災国向けの緊急
支援を処理した。 6 億ドルの同基金は、
ADB の歴史上最大の無償援助プログラ
ムである。ADB はその後、得られた知識
を活用して「パキスタン地震基金」をさ
らに短時間で設立した。
パキスタンでの被害調査
津波後の復興
ADB の「地震・津波緊急支援プロジェ
大津波から 1 年以上を経たインド洋沿
クト」により、各コミュニティには農場
岸部では、生存者が ADB の支援を得て
の修復に必要な資金が提供され、農業関
ADB は自然災害および紛争後の復興
生活の再建を始めている。津波基金はそ
連企業が再建され、支援サービスが再開
国に対する支援を、2004 年の「災害・緊
の後補充され、ADB は 2005 年、被災国
されつつある。
急時支援政策」に基づいて調整してい
に対する 8 億 5,990 万ドルの支援を承認
る。 ADB は災害政策を最初に策定した
した。
1987 年以来、24 億ドルの緊急支援貸付
インドネシアのアチェ州では、これら
政府と開発パートナーの共同調査に
よれば、インドネシアの被害総額は47億
ドルと推定される。アチェ州と北スマト
を供与している。
の資金が深刻な被害を受けた農業セク
ラ州では約 12 万 6,000 人の命が失われ、
A D B は新政策の下で、インドのグ
ジャラート地震(2001 年)、バングラデ
シュ(2004 年)および中国(1998 年)
ターの復興に役立てられている。津波に
数十万人が家を失った。ADB は「地震・
より現金作物の畑および水田の 4 分の 1
津波緊急支援プロジェクト」向けに 2 億
が流されてしまい、農民およびその従業
9,000 万ドル、マルチドナー信託基金向
の大洪水や、カンボジア、東ティモール
員およそ 32 万人の生計手段が奪われた。
けに 1,000 万ドル、計 3 億ドルの無償供
等での紛争など、地域内で次々に起きた
推定被害額は 2 億ドルを超える。
与を承認した。
悲惨な事件を通じた、長年に渡る災害管
理の経験から教訓を学びつつある。
この政策では、災害に対応する数多い
開発機関および救援機関の間での調整
を改善することと、災害リスク計画の策
定に重点が置かれている。
— ADBは自然災害および紛争後の復興に直面す
る国に対する支援を、2004 年の「災害・緊急時支援
政策」に基づいて調整している
34
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
スリランカ(上)およびインドネシアの
アチェ州(左)で被害を調査する ADB 職
員。対応は迅速かつ効果的だった
南アジアでは、津波基金を通じて、経
モルジブでは、死亡者の数こそ比較的
例えば、 3 億ドルの「地震緊急支援プ
済成長と復興に不可欠な道路、電力施設
少なかったものの、津波による被害は 5
ロジェクト」の下で、 A D B はアザド・
その他の主要インフラの再建を支援して
億ドル近く(GDP の 62 %)に上った。
ジャムおよびカシミール * ならびに北西
いる。この資金は、生計の立て直し、初
ADB による 2,320 万ドルの津波支援
辺境州における失われた施設の再建、そ
等教育と保健サービスの提供、上下水道
パッケージは、インフラの再建(運輸、上
して運輸、電力、保健および教育セク
の復旧および家屋の再建に使われている。
下水道、固形廃棄物管理、電力、農業、漁
ターの立て直しを支援する。
スリランカは、約 10 万戸の家屋と漁船
業)に役立っている。長引く津波の影響
1 2 月に承認されたこの貸付の特徴と
の 70%を再建し、企業 1 万 1,000 社の
と石油価格の着実な上昇により、モルジ
して、復興プロセスに緊急に必要とされ
営業再開を支援するという困難な課題に
ブ政府の財政状況は悪化した。
る物資の輸入を賄うために、1 億ドルの
クイック・ディスバース枠が設けられて
直面している。これ以外にも、非公式な
自営業者となった 15 万人が生計を立て
地震後のパキスタンに対する迅速な支
直さなければならない。スリランカ政府
援
は、供与された資金(2 億 4,000 万ドル
10 月 8 日に南アジアで起きた地震は、
いる。
このプロジェクトの目的は、主要道
路・橋梁の再建、水力発電所の修復なら
弱のパッケージ)を利用して、道路(特
同地域の歴史に残る大災害となり、約 7
びに送電線および関連施設の建設に
に北部および東部)、
地域密着型のインフ
万 3,000 人が死亡し、7 万人が重傷もし
よって経済活動を迅速に再開させるこ
ラ、漁港および生計手段の再建を支援し
くは障害を負った。280 万人以上が家を
とである。保健診療所と学校の再建も対
ている。ADB は津波支援を通じて、ガバ
失い、230 万人は十分な食料を持たずに
象となる。
ナンス問題、被災者の法的エンパワーメ
取り残された。この地震で約 32 万 4,000
また、本プロジェクトでは、地震で中
ントおよび汚職防止問題にも取り組んで
人分の雇用が失われたが、これは最大の
断された政府サービスの再開を支援し
いる。
被害を受けた地区における地震前の総
ていく。法的支援を提供し、ガバナンス
雇用人口の 29%に当たる。
問題に対応し、政府サービスの過大な負
インドのタミルナードゥ州とケララ州
では、ADBの支援によって何千人もの漁
復興費用は 35 億円と見積もられてい
担を軽減するために政府組織の再建を
師が仕事に戻っている。電気と水道が復
る。
行う。これには、出生証明書や死亡証明
旧し、交通も再開しつつある。インドへ
書、不動産権利証書、身分証明書等の書
の支援には、2 億ドルの「津波緊急支援セ
ADB は迅速に対応し、黒田東彦総裁
は復興・再建に向けた 10 億ドルの支援
クター・プロジェクト」が含まれる。う
パッケージを発表した。アジア津波基金
ち 1 億ドルは貸付であり、残る 1 億ドル
を設立した経験を活かし、 ADB は無償
はアジア津波基金からの無償援助である。
資金を提供するパキスタン地震基金を
さらに、 5 百万ドルの技術援助無償が予
11 月に設立した。
類の再発行が含まれる。
定されている。
* アザド・ジャムおよびカシミールは、1947 年以降インドとパキスタンが領有を争っている地域である。アジア開発銀行は、紛争地域の法的地位またはそ
の他の地位を判断し、または当事者の主張の最終的な決定に予断をもたらす意図を有していない。
35
ゼロから始める銀行業– アフガニスタンへの投資
四半世紀の長きにわたる戦争がアフ
ガニスタンにもたらした損害は、建物の
2 0 0 5 破壊だけではなかった。同国の金融機関
は機能しなくなり、あるいは信用を失
い、中央銀行は通貨をしっかり統制でき
年
の
業
務
概
要
なくなっていた。これに対して、古くか
ら続く現金ベースの「ハワラ」制度は、他
の機関が羨むほどの顧客忠誠度を享受
していた。
経済再生に不可欠な民間セクター開
発を促進できる商業銀行として設立さ
れたアフガニスタン国際銀行は、この市
場に最初に参入した金融機関のひとつ
である。ドイツの銀行大手 ING と契約を
交わし、ADB の 2,600 万ドルの出資(株
式の 25%を取得)という支援を得て、同
1 日のパンを最初から作る親子。国の再建もゼロからのスタートとなった
行は崩壊した金融セクターの再建に貢
献している。
「私たちがここで業務を開始したとき
には何もない状態で、ゼロから始めなけ
ならなかった。パシュトー語を話す者も
行われている大規模な麻薬取引に従事
含め、適切かつ手頃な人材はパキスタン
している者を避ける必要がある、という
で見つかった。
意味である。
同行は、収益が見込め、かつ支援が必
ればなりませんでした。単なる支店では
次のステップは、顧客を見つけること
なく、全く新しい地方銀行を設立しよう
だった。ここでも他の外資系銀行と異な
要と思われる経済セクターを選択した。
としていたのです。ビルを見つけるだけ
り、同行は既存の顧客基盤を利用するこ
選ばれたセクターには、現在パキスタン
でなく、新しい銀行システムを作り上げ
とができなかった。「ここで営業してい
その他の外国から高値で輸入されてい
る必要がありました。親会社の制度をた
た他の銀行のほとんどは、パキスタンの
る収益性の高い商品を国内で生産する
だ採用することはできなかったのです」
顧客(その多くは国外在住のアフガン
という輸入代替部門、そして外貨を獲得
というのは、ING からやってきたベテラ
人)に乗り換えていたにすぎません。で
できる有望な輸出部門が含まれる。
ン銀行マン、ジョン・ヘイ CEO である。
すから、彼らにはすでに顧客がついてい
アフガニスタン国際銀行は 2004 年 3
月に、国際基準の営業を行う地方銀行と
ました」とヘイ氏は言う。
貸付ポートフォリオについては、米国
— 経済再生に不可欠
してカブールで設立された。2005年 8月
の国際開発庁(USAID )から支援を得
には最初の支店をマザリシャリフに、
た。農業セクターに資金を提供する 200
その後 10 月にはカンダハルに 2 店目を
万ドルの融資プログラムの供与を受け、
進できる商業銀行として
オープンした。
中小企業向けプログラムも計画されて
設立されたアフガニスタ
人員の確保が最大の課題のひとつ
いる。
な民間セクター開発を促
ン国際銀行は、この市場
だった。企業金融の専門家や会計主任と
同行はまた、独自の貸付ポートフォリ
いった、25 年に及ぶ戦争が終わったばか
オを構築している。「顧客の選定には気
りの国では見つけにくい人材を獲得す
をつけなければなりません」とヘイ氏は
に最初に参入した金融機
るには、同行は海外に目を向けなければ
言う。アフガニスタンおよび他の地域で
関のひとつである
アフガニスタンの再建はその好例である。2001 年にタリ
年には拡大を始めた。そして、中小企業を支援する投資基
バンが政権を追われた時、インフラはほとんど残っていな
金が設立された(上記参照)。
かった。道路、電話網、そして金融システムは崩壊してい
た。そうした基本的なインフラがない状況で、民間投資家
2004 年にロシャン社(アフガニスタンの通信をほぼ一手
に供給している企業)に対して供与された 3,500 万ドルの
は資金を投じることに積極的ではなかった。しかし、ADB
貸付は、携帯電話網の整備から目覚ましい成果を上げるこ
の民間投資支援を受けて新たな商業銀行が設立され、2005
とに貢献した(90 ∼ 91 ページ参照)。
36
しかしながら、アジア太平洋地域には民間セクターの成
力に加え、ADB は今後、
「中央アジア地域経済協力プログ
長に対する障害がまだ数多く存在する。経済および規制に
ラム」への支援を大幅に拡大することを想定している。中
関する不確実性、マクロ経済の不安定、高い税率、煩雑な
央アジア地域においては、道路、港湾および橋梁の建設、電
規制・行政手続、汚職、そしてインフラと資金と技能の不
力網および通信網の計画策定、そして政策および制度環境
足は、いずれも投資に対する大きな障壁である。
の調和化を通じた貿易の簡素化を目指す努力に勢いがつ
ADBは民間セクター業務を通じて、アジアの一部に対す
いている(49 ∼ 50 ページ参照)。
る投資家の消極性を乗り越える革新的な方法を見いだしつ
太平洋地域では、数年前に見られた協力拡大に向けた勢
つある。例えば、財産の没収、国有化、契約違反等のリス
いの欠如を克服し、地域協力・統合に関する新たな「太平
クから投資家を保護する部分借用保証や政治リスク保証と
洋計画」の合意に向けて前進している。
いった保証制度の創設を通じて、リスクを軽減している。
南アジアでは、
「南アジア地域協力連合」、
「南アジア準地
2005 年、ADB は中小企業への貸付促進を目的としてパ
域経済協力プログラム」、および「南・中央アジア準地域経
キスタンの銀行に対する部分借用保証を再開した。アフガ
済協力プログラム」を含むいくつかのプログラムを通じて
ニスタンでは、アフガニスタン投資保証ファシリティ向け
対話が進んでいる。
の 500 万ドルの貸付および 1,000 万ドルの補助的政治リス
ク保証の実行プロセスが開始された。
一方、アジアにおける貿易および投資の統合というトレ
ンドの台頭により、ADB には、域内および地域間の貿易と
上記以外の主要民間セクター事業としては、インドネシ
投資を促進する上で、従来以上に首尾一貫したアプローチ
アの「タングー液化天然ガス・プロジェクト」が挙げられ
をとることが求められている。ADB は今後、貿易および投
る。ADB はこの事業に対し、ガス生産井、プラットフォー
資に関する地域・準地域レベルの政策対話の支持、地域貿
ムおよび液化天然ガス施設の建設と運営を目的とする 3 億
易協定に関する研究(それらをいかにして多国間自由化に
5,000 万ドルの貸付を承認した。また、中国銀行に 7,500 万
結びつけていくか)、および開発途上加盟国内部の組織強
ドルの出資を行ったほか、パキスタンで予見される電力不
化に注力していく。
足の解消を支援するため、民間セクターの水力発電事業に
通貨・金融面での協力・統合に対しても重要な支援が行
対する初の支援として 3,730 万ドルを供与する予定である
われている。 A D B は東南アジア連合(A S E A N )、
(87 ページ参照)。
地域協力
ASEAN+3、アジア太平洋経済協力会議(APEC)および
アジア欧州会議(ASEM)を含むいくつかの地域イニシア
ティブを支持しており、南アジア地域協力連合財務相会議
過去 10 年間、アジア太平洋の多くの地域において地域協
や中央アジア地域経済協力プログラム財務相会議といっ
力と地域統合が進んでいる。東アジアの貿易総額に占める
た、他の地域グループにも支援を拡大していく予定であ
域内貿易の割合は、1980 年の 35%から急増し、今や 55%
る。 ADB は、 ASEAN+3 研究グループおよびアジア債券
を占めるまでになった。自由貿易協定が増え、中国とイン
市場イニシアティブ作業部会を支援するために、広範囲に
ドの急成長がこのトレンドを後押ししている。
わたる研究を行っている。ADB は年 2 回の報告書『アジア
ADB は、地域協力と地域統合が引き続きアジア太平洋
経済モニター』および『アジア債券モニター』を発行し、
「ア
地域の成長に重要な役割を果たすと考えている。ADBはそ
ジア・ボンド・ウェブサイト(AsianBondsOnline)」を維
の双方を奨励する努力を強化し、新たな「地域協力・統合
持している。
戦略」に基づいて管理を行っている。同戦略は、( i ) 地域・
準地域協力プログラム、( i i ) 貿易と投資に関する協力と統
2005 年 4 月、ADB は地域協力・統合努力の内部窓口と
して機能する「地域経済統合室」を設置した。ADB 各局の
合、( i i i ) 通貨と金融に関する協力と統合、そして( i v ) 地域
業務を調整・合理化し、アジア太平洋地域の地域協力・統
公共財(HIV /エイズまたは鳥インフルエンザの流行防止
合を推進する ADB の役割を強化する戦略的措置およびイ
努力におけるもの等、38 ページ参照)の提供という 4 つの
ニシアティブについて助言を行うため、地域協力・統合を
柱からなる。
担当する 2 名の総裁特別顧問が任命された。
「大メコン河流域圏経済協力プログラム」(GMS プログ
ラム)は、ADB の支援により 1992 年に設置されたもので、
準地域イニシアティブの成功事例として広く知られてい
る。 GMS プログラムの継続的な強化に向けた精力的な努
— ADB は 2005 年 4 月に地域経済統
合室を設置した
37
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
融資オプションの拡大
プロジェクト・チームが現地政府と共に計画案の選定を
融資手段および融資形態の幅を広げることを目的とし
「革新・効率性イニシアティブ」の
て、 ADB は 2005 年、
下で 3 つの新たなイニシアティブの試験運用を開始した。
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
柔軟性を高め、クライアントのニーズによりよく応えるこ
とが狙いである。
費用分担および支出適格に対する新たなアプローチが
行っている。リファイナンスの計画案も検討中である。
ADB は、新たなマルチトランシェ融資ファシリティの
試験運用を 2005 年に開始した。対象となったのは、南アジ
アの大規模な道路投資プログラムに対する 2 件の貸付であ
る(85 ページ、87 ページ参照)。このファシリティは計画
の進捗に合わせて必要資金を提供するもので、商業銀行の
導入された。これは、ADB のプロジェクト・ファイナンス
信用状に類似している。これにより、ADB は構造化され時
能力を市場の慣行に沿った形で強化するものである。新た
差を持たせた複数の貸付という形で、長期的な投資プログ
な仕組みでは、費用分担限度がより柔軟に運用され、ADB
ラムに資金を提供できるようになる。クライアントは他の
の融資対象となる支出カテゴリーが拡大される(土地取得
資金提供者とADBを組み合わせることが可能となる。他の
および公道用地の支払、税金、および銀行手数料、リース
資金提供者には、国際開発金融機関、二国間ドナー、プラ
料、中古品等のその他の支出)。また、旧来の外貨費用と内
イベート・エクイティ・グループ、商業銀行および資本市
貨費用の区別および一定レベルの投資計画が廃止される。
場の投機筋などが考えられる。
インドとインドネシアでは、国有企業(国家が過半数を
所有)とのノンソブリン取引がいくつか準備されている。
このファシリティは、大規模な単一プロジェクトの時系
列コンポーネント、現在の形態よりも長期に渡るセクター
鳥インフルエンザ対策における協力
世界保健機関(W H O )が報告した
2004 年 1 月の流行以後のヒトによる鳥
インフルエンザ感染症例 1 7 5 件のう
ドルの援助を約束している。
外の援助機関はこれまでに約 9,000 万
ベトナムは現在までの流行の中心地
0.5%減少したと推定されている。ADB
は11月に、アジア全体での中期的な対応
のために、少なくとも 4 億 7,000 万ドル
ち、ほぼすべてが東南アジアで発生し
となっている。ほとんどの県で発症例が
を拠出することができると発表した。支
ている。そのうち 93 件はベトナムで発
報告されており、その数は 1,900 件を超
援内容としては、中国、インドネシア、
生しており、死亡例数は現在 4 2 件に
える。3 億羽の鶏およびアヒルのうち約
フィリピンおよびタイの新規事業に対
上っている。
6,000 万羽が死亡もしくは間引きされ、
する約 3 億ドルの供与が考えられる。
2005 年 10 月、 ADB は 2 件のプロ
ジェクトに対する 5,800 万ドルの無償
援助を承認した。1 件は鳥インフルエン
ザに取り組む 2,800 万ドルの地域プロ
ジェクト、もう 1 件はメコン河流域での
感染症に取り組む 3,000 万ドルのプロ
ジェクトである。ADB は、マニラにあ
る WHO の地域事務所への支援を継続
家禽類における新たな発症の把握と封
するとともに、東南アジアを担当する
ザの流行によって、2004 年の GDP が約
じ込めを目的とした全国キャンペーン
が行われている。
養禽部門は比較的規模が小さいとは
いえ、経済的コストは約 2 億ドルとされ
ている。また、同等の金額がすでに封じ
込め対策に使われており、そのほとんど
は政府が負担している。鳥インフルエン
デリー事務所に支 援 を 拡 大 す る た め
に、さらに 60 万ドルを早急に割り当て
る予定である。
しかし、鳥インフルエンザを抑制し
万一の大流行に備えるための費用は、
での流行の中心地となっ
今後 5 年間で約 10 億ドルに上ると予想
ている。ほとんどの県で
されている。ベトナムの農業農村開発
省と厚生省は、それぞれ 3 億ドルの資金
発症例が報告されてお
が必要になると予想している。ベトナ
り、その数は 1,900 件を
ム政府は毎年約 1 億 3,000 万ドルを主
に農業農村開発省に支給しており、海
38
— ベトナムは現在ま
超える
鳥インフルエンザを抑制し万一の大流行
に備えるための費用は、今後 5 年間で約
10 億ドルに上ると予想されている
投資の一部(トランシェ)、出資、金融仲介機関向け信用枠
と、健全な予算・財政管理が必要である。政府の計画を支
および保証を対象として資金を提供する手段を確立する
援するため、 ADB は世界銀行と協力し、一連の構造改革
ものである。
パッケージを含む「開発政策支援プログラム」を活用して
ADB は中国、フィリピンおよびタイにおける債券発行
および商業スワップを通じて、現地通貨貸付の対象領域を
拡大している。
いる。これは、ガバナンスの改善を目的として近年インド
ネシアに供与された貸付のひとつである(99 ページ参照)。
また、ガバナンス・プログラムの有効性を維持し、汚職対
策に関する最新情報を取り入れるため、ADB はガバナンス
グッド・ガバナンスと汚職対策
ガバナンスと法制度は、多くのアジア諸国の良好な開発
政策および汚職防止政策の実施状況のレビューを 2 0 0 5 年
に開始した。
システムの弱点だと言われてきた。劣悪な政府、効果的で
ない政策と汚職は経済成長と開発を妨げ、したがって貧困
環境的に持続可能な成長
削減努力を妨げる。公共行政はまた、国家とその諸制度に
アジアの力強い経済成長に伴い、深刻な環境問題が発生
依存して、事業もしくは個人利益のために特権を得ようと
している。大気汚染が主要都市を覆い、人口 1 人当たりの
する少数の人々によって利用されることも多い。
森林被覆は世界最低となり、湿地や野生動物の生息地が急
ADB は国際開発金融機関として初めて、1995 年にガバ
ナンス政策を採択し、その 3 年後には「汚職防止政策」を
速に消滅しつつある。貧困層が最悪の影響を被ることも多
採択した。ガバナンスに関する取り組みは広い分野を対象
アジア太平洋諸国は、貧困を克服するために力強い成長
としている。例えば中央政府の運営について、ADB はベト
を続けなければならない。しかし、ADB は 2005 年に発表
ナムの「行政改革マスター・プログラムの支援実施」を支
した『アジア環境概要』第 2 巻において、経済成長につい
持している。マーシャル諸島には、公共セクターが基本的
て「先に成長し、後で浄化する」というアプローチは受け
社会サービスの効果的な提供に焦点を再び定めるための
入れられないことを強調した。環境破壊は不可避ではな
支援を提供し、アゼルバイジャンには競争政策フレーム
く、アジア太平洋地域の健全な環境は貧困層を包含する経
ワークの策定を目的とする技術支援を行っている。
済発展の前提条件である。
い。
ADB はカンボジア、インドネシア、パキスタンおよび
ADB は 2002 年に策定した「環境政策」の下で、環境管
フィリピンの地方政府に対し、地方分権化を進め、財政管
理に対する考え方の再構築に取り組んでいる。掲げている
理とサービスの実施を改善するための支援を行っている。
法律および司法制度については、ADB はパキスタンの「司
5 つの目標は、( i ) 貧困を直接削減する環境面での介入の促
進、(ii) 経済成長における環境配慮の主流化、(iii) 地球規模
法アクセス・プログラム」を支援し、カンボジアでは地籍
および地域レベルでの環境保全システムの支持および維
委員会を設置し、モルジブ、モンゴル等の国で法律教育を
持、( i v ) パートナーシップの構築、
( v ) A D B 業務への環境
強化している。
セーフガードの統合、である。
2005 年に承認された貸付には、インドネシア政府の中期
開発計画を支援する 2 億ドルの貸付が含まれる。同計画は、
平均 GDP 成長率(年率)を 2004 年の約 4%から 2009 年
までに 7 %に引き上げることを目指している。インドネシ
2005 年の新規公共セクター貸付プロジェクト 58 件のう
ち、環境の持続可能性をテーマとしていたのは 9 件であっ
た。その総額は 6 億 500 万ドルで、2004 年の 5 億 6,900 万
ドルを上回った。公共セクター貸付総額に占める比率は 12
%だった。そのうち、80%は上下水道および廃棄物管理シ
ステムの整備または修復を通じた都市部の環境改善、15%
は天然資源保全の促進、5%は津波被災地域の復興・再建が
アがこの目標を達成するには、マクロ経済のさらなる安定
— ADB は 2005 年に発表した『アジ
ア環境概要』第 2 巻において、経済成長に
ついて「先に成長し、後で浄化する」とい
うアプローチは受け入れられないことを
強調した
目的であった。
ADB の事業の多くは、「環境政策」の複数の目標を同時
に支持するものである。
例えば中国の「福州環境改善」プロジェクト、インドの
「ケララ州持続可能な都市開発(第 2 期)」プロジェクトお
よびモルジブの「地域開発」プロジェクトは、環境インフ
ラの改善、計画および環境管理の強化ならびに管理・実施
39
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
能力の構築に貢献している。これらの事業は利害関係者の
積極的な参加を得て設計されたもので、経済成長のポテン
シャルを向上させる基盤を提供すると期待される。
一方、中国東北端の「三江平野湿地保護」プロジェクト
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
では、世界的に重要な生物多様性を保護しつつ、持続可能
な方法で雇用と所得を生みだすプログラムの確立が 2 0 0 5
年に始められた(57 ページ参照)。
スリランカの津波被災地域については、海岸の生態系を
保全するような再建に対する支援が承認された。
技術援助無償も環境支援の重要な財源である。環境を目
的として 2005 年に承認された 3 億 700 万ドル近い技術援
助および無償援助のうち(この総額は 2004 年のほぼ 3 倍)、
77%は都市部または農村部の環境改善、15%は天然資源保
全の促進、7%は立法、政策および制度的枠組みにおける環
境の主流化支援を目的とするものであった。
国家レベルおよび地域レベルでの環境能力の強化を
目的として 2005 年に承認された技術援助無償の総額は、
2004 年の 1,900 万ドルから倍増して約 3,800 万ドルとなっ
た。また、環境志向の無償援助も 2004 年の 2,400 万ドルか
ら 2 億 6,000 万ドルに増加した。増加の大部分はスリラン
カでの津波被災地域再建事業(2 億 300 万ドル)によるも
のだが、中国の三江平野における湿地保護(1,214 万ドル)
およびカンボジアのトンレサップ湖における持続可能な
生計イニシアティブ(1,500 万ドル、65 ページ参照)も含
まれている。
中国甘粛省で土壌浸食防止のために行われる畝立て作業(上)、ト
ンレサップ湖保全等の事業により、ADB は環境的に持続可能な成
長の達成に向けて努力している
メコン河流域では、ADB は同地域の経済成長に伴い、引
き続き環境の持続可能性が最重要視されるように広汎な
例えば ADB は 2004 年と 2005 年に、国連環境計画、国
努力を行っている。2005 年 5 月には、GMS プログラム参
連アジア太平洋経済社会委員会および国連砂漠化防止条
加国の環境大臣が「中核環境プログラム」を承認すると同
約と連携し、地域レベルの技術援助活動として「北東アジ
時に、地域内協力を強化するために環境事業センターをバ
ア砂塵・砂嵐防止・抑制」事業を承認した。中国、日本、韓
ンコクに設置することを承認した。
国およびモンゴルの 4 カ国が積極的に参加している。
ADB は、地域内の多くの場所で進んでいる土壌劣化を
一方、 ADB が地球環境ファシリティの担当機関を務め
食い止める努力を続けた。土壌劣化は貧困の原因となる重
る「中央アジア諸国土地管理イニシアティブ」では、これ
要な要素である。地球環境ファシリティの実施機関とし
らの国における持続可能な土地管理を追求するため、国主
て、ADB は中央アジアおよび東アジアの干ばつ・砂漠化対
導の活動および資源動員に関する 1 0 年計画の実施を支援
策に関する 3 つのパートナーシップを先導している。
していく。
ADB は国際金融公社と連携し、域内金融機関の職員に
環境的・社会的デュー・ディリジェンスおよび環境分野で
の事業機会追求に関する訓練を行う小規模技術援助を承
— ADB は、地域内の多くの場所で進
んでいる土壌劣化を食い止める努力を続
けた。土壌劣化は貧困の原因となる重要
な要素である
40
認した。
これらの新たな取り組みと並行して、ADB は引き続き、
様々な既存の地域別環境プログラムを実施した。2005 年、
「貧困と環境プログラム」は貧困削減事業への環境配慮の
統合に貢献し、カナダ、デンマークとオランダの支援によ
るADBの「再生可能エネルギー、省エネルギーと気候変動」
う民間セクターが必要であると主張するとともに、環境面
プログラムでは、一部の太平洋諸国が海面上昇および暴風
での目標達成のために公共セクターと民間セクターがよ
雨の活発化に備える「太平洋気候変動適応プログラム」へ
り緊密に協力する方法について提言を行っている
の資金提供が行われた(78 ページ参照)。
(www.adb.org/environment/aeo)。
ADB はまた、各国政府が京都議定書の削減目標を達成
するために売買可能な排出削減クレジットを生みだすプ
環境・社会面でのセーフガード
ロジェクトに対して必要な資金を提供している数少ない
たプロジェクトのうち 3 件はすでにクレジットの買い手と
ADB は環境、先住民族および非自発的移住を対象とす
る 3 つのセーフガード政策を策定している。これらの政策
は、脆弱なグループの周縁化(marginalization)等、開発
契約済みであり、2006 年か 2007 年にはクリーン開発メカ
事業により引き起こされる可能性のある環境・社会面での
ニズム・ファシリティの支援を通じてさらにいくつかのプ
悪影響を回避、最小化および/または軽減することを目標
ロジェクトが実施される予定である。
としている。
国際機関のひとつである(www.adb.org/CDMF)。そうし
ADB の環境面における既存の主なパートナーシップに
どのプロジェクトも「害をなさない」ようにするという
ついては、今や 130 以上の都市、政府、開発機関、NGO、
セーフガードの最重要原則の下で、ADB は 2005 年中に理
学術機関および企業がメンバーとなっている「クリーン・
事会にかけられた全事業をレビューし、セーフガード政策
エア・イニシアティブ・アジア」の作業が 2005 年も続けら
が遵守されていることを確認した。74 件のプロジェクトお
れた。同イニシアティブの取り組みは、域内のいくつかの
よび出資をレビューした結果、59 件では環境アセスメント
場所において大気汚染削減を支える投資および政策改革
報告書が、20 件では先住民族に関する計画または具体的な
の促進を目的とする全国ネットワークの確立を中心とす
行動の準備が、41 件では再定住計画および/またはその枠
組みが要求された。本部および駐在員事務所において、100
るものであった。
2005 年、ADB は『アジア環境概要』第 2 巻を発表した。
名以上の職員が ADB のセーフガード要件について研修を
本書では、民間セクターの関与を高めることで域内の環境
受けた。ADBはセーフガードに関するウェブサイトを定期
問題により効果的に対応していく機会に焦点が当てられ
的に更新することを通じて、知識の共有を強化した。
ている。本書は、アジア太平洋地域の持続可能な未来を追
2005 年中に、ADB はセーフガード政策の更新を開始し
求するには、環境面での自らのパフォーマンスに責任を負
た。各政策の有効性を高め、変化するクライアントのニー
実例を示してリードする基金
プの間で H I V /エイズに対する意識を
スに供与され、1 件は絹織工によるビジ
基金の主眼は、開発途上加盟国の貧困削
ADB が管理・運営する貧困削減協力
高める方法が模索されている。
ネス技能の習得を支援するもの、もう 1
減努力を強化することにある。英国の国
件は政府による社会的保護戦略の開発
の無償援助ファシリティは 2002 年に設
2005 年には 2,000 万ドルが承認さ
れ、同基金の全額が 109 件のプロジェク
トに対して約定された。5 件の技術援助
置されたもので、助言型支援、小規模な
無償事業が完成し、他の事業のほとんど
ナーによる貧困削減事業の開発を目的
パイロット事業、研究および知識の共有
はすでに開始されている。完成済案件の
とした協議プロセスの支援に充てられ
を通じた政策、戦略および能力の改善を
うち 2 件は、900 万ドルの資金枠を持つ
た。
目的としている。
中国に対するものであった。2 件はラオ
際開発省を資金源とする 6,000 万ドル
を支援するものであった。完成済案件の
残る 1 件は、太平洋地域における複数ド
プロジェクトの多くは、貧困層および
社会的に疎外されたグループに支援の
的を絞るにはどうすればよいかを分析
するもので、より広汎な ADB 貸付の良
き実例として役に立っている。例えば、
大メコン河流域における 70 万ドルの技
術援助無償では、特定の少数民族グルー
— プロジェクトの多くは、貧困層および社会的
に疎外されたグループに支援の的を絞るにはどうすれ
ばよいかを分析するものである
41
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
2 0 0 5 年
の
業
務
概
要
ズおよび新たな貸付形態・商品に対する適切性を確保する
開発プロセスに対する先住民族の全面的参加を得るととも
ことが目的である( w w w . a d b . o r g / S a f e g u a r d s /
に、彼らの権利と伝統的慣行を考慮する必要性が強調され
policy.asp)。 ADB のウェブサイトに掲載されている議論
『先住民族政策に関するグローバル・ハ
た。ADB はまた、
メモに、セーフガード政策更新の目的と範囲が記されてい
ンドブック』の共同発行につき、世界銀行および米州開発
る。 3 つのセーフガード政策の実施状況に関する業務評価
銀行との協力を継続した。
局の独立評価が 2006 年に完了した後、関係者との直接協議
を開始する予定である。
ADB は特定加盟国の国別セーフガード制度を強化する
ジェンダーと開発
ADB の貸付業務の様々なセクター(農業、水資源管理、
ための支援を承認したほか、国別セーフガード制度に対す
運輸、地方インフラ、ガバナンス、教育および上下水道)に
る組織全体のアプローチの開発を近々開始する予定であ
おいて、貧困削減戦略の主要テーマであるジェンダーの主
る。ADB はまた、米国際開発庁(USAID)と共同で「ア
流化が進んでいる。2005 年、ADB は引き続き、ジェンダー
ジアの環境コンプライアンスおよび執行ネットワーク」を
問題に対応する貸付ポートフォリオを強化した。2005 年の
発足させた。これは、アジアの環境政策担当者の間でベス
貸付の 37%において、有意なジェンダーの主流化が見られ
ト・プラクティスを共有するための重要な新メカニズムと
た。このうち 17%(11 件)はテーマ別でジェンダーに分類
して機能する予定である。
され、20%(13 件)は有意なジェンダーの主流化があった
非自発的移住に関しては、再定住リスク管理能力の開発
を目的とした地域技術援助の下で、ADB は参加 3 カ国(カ
ンボジア、中国、インド)に対し、再定住リスクの特定と
ものとして分類された。残る貸付の大半においても、何ら
かの形で女性に利益をもたらす可能性が示されている。
ジェンダーの平等を目標とする貸付は、ADB 業務の 3 つ
非自発的移住実施能力の改善を目的とする支援を提供した。
の中核的戦略分野(貧困層を重視した持続可能な経済成
バングラデシュでは、 ADB は国土省と協力して非自発
長、インクルーシブ(非排他的)な社会開発、グッド・ガ
的移住に関する国家政策を策定している。カンボジアでは、
バナンス)すべてにまたがっていた。これらの貸付は、保
「再定住の法的枠組みと能力開発の強化」
を目的とする技術
健、教育および上水道セクターに集中する傾向があるが、
援助を通じて、政府による補償、再定住および社会復帰に
灌漑、農村開発、農業・天然資源、中小企業、公共資源管
関する下位法令の制定を支援している。ネパールでは、国
理および地方インフラに対する貸付もあった。 ADB はま
家計画委員会が ADB の支援を受けて、国レベルの再定住
た、大規模なインフラ・プロジェクト、特に道路プロジェ
政策の枠組みを策定している。ベトナムでは、
「再定住の法
クトにおける女性問題への対応を引き続き改善した。
的枠組みと組織能力の強化」を目的とする技術援助を通じ、
2003 年に設置された複数ドナーによる「ジェンダーと開
政府による補償および再定住に関する法令の制定および全
発協力基金」は、地域活動および技術援助を通じ、引き続
国への普及を支援した。
きジェンダーの平等と女性の権利拡大を支援した。2005 年
先住民族の利益を保護する努力を続ける中で、ADB は、
地域レベルおよび世界レベルの協議にも積極的に参加した。
末までに、地域技術援助の下で 4 件の技術援助および 24 件
のサブ・プロジェクトが承認された。資金供与の目的は、
2 つの地域ワークショップでは、地域内の先住民族ネット
ADBの貸付におけるジェンダーを意識した設計の強化、女
ワークのメンバーと建設的な対話を行った。また、国連先
性および女児の権利拡大に向けたイニシアティブと戦略
住民族問題常設フォーラム(「常設フォーラム」)、世界銀
的アプローチの支援、そしてジェンダー問題に関する地域
行、米州開発銀行および国際農業開発基金との対話にも参
レベルでの意識向上および協力の促進であった。このう
加した。協議では、国際金融機関が開発の概念を考え直し、
ち、 14 件のサブ・プロジェクトは 2005 年に承認された。
2005 年に承認されたその他の技術援助には、パキスタ
ンの「ジェンダー改革行動計画の実施」
(450 万ドル)が含
まれる。この資金はカナダ政府と英国の国際開発省により、
ADBが管理・運営する貧困削減協力基金を通じて提供され
— バングラデシュでは、ADB は国土
省と協力して非自発的移住に関する国家
政策を策定している
42
た。また、地域技術援助事業「女性および恵まれないグルー
プの法的権利拡大」に対して 55 万ドルが供与された。
MDGs を 2015 年までに達成するには、ジェンダーの平
等および女性の権利拡大に影響する問題への開発プログラ
— ADBの貸付業務の様々なセクター
において、貧困削減戦略の主要テーマで
あるジェンダーの主流化が進んでいる
2 0 0 5 実施状況のレビューを継続した。このレビューは、1998 年
の採択以降の同政策の進捗と有効性を評価することを目的
としており、その結果に基づいて「ジェンダーと開発に関
する行動計画」が作成される。このレビューの一環として、
ADB はバングラデシュ、カンボジア、ネパールおよびパキ
スタンの特定プロジェクトについて簡易ジェンダー・アセ
スメントを実施し、ジェンダーの平等に関する成果を評価
した。これらのアセスメントの目的は、プロジェクト別
ジェンダー行動計画・戦略の導入により、女性の立場から
見たプロジェクトの実施、アウトリーチおよび成果が、男
性の立場から見た場合と比べて改善したかどうかを判断す
ジェンダー問題を確実に全業務に反映させることにより、ADB は
女性の生活改善を支援している
ることであった。
社会的保護
ムによる対応を強化していく必要がある。MDGs の「目標
ADB は社会的保護を、「効率的な労働市場の育成、人々
3」ではジェンダーの平等および女性の権利拡大の推進が具
体的に掲げられ、
「目標 5」では妊産婦の健康の改善が掲げ
られている。さらに、他の 2 つの目標(教育に関する「目
標 2」および HIV /エイズに関する「目標 6」)には、特定
のリスクに対するエクスポージャの低減ならびに危険お
ジェンダー向けまたはジェンダー別の指標が含まれている。
よび所得の喪失から身を守る能力の強化を通じた貧困お
よび脆弱性の削減を目的とする一連の政策およびプログ
ラム」と定義している。
2005 年の貸付プロジェクトは、インドでは年金、パキス
ジェンダーへの配慮を国別戦略・プログラムに反映させ
タンでは雇用保護、キルギスおよびアゼルバイジャンでは
るため、ADB は国別ジェンダー・アセスメントおよび関連
児童保護、モンゴルでは社会保障改革に関する社会保護ス
する戦略を作成してきた。これらの文書では、ADB がいか
キームに貢献した。2005 年に特に重視した分野としては、
にしてジェンダーと開発という全体目標を DMC 内で推
インフォーマル・セクターにおける社会的保護、社会保険、
進・実施していくつもりであるかが記述され、ADB の支援
会社更生時の労働問題、および雇用のための移民が挙げら
がいかにしてジェンダーによる格差に対応していくのかが
れる。
議論されている。多国間/二国間ドナーおよび国連機関と
の協力により、モンゴル、東ティモールおよびウズベキス
ナレッジ・マネジメント
タンの国別ジェンダー・アセスメントはすでに完成してお
央アジア 4 カ国の貧困削減戦略におけるジェンダーの主流
2005 年 7 月、ADB はナレッジ・マネジメント・フレー
ムワークの実施を開始してから 1 周年を迎えた。地域内で
の広汎な業務を通じて、ADBは常に重要な情報を発信して
いる。このフレームワークは、ADB をアジア諸国に関する
知識の中枢とし、ADB 内部および DMCs 間での共有を奨
化」の下で作成された。
励することによって、この情報をさらに有効に活用するこ
り、フィジーおよびインドネシアのアセスメントは現在作
成中である。アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス
およびタジキスタンのアセスメントは、地域技術援助「中
2005 年、ADB は「ジェンダーと開発に関する政策」の
とを目指している。
43
年
の
業
務
概
要
ガート・ヴァンダーリンデン副総裁は簡潔に、
「インドの
人々は、中国で物事がどのように行われているかを知りた
いのだ」と述べている。
2005 年、ナレッジ・マネジメント・センターは ADB 内
部での知識の創造と共有を支援するため、実務コミュニ
2 0 0 5 ティの設立に努めた。実務コミュニティとは、教育やガバ
ナンスといった分野の専門知識を共有しているが、通常は
年
の
業
務
概
要
異なる部局に散らばっている実務家のグループのことであ
る。彼らを結びつけて実務コミュニティを組織することは、
知識の共有に貢献する。
ADB 内の実務コミュニティには、教育やガバナンス以
外にも、エネルギー、環境、水資源、金融、ジェンダーと
社会開発、保健、地域協力および運輸の各セクターを対象
としたものがある。グループの数は昨年中に 19 から 10 に
減った。
他の活動として、ADB は「e アジア・知識パートナーシッ
プ基金」の設立に関する韓国との覚書に署名した。この基
ベトナムのコンピューター教室で知識と新たな技能を獲得する生徒
たち
金は、e 政府、e ラーニング、e 貿易および e コマースにお
ける情報通信技術を促進する技術援助を提供することで、
域内の「デジタル・デバイド(情報格差)」を縮小すること
を狙っている。
— 実務家のグループを結びつけて実
務コミュニティを組織することは、知識
の共有に貢献する
2006 年には、このフレームワークの下で、内部コミュニ
ケーション計画およびナレッジ・マネジメントに関する電
子ニューズレターを通じて意識を高める取り組みが開始さ
れる。これは、職員がナレッジ・マネジメントの概念を業
協議による NGO の役割の拡大
NGO その他の市民団体を自らの開発
明した。同プロジェクトによって、政府、
う ADB の努力は、急速に進化している。
市民団体と A D B の間で信頼が醸成さ
従来以上に掘り下げられ、組織化された
れ、将来の定期的な協力の基盤ができ
協議を通じて、これらのグループは、プ
た。
ロジェクトや政策の形成の早い段階か
一方、ADB が支援し NGO が関与する
ら関与するようになり、貧困削減を目標
最もダイナミックなプロジェクトは、地
とする効果的なプロジェクトの実施を
域技術援助「貧困削減のための N G O
担当するケースも増えている。
パートナーシップ」の下で設立されたパ
例えば、2003 年に開始され、昨年 12
月に終了した期間 3 年の地域技術援助プ
ロジェクト(「大メコン河流域圏の貧困
削減に対する N G O 支援の促進」)は、
GMS における実地試験を通じて、ADB
の最新の地域戦略および国別戦略の策
定に NGO が早い段階から関与すること
が、戦略の深みを増し、戦略に対する支
44
持を取りつけるために役立つことを証
活動に意味のある形で関与させるとい
イロット NGO 小規模無償ファシリティ
を通じて実施された。
この期間 3 年のファシリティを通じて、
ADB は 15 カ国において NGO が運営す
る 70 件以上のプロジェクトを支援した。
最後の無償援助は 2005 年に供与された。
より緊密な協議を通じて、市民団体の代
表はプロジェクトおよび政策に早い段階
から関与している
務プロセスに取り込む助けとなる活動を増やし、職員によ
る知識の共有を奨励するインセンティブを作り出すことを
目的としている。職員間の情報交換と協力を促進するため、
情報システム技術部と共に、情報を補足・分類するシステム
および情報にアクセスするためのシステムを開発していく。
2 0 0 5 アジア開発銀行研究所
年
の
業
務
概
要
東京にあるアジア開発銀行研究所は理事会の奨励を受
け、地域協力のためのインフラに関する業務を強化すると
共に、貧困削減、ガバナンスおよび民間セクター開発の各
分野における業務を継続した。
研究所は、研究、訓練および現地語資料の提供等に関す
る利害関係者からの支援要請に対応する。例えば、インド
洋津波の発生後、研究所はインドネシアのために、紛争お
よび津波その他の災害に向けた資金管理における財務上
の説明責任の促進を目的とした会議を組織した。また、ス
リランカの被災地域の再建に関する長期的努力に関する
研究を委託し、それをインドネシア語に翻訳して得られた
教訓を共有した。
貧困削減については、研究所は書籍『アジアにおける貧
困ターゲティング』を出版した。本書には、中国、インド、
インドネシア、フィリピンおよびタイにおける貧困ターゲ
ティングの有効性に関する調査が含まれている。
研究所はまた、カンボジアの世界貿易機関への加盟およ
汚職と闘い業務の適正性を確保することは、この家族を含むアジ
ア太平洋地域のあらゆる人々の役に立つ
び他の後発開発途上国に向けた教訓に関する研究を、英語
およびクメール語で出版した。
民間セクター分野では、日本および韓国との貿易、企業
のパフォーマンスおよび技術能力に焦点を当てた中国北
東部の再活性化の諸側面に関する研究等を行った。
ナレッジ・マネジメントに関する取り組みの一環とし
て、独立した専門家による 50 以上の開発関連 CD-ROM の
レビューを行い、研究所のウェブサイトに掲載した。アジ
アのシンクタンクおよびその研究プログラムに関するガ
イドブックもウェブサイトに掲載されている。
監査と業務の適正性
監査部は、内部統制が適切かつ効果的であることを確認
し、その効率を高めることを目的として、財務・総務・情
ADB の財務・人事情報システムの 2 モジュールに関する導
入後のレビューであった。
2005 年、ADB は汚職調査の結果、企業 40 社および個人
33 名に対して ADB 業務への参加を禁止した。その結果、
ADB の活動への参加不適格者は、企業と個人を合わせて
250 近くとなった。
A D B の汚職防止政策を実施するインテグリティ課は、
昨年 199 件の苦情を受理した。 2004 年からの増加率は
44 %であった。
インテグリティ課はまた、 ADB が資金を提供するプロ
ジェクトにおける不正、汚職または乱用につながる弱点を
減らすため、プロジェクトの調達に関連する 4 回の監査を
行った。また、調達プロセスの内部統制の強化を勧告した。
報システム課を通じてADB業務の独立審査を行う。同部は
インテグリティ課を通じて、ADB プロジェクトにおける、
もしくは職員による汚職または不正の告発に対応する。
同部は 2005 年に 20 回の監査を行った。その対象は、駐
— 2005 年、ADB は汚職調査の結果、
在員事務所および代表事務所の財務および総務、2 カ国にお
企業 40 社および個人 33 名に対して ADB
ける貸付および技術援助の管理、貸付金の再配分、および
業務への参加を禁止した
45
東・中央アジア
アルメニア、アゼルバイジャン、
中国、カザフスタン、キルギス、
モンゴル、タジキスタン、
トルクメニスタン、ウズベキスタン
東
・
中
央
ア
ジ
ア
地域に関する視点
中国は貧困削減において目覚ましい進歩を遂げ、南コーカ
サスを含む東・中央アジアの新興経済諸国の模範的存在に
なった。1 日 1 ドル未満で生活する人々の割合は、1990 年の
33%から 2004 年には約 10.4%にまで減少した。一方、公式
貧困ラインを下回る地方の貧困者数は、1978 年の 2 億 5,000
万人から 2005 年には 2,370 万人に減少した。
その西方に目を転じると、石油、天然ガス、綿、金および水
力発電資源に恵まれた中央アジア・コーカサス諸国も力強く
成長しており、ソビエト連邦崩壊後の衰退から抜け出しつつ
ある。
中国の経済発展は詳細に記録されている。2005 年の経済成
長率は、力強い投資、消費の加速および活発な輸出に牽引さ
れ、9.9%にまで急上昇した。貿易量は 1 兆 4,000 億ドルを超
え、世界第 3 位の座を獲得した。政府は最近になって、2004
年の成長率を 9.5%から 10.1%に上方修正した。同国は今や、
世界第 4 位の経済大国である。
2005 年の経済面での主な出来事としては、外国為替制度の
改革が挙げられる。中国は 2005 年 7 月に改革パッケージを採
択し、市場の需給に基づき、外貨バスケットを参考にする為替
レートの管理フロート制を導入した。
2005年のインフレ率は政府の目標である4%を下回る1.8%
に抑制され、都市部の失業者数は 839 万人に留まった。
46
ウズベキスタンのサマルカンドで紡がれる
なめらかで強靱な絹糸。同国は 2005 年、中
央アジアの近隣諸国と共に力強い成長を達
成した。
東
・
中
央
ア
ジ
ア
47
東・中央アジア:主要経済指標a 2005
国
アルメニア
アゼルバイジャン
中国
カザフスタン
キルギス
モンゴル
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
東
・
中
央
ア
ジ
ア
貧困率
実質GDP
成長率
平均
インフレ率a
(%)
(%)
(%)
39.0
29.0
10.4
14.3
45.9
36.1
56.6
29.9
26.2
13.9
26.4
9.9
9.4
(0.6)
6.2
6.7
10.0
7.0
0.6
9.6
1.8
7.6
4.4
12.7
7.1
5.9
7.8
貿易
海外直接
収支
投資
(単位:百万ドル) (単位:百万ドル)
(534.0)
2,701.0
133,450.0
9,817.0
(435.0)
(95.0)
(279.0)
1,301.0
1,300.0
151.0
3,466.0
60,325.0
2,544.0
60.0
110.0
55.0
233.0
200.0
– データなし、( )マイナス
a
2005年のデータがない場合は最新年のデータを記載。
しかし、石油価格の高騰は懸念材料であり、2006 年の経
済見通しに対するリスクとなっている。1993 年には中国は
石油輸出国であったが、経済の急成長につれてエネルギー
需要も急増した。同国は現在、石油の 40%を輸入しており、
エネルギー効率をさらに改善する必要がある。
モンゴルの2005年のGDP成長率は6.2%となった(2004
年は 10.7%)。2005 年の力強い成長は、家畜生産の増加、鉱
業部門への投資および市況商品価格の急騰によって支え
られた。しかし、この 3 つをもってしても、中央計画経済
から市場経済への移行過程で生みだされた高水準の貧困
(人口の 3 分の 1 以上)を削減するには不十分だった。
中央アジアは近年力強い成長を遂げている。アゼルバイ
ジャン、カザフスタンおよびトルクメニスタンではガス・
石油資源が、キルギスでは金が、ウズベキスタンでは綿が、
アルメニアでは建設が成長の原動力となっている。
しかし、中央アジアは依然として貧しく、石油・ガス資
源を有する国とそうでない国の格差が広がりつつある。石
油生産国の 2005 年の 1 人当たり所得は、すでにキルギス、
タジキスタンおよびウズベキスタンの 2 倍以上に達してい
ウズベキスタン、ブハラの子供たち。経済発展と地域協力の促進
は、彼らのような子供たちにより良い未来をもたらす
る。カザフスタンの 2005 年の 1 人当たり GDP は 3,600 ド
ルだったのに対し、ウズベキスタンのそれは 515 ドルだっ
た。 2005 年、農業部門はキルギスにおいては経済の約 50
%を占めたが、カザフスタンでは 6.3%に過ぎなかった。
アゼルバイジャンとカザフスタンの 2005 年の輸出額は、
— 中央アジアは近年力強い成長を遂
げている。アゼルバイジャン、カザフスタ
それぞれ 87%、40%増加した。両国では、世界全体のそれ
ンおよびトルクメニスタンではガス・石
ぞれ0.6%、0.8%に当たる石油埋蔵量が確認されている。ト
油資源が、キルギスでは金が、ウズベキス
ルクメニスタンの石油埋蔵量は世界全体の 0.3%(2003 年
時点)と比較的少ないが、天然ガスの生産量では世界全体
タンでは綿が、アルメニアでは建設が成
の約 2.1%を占める。
長の原動力となっている
48
中央アジア・コーカサス諸国が力強い成長を維持するに
交通と貿易の促進
は、萌芽期にある民間セクターにより多くの関心を払わな
ADB は運輸セクターにおいて、カザフスタン、キルギス
ければならない。民間セクターの発展は、中国とモンゴル
およびタジキスタンの一連の道路プロジェクトを通じて、
に後れをとっている。大規模な民営化が行われたアルメニ
太古の「シルクロード」を含む、域内の重要な運輸回廊の
アを除き、中央アジア・コーカサス諸国の民間セクターは
主要部分を改修するための支援を提供した。
未だに大規模な国有企業の力に押され、サービスに対する
「南部運輸回廊道路改修」プロジェク
2004 年 11 月には、
支持の弱さに悩まされ、劣悪な政策、法律および規制の枠
トに対する貸付が承認された。これは、キルギス南部のオ
組みにより身動きのとれない状態に置かれている。
シから中国国境のイルケシュタムを通り、新疆の大きな市
場町であるカシュガルを結ぶ道路を改修するものである。
地域協力
2005 年 11 月、ADB は「ドゥシャンベ・キルギス国境道
路修復(第 2 期)」プロジェクトに対する新たな貸付を承認
東・中央アジア地域における経済協力は力強く進展して
した。タジキスタンのドゥシャンベからキルギスとの国境
おり、中国の経済的成功がこれに貢献している。中国は、地
に向けて北上する道路の一部を改修するものである。さら
域協力を推進するために近隣諸国と積極的に協力してい
に、キルギスとタジキスタンを通る南北回廊の改修を完成
る。南方では、雲南省を通じて、GMS プログラムが発足し
させる事業、同回廊を西方の中国のカシュガルおよびウル
た 1 9 9 2 年から同プログラムに参加している。 2 0 0 5 年、
ムチまで延長する事業、東方のウズベキスタンまで延長す
GMS プログラムは、中国の広西チワン族自治区をその活
る事業等が検討されている。
動に取り込み始めた(63 ページ参照)。西方では、中国は(新
中央アジア地域経済協力貿易促進プログラムの下で、中
疆ウイグル族自治区を通じた)中央アジア地域経済協力プ
国は他の参加国との二国間税関協力を強化している。中国
ログラムの加盟国として新たな機会を見いだしている。中
の税関当局は、アゼルバイジャン、キルギスおよびウズベ
央アジア諸国が好景気に沸く隣国との古くからの通商関
キスタンと二国間協力合意書および議定書を締結し、カザ
係を復活させたいと望んでいるからだ。
フスタンとの間で税関用積荷目録の調和化を開始し、モン
僻地にあり海に面してはいないが、アジアと欧州をつな
ゴルとの間で共同税関管理イニシアティブを開始した。通
ぎ、ロシアと南アジアをつなぐ陸の橋ともいえる中央アジ
過貿易を促進し、中央アジアおよび中国西部を現代のシル
ア・コーカサス諸国は、地域協力の必要性を認識しつつあ
クロードに変貌させることを目的とした、「国際道路運送
る。ADB の支援を受けて 1997 年に設立されたこのプログ
手続きによる担保の下で行う貨物の国際運送に関する通
ラムの下で、各国は域内貿易を再発見し、より大きな市場
関条約」の正式受諾に向けて大きな進展が見られた。中国
を見いだしている。
の税関当局はまた、地域レベルの訓練および知識フォーラ
カスピ海西岸にあるアゼルバイジャンのバクーからモ
ンゴルのウランバートルに至るまで、中央アジアの
4,000km 近くを横断するこのプログラムには、アゼルバイ
ジャン、カザフスタン、キルギス、モンゴル、タジキスタ
ン、ウズベキスタンおよび中国の新疆ウイグル族自治区が
参加している。アフガニスタンは 2005 年 11 月に加盟が承
認され、ロシアにも参加を呼びかけている。
2005 年末までに、ADB はこのプログラムに関連する 9
件のプロジェクトに対して 13 件・総額 3 億 5,710 万ドルの
貸付を承認し、 3 件のプロジェクトについて 5,280 万ドル
の協調融資を動員した。 ADB はまた、 37 件・総額 2,380
万ドルの技術援助無償を承認済である。
このプログラムについては、ADB、世界銀行、国際通貨
基金、イスラム開発銀行、国連開発計画および欧州復興開発
銀行を含む開発パートナーが協力している。これまでのと
ころ、運輸、エネルギーおよび貿易に主眼が置かれている。
タジキスタンのホジャンドで売られているパン。ADB は各種プロジェ
クトを通じて中小企業にマイクロクレジットおよび支援を提供している
49
東
・
中
央
ア
ジ
ア
東
・
中
央
ア
ジ
ア
キルギスのビシケクとオシを結ぶこの道路のように、
中央アジアの
道路改修を目的とする大規模な事業が行われている(右)。貿易の
促進(上)
ムの主要な誘致先であり、金銭面でのスポンサーでもあ
る。貿易促進プログラムの開始以降、5 つのイベントが中国
で開催されている。
ADB はまた、地域の運輸セクターを強化するため、中
国、カザフスタン、キルギス、ロシア連邦、タジキスタン
およびウズベキスタンを含む地域道路交通協定の起草に
ついて上海協力機構を支援している。
中央アジア諸国に対するインフラ貸付の多くは、中央ア
ジア地域経済協力プログラムを通じて供与されており、他
の地域と同様、ADBは民間セクターをより深く関与させる
ことを目指している。中央アジアでは、成長を維持し貧困
— 中央アジア諸国に対するインフラ
を削減するため、2005 年から 2010 年にかけてインフラの
貸付の多くは、中央アジア地域経済協力
新設のために年間 20 ∼ 30 億ドルが必要となる。これは、以
プログラムを通じて供与されており、他
前の必要額であった年間 10 億ドルを大幅に上回る。
しかし今のところ、ほとんどのインフラは政府資金によ
るもので、資金は不足している。形式主義、過剰な官僚主
の地域と同様、ADB は民間セクターをよ
り深く関与させることを目指している
東・中央アジア:国別承諾額(2005年、単位:百万ドル)
無償プロジェクト
出資・保証
ADF IX
アルメニア
アゼルバイジャン
中国
カザフスタン
キルギス
モンゴル
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
–
52.00
1,499.52
–
15.50
10.00
29.50
–
55.00
–
–
95.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
15.50
–
–
–
–
–
1.50
12.14
–
–
1.00
1.80
–
–
0.15
2.94
18.33
1.30
1.80
1.65
4.00
–
2.30
0.15
56.44
1,624.99
1.30
32.80
12.65
35.30
–
57.30
合計
1,661.52
95.00
15.50
16.44
32.47
1,820.93
– = データなし、ADF = アジア開発基金
a 信託基金および外部資金による無償援助を含む。
50
その他の資金a
貸付
国
技術援助
合計
義、財産権の不備と汚職は、民間セクターの成長を妨げて
いる要因の一部に過ぎない。しかし、特に鉄道、上水道お
よび航空セクターについては民間参加の可能性がある。
中央アジアに電力を供給
中央アジア地域経済協力プログラムの下で承認された
エネルギー・セクターのプロジェクトには、地域ガス運送
ネットワークの改善、タジキスタンの給電系統の修復、中
央アジア∼中欧間ガス・パイプラインの修復、電力相互接
東
・
中
央
ア
ジ
ア
続への取り組みが含まれる。
同プログラムでは、電力産業の規制改革およびエネル
ギーの効率的利用の促進を通じて域内での電力の売買を
支援するため、2005 年に「加盟国電気規制者フォーラム」
が設置された。
このプログラムは、特にアフガニスタンの加盟およびロ
シアを加盟させる計画を受けて、知名度が高まりつつあ
る。同プログラムは、上海協力機構やユーラシア経済共同
タジキスタンのヌレクにある巨大な変圧器。中央アジア地域経済
協力プログラムは域内の電力貿易を支援するための措置を実施し
ている
東・中央アジア:国別貸付額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
東・中央アジア:国別累計貸付額
(2005年末、単位:百万ドル)
アルメニア
アゼルバイジャン
中国
カザフスタン
キルギス
モンゴル
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
–
104.00
16,375.40
501.60
588.50
620.34
273.84
–
914.70
合計
19,378.38
アゼルバイジャン
中国
キルギス
a
モンゴル
タジキスタン
a
ウズベキスタン
– 該当データなし
東・中央アジア:国別貸付実行額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
アゼルバイジャン
中国
カザフスタン
キルギス
モンゴル
タジキスタン
ウズベキスタン
当該期間中、カザフスタンとトルクメニスタンに対する貸付はなかった。
a
域内プロジェクトの貸付コンポーネントを含む。
東・中央アジア:国別累計貸付実行額
(2005年末、単位:百万ドル)
アルメニア
アゼルバイジャン
中国
カザフスタン
キルギス
モンゴル
タジキスタン
トルクメニスタン
ウズベキスタン
合計
当該期間中、トルクメニスタンに対する貸付実行はなかった。
–
0.50
9,920.25
432.58
452.41
491.98
99.59
–
374.31
11,771.62
– 該当データなし
51
— ADBは地域の貿易および運輸に関
する協力を促進するため、中国および中
央アジア地域経済協力プログラム加盟国
とのパートナーシップを強化している
体(中央アジア協力機構と最近合併した)などの他の地域
機構と協力して業務を行っており、すべての域内国、主要
東
・
中
央
ア
ジ
ア
国際機関および地域貿易機構が単一の制度的枠組みの下
に集まる場としては唯一の存在である。
ADB は地域の貿易および運輸に関する協力を促進する
ため、中国および中央アジア地域経済協力プログラム加盟
国とのパートナーシップを強化している。新疆ウイグル族
自治区の首都ウルムチからキルギスとの国境に至る高速
道路プロジェクトおよび都市インフラ・環境改善プロジェ
クトが、2007 年および 2008 年の貸付プログラムに加えら
れた。
中国および中央アジア地域経済協力プログラム加盟国とのパート
ナーシップを強化することにより、ADB は地域の貿易および運輸
に関する協力の促進を図っている
2005 年 3 月、中国は 2,000 万ドルを供与し、アジア開発
途上国間の地域協力と貧困削減を促進する技術援助基金
を設立した。
東・中央アジア:2005年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別、単位:百万ドル)
合計
総事業費a
3.00
52.00
93.20
12 月 8 日
15.00
100.00
55.80
20.72
600.00
400.00
100.00
208.00
–
–
–
–
–
–
–
–
15.00
100.00
55.80
20.72
600.00
400.00
100.00
208.00
55.55
232.20
185.50
35.72
2,077.00
4,131.93
200.00
519.51
3 月 14 日
7 月 18 日
7 月 29 日
8 月 11 日
9 月 22 日
9 月 22 日
12 月 9 日
12 月 15 日
キルギス
銀行セクター・資本市場開発プログラム
–
15.50
15.50
15.50
12 月 20 日
モンゴル
金融規制およびガバナンス・プログラム
–
10.00
10.00
10.00
12 月 15 日
タジキスタン
ドゥシャンベ∼キルギス国境間道路修復(第 2 期)
–
29.50
29.50
39.50
11 月 17 日
ウズベキスタン
基礎教育における情報通信技術
カシカダリヤ州・ナヴォイ州地方上下水道セクター
–
–
30.00
25.00
30.00
25.00
43.00
36.00
10 月 27 日
12 月 12 日
国
OCR
アゼルバイジャン
東西幹線道路改善
49.00
中国
三江平野湿地保護
吉林省上下水道開発
福州環境改善
徳富泰銀行 b
四川省中部道路開発
西安∼鄭州鉄道
河南省廃水管理・給水
湖南道路開発(第 3 期)
ADF
承認日
– 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源
a 総事業費には、
ADB、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業および
金融機関が提供する資金が含まれる。
b 政府保証のない民間セクター貸付。
52
貸付が中国の大気汚染対策に貢献
石炭は中国の主要燃料である。重工業
2002 年以前には、遼寧省の大都市は
の燃料として使われるため、都市は健康
いずれも国家大気汚染基準を満たして
に悪い煙霧で覆われている。状況は冬の
いなかった。汚染度の高い石炭式小型暖
間に特にひどくなる。大気汚染を削減し
房ボイラーを閉鎖するという政府の一
つつエネルギー需要を満たすためには、
致団結した努力もあって、 2003 年には
より効率の高い石炭利用法を見つける
14 都市のうち 7 都市が基準を達成した。
必要がある。
このプロジェクトでは、近代的な汚染
全国の炭坑ではすでにメタンを回収
制御装置を備えた大型かつ効率の高い
しており、炭坑の安全性が高まってい
暖房ボイラーが供給されるため、汚染度
る。しかし、メタン回収の効率が悪いと
の高い石炭式小型ボイラー 4 1 2 機以上
ガスが大気に放出されてしまう。中国の
の閉鎖が可能となる。
炭坑からは、およそ60億立方メートルの
一方、 ADB のクリーン開発メカニズ
高濃度メタンが毎年放出されている。メ
ム・ファシリティと北京に本拠を置くク
タンは地球の大気に対し、二酸化炭素の
リーンエネルギー開発企業クリーン
21 倍の温室効果をもたらす。
ワールド・エネルギーは、阜新鉱業グ
他の方法としては、多くの炭坑に存在
ループが同メカニズムの下で 2 名のバイ
し燃焼時に汚染物質をあまり出さない
ヤーに排出削減クレジットを販売する
メタンガスを有効活用して熱・電気を取
契約を整えた。同メカニズムは、先進国
り出し、より害の少ない二酸化炭素に変
が開発途上国のプロジェクトに投資し
えることが考えられる。このプロセス
てクレジットを取得し、京都議定書の削
は、気候変動に関する京都議定書の重要
減目標を満たすために利用することを
な規定であるクリーン開発メカニズム
可能とするものである。
(CDM)を通じて売買可能な排出削減ク
レジットを生みだすことができる。
東
・
中
央
ア
ジ
ア
メタンの排出削減を通じた大気の浄化が
いくつかのプロジェクトの目標である
のプロジェクトは、 A D B による 1 億
ADB は、プロジェクトの発掘および
1,740 万ドルの貸付の下で、最新技術を
貸付処理と並行して、適格プロジェクト
用いて炭坑からのメタン生産量を約 2 億
そのため、 ADB は炭坑のメタンガス
に対して技術面・運営面での支援を提供
6,500 万立方メートルに増強し、120 メ
の回収・貯蔵・配給を目的とする「遼寧
するファシリティを 2003 年 9 月に設置
ガワットの発電所に燃料を供給すると
環境改善」プロジェクトに対して 7,000
した。
ともに消費者向けにメタンを輸送する
万ドルの貸付を行っている。このプロ
メタン回収を目指すさらに規模の大
ものである。これにより、年間約 43 万ト
ジェクトのうち、阜新周辺のコンポーネ
きい事業としては、山西省の「炭坑メタ
ンの石炭が節約されると見込まれてい
ントは 1,580 万ドルの貸付からの保証
ン開発」プロジェクトが挙げられる。こ
る。
により賄われる。
遼寧プロジェクトでは、家庭用・産業
用に 4,600 万立方メートルのメタンガ
スを回収し、新設・修復されたパイプラ
インおよび中間加圧基地を通じて本渓
市と阜新市に供給することになる。
— 遼寧環境改善プロジェクトでは、家庭用・産業
用に4,600万立方メートルのメタンガスが回収される
ADB の開発途上加盟国が設立した初の基金である地域
協力・貧困削減中国基金は、アジア開発途上国による地域
索している。モンゴルも同プログラムの加盟国であり、他の
いくつかの地域協力イニシアティブにも参加している。
協力および貧困削減に関する知識・経験の共有を促進する
ものである。ADBの全開発途上加盟国が無償援助を受ける
ことができる。
さらに、中国の内モンゴル自治区は、国境を越えた貿易、
交通および環境保全についてモンゴルと協力する方法を模
ADB の支援
ADB は援助の適切性を高めるため、中国における活動
内容を調整し、インフラ開発、環境保全、農業および天然
53
東
・
中
央
ア
ジ
ア
た。 2005 年の貸付の約 81%は運輸セクター、特に道路お
よび鉄道に対するものだった。貸付の約 17%は都市インフ
ラおよび都市環境の改善、残りは農業・天然資源セクター
に向けられた。
東部と西部、都市部と農村部の所得格差の縮小に A D B
が寄与している方法のひとつとして、
「接続」インフラ、特
に大市場につながる道路および鉄道の整備が挙げられる。
ADB の支援は、中国の鉄道網を内陸部へ拡張し、所得格差を縮小
するのに役立っている
1991 年以降、約 30 件・総額 62 億ドル近い貸付を通じて、
地域間通商を促進する約 4,500km の高速道路、そして経済
効率を高める 7,700km の地方道路が建設されている。
中国政府の「西行」政策は、沿岸部から西部の 12 省に向
けて大規模な資源再配分を行うものである。この政策は、
経済活動、運輸、インフラ、公益事業、教育、保健、環境
資源管理、省エネルギー、社会セクター開発、民間セクター
保全、および民間セクターの育成を支える環境を作り出す
開発および地域協力の改善に重点を置いている。
ことを目的としている。
中央アジアおよびコーカサスでは、貸付ポートフォリオ
四川省の雅安から瀘沽に至る 244km の高速道路の建設
の重点を地域協力に置いている。各国への貸付および無償
を目的とする 6 億ドルの貸付は、2005 年に承認された運輸
援助を通じて、他の分野でも貢献している。これには、
「中
セクター案件の目玉のひとつである。20 億ドルのプロジェ
央アジア諸国土地管理イニシアティブ」に基づく土壌劣化
クトの一部をなすこの高速道路により、四川省の省都であ
対策支援プログラムが含まれる(55 ページ参照)。
る成都と雲南省の昆明をつなぐ 900km のルートが完成す
東・中央アジアに対する 2005 年の支援総額は 18 億 4,000
万ドルであった。
る。加えて、貧困地域の地方道路 678km の改修および、
4 カ所の公共交通センターの修復が行われる。
中国で 7 番目に小さい四川省の貧しい山間周縁部に位置
中国
するこのプロジェクトにより、道路網が整備され、雇用、市
接続性の改善
場および社会サービスへのアクセスが改善する。同プロ
ADB は 2005 年中、中国に対して総額約 15 億ドルの貸
付を承認し、支援総額は約 16 億ドルとなった。また、1,830
万ドルの技術援助を承認し、25 億ドルの協調融資を確保し
ジェクトはまた、内陸部と沿岸部の開発格差の縮小を目指
54
す政府の「西部開発戦略」を支援するものである。
同様に、湖南省の山岳地方にある湘西土家族苗族自治州
中央アジアの砂漠化を食い止める協定
中央アジア諸国は、長年続いてきた過
放牧や森林伐採等の非持続的な農業慣
行および自然災害による深刻な土壌劣
化に苦しんでいる。荒れた土地は経済的
進歩を妨げ、健康リスクをもたらし、地
域の社会構造を脆弱にする。しかし、問
題解決の努力は一般的に、限られた成果
東
・
中
央
ア
ジ
ア
しか生んでいない。調整がしっかり行わ
れず、政策、立法および規制が不十分
だったためである。
これを受けて、 ADB と国連砂漠化防
止条約(UNCCD)グローバル・メカニ
ズムが先頭に立ち、「中央アジア諸国に
おける U N C C D 実施のための戦略的
パートナーシップ協定」を策定した。こ
砂漠化は、すべての開発パートナーが関与する、統合された、かつ協力的な取り組み
によってのみ防止できる
の協定は、地域の土壌劣化問題に対する
開発機関の対応を調整し、整合性を高め
実施のための 5 年計画(2020 年まで)を
ることを目的としている。
支援していく。
協定のメンバーには、グローバル・メ
このイニシアティブは、 2005 年には
カニズム、ADB、カナダ国際開発局、ド
設計段階にあった。現在は多国間パート
イツ技術協力公社(GTZ)の砂漠化防止
ナーシップ・フレームワークを策定中
条約プロジェクト、スイス開発協力庁、
で、2006年 3月に地球環境ファシリティ
国際農業開発基金、国際乾燥地農業研究
に提出する予定である。
センターおよび国連開発計画が含まれ
る。世界銀行も加入を申請している。
このイニシアティブでは、持続可能な
土地管理に必要な政策、立法および制度
「中 央アジ ア諸国 土地 管理イ ニシア
条件を明らかにし、持続可能な土地管理
ティブ」は、これらの機関が目標を達成
を国家開発計画および予算プロセスに
するための主要な手段として浮上して
統合していくためのアプローチを提案
きた。 ADB が地球環境ファシリティの
していく。また、持続可能な土地管理の
主導機関を務めるこのイニシアティブ
主な問題および制約を特定し、投資およ
では、各国主導の活動および資金動員か
び技術援助が必要な優先分野を特定し
らなる 2006 ∼ 2015 年の 10 年計画と、
ていく。
— 協定は、地域の土
壌劣化問題に対する開発
機関の対応を調整し、整
合性を高めることを目的
としている
に対する 2 億 800 万ドルの貸付により、この貧困地域にア
安に至る 459km の線路と 9 カ所の新駅が計画されている。
クセスを提供する高速道路の建設を支援していく。
この路線は、北京∼広州、上海∼徐州、北京∼武漢を結ぶ
2020年までに8つの旅客鉄道路線を建設するとの中国の
計画の背景には、相互に関連する目的がある。 2 0 0 5 年、
ADB は河南省と陝西省をつなぐ鉄道の開発を目的とする
4 億ドルの貸付を承認した。河南省の鄭州から陝西省の西
東部主要路線と、西安∼宝鶏∼蘭州、西安∼宝鶏∼成都、西
安∼安康、そして西安∼延安を結ぶ西部主要路線を連結す
ることにより、中国の都市および港湾を中央アジアおよび
欧州と連結する一助となる。
55
環境の改善
東
・
中
央
ア
ジ
ア
松花江流域の汚染管理戦略の策定を支援するため、重要
中国の急激な成長と都市化は環境に損失をもたらして
な 100 万ドルの技術援助無償が供与された。これは、水質
いる。都市インフラの建設も遅れている。主要都市の大気
管理に関する適切な河川流域アプローチを開発するとい
汚染を削減し、河川や湖に排出された廃水を処理し、安全
う中国政府の目標に沿ったものである。この戦略は、水質
な飲料水を供給するためには大規模な投資が必要になる
管理および汚染防止の主要な分野を考慮するだけでなく、
だろう。土壌劣化も中国にとって深刻な、農業に直結する
政策、技術、制度、規制および財政における多数の関連問
問題である。西部と北部で砂漠化が進展し、砂嵐が毎年の
題にも対応している。政府は北西部経済のさらに急速かつ
ように発生している。湿地その他の自然地域の開墾が進
持続可能な成長の基礎を築くことを目的として、松花江の
み、他の地域がその被害を受けている(57 ページ参照)。
生活排水および産業排水を浄化するために 1 9 億ドルの支
ADB は 2005 年、吉林省と河南省の都市および福州の都
市環境改善を対象とする3件の貸付を供与した。都市インフ
ラおよび環境の改善における ADB と中国とのパートナー
出を約束している。
シップは、今後数年間で強化される見込みである。
民間セクター開発
中国の民間セクターは力強く成長しており、不明瞭な私
大気汚染対策として、ADB はいくつかのクリーン・エネ
有財産権、市場参入障壁、国内民間企業に対する税率の高
ルギー供給事業に取り組んでいる。そのひとつは、石炭を
さ、金融サービスに対するアクセスの不足といった制約を
燃料とする火力発電が主なエネルギー源であった甘粛省
取り除く努力が続けられているため、さらに急速な発展が
に水力発電所を建設するものである。2003 年に承諾され、
期待される。政府は ADB の強い支援を要請した。ADB は
2007 年に完成予定のこの 3,500 万ドルのプロジェクトで
は、張掖市に電力を供給する 98 メガワットの「小孤山水力
これに応え、中国における民間セクター業務において、環
発電所」の建設が進んでいる。同プロジェクトではまた、西
焦点を当てている。
境改善およびインフラ、エネルギーおよび金融セクターに
強化する。張掖市は頻繁な停電および電力不足に悩まされ
2005 年 10 月、 ADB は中国銀行に対して 7,500 万ドル
の出資(株式の 1%未満)を行った。民間セクター業務の出
ており、需要が増えるのに対し新たな発電所の完成が遅れ
資としては過去最大の規模である。これは、世界貿易機関
水、花
、および安陽という貧しい田舎町への電力供給を
たため、状況が悪化している。
(WTO)加盟後の競争の激化に備えた中国の金融セクター
この他、遼寧省および山西省では、炭坑から出るメタン
改革を支援する重要な取り組みであり、効率的な金融セク
ガスを回収してクリーンな燃料として活用する事業が進
ターが地域の経済開発に不可欠であるという ADB の考え
められている(53 ページ参照)。
方に沿ったものである。中国銀行は、同国最大の商業銀行
のひとつであり、最初に民営化が予定されている国有銀行
のひとつでもある。
中小企業の 80%以上は、未だに金融サービスへのアクセ
スに苦労している。2005 年の貸付の下で、ADB は徳富泰
銀行(Business Development Bank Limited)に対する
1,750 万ドルおよび 250 万ユーロの貸付に合意した。
徳富泰銀行は現在、上海および周辺の沿岸省でドル資金
を必要とする中小企業に、主にドル建ての貸付を行ってい
る。同行はまた、特定の主要都市において、外資系企業と
人民元建ての限られた取引を行うことを許されている。同
行はこの貸付の下で、中小企業向けの貸付を拡大し、資本
を増やし、現地企業に現地通貨建ての貸付を行うための範
— 中小企業の 80%以上は、未だに金
雲南省昆明の花売り。雲南省は GMSプログラムを通じて新たな経
済的機会を獲得している
56
融サービスへのアクセスに苦労している
画期的な湿地計画
1998 年に中国で起きた大洪水(数千
人が死亡、数百万人が家を失い、経済的
にも悪影響が出た)は、洪水制御に関す
る考え方が変わる重要なきっかけと
なった。政府関係者は、この大惨事が、中
国の河川流域を何千年にもわたって維
持してきた自然のシステムが破壊され
東
・
中
央
ア
ジ
ア
たために引き起こされたことを理解し
ている。
「1 9 9 8 年の洪水が目を覚ますきっか
けになりました。これだけお金を注ぎ込
んでいるのに、なぜ洪水がまだ発生し、
被害がさらに深刻化しているのか、とい
う問いを人々が発するようになったの
です。洪水は、総合的なアプローチで、自
然との調和を保ちつつ管理しなければ
ならない、という見方が浮上していま
す」と言うのは、ADB の主席天然資源管
理スペシャリスト、 KyeongAe Choe
である。
この「新しい」考え方が背景となって
いるのが、5,500 万ドルの三江平野湿地
保護プロジェクトである。中国北東部の
黒龍江省にある広大な三江平野の人間
と生物多様性を保護するため、総合的な
方法で流域を管理することが目的であ
る。これは、松花江に関する ADB 支援
の長期的な目的とも一致している。
三江平野は韓国ほどの広さがあり、約
37 の生態系、 1,000 の植物種、 528 の
脊椎動物種を支えている。しかし、50 年
間に及ぶ農業の拡大によって同平野の
破壊が進み、もともとあった森林・湿地
面積のうち5分の1を残すのみとなった。
住民は農地を拡大するために湿地の
ADB の事業により管理の改善を目指す広大な三江平野の景観
水を抜き、洪水の水を水路に導いた。排
水路、ポンプ場、洪水制御堤防からなる
ティ、中国政府および ADB が共同で資
広大なネットワークによって流域全体
金を提供している。
— 三江平野湿地保護
のサイクルが変わり、何百万ヘクタール
上流域の森林被覆を増加させ、水資源
もの天然の沼沢地や湿潤な草地が破壊
に関する計画および管理を改善する。ま
された。
た、 3,433 ヘクタールの湿地を回復し、
プロジェクトは、人間と
生物多様性を保護するた
三江平野を持続可能な軌道に乗せる
世界的に絶滅の危機に瀕している野生
ため、このプロジェクトは、環境保全と
生物種を湿地自然保護区で保護し、その
現地住民の経済的福祉を両立させる総
数を増やすことも目標としている。6 カ
合的な流域・湿地管理アプローチを採用
所の主要な自然保護区に、生息地および
している。 2005 年半ばに開始された同
野生生物の保護という直接的な利益が
プロジェクトには、地球環境ファシリ
もたらされる。
め、総合的な方法で流域
を管理することを目的と
している
57
子供の食生活を補強する無償援助
日常的飲食物における基本的なビタ
しかし、世界銀行によると、1 人当た
ミン類や微量栄養素が不足しているこ
り年間わずか 5 セントで塩にヨウ素を添
とが原因となって、中央アジアの子供の
加し、わずか 9 セントで小麦粉に鉄分を
認知力が損なわれている。同地域では、
加えることができる。
している。
ほぼ 3 年間にわたる活動の結果、ヨウ
素添加塩の生産と消費はすべての参加
貧困削減日本基金の下で 2 期に分けて
国において大幅に増加した。2004年 4月
栄養不良による子供の発育阻害が増
実施されるプロジェクト(「アジア移行
時点で、カザフスタン、キルギスおよび
えている地域は、世界でも 2 カ所しかな
諸国の貧困母子栄養改善」。2001 年に開
タジキスタンにおけるヨウ素添加塩の
い。中央アジアとサハラ以南のアフリカ
始され、2004 年には 700 万ドル以上が
生産量は、国内消費量の66%というプロ
である。鉄分不足の女性は出産時に死亡
供与された)は、この状況を改善するた
ジェクトの目標を上回った。タジキスタ
する確率が高く、そうした女性から生ま
めに ADB が承認した 2 件のプロジェク
ンでは、プロジェクト目標の倍以上が生
れる子供は運動技能と認知技能に障害
トのひとつである。
産された。
認知障害の発生率が異常に高い。
東
・
中
央
ア
ジ
ア
分、葉酸その他のミネラルの添加を支援
が出たり、発達が遅れる確率が高い。
同プロジェクトの第 2 期(2005 ∼ 07
タジキスタンだけでも、日常的飲食物
年)では、栄養不良問題の単純な解決方
においてヨウ素が深刻に不足している
法として食物の栄養強化を推進してい
子供は30%以上に上る。ヨウ素の不足は
る。具体的には、アゼルバイジャン、カ
脳の発達を妨げる。中央アジアには、ヨ
ザフスタン、キルギス、モンゴル、タジ
ウ素不足の発生率が 9 0 %を超えている
キスタン、およびウズベキスタンにおい
地域がある。
て食塩へのヨウ素添加、小麦粉への鉄
— 貧困削減日本基金を通じたプロジェクトでは、
栄養不良問題の単純な解決方法として食物の栄養強化
を推進し、
食塩へのヨウ素添加および小麦粉の栄養強
化を支援している。
基本的な主食品の栄養強化により、キル
ギスの子供たちが健康に育つことが可能
になる
囲の広い人民元事業ライセンスを取得する予定である。
また、 ADB は 2005 年に、初の人民元建て債券(「パン
ダ債」)10 億元(1 億 2,490 万ドル)を発行した。これは、
東アジアの現地通貨資本市場を強化し、中国の民間セク
ターが資金を入手しやすくするという、より大きな計画の
一環である。
モンゴル
2005 年に承認された「金融規制・ガバナンス・プログラ
ム」に対する 1,000 万ドルの貸付は、健全かつ基盤の広い
金融セクターの育成を目的としている。同プログラムは、
同セクターに関する単一監督機関の設置を支援すること
によって借入コストを削減し、信用を拡大し、銀行のガバ
ナンスを強化し、投資のために貯蓄を動員する上でのノン
バンク金融機関の役割を強化することを目指している。同
教育は健全な経済の基盤となる
58
プログラムでは、マネーロンダリングのリスク軽減を支援
するため、モンゴル銀行に金融諜報部門を設置する予定で
ある。
2005 年、ADB はモンゴルに対する 1,650 万ドルの技術
援助を承認した。対象は、金融セクター改革に向けた能力
開発を支援する「都市開発・住宅建設」プロジェクトの形
成および「西部地域道路回廊」の事前フィージビリティ調
査である。また、
「妊産婦死亡率削減」に対する貧困削減日
本基金からの無償援助(100 万ドル)を通じて、モンゴル
によるこの重要な MDG の達成を支援していく。
東
・
中
央
ア
ジ
ア
中央アジア・コーカサス諸国
ADB は 2005 年、中央アジア・コーカサス諸国に対して
約 1 億 5,200 万ドルの貸付を承認した。総額は 2004 年とほ
ぼ同じであった。貸付の 3 分の 1 (36%)はウズベキスタ
ン、34%はアゼルバイジャン、19%はタジキスタン、10%
はキルギスに供与された。さらに、1,249 万ドルの技術援助
を承認した。
移行支援
トルクメニスタンのメルブでコンピュータの授業を受ける学生。情
報通信技術はより良い職を得るのに役立つ
経済成長が遅れている農村地域の市場経済への移行を支援
するため、農民の権利の拡大および国家による介入の削減
万人および 8 万 9,000 人の教師が、このプロジェクトから
を目的とする多数のプロジェクトを実施している。
直接利益を得ることになる。
「農
例えばタジキスタンでは、ADBは農場改革を支援し、
ウズベキスタンは教育システムに多大な投資を行っ
場債務解消戦略」を実施している。この 1,500 万ドルのプ
ている。実際のところ、中央アジア諸国はいずれも識字率
ロジェクトは、負債を抱える多数の農場の分析を通じて、
の高さを誇っている。しかし、教育システムは高コストで
タジキスタン政府による綿花農場の債務解消を支援するも
あり、ソビエトの価値観および中央計画経済の労働者要件
のである。
に基づくもので、したがって移行経済には不適切である。
この技術援助無償では、世界銀行、国連開発計画および
欧州連合など、同国の農村セクターに関与している他機関
安全な飲料水、健康状態の改善
の活動の調整支援も行われる。
ルの新たな貸付パッケージを通じて「東西幹線道路」最後
2005 年には、ウズベキスタンの農村に住む 25 万人の住民
を受益者とするプロジェクトを承認した。 2,500 万ドルの
貸付により、 2 つの州における荒廃したインフラの修復を
の 2 区間の改修を支援している。イェヴラフ∼ガンジャ区
通じて、安全な飲料水および下水施設へのアクセスを提供
間およびカザフ∼グルジア国境区間の 2 車線舗装道路に加
していく。カシカダリヤ州およびナヴォイ州の約 170 の村
え、地方道路の改修を進めている。
落における生活条件と公衆衛生の改善を目的として、水道
アゼルバイジャンでは、2005 年末に承認した 5,200 万ド
管システムの修復と改善、公共施設と学校でのトイレの建
教育の改善
キルギスでは、貧困地域の子供たちにより良い基礎教育
設、汚水排水の改善を行う。また、上水道システムを構成
する最大20村のグループおよび下水施設の改善を対象とし
サービスを提供することを目的とした 1,550 万ドルの無償
て、約 12 件のサブ・プロジェクトを実施していく。
援助を承認した。
これ以外にも多方面にわたる支援の一環として、認知障
ウズベキスタンでは、コンピュータおよびインター
害および先天的欠損症の高い発生率ならびに高水準の妊産
ネットへのアクセスを含む情報通信技術を基礎教育に取
婦および幼児死亡率の原因となっている深刻な栄養不良問
り込むことを目的として、3,000 万ドルの貸付を行った。主
題に対応するため、地域各国に対し、貧困削減日本基金か
に貧しい遠隔地の農村部に住む 5 年生から 9 年生の生徒 54
らの無償援助を提供した(58 ページ参照)。
59
メコン河流域
カンボジア、ラオス、
ミャンマー、タイ、ベトナム
メ
コ
ン
河
流
域
地域に関する視点
メコン河はこれまで常に、流域に住む様々な人々を地理的
に結びつけてきたが、過去においては貿易関係が紛争により
途絶えることも多かった。しかし、その流域を共有する国々は
現在、経済的繁栄の高まりのなかで、恒久的な関係を確保しよ
うとしている。
メコン河流域諸国の貧困率は、50%近かった 1990 年から大
幅に低下している。最近の推定では、各国の貧困率は9.8%(タ
イ)から 34.7%(カンボジア)の範囲にある。この削減にも
かかわらず、貧困は依然として大きな開発課題である。
2005 年、ほとんどのメコン河流域諸国は、石油価格の高騰
および鳥インフルエンザによる経済的悪影響にもかかわら
ず、力強く成長した(38 ページ参照)。
カンボジアは 2005 年に 8.4%という目覚ましい成長率を記
録した。主な要因は、農業生産が大幅に伸びたことであった。
新たな立法措置により、カンボジアの民間セクターおよび経
済全体の成長に対して広範囲に及ぶポジティブな影響がもた
らされると期待されている。
最近発効した「営利事業法」は、企業登記にかかる時間と費
用を大幅に減らすことによって簡単に起業できるようにする
ものである。同じく民間企業の役に立つ「担保取引法」は、貸
付費用を削減し、銀行の仲介業務を拡大する可能性が高い。
「コンセッション法」は、インフラ事業に対する民間企業の参
加環境を改善するはずである。この両法案は国民議会に提出
され、現在承認を待っているところである。
60
メコンの肺ともいえるトンレサップの水
路は保全しなければならない
メ
コ
ン
河
流
域
61
メコン河流域:主要経済指標(2005年)
国
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
貧困率
実質GDP
成長率
平均
インフレ率
(%)
(%)
(%)
a
34.7
32.7 d
26.6 f
9.8 i
19.5 a
b
8.4
7.2
12.2 g
4.5
8.4
5.8
7.2
–
4.5
8.3
貿易収支
(単位:
百万ドル)
(1,033.5) b
(342.3)
1,231.7 h
(8,578.0)
(4,564.0)
海外直接投資
(単位:
百万ドル)
216.0 b,c
27.1 e
–
3,288.9 c
1,914.0 c
– データなし、( )マイナス
a
2004 年のデータ、 b 推定値、 c 純額ベース、 d 2002 ∼ 03 年のデータ、 e 総額ベース、 f 2001 年のデータ、 g 2005 会計年度( 2005 年 4 月∼ 2006 年 3 月)、
h
2004会計年度(2004年4月∼2005年3月)、i 2002年のデータ。
カンボジアの金融セクターは、「金融セクター・クラス
メ
コ
ン
河
流
域
ター」プログラムが 2001 年に開始されてから大きな進歩を
引き続き良好で、企業マインドも好調を維持した。
石油の純輸出国であるベトナムにとっては、石油価格の
遂げている。金融の安定度が高まり、金融サービスが増え、
高騰が逆に有利に働いた。石油価格以外にも、ビジネス環境
同セクターに対する信頼が高まっている徴候が見られる。
の改善が同国経済を刺激した。昨年特に好調だったのは、製
ラオスは貧困率の削減に貢献した近年の健全な成長を受け、
造業、
鳥インフルエンザの影響をほとんど受けなかった様々
2005 年も力強く成長した。同国はまた、所得および非所得
な農業部門、そして観光客の急増により 15%成長したホテ
関連の MDGs の達成に向けて進歩している。 2005 年のイ
ルおよび飲食業である。
民間企業の堅調な増加も成長に寄与
ンフレ率は 7.2%に減速したが、貿易収支と経常収支は引き
した。
続き赤字だった。
タイの 2005 年の成長率は 4.5%となった。輸出部門が好
調だったことと、2004 年 12 月の大津波および干ばつの影
ミャンマーでは、ADB は経済状況の監視を続けたが、タ
イムリーかつ信頼性の高いデータが入手できないため、
確実
な評価は今後の課題である。
響が年後半に沈静化したことが貢献した。
同国の財政状態は
生産、貿易と投資をリンクする地域経済回廊の基盤をなす主要交通ルートが建設されている
62
地域協力
「大メコン河流域圏経済協力プログラム」(GMS プログ
成長をもたらす経済回廊
進行中のプロジェクトにおける 2005 年の進捗を反映し
ているのは、 GMS 経済回廊の基礎をなす主要交通ルート
ラム)は、 ADB の支援を受けて、 1992 年に設立された。
である。GMS 経済回廊とは、生産、貿易および投資に関連
9 つのセクター(運輸、エネルギー、通信、人材開発、観光、
するインフラ開発を戦略的に集中して行う地域のことで
環境、貿易、投資および農業)における協力を促進し、加
ある。この交通回廊は、GMS の 11 件の旗艦プログラムの
盟国に対して貧困削減の手段を提供する。加盟国(カンボ
中核をなす。3 つの主要経済回廊(東西、南北、南部)は、
ジア、中国、ラオス、ミャンマー、タイおよびベトナム)が
越境経済活動の大幅な拡大を支える基礎となる。
接続性および競争力の強化に向けて着実な進歩を遂げた
新たに改修されたプノンペン∼ホーチミン間の 2 4 0 k m
結果、メコン河流域における共同体意識が高まっている。
の幹線道路沿いでは、商業が急速に発展している。道路の
共通天然資源の持続可能な管理や、保健・社会問題などの
改修が終わった直後に交通量が急増した。
共通の課題に対する各種の取り組みもまた、地域の平等化
東西経済回廊の進捗は実に目覚ましい。この回廊は約
と繁栄に貢献している。
1,500km におよび、西のアンダマン海から東の南シナ海に
2005 年には、いくつかの経済交通回廊に関する作業が
重要な管理点を通過し、 GMS プログラムは新たな段階に
入った。数百 km に及ぶ舗装道路が建設され、越境が容易に
至る。東西経済回廊沿いにあるサバンナケート州のセポン
なり、貿易拡大協定が締結されたことで、地域全体の生計
がもたらされた。
では、オーストラリアの鉱山会社が多額の投資を行ってい
る。この開発により、地元の村々に雇用その他の生計手段
が改善している。越境輸送を合理化し、近代的な道路網、通
信網および電力網を建設し、観光と投資を促進することに
より、 GMS 加盟国は貧困を削減している。
2005 年には、GMS に対し、5 件・計 5,600 万ドルの貸
付および無償援助ならびに 24 件・計 3,920 万ドルの技術無
償援助(協調融資含む)を承認した。1992 年から 2005 年
末までに、ADB は GMS プログラムの下で、計 18 億ドル
の貸付および計 6,700 万ドルの技術援助無償を承認した。
— 数百 km に及ぶ舗装道路が建設さ
れ、越境が容易になり、貿易拡大協定が締
結されたことで、地域全体の生計が改善
している
GMS サミットおよびその他のイベント
第 2 回 GMS 首脳会議は 2005 年 7 月、中国の昆明で開催
された。サミットは「共通の繁栄に向けた GMS パートナー
シップの強化」と題した「昆明宣言」を採択し、成功裏に
閉幕した。宣言は、地域指導者の GMS プログラムに対す
る強いコミットメントを体現し、MDGs 達成に向けた連携
の必要性を強調する内容であった。 G M S 環境相会議が
2005 年 5 月に発表した「生物多様性回廊保全イニシアティ
ブ」は、本サミットの重要な成果であった。
社会セクターと環境セクターの取り組みも強化された。こ
れらには、感染症の予防と抑制、
「プノンペン開発管理計画」
の下での公務員研修および中核環境プログラムが含まれる。
2004 年 12 月には第 13 回 GMS 閣僚会議がビエンチャン
で開催され、中国の広西チワン族自治区の GMS プログラ
ムへの加盟を歓迎した。広西自治区は 2005 年に入って
GMS プログラムの活動への参加を始めた。ADB は広西自
治区が GMS の他地域との連携を早める方法に関する調査
を支援した。
GMS プログラムの下で、メコン河流域諸国は国境通過の時間を短
縮するため、税関手続を簡素化している
63
メ
コ
ン
河
流
域
メ
コ
ン
河
流
域
ベトナムのフエにあるトゥドゥック皇帝稜は、GMS 内の数多い観光名所のひとつで、2005 年にここを訪れた観光客は 2,000 万人近く
に達した
国境通過の簡素化
GMS プログラムは「越境交通協定」の実施を通じ、ヒト
とモノの越境移動に対する非物質的な障壁の除去を支援
達し、2010 年には 3,000 万人にまで急増すると見込まれて
いる。
一方、通信セクターでは、地域ネットワークの確立に関
している。 A D B の技術援助の下で起草された同協定は、
するフィージビリティ・スタディが実施された。地域の国
GMS の全加盟国による採択を前提とした多国間協定であ
る。この協定には、
「1 カ所で済む税関手続」、人の越境移動、
内ネットワークを相互に接続するバックボーンのうち欠
通過交通制度、商業交通権の交換など、越境交通の促進に
る接続が計画されている。地域ネットワーク施設に基づく
関する重要な側面がすべて網羅されている。
サービスやアプリケーションの幅を広げる情報スーパー
2005 年、GMS プログラムはラオス・ベトナム国境のダ
ンサバン・ラオバオにおいて同協定の実施を開始した。
落している箇所については、光ファイバー・ケーブルによ
ハイウェイ・ネットワークの建設についても、重点的に協
力を進めていく。
2 0 0 6 年には、プノンペン∼ホーチミン幹線道路沿いのバ
ベット・モックバイ国境、東西経済回廊沿いにあるムクバ
ハン・サバンナケート国境、そしてアランヤプラテート・ポ
イペトのタイ・カンボジア国境での実施が予定されてい
る。地域内の多くの場所で、すでに貿易が増加している。
観光と通信の促進
観光を促進するため、 GMS 諸国は 2005 年に長期的な
「GMS 観光セクター戦略」を採択した。これは、 GMS 地
域を単一の観光目的地として宣伝することを目指すもの
だ。GMS 諸国はビザ発給要件の緩和、空港の改修および訓
練プログラムを開始し、マーケティングを強化している。
2005 年に 6 カ国を訪れた観光客の総数は 2,000 万人近くに
64
— GMS諸国は観光を促進するため、
GMS 地域を単一の観光目的地として宣
伝することを目指す長期的な「GMS観光
セクター戦略」を 2005 年に採択した
カンボジアの巨大な湖を守る取り組み
何世紀も前に、カンボジアの住民は東
∼09年の国別戦略・プログラムおよびそ
なだけ繰り返すことになっている。ここ
南アジア最大の淡水湖の季節的な干満
の年次更新における地理的な重点を設
で得られる経験と教訓は、複雑な生態系
を掌握し、コメの生産量を最大化し、ア
定した。開発目的は、貧困層を重視した
の長期的な保全活動に取り入れていく。
ンコール朝の奇跡を可能にした。今日、
持続可能な成長、資産へのアクセスおよ
イニシアティブの一環として、 A D B
カンボジア人の多くは家族を養うため
び天然資源管理・環境管理を助長・促進
は 2005 年に 1,800 万ドルの無償援助を
の魚や、モンスーン期に水田に引く水を
することである。
承認した。トンレサップ盆地近辺の 100
トンレサップ湖に依存している。
湖への脅威は盆地全体の視点から考
万人を超える住民に対する安全な飲料
ADB は「トンレサップ・イニシアティ
慮しなければならないが、すべての問題
ブ」の下で、カンボジア政府に対し、同
を同時に解決することはできない。介入
この無償援助では、盆地に隣接する 5
国の大部分を支える豊富な天然資源を
活動は 8 年をかけて湖の中核地域から上
州の約 1,760 村に上下水道施設を提供
保護する計画の策定を支援している。イ
流の集水域に遡り、このサイクルを必要
するプロジェクトに資金を提供する。ま
水の提供を支援するものである。
ニシアティブの中心は、段階を追って実
た、約72万人の農村住民の衛生環境を改
施される中核的な貸付および無償援助
善し、コミュニティが施設に責任を持つ
であり、これによって、盆地全体を対象
ように訓練し、保健衛生に関する意識調
とする総合的な問題解決アプローチを
査を実施する。
メ
コ
ン
河
流
域
策定していく。
トンレサップ盆地のユニークな特徴
は、首都プノンペンの南でメコン河に合
流する長さ 100km のトンレサップ川に
よってもたらされる。雨期の間、メコン
河の激しい流れによってトンレサップ
川が北に向かって逆流し、湖に流れ込
む。このため、湖は約 2,500 平方キロか
ら約 1 万 6,000 平方キロにまで拡大す
る。魚、鳥、ほ乳類と植物が、この水文
— 魚、鳥、ほ乳類と
学的現象の中で繁殖する。
トンレサップ湖は世界で最も生産的
植物が、この水文学的現
な漁業のひとつを支え、カンボジア人の
象の中で繁殖する
多くに主要蛋白源を供給する。その土
地、水および生物資源は、湖に隣接する
州の人口の 40%に直接的な便益を与え、
それ以外の地域においても食料安全保
トンレサップ湖は世界で最も生産的な漁
業のひとつを支え、カンボジア人の大半
に主要蛋白源を供給する
障と雇用を支えている。湖はまた、生物
多様性の保全に関して世界的な重要性
を有している。
漁業資源と野生生物の乱獲、浸水林の
農地への転換、そして燃料のための木材
採取によって、このバランスが危険にさ
らされている。流域における広汎な森林
伐採によって動植物の生息地が破壊さ
れ、水質と土壌の質が悪化し、沈泥率が
上昇している。
カンボジアは 1993 年にトンレサップ
湖を多用途保護地域に指定した。国連は
1997 年にトンレサップ湖を生物圏保護
区に認定した。2003 年には、ADB が「ト
ンレサップ盆地戦略」を完成させ、2005
65
— GMS プログラムを環境的に持続
可能な軌道に乗せるため、加盟国は 2005
年に、
「生物多様性保全回廊イニシアティ
ブ」を含む「中核環境プログラム」の実施
を承認した
メ
コ
ン
河
流
域
ADB は開発パートナーと協調して、養鶏農家による鳥インフルエ
ンザ対策を支援している
環境保全
鳥インフルエンザ対策
「生物多様性保全回廊イニシアティ
め、加盟国は2005年に、
GMS プログラムを環境的に持続可能な軌道に乗せるた
アジア太平洋地域における鳥インフルエンザの脅威を食
ブ」を含む「中核環境プログラム」の実施を承認した。ADB
い止めるため、ADB は感染症に関する協力の促進を目的と
はこのイニシアティブを支持するため、過去最大の地域技
する新たな地域イニシアティブを立ち上げた。2005 年に承
術援助(約 2,500 万ドル)を承認した。このイニシアティ
認した 3,000 万ドルの ADF 無償を通じて、カンボジア、ラ
ブは、メコン河流域において環境の持続可能性と社会的平
オスおよびベトナムにおいて、脆弱な集団における鳥イン
等を達成し、地域の開発ポテンシャル、パフォーマンスお
フルエンザ等の感染症の蔓延の抑制を支援していく。2005
よびインパクトの増大を目指すものである。
年には、同年の鳥インフルエンザ発生の中心地であったベ
トナムに対して 1,800 万ドルを供与した(38 ページ参照)。
メコン河流域:国別貸付額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
メコン河流域:国別累計貸付額
(2005年末、単位:百万ドル)
カンボジア
850.24
1,183.14
530.86
5,388.07
3,732.37
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
11,684.68
合計
ラオス
ベトナム
当該期間中、ミャンマーとタイに対する貸付はなかった。
メコン河流域:国別承諾額(2005年、単位:百万ドル)
無償プロジェクト
出資・保証
ADF IX
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
10.00
70.00
–
–
577.70
–
50.00
–
–
–
42.00
16.00
–
–
25.64
9.98
1.50
–
–
0.90
7.62
3.02
–
3.35
12.25
69.60
140.52
–
3.35
616.49
合計
657.70
50.00
83.64
12.38
26.24
829.96
– = データなし、ADF = アジア開発基金
a 信託基金および外部資金による無償援助を含む。
66
その他の資金a
貸付
国
技術援助
合計
ADB の支援
2005 年に ADB が行った約 8 億ドルの投資に支えられ、
メコン河流域諸国は引き続き、域内における社会・経済開
発の加速および貧困削減に注力した。これらの諸国への支
援においては、加盟国政府および開発パートナーと常に協
力しつつ、経済成長の加速と貧困削減に必要となるインフ
ラの整備に重点を置いた。運輸およびエネルギー関連のプ
ロジェクトが貸付の 4 分の 3 以上を占めた。
カンボジア:トンレサップ・イニシアティブ
2005 年中、カンボジアに対しては 3 件・計 4,300 万ドル
の貸付/無償援助を承認した。これには、地方上下水道
(1,800 万ドル)およびトンレサップ盆地における持続可能
ムクダハンからカンタブリにかけてメコン河を横断する新たな橋が
完成すれば、渡し船への依存度が低減される
メコン河流域:国別貸付実行額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
メコン河流域:国別累計貸付実行額
(2005年末、単位:百万ドル)
カンボジア
ラオス
タイ
ベトナム
当該期間中、ミャンマーに対する貸付実行はなかった。
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
564.58
905.76
411.83
4,183.05
1,955.16
合計
8,028.38
メコン河流域:2005年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別、単位:百万ドル)
OCR
国
カンボジア
金融セクター・プログラム(サブプログラム III)
ラオス
大メコン河流域圏ナムトゥン 2 水力発電
– 民間セクター貸付
– 公共セクター貸付
ベトナム
予防衛生制度支援
貧困削減プログラム実施支援(第 2 期)
中部交通網改善セクター
大メコン河流域圏
昆明∼ハイフォン運輸回廊
ノイバイ∼カオライ間幹線道路
技術援助
中部水資源
北部送電拡張セクター
ADF
総事業費a
合計
承認日
–
10.00
10.00
10.00
9 月 29 日
50.00
20.00
–
–
50.00
20.00
1,450.00
4月4日
4月4日
–
–
–
–
27.90
15.00
94.50
6.00
27.90
15.00
94.50
6.00
47.54
225.00
138.00
8.00
8 月 25 日
11 月 3 日
11 月 11 日
12 月 19 日
–
360.00
74.30
–
74.30
360.00
99.00
452.70
12 月 19 日
12 月 21 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源
a
総事業費には、ADB、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業および金
融機関が提供する資金が含まれる。
67
メ
コ
ン
河
流
域
民間委託による医療へのアクセスの拡大
カンボジアの人々の平均余命は比較
つ職業的かつ丁重なサービス、そして治
とである。政府の診療所の給与が月10∼
的短く、妊産婦死亡率および HIV /エイ
療の成功によって、治療を必要とする
30ドルとあまりに低かったため、医療ス
ズ感染率が高い。彼らの健康状態を大幅
人々を引きつけている。また、強制可能
タッフは他の収入を探さざるを得な
に改善するためには、広範囲にわたる革
な契約、金銭上のインセンティブ、受益
かった。彼らの多くは公然と保健セン
新的な努力が必要である。
者負担金および達成可能な目標を用い
ターの外でサービスを提供し、公式給与
てスタッフの意欲を高めている。
の 10 倍の収入を得ていた。
カンボジアの貧しい人々は治療が必
要な場合でも、政府が運営する診療所で
受託 NGO のひとつであるヘルスネッ
スタッフが時間の 1 0 0 %を公共シス
診察を受けるのではなく、自分で治療す
ト・インターナショナルは、多くの理由
テムに捧げてもよいと思う水準に給与
るか、伝統的な治療者を呼ぶか、場合に
により全体的なサービスの質が改善し
が引き上げられた。医師と県の管理担当
よっては逃げ出すことすらある。
たと述べている。特に重要だったのは、
者の間で、給与は月 120 ∼ 180 ドルとす
公務員による個人営業がなくなったこ
ることが合意された。
コンポンチャム州メムート県のある
母親は「医療スタッフが私の村にやって
メ
コ
ン
河
流
域
きたのを見て……私は赤ん坊をつれて、
村の後ろの茂みに隠れました」と言う。
公共医療施設の運営および改善を民
間組織に委託する政府のプログラムが、
この状況を変えつつある。完了済の貸付
の下で 1996 年に開始された同プログラ
ムが広範囲にわたって成功したため、政
府担当者は民間委託を同国 76 県のうち
5 県から 10 県に拡大することを決定し
た。 2005 年に継続された同プログラム
の第 2 期に対しては、「保健セクター支
援」プロジェクトの下で 2,000 万ドルの
ADB 貸付が供与された。完了は 2007 年
の予定である。
この委託制度の下で、特に貧困層の間
で公共サービスの利用が高まっている。
いくつかのプロジェクト地区では、自己
負担医療費の平均額が 1 人当たり 30 ド
ル以上も低下した。
NGO は、清潔な診療所、予測可能か
— この委託制度の
下で、特に貧困層の間で
公共サービスの利用が高
まっている。自己負担医
療費の平均額は 1 人当た
り 30 ドル以上低下した
68
NGO が運営する診療所では、妊産婦ケアの質が向上し、公共サービスの利用が増え
ている(上)。スタッフが時間の 100%を公共システムに捧げてもよいと思う水準に
給与が引き上げられた(下)
な生計(1,500 万ドル)に対する 2 件の無償援助プロジェク
トが含まれる。3 件目は 1,000 万ドルの ADF 貸付で、市場
ベースの金融システムの開発を目的とする金融セクター
プログラムを対象とする。
トンレサップ・イニシアティブは、東南アジア最大の淡
水湖の環境保全に向けて順調に伸展している(65 ページ参
照)。また、診療所の運営を NGO に委託する長期プロジェ
クトに新たな資金を提供し、カンボジアの人々が引き続き
質の高い医療を受けられるようにした(68 ページ参照)。
技術援助特別基金、日本特別基金その他の資金源に基づ
く非貸付プログラム(14 件の技術援助)の 2005 年の合計
額は 762 万ドルで、プロジェクト形成、能力開発等を目的
とする技術援助を行った。
メ
コ
ン
河
流
域
2005 ∼ 2009 年のカンボジア国別戦略・プログラムが理
事会により承認された。この作成段階で注目されたのは、
世界銀行、英国の国際開発省および関連する国連機関との
共同プロセスであった。
ラオス:水力発電
2005 年 4 月、ADB はナムトゥン 2 水力発電プロジェク
トに対し、2,000 万ドルの公共セクター貸付、5,000 万ドル
を限度とする民間セクター貸付および 5,000 万ドルを限度
とする政治リスク保証を承認した。これらはラオスにおけ
ラオスのラオバオ商業地区にある工場で働く工員(上)。タイの経
済および ADB との関係は新時代に入りつつある(下)
るADB初の民間セクター貸付であり、初めての政治リスク
保証であった。また、ラオスの電力セクターにおける 2 番
目の官民パートナーシップでもある。このプロジェクトの
承認は、メコン河流域における画期的な出来事であり、官
民パートナーシップのモデルとなるものだ。これは、タイ
およびラオスの市場に 1,070 メガワットの電力を供給する
という国際的な取り組みの一環である。
ADB はまた、安全かつ信頼性の高い飲料水の供給を支
援する 1,000 万ドルの ADF 無償を承認した。ラオスの北部
および中部地域に位置する 1 2 の小規模な町において新た
な水源を開発し、最適な規模の水道システムを建設するこ
とにより、水道サービスの質と信頼性を向上していく。
ラオスに対する貸付および無償援助を補完するものと
して、優先分野のプロジェクト形成および能力開発を中心
とする 7 件・計 300 万ドルの技術援助無償が供与された。
ミャンマー
ADB は 2005 年も引き続きミャンマーの経済状況を監視
した。業務戦略は適切な時期に策定される。ミャンマーに
対する貸付は 1986 年以降、技術援助は 1987 年以降承認さ
れていない。
69
タイ:新時代
2005年にタイ駐在員事務所を開設したことにより、ADB
と同国との長年にわたる関係は新たな段階に入った。国家
プログラムおよび地域プログラムにおける協力分野を定義
するパートナーシップ・フレームワークについて、政府との
協議が続けられている。
タイは中所得国として、持続可能な経済成長および競争
力の向上にインフラが極めて重要な役割を果たすことを認
「巨大プロジェ
識している。ADB は政府と緊密に協力して、
クト」によるインフラ投資プログラムを支援していく用意
ADB のメコン河流域諸国における業務の主眼は、経済成長の促進
がある。
と貧困削減に必要なインフラの整備に置かれている
メ
コ
ン
河
流
域
水力発電ダムに関する協力
ラオスにおける過去最大の海外投資
事業であるナムトゥン 2 水力発電ダムの
建設が始まった。同事業は GMS 最大の
プロジェクトでもあり、メコン河流域の
地域協力のみならず、公共団体との連携
を通じた民間セクターの活用がもたら
しうる利益を体現している。
発電される 1,070 メガワットの 95%
をタイが購入し、ラオス政府は本事業か
ら得られる配当、税収および特許権使用
料を自国の開発プログラムに活用して
いく。
2 7 の国際機関から資金の提供を受け
(A D B の公共セクター貸付、民間セク
ター貸付および政治リスク保証を含
む)、ナムトゥン 2 電力会社がプロジェク
トを建設する。基礎的費用は12 億 5,000
万ドルと見積もられている。
プロジェクト準備過程では幅広く、深
く、頻繁な協議が行われた。プロジェク
ト近辺の住民が計画について意見を提
供し始めたのは 1996 年のことで、地域
全域で開かれた数百回にわたる公開の
会合および情報交換会で協議が行われ
ナムトゥン 2 プロジェクトは、公共団体との連携を通じた民間セクターの活用がもた
らしうる利益を体現している
— 発電される 1,070 メガワットの 95%をタイが
購入し、ラオス政府は本事業から得られる配当、税収
および特許権使用料を自国の開発プログラムに活用し
ていく
た。企画担当者はバンコク、東京、パリ、
ワシントン D C およびビエンチャンで、
70
プロジェクトに懸念を有する国際団体
かずに残っている数少ない熱帯雨林の
グ・評価プログラムを特徴としている。
と協議し、設計において彼らの意見を考
ひとつであるナカイナムトゥン国立保
さらに、社会面・環境面での影響緩和ま
慮した。
護区の保全を支援していく。
たは補償措置に関する電力会社の義務
環境に関する懸念も明確にされた。例
同プロジェクトはまた、パフォーマン
がセーフガード文書に詳細に記載され、
えば、ナムトゥン 2 電力会社の資金によ
ス評価や進捗報告書の公表およびデー
拘束力を有する合意書に明記されてい
り、同プロジェクトは東南アジアで手つ
タ監視を含む、透明性の高いモニタリン
る。
メ
コ
ン
河
流
域
ベトナムの電力需要は過去 10 年間に約 15%の年率で増加し、供給が追いついていない
国内資本市場の規模を拡大し、その深さと流動性を向
地方の諸県では道路を全天候型に改良する。道路の改善に
上しようとするタイ政府の努力を支援するため、 ADB は
より人々の移動および物資の交易が効率化され、市場、雇
2005 年 5 月、タイの国内債券市場において、 40 億バーツ
・期間 5 年の債券を初めて発行した。
(1 億 250 万ドル相当)
タイはこれまで常に、GMS プログラムにおける ADB の
用および社会サービスに対するアクセスの改善が見込ま
不可欠なパートナーであった。加えて、地域の開発パート
ナーとしてのタイの役割を拡大する新たな機会が模索さ
3,800 万ドルの支援パッケージ(2,790 万ドルの貸付および
1,010 万ドルの無償)が供与される。具体的には、感染症お
れている。ADB とタイは、アジアの債券市場のさらなる発
よび最近増えつつある生活習慣病への対策を支援してい
展を促進する数々の取り組みに関与している。この連携に
く。
より、域内の協力が強化され、経済統合が深まるであろう。
れる。
ベトナムにはまた、予防衛生制度の強化を目的とする
ベトナムに対する 2005 年の非貸付支援としては、20 件・
2000 年以降、タイに対して新たな貸付は供与されていな
い。しかし、2005 年には 7 件・計 335 万ドルの技術援助無
償が承認された。このうち 3 件は、津波後の援助活動を支
援する津波関連の技術援助無償である。もう 1 件の技術援
計 1,230 万ドルの技術援助無償が供与された。これらはプ
助(「タイ公的債務管理局に対するインフラ投資助言支
付により、同国北部の送電線および変電所の建設・拡張が
援」)は、バンコクの大量鉄道輸送システムの統合に関する
行われる。このプロジェクトは、信頼性を高め、送電上の
各種の仕組みと選択肢の評価について、政府を支援するも
ボトルネックを解消し、送電ロスを減らし、発電所のより
のである。
効率的な利用を促進することを目的としている。ベトナム
ロジェクト形成および能力開発に役立つ重要な要素であ
る。
2005 年 12 月に承認された 3 億 6,000 万ドルの OCR 貸
の電力需要は過去 10 年間に約 15%の年率で増加し、供給
ベトナム:送電能力の強化
が追いついていない。
ベトナムに対しては、2005 年に 5 億 7,770 万ドルの貸付、
2,650 万ドルの無償援助および 1,230 万ドルの技術援助が
承認され、総額は 6 億 1,650 万ドルとなった。 2005 年 11
月に承認された 9,500 万ドルの貸付・無償パッケージは、中
部の諸省における 1,200km の道路の改修および経済成長
に約 15%の年率で増加し、供給が追いつ
の促進を目的としている。道路の改修を行い、選別された
いていない
— ベトナムの電力需要は過去 10 年間
71
太平洋地域
クック諸島、フィジー、キリバス、
マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、
ナウル、パラオ、パプアニューギニア、
サモア、ソロモン諸島、東ティモール、
トンガ、トゥヴァル、バヌアツ
大
平
洋
地
域
地域に関する視点
太平洋地域に関する ADB の業務は、広大な面積を対象とし
ている。キリバスという国だけをとってみても、東西の全長は
6,000km 近くに及ぶ。同地域の島嶼国のほとんどは遠隔地に
あり、人口も少ないために、一連の特殊な開発課題に直面して
いる。
ほとんどの太平洋諸国の経済パフォーマンスは、ここ 2 ∼ 3
年で改善している。それ以前の 10 年間は、国によって異なる
ものの、成長率がしばしば低迷し、マイナス成長になる時期が
続いていた。平均すると、2005 年の太平洋諸国の経済成長率
は、前年からやや低下した。実質 GDP 成長率の平均は 2004
年の 3.1%から 2.7%に低下し、地域の人口増加率(2004 年は
2.4%)をかろうじて上回る水準となった。
しかしこうした平均値は、太平洋諸国間の大きな差異を見
えなくしてしまう。これらの差異には、成長見通しとパフォー
マンスに影響する主要因が含まれる。例えば、石油価格の高騰
は、2005 年も引き続きほとんどの太平洋諸国の経済にとって
大きな負担となったが、市況商品の輸出価格が世界的に上昇
したことで、いくつかの国ではその影響が相殺された。
石油輸出国であるパプアニューギニアと東ティモールで
は、石油価格の高騰は明らかに有利に働いた。パプアニューギ
ニアでは、既存の石油プロジェクトが拡張され、オーストラリ
アのアルミ精製会社およびガス卸売業者との間でガス・パイ
プライン計画に関する契約が成立した。 2 0 0 5 年末現在、東
ティモール政府の銀行・給与局が海外に保有する預金残高は
5 億 600 万ドルで、うち 3 億 7,000 万ドルは石油基金であった。
72
これらの女子生徒が住むサモア
を含むいくつかの太平洋諸国は、
力強い経済成長を達成した
大
平
洋
地
域
73
太平洋地域:主要経済指標(2005年)
貧困率a
実質GDP
成長率
平均
インフレ率b
(%)
(%)
(%)
3.0
1.7
0.3
3.5
1.0
–
5.5
3.0
5.5
4.4
2.5
2.5
2.0
3.1
1.7
2.4
2.5
3.5
2.5
–
3.0
1.7
8.0
6.9
1.8
8.0
2.8
2.6
国
クック諸島
フィジー
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パラオ
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
d
12.0
39.5 e
50.0 d
20.0 f,g
27.9 d
–
23.0 h
53.8
20.3
–
39.7 i
22.3
29.3 j
40.0 k
貿易収支c
(単位:
百万ドル)
32.0
(867.0)
(43.0)
(69.0)
(130.0)
–
–
1,464.0
–
(40.0)
(204.0)
(90.0)
–
(86.0)
– データなし、( )マイナス
a
大
平
洋
地
域
フィジー(2003 年)およびパプアニューギニア(2005年)を除き2002年のデータ、b トンガのデータは3月時点。フィジー、マーシャル諸島、パプアニューギニアお
よびトゥヴァルの数値は年末時点のインフレ率。キリバスは2004 年のデータ、c フィジー、キリバス、パラオ、パプアニューギニアおよびソロモン諸島のデータは2004
年時点のもの、d 1998年家計所得・支出調査(HIES)のデータ、e 1990/91年HIES、f 1日1ドルの基準、g 1999年国勢調査のデータ、h 1998年の推定値、i 2001年東
ティモール生活水準計測調査に基づく、j 1994 年HIESデータに基づく、k 1998年HIESの1日1ドルの基準から計算。
14 カ国のうち 2005 年の GDP 成長率が高かったのは、パ
ラオ(5.5%)、サモア(5.5%)、ソロモン諸島(4.4%)お
よびマーシャル諸島(3.5%)だった。バヌアツ(3.1%)、
クック諸島(3%)、東ティモール(2.5%)およびトンガ(2.5
%)の成長は小幅で、トゥヴァルの成長率は 2%、ミクロネ
シア連邦は 1 %だった。成長率が最も低かったのはキリバ
ス(0.3%)だった。ナウルについてはデータがない。
経済規模が地域最大で、地域 GDP の 49.2%を占めるパ
プアニューギニアの 2005 年の成長率は 3%で、2004 年の
2.9%に近かった。金生産を除く経済の全部門が成長し、農
るが、その要因としては、消費者がより安全な目的地を好
むようになったこと、各国および地域全体のマーケティン
グが改善されたこと、構造改革によって低コストの航空会
社が市場に参入できるようになったことが挙げられる。
フィジーでは、訪問観光客数が 2005 年の最初の 8 カ月間に
6 %増加し、パラオでは 2004 年の最高記録が更新された。
クック諸島も 3 月のサイクロン被害から立ち直り、訪問観
光客数が増加している。
地域のインフレ率は若干低下したが、サモア、ソロモン
諸島およびトンガではやや高い水準に留まった。
業は特に好調だった。パーム油とコプラについては、国際
価格の高騰が利益をもたらした。同国の経済は近年大きく
改善しており、そのことは外貨準備の積み増し、財政再建、
為替レートの安定、金利とインフレ率の大幅な低下に反映
地域協力
太平洋の各国はユニークであるが、高い輸送費その他の
されている。
取引費用、人材と組織能力の不足、ガバナンス問題、自然
フィジーの 2005 年の GDP 成長率は、前年の 4.1%から
1 . 7 %に減速した。域内で経済規模が 2 番目に大きい同国
災害や外的ショックに弱い基盤の小さな経済といった、共
通の課題にも直面している。
が、大きな調整圧力に直面したためである。財政赤字は引
き続き大きめであるほか、オーストラリアと欧州連合にお
ける特恵貿易制度の優遇措置が削減されたことを受けて、
繊維業界と砂糖業界にはかなりの圧力がかかっている(79
ページ参照)。
バヌアツの成長率は 3.1 %となった(2004 年は 4.2 %、
2003 年は− 4.7%)。農林水産業部門が成長を牽引した。
2005 年も引き続き、地域全体を通じて重要な収入源と
なったのは観光である。観光部門は近年大幅に成長してい
74
— 2005 年にも地域全体を通じて重
要な収入源となったのは観光である。
消費者がより安全な目的地を好むように
なったため、観光部門は近年大幅に成長
している
地域協力と地域統合は、太平洋諸国が制約を最小化し、
経済的機会を拡大する助けとなる。例えば、地域レベルの
組織能力を構築して各国の力を補完することにより、規模
の経済を獲得し、ガバナンスを改善することができる。地
域的アプローチはまた、より経済規模の大きい隣国を含む
労働市場へのアクセスを拡大することができ、経済機会の
増加という重要な戦略の一部となる。
2005 年には、太平洋諸島フォーラムの加盟国首脳が「地
域協力・地域統合強化のための太平洋地域計画」を承認し、
太平洋における地域主義を復活させた。ADBはこのイニシ
アティブに先立って『太平洋における新たな地域主義に向
けて』という報告書を発表し、技術援助を通じてこの努力
を支援した。この報告書はADBと英連邦事務局が共同で作
成したもので、太平洋地域主義に関する主な問題点と機会
ADB は地域機関に対する初の直接貸付の下で、航空安全局を設立
した
に関する時宜を得た分析をフォーラム加盟国に提供し、い
くつかのイニシアティブを勧告した。これらのイニシア
空港および民間航空当局に対して安全・セキュリティ検査
ティブは、後に「太平洋地域計画」の下で採用された。
および技術援助を提供することにより、太平洋地域による
国際航空基準の遵守を支援していく。
航空の安全
ADB の貸付はバヌアツのポートビラに航空安全局の本
航空の安全およびセキュリティは、太平洋地域協力の利
部を設置するために使われ、無償援助は規制および立法の
益が明らかに実証されている分野である。 ADB は、地域
調和化ならびに航空会社の認証の更新に使われる。航空安
機関に対する初の直接支援として 2005 年に承認した総額
全局は、加盟国の業務環境を標準化し、
「太平洋諸島民間航
195 万ドルの貸付・技術援助無償パッケージの下で、クッ
空安全・セキュリティ条約」の実施を支援していく。地域
ク諸島、フィジー、キリバス、パプアニューギニア、サモ
アプローチの採用によって政府、航空会社および空港運営
ア、ソロモン諸島およびバヌアツによる「太平洋航空安全
者の費用が削減され、航空安全局がサービス料金を通じて
局」の設立を支援している。航空安全局は、航空会社、
財政的に自立できるようになることが期待される。
太平洋地域:2005年中の承諾額(単位:百万ドル)
無償プロジェクト
ADF IX
その他の資金a
国
貸付
技術援助
合計
クック諸島
フィジー
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パラオ
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
域内
2.83
25.00
–
–
–
–
–
–
8.06
–
–
–
–
–
1.50
–
–
–
–
–
–
–
0.00
–
–
10.00
–
–
–
8.00
–
–
–
–
–
–
–
–
17.20
–
–
–
–
–
–
0.60
1.60
–
0.30
–
0.48
–
2.15
0.65
1.10
1.20
0.70
–
–
6.24
3.43
26.60
–
0.30
–
0.48
–
2.15
25.91
1.10
11.20
0.70
–
–
15.74
合計
37.39
18.00
17.20
15.02
87.61
– = データなし、ADF = アジア開発基金
a
信託基金および外部資金による無償援助を含む。
75
大
平
洋
地
域
HIV /エイズ対策
以上の HIV /エイズ感染例が報告されたが、監視制度が十
地域アプローチは、HIV /エイズとの闘いにおいても太
分でないため、実際の数はこれを大幅に上回っている可能
平洋地域の有効なツールとなりうる。太平洋の小規模な
性がある。
国々の多くは、コンドームの使用率の低さ、移動性の高さ
ADB は 2005 年に承認した 800 万ドルの ADF 無償の下
および各種の文化的・性的な禁忌のために、HIV /エイズ
で、これら 10 カ国における監視を強化し、コミュニティ・
に対して脆弱であるという点が共通している。ほとんどの
ベースの予防を支持することにより、HIV /エイズ・プロ
太平洋諸国において、避妊具の使用率はおよそ 30 ∼ 35%
グラムの管理および実施の改善を支援していく。同プロ
と報告されている。同時に、地域の医療システムの多くは、
ジェクトは、各国がリスク要因および脆弱な集団を特定
安全な輸血用血液をなかなか確保できず、その他の性感染
し、監視プログラムを設計し、試験分析およびデータ収集
症の治療実績も悪く、HIV /エイズについて十分なカウン
を改善するための技能開発を支援していく。
セリングや検査を提供していない。
大
平
洋
地
域
コミュニティ支援には、コンドームのソーシャル・マー
2005 年末時点で、 HIV が流行していると認定された域
ケティング・プログラム、発足イベント、同世代教育(peer
内国はパプアニューギニアのみであった。感染者数は 15 ∼
education)、性行動に影響を与え行動を変えていくための
45 歳の年齢層で 2 万 3,000 ∼ 9 万人と推定されており、罹
患率は約 2%だった。
域内の 10 カ国(クック諸島、キリバス、マーシャル諸島、
キャンペーンが含まれる。このプロジェクトを通じて性病
診断施設を増やし、10 カ国・20 カ所の診療所に資金を提供
していく。
ミクロネシア連邦、ナウル、サモア、ソロモン諸島、トン
H I V /エイズその他の性感染症に関する教材を人が集
ガ、トゥヴァルおよびバヌアツ)では、2005 年中に 120 件
まる場所に置いて、船員等の高リスク集団に情報を提供し
太平洋地域:累計貸付額(2005年末、単位:百万ドル)
クック諸島
フィジー
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パラオ
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
域内
合計
29.50
249.90
15.14
78.13
75.14
5.00
–
873.99
129.98
79.31
–
57.79
7.82
51.25
1.50
太平洋地域:国別貸付額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
クック諸島
フィジー
ミクロネシア連邦
パプアニューギニア
サモア
トゥヴァル
当該期間中、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ソロモン諸島、
東ティモール、トンガおよびバヌアツへの貸付はなかった。
1,654.45
太平洋地域:2005年中の公共・民間セクター貸付承諾額(単位:百万ドル)
国
OCR
ADF
総事業費a
合計
承認日
クック諸島
サイクロン緊急支援
–
2.83
2.83
7.87
6 月 30 日
フィジー
代替的生計手段開発
25.00
–
25.00
49.78
3 月 28 日
–
8.06
8.06
30.00
12 月 16 日
–
1.50
1.50
2.10
9 月 22 日
サモア
教育セクター(第 2 期)
域内
太平洋航空安全局の設立
ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源
a
76
総事業費には、A D B 、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業および金
融機関が提供する資金が含まれる。
太平洋地域の10カ国において、監視を強化しコミュニティ・ベース
の予防を支持することによりHIV/エイズプログラムを強化してい
く(上)。船員等の高リスク集団をターゲットとする(右)
ていく。また、地域の海事学校および高リスク集団と接す
援助、分析業務および政策的助言によって補完している。
る NGO を対象として、保健問題に関する特別研修を実施
優先分野は、国のニーズと、2005 年に実施が始まったADB
する。
の「2005 ∼ 2009 年太平洋戦略」で特定された主な成果分
HIV 感染者に対しては、プロジェクトを通じて生計手段
に関する技能訓練と抗レトロウィルス薬による治療資金
野を付き合わせて決定される。
同地域に対する ADB の支援総額は 7,340 万ドルだった。
が提供される。教育活動によってリスクの高い行動を減ら
2005 年に承認された 4 件の貸付および 2 件の無償プロジェ
すことが望まれる。
クトは、国および同地域が直面している課題の多様性を浮
パプアニューギニアは HIV 問題の規模が大きいため、集
き彫りにしている。これらのプロジェクトの総額は6,310万
中的な国レベルの支援を受けており、ADF 無償援助が準備
ドルで、内容は、フィジーの農業セクター改革および砂糖農
されている。
家のための代替的生計手段(79 ページ参照)、サモアにおけ
る複数ドナーによる教育セクター・パートナーシップ(80
ページ参照)、クック諸島のサイクロン被害修復、紛争後の
ADB の支援
東ティモールにおける国道向け無償資金、ならびに航空安
ADB は太平洋地域の DMCs に対して幅広いサービスを
全および HIV /エイズの予防に関する地域協力である。
提供しており、貸付および無償業務を広範囲にわたる技術
太平洋地域:国別貸付実行額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
太平洋地域:国別累計貸付実行額
(2005年末、単位:百万ドル)
クック諸島
フィジー
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ナウル
パラオ
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
トゥヴァル
バヌアツ
合計
26.15
160.56
13.55
63.99
36.78
2.30
0.00
634.01
102.66
57.91
0.00
52.26
4.26
48.99
1,203.42
クック諸島
フィジー
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
トゥヴァル
当該期間中、ナウル、パラオ、東ティモール、トンガおよびバヌアツに対する
貸付実行はなかった。
77
大
平
洋
地
域
気候変動対策の支援
高潮や風津波や大規模なサイクロン
は、太平洋、特に数千に及ぶ標高の低い
太平洋諸国が気候変動に備えるための
保留された。計算によれば、
「気候耐性の
支援を行っている。
確保」のために早い段階で資金を使うと
環礁に住む人々にとっては生活の一部
例えば「太平洋気候変動適応プログラ
にすぎない。過酷な気候に適応する方
ム」は、ミクロネシア連邦およびクック
法は数千年の歴史を経て修得され、今
諸島における 6 件のインフラ・プロジェ
や決まり切った習慣となっている。
クトの気候耐性の確保(climate-proof)
しかし、多くの科学者は現在、こうし
を目指している。
「気候変動に関するカナ
た正常な現象が地球温暖化によって異
ダ協力基金」の資金によるこのプログラ
常なほど頻繁に起きるようになったと
ムでは、
適応措置を設計するとともに、そ
主張している。
れらの措置を実行する組織的能力および
ADB は「再生可能エネルギー、省エ
人的能力の開発を支援している。経済、
財
ネルギーと気候変動プログラム」下の
務、技術および法律面での問題に加え、
社
「適応」プロジェクトを通じて、アジア・
会的側面や環境的側面についても検討を
修理・維持の負担が減り、およそ 11%の
費用を節約できる。
加えている。
ミクロネシア連邦では、本プロジェク
大
平
洋
地
域
— ADB はアジア・太
トを通じて、ポーンペイ島の沿岸部にあ
平洋諸国が「適応」を通じ
において費用効率の高い適応措置が特
て気候変動に備えるため
の支援を行っている
るサップウォーンというコミュニティ
定された。コスラエのある道路プロジェ
クトでは、建設中に道路の気候耐性を確
保するための資金ができるまで事業が
ADB は 2005 年中にミクロネシア連邦、パプアニューギ
ニアおよび東ティモールの 3 カ国に対する国別戦略・プロ
気候変化耐性を確保することで、沿岸部
の安全性が高まる
ADBのウェブサイトに掲載され、両国において広く配布さ
れた。
グラムを更新した。また、新たな大型地域支援を含む 24 件・
パートナーシップの強化は、太平洋地域における A D B
計 1,500 万ドルの技術援助無償を承認した。太平洋地域に
の有効性にとってますます重要になりつつある。地域内の
おけるプロジェクトおよび技術援助のポートフォリオ・パ
駐在員事務所は加盟国との対話および敏速な対応を促進
フォーマンスを改善することは、2005 年における重点のひ
している。また、開発パートナーとの調整の改善および調
とつであった。集中度を高めるために実施中の技術援助業
和化の促進も優先順位の高い課題である。サモアの教育セ
務の数を大幅に減らし、
「リスクがある」と判断された貸付
クターは、新たな業務形態を示す一例にすぎない。また、
プロジェクトについてはレビューを行い、パフォーマンス
ADB は太平洋の主要地域機関である太平洋諸島フォーラ
改善のための管理または打ち切りの措置を取った。
ムおよび新太平洋共同体の事務局との関係を意識的に強
「太平洋研究シリーズ」の一環として、ADB
2005 年は、
化した。
の経済分析、セクター分析およびテーマ分析の成果を出版
したという点で、意義深い年となった。経済調査としては、
民間セクターの育成
ミクロネシア連邦の国別経済アセスメントならびに太平
民間セクターが経済成長を牽引できるように環境を整
洋地域における海外送金、信託基金および事業開発サービ
えていくことは、ADB の「2005 ∼ 2009 年太平洋戦略」の
スの役割に関する調査を行った。出版されたテーマ別研究
3 つの目標のひとつである。ビジネスの成功事例はいくつ
は、太平洋地域における地域主義および「気候耐性の確保」
かの太平洋諸国に存在するが、全体的に見ると、民間セク
(climate proofing: 気候変動に対するリスクに基づくアプ
ター開発のための政策および制度は、ビジネスと雇用の創
ローチを意味する。上記囲み記事を参照)に関するもので
出に役立っていない。多くの場合、国の活動は民間事業を
あった。ADB の教育・訓練セクター戦略も公表され、フィ
締め出し、地理的な孤立による諸問題を悪化させ、経済成
ジーおよびソロモン諸島の民間セクター・アセスメントが
長を妨げている。開発パートナーがこの状況に意図せず貢
78
貸付が新たな機会の種をまく
1 世紀にわたってフィジー経済の中核
コミュニティにおける効果的な官民
を担ってきた同国の砂糖産業が急激に
パートナーシップを推進し、農家に大幅
没落しており、そのために何千人もの農
な所得増の機会を提供していく。同プロ
家と労働者の生計が脅かされている。
ジェクトではまた、農業コミュニティか
フィジー経済は長年、砂糖の高い収益
によって支えられてきたが、栽培農家は
特恵待遇によって保護されていたため、
ら市場へのアクセスを改善するため、約
600km の農道を改修する。
さらに、小企業およびマイクロ企業の
改善努力を怠ってきた。この業界は現
育成の促進および職業訓練の支援によ
在、昔ながらのサトウキビ圧搾機や非効
り、農場以外での生計手段を奨励してい
率なインフラを原因とする高コストと
く。また、商業銀行のサービスを受けに
歩留まりの低さに苦しんでいる。このた
くい地域において、農村金融サービスを
め、欧州連合が同国の砂糖の大部分に長
強化する。
年与えてきた補助金を、世界貿易機関の
規則に従って削減するなか、フィジーの
「生活はとても苦しい」というロシュニ・
チャンドさん(中央)。彼女の夫ラメッ
シュさんの収入は 1 日当たり 3 ドル 50 セ
ントである
砂糖産業は世界的な競争に対応できな
くなっている。
この悲惨な状況は、今後 25 年間に 1 万
大
平
洋
地
域
3 0 0 件の農場のリースが満期を迎える
ため、さらに深刻なものとなっている。
これは砂糖産業を離れる経験豊かな農
家にとっても、限られた資本と経験を
もって新たに参入する農家にとっても、
辛い経験になる可能性が高い。
フィジーの砂糖農家が直面する困難
を予想して、ADB は 2005 年 3 月に、現
実的かつ代替的な生計手段のサポート
および農業の多角化の促進を通じて
影響の緩和を支援する 2,500 万ドルの
貸付を承認した。
「代替的生計手段開発」プロジェクト
は、ビティレブ島およびバヌアレブ島の
西部および北部にあるサトウキビ地帯
において、 8,000 名のサトウキビ農家、
刈取人夫、工場労働者および地主(女性
を含む)を対象とする。農業の多角化、農
業サービスの改善、および商業的農業
— フィジーの砂糖農家が直面する困難を予想し
て、ADB は 2005 年 3 月に、影響の緩和を支援する
2,500 万ドルの貸付を承認した
献したこともあった。
題を踏まえ、ADBは国レベルおよび地域レベルにおいて民
したがって、民間セクター開発の状況を改善すること
間セクター開発の諸問題に関する討議の注目度を高め、向
は、2005 年における ADB の太平洋業務の重点課題であっ
上させることを目指した。国別プログラムおよび戦略的プ
た。民間セクター・アセスメントで得られた知識を発展さ
ログラムの更新の焦点を定め、ADBの民間セクター開発に
せ、太平洋地域における民間事業の問題点をより良く理解
関するプロジェクト、技術援助および分析業務のポート
するべく努力した。ADBの新たな太平洋戦略の策定に寄与
フォリオを強化するため、民間セクター開発ロードマップ
した地域アセスメント(『潮流に逆らって泳ぐ:太平洋地域
を策定し、利用した。
民間セクター・アセスメント』)の下で明らかにした共通課
79
サモアが知識基盤を構築
ADB は 2005 年に、サモア政府と開発
の割合は約71%に達していた。サモアの
学力評価を改善し、より良い学校施設、
パートナーが共同で行っている教育制
小学校のカリキュラムは策定されてか
教材および教授法を提供することを目
度改善プログラムを支援するため、800
ら25年経っており、教師の多くは十分な
的としている。問題のある生徒を多数抱
万ドルの ADF 貸付および 35 万ドルの技
現職研修を受けていない。教材も不足し
えている学校を対象とし、約 4 万人の小
術援助無償を承認した。
ている。より効果的な学力評価システム
学生がより良い教育を得られるように
も必要である。
支援していく。
サモアの就学率は高く、ジェンダーの
ADB の貸付は、オーストラリア国際
本プロジェクトのパートナーは、プロ
を維持することは非常に困難である。
開発庁、ニュージーランド国際開発庁お
グラムの取引費用を抑制し、サモアの
2003 年には、サモアの小学校 4 年生の
よびサモア政府が資金を提供する
ニーズと優先事項に沿った活動を行う
半分以上が基本的な英語の学習基準に
3 , 0 0 0 万ドルのプログラムの一部をな
ため、サモアの制度を支援する調和化さ
届かず、基本的な算数ができない 6 年生
す。このプログラムは、カリキュラムと
れたアプローチを開発中である。
平等も達成されているが、質の高い教育
大
平
洋
地
域
— より良い学校施
設、教材および教授法に
より 4 万人の生徒を支援
していく
ADB は貸付を通じ、サモアが策定後 25 年になるカリキュラムを刷新し、教育の基本
水準を引き上げるための支援を行っている。質の維持が不可欠である
民間セクター・アセスメントは政府との協議において有
国におかれていたが、2005 年には、国を超えて改革を促進
力なツールとなった。民間組織は、政策形成への貢献および
するための地域技術援助活動においても大きな進歩が見ら
政府との政策対話の基盤として、これらのアセスメントを
れた。
「太平洋地域における法的ビジネス環境改善」イニシ
活用するようになっている。
アティブは、会社法および関連規制の改正を通じて民間企
2005 年に重要な管理点を通過した主要分野のひとつ
業の効率を高め、リスク、不確実性および取引費用を軽減す
は、金融セクターである。例えば、サモアは金融セクター改
ることを目的としている。
「太平洋地域における担保取引改
革のフォローアップとして信用照会機関を設立した。これ
革のための診断調査」では、担保金融取引を促進するロード
は、企業が融資を得やすいようにするための重要なステッ
マップを策定するとともに、金融セクター問題に関する選
プである。バヌアツでは、農村マイクロファイナンスの提供
別された分析作業に資金を提供している。2005 年に承認さ
における最近の成功をさらに発展させるため、農村金融お
れた「インフラ・サービス提供の改善」は、インフラ・サー
よびマイクロファイナンスの政策、法律および規制の枠組
ビス(水道、電力、通信および交通)の提供における官民
みに関する国家タスク・フォースが設立された。マイクロ
パートナーシップ、地域協力ならびに費用効率および提供
ファイナンス業務については、パプアニューギニア、東ティ
の効率性の改善を目標としている。
モールおよびバヌアツでも大きな成果が達成された。パプ
アニューギニアでは、最近設立されたワウ・マイクロバンク
自然の脅威
が 2005 年に業務上・財務上の自立を達成した。
2005 年 2 月 4 日から 3 月 8 日までの間に、クック諸島は
5 つのサイクロンに見舞われた。そのうち 4 つまでが最大の
太平洋地域における民間セクター業務の主な重点は各
80
—「紛争後緊急復興」プロジェクト
は、ソロモン諸島の主要2島に住む人々に
対し、目に見える平和の配当を提供した
トは、 孤立し、食糧供給に不安のある農村部にある約
123km の主要道路を修復するものである。これらの道路
は、産業、港湾および国際貿易の発展につながる可能性が
ある。
本事業ではさらに、プロジェクト活動に対する女性の関
与の確保を狙ったジェンダー設計が取り入れられている。
これには、選別された道路の修復と維持管理、持続可能な修
復のためのコミュニティ・エンパワーメント・イニシアティ
ブ、道路の安全および HIV /エイズの予防等が含まれる。
東ティモールでは、道路、港湾施設、橋梁、電力施設の再建が進ん
でいる。こうした事業は国民が日常生活を取り戻す助けとなるだ
けでなく、雇用の創出にも役立つ
同時に、東ティモール政府は 2005年も道路セクター改革
を継続した。2006 年以降の日常的維持管理の資金供与およ
び実施を効果的に行うため、国道局内に「道路基金」が設
「カテゴリー 5」に分類され、公共インフラ、企業および住
宅が破壊された。被害の影響が長期化する可能性もある。
立された。この改革は、同セクターにおける ADB の政策対
話を通じて可能となった。
復興支援として、 ADB は 6 月に 283 万ドルの貸付を承
「紛争後緊急復興」プロジェ
ソロモン諸島では 2005年に、
認した。基本的社会サービスと経済活動の復旧を目的とす
クトを通じて重要な道路、橋梁、地方行政センターおよび
るもので、 790 万ドルと見積もられる経済的被害の一部を
水道を修復し、主要 2 島の人々に目に見える平和の配当を
負担する。オーストラリアおよびニュージーランドの政府
提供した。長年続いた紛争と政治不安の影響を受けた市場
が総事業費の 17%に当たる 116 万ドルを負担し、クック諸
および社会サービスへのアクセスを復活させることが目
島政府が残りを負担する。
的である。オーストラリアとニュージーランドは、ソロモ
プロジェクトには、清掃作業、インフラの再建および基
ン諸島における経済的・社会的復興にインフラが極めて重
本的サービスの再開ならびに道路、港湾、電力、水道、廃
要な役割を果たすことを認識し、最近になって本プロジェ
棄物管理および建造物に関連して必要不可欠な資材の補
クトを拡大するための資金を約束したほか、ADBと共に長
給が含まれる。
期的な道路修復プログラムを計画している。
サイクロンにより、太平洋諸国の多くが気象騒乱に対し
て脆弱であることが再認識された。2005 年、ADB は「太
ADB のメッセージを発信するウェブ・キオスク
平洋気候変動適応プログラム」の下で域内インフラの気候
耐性を確保することにより、気候変動に備えるいくつかの
2005 年 6 月、ADB はフィジーのスヴァにある南太平洋
準地域事務所の開設 1 周年を記念して、パブリックアクセ
有効なアプローチを特定した(78 ページ参照)。このアプ
ス情報キオスクおよびウェブサイトを開設した。この新事
ローチの実施を支援するため、
「サイクロン緊急支援」プロ
務所により、太平洋地域のクライアントのニーズに敏速に
ジェクトの下で技術援助無償(「災害管理・緩和の強化」)を
対応する ADB の能力が強化された。同事務所は、クック諸
実施した。これは、地球温暖化を原因とする気象騒乱に対
島、フィジー、サモア、トンガおよびトゥヴァルの国別プ
応する災害管理戦略および環境的に持続可能なインフラ
ログラムの作成、経済分析およびプロジェクト監理を行っ
の開発に向けたマスタープランを策定するものである。
ている。
キオスクは一般市民に対してより良い情報サービスを
紛争後のインフラ整備
提供するために設計されたもので、ユーザーは準地域事務
2005 年 9 月、ADB は東ティモールに対し、初の ADF 第
8 次財源補充無償を承認した。金額は 1,000 万ドル、対象は
所のウェブ・ページやアジア太平洋地域に関するADBの調
「道路セクター改善」プロジェクトである。このプロジェク
査や報告書を含め、 ADB のウェブサイトの情報を自由に
ダウンロードできる。
81
大
平
洋
地
域
南アジア
アフガニスタン、バングラデシュ、
ブータン、インド、モルジブ、
ネパール、パキスタン、
スリランカ
地域に関する視点
南
ア
ジ
ア
多くの南アジア諸国は現在、貧困を削減するかつてなかっ
たほどの好機を手にしている。域内の好景気と政策変更が組
み合わさって、何百万もの人々を貧困から解放できる持続的
成長の基礎が築かれつつある。
2005 年の地域経済は、インドとパキスタンの力強い成長に
牽引され、7.8%という堅調な成長率を記録した。南アジアは、
拡大しつつあるグローバル経済へのさらなる統合、個人消費
の増加、全般的に緩和的な金融政策、そして市場自由化から恩
恵を受けている。それでもまだ、同地域の人口 14 億人の 30%
は 1 日 1 ドル未満で生活している。
インドの 2004 ∼ 05 年の成長率は 7.5%と立派なものだっ
たが、2005 ∼ 06 年には 8.1%に達した。政府は高度成長に対
する制約を取り除くべく、総合的な対策を講じつつある。これ
らの対策は、インフラの整備、制度および政策の強化、民間投
資の奨励および農業部門の成長の促進に貢献すると思われ
る。
インフラの資金ニーズを満たすためには、公共セクターの
パートナーとしての民間セクターの積極的な参加が必要であ
る。海外直接投資は、インドの膨大な投資必要額と国内貯蓄の
ギャップを埋める手段となりうるが、海外の投資家を引きつ
けるために行うべきことは多い。
インドは石油ニーズの 70%を輸入に依存しているため、石
油価格の高騰と変動は引き続き大きなリスクである。しかし、
国際原油価格の急騰は完全には消費者に転嫁されておらず、
2005 年のインフレ率は小幅な 4.5%に留まった。
82
インド経済は急成長しており、ADB の
支援を得て、インフラ事業を中心とする
開発援助が地方にも及びつつある
南
ア
ジ
ア
83
南アジア:主要経済指標
国
SOUTH ASIA
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
a
(2005年)
貧困率
実質GDP
成長率
平均
インフレ率
(%)
(%)
(%)
53.0
49.8
25.3
26.1
21.0
31.0
32.1
22.6
13.8
5.6
8.8
8.1
(5.5)
2.3
8.4
5.7
10.0
6.5
4.8
4.5
3.3
4.5
9.3
11.6
貿易収支
(単位:
百万ドル)
(2,515.0)
(3,297.0)
(225.0)
(59,342.0)
(494.0)
(978.0)
(4,515.0)
(2,690.0)
海外直接投資
(単位:
百万ドル)
253.0
776.0
9.0
3,240.0
13.0
12.0
1,459.0
261.0
( ) マイナス
a
2005年のデータがない場合は最新年のデータを記載。
— スリランカはある程度まで、不確
パキスタン経済は 3 年連続で高成長を遂げ、2005 年の
GDP 成長率は 8.4%という 30 年ぶりの高水準になった。製
造業部門は+ 12.5%と急成長し、これを支える農業部門も
+ 7.5 %と 9 年ぶりの高成長を記録した。農家は良好な天
実性や災害と共に生きる方法を習得して
候、低金利、そして肥料へのアクセスの拡大から恩恵を受
にもかかわらず、過去 3 0 年間を通じて
けた。しかし、エネルギー価格の高騰と消費需要の増加を
受けてインフレ率は 9.3%に急上昇し、国際経常収支は 4 年
いる。同国の経済は、内戦がもたらす混乱
平均 4%の成長を続けている
間黒字が続いた後に 45 億ドルの赤字に転落した。
南
ア
ジ
ア
バングラデシュの景気は好調で、 G D P は鉱工業および
サービス部門の堅調な伸びに牽引され、5.6%成長した。し
なった。1990 年代に達成した 5%の平均成長率を回復する
かし、国際石油価格の高騰が国内消費者に十分に転嫁され
には、同国は紛争を解決し、改革プロセスを加速させる
なかったため、国有企業であるバングラデシュ石油公社は
必要がある。
2005 年度に GDP の 0.7%に相当する巨額の損失を計上し
た。 2005 年度のインフレ率は 6.5%に達した。
ラの不備そして脆弱な制度といった問題を抱えつつも、
アフガニスタンは治安問題、違法なアヘン貿易、インフ
明るいニュースとして、衣料品の輸出に関する多国間繊
2005年度には 13.8%という高成長を遂げた。国際的な復興
維協定の廃止による工業部門への悪影響は、当初懸念され
努力の継続、農業に利益をもたらした良好な天候、そして
ていたほどではなかった。
サービス部門の成長がこれに貢献した。
スリランカでは、インド洋津波の影響は経済成長を大幅
ブータンの 2004 ∼ 05 年の GDP は 8.8%成長し、中期ト
に減速させるほど大きくはなかった。第 1 四半期の GDP 成
レンドである7.0%を大幅に上回った。水力発電が引き続き
長率は、津波後の観光部門および漁業部門の落ち込みに
経済を支え、 19%と急伸した建設部門もこれに貢献した。
よって 4.4%に低下したが、その後回復し、2005 年全体の
モルジブ経済はインド洋津波から大打撃を受け、2005 年
成長率は 5.7%となった。
には5.5%のマイナス成長となった。同年の観光客数は予想
2005 年末にはテロ事件が増加し、タミル・イーラム解放
の虎(LTTE)との停戦協定が危惧されるようになった。ス
を下回り、石油価格の高騰が追加的な圧力となった
リランカはある程度まで、不確実性や災害と共に生きる方
地域協力
法を習得している。同国の経済は、内戦がもたらす混乱に
もかかわらず、過去 30 年間を通じて平均 4%の成長を続け
ている。
南アジアでは、特に 2005 年 11 月にダッカで開催された
南アジア地域協力連合の会合後、地域協力の気運が盛り上
政治不安と紛争が続くネパールの経済はそれほどうま
がった。地域協力の再活性化につながったこの画期的な会
くいっていない。2005 年度の成長率は、2004 年度の 3.5%
合では、南アジアの経済連合を段階的に実現するというビ
から2.3%に低下した。天候不順による農業生産の減少に加
ジョンに対するコミットメントを指導者たちが確認した。
え、鉱工業とサービス部門の不調も成長率低下の原因と
もう一つの地域協力構想である「ベンガル湾多分野技術
84
経済協力イニシアティブ」も、2004 年 7 月の首脳会談後に
勢いがついた。この地域グループは、バングラデシュ、ブー
タン、インド、ネパールおよびスリランカを、ミャンマー
およびタイと結びつけるものである。
ADB の支援
2005 年の最も緊急度の高い援助として、インド洋津波と
南アジア大地震の被災者に対する支援を実施した。2004 年
末のインド洋津波はインド、モルジブおよびスリランカの
ド・ジャムおよびカシミール * ならびに北西辺境州の一部、
そしてインドのジャム・カシミール ** に甚大な被害をもた
パキスタンで 1 0 月の地震による被害を調査する男性。 A D B は
パキスタン地震基金を通じて緊急支援を実施した
らした。ADB は双方の支援において、社会的サービスの提
供ならびに、商業および通信網の機能が弱まりあるいは破
壊された状況を踏まえ、経済活動の再開に必要なインフラ
新たな融資ファシリティでパキスタンの道路事業を
支援
パキスタンに対する支援総額は、 7 億 7,600 万ドルの貸
の復旧に重点を置いた(34 ページ参照)。
2005年のADBの南アジア準地域に対する支援総額は44
付を含む約 17 億ドルとなった。これには、同国の「国道開
億ドルに達した。業務の全体的アプローチとしては、引き
発セクター投資プログラム」に 7 億 7,000 万ドルの資金を
続き、インフラ(特に道路・幹線道路、都市開発およびエ
提供する新たなマルチトランシェ融資ファシリティが含
ネルギー)のボトルネックの解消およびガバナンスの改善
まれる。
により地域 8 カ国の成長を促進することに注力した。また、
— 業務の全体的アプローチとしては、
基本的ニーズに対応する教育等のセクターおよび上水道
等のプロジェクトについても、重点的な支援を行った
(88 ページ、 93 ページ参照)。
引き続き、インフラのボトルネックの
解消およびガバナンスの改善により地域
8 カ国の成長を促進することに注力した
南アジア:国別承諾額(2005年、単位:百万ドル)
無償プロジェクト
国
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
合計
特別基金 a
その他の資金 b
貸付
出資・保証
技術援助
135.00
474.80
27.30
440.31
7.80
–
776.30
253.00
5.50
–
–
20.60
–
–
–
–
100.00
10.00
–
100.00
20.00
–
85.00
164.00
0.00
75.99
0.50
–
1.00
–
36.00
63.10
8.49
7.45
1.70
6.33
1.92
2.16
15.28
3.11
2,114.51
26.10
479.00
176.59
46.44
合計
248.99
568.24
29.50
567.24 c
30.72
2.16
912.58 d
483.21
2,842.64
– = データなし、ADF = アジア開発基金
a
ADF IX、アジア津波基金およびパキスタン地震基金を含む。
b 信託基金および外部資金による無償援助を含む。
c
SOUTH ASIA
沿岸部に壊滅的被害をもたらし、地震はパキスタンのアザ
この数値は「地方道路投資プログラム(第2期)」向けのマルチトランシェ融資ファシリティ(7億5,000万ドル)を含まない。
d この数値は「国道開発セクター投資プログラム」向けのマルチトランシェ融資ファシリティ( 億
7 7,000万ドル)を含まない。
* アザド・ジャムおよびカシミールは、 1947 年以降インドとパキスタンが領有を争っている地域である。アジア開発銀行は、紛争地域の法的地位またはその他
の地位を判断し、または当事者の主張の最終的な決定に予断をもたらす意図を有していない。
** ジャム・カシミールは、1947 年以降インドとパキスタンが領有を争っている地域である。アジア開発銀行は、紛争地域の法的地位またはその他の地位を判断
し、または当事者の主張の最終的な決定に予断をもたらす意図を有していない。
85
南
ア
ジ
ア
インフラ、特に地域内貿易に不可欠な道路は、引き続き
所のサンプル・プロジェクト、第 2 段階は 460km を対象と
ADB の重点分野のひとつである。同ファシリティを通じ
し、第 3 段階は今後決定される予定である。同ファシリティ
て、パキスタンの国道網および地方道路の長期的な開発を
はさらに、計画および設計に関する支援、建設スケジュー
支持していく。
ル管理、社会アセスメントおよび再定住アセスメントなら
パキスタンの幹線道路網の重要な区間には狭い道しか
なく、大型車に適していない。渋滞が交通を妨げている他
の区間では二車線化が必要であり、都市部ではバイパスが
必要となっている。ADB の投資では、3 段階に分けて道路
びに環境セーフガードを提供する。
ADB はまた、10 月の大地震の被害を受けた被災地域に
も注目し、復興・再建事業を対象とする 4 億ドル近い支援
を即座に承認した(34 ページ参照)。
の改善を行っていく。第 1 段階は 376km を対象とする 3 カ
南アジア:2005年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別、単位:百万ドル)
アフガニスタン
送配電 財政運営・行政改革プログラム
(サブプログラム I)
西部盆地水資源管理 バングラデシュ
緊急洪水被害修復 都市部一次医療(第 2 期)
ガス輸送および開発
アグリビジネス開発 南西部総合水資源計画および管理
ブータン
道路網 インド
チャティスガル州灌漑開発 津波緊急支援(セクター) インフラ開発金融会社 b イエス銀行 b ケララ州持続可能な都市開発 モルジブ
津波緊急支援 地域開発プロジェクト(第 2 期)
−環境インフラ・管理 パキスタン
アグリビジネス開発 インフラ開発 新ボング・エスケープ水力発電 b バロチスタン州分権型社会サービス・プログラム
– プログラム貸付 – 技術援助貸付 国道開発セクター投資プログラム ラワルピンディ環境改善 地震緊急支援 パンジャブ州資源管理プログラム–
サブプログラム 2
スリランカ
津波被災地域再建 北東部コミュニティ復興・開発(第 2 期)
技術教育開発 地方政府インフラ改善 国道セクター 南
ア
ジ
ア
–
a
b
86
ADF
合計
総事業費a
–
26.50
26.50
50.00
4 月 14 日
–
–
48.00
60.50
48.00
60.50
55.00
87.60
12 月 14 日
12 月 20 日
–
–
225.00
–
–
152.30
30.00
5.00
42.50
20.00
152.30
30.00
230.00
42.50
20.00
240.00
90.00
413.00
60.00
43.40
1 月 20 日
5 月 31 日
10 月 27 日
10 月 27 日
11 月 23 日
–
27.30
27.30
34.10
9 月 30 日
46.11
100.00
50.00
23.00
221.20
–
–
–
–
–
46.11
100.00
50.00
23.00
221.20
66.61
218.60
50.00
23.00
316.10
3 月 29 日
4 月 14 日
4 月 19 日
8 月 23 日
12 月 20 日
–
1.80
1.80
25.30
3 月 31 日
–
6.00
6.00
7.50
4 月 28 日
–
–
37.30
31.00
25.00
–
31.00
25.00
37.30
49.00
33.67
149.20
5 月 19 日
8 月 18 日
11 月 21 日
130.00
–
–
20.00
–
65.00
5.00
3.00
40.00
220.00
195.00
5.00
3.00
60.00
220.00
200.00
6.25
3.00
85.70
374.20
12 月 8 日
12 月 8 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
200.00
–
200.00
200.00
12 月 14 日
0.00
–
–
–
150.00
7.00
26.00
20.00
50.00
–
7.00
26.00
20.00
50.00
150.00
249.30
55.00
26.70
66.70
208.00
4 月 14 日
4 月 14 日
11 月 21 日
11 月 24 日
12 月 15 日
OCR
国
承認日
該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源
総事業費には、A D B 、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業および
金融機関が提供する資金が含まれる。
政府保証のない民間セクター貸付。
パキスタンでは、
「新ボング・エスケープ」プロジェクト
の建設が近々開始される予定である。これは、地震の被害
が最も深刻であったアザド・ジャムおよびカシミールの
ジェラム川にあるマングラ・ダムの下流に 80 メガワットの
発電所を建設するものである。 2009 年の発電開始を予定
し、民間企業により建設される同発電所は、アザド・ジャ
ムおよびカシミール初の大規模な民間セクターによるイ
ンフラ事業である。これはまた、ADB とイスラム開発銀行
による初の民間セクター協調融資でもある。
「バロチスタン州分権型社会サービス・プ
ADB はまた、
ログラム」に対して 2 億 500 万ドルの貸付を承認した。こ
いくつかのプログラムの下での道路および灌漑施設の改良を通じ
て、インドの農村部に支援が届きつつある
れは、教育、保健および上下水道の政策改革を支援すると
共に、地方政府による社会サービス向けに資源を提供し
「ケララ州持続可能な都市開発」プロジェクト(2 億 2,120
(民間セクターの参加を可能とする)
、能力開発と精度強化
万ドル)、そして 1 億ドルの貸付と 1 億ドルのアジア津波基
を支援するものである。
金無償からなる「津波緊急支援プロジェクト」である。ま
インド:インフラの重視
も承認された。
た、政府の道路プログラムを支援する 3 件の技術援助業務
ADB の支援の重点はインドにおいてもインフラ開発に
これらの貸付に加え、「地方道路投資プログラム(第 2
置かれており、インド政府自身のインフラ投資に関する壮
期)」に対しても 7 億 5,000 万ドルの援助が提供された。こ
大な計画を支援している。
れは、信用ファシリティを設定し、新たなマルチトラン
ADB は 2005 年に 5 件の貸付プロジェクトを承認した。そ
シェ融資ファシリティからローンを引き出せるようにす
「チャ
の内訳は、2 件の民間セクター貸付(86 ページ参照)、
るもので、パキスタンに続き、南アジアで 2 番目に設定さ
、
ティスガル州灌漑開発」プロジェクト(4 , 6 1 0 万ドル)
れたファシリティである。
南アジア:国別累計貸付実行額
(2005年末、単位:百万ドル)
南アジア:国別貸付額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
752.28
8,044.69
138.46
14,936.21
91.48
2,214.98
15,035.24
3,703.25
合計
44,916.59
スリランカ
南アジア:国別貸付実行額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
南アジア:国別累計貸付額
(2005年末、単位:百万ドル)
アフガニスタン
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
286.65
5,572.63
98.82
8,144.63
57.25
1,437.19
10,530.69
2,573.91
合計
28,701.77
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
パキスタン
スリランカ
87
南
ア
ジ
ア
グジャラート州のコミュニティの基本的ニーズを満たす
インド・グジャラート州の多くの地域
受け取る。
— サバルカンタ乳業
に住む村人たちは、清潔な飲料水をなか
サバルカンタ乳業は、村人を 8 つの酪
なか確保できないでいる。1 年を通して
農組合に組織して、家畜の購入を支援
安定した水源のない村落は、同州のほぼ
し、基本的な畜産学を教え、生産される
60%に及ぶ。スレンドラナガル県の農村
牛乳をすべて買い取っている。事業を始
は厳しい水不足に悩まされており、サウ
めて 2 カ月もたたないうちに、村人たち
を支援し、基本的な畜産
ラシュトラ地方の全体が干上がってし
は 1 万 5,000 リットル近い牛乳を生産
まう夏の間は、特に厳しい状況となる。
し、 3,500 ドル近い売上を手にした。
学を教え、生産される
その矢面に立つのは農村の女性たちで、
彼女たちは水くみのために長距離を歩
この 2 つのプロジェクトはいずれも、
ADB が管理・運営する貧困削減日本基
かねばならない。
金からグジャラート州政府に供与され
「アガ・ハーン農村支援プログラム」は、
た 3 4 0 万ドルの無償資金によるもので
地元の女性団体マヒラ・マンチを動員し、
ある。この無償援助では、同州内で NGO
タンク車を運転してスレンドラナガル県
やコミュニティ組織により実施される
のチョティラ地区およびサイラ地区の
同様の事業十数件を支援している。
は、村人を8つの酪農組合
に組織して、家畜の購入
牛乳をすべて買い取って
いる
2 0 村落に安価な飲料水を供給するする
ことによって、この水不足を軽減しよう
とするものである。2005 年夏、マンチは
48 万リットル以上の水を約 2,000 世帯
に配達した。アガ・ハーンの支援を得て、
マンチはトラクターやタンク車を調達
南
ア
ジ
ア
し、運転手を訓練し、水の配給を計画し
た。貧困層からはごくわずかな料金を徴
収して、運営費用を賄っている。その結
果、民間業者は価格を下げざるを得なく
なった。
旱魃の多いグジャラート州北部のサ
バルカンタ県にあるポシナ地域では、
1 , 0 0 0 近い部族の世帯が現地の牛乳収
集センターに列を作るようになってい
る。牛乳は計量・試験を経て、加工のた
めにサバルカンタ乳業に輸送される。
村人たちは10日おきに、村の中で現金を
グジャラート州の村落は力を合わせて水不足に対応している
マルチトランシェ融資ファシリティからの複数の貸付
州により計画され、3 つの年間プログラムにまとめられる。
により、ADBは政府の地方道路プログラムにおける投資を
インド政府の優先開発目標に対する A D B の支援には、
支援していく。対象は 3 万 km に及び、1 万 9,000 の村落が
地方インフラの建設、幹線道路網の構築、都市およびベッ
道路網に接続される。成功を確実にするため、同ファシリ
ドタウンの改良、そして電力セクターの強化が含まれる。
ティを通じて計画から維持管理、交通安全対策に至るすべ
例えば、ADB は都市開発を支援するために 2 億 2,120 万
ての段階を支援していく。
5 年間にわたって複数のローンが提供され、各ローンを
ドルの貸付を承認した。これは、インドの最南端にあるケ
ララ州の 5 つの地方自治体(コチ、コーラム、コジコーデ、
通じて明確に定義された投資プロジェクトに資金を提供
ティルヴァナンタプラム(州都)、トゥリッスル)における
する。第 1 段階では、約 3,200km の地方道路(アッサム州
都市部の生活環境の改善を目指すものである。具体的に
と西ベンガル州がそれぞれ約 1,000km 、オリッサ州が約
は、都市部の上下水道施設、排水施設、固形廃棄物管理施
1,200km)が対象となる。残るプロジェクトは参加する諸
設、および道路交通網を修復し、拡張していく。
88
— チャティスガル州では、 4,610 万
ドルの貸付を通じて灌漑サービスと農業
慣行を改良し、約 12 万世帯の農家の生計
を改善していく
この事業では貧しいコミュニティを対象とする「生計強
化」コンポーネントが提供される。これにより、ケララ州
のより規模の小さな都市部の地方自治体に投資し、能力開
発およびプロジェクト監理を支援していく。
バングラデシュ:貧困層のためのインフラ
ADB は 2005 年に、バングラデシュに対して 6 件の新規
貸付を承認した。
「ガス輸送・開発」プロジェクトに対する
ADF 貸付および OCR 貸付(計 2 億 3,000 万ドル)、「緊急
「アグリ
洪水被害修復」プロジェクト(1 億 5,230 万ドル)、
「都市部一次
ビジネス開発」プロジェクト(4,250 万ドル)、
医療(第 2 期)」プロジェクト(3,000 万ドルの貸付および
1,000 万ドルの ADF 無償)および「南西部統合水資源計画・
管理」プロジェクト(2,000 万ドル)である。
「ガス輸送・開発」プロジェクトでは、4 本・計 353km の
本プロジェクトの対象となるケララ州の地方自治体の
ガス・パイプラインを建設し、開発の遅れている西部地域
人口を合わせると 250 万人となり、この人口はプロジェク
(人口約 1,500 万人)に天然ガスを輸送する。1 日当たり 3
トが完了する 2011 年には 360 万人、その後 2021 年には 620
億 6,000 万立方フィートの天然ガスを供給する計画である
万人に増えると予想される。ケララ州は社会開発指標とい
が、この地域に大規模なガス供給が行われるのは初めての
う点では、インドの他の多くの州を大幅に上回っている
こととなる。
が、未だに残っている都市部の貧困によって同州の今後の
成長が妨げられる可能性がある。
「緊急洪水被害修復」プロジェクトでは、2004 年の大洪
水による被害を受けた 5 セクターの公共インフラを修復す
チャティスガル州では、 4,610 万ドルの貸付を通じて灌
る。基本的サービスへのアクセスを復旧し、災害への備え
漑サービスと農業慣行を改良し、約 12 万世帯の農家の生計
および被害軽減対策を強化するほか、インフラ設計に関す
を改善していく。このプロジェクトでは、チャティスガル
る能力開発および訓練、早期警報システムの強化に対する
州政府の水資源局を支援し、同州の灌漑セクターの開発お
支援も含まれる。
よび管理を改善していく。具体的には、既存の灌漑施設の
ADB はまた、大きな成果を上げた「都市部一次医療」プ
ロジェクトの第 2 期を開始した。これは一次医療サービス
の運営を NGO に委託するもので、政府が運営するものよ
強化、改革の先導、手続の改良、機器の近代化および新し
い施設の建設を行う。
また、水利用者組合同士および組合と政府との連携の枠
りも効率が高く、安価なサービスを提供している。サービ
組みを強化することにより、灌漑システムの維持管理にお
スの少なくとも 30%は、月収が 700 タカ(約 10 ドル)未
ける組合の役割を再定義し、強化していく。その後、特に
満の人々を対象とするほか、栄養不良が著しい女性と児童
栽培作物の多様化のポテンシャルが高い場所を対象とし
には栄養補助剤を供与する。対象となるのは 6 都市(バリ
て、チャティスガル州全体で約 20 万ヘクタールの農地に水
サル、チッタゴン、ダッカ、クルナ、ラージシャーヒ、
を供給する約200カ所の小規模灌漑システムおよび 20カ所
の中規模システムを修復する。
インドにおける他のプロジェクトには、貧困削減日本基
金を通じて資金を提供するものがいくつかある。同基金は
ADB が管理・運営するもので、貧困層の問題を軽減するた
めに NGO の支援を活用して独創的な手法を追求している。
例えばグジャラート州では、干ばつの多い州の村落に清潔
な飲料水を供給する事業に資金を提供している(88 ページ
参照)
。
2005 年末時点の ADB のインドに対する貸付ポートフォ
リオは、実施中の案件が 33 件・総額は 57 億ドルであった。
うち 26 億ドルは運輸、17 億ドルは都市インフラ、11 億ド
ルはエネルギー、 2 億ドルは金融セクターに対するもので
あった。その他の 5,000 万ドルは、農業、環境保全および
天然資源に向けた支援であった。
「都市部一次医療」プロジェクトにより、バングラデシュの貧困層
は、NGOが運営する公立診療所で質の高い医療を受けられるよう
になった
89
南
ア
ジ
ア
シレット)および 5 つの地方自治体(ボグラ、コミラ、マ
ADB は 2005 年に、電力供給の改善を目的とする 5,000 万
ダブディ、サバール、シラジガンジ)で、診療所 64 カ所を
ドルの貸付・無償パッケージを承認した。このプロジェクト
建設、4 カ所を改良し、ダッカでは一次医療のために 12 軒
では、110 キロボルトの送電網を建設し、新たな電力グリッ
のアパートもしくはビルを購入する。
また、バングラデシュはネパールおよびブータンに続
き、2006 ∼ 2010 年成果重視型国別戦略・プログラムを最
初に採用した国のひとつである(92 ページ参照)。
画期的な調和化の取り組みとして、同国の新たな成果重
視型戦略・プログラムは、英国の国際開発省、日本政府お
ドに農村部の 11 の町(世帯数にして 90 万以上)を接続して
いく。
また、同国の国道システムの復旧を目指す国際的に重要
な取り組みに対するさらなる貢献として、 5,500 万ドルの
無償援助によりアフガニスタン「環状道路」の最後の区間
を修復する(91 ページ参照)。
よび世界銀行と共同で作成された。この国別戦略・プログ
アフガニスタンの西部盆地地域では、 7 , 5 0 0 万ドルの
ラムはまた、バングラデシュの国家貧困削減戦略に沿った
ADF 貸付および無償援助を通じて、灌漑施設の修復を支援
内容となっている。国家戦略は 2015 年までに国内の貧困者
していく。このプロジェクトには、アフガン当局の本格的
数を半減し、人間開発のほぼあらゆる側面において大幅な
な能力開発およびコミュニティによる水資源管理の強化
改善をもたらすなど、MDGs の達成を目指している。これ
が含まれる。
らの目標を達成するため、国家戦略では成長の促進、人間
開発の促進とガバナンスの改善が強調されている。
2005 年に承認された 5,500 万ドルの「財政運営・行政改
革プログラム」は貸付と無償援助からなり、政府の予算作
成と国内資源の動員を強化し、行政事務を改善し、公共財
南
ア
ジ
ア
アフガニスタンの再建
政のモニタリングを強化していく。これらはいずれも、イ
ADB はアフガニスタンにおける業務を 2002 年に再開し
て以来、約 8 億 1,750 万ドルの支援を承認し、 8,500 万ド
ル近い協調融資を確保している。ADB は 2004 年のベルリ
ン・ドナー会合で行った約束を守り、2008 年まで年間 2 億
ドルを上限とする ADF 貸付および無償援助を提供し、その
最大 50 %は無償ベースとする予定である。これとは別に、
年間 1,000 万ドルの無償資金により能力開発と技術援助を
ンフラ修復への投資を補完する重要な要素である。
覚ましい成果を上げた。携帯電話ネットワークが稼働する
行っていく。
まで、アフガニスタンの 3,000 万人近い人々は、わずか 2 万
ADB の支援は、これまでアフガニスタンの再建を制約
してきたガバナンス、開発技能、国家組織および主要政策
の改善にも貢献する。
民間セクターでは、2004 年に承認されたロシャンという
大手通信企業に対する 3,500 万ドルの貸付が 2005 年に目
ADB はアフガニスタンに対し、 2008 年まで年間 2 億ドルを上限とする ADF 貸付および無償援助を提供していく
90
5,000 回線の老朽化した地上電話回線でやりくりせざるを
得なかった。ロシャンはADBの貸付全額を迅速に引き出し
破壊された。 ADB は同国の再建を支援するため、2005 年
に 1 億 5,700 万ドルの支援を供与した。うち 1 億 5,000 万ド
て通信塔を建設し、国内の辺鄙な場所にも電話サービスを
ルはアジア津波基金からの無償援助であった。支援の対象
提供した。
は、道路、コミュニティ・インフラおよび家屋の再建、生計
の再構築および沿岸保全である。他のドナー機関は教育、保
スリランカ向け津波支援
健および電力セクターの再建を支援している。貧困削減日
スリランカの鉱工業部門は、 2004 年 12 月のインド洋津
波によって大きな被害は受けなかった。しかし、沿岸部にお
本基金からも、津波後の再建に対して合計 400 万ドルの無
償援助が提供された。
SOUTH ASIA
いては数十万人が命を失い、いくつもの村が壊滅し、企業が
アフガニスタン交通網の再建
アフガニスタンの交通網を再建する
アフガニスタンのような内陸国に
ことは、困難を極める課題である。紛争
とって、道路システムの再建は極めて重
の結果、道路は破壊され、多くの区間で
要である。2005 年、ADB は環状道路の
ADB はまた、 200 万ドルの技術援助
は消失したも同然であった。以前に行わ
主要な未舗装区間の最後の部分を修復
無償を通じて、主な市場と生産地をつな
れた運輸セクターのアセスメントでは、
することを目的として、5,500 万ドルの
ぐルートを特定する道路開発マスター
国道の 54%、長さにして 6,100km が不
ADF 無償を承認した。2004 年後半に承
諾した 8,000 万ドルの貸付と合わせた
ADB の資金協力により、アンドホイか
プランを作成中である。幹線道路網が
央アジア諸国、イランおよびパキスタン
大変なロジスティックス上の困難を伴
らトルクメニスタン国境の南にあるバ
における道路の大規模な改良と合わせ
う。沿道には地雷が散乱しており、冬の
ラムルガブに至る 300km が修復され、
て、地域の運輸回廊という目標の達成に
寒さで進捗が滞り、人里離れた山岳地帯
この遠隔地はイランとの西部国境から
貢献するだろう。
では様々な問題が持ち上がった。加え
約 100km 離れたヘラートの町に接続さ
て、多くの地域では反政府分子が未だに
れる。
良とされた。
資材を建設現場に運ぶことだけでも、
活動していたために、再建プロセスが遅
れ、セキュリティ費用が増加した。
売買の防止に役立つ意識向上キャン
ペーンを支援していく。
2008 年までに完成すれば、隣接する中
南
ア
ジ
ア
アフガニスタンの国境が開かれたこ
とで、中央アジアの内陸国には運輸回廊
このプロジェクトには、国道システム
を活用し、イランやパキスタンの港を通
の長期的な運営および維持にとって重
じてアラビア海やペルシア湾にアクセ
それでも、 ADB の支援を含む大規模
要な通行料金徴収施設の設置が含まれ
スするという新たな機会がもたらされ
な国際的取り組みにより、アフガニスタ
るほか、プロジェクト近辺における HIV
ている。
ンを取り巻き隣国を結ぶ「環状道路」の
/エイズ予防キャンペーンおよび人身
再建が進んでいる。計画策定者は早く
も、同国の地理的な中心性と、域内貿易
の拡大に貢献する「陸橋」としてのポテ
ンシャルに注目し始めている。
— アフガニスタンの
ような内陸国にとって、
道路システムの再建は
極めて重要である
以前に行われたアフガニスタンの運輸セクター・アセスメントでは、国道の 54%が
不良とされた
91
スリランカの人々は、インド洋津波の後、ADB の支援を受けつつ
生計を立て直しつつある(上)。地域全体を通じて、 ADB は生活
に不可欠なサービスを貧困層に届けることに注力している(右)
津波支援事業に加え、2005 年には 4 件のプロジェクトが
承認された。1 億 5,000 万ドルの「国道セクター」プロジェ
南
ア
ジ
ア
クト、5,000 万ドルの「地方政府インフラ改善」プロジェク
ターゲットおよび指標を設定し、ADBの支援を通じてそれ
ト、
「北東部コミュニティ復興・開発(第 2 期)」プロジェ
らの達成に貢献していく。経済の多様化および、学校を卒
クトに対する 4,000 万ドルの貸付および無償援助、そして
業する多数の若者を吸収できる雇用基盤の拡大を通じて
「技術教育開発」プロジェクトに対する 2,000 万ドルの貸付
貧困を削減することを狙っている。ADBは経済のあらゆる
である。
ADB と新政府は、電力、道路、そして国際通貨基金との
セクターを十分にカバーするため、他の開発パートナーと
の協議を経て国別戦略・プログラムを作成した。
協力分野である財政運営を含む主要セクターの改革につ
モルジブでは、インド洋津波への対応として、アジア津
いて協議を続けている。政府は既存の構造の中で経済運営
波基金からの 2,000 万ドルの無償援助および 180 万ドルの
を改善すると共に、民間セクターの役割の拡大およびパ
貸付が承認された。
「モルジブ津波緊急支援」プロジェクト
フォーマンス改善のために必要なセクターの構造改革を
は、被害を受けた島々におけるインフラの再建および、特
推進すべく努力している。スリランカでは、インフラに対
に貧困層の生計手段の回復を通じて景気の回復を後押し
する投資不足が民間セクターの成長および投資に対する
することを目的としている。貧困削減日本基金からも、津
最大の障害のひとつとなっている。電気は南アジアでも最
波の被害を受けた農家の生計手段の回復を目的とする 100
も高価な部類に入り、道路網もコロンボを除けば劣悪な状
万ドルの無償援助が供与された。
況にある。
「地域開発(第 2 期)- 環境インフラおよび環境管理」プ
ロジェクトに対する 600 万ドルの貸付は、2005 年 4 月に承
ブータン、モルジブとネパール
ブータンに対する 2005 年の支援総額は 2,950 万ドルと
認された。環境管理および土地管理の改善により、モルジ
ブ中部地域の生活水準を向上させることが目的である。
なった。うち 2,730 万ドルは、国道および特定の 2 級道路
2005 年の支援総額は 3,070 万ドルとなった。その内訳
を改良し、農村地域の接続性を高める「道路網」プロジェ
は、貸付が 780 万ドル、無償援助が 2,100 万ドル、技術援
クトに対して供与された。このプロジェクトでは、インド
助が 190 万ドルであった。
国境につながるゲレフ∼トンサ間の国道 244km のうち約
140km を改良していく。
ネパールでは、政治不安と治安の悪化により 2005 年の支
援プログラムに支障が出たが、 ADB は 220 万ドルの技術
最初に作られた成果重視型の国別戦略・プログラムのひ
援助を承認した。同年は、ネパールの国別戦略・プログラ
とつであるブータンの国別戦略・プログラムは、開発成果
ム(2005-2009)が実施された最初の年であった。これは
マネジメントに重点を置いて作成されている。MDGs のみ
ADBが試験的に作成した成果重視型の国別戦略・プログラ
ムの第 1 号であり、他の DMCs に対する模範となっている。
ならず、ブータンの各セクターについて具体的な目標、
92
水資源プロジェクトによる農村部・都市部の貧困削減
バングラデシュでは毎年数カ月もの
開始し、乳牛やミシンや収量の多い種の
2005 年、ADB は水資源セクターにお
間、何百万もの人々が洪水、食料不安、疾
購入といった新たな活動による収入を
いて、合計 14億ドルの貸付コンポーネン
病や、所得の少なさに苦しんでいる。パ
増やしている。
トおよび 2,750 万ドルの技術援助無償
キスタン第 3 の都市ラワルピンディでは
同プロジェクトの第 2 期(2 0 0 2 ∼
2009 年)では、同じアプローチを 300
を承認した。これには、上下水道・廃棄
雨水配水管が泥の運河と化し、汚水が地
下水にしみ出すとともに、壊れたパイプ
の他のコミュニティに展開しつつある。
ター貸付の水資源サブセクター部分が
を通じて飲料水が汚染されている。
第 3 期も計画されている。
含まれる。全体的に見ると、これは ADB
物管理セクターだけでなく、マルチセク
の貸付総額の 20%、無償援助総額の 14
しかし、こうした厳しい現実は変化し
つつある。ADB は、地域内で最も困難な
ラワルピンディの事業がもたらした制
水資源問題に取り組む各国政府を支援
度改革
%を占める。上下水道・廃棄物管理セク
ターだけでも、ADB は 6 億 1,800 万ド
ルの新規貸付および 5 1 0 万ドルの技術
している。これらの支援業務はまた、質
パキスタンはイスラマバードに近い
の低い上水道や下水施設の不足と直接
ラワルピンディの上下水道の悲惨な状
的・間接的に関連する様々な貧困問題に
態は、制度的な問題があることを明らか
こうした投資は、ほぼすべての MDGs
も対応している。これらのプロジェクト
に示していた。他のプロジェクトから得
の達成に不可欠な役割を果たす水の基
のインパクトは、水資源セクターへの投
られた教訓によれば、上下水道プロジェ
盤を整備するものであり、経済開発を持
資が全体的な貧困削減に役立つことを
クトを持続可能なものとするには、運営
続させる上で大いに役立っている。
証明している。
母体の財務的健全性がまず必要である。
洪水制御による農村部の生活改善
部上下水道プロジェクト」では制度改革
援助無償を承認した。
これを踏まえ、「ラワルピンディ都市
バングラデシュで頻発する洪水を制
および財政改革への取り組みが行われ
御することは、「小規模水資源開発セク
た。合理的でなく、持続不能なほど低い
ター」プロジェクトの直接的な目的では
水準だった水道料金を改定し、請求シス
なかった。このプロジェクトはむしろ、
テムをコンピュータ化し、苦情受付事務
全体的な貧困削減を目指す第 1 歩として
所を数カ所に設置し、滞納者に対する
計画された。洪水を制御し、排水を改善
サービス停止政策が厳しく実施された。
し、灌漑水を提供することができれば、
また、料金回収の効率を上げるために、
作付面積と作付密度を増やすことがで
水道会社の職員に対するインセンティ
きる。洪水を減らし、田畑と灌漑を増や
ブ・プログラムが開始された。
し、収穫高を増やせば、全体的な生産性
同時に、給水システムの本格的な修復
が向上し、農場の雇用が増え、所得水準
による水の供給増、違法接続の合法化、
が上がるという考え方である。
そして給水網の新たな地域への拡大が
このプロジェクトは、予想を上回る成
果を達成した。第 1 期(1995 ∼ 2002 年)
— 上下水道・廃棄物
管理セクターだけでも、
ADB は 2005 年に 6 億
1,800 万ドルの新規貸付
および 510 万ドルの技術
援助無償を承認した
始まった。
プロジェクト第 2 期(2005 年 12 月に
では、西部にある 2 8 0 件のサブ・プロ
承認された「ラワルピンディ環境改善プ
ジェクト地域で徹底的な参加型アプ
ロジェクト」)に移行するなか、制度改革
ローチを採用した結果、作付面積は13%
によって水道システムの効率性と信頼
近く、作付密度は 4 0 %増加した。プロ
性が向上している。
ジェクト地域における農業生産高の増
加により、年間 1,440 万人日分の雇用が
セクターの垣根を取り払う業務
創出された。漁業生産も増加し、年間 17
万 6,000 人日分の雇用が創出されたと
2 0 0 5 年に外部レビューが行われた
ADB の水政策「水はみんなのもの」に基
推定されている。
づくこれらのプロジェクトは、農村部お
現地の人々は、こうした利益を持続さ
よび都市部における水関連の ADB 業務
せるために水管理組合を結成した。地方
が事業実施中の DMC17 カ国において
行政農村開発協同組合省の調査による
セクターの垣根を取り払っていること
と、組合のメンバーは貯蓄を効果的に活
を示している。
これらのプロジェクトのインパクトは、
水資源セクターへの投資が全体的な貧
困削減に役立つことを証明している
用してマイクロクレジット・スキームを
93
南
ア
ジ
ア
東南アジア
インドネシア、マレーシア、
フィリピン、シンガポール
地域に関する視点
東南アジアは 1997 年の金融危機以降、着実な経済的進歩を
遂げている。地域経済は全体的に回復し、特にマレーシアとシ
ンガポールのパフォーマンスは堅調である。しかし、インドネ
シアとフィリピンでは、政治不安、財政基盤の弱さとガバナン
東
南
ア
ジ
ア
ス問題が程度は違うものの影を落としている。インドネシア
とフィリピンには合わせて6,000万人以上の貧困層がおり、貧
困削減については大きな課題が残っている。
2005 年の経済統計に示されるように、フィリピン経済は多
くの課題を抱えている。 GDP 成長率は 2004 年の 6.0%から
5.1%に低下した。 ADB のエコノミストによれば、これは同
国の根強い貧困を急速に削減するには不十分である。従来、
フィリピン経済は不安定な政治環境や一貫しない政策ととも
に浮き沈みし、にわか景気と不景気が交互に繰り返される傾
向がある。
近年は落ち着きを見せているが、2005 年の統計が示すよう
に、人口の急増を吸収するのに十分な力強い経済成長率を維
持することは引き続き難しい課題である。成長率を高めるに
は、公共資源管理と各種インセンティブを改善し、民間セク
ターの関与を促す必要がある。2010 年までに 7 ∼ 8%の GDP
成長率を達成するという政府の目標を実現するためには、
ADB のエコノミストによれば、純額ベースで GDP の少なく
とも 10%に相当する資本投資が毎年必要である。これは現在
の 3%を大幅に上回る。
94
インドネシアのエビ養殖家。東南アジアの
経済見通しは改善しつつある
東
南
ア
ジ
ア
95
東南アジア:主要経済指標a(2005年)
国
貧困率
(%)
インドネシア
マレーシア
フィリピン
シンガポール
6.5
0.2
14.1
–
実質GDP成長率
(%)
平均インフレ率
(%)
5.6
5.3
5.1
6.4
10.5
3.0
7.6
0.4
貿易収支
海外直接投資
(単位:百万ドル) (単位:百万ドル)
22,784.0
33,391.0
(7,546.0)
37,953.0
2,258.0
713.0
970.0
14,562.0
– データなし、( )マイナス
a
2005年のデータがない場合は最新年のデータを記載。
政府は財政危機を回避するため、2005 年に強力な措置を
を得た(97 ページ参照)。政府は燃料補助金の削減によって
取った。付加価値税の拡大により財政赤字は 2 0 %削減さ
財政負担を減らし、投資家信頼感の梃子入れに貢献した。
れ、ペソの為替レートは 8 %上昇し、政府の借入コストは
燃料価格の高騰によりインフレ率は上昇したが、年末に
100 ベーシス・ポイント以上低下した。
農業のパフォーマンスが低下し、サービス部門の成長が
減速したことも、2005 年の景気減速の原因となった。輸出
の伸びも、2004 年の 9.8%から 3.7%へと大幅に低下した。
して価格の急上昇がストップし、それまでに 10%以上下落
していたルピアの回復にもつながった。
より長期的には、成長と雇用創出に関する政府の目標を
2 0 0 5 年のインドネシア経済は投資の回復に支えられ、
G D P 成長率は 2 0 0 4 年の 4 . 9 %から 5 . 6 %に上昇した。
8.1%増加した固定資本投資がこの成長を牽引した。 2004
達成するには民間セクターの関与が不可欠である。
年の選挙後、比較的スムーズに政権交代が行われ、規制の
6.4%となった。シンガポールは 2 年連続で高成長を達成し
安定化とインフラ支出の回復への期待が高まったことが、
た。
投資の回復につながった。
東
南
ア
ジ
ア
はインドネシア銀行による強硬な金融スタンスが功を奏
マレーシアとシンガポールでは好調な輸出が成長を牽
引し、GDP 成長率はマレーシアが 5.3%、シンガポールが
マレーシア政府は 2005 年にはリンギットの米ドルとの
インドネシア政府は石油価格の急騰による財政危機を回
ペッグ制を終了させ、ビジネス環境の改善を目的とする消
避するために断固たる措置を取ると同時に、貧困層への影
費をベースとした本格的な税政改革の準備を含む一連の
響を緩和するプログラムを実施して、世界中から高い評価
改革を実施した。これらの措置により、アジア最強のエ
マージング経済としてのマレーシアの地位がさらに固
まった。
地域協力
インドネシア、マレーシア、フィリピンとシンガポール
は40年近く、ASEANの中核メンバーとして、またASEAN
自由貿易圏ならびに 2020 年までの東南アジア市場の統合
を目指す「ASEAN ビジョン 2020」への参加国として、ア
ジアにおける地域協力イニシアティブの最先端にいる。こ
れらの諸国はまた、アジア太平洋経済協力会議など、他の
— インドネシア政府は石油価格の
急騰による財政危機を回避するために
断固たる措置を取り、世界中から高い
成長と雇用創出を達成するには、民間セクター(そして十分な
教育を受けた人口)が不可欠である。
96
評価を得た
主導的な国際協力フォーラムにも参加している。
援するよう要請されている。
近年に地域内外で発生した一連の危機により、協力強化
マレーシアは、地域協力協議において主導的な役割を果
の必要性が強調されている。1990 年代後半の金融危機、重
たしており、東 ASEAN 成長地域における組織能力強化支
、HIV /エイズ、鳥インフル
症急性呼吸器症候群(SARS)
援やイスラム金融サービスの開発など、いくつかの準地域
エンザ、森林火災による煙霧、テロリズムその他のセキュリ
技術援助活動に参加している。
ティに対する脅威がきっかけとなり、協力が拡大している。
2005 年、ADB は 4 カ国に対する地域協力戦略・プログ
ラムの作成を開始した。2006 年中の完成を目指している。
ADB は東南アジア地域において、エネルギー資源の共
有、運輸、金融セクターの開発、海洋・漁業資源の保全を
進める機会を見いだしている。インドネシア、マレーシア
およびフィリピンとはすでに協議を行っている。
これとは別に、2005 年 12 月には、ブルネイ、インドネ
ADB の支援
ADB は 2005 年中に、インドネシアとフィリピンにおけ
シア、マレーシアおよびフィリピンからなる「東 ASEAN
る貸付プログラムを徹底的に見直し、再活性化を図った。
成長地域」およびインドネシア、マレーシアおよびタイか
業務の敏速性と適切性を高める動きを反映し、貸付の承認
らなる「成長の三角地帯」の首脳が毎年会合を開くことで
件数と実行額は 2 倍以上に増加した。同年の支援総額は約
合意した。 ADB はこれらの準地域イニシアティブに対し
17 億ドルに達した。
て、東南アジアの比較的貧しい島々における開発の進捗を
把握し、民間投資の機会を特定するための手段の開発を支
燃料価格高騰の影響の緩和
2005 年 10 月、インドネシアの農村部
に住む貧困層の生活費用が一夜にして
増加した。マクロ経済の安定を維持する
東
南
ア
ジ
ア
ために不可欠な措置として、燃料油に対
する全国的な補助金が削減されたため
である。貧困世帯で燃料として最も広く
使われている灯油の価格は 1 8 5 %以上
も上昇した。
この影響を軽減するため、政府は地方
のインフラ、保健および教育に向けた投
資を増やすためのプログラムを立ち上
げた。ADB は援助の要請を受け、ショッ
クに対して最も脆弱であった東部諸州
における政府の「燃料補助金削減補償」
プログラムを支援するため、5,000 万ド
ル・期間 3 年の貸付を迅速に承認した。
この貸付は、コミュニティが主導する
村道、橋、暗渠、灌漑システム、上下水
道および排水施設の建設・修復に対して
資金を提供する。東ジャワ、東ヌサ・トゥ
ンガラ、南東スラウェシおよび南スラ
ウェシの諸州にある、主に隔絶された
1,800 の村落が対象となる。
地方の貧困層は灯油価格の急騰により大きな打撃を受けた
— 燃料油補助金削減の影響を軽減するため
ADB はインドネシア政府の「燃料補助金削減補償」
プログラムに対して 5,000 万ドルの貸付を承認した
97
— フィリピン向けの新たな国別戦
略・プログラムは、一連の成果重視型
戦略・プログラムのひとつであり、特に
監視・評価可能な明確な指標を設定する
内容となっている
去との決別を図っている。 3 年間に拠出可能な資金援助枠
15 億ドルには、年度ごとの具体的な貸付目標は設定されて
いない。これにより、貸付環境の変化に柔軟に対応するこ
とができる。
フィリピン向けの新たな国別戦略・プログラムは、一連
の成果重視型戦略・プログラムのひとつであり、特に監視・
評価可能な明確な指標を設定する内容となっている。
インドネシアでは、 2 件の大型案件が貸付の大半を占め
た。1 つは地方政府の財政・ガバナンス改革を支援するもの
で、もう 1 つは同国の成長・貧困削減中期プログラムを支
地方インフラの改善が貧困削減のカギを握る
援するものである。2005 年にはまた、政府の地方インフラ
改善プログラムを支持するため 5,000 万ドルの貸付を供与
民間セクター向けの貸付を含む 9 件・計 13 億ドルの貸付
を承認し、2004 年の 6 億 7,100 万ドルを大幅に上回った。
東
南
ア
ジ
ア
また、貸付実行額は 13 億ドルと、2004 年から 122%増加
した。
A D B は、民間セクターを開発努力に引き込む措置を
取った。西パプア州の「タングー・ガス・プロジェクト」
(総
した。ADB はまた、津波後の再建のために、アチェ州に対
額 63 億ドル)を支援する大型貸付は、インドネシアの石油・
して 3 億ドルのアジア津波基金無償を供与した(34 ページ
ガス・セクターにおける ADB 初の民間セクター事業であ
参照)。
り、1997 年の金融危機以降初めてのインドネシアにおける
フィリピンでは、支援拡大の一環として、中小企業およ
民間セクター事業でもある。フィリピンでは、2,500 万ドル
びマイクロファイナンスの発展をサポートする 1 億 8,000
の公共・民間セクター貸付により、中小企業の発展を支援
万ドルの貸付を行った。
していく。
A D B は実施中の貸付ポートフォリオの管理を改善し、
マレーシアでは、 ADB は引き続き民間セクター業務を
フィリピンとの業務パートナーシップに変化をもたらす
拡大しており、フラッグシップ・キャピタル・コーポレー
新たな国別戦略・プログラム(2005 ∼ 2007 年)の下で、過
ション等の新たなファンドに出資を行っている。
東南アジア:国別承諾額(2005年、単位:百万ドル)
無償プロジェクト
国
98
貸付
出資・保証
ATF
その他の資金a
技術援助
合計
インドネシア
フィリピン
1,145.69
180.00
–
19.40
300.00
–
30.48
0.70
10.33
4.62
1,486.50
204.72
合計
1,325.69
19.40
300.00
31.18
14.95
1,691.22
–
該当データなし、ATF = アジア津波基金
a
信託基金を含む。
インドネシア
ガバナンスの強化
インドネシアに対する 2005 年の貸付承諾額は、民間セク
ター貸付も含め 11 億ドルに達した。特に重点を置いたのは
ガバナンスとインフラである。
11 月、ADB は同国に対して 3 億ドルの貸付を承認した。
地方分権化に関する政策、法律および規制の枠組みを強化・
合理化し、レベルの異なる政府組織間の調整を効果的に行
う仕組みを構築することが目的である。インドネシアでは、
1999 年に成立し 2004年に改正された地方分権化法の下で、
サービスの提供を含むほとんどの公的機能について地方政
府が責任を負っている。しかし、法律および規制の枠組みが
一貫しておらず、地方レベルの能力が未開発であるため、そ
うした責任を果たすことは極めて困難となっている。
この貸付は、地方分権化の枠組みの改良および関連する
規則・規制の導入を通じて、政府の各レベルの責任を合理
ADB はインドネシアへの貸付を通じて、地方政府による公共サー
ビスの提供に必要な資金を提供している
化・明確化し、地方政府による公共サービス提供の財源と
なる資金の流れについて透明性と説明責任を確保するも
のである。財政分権化の次のステップに関する国家行動計
太平洋地域:国別貸付額
(2004∼2005年、単位:百万ドル))
画も支援していく。 これらの改革により、教育、医療
東南アジア:国別累計貸付額
(2005年末、単位:百万ドル)
クック諸島
インドネシア
マレーシア
フィリピン
20,728.50
1,987.54
8,799.03
合計
31,515.07
フィジー
東
南
ア
ジ
ア
当該期間中、マレーシアへの貸付はなかった。
東南アジア:2005年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別、単位:百万ドル)
国
インドネシア
コミュニティ給水サービス・保健 道路修復 -2 地方政府財政・ガバナンス改革セクター
開発プログラム
– プログラム貸付 – プロジェクト貸付 タングー液化天然ガス b 地方インフラ支援 開発政策支援プログラム フィリピン
エクィタブル PCI 銀行の不良債権および
不良資産の買収および解消 b 中小企業開発支援
マイクロファイナンス開発プログラム 総事業費a
OCR
ADF
34.10
151.00
30.59
0.00
64.69
151.00
92.38
215.80
4月7日
9 月 29 日
300.00
–
350.00
–
200.00
–
30.00
–
50.00
–
300.00
30.00
350.00
50.00
200.00
300.00
42.90
6,303.00
60.81
200.80
11 月 3 日
11 月 3 日
12 月 14 日
12 月 19 日
12 月 21 日
5.00
25.00
150.00
–
–
–
5.00
25.00
150.00
10.00
26.00
150.00
6 月 24 日
9 月 29 日
11月22日
合計
承認日
– 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源
a 総事業費には、
ADB 、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業および
b
金融機関が提供する資金が含まれる。
政府保証のない民間セクター貸付。
99
中期開発計画によると、インドネシアが 2009 年まで 6 %の年間
GDP 成長率を維持するには、インフラ事業に 1 億 4,500 万ドル
を投資する必要がある
サービスおよび公共事業の提供に関する権限の明確化を
で、公共支出の効率を高め、投資環境を改善し、金融セク
促進していく。
ターを強化することを意図している。
これとは別に、 3,000 万ドルの貸付によって統合地域シ
ステムを開発していく。71 の地方政府がより信頼性が高く
一貫性のある財務諸表を作成できるようにするとともに、
東
南
ア
ジ
ア
成長のためのインフラ
アジア金融危機後、インドネシアの公共インフラ投資は
これらの地方政府を含む 171 の地方政府に対して統合地域
激減し、1996 年の 160 億ドルから 2002 年には 15 億ドル
財政情報システムへのアクセスを提供することが目的で
に低下した。最近行われた調査によると、インドネシアの
ある。また、財源の権限委譲を支援することにより基本的
インフラ投資額は、人口 2,000 万人以上の国の中で最下位
公共サービスの地域間格差を解消し、地方政府による借入
であった。
農村地域は特にインフラ不足が著しい。最近の調査で
の枠組みを強化していく。
ADB はまた、インドネシア政府のマクロ経済運営改善
は、飲料水用の水道またはポンプがある農村世帯は 15%に
努力を支援した。インドネシアは中期開発計画(2 0 0 5 ∼
すぎず、汚水処理タンクがある世帯は 21%にすぎないこと
2009 年)の下、持続可能な経済成長率を 2004 年以前の約
4%から 2009 年までに 7%に引き上げることを目指してい
る。政府はまた、貧困率を 2004 年の 16.6%から 2009 年ま
でに 8.2%に半減することを目標としている。
開発政策支援プログラムに対しては、世界銀行による 4
億ドルの支援と併せて 2 億ドルの貸付を供与し、日本政府
が判明した。農村の半数以上には舗装道路がなく、3 分の 1
も支援を計画している。この調和化された支援は、ガバナ
ンフラ投資を行う必要がある。
は年間を通じて利用できる道路がない状況であった。2004
年のインドネシア農村部の貧困者数は約 2,470 万人で、農
村人口全体の 5 分の 1 を占めた。
インドネシアの中期開発計画によれば、 6 %の年間成長
率を 2009 年まで維持するには、同国は約 1,450 億ドルのイ
ンスの改善および汚職防止を通じた健全な公共財政運営
および財政資源のより効果的な利用に焦点を当てるもの
東南アジア:国別貸付実行額
(2004∼2005年、単位:百万ドル)
インドネシア
東南アジア:国別累計貸付実行額
(2005年末、単位:百万ドル)
マレーシア
インドネシア
マレーシア
フィリピン
15,112.95
1,403.28
6,280.29
合計
22,796.52
100
フィリピン
インドネシアとフィリピンにおける都市居住環境の改善
公式統計によると、フィリピンの都市
じて提供した小企業向けマイクロファ
人口の半分は、飲料水、下水道や排水シ
イナンスにより、約10万人の都市住民に
ノートルダム女性の自立のための開発
ステムが全く不十分なインフォーマル
利益を提供した。
財団が同基金からの 1 0 0 万ドルの無償
な集落で間に合わせの家に住んでいる。
現在準備中の 1 億ドルの「メトロ・マ
マニラから遠いミンダナオ島では、
援助を得て期間 3 年のプロジェクトを運
9 , 1 0 0 万人が都市に住むインドネシ
ニラ貧困層向け都市サービス」プロジェ
営している。これは、8 都市に住む貧し
アでも、都市の急速な発達に住宅・土地
クトには、マニラ首都圏全体をカバーす
い女性露店商人に社会的セーフティ・
市場が追いついていない。
る長期的なスラム改良戦略を含める予
ネットを提供するものである。
最近、都市居住環境の不備に対応し、
定である。
マイクロファイナンスの新たな分野を
「都市部における貧困削減のための戦
切り開いたイニシアティブがある。フィ
略的民間セクター・パートナーシップ」
プ
リピンの「貧困都市コミュニティ開発セ
ロジェクトは、民間セクターの力を活用
クター」プロジェクトおよびインドネシ
して、メトロ・マニラの貧困層を支援し
アの「近隣地域改良および保護施設セク
ている。フィリピン・ビジネス社会開発
ター」プロジェクトがそれで、地方政府
財団と ADB が協力して、住宅を建設し、
および NGO と協力して手ごろな価格の
デイケア施設を設置し、洪水被害を受け
土地を提供し、ローンへのアクセスを保
やすい街路を舗装し、水道システムおよ
証するものである。
び適切な排水施設を整備している。この
インドネシアのプロジェクトでは、18
プロジェクトは、貧困削減日本基金から
万世帯の不動産取得を支援している。
の 360 万ドルの無償資金およびフィリピ
フィリピンでは、都市部の 2 万の貧困世
ン・ビジネス社会開発財団からの 360 万
帯が宿泊施設を確保できるよう支援す
ドルを財源とし、首都圏にある 8 市の 26
ると共に、1 万件の貸付パッケージを通
コミュニティを対象としている。
— インドネシアの
住宅プロジェクトでは、
18 万世帯の不動産取得
を支援している
東
南
ア
ジ
ア
インドネシアの住宅・土地市場は都市の
急速な発達に追いついていない(上)。無
償資金による社会的セーフティ・ネット
から恩恵を受けているフィリピン、ミン
ダナオ島の女性露店商人(左)
ADB は昨年、インフラ関連の貸付を 3 件承認した。「道
や地元の企業家にとっては市場へのアクセスが改善し、輸
路修復 2 」、「コミュニティ水道サービス・医療プロジェク
送コストが軽減され、政府にとっては行政・社会サービス
ト」と「地方インフラ支援プログラム」である。
の提供が容易になり、人々には「オジェク」と呼ばれるバ
「道路修復 2」は以前のプロジェクトの第 2 期で、スマト
イク・タクシーの営業を含む他の所得機会がもたらされ
ラ島およびカリマンタン島の国道の主要区画を修復し、安
る。両島の道路建設活動と並行して、HIV /エイズの意識
全対策を施すものである。このプロジェクトにより、農民
向上キャンペーンも実施していく。
101
大規模なインフラ事業に対する民間セクターの支持を
得る努力の一環として、ADBは西パプア州のタングー液化
び彼らが興す企業に対する価格競争力のある金融サービ
スを奨励する内容となっている。
天然ガス・プロジェクトに対して 3 億 5,000 万ドルの貸付
マイクロファイナンスは「社会改革・貧困緩和法」に基
を承認した。これはベラウ湾およびビントゥニ湾周辺にあ
づくフィリピン政府の貧困削減戦略の要であり、この努力
るガス田から天然ガスを取り出すもので、ADBのインドネ
はかなり進展している。同国の貧困層の 3 分の 2 以上に当
シアにおける民間セクター業務を復活させるための大き
たる 1,700 万人はマイクロファイナンス・サービスを利用
なステップである。
できず、コストの高いインフォーマルな資金源に依存して
いる。マイクロファイナンスを利用できれば、貧しい人々
フィリピン
は発展力のあるビジネスや生計を構築する機会を得るこ
企業支援
とができる。
2005 年にフィリピンに対して承認された 1 億 8,000 万ド
数多い特徴をもつこの新規貸付は、マイクロファイナン
ルの貸付には、マイクロファイナンスと中小企業に重点を
ス・サービスの競争に関する制限を取り除き、ガバナンス
置いた金融セクター開発支援事業が含まれている。これに
を改善し、民間セクター主導のマイクロファイナンス機関
加えて、エクィタブル PCI 銀行の不良債権および不良資産
の効率的な業務と拡大を促進するものである。あらゆるタ
の買い取りおよび解消を目的とする、政府保証のない 500
イプのマイクロファイナンス機関における透明性の向上
万ドルの貸付を承認した。
および貸付情報の開示原則(truth in lending )の導入に
貸付プログラムはまた、政府当局が強い決意を示した財
政再建アジェンダと緊密にリンクされ、これを支持する内
よって、借入コストの明確化を図っていく。また、金融機
関に適用される税制についても明確化を図る。
容となっている。
国の財政状態を示す最も重要な指標である財政赤字は、
東
南
ア
ジ
ア
2004 年の対 GDP 比 3.9%から 2005 年には 2.7%にまで減
少した。2005 年 11 月には付加価値税が拡大され、以前は
免除されていた取引が対象になると共に、税率は 10%に設
定された。
(2006 年 2 月に、拡大された付加価値税の税率
は 12%に引き上げられた。)税制の運営も強化されており、
現在の課題は、やっと実現した政策変更を実施し、追加歳
入を確実に徴収することである。
「マイクロファイナンス開発プログラム」に対する 1 億
5,000 万ドルの新規貸付の目的は、貧困層の金融サービス
に対するアクセスを改善することにある。この貸付は、マ
イクロファイナンス・サービスの提供における民間セク
ターの参加を促し、制度全体の弱点を補強し、貧困層およ
マイクロファイナンス・ローンを利用できるようになれば、かご細
工の作り手(上)や雑貨屋店主(左)のような女性に所得を得る機
会が提供される
102
9 月には中小企業の開発を目指す貸付を承認した。この
プロジェクトには、小企業保証・金融会社(Small Business
Guarantee and Finance Corporation)による中小企業向
け貸付ポートフォリオの拡大を支援する 2,500 万ドルの貸
付のほか、約 1,840 万ドルの部分借用保証ファシリティお
よび 100 万ドルまでの出資が含まれる。
企業は現在、経済全体の付加価値の 32%を生みだしてい
るが、政府は 2010 年までにこの比率を 40%に引き上げた
いと考えている。政府はしかし、これに寄与しない政策や
煩雑で費用のかかる登記・免許取得プロセス、そして国レ
ベルの企業登記簿および担保登記簿が存在しないといっ
た制約に直面している。
特定の民間金融機関に対して、中小企業向け、特に当該金
融機関のターゲット集団に含まれない中規模企業向けの
ポートフォリオの拡大を奨励するため、約10億フィリピン・
ペソ(1,950万ドル)に相当する部分借用保証が提供される。
このファシリティは、明確に定義された貸付ポートフォリ
オの 50%までをカバーする。また、出資を通じて、当該セ
民間セクターによる低所得者向け住宅の開発を促進するプログラ
ムを通じて、都市における住宅供給が改善しつつある
クターの発展を制約している要素のひとつである、包括的
かつ信頼できる信用情報システムの構築を支援していく。
ペソ建ての貸付の原資の大部分は、ADB が 2005 年 10 月に
発行したフィリピン・ペソ建ての債券により調達された。
住宅金融の改善とスラムの改良
「都市部の貧困削減のための戦略的官民パートナーシッ
ADB は、2004 年 12 月に承認し、 2005 年 11 月に終了
した 16 億ペソの貸付を通じて、フィリピンの国営住宅抵当
プ」プロジェクトは、貧困に対する最悪の影響を軽減する
金融公社による延滞抵当融資ポートフォリオの解消を支
同プログラムでは、2005 年も、フィリピンのビジネス・セ
援した。バリカタン住宅(Balikatan Housing, Inc.)とい
クター、地方政府と NGO が協力して基本的サービスや生
う特別目的会社に貸付を行い、同社が国営住宅抵当金融公
計プログラムを提供する努力を継続した。このプログラム
社から不良債権ポートフォリオを購入する資金を提供し
はメトロ・マニラの 8 市(カルーカン、マラボン、マリキ
た。公社はこの取引を通じて問題のある住宅ローン・ポー
ナ、ムンティンルパ、ナボタス、パシグ、ケソンシティお
トフォリオを売却することで、資源をより効果的に配分
よびタグイグ)にある 26 の周縁化されたコミュニティで事
し、低・中所得世帯向け住宅ローンの流通市場の整備・支
業を行っている。その数多い成果としては、 894 世帯のた
援に振り向けることができるようになる。
めのより良い住宅とインフラの建設、企業に対するマイク
ADB はまた、バリカタン住宅のために不良債権のリスト
ラおよび回収を行う新会社、バハイ金融サービス(Bahay
ことを目的とし、貧困削減日本基金から資金を得ている。
ロ・ローンの提供、数百人に対する奨学金、実業教育およ
び技能教育の提供などが挙げられる。
FInancial Services, Inc. )の株式の 10 %を取得する。
エネルギー改革
ADB は 2004 年に承認された技術援助無償の下で、2005
— 2005 年、ADB は引き続きフィリ
年も引き続き、フィリピンのエネルギー規制委員会の強化
ピンのエネルギー規制委員会の強化に
に努め、電力セクター資産・債務管理公社に対して資産の
努め、電力セクター資産・債務管理公社に
民営化に関する助言を行った。
電力セクター改革は重要な転機を迎えている。競争を導
対して資産の民営化に関する助言を
入する法律および規制面での新たな枠組みはほぼ確立さ
行った。
れているが、発電および送電施設の民営化は遅れている。
103
東
南
ア
ジ
ア
2005
年次報告
アジア開発銀行
財務報告
財務諸表目次
経営陣の検討と分析
108
110
124
126
概要
通常資本財源
特別基金
ADB が管理する信託基金
統計付録
業務データ
130
133
135
136
138
138
139
141
141
142
142
143
143
144
表 1: 2005 年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別)
表 2: 2005 年中の特別基金無償プロジェクト
表 3: 貸付の承認(セクター別):3 カ年移動平均(1968 ∼ 70 年 - 2003 ∼ 05 年)
表 4: 2005 年中の貸付承認(セクター別)
表 5: セクター別貸付配分(2005 年、 1967 ∼ 2005 年)
表 6: 2005 年中の貸付承認(国および財源別)
表 7: 2005 年中の協調融資プロジェクト
表 8: 2004 年および 2005 年中の貸付実行
表 9: 2005 年中のプログラム貸付実行額
表 10: 2005 年中の民間セクター貸付の承認および総事業費(国別)
表 11: 2005 年中の民間セクター貸付の承認および総事業費(セクター別)
表 12: 民間セクター貸付の承認(年度別)(1983 年∼ 2005 年)
表 13: 民間セクター貸付の承認累計(国別)(1983 年∼ 2005 年)
表 14: 承認済みおよび管理中の貸付およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)、
完了済みプロジェクト、完了済み貸付並びに回覧済みプロジェクト/
プログラム実績監査報告書(PPARs)の件数
146
148
149
150
151
152
153
154
156
163
163
164
167
168
表 15: 承認済み貸付、締結済み契約および貸付実行の金額
表 16: 2005 年中の締結済み契約(原産国別)プロジェクト貸付−通常資本財源(OCR)
表 17: 2005 年中の締結済み契約(原産国別)プロジェクト貸付−アジア開発基金(ADF)
表 18: 2005 年中の締結済み契約(原産国別)プロジェクト貸付− OCR と ADF の合計
表 19: 2005 年中のプログラム貸付による海外調達供給国への支出見積
表 20: 技術援助活動に関する締結済み契約累計金額(原産国別)
表 21: 技術援助業務に関する締結済み契約金額(原産国別)(2003 ∼ 2005 年)
表 22: 技術援助無償(国および地域活動別)(1967 年∼ 2005 年、 2004 年、 2005 年)
表 23: 2005 年中の技術援助無償
表 24: 技術援助無償(セクター別)(1967 年∼ 2005 年、 2004 年、 2005 年)
表 25: 2005 年中の貸付および無償による技術援助(セクター別)
表 26: 2005 年中の地域技術援助
表 27: 財源の純移転(通常資本財源およびアジア開発基金)(2003 年∼ 2005 年)
表 28: 財源の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)(1996 年∼ 2005 年)
財源
169
170
171
171
172
172
173
表 29: アジア開発基金の財源および融資約定枠
表 30: 技術援助特別基金
表 31: 日本特別基金−通常拠出および追加拠出活動および純資産の増減
表 32: 日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ活動および純資産の増減
表 33: 2005 年中の貧困削減日本基金
表 34: 2005 年中の情報通信技術日本基金
表 35: 2005 年中のテーマ別基金によるプロジェクト
経営陣の検討と
分析
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
概要
アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋地域の貧困撲滅
を目標とする国際開発金融機関である。アジア・太平洋地域の
社会・経済的発展および貧困削減をめざして 31 カ国が批准し
た「アジア開発銀行設立協定」
(以下「設立協定」)により、1966
年に設立された。2005 年 12 月 31 日現在の加盟国は 64 カ国で、
うち 46 カ国が域内加盟国である。
ADB は開発途上加盟国(DMCs)に様々な形の金融支援を
行っている。主な支援は、貸付、技術援助、無償供与、保証、出
資である。それらの財源は、通常資本財源(OCR)、特別基金、
および各種の信託基金である。OCR と特別基金は、ADB が単
独で運営管理に当たる業務を対象としている。信託基金には外
部から資金が提供されており、ADB がその運営管理を援助供
与国に代わって行っている。設立協定には、それぞれの財源の
独立性を保つことが規定されている。
ADB は政策対話と助言サービスを提供するとともに、公的
資金、民間資金および輸出信用との協調融資により資金を動員
し、援助による開発効果の最大化を図っている。ADB のプロ
ジェクトに対する協調融資は、貸付、技術援助、および貸付プ
ロジェクトにおける無償コンポーネント、または保証などの信
用補完の形で提供される。
108
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
109
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
通常資本財源
OCR の財源は、私募債や資本市場からの借入、株主から
の払込資本金、累積利益剰余金(準備金)、の 3 種類である。
OCR の財務上の健全さは、株主からの支援のほか、財務に
ジ会計を採用しないことに決定し、すべてのデリバティブ
商品を貸借対照表に公正価額(評価額)で報告する一方、そ
の期におけるデリバティブ商品の評価額の変動は純利益
の一部として計上している。
補足報告
関する政策および慣行によるところが大きい。株主からの
ADB は金融資産・負債に伴う金利リスクおよび為替リ
支援は、加盟国からの資本の裏付けと借入国による債務返
スクを最小限に抑えるため、選択的にデリバティブを用い
済の履行実績に反映されている。
て財務内容を管理している。デリバティブ商品を用いて、
借入金と出資金は、OCR からの貸付や投資活動のほか、
それぞれのポジションやポートフォリオの資産/負債管
通常業務の資金として使われる。OCRからの貸付は一般的
理を強化するとともに、借入コストの引き下げを図ってい
に、良好な経済発展を達成している DMCs および民間の借
る。金融商品によっては評価額で計上されるものもあれば
入人に対して供与される。公共セクターへの貸付は調達コ
(デリバティブ全般および一部の投資など)、貸付、借入、一
ストに貸付スプレッドを上乗せする方式で実施され、貸付
部の投資などのように簿価で計上されるものもあるため、
資金の調達経費と貸付スプレッドが借入人に転嫁される。
(LBL)の導入や他の貸付方式の廃止により、ADB は本格
FAS133 を適用しても、ADB の財務状態の経済的価値が完
全に反映されない。したがって、ADB の財務状態とリスク
管理をより正確に反映させるため、時価方式と FAS133 以
前の方式による 2 通りの補完的財務諸表を作成している。
的な LIBOR ベースの金融機関に移行した。LIBOR ベース
これらの財務報告に一貫した手法を適用することにより、
の貸付に比べてプール方式の貸付金利が高いことや、金利
経営のための情報分析や意思決定に役立つものと考えて
環境の傾向を理由として、2004 年にはプール方式の貸付に
いる。
民間セクターへの貸付は市場条件に基づき実施される。
ロンドン銀行間取引金利(LIBOR )ベースの貸付方式
ついて総額 28 億ドルの期限前返済が行われた。2005 年の
期限前返済額は大幅に減少し、 6 億ドルとなった。
時価の検討と分析
ADB は、DMC 政府や民間の借入人に対して直接貸付
表 2 は、金利、為替レートおよび信用リスクの変動を勘
を行うだけでなく、ADB支援プロジェクトに民間資金を呼
案した、OCRの金融資産および負債の経済価値の概算を表
び込むための保証を提供している。信用補完商品としての
したものである。時価は、流動性市場が存在する金融商品
保証に対する需要が高まっている。
については、その売却価格を反映した推定評価額である。
市場相場が存在しない金融商品の場合、適切な市場データ
財政報告の基本
で割り引いたキャッシュフローの予想値を使って時価を
規約で定められた報告
概算する。時価の計算結果は、現金化の際の正味実現可能
表 1 に 2005 年の財務データを示す。ADB は、米国の一
価額と異なる場合がある。FAS133 の効果は時価調整の一
般会計原則に則って財務諸表を作成している。ADBは財務
部であるため、FAS133 の調整を取り消せばこの影響が除
会計基準(FAS)第 133 号「デリバティブ商品およびヘッ
去される(詳細については表 3 と表 4 を参照)。
ジ取引の会計」および関連の修正条項(これらをあわせて
「FAS133」という)を遵守している。FAS133 では、基準
を満たす場合に限りヘッジ会計を認めている。この基準に
時価方式貸借対照表
貸付と関連スワップ
ついての評価では、ADB のデリバティブ取引の大半は、原
貸付の大半は、ADB加盟国に対するものか、またはADB
金融取引のヘッジに極めて有効であり、資金調達コストの
加盟国によって保証されている。ADBの貸付に見合う市場
削減に適していることが明らかになった。しかし、FAS133
は存在しないとの考えから、貸付の売却は行っていない。
ヘッジ基準を適用すると、ADBのリスク管理やヘッジ戦略
貸付の時価は、金利を含む予想キャッシュフローについて
が完全に反映されない。ヘッジ会計を適用した場合、ADB
の経営陣の最善の見積もりを基に計算される。元本の返済
の将来の借入、貸付およびヘッジ・プログラムに過度の制
と利子から予想されるキャッシュフローは、ADBの調達コ
約がかかり、ADBがより重要と考える借入コストの最小化
ストと貸付スプレッドに相当する市場利回り曲線で割り
がむずかしくなる可能性が高い。したがって、ADB はヘッ
引かれる。
110
表 1:財務データ抜粋
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
(12 月 31 日現在、単位:百万ドル)
規約報告基準
2005
2004
2003
2002
2001
1,036.3
377.4
18.2
1,038.3
265.6
9.2
1,383.0
251.2
22.9
1,710.0
256.6
12.5
1,813.6
322.6
21.9
1,431.9
1,313.1
1,657.1
1,979.1
2,158.1
893.2
135.7
(3.4)
(3.5)
4.2
861.7
118.3
(2.4)
2.2
3.1
996.9
118.5
(.4)
12.9
–
1,157.0
90.6
56.0
3.9
–
1,434.1
59.0
20.0
5.0
–
1,026.2
982.9
1,127.9
1,307.5
1,518.1
16.9
59.4
87.4
82.3
75.8
(308.7)
(4.6)
109.3
36,092
0.30%
4.35%
2.96%
5.04%
49.36%
41.0
–
430.6
36,364
1.18%
4.16%
2.21%
3.37%
51.64%
(178.4)
–
438.2
37,540
1.17%
4.56%
3.74%
4.65%
224.8
–
978.7
38,244
2.56%
5.93%
4.26%
4.10%
112.8
34.7
863.3
36,272
2.28%d
6.42%
5.91%
5.54%
415.6
36,076
1.15%
4.35%
2.99%
3.75%
49.48%
389.6
36,306
1.07%
4.16%
2.34%
3.58%
50.54%
753.9
38,244
1.97%
5.93%
4.26%
4.32%
715.8
36,271
1.97%
6.42%
5.91%
5.63%
93.7
37,948
0.23%
(1.18)%
(1.11)%
(1.34)%
49.72%
562.8
39,391
1.47%
4.25%
3.51%
3.56%
50.27%
1,182.9
40,680
2.91%
10.53%
9.80%
9.85%
472.6
38,431
1.23%
3.11%
2.66%
3.02%
収支
貸付から
投資から
その他財源から
収入合計
借入および関連費用
管理費 a
加盟諸国への技術援助
損失引当金
その他の支出
支出合計
実現純利益
FAS133 により要求されるデリバティブの
未実現純利益(損失)
会計原則変更の累積的影響
純利益
平均収益資産 b
平均収益資産の年間収益率
貸付収益率
投資収益率
借入コスト
資本貸付率 e
純利益
平均収益資産
平均収益資産の年間収益率 c
貸付収益率
投資収益率
借入コスト
資本貸付率 e
FAS133以前の方式
616.6
37,524
1.64%
4.56%
3.13%
3.70%
時価方式
純利益
平均収益資産
平均収益資産の年間収益率
貸付収益率
投資収益率
借入コスト
資本貸付率 e
a
b
c
d
e
1,363.3
40,244
3.39%
4.97%
5.88%
2.55%
アジア開発基金に配分された管理手数料および猶予された貸付手数料を差し引いたもの。
投資および関連するスワップ、未償還先取り手数料を控除した貸付残高および関連するスワップならびに出資からなる。
平均収益資産について FAS133 で義務づけられるデリバティブの未実現純利益(損失)を加算する前の純利益を表す。
2001 年 1 月 1 日における FAS133 導入の一時的な累積効果を除く。
ADB の危険負担能力を評価するために 2004 年 2 月に承認および設定された。
111
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
表 2:2005 年末および 2004 年 12 月 31 日時点の時価方式貸借対照表要約
(単位:千ドル)
2004年
12月31日
2005年12月31日
FAS133
による
FAS133
規約報告基準
影響の是正
以前の方式
時価調整
時価方式
時価方式
81,662
–
81,662
–
81,662
76,405
11,212,091
–
11,212,091
–
11,212,091
10,780,768
有価証券貸付契約の下で
移転された証券
2,770,965
–
2,770,965
–
2,770,965
2,040,302
再販売契約の下で購入した証券
1,118,748
–
1,118,748
–
1,118,748
1,330,948
23,808,101
1,229,611
25,037,712
26,344,506
銀行預金
投資および未収金
貸付残高および未収利息
23,808,858
(757)
差引:貸倒引当金および
未償還の先取り手数料
(90,541)
–
(90,541)
–
(90,541)
出資
404,975
–
404,975
–
404,975
257,437
加盟国からの未収金
173,004
–
173,004
(71,992)
101,012
134,641
借入
9,733,074
226,683
9,959,757
(226,683)
9,733,074
9,583,846
その他
1,582,337
(10,033)
1,572,304
10,033
1,582,337
1,567,602
(112,653)
スワップからの未収金
576,212
–
576,212
–
576,212
509,651
合計
51,371,385
215,893
51,587,278
940,969
52,528,247
52,513,453
借入および未払利息
その他資産
24,660,637
74,717
24,735,354
225,597
24,960,951
25,238,996
スワップの未払金
借入
その他
9,354,776
1,586,604
92,879
19,607
9,447,655
1,606,211
(92,879)
(19,607)
9,354,776
1,586,604
8,841,324
1,809,722
有価証券貸付契約における未払金
2,795,081
–
2,795,081
–
2,795,081
2,061,489
677,147
–
677,147
–
677,147
624,198
39,074,245
187,203
39,261,448
113,111
39,374,559
38,575,729
–
3,449,154
–
3,449,154
3,725,823
買掛金およびその他負債
負債合計
払込資本金
名目上の純維持価格
3,449,154
(586,105)
–
(586,105)
–
(586,105)
(642,944)
通常準備金
8,957,392
–
8,957,392
882,858
9,840,250
9,575,099
特別引当金
193,629
–
193,629
–
193,629
189,539
貸倒引当金
167,000
–
167,000
–
167,000
218,800
117
–
117
–
117
312,117
剰余金
累積的再評価調整勘定
234,833
(234,833)
–
–
充当後の純利益
105,202
306,275
411,477
(321,834)
89,643
559,290
(224,082)
(42,752)
(266,834)
266,834
–
–
その他包括的利益累積額
資本合計
合計
– 該当データなし
( ) マイナス
112
–
–
12,297,140
28,690
12,325,830
827,858
13,153,688
13,937,724
51,371,385
215,893
51,587,278
940,969
52,528,247
52,513,453
表 3:2005 年および 2004 年の時価方式損益計算書要約
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
(単位:千ドル)
2004年
12月31日
2005年12月31日
FAS133 による
規約報告基準
影響の是正
以前の方式
時価調整
時価方式
時価方式
収入
その他財源から−純額
1,036,329
377,379
18,210
–
–
499
1,036,329
377,379
18,709
–
–
–
1,036,329
377,379
18,709
1,038,345
265,557
9,166
収入合計
1,431,918
499
1,432,417
–
1,432,417
1,313,068
貸付から
投資から
支出
借入および関連費用
管理費
加盟諸国への技術援助
損失引当金
その他の支出
支出合計
実現純利益
893,218
135,689
(3,446)
(3,477)
4,248
2,967
–
–
–
–
896,185
135,689
(3,446)
(3,477)
4,248
–
–
–
3,477
–
1,026,232
2,967
1,029,199
3,477
16,968
–
16,968
(111)
(308,743)
(4,619)
–
–
308,743
–
–
–
–
(4,619)
–
–
109,292
306,275
415,567
4,090
–
4,090
105,202
306,275
411,477
896,185
135,689
(3,446)
–
4,248
861,667
118,321
(2,404)
–
3,044
1,032,676
980,628
16,857
62,100
–
(3,624)
(321,834)
7,212
–
(8,243)
(321,834)
7,212
–
–
173,173
(4,950)
(321,834)
93,733
562,763
4,090
3,473
89,643
559,290
FAS133 により要求される
デリバティブの未実現純損失 a
会計原則変更の累積的影響
時価調整
損失引当金
純利益
特別引当金への保証手数料の充当
充当後の純利益
–
(321,834)
( ) マイナス
a 時価調整には、 FAS133 により要求されるデリバティブの未実現純損失の効果が組み込まれているため、 FAS133 調整の影響を是正している。
表 4:時価調整の要約
(単位:千ドル)
貸借対照表の影響額
(2005年12月31日現在)
損益計算書の影響額
(年度累計)
スワップ後
の投資
スワップ後
の借入
その他
資産
前年
影響額差引後a
2005年
12月31日
2004年
12月31日
34,967
(359,401)
(71,992)
(943,406)
最小年金債務調整
(115,549)
15,825 c
(227,605) c
5,495 c
99,703
(31,232) c
105,826 c
(1,124) c
時価調整総額
(321,834)
173,173
スワップ後
の貸付
貸借対照表の時価調整総額
1,224,283
投資の未実現利益(損失)b
累積換算調整 d
a
b
c
d
前年度影響額には、前年度に作成されたすべての金融証書に関する時価調整の累計額が含まれる。
売却可能と分類された投資および出資の未実現利益 / 損失に関連している。
これらは規約報告基準の「その他包括的利益」から移され、時価方式報告の時価調整の一部として含められた。
FAS133 の是正による時価換算影響額を除く当該期間の累積換算調整に関連する。
113
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
時価には信用リスクの判断も関係する。このようなリス
される。したがって、投資および出資における未実現損失
クや延滞の可能性を認識するため、貸し倒れ引当金を通じ
の変動分 1,580 万ドルと、貸し倒れ引当金の戻し入れ 720
て貸付価額を調整している。公共セクターの貸付について
万ドルが調整額の一部として計上されている。
は、貸付の契約条件と異なる金利および手数料の支払いに
2005 年の時価方式での純利益は 9,370 万ドルであるの
よる機会損失の他に、 ADB は損失を被ったことはない。
に対し、FAS133 以前の方式による純利益は 4 億 1,560 万
調整額の 12 億ドルは、スワップ後の平均貸付金利が、
ドル、規約報告方式による純利益は 1 億 930 万ドルであっ
同様の貸付を現在実施した場合の金利よりも高いことを示
た(表 3 参照)。FAS133 以前の方式と時価方式の差額マイ
している。
ナス 3 億 2,180 万ドル(すなわち時価調整額)の内訳は、す
投資と関連スワップ
べての金融商品残高の評価による正味調整額マイナス 1 億
市場ベースの評価モデルに入手可能な市場データを投入し
1,550 万ドル、為替換算調整によるマイナス 2 億 2,760 万
ドル、投資の未実現利益がプラス 8,130 万ドル、投資の未
実現損失がマイナス 6,550 万ドル、そして最小年金債務の
調整額が 550 万ドルである(表 4 参照)。
て計算する。調整額の純増 3,500 万ドルは、特定市場にお
金利変動の影響
規約報告方式でも時価方式でも、投資有価証券および関
連するデリバティブは市場価額を基本とした評価額で記録・
計上される。市場価額が容易に把握できない商品の時価は、
ける金利の上昇から生じた資産スワップの未実現利益であ
2005 年中の貸借対照表上の時価調整額は 1 億 1,550 万ド
る。
ルの純減であった。これは、借入ポートフォリオの未実現
出資
損失が 4 億 5,620 万ドル、その他の資産における未実現利
規約報告方式でも時価方式でも、(i)市場価額が容易に
益が 60 万ドルそれぞれ減少し、これを相殺するものとして
割り出せる出資金は評価額で計上し、
(ii)合資会社および
貸付ポートフォリオおよび投資スワップ・ポートフォリオ
特定の有限会社への出資、もしくは ADB が重要な影響力
における未実現利益がそれぞれ 5 億 6,710 万ドル、520 万
を及ぼせる出資については持分法を適用し、または(iii)時
ドル増加したことによるものである。時価の変動は、ADB
価の公正な概算値として、コストから減損分を引いた金額
のポートフォリオの大部分を占める米国市場において同
を計上する。
年中に金利が上昇したことを反映している。
加盟国からの受取債権
為替レート変動の影響
加盟国からの受取債権には、無制限および制限付きの約
規約報告方式で「その他包括的利益累積額」の一部とし
束手形がある。その時価は、約束手形の現金化による予想
て反映される換算調整は、時価調整として計上されてい
キャッシュフローを適切な金利で割り引いて計算する。
る。2004 年には、米ドルが他の主要通貨に対して一般的に
スワップ後の借入
上昇したことが、マイナス 2 億 2,760 万ドルという多額の
スワップ後の借入の時価には、借入および関係する金融
デリバティブ商品の評価額が含まれる。これらの負債の時
換算調整につながった。これは、2004 年のプラス 1 億 580
万ドルからの大きな変化である。
価は、市場ベースの評価モデルに入手可能な市場データを
投入して計算する。
時価方式においてマイナス 3 億 5,940 万ドルの調整が行
事業活動
ADB は、DMCs の開発ニーズへの対応を支援するため、
われたのは、スワップ後の平均借入コストが、ADB が現在
貸付、技術援助、保証、出資等を通じた資金援助を行い、目
新たな資金を調達する場合の市場利率を上回っているため
標達成に努めている。
である。
貸付
時価方式損益計算書
表4の時価調整総額3億2,180万ドル(2004年は1億7,320
万ドル)は、ADB が保有するあらゆる金融商品の 2005 年
中の時価変動を示すもので、金利と為替レート双方の変動
を反映したものである。
時価調整額
未実現の利益および損失はすべて、時価調整額として表
114
2001 年 6 月 30 日まで、ADB の通常資本財源(OCR)か
らの貸付には、プール方式複数通貨建て貸付(P M C L )、
プール方式米ドル単一通貨貸付(PSCL)、市場ベース貸付
(MBL)の 3 通りの方式があった。2001 年 7 月 1 日に LIBOR
ベースの貸付(LBL)が導入され、PMCL と MBL は廃止
された。2002 年 7 月 1 日にはドル建て PSCL も廃止された。
LBL 方式は、プロジェクトのニーズに対応し、対外債務の
効果的な管理につながる融資方式を求める借入人の要請
にタイミング良く対応するものである。 LBL 方式の場合、
借入人は金利や為替リスクを柔軟に管理でき、ADBも仲介
リスクを低く抑えることができる。 L B L の導入に伴い、
ADB は借入人に対して、ドル建て PMCL の未実行残高が
貸付金額の 40%以上である場合、これを LBL に転換する
機会を提供した。2002 年中に、97 件の PSCL の未実行残
高 68 億ドルが LBL に転換された。2003 年 11 月には、借
入人に対して、ドル建て PMCL の残高 65 億ドルを日本円
建ての P S C L s に転換する機会を提供した。この転換は
2004 年 1 月 1 日付で発効し、借入人の返済およびローン会
計業務が簡素化された。2002 年 11 月以降、ADB は民間セ
クターの借入人に対して現地通貨建て貸付(LCL)を提供
していたが、2005 年 8 月にはこれを公共セクターの借入人
2005 年 6 月30日まで 20ベーシス・ポイントの貸付スプレッ
ドを免除することが決定された。 2005 年にはこの政策が
2006 年 6 月まで延長された。ADB の米ドル建て PSCL お
よび日本円建て P S C L の変動貸付金利は下記の通りであ
る。
民間セクター貸付の貸付スプレッドは、借入人やプロ
ジェクトに関して ADB が負担するリスクを補填できるよ
う、個別に決定される。
ADB はまた、貸付開始にかかる事務費用を回収するた
め、通常 1%の先取り手数料を徴収する。総務会は 2004 年、
同年 1 月 1 日から 2005 年 6 月 30 日までに承認される新規
の公共セクター貸付について、先取り手数料の全額免除を
承認した。2005 年にはこの政策が 2006 年 6 月まで延長さ
に拡大した。
れた。それ以前には、2003 年 1 月 1 日以降に承認された公
OCR 貸付の承認、実行、返済および期限前返済
2005 年の OCR の貸付は、民間/公共セクターを合わせ、
32 件計 44 億ドルが承認された。前年に承認された OCR 貸
付は、33 件計 41 億ドルであった。2005 年の貸付実行総額
は 35 億ドルで、前年度の 25 億ドルから 39.5%増加した。
通常元本返済は 29 億ドル(2004 年は 12 億ドル)で、期限
前返済は 6 億ドル(2004 年は 28 億ドル)であった。2005
年には、11 件の貸付について全額期限前返済が、1 件につ
いて部分的期限前返済が行われた。2005 年 12 月 31 日現在、
共セクター貸付について 50 ベーシス・ポイントの免除が適
用されていた。また、ADB は現在、公共セクター向けプロ
ジェクト貸付の未実行残高に対して 75 ベーシス・ポイント
の累進的約定手数料、公共セクター向けプログラム・ロー
ンについては一律 75 ベーシス・ポイントの約定手数料を適
用している。
公共セクター LBL においては、金利の割り戻しと追加徴
収があり得る。料率を通じた費用転嫁の原則を維持するた
め、ADB は実際の資金調達コストが LIBOR を下回った場
貸し倒れ引当金および未償還の先取り手数料を差し引い
合、割り戻しを通じて公共セクターの LBL 借入人にその差
た累積貸付残高は 235 億ドルとなった。
額を還元する。資金調達コストが 6 カ月物 LIBOR を上回っ
貸付状況
た場合は追加徴収もあり得るが、ADBの信用が極度に悪化
2005 年末現在、ナウルの公共セクターに対する OCR 貸
付 1 件および民間セクターに対する OCR 貸付 10 件が利払
停止状態にある。これらの貸付の残高総額は、それぞれ 230
万ドル(2004 年も同額)、4,920 万ドル(2004 年は 5,040
しない限り、その可能性はきわめて低い。割り戻しまたは
万ドル)となっている。利払停止状態の民間セクター貸付
れた割り戻し料率に基づいて、実際の資金調達コストと
が減少したのは、インドネシアの貸付 1 件を売却したため
LIBOR との差額 1,950 万ドルを公共セクターの LBL 借入
である。利払停止状態にある貸付残高の総額は 5,150 万ド
人に還元した(次ページの表参照)。
追加徴収の料率は毎年 1 月 1 日および 7 月 1 日に、それ以
前の 6 カ月間における実際の資金調達コストとの平均差額
に基づいて設定される。ADB は 2005 年、こうして計算さ
ルで、 OCR 貸付残高総額の 0.2%に相当する。
貸付金利
PSCL の貸付金利は、前期の平均借入コストをもとに決
定される。MBL の金利は、固定金利あるいは変動金利であ
貸付金利 a
(年率 %)
る。MBL の貸付金利は、3 月 15 日と 9 月 15 日もしくは 6
月 15 日と 12 月 15 日のいずれかを金利改定日とする 6 カ月
1月1日
物 LIBOR に基づき決定される。2001 年以降、借款協定に
特別の規定がない公共セクター貸付については、基本貸付
7月1日
金利に加えて 60 ベーシス・ポイントの貸付スプレッドが適
用されるようになった。 2004 年には、延滞のない借入人
の公共セクターへの貸付残高について、同年 7 月 1 日から
a
2005
2004
PSCLs
1.73
6.06
1.71
6.14
2.13
6.27
1.93
6.09
日本円
米ドル
日本円
米ドル
貸付金利は毎年 1 月 1 日および 7 月 1 日に決定され、 6 カ月間有効であ
る。 2004 年 7 月以降の 20 ベーシス・ポイントの貸付スプレッド免除を
反映している。
115
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
技術援助
クターの貸し手や保険会社と協力して保証商品を提供し
1967 年から 1991 年まで、技術援助の費用は、 OCR な
らびに技術援助特別基金(TASF)、日本特別基金(JSF)、
ている。
政治リスク保証(PRG)
その他信託基金および無償基金などの技術援助財源から
PRG は、ADB の支援するプロジェクトに投融資を行っ
支出されていた。 1992 年から 2000 年まで、 OCR からは
ている金融機関や資本市場の投資家を、具体的に特定され
技術援助資金への充当はなかった。ADB の理事会は 2001
る政治リスクから保護して、協調融資を促進するものであ
年、4 年を単位とする継続融資の枠組みに則って、OCR の
る。対象となるリスクは、収用、通貨の交換や送金ができ
当期利益を優先順位の高い技術援助に供与することを承
ない事態、政治的暴力、契約違反のいかなる組合せでもよ
認した。必要な融資金額は年によって異なり、理事会の承
く、貸付その他の債務が対象になるが、出資は PRG の対象
認を必要とする。 2 0 0 3 年、理事会は、 O C R の純利益の
とならない。大要は、対象プロジェクトの価値を基本とし、
TASF への繰り入れや、TASF および他の資金源を通じた
貸し手に支払われるべき債務残高の全額または一部が保
技術援助活動への資金提供を再開した。
護される。元本、利払いの両方が保護される場合と、いず
保証
れか片方のみが保護される場合がある。民間セクター・プ
ADB は、適格プロジェクトを保証することにより信用
ロジェクトについては、ADB は、受入国政府の連帯保証が
を強化し、民間セクターだけでは容易に吸収や管理ができ
なくても PRG を出すことができる。しかし、このようなプ
ないリスクを負担する。こうしたリスクを軽減することに
ロジェクトに PRG を出す場合は、1 億 5,000 万ドルまたは
より、プロジェクトへの資金の動員が促進される。ADBは、
プロジェクト費用の 5 0 %のいずれか低い方が対象額の上
インフラ・プロジェクト、金融機関、資本市場、貿易金融
限となる。手数料は市場ベースとし、保証手数料、先取り
に関する案件で保証ツールを活用し、成功を収めている。
手数料、スタンドバイ手数料が含まれる。ADB の PRG は、
こうした保証ツールは一般的に貸借対照表では認識され
保証対象となる事由が発生し、貸し手に対する債務不履行
ず、バランスシート外のリスクを伴う。2002 年 12 月 31 日
につながった場合に保証請求を行うことができる。 2 0 0 5
以降、米国財務会計基準審議会(FASB)解釈指針第 45 号
年、ADB は大メコン河流域圏のナムトゥン 2 水力発電プロ
「他者の債務の間接的保証を含めた、保証に関する保証提
ジェクトの商業貸付を動員するため、政府による部分的連
供者の会計および開示」に従って提供あるいは修正された
帯保証が付いた 5,000 万ドルの PRG を承認した。この保証
保証については、ADB は保証の最初の段階から、債務の非
は 2005 年中に発効した。
偶発的な側面を認めている。ADBが契約しすでに発効して
部分信用保証(PCG)
いるすべての貸付保証は、OCR 財務諸表注 F に開示されて
PCG は、協調融資機関による融資の特定部分を包括的に
いる。
保護するものである(商業リスクおよび政治リスク)。金融
ADB の保証には、政治リスク保証(PRG)と部分信用
市場での資金調達が制限されている DMCs で行われるが、
保証(PCG)の 2 種類があり、いずれも貸し手である民間
金融機関および資本市場の投資家のリスク負担を軽減す
A D B が融資する価値があり財務的に健全と考えるプロ
ジェクトに特に役に立つ。1997 年のアジア金融危機以降、
るためのものである。これらの保証は単独で行われるので
借入人、プロジェクトのスポンサー、協調融資機関および
はなく、ADBが直接参加しているプロジェクトに対して供
受入国政府は、プロジェクトから生じる収益と同一の通貨
与される。ADB は、他の国際金融機関、公的機関、民間セ
で借入を行うことにより、通貨のミスマッチに伴うリスク
継続中の保証残高 a
割戻率
(年率 %)
(単位:百万ドル)
米ドル
2005 年 1 月 1 日
0.35
日本円
0.39
その他
2005
1,011.3
179.3
1.0
2004
1,153.6
152.8
–
合計
1,191.6
1,306.4
部分信用保証
政治リスク保証
2005 年 7 月 1 日
0.32
0.39
a
2005 年末および 2004 年末時点において、保証請求が行われたものはな
かった。
116
をヘッジしたいと考えている。PCG は、内国債の発行や現
よそ 56%に相当する。
地金融機関による長期貸付など、現地通貨建ての債務も対
象とすることができる。受入国政府の連帯保証がない民間
2005 年末現在、民間セクター・ポートフォリオ(出資、
貸付および保証)の総額は約 17 億ドルであった。さらに客
セクターの保証は、負担の上限が 7,500 万ドルもしくはプ
観的な資本配分方法が実施されるまでの暫定的処置とし
ロジェクト費用の 25%のいずれか低い方に限定される。民
て、2001 年 9 月から、理事会が定めた上限である 15 億ド
間セクター案件の保証手数料は、市場の料率をもとに決定
ルを上回る民間セクター業務が認められている。民間セク
される。受入国政府の連帯保証がある場合の保証手数料
ター向け保証業務としては、 5 件のプロジェクトに対する
は、保証債務残高の現在価額に対して年率 40 ベーシス・ポ
計 2 億 4,640 万ドルの PRG および 3 件のプロジェクトに対
イントという標準的な連帯保証手数料に、ADBの事務費に
する計 1 億 2,010 万ドルの PCG を約定した。PRG のコミッ
相当する先取り手数料を加算したものである。手数料は、
トメントのうち約 1 億 4,560 万ドル分については、各政府
借入人と貸し手のいずれかに請求することができる。2005
から連帯保証を取得している。
年、ADBはフィリピンの「中小企業開発支援プロジェクト」
ADB は、既存の投資が開発上の役割を終えた場合、その
に対し 1,840 万ドルの PCG ファシリティ(政府による連帯
資金を積極的に再利用している。持ち分の売却は、良好な
保証なし)を承認した。このプロジェクトの目的は、特定
ビジネス慣行に則って、対象企業の安定を損なわないよう
の民間金融機関に中小企業ポートフォリオの拡大を奨励
に行われる。ADB は 2005 年、持ち株の全部または一部売
することである。
却を積極的に推進して 7,620 万ドルの収入を得た一方、元
協調融資
金返済として 5,470 万ドルを受け取った。2005 年の出資実
D M C s に対する援助プログラムの効果の最大化を図る
ため、ADBのプロジェクトを直接的に補完する公的または
商業的な協調融資の機会を特定すべく、 ADB は他の開発
行額は合計 1 億 3,180 万ドル、貸付実行額は 2 億 440 万ド
ルであった。
パートナーと協力している。これには、商業的に魅力のあ
資本および資源
る公共セクターおよび民間セクターのプロジェクトやプ
資本
ログラムを支える、保証などの信用補完手段を提供するこ
い融資スキームによる支援を行う権限が授与されている。
2005 年 12 月 31 日現在の規約方式での自己資本総額は、
前年 12 月 31 日時点の 133 億ドルから 123 億ドルに減少し
た。主な要因は、( i ) アジア津波基金(A T F )、パキスタン
地震基金(PEF)、アジア開発基金(ADF)および TASF
への繰り入れがそれぞれ 5 億 6,000 万ドル、8,000 万ドル、
(ii)特別引出権(SDR)
4,000 万ドルおよび 3,200 万ドル、
の価値変動による資本および準備金に対する正味影響額 1
億 7,500 万ドル、
(iii)換算調整額マイナス 2 億 2,600 万ド
(v)
ル、
(iv)投資および出資の未実現純利益 1,580 万ドル、
期間中の純利益 1 億 930 万ドル、そして(vi)資本金の払
い込み 900 万ドルであった。
2005 年 12 月 31 日現在、授権資本と応募済資本の総額は
501 億 6,350 万ドルであった。応募済資本のうち 35 億 2,820
万ドルは払込資本金であり、 466 億 3,530 万ドルが請求可
能資本であった。請求可能資本の払い込みは、OCR の下で
の借入や保証による A D B の債務を履行するのに必要と
なった場合にのみ要請できる。ADBの請求可能資本につい
設立協定では、特別引当金を除いた毀損のない払込資本、
て払い込み要請が行われたことはない。
とも含まれる。こうしたプロジェクトやプログラムに最適
な融資方法、特にADBの信用補完手段を利用したソリュー
ションを特定することが、DMCs との協調融資対話の核心
となっている。2005 年の協調融資総額は 74 億ドルで、31 件
の公共セクター・プロジェクトおよび 3 件の民間セクター・
プロジェクトが対象とされた。このうち 52 億ドルは民間金
融機関の貸付(2 件のプロジェクトに対する 6,840 万ドルの
保証支援を含む)、18 億ドルは公的機関の貸付、3 億 5,300
万ドルは無償援助によるものであった。さらに、97 件の技
術援助プロジェクトに対する協調融資として、 7,850 万ド
ルの無償資金が動員された。
民間セクター業務
ADB の設立協定では、民間セクター業務を通じて域内
の開発を目的とした民間投資を促進することが義務づけ
られており、出資、貸付およびその他の政府保証を伴わな
準備金、剰余金を加算した額の 10%を上限として、OCR か
ADB は十分なリスク負担能力を確保するため、収入見
ら民間企業に出資をすることが認められている。2005 年現
通しの見直しを毎年実施している。理事会はその結果に基
在、承認済みの出資総額(予想損失引当金差引後)は 7 億
づいて前年度の純利益の一部を準備金として配分し、収益
1,450 万ドルであった。これは、協定で規定された上限のお
計画フレームワークに即した水準の準備金を確保してい
117
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
経
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の
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と
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析
る。理事会はまた、実際に可能な限り、純利益の一部を
DMCs における開発活動の支援に充当する。2005 年 5 月、
総務会は 2 0 0 4 年度の純利益のうち 2 億 8 , 8 0 0 万ドルを
ATF、4,000 万ドルを剰余金、4,000 万ドルを ADF、3,790
万ドルを通常準備金、3,200 万ドルを TASF に充当するこ
とを承認し、累計準備金調整勘定を 4,100 万ドル増額、貸
し倒れ引当金を 5,180 万ドル減額した。
2004 年 2 月、理事会は ADB の融資限度と借入限度につ
借入
ADB による借入の主目的は、業務資金を可能な限り低
いコストで調達することにある。この目的を前提として、
ADBは市場、手法および償還期間という観点から資金調達
源の多様化を図っている。ADB は 2005 年、この目標を達
成するために以下の戦略を継続した。すなわち、( i ) 流動性
の高いベンチマーク債を発行し、主要通貨債券市場におけ
る ADB の強いプレゼンスを維持し、(ii)費用対効果の高い
いて見直しを行い、以下の政策を実施することを承認し
好機を狙った取引や私募取引による資本の調達を通じて
た。すなわち(i)総借入残高を、請求可能資本の 100%とい
借入コストを最小化し、( i i i ) 償還期間の長い借入に重点を
う設立協定上の限度を超えない範囲で、非借入加盟国の請
置き、ADBの債務償還の平滑化を図る、という戦略である。
求可能資本および払込資本および準備金(剰余金を含む)
の合計を上回らないように制限すること、( i i ) 貸付約定残
2005 年には、現地通貨建て債券の発行を通じて、地域債券
市場の発展に寄与するとともに、ADBの民間セクター業務
高、すなわち、貸付実行残高と貸付未実行残高、出資およ
に現地通貨建てで資金を提供するという目標の達成にも
1
び保証 の合計を、請求可能資本、払込資本および準備金(剰
努めた。新たな資金調達取引から得られた収入はすべて、
余金を含み特別引当金を除く)の合計を上回らないように
ADBの通常業務に必要とされるまで投資される。年内に調
制限することを承認した。
達された資金は、貸付実行や満期が到来した債務の借り換
2005 年 3 月、理事会は OCR の現状をレビューした。こ
えを含む ADB の通常業務に活用される。
付・借入に対する余力が評価された。その結果、ADB の資
2005 年の資金調達活動
ADB は 2005 年中に 64 件の借入取引を完了し、長期お
よび中期資金約 40 億ドルを調達した(2004 年は 16 億ド
本の状況は、2007 年までに予想される貸付を実施し、為替
ル)。新たな借入は、日本円、ニュージーランド・ドル、フィ
レート変動の吸収能力ならびに貸付余力を維持するのに
リピン・ペソ、人民元、南アフリカ・ランド、タイ・バーツ
のレビューは、承認済の財政枠組みの下での中期資本管理
アプローチに基づくもので、現在および将来予想される貸
十分であることが確認された。2005 年 12 月 31 日現在、貸
および米ドル建てで行われた。スワップ後の借入額の 93%
付余力は188 億ドル、借入余力は 162億ドルであった(2004
(37 億ドル)は米ドル建て、残る 7%は日本円、フィリピン・
年は、それぞれ 225 億ドルと 196 億ドル)。
ペソおよび人民元建てであった。 2005 年の平均償還期間
表 5:借入
(単位:百万ドル)
2005
2004
2003
2002
3,965.6
4.3
8.0
1,629.5
7.9
10.7
4,141.0
7.6
13.7
5,944.9
7.2
9.9
5
59
5
14
2
62
3
77
4
4
5
1
2
4
1
5
90.0
1
1
28.0
1
1
長期
元本合計
第1回償還までの平均満期(年)
平均最終満期(年)
件数
公募
私募
通貨の種類(スワップ前)
公募
私募
短期a
元本合計b
件数
通貨の種類
761.0
13
2
2,830.0
36
2
a 全てユーロ建てのコマーシャル・ペーパー。
b 年末時点の元本残高は、 2005 年が 2 億 6,800 万ドル、 2004 年および 2003 年がゼロ、 2002 年が 2 億ドルであった。
1
ADB の財務政策により、貸し付け限度に対する計算においては、政治リスク保証の金額は保証債務の額面価額にその後の金利期間中につく利子を加えたものと
し、部分借用保証の金額は保証債務の現在価値とすると定められている。
118
は、 2004 年の 7.9 年に対して 4.3 年であった。 2005 年の
借入総額のうち、15 億ドルは 2 件の米ドル建て債券の公募、
2 億 7,000 万ドルは 3 件の現地通貨建て債券の発行、残りは
私募により調達された。これに加えて、ADB は「ユーロ建
てコマーシャル・ペーパー・プログラム」のもとで 7億 6,100
万ドルの短期資金を調達した。表 5 に、2002 から 2004 年
の借入と対比した 2005 年の借入の詳細を示す。
デリバティブの活用
ADB は主要資本市場での借入プレゼンスを維持する一
方、業務に必要な各種通貨を低コストかつ完全にヘッジさ
れた形で調達するため、通貨および金利スワップを活用し
ている。2005 年 12 月 31 日現在の ADB の借入残高につい
て、その利子および通貨構造に対するスワップの影響を図
1 と図 2 に示す。
現地通貨建て債券の発行
ADB が 2005 年中に発行した現地通貨建て債券を表 6 に
示す。タイ・バーツ、人民元(RMB)およびフィリピン・
流動資産ポートフォリオ
ペソ建てで発行された銘柄は、それぞれの国内資本市場に
他必要経費に充当する資金の確保に役立つほか、ADBの収
流動資産ポートフォリオは、貸付実行、債務返済、その
おける ADB 最初の銘柄である。タイ・バーツおよびフィリ
ピン・ペソの銘柄はまた、各国内市場における最初の外国
銘柄・国際機関銘柄というだけでなく、フィッチ、ムー
ディーズ、スタンダード・アンド・プアーズによる「トリ
プル A」格付けを受けた最初の銘柄となった。RMB につい
表 6 :現地通貨建て債券の発行
市場
中国
ては、ADB は国際金融公社と共に、中国国内で人民元建て
フィリピン
の債券を発行した初めての外国人発行体となった。
タイ
元本金額
10 億元
25 億ペソ
40 億バーツ
表面利率(%) 満期(年)
3.34
0.00
3.87
10
5
5
図 1:通貨構成に対する効果
借入残高の通貨構成(スワップ前)
米ドル
58.3%
借入残高の通貨構成(スワップ後)
その他通貨
3.5% b
その他通貨
26.2% a
米ドル
75.9%
日本円
20.6%
日本円
15.5%
a
b
その他通貨には、オーストラリア・ドル、カナダ・ドル、ユーロ、香港ドル、インド・ルピー、マレーシア・リンギット、新台湾ドル、ニュージーランド・ドル、
フィリピン・ペソ、英ポンド、人民元、シンガポール・ドル、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、タイ・バーツが含まれる。
その他通貨には、インド・ルピー、フィリピン・ペソ、英ポンド、人民元、スイス・フランが含まれる。
図 2:利率構造に対する効果
借入残高の利率構造(スワップ前)
借入残高の利率構造(スワップ後)
変動
8.6%
固定
91.4%
固定
34.0%
変動
66.0%
119
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の
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討
と
分
析
経
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の
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と
分
析
益にも寄与する。流動資産の管理は ADB の「投資要領」に
業務用現金ポートフォリオは、 1 カ月分の正味現金必要
従って行われる。その主たる目的は、投資資金の安全性と
額に対応するものである。資金は株式で調達し、流動性の
流動性の維持である。 ADB はこの 2 つの目的を条件とし
高い短期の金融市場商品に投資される。運用実績は、短期
て、投資収益の最大化に努めている。ADB は設立協定の規
運用に関する外部のベンチマークを基準に評価される。
定に従い、投資目的での通貨変換は行わない。つまり、投
現金クッション・ポートフォリオは、ADB が借り入れた
資は受領した通貨と同じ通貨で行われる。現在、流動資産
資金を貸付実行まで保有しておく機能を果たす。この資金
投資は 20 種類の通貨で運用されている。
は短期金融商品に投資され、運用実績は、短期運用に関す
ADB の流動資産は、政府その他の公的機関の債券、定期
る外部のベンチマークを基準に評価される。
預金その他銀行や金融機関の無条件の債券、および規模は
裁量的流動資産ポートフォリオの資金は、変動金利債の
小さいが、信用度の高い社債、抵当証券、資産担保証券な
発行により調達され、借入コストと投資収益のスプレッド
らびにデリバティブの形で保有されている。流動資産はリ
が最大になるよう、質の高い金融商品に投資される。この
スク条件やパフォーマンス基準の違いによって、中核投資、
ポートフォリオの 2005 年の目標規模は 36 億 5,000 万ドル
業務用現金、現金クッション、裁量的流動資産の 4 つの準
に設定された。
ポートフォリオに分けられている。以下の表は、再販売契
約の下で買い戻した未収有価証券を含み、有価証券貸付契
契約上の債務
約の下で移転された証券および未定の売買を除いた、2004
A D B は通常業務の一環として様々な契約を締結する
年および 2005 年末時点における流動資産の残高を示した
が、それによって将来現金による支払義務が発生すること
ものである。
もある。2005 年末および 2004 年末時点における、ADB の
中核投資ポートフォリオの資金は、流動性の緩衝装置と
重要な契約上の現金債務を下表に示す。
「長期債務」には、
しての主目的が達成されるように運用される。所定のリス
スワップを除く直接的な中期および長期の借入が含まれ
ク許容水準を前提とした総収益の最大化を図るため、現金
るが、未償却の債券発行差益および差損と、FAS133 の適
の出入りは最小限に抑えられる。資金は主に株式で調達さ
用による影響は含まれない。
「その他の長期負債」には、見
れ、運用実績は、平均運用期間を約 2 年とする外部ベンチ
越し負債ならびに年金および退職後給付の積立不足分が
マークを基準に評価される。残る資金は債券類により調達
含まれる。
され、借入コストと投資収益のスプレッドが最大になるよ
リスク管理
う質の高い投資先に投資される。
ADB は、開発銀行業務を行うに当たり、様々な信用リス
ク、市場リスク(金利および為替)、流動性リスクおよび事
表 7:年末時点の流動資産残高
業リスクを負っている。このうち、貸付および保証ポート
(単位:百万ドル)
2005
7,353.1
933.4
現金クッション・ポートフォリオ
450.1
裁量的流動資産
3,401.4
中核投資ポートフォリオ
業務用現金ポートフォリオ
TOTAL
12,138.0
2004
フォリオにおける信用リスクが最も重大である。ADBは信
7,387.3
319.3
1,491.5
2,466.7
用リスクおよびその他のリスクを適切に特定、計測、監視、
管理するためのリスク管理体制を確立している。 2005 年
11 月、ADB は独立したリスク管理ユニット(RMU)を設
11,664.8
表 9 :契約上の現金債務
(単位:百万ドル)
表 8:流動資産の収益率
2005
(%)
収益率(年率換算)
中核投資ポートフォリオ
業務用現金ポートフォリオ
現金クッション・ポートフォリオ
裁量的流動資産
a 資金調達コストに上乗せされるスプレッド
120
2005
2004
2.09
2.64
1.76
0.40a
2.16
1.00
0.65
0.42 a
2004
その他長期負債
24,189.6
15,501.8
309.5
1,276.9
458.6
24,212.1
15,555.6
279.8
1,512.1
378.2
合計
41,736.4
41,937.8
長期借入金
貸付約定の未実行分
出資約定の未実行分
保証約定
立した。同ユニットは、公共および民間セクターの貸付・保
もとに、ポートフォリオの予想損失と予想外の損失が推定
証ポートフォリオにおける信用リスクならびに ADB の市
される。さらに、ADB は純利益の予測についてストレス試
場リスクおよび財務関連リスクの管理を担当する。
験を実施して、純利益が信用ショックによる貸付収入の喪
リスク負担能力
失を吸収し、十分な成長を支えるために十分かどうかを確
ADBの収益計画フレームワークでは、資本貸付率(ELR)
が A D B のリスク負担能力の主要指標に設定されている。
認している。
ADB は 2004 年 12 月、借入人の信用力を独自に査定す
ELR は、公共セクターの貸付・保証ポートフォリオにおけ
るため、内部用の国別信用リスク格付けシステムを採用し
る信用上の重大事件によって予想外の損失が生じた場合
た。ADB はまた、信用リスク・モデルを強化してモンテカ
に、自己資本によってそれを吸収する能力と、貸付・保証
ルロ・シミュレーション(感度分析)を導入する作業を始
ポートフォリオの拡大に対応しつつ貸付収入の損失を吸
めており、 2006 年初めに完了する予定である。
収できるだけの純利益を上げる能力を計測するものであ
民間セクター業務の信用リスク
る。ADB の貸付・保証ポートフォリオは必然的にアジアに
ADB の民間投資は政府保証による裏付けがないのが通
集中しているため、ある借入人に信用上の事件が生じた場
常であり、商業リスクおよび政治リスクにさらされてい
合には、高い相関関係を通じて大きな影響を被る可能性が
る。そうしたリスクを管理し監視することは、プロジェク
ある。このボラティリティに対応するため、ADB は ELR
ト・サイクルの重要な側面である。ADB は各プロジェクト
の目標値を 35%に設定している。
を開発という視点から評価するだけでなく、その信用力、
ELR の計算上、ADB の自己資本は利用可能な払込資本、
財務面、営利面および技術面での実行可能性およびコーポ
通常準備金、特別準備金と剰余金の合計金額として定義さ
レート・ガバナンスについても分析する。民間セクターの
れる。 2005 年 12 月 31 日現在、 FAS133 以前の方式によ
プロジェクトは、それぞれ詳細な信用分析と審査を経て承
る ELR は 49.5%であった(2004 年末時点では 50.5%)。
認され、審査においてはプロジェクトの財務的持続可能性
ELR が目標値を上回ったことは、貸付・保証ポートフォリ
と債務返済能力が重視される。新たな貸付・出資案件につ
オの信用リスクに対して自己資本の状態が非常に健全で
いては RMU がレビューを行い、ADB の信用リスク政策に
あることを反映し、純利益と自己資本双方が信用上の重大
準拠しているかどうか、またポートフォリオ全体でみて、
事件に備える上で十分であることを示している。ADBはま
ADB が負担するリスクに見合う補償を受けているかどう
た、為替レートの変動が ELR に悪影響を与えないよう、資
かを確認する。
本の通貨構成を貸付の通貨構成に合わせるべく定期的に
調整している。
現在の民間セクター戦略ではインフラおよび金融市場
セクターに重点を置いているが、ADB は引き続き、DMCs
ADB はまた、新たな収益計画フレームワークの下、公共
のニーズの変化や他のセクターにおける民間投資の機会
セクター向け貸付・保証ポートフォリオにおいて予想され
に迅速に対応している。国とセクターの両面において民間
る損失を吸収するために、貸し倒れ引当金(LLR)を活用
セクター・ポートフォリオの分散を図りつつ、国別・産業
している。LLR と ELR を通じて、予想される損失と予想
別・グループ別に適切な上限を設けることでリスクの集中
外の損失の両方に対応していることになる。他方、民間セ
を抑えることが目的である。単一の民間プロジェクトに対
クター貸付の毀損に対しては貸付損失引当金を積み上げ、
する ADB の援助の上限は、出資、貸付と保証を含み、総事
これは純利益において認識されている。2006 年中、RMU
業費の 25%または 7,500 万ドルのいずれか低い方に制限さ
は信用リスク管理の強化を目的として、民間セクター業務
れている。ADB は内部の格付けシステムを利用して、リス
における貸し倒れ引当金の積み立ておよび準備金に関す
クに対するエクスポージャーを、投資の適時かつ完全な回
る政策をレビューするとともに、内部リスク・システムを
収という観点から設定された国際信用基準に基づいて分
改良する予定である。
類している。この格付けシステムは、個別プロジェクトに
国別信用リスク
対するリスク・エクスポージャーを監視するために使われ
収益フレームワークでは、純利益および自己資本の妥当
る。
性と公共セクター向け貸付・保証ポートフォリオの国別信
ADB は投資回収業務の承認手続を簡素化した。一般的
用リスクとが結びつけられる。信用リスク・モデルを使っ
には、財務リストラクチャリング、差し押さえ、または清
て、借入人が債務不履行に陥る確率、その場合の損失、予
算その他の救済策について交渉が行われる。リストラク
測されるリスク・エクスポージャー、不履行の相関関係を
チャリングは、それによってADBの回収見通しが改善する
121
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
と予想される場合にのみ行われる。対象企業の財務状況が
借入人に転嫁するほか、デリバティブを活用して貸付と借
回復不能なまでに悪化した場合、やむを得ず清算その他の
入のリスク特性をできるだけ合致させるようにしている。
法律で認められた回収手段を取る場合もある。
カウンターパーティの信用リスク
ADB は、その活動に伴う市場リスクを完全かつ確実に
特定し、計測し、監視し、管理する制度を有している。こ
カウンターパーティの信用リスクとは、デリバティブの
の点についてADBは、市場リスク管理能力の強化を図るた
カウンターパーティがその義務を全うしないことによっ
め、
( i ) 資金管理活動の価額査定とリスク分析に用いるリス
て損失が生じるリスクであり、損失はデリバティブの再取
ク指標と各種前提を改善し、(ii)投資ポートフォリオに使用
得費用または純時価評価額として把握される。この信用リ
するパフォーマンス計測および要因分析手法を強化した。
スクを軽減するため、ADBはカウンターパーティに厳しい
ADB は補助的リスク管理ツールとしてストレス試験とシ
適格要件を課している。一般的に、ムーディーズおよび/
ナリオ分析を導入し、非常に複雑な借入取引およびそれに
またはスタンダード・アンド・プアーズの格付けが A3/A 以
関連するスワップ取引の価額査定に使用するアーキテク
上であり、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)のマス
チャの拡大に努めた。
ター契約および担保付契約(Credit Support Annex :
ADB は 2004 年、資金管理システムのアップグレードを
CSA)を ADB と交わしているカウンターパーティのみが
行い、値付けと取引調整に関して手作業で行っていた多数
スワップを行える。
の手続を自動化した。現在は、リスク評価、パフォーマン
ADB はカウンターパーティの信用リスクに対するエク
ス評価および要因分析を毎日行うシステムを用いて A D B
スポージャーを毎日監視および管理できる、洗練されたコ
の投資ポートフォリオを計測・監視している。これによっ
ンピュータ・システムを活用している。CSA 契約の下、デ
て、財務担当幹部に対してリスクおよびパフォーマンスの
リバティブのポジションは毎日値洗いされ、カウンター
フィードバックを定期的かつ迅速に提供している。さら
パーティとの有担保コールや振替や調整は外部の担保管
に、ADBは外部投資ポートフォリオのリスク分析の大部分
理人と提携して行われる。 ADB はまた、カウンターパー
を外注している。これによって、ADB が保有している抵当
ティごとにその信用格付けと純資産額に基づいてエクス
証券、資産担保証券および社債のリスク評価、ストレス試
ポージャー限度を設定し、現在のエクスポージャーおよび
験およびシナリオ分析が大幅に強化されている。
潜在的なエクスポージャーをその限度額に照らして毎日
流動性リスク
監視している。
市場リスク
ADB は流動資産投資の市場リスクを管理するために投
ADB の流動性政策は、資本市場の状態が不安定であっ
ても、金融上のあらゆるコミットメントを遵守するのに十
分なキャッシュフローを確保することを目標としている。
資政策の指針を採用しており、それによって投資先を政府
この政策では、予想される業務を維持するために最低限必
その他の公的機関の債券、定期預金、その他銀行や金融機
要な流動性が設定されている。ADB の流動性要件は主に、
関の無条件の債券、および規模は小さいが、信用度の高い
予想される貸付の規模および貸付実行額、借入金の返済、
社債、抵当証券ならびに資産担保証券に限定している。投
貸付の返済および期限前返済、そして純利益から得られる
資リスクの主な要因は、金利変動による収入のボラティリ
現金によって決定される。この政策により、貸付実行と借
ティである。ADBは様々な定量手法を用いて金利リスクを
入金の返済という多額の契約債務の履行に必要な、年間正
監視および管理している。すべてのポジションを毎日値洗
味現金必要額(NCR)が定義されている。ADB は債務履
いしているほか、潜在的エクスポージャーを含むリスク感
行の大部分を借入に依存している。代用 NCR は、その年の
度指標を毎日計算し、内部で設定したリスク許容度と比較
貸付実行額から受領返済額を差し引いた金額と、借入金返
している。
済額を合わせたものとなる。
ADB は為替リスクを管理して、自己資本の妥当性およ
びリスク負担能力の指標である E L R が為替レートの変動
に影響されないようにしている。ADBはこの目的を達成す
時アクセスできなくなったとしても業務を続けていくた
るため、貸付の通貨構成を資本の通貨構成に合わせて定期
めの最低金額に相当する。ADBはこの水準を維持すること
的に調整し、為替レートが変動した場合に両者に同じよう
で、通常 NCR を 20 カ月間、高ストレス NCR の場合は 14
な影響が出るようにしている。ADBは貸付ポートフォリオ
カ月間、借入を行わずに手当てすることができる。ADB は
に関連する市場リスクを軽減するため、関連費用をすべて
さらに、資金調達と借入金返済の長期スケジュールを柔軟
122
慎重を期すための流動性最低基準は、向こう 3 年間の代
用 NCR の 40%に定められており、 ADB が資本市場に一
動性最低基準の 50%に制限されている。流動性、NCR お
FAS133 に基づくデリバティブの純未実現損益
デリバティブの純未実現損失が 3 億 870 万ドルとなった
(2004 年は 4,100 万ドルの純益)主な原因は、特定の主要
よび代用 NCR の水準は継続的に監視され、四半期に 1 度理
通貨が対米ドルで低下したためである。これにより、仕組
事会により見直される。
み債に組み込まれたデリバティブの価値が減少した。これ
事業リスク
らについては別途貸借対照表において報告することが義
にするため、裁量的流動資金をすべて借入によって調達す
ることができる。政策により、裁量的流動資金の金額は流
事業リスクとは、内部プロセスやシステムの不備・欠陥、
務づけられており、評価額の変化は純利益の一部として報
人的要因、事業の中断やシステム障害、取引処理障害、あ
告されている。組込デリバティブの大半は予想される為替
るいは法律上・信義上・組織上の義務の不履行などの外部
レートの変動に対して非常に敏感に反応するため、2005 年
事由から発生する潜在的損失を表す。ADB は、様々な種類
には特定の主要通貨の値下がりが組込デリバティブの価
の事業リスクにさらされているが、内部統制および各種プ
値の減少につながった。対照的に、2004 年末時点にデリバ
ロセスからなるシステムの維持およびアップグレードを
ティブの純未実現利益 4,100 万ドルが計上されたのは、主
通じて、その軽減に努めている。さらに、ADB では各種取
に、特定の主要通貨の上昇が予想され、それが組込デリバ
引について厳格な承認プロセスを採用しており、すべての
ティブの価格に好ましい影響を及ぼしたためである(OCR
取引が適切かつ確実に承認・記録・監視・管理されるよう
財務諸表の注 M を参照)。
に、関係者全員による検討と決裁を要求している。ADB は
会計原則の変更に伴う累積的影響
最近、非常事態が業務プロセスに与える影響を軽減するた
め、事業継続性計画を強化する戦略を承認した。
合資会社の特徴を持つ特定の有限会社について 2005 年
に持分法を採用した(EITF 03-16)ことによる累積的な影
響により、前年の利益 820 万ドル(準備金の取り崩し 360
財務実績のまとめ
万ドルを差し引いたもの)が取り消された。
純利益
FAS133 調整前の純利益は 2004 年の 3 億 8,960 万ドル
に対し、2005 年は 4 億 2,270 万ドルとなった。3,310 万ド
ル(8.5%)の増加は、主に以下の要因によるものであった。
• いくつかの資本市場での金利の上昇による投資ポート
る。経営陣は財務諸表において、金融商品の評価額を決定
フォリオの実現利益の改善を反映した、売却による実現
するために推定を行う。推定は本質的に判断と入手可能な
利益を含む投資収益の増加 7,790 万ドル
情報に基づくものであるから、実際の結果は推定と異なる
• 主に持分法で計上される出資の純益による持ち分の増
加に伴う、他の収入源からの収益増 900 万ドル
• 民間セクター貸付の返済と処分に起因する償却および
評価切り下げに伴う準備金の減少 570 万ドル
• これらを相殺する要素として、借入および貸付利益の
200 万ドルの増加に伴う関連支出を差し引いた純貸付利
益の減少 3,360 万ドル、および借入費用の増加 3,160 万
重要な会計政策および推定
重要な会計政策は、OCR 財務諸表の注 B に示す通りであ
可能性があり、また財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性
もある。
金融商品の公正な評価
ADB は、規約報告基準においては、FAS133 で規定され
た通り、投資やデリバティブを評価額ベースで記帳してい
る。これらのデリバティブには、別途評価して貸借対照表
に計上しなければならない仕組み債の組込デリバティブ
ドル。貸付利益の減少は主に、貸付スプレッド免除額が
が含まれる。評価額は通常、市場価格に基づき決定される。
3,310 万ドル増加し、期限前返済プレミアムの受領額が
4,300 万ドル減少し、これを相殺する要素として金利そ
の他の手数料が 7,410 万ドル増加したためである。借入
費用が 3,160 万ドル増加した主な理由は、米国の金利が
一般的に上昇したため、2005 年の FAS 前の借入費用が
3.75%に上昇(2004 年は 3.58%)ことである。
市場価格が容易に入手できない場合の評価額は、市場ベー
• 職員の給与、諸手当およびコンサルタント費用の増加に
伴う管理費の増加 1,740 万ドル
• 出資の売却による実現利益の減少 1,000 万ドル
検討して、各種の前提が取引の価値を的確に反映している
スの価格モデルに入手可能な市場データを投入して計算
され、判断および推定が必要となる。
デリバティブの評価額算定に使われる価格モデルはす
べて、入手可能な市場データを使った予想キャッシュフ
ローの割引をベースとしている。ADBはこの価格モデルを
かどうか、その妥当性を審査している。さらに、モデルか
ら得られた評価額は、内部および外部の継続的な検証とレ
123
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
ビューを受ける。モデルには、金利、為替レート、オプショ
ク、フィンランド、スウェーデン、韓国およびニュージー
ン・ボラティリティなどの市場から入手される入力データ
ランドは追加拠出を行うため、そしてオーストリアとスペ
が使われる。こうした入力データの選別には一定の判断が
インは負担金を支払うために、それぞれ「為替早期現金化」
要求され、その選別が純利益に影響する可能性がある。し
プログラムに参加した。
(2005 年の事業約定のために払い
かしながら ADB は、既存の管理体制とプロセスに鑑みて、
込まれた拠出額の詳細については、統計付録の表 29 の「追
評価額の推定は妥当なものであると考えている。
加」欄を参照。)
アジア開発基金第 7 次財源補充(ADF VIII)
2005 年中には、ADF VIII の下で約束された 1 億 5,180
特別基金
万ドルの拠出金が払い込まれ、貸付の約定に利用された。
ADB は設立協定により特別基金の設置および管理を認
められており、アジア開発基金(ADF)、技術援助特別基金
(TASF)、アジア通貨危機支援資金(ACCSF)を含む日本
特別基金(JSF)、ADB 研究所特別基金(ADBISF)、アジ
ア津波基金(ATF)およびパキスタン地震基金(PEF)を
管理している。ADF を除き、各基金の財務諸表は一般会計
「ADF 規則」に
原則に従い作成される。ADF については、
従い、特定目的財務諸表が作成される。
2 0 0 5 年末現在未払いとなっている拠出金の総額は 1 億
5,850 万ドルで、うち 1 億 210 万ドルは米国の拠出金延滞
分、 5,640 万ドルは他の援助供与国により保留されている
金額である。
通貨管理
より適切、敏速かつクライアント志向の対応を行ってい
くため、ADBは借入国の利益となるように通貨管理の方法
を変更している。理事会は 2005 年 10 月 27 日、2006 年 1
月1日付で実施されるADF貸付の通貨管理の枠組みを承認
アジア開発基金(ADF)
ADF は、一人当たりの GNP が低く、債務返済能力が限
られている開発途上加盟諸国(DMCs)を対象とする譲許
的貸付制度である。この基金は、アジア・太平洋地域にお
表 10:アジア開発基金約定枠
(単位:百万ドル)
ける貧困の削減と生活水準の向上に特化した譲許的援助
の多国間財源としては唯一の存在である。ADF には域内外
の援助供与加盟国 30 カ国が拠出している。
アジア開発基金第 8 次財源補充(ADF IX)
ADF 第 8 次財源補充(ADF IX)において、援助供与国
は 70 億ドルの財源補充を勧告した。その内容は、援助供与
国からの33億ドルの新規拠出および総務会決議第 300号に
定められた為替レートに基づく内部財源 37 億ドルである。
ADF IX は、無条件拠出のために ADB に提出された拠出
金協定書の金額が約束された供与総額の 50%である 11 億
6,995 万 1,232 ドル(総務会決議第 300 号の為替レートに
基づく)を超えた 2005 年 4 月 29 日に発効した。 2005 年
には、21 カ国の援助供与国が総額 22 億 6,360 万ドルの拠
出金協定書を提出した 2。カナダと台湾は、第 1 回目を除く
すべての分割金は予算配分を条件とするという留保を付
した拠出金協定書を提出した。援助供与国は第 1 回目の拠
2005
ADF VIII からの繰越金
ADF IX 拠出金
ADF VII および VIII 拠出金
OCR 純利益の移し替え
114.9
497.6
151.8
40.0
2004
a
b
貸付の減額およびキャンセル分
拡大繰上融資約定枠
差引:貸付実行リスク引当金
899.3
44.8
3,464.2
350.0
495.2
3,200.0
280.1
c
7,229.3
e
ADF IX
約定枠
1,658.8
d
差引:
約定済み貸付および無償援助
1,619.0
6,383.9
720.9
39.8
124.5
約定済み条件付き貸付の繰越
将来の約定に利用可能な
ADF 約定枠 e
a
0.0 は 10 万ドル未満を示す。
a 各年度末の為替レートによる 8,039 万 SDR の米ドル換算額。
b 無償援助の金利免除資金として受領した拠出金は、 EACA の計算に含まれ
ているので、ここでは除外している。
c
2003 年および 2004 年中に適用された特別な取り決めにより新規貸付の
万ドルは ADF、3,770 万ドルは TASF、2,750 万ドルは無
d
ADF IX の期間中(2005 年 1 月 1 日∼)に利用可能となった財源を含
償援助の逸失利息を補填するためのものであった。さら
e
f
ADF VIII の期間中(2001 ∼ 04 年)に利用可能となった財源を含む。
2
出として 5 億 6,280 万ドル を支払った。このうち 4 億 9,760
に、ノルウェーが負担金を増やすため、カナダ、デンマー
2
2005 年末現在の為替レートで米ドルに換算したもの。
124
財源として直接利用された、貸付の減額およびキャンセル分。
む。
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
した。新たな枠組みの下では、ADF 援助供与国の拠出金は
計付録の表 30 を参照)。
引き続き当該国の通貨、米ドルまたは SDR で支払われる
業務および財源の状況
が、ADB はこれらの拠出金を ADF 貸付の還流金および流
2005 年の技術援助約定額(承認・発効済)は、前年の
動資産ポートフォリオと共に、SDR 構成通貨に転換する。 7,350 万ドルから 7,700 万ドルに増加した。同年中に発効
さらに、新規 ADF 貸付に関する借入国の債務も SDR に
した技術援助プログラムは 175 件であった。2005 年、完成
よって決定される。ADF 資金を最大 15 種類の通貨で管理
またはキャンセルされた技術援助プロジェクトの金額
するという現在の方法は廃止され、SDR に基づくアプロー
1,130 万ドル(2004 年は 630 万ドル)が技術援助の減少分
チが導入される。
として計上され、対応する未実行の約定額が除去された。
ADF からの貸付の承認、実行および返済
投資収益は一部資本市場の利回りが増加したことから、
2005 年中には、40 件・計 14 億ドルの ADF 貸付が承認
された。2004 年の実績は 47 件・計 12 億ドルであった。2005
年中の貸付実行総額は 12 億ドルで、2004 年の 11 億ドルか
ら 18.2%増加した。2005 年末時点の ADF 財源からの貸付
実行累計額は 221 億ドルとなった。同年中の返済総額は 4
億 3,370 万ドルであった。年末時点での ADF 貸付残高は
202 億ドルであった。
2004 年の 500 万ドルから 720 万ドルに増加した。その結
果、将来の約定に利用できる未約定残高は 2004 年の 9,920
万ドルから 2 億 1,550 万ドルに増加した。2005 年に承認さ
れた技術援助全体のうち、45%は TASF 資金によるもので
2004 年末時点で、TASF の投資額は 2 億 5,420 万ドルと
なり、2004 年から 5.7%増加した。銀行預金、寄付金やコ
貸付の状況
ンサルタントへの前払いなどで構成されるその他の資産
2005 年末において、ミャンマーの公共セクターに対する
貸付 28 件が利払停止状態にある。ミャンマーに対する ADF
貸付残高は総額 4 億 6,130 万ドルで、ADF 貸付残高総額の
およそ 2.3%に相当する。
は総額 1 億 2,440 万ドル、OCR その他への未払金は 250 万
投資ポートフォリオの状況
活動の概要
3
あった。
ドルとなった。
日本特別基金
2005 年 12 月 31 日現在の ADF 投資ポートフォリオ は、
前年同期の 56 億ドルに対し、 57 億ドルに達した。このう
ちおよそ 56%が銀行預金、44%が確定利付証券に投資され
た。 2005 年の ADF の投資収益率は、前年と同じく 3.4%
あった。ポートフォリオは 1 1 種類の通貨建てとなってお
日本特別基金(JSF)は引き続き、技術援助への資金提供
日本政府は JSF に対する通常拠出金として 28 億円(2,720
り、ユーロ、英ポンド、オーストラリア・ドル、カナダ・ド
億円(約 9 億 420 万ドル相当)となった。内訳は、通常拠
ルが 84%を占めている。
出金が 867 億円(7 億 5,340 万ドル相当)、追加拠出金が 181
を通じて、ADB の貧困削減業務を支援した。2005 年 3 月、
万ドル相当)を拠出した。1988 年に JSF が創設されて以来
の日本の累積拠出総額は、2005 年 12 月 31 日現在、1,048
億円(1 億 5,080 万ドル相当)である。2005 年、ADB は、
技術援助特別基金(TASF)
活動の概要
2005 年、総務会は、 2004 年の OCR 純利益 3,200 万ド
ルを TASF に繰り入れることを承認した。ADF の第 8 次財
源補充(ADF IX)および TASF の第 3 次定例増資が発効
したため、援助供与国 21 カ国から 1 億 5,540 万ドルの拠出
が約定され、3,770 万ドルが払い込まれた。さらにパキスタ
ンとインドが、それぞれ 7 万ドル、 225 万インド・ルピー
(5 万 2,000 ドル相当)のアンタイド直接任意拠出金を拠出
した。2005 年末現在、TASF の財源総額は 12 億 5,750 万
ドルであった。このうち 10 億 420 万ドルが約定済み、残り
の 2 億 1,550 万ドルが未約定であった(詳細については統
3
表 11:技術援助特別基金累計財源
(単位:百万ドル)
2005
通常補充拠出金
OCR 純利益からの分配
直接任意拠出金
投資その他からの収益
TASF から ADF への移し替え
合計
368.4
663.0
88.8
140.8
(3.5)
1,257.5
2004
213.1
631.0
88.6
132.8
(3.5)
1,062.0
売り戻し契約の下で購入された有価証券を含む。
125
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
承認済であるがまだ発効していないものを含め、 JSF が資
出し、そのうち利用されなかった 4,000 万ドルを OCR に
金を提供する技術援助 49 件、総額 2,840 万ドルを承認した
繰り戻した。さらに、オーストラリアとルクセンブルクが
(下表を参照)。承認済未発効の技術援助を含めた 2005 年
12 月 31 日現在の未約定残高は、1 億 2,640 万ドルであった
(詳細については、統計付録の表 31、 32 を参照)。
それぞれ 380 万ドル、 100 万ドルを拠出した。
活動の概要
2005 年末現在、8 件・計 5 億 7,200 万ドルの技術援助お
セクター別活動
よび無償援助が発効している。未約定の財源は年末時点で
JSF は、2005 年に承認されたプロジェクト形成技術援助
総額の 33 %を占め、技術援助総額の 14 %を占めた。セク
ター別の JSF の承認額を下表に示す。
630 万ドルであった。
パキスタン地震基金(PEF)
パキスタン地震基金は、2005 年 10 月 8 日に発生した大
ADB 研究所特別基金
地震の被害を受けたパキスタンの特殊なニーズに対応す
「ADB 研究所規則」に従っ
ADB 研究所の運営費用には、
るため、 2005 年 11 月に設立された。 PEF は、即時復旧、
て ADB が管理する ADB 研究所特別基金が充てられてい
再建および関連する開発活動を支持する投資プロジェク
る。日本政府は 2005 年 6 月、第 10 次拠出金として 15 億
トおよび技術援助に対して緊急無償支援を行う専門基金
2,000 万円(1,390 万ドル相当)を拠出した。
2005 年末までに、為替換算調整分を除いた累積約定額は
132 億円(約 1 億 1,010 万ドル相当)となった。2005 年末
現在、拠出金総額のうち 9,360 万ドルが、主にシンポジウ
として機能する。 ADB が 8,000 万ドルを拠出したほか、
ム、フォーラム、研修の企画・実施、研究報告書や刊行物、
ウェブサイトの作成などの研究および能力開発活動、なら
びに関連管理費に利用された。将来のプロジェクトやプロ
グラムに使用できる正味資産残高(不動産、家具および機
器を除く)は、約 1,650 万ドルである。
フィンランドが 540 万ドルの拠出を約定している。拠出金
の全額が、将来の約定のために利用可能である。
ADB が管理する信託基金
ADB は、OCR や特別基金だけでなく、日本奨学生プロ
グラム(JSP)、貧困削減日本基金(JFPR)、情報通信技術
日本基金(JFICT)、そして技術援助や貸付のソフト部分を
支援するために二国間ドナーから提供される各種信託基
アジア津波基金(ATF)
金のチャンネル・ファイナンシング協定の管理運営も行っ
アジア津波基金は、2004 年 12 月 26 日に発生したインド
洋大津波の被害を受けた D M C s の特殊事情に対応するた
ている。ただし、これらの資金は ADB の財源には組み込ま
れていない。
め、2005 年 2 月 11 日に設立された。ADB は 6 億ドルを拠
日本奨学生プログラム(JSP)
日本奨学生プログラム(JSP)は、DMCs の優れた人材
表 12:2005 年中の日本特別基金からの技術援助
(セクター別)
に対し、アジア・太平洋地域の精選された教育機関におい
%
て、経済学、経営学、科学技術、その他開発に関する分野
単位:百万ドル
運輸・通信
金融
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
エネルギー
上下水道・廃棄物管理
教育
鉱工業・貿易
保健・栄養・社会的保護
マルチセクター
合計 28.4
6.8
5.9
3.3
3.0
2.8
2.4
2.0
1.0
0.7
0.5
100
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
126
24
21
12
11
10
8
7
3
2
2
で大学院課程の研究機会を提供するために、1988 年に設立
された。JSP は、日本政府が資金を拠出し、ADB が管理運
営している。現在、10 カ国にある 20 の教育研究機関が JSP
に参加している。
1988 年から 2005 年までに、日本政府は JSP に約 7,620
万ドルを拠出している。35 カ国の加盟諸国の奨学生に対す
る奨学金供与件数は、合計で 1,927 件に達した。うち 1,574
名がすでに課程を修了している。女性に対する奨学金供与
件数は 612 件となっている。年間の新規奨学金供与件数も、
1988 年当時は 49 件であったのに対し、2005 年には 148 件
に増加した(http://www.adb.org/JSP/ を参照)。
チャンネル・ファイナンシング協定
ティーとして設立されている。
TASF および ADF の財源が逼迫している中で、各国政府
から供与される無償協調資金は ADB の業務において極め
て重要な役割を果たしている。こうした無償資金は、ADB
2005 年中、ADB はスウェーデンからの拠出金 1,278 万
ドルをもって「アジア太平洋地域 HIV /エイズ対策協力基
金」を設立した。ノルウェーも、既存の「開発成果マネジ
の技術援助プログラムを支援するとともに、主に融資プロ
メント協力基金」に対して 125 万ドルを拠出した。
ジェクトのソフト部分の所要資金に充当される。こうした
公的資金だけでなく、民間セクターの資金を動員するた
無償資金の大半は、チャンネル・ファイナンシング協定
めの努力が続けられた。民間セクターから動員された資金
(CFA)に基づき二国間ドナーによって供与される。ADB
は、主に、環境セクターの地域技術援助プロジェクトに対
は資金の管理者として行動し、コンサルタントの雇用、融
する協調融資であった。
資の実行、プロジェクトの監督についてはADBのガイドラ
インや手続を適用する。
貧困削減日本基金
CFA では、援助供与国が ADB と次のような内容の包括
貧困削減日本基金(JFPR)は 2000 年 5 月に創設された
的取り決めを結ぶ。援助供与国は、ADB が管理するアンタ
信託基金で、ADBのプロジェクトに大きな付加価値をもた
イドの無償資金を提供する。ただし、資金は ADB 本体の財
らしうる貧困削減および社会開発活動の支援を目的とす
源には組み入れない。援助供与国は、資金の拠出先として
る。2000 年からこれまでに、日本は総額 3 億 4,490 万ドル
希望するセクターや被援助国を提示する。ADB は、援助供
を拠出しており、合計 72 件、総額 1 億 7,440 万ドルのプロ
与国の希望を満たす、技術援助プロジェクト案の一覧およ
ジェクトが承認されている。2005 年には、そのうち 19 件・
び案件概要を定期的に援助供与国に提供する。当該資金が
計 2,840 万ドルが承認された(http //:www.adb.org/JFPR
供与される具体的な案件について、援助供与国とADBの双
および統計付録の表 32 を参照)。
方が合意する。 CFA に基づいて提供される資金は、通常、
利子を生む口座に振り替えられるが、支援が実行されるま
情報通信技術日本基金
で ADB が運用することもある。援助供与国には、資金の利
情報通信技術日本基金(JFICT)は、貧困削減を目的と
用に関する財務諸表や進捗状況報告書が定期的に提出さ
して情報格差の是正に努める DMCsを支援するため、2001
れる。プロジェクトの準備、実施および監理の責任は ADB
年 7 月に創設された。当初拠出金として、3 年分 13 億円(約
が負う。CFA では、援助供与国の裁量により追加拠出も可
1,070 万ドル)が拠出された。当初は 2004 年 7 月 31 日に
能である。
終了する予定であったが、新たなプロジェクト提案に対応
CFA の主な利点は、1 回の取り決めで複数の技術援助プ
するため延長された。現在までに、 11 件のプロジェクト
ロジェクトへの資金提供が可能なことにある。つまり、案
に対する 9 4 6 万ドルの支出が承認されている。(h t t p / /
件毎の細部の交渉が最小限で済み、管理運営が効率的で
:www.adb.org/Documents/others/CLICK/R21_03.pdf を
ある。ADB は、1980 年に行われた第 1 回目の CFA 交渉
参照)
以来、オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、
フィンランド、フランス、イタリア、オランダ、ニュージー
公共政策トレーニング日本基金
ランド、ノルウェー、中国、スペイン、スウェーデン、ス
公共政策トレーニング日本基金(JFPPT)は、移行地域
イス、英国と CFA を締結している。2005 年には、中国が
経済を中心に、DMCs における公共政策管理の能力開発を
2 , 0 0 0 万ドルの拠出により同国初の信託基金を設立した
強化するため、2004 年 3 月に設立された信託基金である。
(貧困削減・地域協力中国基金)。英国は既存の信託基金に
JFPPT は設立以来 ADB 研究所の管理下にあったが、
3,000 万ポンド(5,660 万ドル相当)の追加拠出を行い、
オーストラリアは ADB との既存の CFA を活用して、7 件
2005 年第 4 四半期に ADB に移管された。設立以来、日本
政府は合計約 1,530 万ドルを拠出しており、うち 200 万
のプロジェクトに対して 190 万ドルの拠出を行った。
ドルはプログラム支援のために支出されている。
近年では、複数のセクターに利用可能な従来型の CFA だ
けでなく、再生可能エネルギー、気候変動、貧困削減、ガ
バナンス、水資源、ジェンダーと開発、貧困と環境といっ
た特定分野を対象とする、二国間ドナーとのテーマ別の
CFA 取り決めが急増している。いくつかのテーマ別 CFA
は、複数の供与国が拠出できるように、包括的ファシリ
本翻訳年次報告においては、原本にある財務諸表
(ならびに外部監査人報告書)を翻訳添付していない
が、これらは以下の ADB ウエブサイトから閲覧可能
である(http//:www.adb.org/Documents/Reports/
Annual_Report/2005/ADB-Annual-Report-2005Financial-Report.pdf)
127
経
営
陣
の
検
討
と
分
析
統計付録
本書では、用いられるデータの正確
性の確保に全力を尽くしているが、
ADB の出版物においてはデータの
情報源と解釈が異なっている場合
があり、データの使用において生じ
る結果について ADB は一切責任を
負わない。
業務データ
表1
2005 年中の公共・民間セクター貸付の承認(国別)
(単位:百万ドル)
統
計
付
録
アフガニスタン
送配電
財政運営・行政改革プログラム
(サブプログラム I)
西部盆地水資源管理
小計
アゼルバイジャン
東西幹線道路改善
小計
バングラデシュ
緊急洪水被害修復
都市部一次医療(第 2 期)
ガス輸送および開発
アグリビジネス開発
南西部総合水資源計画および管理
小計
ブータン
道路網
小計
カンボジア
金融セクター・プログラム(サブプログラム III)
小計
中国
三江平野湿地保護
吉林省上下水道開発
福州環境改善
徳富泰銀行 b
四川省中部道路開発
鄭州∼西安鉄道
河南省廃水管理および給水セクター
湖南省道路開発(第 3 期)
小計
クック諸島
サイクロン緊急支援
小計
フィジー
代替的生計手段開発
小計
インド
チャティスガル州灌漑開発
津波緊急支援(セクター)
インフラ開発金融会社 b
イエス銀行 b
ケララ州持続可能な都市開発
小計
OCR
ADF
合計
総事業費 a
–
26.50
26.50
50.00
4 月 14 日
–
–
–
48.00
60.50
135.00
48.00
60.50
135.00
55.00
87.60
192.60
12 月 14 日
12 月 20 日
49.00
49.00
3.00
3.00
52.00
52.00
93.20
93.20
12 月 8 日
–
–
225.00
–
–
225.00
152.30
30.00
5.00
42.50
20.00
249.80
152.30
30.00
230.00
42.50
20.00
474.80
240.00
90.00
413.00
60.00
43.40
846.40
1 月 20 日
5 月 31 日
10 月 27 日
10 月 27 日
11 月 23 日
–
–
27.30
27.30
27.30
27.30
34.10
34.10
9 月 30 日
–
–
10.00
10.00
10.00
10.00
10.00
10.00
9 月 29 日
15.00
100.00
55.80
20.72
600.00
400.00
100.00
208.00
1,499.52
–
–
–
–
–
–
–
–
–
15.00
100.00
55.80
20.72
600.00
400.00
100.00
208.00
1,499.52
55.55
232.20
185.50
20.72
2,077.00
4,131.93
200.00
519.51
7,422.41
3 月 14 日
7 月 18 日
7 月 29 日
8 月 11 日
9 月 22 日
9 月 22 日
12 月 9 日
12 月 15 日
–
–
2.83
2.83
2.83
2.83
7.87
7.87
6 月 30 日
25.00
25.00
–
–
25.00
25.00
49.78
49.78
3 月 28 日
46.11
100.00
50.00
23.00
221.20
440.31
–
–
–
–
–
–
46.11
100.00
50.00
23.00
221.20
440.31
66.61
218.60
50.00
23.00
316.10
674.31
3 月 29 日
4 月 14 日
4 月 19 日
8 月 23 日
12 月 20 日
承認日
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
a 総事業費には、ADB、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業お
よび金融機関が提供する資金が含まれる。
b 政府保証のない民間セクター貸付。
130
続き
OCR
小計
キルギス
銀行セクター・資本市場開発プログラム
小計
ラオス
大メコン河流域圏:ナムトゥン 2 水力発電
– 民間セクター貸付
– 公共セクター貸付
小計
モルジブ
津波緊急支援
地域開発プロジェクト(第 2 期)
– 環境インフラおよび管理
小計
モンゴル
金融規制およびガバナンス・プログラム
小計
総事業費 a
合計
承認日
34.10
151.00
30.59
–
64.69
151.00
92.38
215.80
4月7日
9 月 29 日
300.00
–
350.00
–
200.00
1,035.10
–
30.00
–
50.00
–
110.59
300.00
30.00
350.00
50.00
200.00
1,145.69
300.00
42.90
6,303.00
60.81
200.00
7,214.89
11 月 3 日
11 月 3 日
12 月 14 日
12 月 19 日
12 月 21 日
–
–
15.50
15.50
15.50
15.50
15.50
15.50
12 月 20 日
50.00
20.00
70.00
–
–
–
50.00
20.00
70.00
1,450.00
4月4日
4月4日
–
1.80
1.80
25.30
3 月 31 日
–
–
6.00
7.80
6.00
7.80
7.50
32.80
4 月 28 日
–
–
10.00
10.00
10.00
10.00
10.00
10.00
12 月 15 日
–
–
37.30
31.00
25.00
–
31.00
25.00
37.30
49.00
33.67
149.20
5 月 19 日
8 月 18 日
11 月 21 日
130.00
–
–
20.00
–
200.00
387.30
65.00
5.00
3.00
40.00
220.00
–
389.00
195.00
5.00
3.00
60.00
220.00
200.00
776.30
200.00
6.25
3.00
85.70
374.20
200.00
1,101.02
12 月 8 日
12 月 8 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 13 日
12 月 14 日
5.00
25.00
150.00
180.00
–
–
–
–
5.00
25.00
150.00
180.00
5.00
26.00
150.00
181.00
6 月 24 日
9 月 29 日
11 月 22 日
–
–
8.06
8.06
8.06
8.06
30.00
30.00
12 月 16 日
{
インドネシア
コミュニティ給水サービス・保健
道路修復 2
地方政府財政・ガバナンス改革セクター開発プログラム
– プログラム貸付
– プロジェクト貸付
タングー液化天然ガス b
地方インフラ支援
開発政策支援プログラム
ADF
1,450.00
パキスタン
アグリビジネス開発
インフラ開発
新ボング・エスケープ 水力発電 b
バロチスタン州分権型社会サービス・プログラム
– プログラム貸付
– 技術援助貸付
国道開発セクター投資プログラム
ラワルピンディ環境改善
地震緊急支援
パンジャブ州資源管理プログラム – サブプログラム 2
小計
フィリピン
エクィタブル PCI 銀行の不良債権および
不良資産の買収および解消 b
中小企業開発支援
マイクロファイナンス開発プログラム
小計
サモア
教育セクター(第 2 期)
小計
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源、 TA = 技術援助
a 総事業費には、ADB、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業お
よび金融機関が提供する資金が含まれる。
b 政府保証のない民間セクター貸付。
131
統
計
付
録
続き
統
計
付
録
スリランカ
津波被災地域再建
北東部コミュニティ復興・開発(第 2 期)
技術教育開発
地方政府インフラ改善
国道セクター
小計
タジキスタン
ドゥシャンベ∼キルギス国境間道路修復(第 2 期)
小計
ウズベキスタン
基礎教育における情報通信技術
カシカダリヤ州・ナヴォイ州地方上下水道セクター
小計
ベトナム
予防衛生制度支援
貧困削減プログラム実施支援(第 2 期)
中部交通網改善セクター
大メコン河流域圏:昆明∼ハイフォン運輸回廊
ノイバイ∼カオライ間幹線道路技術援助
中部水資源
北部送電拡張セクター
小計
域内
太平洋航空安全局の設立
小計
合計
OCR
ADF
合計
総事業費 a
–
–
–
–
150.00
150.00
7.00
26.00
20.00
50.00
–
103.00
7.00
26.00
20.00
50.00
150.00
253.00
249.30
55.00
26.70
66.70
208.00
605.70
4 月 14 日
4 月 14 日
11 月 21 日
11 月 24 日
12 月 15 日
–
–
29.50
29.50
29.50
29.50
39.50
39.50
11 月 17 日
–
–
–
30.00
25.00
55.00
30.00
25.00
55.00
43.00
36.00
79.00
10 月 27 日
12 月 12 日
–
–
–
27.90
15.00
94.50
27.90
15.00
94.50
47.54
225.00
138.00
8 月 25 日
11 月 3 日
11 月 11 日
–
–
360.00
360.00
6.00
74.30
–
217.70
6.00
74.30
360.00
577.70
8.00
99.00
452.70
970.24
12 月 19 日
12 月 19 日
12 月 21 日
–
–
1.50
1.50
1.50
1.50
2.10
2.10
9 月 22 日
4,421.23
1,375.58
5,796.81
21,062.41
承認日
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
a 総事業費には、ADB、政府、借入人、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元の参加民間企業お
よび金融機関が提供する資金が含まれる。
132
表2
2005 年中の特別基金無償プロジェクト a
単位:百万ドル
承認日
A. アジア開発基金(ADF IX)
アフガニスタン
送配電 b
カイサル∼バラムルガブ間道路
財政運営・行政改革プログラム b
西部盆地水資源管理 b
小計
バングラデシュ
都市部一次医療(第 2 期) – HIV /エイズ・感染症対策 b
小計
カンボジア
トンレサップ地方上下水道セクター
GMS 地域感染症対策(カンボジア)c
トンレサップ持続可能な生計
小計
キルギス
教育(第 2 期)
小計
ラオス
北部および中部上下水道セクター
GMS 地域感染症対策(ラオス)c
小計
パキスタン
バロチスタン州分権型社会サービス b – HIV /エイズ・感染症対策
小計
スリランカ
北東部コミュニティ復興・開発(第 2 期)b
小計
タジキスタン
ドゥシャンベ∼キルギス国境間道路修復(第 2 期) – HIV /エイズおよび移住 b
23.50
55.00
7.00
14.50
10.00
5 月 31 日
10.00
18.00
9.00
15.00
10 月 20 日
11 月 21 日
12 月 21 日
42.00
15.50
10 月 27 日
15.50
10.00
6.00
8 月 25 日
11 月 21 日
16.00
5.00
12 月 8 日
5.00
14.00
4 月 14 日
14.00
0.50
0.50
東ティモール
道路セクター改善
10.00
小計
10.00
小計
統
計
付
録
100.00
小計
ベトナム
予防衛生制度支援 b
中部交通網改善セクター b
GMS 地域感染症対策(ベトナム)c
4 月 14 日
7 月 12 日
12 月 14 日
12 月 20 日
10.14
0.50
15.00
11 月 17 日
9 月 27 日
8 月 25 日
11 月 11 日
11 月 21 日
25.64
a テーマ別基金を財源とするプロジェクトについては表 34 を参照のこと。
b 貸付プロジェクトの無償コンポーネント。
c GMS 地域感染症対策プロジェクトのコンポーネント。
133
続き
単位:百万ドル
域内
太平洋地域における HIV /エイズの予防および能力開発
小計
統
計
付
録
ADF IX 合計
8.00
承認日
11 月 8 日
8.00
246.64
B. アジア津波基金(ATF)
インド
津波緊急支援(セクター)b
小計
インドネシア
地震・津波緊急支援
マルチドナー信託基金への拠出
小計
モルジブ
津波緊急支援 b
小計
スリランカ
津波被災地域再建 b
小計
ATF 合計
100.00
4 月 14 日
100.00
290.00
10.00
4月7日
4月7日
300.00
20.00
3 月 31 日
20.00
150.00
4 月 14 日
150.00
570.00
C. パキスタン地震基金(PEF)
パキスタン
地震緊急支援
80.00
PEF 合計
80.00
総計
a テーマ別基金を財源とするプロジェクトについては表 34 を参照のこと。
b 貸付プロジェクトの無償コンポーネント。
c GMS 地域感染症対策プロジェクトのコンポーネント。
134
896.64
12 月 13 日
表3
貸付の承認(セクター別):3 カ年移動平均(1968 ∼ 70 年 - 2003 ∼ 05 年)
農業・
貸付総額 a
(単位:百万ドル) 天然資源
教育
エネルギー
金融
期間
保健・
栄養・
社会的保護
鉱工業・
貿易
法律・
経済運営・
上下水道・
公共政策 運輸・通信 廃棄物管理 マルチセクター
(貸付総額に占める割合)
1968-1970
1969-1971
1970-1972
128.44
199.25
271.92
18.32
19.16
13.86
0.78
0.50
0.82
11.98
25.38
33.06
14.27
13.45
10.71
0.00
0.00
0.00
24.92
15.89
9.95
0.00
0.00
0.00
24.03
21.68
21.49
5.32
3.70
9.93
0.38
0.24
0.18
1971-1973
1972-1974
1973-1975
330.53
428.42
543.15
12.72
14.17
16.57
1.02
0.79
1.28
32.18
26.71
23.03
11.29
12.73
13.36
0.00
0.00
0.00
7.68
8.46
16.03
0.00
0.00
0.00
23.88
21.32
17.68
11.23
13.33
9.16
0.00
2.49
2.89
1974-1976
1975-1977
1976-1978
661.29
774.22
940.36
17.48
17.85
17.56
0.73
1.49
2.95
20.74
21.50
21.11
14.67
13.09
11.01
0.00
0.00
1.36
14.53
12.17
10.16
0.00
0.00
0.00
16.61
16.97
15.98
9.06
8.42
8.97
6.18
8.51
10.90
1977-1979
1978-1980
1979-1981
1,098.92
1,282.01
1,454.96
19.65
22.81
24.70
5.13
5.56
5.35
22.84
23.74
26.21
9.54
7.71
7.28
1.17
1.41
1.72
9.55
8.42
9.21
0.00
0.00
0.00
12.10
12.38
9.41
8.71
8.04
7.67
11.31
9.93
8.45
1980-1982
1981-1983
1982-1984
1,598.97
1,751.46
1,937.03
29.52
31.78
34.36
4.41
5.19
5.33
27.61
26.60
28.98
6.04
6.61
4.09
2.00
2.91
1.88
7.43
8.00
4.05
0.00
0.00
0.00
11.53
7.52
12.12
5.87
6.87
5.94
5.59
4.52
3.25
1983-1985
1984-1986
1985-1987
1,978.52
2,013.77
2,081.84
31.63
32.17
27.37
5.27
4.95
3.97
24.63
25.27
17.47
4.48
3.82
7.80
2.42
2.02
2.19
3.75
2.23
7.53
0.00
0.00
0.00
12.75
14.40
20.54
8.36
6.02
4.75
6.71
9.12
8.38
1986-1988
1987-1989
1988-1990
2,512.17
3,053.72
3,564.93
22.78
19.80
22.53
5.20
4.97
6.33
18.76
16.07
20.48
8.07
12.25
10.96
1.60
1.91
1.35
12.68
12.47
7.58
0.00
0.00
0.00
23.12
23.47
20.68
1.47
3.42
3.38
6.32
5.65
6.71
1989-1991
1990-1992
1991-1993
4,115.49
4,610.39
5,022.89
22.51
18.03
11.37
5.25
5.00
5.18
25.79
28.91
31.01
9.43
7.96
6.60
1.43
1.14
1.26
6.79
6.40
8.48
0.00
0.00
0.09
17.93
20.60
23.47
3.09
2.04
3.07
7.77
9.91
9.47
1992-1994
1993-1995
1994-1996
4,665.65
4,791.51
4,806.49
9.19
10.83
14.06
4.90
5.74
5.64
29.63
31.66
27.55
6.11
5.61
6.15
1.56
1.13
1.65
5.08
3.58
1.52
0.09
0.09
1.77
29.31
26.79
25.64
4.43
6.34
5.63
9.70
8.22
10.39
1995-1997
1996-1998
1997-1999
6,718.17
6,883.72
6,776.72
10.34
7.34
5.50
6.71
5.46
4.64
18.66
11.67
9.76
30.05
34.77
34.13
1.70
5.50
6.76
1.31
1.21
2.00
1.84
2.02
4.38
16.33
18.49
16.83
5.21
3.87
4.92
7.85
9.67
11.08
1998-2000
1999-2001
2000-2002
5,499.56
5,284.95
5,526.40
7.77
10.83
11.09
4.01
4.96
5.35
13.94
15.92
17.02
12.54
3.60
8.60
8.09
3.58
1.58
4.64
5.02
3.83
5.30
10.96
9.51
23.49
23.99
27.04
4.64
4.23
2.98
15.58
16.91
13.00
2001-2003
2002-2004
2003-2005
5,693.81
5,660.59
5,706.88
9.18
6.45
5.29
4.10
4.24
2.89
14.27
14.62
14.82
7.44
8.72
5.08
1.35
2.62
2.70
2.61
2.99
2.27
10.40
8.55
9.71
33.23
36.99
36.98
5.32
4.93
7.39
12.10
9.89
12.87
累計
(1968-2005) 116,040.44 15,711.56 5,497.93 23,341.85 13,975.20 3,031.57 5,507.54 4,396.94 27,022.48 5,863.08 11,692.28
a 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
135
統
計
付
録
表4
2005 年中の貸付の承認(セクター別)
単位:百万ドル
OCR
統
計
付
録
農業・天然資源
西部盆地水資源管理
AFG
アグリビジネス開発
BAN
南西部総合水資源計画および管理
BAN
代替的生計手段開発
FIJ
チャティスガル州灌漑開発
IND
アグリビジネス開発
PAK
三江平野湿地保護
PRC
中部水資源
VIE
小計
ADF
合計
–
–
–
25.00
46.11
–
15.00
–
86.11
60.50
42.50
20.00
–
–
31.00
–
74.30
228.30
60.50
42.50
20.00
25.00
46.11
31.00
15.00
74.30
314.41
–
–
–
–
8.06
20.00
30.00
58.06
8.06
20.00
30.00
58.06
–
225.00
350.00
26.50
5.00
–
26.50
230.00
350.00
50.00
20.00
37.30
360.00
1,042.30
–
–
–
–
31.50
50.00
20.00
37.30
360.00
1,073.80
–
50.00
23.00
–
–
5.00
150.00
20.72
248.72
10.00
–
–
15.50
10.00
–
–
–
35.50
10.00
50.00
23.00
15.50
10.00
5.00
150.00
20.72
284.22
–
–
–
30.00
27.90
57.90
30.00
27.90
57.90
25.00
25.00
–
–
25.00
25.00
教育
SAM
SRI
UZB
教育セクター(第 2 期)
技術教育開発
基礎教育における情報通信技術
小計
エネルギー
AFG
BAN
INO
LAO
PAK
VIE
送配電
ガス輸送および開発
タングー液化天然ガス a
大メコン河流域圏:ナムトゥン 2 水力発電
– 民間セクター貸付
– 公共セクター貸付
新ボング・エスケープ 水力発電 a
北部送電拡張セクター
小計
金融
CAM
IND
IND
KGZ
MON
PHI
PHI
PRC
金融セクター・プログラム(サブプログラム III)
インフラ開発金融会社 a
イエス銀行 a
銀行セクター・資本市場開発プログラム
金融規制およびガバナンス・プログラム
エクィタブル PCI 銀行の不良債権および不良資産の買収および解消 a
マイクロファイナンス開発プログラム
徳富泰銀行 a
小計
保健・栄養・社会的保護
都市部一次医療(第 2 期)
BAN
予防衛生制度支援
VIE
小計
鉱工業・貿易
中小企業開発支援
PHI
小計
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
a 政府保証のない民間セクター貸付。
記号:AFG (アフガニスタン)、 BAN (バングラデシュ)、 CAM (カンボジア)、 FIJ (フィジー)、 IND (インド)、 INO (インドネシア)、 KGZ (キルギス)、
LAO (ラオス)、 MON (モンゴル)、 PAK (パキスタン)、 PHI (フィリピン)、 PRC (中国)、 SAM (サモア)、 SRI (スリランカ)、 UZB (ウズベキスタン)、
VIE (ベトナム)
136
続き
単位:百万ドル
法律・経済運営・公共政策
財政運営・行政改革プログラム(サブプログラム I )
AFG
地方政府財政・ガバナンス改革セクター開発プログラム
INO
開発政策支援プログラム
INO
パンジャブ州資源管理プログラム - サブプログラム 2
PAK
小計
OCR
ADF
合計
–
300.00
200.00
200.00
700.00
48.00
30.00
–
–
78.00
48.00
330.00
200.00
200.00
778.00
49.00
–
151.00
–
600.00
400.00
208.00
–
150.00
–
–
3.00
27.30
–
3.00
–
–
–
1.50
–
29.50
94.50
52.00
27.30
151.00
3.00
600.00
400.00
208.00
1.50
150.00
29.50
94.50
–
1,558.00
6.00
164.80
6.00
1,722.80
221.20
–
20.00
100.00
55.80
100.00
–
–
497.00
–
6.00
40.00
–
–
–
50.00
25.00
121.00
221.20
6.00
60.00
100.00
55.80
100.00
50.00
25.00
618.00
–
–
100.00
34.10
–
–
–
152.30
2.83
–
30.59
50.00
1.80
25.00
152.30
2.83
100.00
64.69
50.00
1.80
25.00
130.00
–
–
–
–
–
264.10
65.00
5.00
220.00
7.00
26.00
15.00
600.52
195.00
5.00
220.00
7.00
26.00
15.00
864.62
4,421.23
1,375.58
5,796.81
統
計
付
録
運輸・通信
AZE
BHU
INO
PAK
PRC
PRC
PRC
REG
SRI
TAJ
VIE
VIE
東西幹線道路改善
道路網
道路修復 2
国道開発セクター投資プログラム
四川省中部道路開発
鄭州∼西安鉄道
湖南省道路開発(第 3 期)
太平洋航空安全局の設立
国道セクター
ドゥシャンベ∼キルギス国境間道路修復(第 2 期)
中部交通網改善セクター
大メコン河流域圏:昆明∼ハイフォン運輸回廊
−ノイバイ∼カオライ間幹線道路に関する技術援助
小計
上下水道・廃棄物管理
ケララ州持続可能な都市開発
IND
地域開発プロジェクト(第 2 期)– 環境インフラおよび管理
MLD
ラワルピンディ環境改善
PAK
吉林省上下水道開発
PRC
福州環境改善
PRC
河南省廃水管理および給水セクター
PRC
地方政府インフラ改善
SRI
カシカダリヤ州・ナヴォイ州地方上下水道セクター
UZB
小計
マルチセクター
緊急洪水被害修復
BAN
サイクロン緊急支援
COO
津波緊急支援(セクター)
IND
コミュニティ給水サービス・保健
INO
地方インフラ支援
INO
津波緊急支援
MLD
インフラ開発
PAK
バロチスタン州分権型社会サービス・プログラム
PAK
– プログラム貸付
– 技術援助貸付
地震緊急支援
PAK
津波被災地域再建
SRI
北東部コミュニティ復興・開発(第 2 期)
SRI
貧困削減プログラム実施支援(第 2 期)
VIE
小計
総計
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源、 TA = 技術援助
a 政府保証のない民間セクター貸付。
記号:AFG(アフガニスタン)、AZE(アゼルバイジャン)、BAN(バングラデシュ)、BHU (ブータン)、COO(クック諸島)、IND(インド)、INO(インド
ネシア)、MLD(モルジブ)、PAK(パキスタン)、PRC(中国)、REG(域内)、SRI(スリランカ)、TAJ(タジキスタン)、UZB(ウズベキスタン)、VIE(ベ
トナム)
137
表5
セクター別貸付配分 a (2005 年、 1967 ∼ 2005 年)
2005
統
計
付
録
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
保健・栄養・社会的保護
鉱工業・貿易
法律・経済運営・公共政策
運輸・通信
上下水道・廃棄物管理
マルチセクター
合計 c
–
a
b
c
OCR
ADF
合計
単位:
貸付件数 百万ドル
単位:
貸付件数 百万ドル
プロジェクト 単位:
件数 b
百万ドル
2005 年までの累計 c
%
貸付件数
3
–
6
5
–
1
3
6
5
3
86.11
–
1,042.30
248.72
–
25.00
700.00
1,558.00
497.00
264.10
5
3
2
3
2
–
2
7
4
12
228.30
58.06
31.50
35.50
57.90
–
78.00
164.80
121.00
600.52
8
3
6
8
2
1
4
12
8
12
314.41
58.06
1,073.80
284.22
57.90
25.00
778.00
1,722.80
618.00
864.62
5.42
1.00
18.52
4.90
1.00
0.43
13.42
29.72
10.66
14.92
32
4,421.23
40
1,375.58
64
5,796.81
100.00c
476
147
329
185
69
172
64
361
151
244
単位:
百万ドル
%
15,711.56
5,497.93
23,341.85
13,975.20
3,031.57
5,507.54
4,396.94
27,022.48
5,863.08
11,692.28
13.54
4.74
20.11
12.04
2.61
4.75
3.79
23.29
5.05
10.08
2,198 116,040.44 100.00
該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
民間セクター貸付を含む。
複数の貸付があるプロジェクトは 1 件と数える。
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
表6
2005 年中の貸付承認(国および財源別)a
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
合計
%
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
インド
インドネシア
キルギス
ラオス
モルジブ
モンゴル
パキスタン
フィリピン
サモア
スリランカ
タジキスタン
ウズベキスタン
ベトナム
域内
–
49.00
225.00
–
–
1,499.52
–
25.00
440.31
1,035.10
–
70.00
–
–
387.30
180.00
–
150.00
–
–
360.00
–
135.00
3.00
249.80
27.30
10.00
–
2.83
–
–
110.59
15.50
–
7.80
10.00
389.00
–
8.06
103.00
29.50
55.00
217.70
1.50
135.00
52.00
474.80
27.30
10.00
1,499.52
2.83
25.00
440.31
1,145.69
15.50
70.00
7.80
10.00
776.30
180.00
8.06
253.00
29.50
55.00
577.70
1.50
2.33
0.90
8.19
0.47
0.17
25.87
0.05
0.43
7.60
19.76
0.27
1.21
0.13
0.17
13.39
3.10
0.14
4.36
0.51
0.95
9.97
0.03
合計 b
4,421.23
1,375.58
5,796.81
100.00
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
a 政府保証のない民間セクター向け貸付を含む。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
138
表7
2005 年中の協調融資プロジェクト
(単位:百万ドル)
協調融資 a
ADB
公的機関
融資額
東・中央アジア
アゼルバイジャン
東西幹線道路改善
中国
四川省中部道路開発
福州環境改善
河南省廃水管理および給水セクター
湖南省道路開発(第 3 期)
吉林省上下水道開発
三江平野湿地保護
鄭州∼西安鉄道
ウズベキスタン
ウズベキスタン西部地方給水
小計
無償
52.00
貸付
民間
機関
協調融資財源
b
10.40
11.00
600.00
55.80
100.00
208.00
100.00
15.00
400.00
イスラム開発銀行(IsDB)
サウジ開発基金
544.90
27.19
27.20
157.19
5.80
12.14c
1,667.27
38.00d
1,568.80
メコン
カンボジア
トンレサップ持続可能な生計
コミューン委員会開発
15.00e
10.00d
ラオス
大メコン河流域圏
ナムトゥン 2 水力発電
20.00
12.14
12.00
33.40 2,429.55
4.74c
0.57c
6.50
GMS ナムトゥン 2 水力発電のナムトゥン 2 電力会社
10.00e
20.00
1.70
50.00
9.00c
27.00
27.00
50.00c
27.00
450.00
22.50
15.00
5.00
10.80
35.90
9.80
100.00
中部交通網改善セクター
GMS:域内感染症対策
小計
a
b
c
d
e
95.00
アイルランド
国際協力銀行(JBIC)(ODA)
オランダ
スペイン
ノルディック開発基金
9.80
2.40
30.00d
0.90
245.00 109.91
多国間投資保証機関の保証を受けた民間金融機
フランス貿易保険会社
北欧投資銀行
ADB の政治リスク保証を受けた民間金融機関
経済協力振興投資会社(フランス)
タイの民間金融機関
タイ輸出入銀行
IDA
22.80
域内
AFD
IDA の保証を受けた民間金融機関
カナダ国際開発局(CIDA)
デンマーク国際開発局
英国国際開発省(DFID)
欧州委員会(EC)
1.80
c
イラン
フランス開発庁(AFD)(フランス)
欧州投資銀行
国際開発協会(IDA)
ノルウェー国際開発事業団
OPEC 国際開発基金(OPEC 基金)
45.00
45.00
166.50
ベトナム
貧困削減プログラム実施支援(第 2 期)
中国開発銀行(CDB)(中国)
中国工商銀行(中国)
中国の国内銀行
国家開発銀行(中国)
中国の国内銀行
地球環境ファシリティ
CDB (中国)
フィンランド
スウェーデン国際開発庁(Sida)
52.00
北部および中部上下水道セクター
統
計
付
録
13.92
世界保健機関
278.72
779.00
協調融資は ADB が支援するプロジェクトおよびプログラムに連動して提供される。従って、協調融資の機会は ADB の融資および投資プログラムに依存する。
民間機関の協調融資または市場からの借入(シンジケートローン、債券、変動金利債券等)および保証からなる。
ADB が全体または部分的に管理運営する。
元の貸付は前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
財源はアジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)またはパキスタン地震基金(PEF)からの無償資金。
139
続き
協調融資 a
ADB
融資額
太平洋地域
フィジー
代替的生計手段開発
サモア
教育セクター(第 2 期)
統
計
付
録
小計
南アジア
アフガニスタン
緊急インフラ修復・再建
バングラデシュ
緊急洪水被害修復
ガス輸送および開発
都市部一次医療(第 2 期)
南西部総合水資源計画および管理
パキスタン
地震緊急支援
新ボング・エスケープ 水力発電
公的機関
無償
民間
貸付
25.00
機関
協調融資財源
b
8.82
33.06
8.60e
8.60e
17.20
150.00f
22.00
復興金融公庫(KfW)(ドイツ)
152.30
13.00e
14.70e
5.00e
25.00e
5.00e
2.00
12.50e
オランダ
8.06
230.00
40.00c
20.00
300.00c
37.30
オーストラリア国際開発庁
ニュージーランド国際開発庁
–
8.82
Sida
ノルウェー
DFID
Sida
国連人口基金
オランダ
35.00e
EC
IsDB
37.30
37.30
スリランカ
国道セクター
北西部コミュニティ復旧・開発(第 2 期)
津波被災地域再建
小計
フィジー開発銀行
150.00
40.00c
157.00c
1,276.60
5.90e
53.20e
193.30
8.00e
48.00g
93.30
商業銀行
OPEC 基金
Sida
EC
AFD
37.30
東南アジア
インドネシア
コミュニティ給水サービス・保健
開発政策支援プログラム
地震・津波緊急支援
タングー液化天然ガス
64.69
200.00
290.00d
350.00
4.00e
7.50e
5.00e
3.50e
CIDA
DFID
400.00
1,000.00
754.00
1,200.00
フィリピン
中小企業開発支援
小計
協調融資合計
うち ADB が管理するもの
–
a
b
c
d
e
f
g
25.00
929.69
4,053.15
322.85
18.40e
20.00 1,400.00 1,972.40
オランダ
世界銀行
オランダ
JBIC (非 ODA)
国際銀行
中国の商業銀行
ADB の部分信用保証を受けた民間金融機関
352.55 1,805.42 5,227.07
223.95
30.50
68.40
該当データなし
協調融資は ADB が支援するプロジェクトおよびプログラムに連動して提供される。従って、協調融資の機会は ADB の融資および投資プログラムに依存する。
民間機関の協調融資または市場からの借入(シンジケートローン、債券、変動金利債券等)および保証からなる。
資金には、 ADF 貸付および無償パッケージが含まれる。
財源はアジア開発基金(ADF)、アジア津波基金(ATF)またはパキスタン地震基金(PEF)からの無償資金。
ADB が全体または部分的に管理運営する。
元の貸付は前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
ADB が 1,350 万ドル相当までの協調融資コンポーネントについて部分的な管理を行う。
140
表8
2004 年および 2005 年中の貸付実行
(単位:千ドル)
2004
OCR
OCR 合計に
占める割合(%)
ADF
ADF 合計に
占める割合(%)
実行合計に
占める割合(%)
合計
プロジェクト a
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト貸付合計
プログラム b
セクター c
民間セクター d
1,219,033
33,320
1,252,353
908,688
237,614
109,414
49
1
50
36
10
4
607,040
–
607,040
230,328
217,727
–
57
–
57
22
21
–
1,826,073
33,320
1,859,393
1,139,016
455,341
109,414
51
1
52
32
13
3
合計
2,508,069
100
1,055,095
100
3,563,164
100
統
計
付
録
2 0 0 5
OCR
ADF
OCR
合計に占める
割合(%)
ADF
合計に占める
割合(%)
プロジェクト a
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト貸付合計
プログラム b
セクター c
民間セクター d
1,416,233
66,515
1,482,748
1,500,094
311,096
204,449
40
2
42
43
9
6
761,893
–
761,893
308,580
176,332
–
61
–
61
25
14
–
2,178,126
66,515
2,244,641
1,808,674
487,428
204,449
46
1
47
38
10
4
16
100
18
65
31
87
26
–
26
34
(19)
–
19
100
21
59
7
87
合計
3,498,387
100 1,246,805
100
4,745,192
100
39
18
33
–
実行合計に
占める
割合(%)
合計
2004 年から
05 年の増減(%)
OCR ADF 合計
該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
( )マイナス
a プロジェクト貸付は特定のプロジェクトに対して供与される。ADB は開発途上加盟国(DMC)所在の開発金融機関を民間セクターにおける中小規模プロジェ
クトに融資するための仲介機関として活用している。
b プログラム貸付は、 DMC によるセクター開発の政策環境、制度環境および投資環境の改善を支援するために供与される。これは、政策調整に必要な短期的費
用の手当に貢献する。
c セクター貸付は、特定のセクターまたは下位セクターの開発を目的として供与される。単一のセクターまたは下位セクターにおける多数のサブ・プロジェクト
に資金を提供する。
d 出資を除く。
表9
2005 年中のプログラム貸付の実行額
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
バングラデシュ
カンボジア
インド
インドネシア
ラオス
モンゴル
ネパール
パキスタン
フィリピン
スリランカ
タジキスタン
ウズベキスタン
ベトナム
合計
OCR
ADF
–
50.00
–
205.00
750.00
–
–
–
280.09
175.00
20.00
–
20.00
–
1.89
4.78
22.94
–
–
11.29
8.80
2.48
152.32
–
–
8.34
–
95.75
1.89
54.78
22.94
205.00
750.00
11.29
8.80
2.48
432.41
175.00
20.00
8.34
20.00
95.75
1,500.09
308.58
1,808.67
合計
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
141
表 10
2005 年中の民間セクター貸付の承認および総事業費(国別)
(単位:百万ドル)
貸付
アフガニスタン
アフガニスタン復興基金
統
計
付
録
中国
徳富泰銀行
中国銀行
Tsinghua 水資源インフラ開発
インド
アクティス資産再建会社
インフラ開発金融会社
イエス銀行
BTS インド・プライベート・
エクイティ・ファンド
ADB の
融資総額
出資
補完貸付/
政治リスク
保証連帯保証人
プログラム
部分
信用保証
政治リスク DMC との
保証
スワップ
–
5.50
5.50
–
–
–
20.72
–
–
75.00
20.00
20.72
75.00
20.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
50.00
23.00
5.60
–
–
5.60
50.00
23.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
ADB の
承認総額
総事業費
5.50
20.00
20.72
75.00
20.00
35.72
100.00
100.00
5.60
50.00
23.00
22.20
50.00
23.00
15.00
50.00
–
15.00
15.00
–
–
–
インドネシア
タングー液化天然ガス
350.00
–
350.00
–
–
–
–
350.00
6,303.00
ラオス
ナムトゥン 2 電力会社
50.00
–
50.00
–
–
50.00
–
100.00
1,450.00
パキスタン
新ボング・エスケープ 水力発電
37.30
–
37.30
–
–
–
–
37.30
149.20
5.00
–
–
1.00
5.00
1.00
–
–
–
18.40
–
–
–
–
5.00
19.40
10.00
38.50
域内
ロンバード・アジア III LP
オーレオス 南・東アジア・ファンド
フラッグシップ・キャピタル・コーポレーション –
インターアジア・キャピタル
30.00
20.00
30.00
15.00
30.00
20.00
30.00
15.00
30.00
20.00
30.00
15.00
250.00
100.00
120.00
120.00
536.02
217.10
753.12
821.52
8,941.62
ADB の
承認総額
総事業費
フィリピン
キャメロン・グランドビル
資産管理会社
信用情報局開発支援
合計
–
–
–
–
–
18.40
50.00
–
– 該当データなし、 DMCs = 開発途上加盟国
表 11
2005 年中の民間セクター貸付の承認および総事業費(セクター別)
(単位:百万ドル)
貸付
インフラ
投資基金および金融機関
その他
合計
部分
信用保証
政治リスク DMC との
保証
スワップ
437.30
20.00
457.30
–
–
50.00
–
507.30
8,002.20
98.72
197.10
295.82
–
18.40
–
–
314.22
939.42
–
–
–
–
–
–
–
–
–
536.02
217.10
753.12
–
18.40
50.00
–
821.52
8,941.62
– 該当データなし、 DMCs = 開発途上加盟国
142
ADB の
融資総額
出資
補完貸付/
政治リスク
保証連帯保証人
プログラム
表 12
民間セクター貸付の承認(年度別)(1983 ∼ 2005 年)
(単位:百万ドル)
プロジェクト
件数 a
貸付
出資 b
ADB の
融資総額
補完貸付/
政治リスク
保証連帯保証人
プログラム
2
1
5
5
8
12
16
17
10
4
9
9
8
8
5
6
3
11
6
7
7
15 c
17 d
–
–
–
6.46
20.50
58.00
95.70
78.85
156.80
50.00
182.10
–
68.00
98.50
45.00
136.12
101.50
152.00
37.50
110.00
167.00
292.50
536.02
2.96
0.42
3.40
6.01
27.61
35.67
67.59
35.94
20.52
5.42
20.70
48.70
99.41
80.15
49.50
39.44
7.40
77.65
30.36
35.53
35.65
164.40
217.10
2.96
0.42
3.40
12.47
48.11
93.67
163.29
114.79
177.32
55.42
202.80
48.70
167.41
178.65
94.50
175.56
108.90
229.65
67.86
145.53
202.65
456.90
753.12
–
–
–
–
5.00
–
51.10
24.00
–
81.50
19.30
–
5.83
91.50
–
151.08
61.50
45.00
–
–
100.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
50.00
65.00
–
–
–
–
170.00
–
18.40
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
101.00
–
60.00
70.00
10.00
50.00
2,392.55
1,111.53
3,504.08
635.81
303.40
291.00
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
合計
–
a
b
c
d
191
部分
信用保証
政治リスク
保証
DMC との
ADB の
承認総額 a
総事業費
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
200.00
–
2.96
0.42
3.40
12.47
53.11
93.67
214.39
138.79
177.32
136.92
222.10
48.70
173.24
270.15
144.50
391.64
170.40
375.65
67.86
205.53
542.65
666.90
821.52
36.00
2.80
39.68
42.72
524.34
524.24
1,178.55
2,051.63
1,330.07
409.39
1,513.70
919.20
1,050.32
1,788.77
1,239.69
1,152.70
847.70
1,629.84
648.00
1,176.60
2,300.00
2,227.70
8,941.62
200.00
4,934.28
31,575.26
ADB の
承認総額 a
総事業費
スワップ
該当データなし、 DMCs = 開発途上加盟国
取り消されたものを除く。
出資枠および株式引受を含む。
バングラデシュのグラミーン電話電気通信の拡張に関する承認済みプロジェクトを含む。
インドのインフラ開発金融会社に関する承認済みプロジェクトを含む。
表 13
民間セクター貸付の承認累計(国別)(1983 年∼ 2005 年)
(単位:百万ドル)
補完貸付/
政治リスク
保証連帯保証人
プログラム
部分
信用保証
43.10
152.18
0.53
414.52
477.45
455.65
8.96
50.00
2.00
6.10
52.81
309.73
516.17
0.40
85.58
148.53
168.50
611.87
–
20.00
–
171.50
5.00
63.50
–
–
–
–
5.83
129.90
113.58
–
–
100.00
26.50
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
65.00
18.40
–
115.00
–
–
105.00
10.00
70.00
–
–
–
–
–
50.00
–
–
–
–
–
–
31.00
70.00
60.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
200.00
–
–
–
–
–
53.10
242.18
0.53
586.02
482.45
519.15
8.96
100.00
2.00
6.10
58.64
504.63
848.15
0.40
231.58
318.53
255.00
716.87
265.50
890.36
0.79
2,935.52
3,754.06
7,017.22
292.23
1,450.00
3.64
40.00
218.03
1,960.19
2,698.72
1.60
519.73
3,071.80
1,470.00
4,985.87
2,392.55 1,111.53 3,504.08
635.81
303.40
291.00
200.00
4,934.29
31,575.26
プロジェクト
件数 a
アフガニスタン
バングラデシュ
ブータン
中国
インド
インドネシア
韓国
ラオス
マレーシア
モンゴル
ネパール
パキスタン
フィリピン
サモア
スリランカ
タイ
ベトナム
域内
合計
–
a
b
c
d
4
8c
1
14
33d
13
5
1
1
1
4
29
23
1
9
10
6
28
191
貸付
出資 b
35.00
137.20
–
137.22
310.70
432.00
–
50.00
–
4.50
49.55
279.10
475.32
–
72.00
71.46
168.50
170.00
8.10
14.98
0.53
277.30
166.75
23.65
8.96
–
2.00
1.60
3.26
30.63
40.85
0.40
13.58
77.07
–
441.87
ADB の
融資総額
政治リスク DMC との
保証
スワップ
該当データなし、 DMCs = 開発途上加盟国
取り消されたものを除く。
出資、出資枠および株式引受を含む。
バングラデシュのグラミーン電話電気通信の拡張に関する承認済みプロジェクトを含む。
インドのインフラ開発金融会社に関する承認済みプロジェクトを含む。
143
統
計
付
録
表 14
承認済みおよび管理中の貸付およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)、完了済みプロジェクト、
完了済み貸付並びに回覧済みプロジェクト/プログラム実績監査報告書(PPARs)の件数
(2005 年 12 月 31 日現在)
統
計
付
録
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内 e
合計
承認済み
貸付
累積件数 a
発効済み
貸付
累積件数
承認済み
プロジェクト
累積件数 b
混合貸付
累積件数
追加貸付
累積件数
協調融資
プロジェクト
累積件数
19
5
171
20
36
119
13
16
5
95
279
12
6
81
25
64
76
15
12
8
37
32
1
114
250
57
195
31
14
16
133
12
18
84
–
15
–
3
21
9
73
6
15
1
166
20
35
113
13
16
5
88
274
12
6
81
23
64
76
13
12
6
36
32
1
111
237
57
193
29
14
16
130
12
16
84
–
14
–
3
18
9
65
5
18
3
155
19
28
117
13
16
5
82
247
8
6
80
19
57
74
15
11
6
31
28
1
102
191
46
165
27
14
15
115
12
14
80
–
15
–
2
18
8
64
13
–
2
10
–
2
–
–
–
–
3
23
2
–
–
–
–
1
–
1
1
–
2
–
2
36
10
18
–
–
–
10
–
2
2
–
–
–
–
2
–
3
1
1
–
5
–
1
–
–
–
–
–
2
–
–
–
–
3
1
–
–
–
–
2
–
9
5
–
4
4
–
–
5
–
–
2
–
–
–
1
–
1
–
–
6
1
78
7
15
63
1
7
–
23
61
1
1
8
5
36
9
4
1
–
8
12
–
44
76
11
64
10
2
5
45
–
3
37
–
3
–
–
4
3
32
6
2,198
2,121
1,940
133
46
692
– 該当データなし
a 特別支援貸付および民間セクター貸付を含むが、解約された貸付を除く。
b 複数の貸付があるプロジェクトは 1 件と数える。追加貸付、特別実施支援貸付およびプログラム貸付群のサブプログラム貸付は単独のプロジェクトとはみなさ
れない。
c 承認済みであるが未発効のプロジェクト/貸付、活動が止まっている貸付および、政府保証のない管理中の貸付完了済み民間セクター貸付を含み、他の財源か
ら全額融資を受けたプロジェクト/貸付を除く。
d 物理的に完了したプロジェクト。
144
回覧済み/
作成済み
2005 年中に 2005 年中に 2005 年中に 2005 年中に
完了 d した
プロジェクト
件数
管理中の
貸付件数 c
管理中の
プロジェクト
件数 a,c
10
5
41
5
23
45
1
4
–
40
42
4
1
–
11
23
1
7
1
5
16
–
–
27
73
10
29
5
–
1
52
–
12
2
–
–
–
2
15
–
42
2
10
3
34
5
20
44
1
4
–
36
34
3
1
–
11
22
1
7
1
3
14
–
–
25
48
10
24
5
–
1
42
–
11
2
–
–
–
1
14
–
38
2
–
–
114
11
9
70
12
10
5
41
178
6
4
61
11
33
54
7
8
3
17
26
1
74
126
33
118
20
7
14
70
1
4
58
4
16
–
1
2
8
20
3
–
–
4
3
4
8
1
–
–
4
11
2
1
–
3
3
1
2
1
–
2
–
–
1
11
1
6
1
–
1
6
–
4
1
–
–
–
–
2
–
8
–
557
477
1,260
92
PCR
累積件数
終了した
貸付
件数
回覧された
回覧された
PCR
PPAR
件数
件数
–
–
3
1
1
1
1
–
–
2
6
–
–
–
2
2
1
1
1
–
–
–
–
–
2
1
6
–
–
1
3
–
3
–
–
–
–
–
2
–
2
–
–
–
8
–
2
6
1
–
–
1
14
–
–
–
4
3
–
1
–
1
1
–
–
1
4
–
3
–
–
–
3
–
1
1
2
1
–
–
1
–
2
–
–
–
1
–
1
3
–
–
–
2
1
1
–
1
–
1
–
–
1
–
1
–
–
–
2
–
–
–
–
–
–
–
–
2
–
–
–
–
–
–
2
–
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内 e
42
61
19
合計
e 地域プロジェクト - 大メコン河流域圏(GMS):プノンペン∼ホーチミン市間幹線道路、GMS:東西回廊(ラオスとベトナム)、アルマトゥイ∼ビシケク間地
域道路復興(カザフスタンとキルギス)、GMS:メコン川観光開発(カンボジア、ラオス、ベトナム)、地域送電近代化プロジェクト(タジキスタンとウズベキ
スタン)、地域貿易促進および税関協力プログラム(キルギスとタジキスタン)、地域税関の現代化および基盤開発プロジェクト(キルギスとタジキスタン)、ア
ジア金融投資会社ならびに貿易金融促進プログラムを含む。
145
統
計
付
録
表 15
承認済み貸付、締結済み契約および貸付実行の金額
(2005 年 12 月 31 日現在、単位:百万ドル)
2005 年中に
承認済み
貸付累計 a
統
計
付
録
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内 f
合計
–
a
b
c
d
発効済み
貸付正味累計 b,c
締結された
契約 c,d
752.28
104.00
8,044.69
138.46
850.24
16,375.40
29.50
249.90
101.50
14,936.21
20,728.50
501.60
15.14
6,338.33
588.50
1,183.14
1,987.54
91.48
78.13
75.14
620.34
530.86
5.00
2,214.98
15,035.24
873.99
8,799.03
129.98
181.08
79.31
3,703.25
100.39
273.84
5,388.07
57.79
7.82
914.70
51.25
3,732.37
171.50
597.18
22.00
7,692.19
138.46
840.24
14,953.60
29.50
249.90
101.50
13,648.90
20,112.81
501.60
15.14
6,338.33
565.50
1,183.14
1,987.54
80.48
78.13
56.14
610.34
530.86
5.00
2,164.98
14,147.04
873.99
8,574.03
115.92
181.08
79.31
3,483.25
100.39
224.34
5,388.07
52.89
7.82
789.70
51.25
3,141.67
170.00
97.73
1.38
316.86
2.47
96.40
1,375.53
0.63
19.70
–
994.31
909.70
–
0.94
–
20.05
87.03
3.48
13.38
1.59
3.76
17.85
–
–
69.59
728.46
24.95
236.07
0.35
–
8.81
184.05
–
43.74
15.62
–
–
86.14
–
180.12
–
373.66
1.38
5,506.49
101.51
622.90
10,274.47
28.16
181.42
94.50
9,165.91
14,056.34
432.44
14.28
5,572.55
465.63
960.42
1,422.37
65.95
65.10
39.53
484.74
418.77
2.30
1,454.62
10,285.51
648.38
5,823.74
106.99
130.22
63.91
2,653.91
90.28
140.58
4,154.90
58.18
4.18
421.99
47.91
1,857.72
–
116,040.44
109,884.18
5,540.67
78,293.82
該当データなし
特別支援貸付および民間セクター貸付を含むが、解約された貸付を除く。米ドルへの換算は、貸付承認時の為替レートを適用。
正味金額とは、発効済み貸付金額から取消分を差し引いた金額を指す。
米ドルへの換算は、 2005 年 12 月 31 日現在の為替レートを適用。
政府保証のない民間セクター貸付は除く。
146
締結済み
契約累計 c,d
発効済み
貸付正味累計に占める
締結済み契約累計の
割合(%)c
貸付実行
貸付実行累計 e
発効済み
貸付正味累計に占める
貸付実行累計の
割合(%)
62.57
6.27
71.59
73.31
74.13
68.71
95.46
72.60
93.11
67.15
69.89
86.21
94.33
87.92
82.34
81.18
71.56
81.95
83.32
70.42
79.42
78.88
46.00
67.19
72.70
74.19
67.92
92.30
71.91
80.58
76.19
89.93
62.67
77.11
110.01
53.47
53.44
93.48
59.13
–
58.91
0.50
280.18
12.45
84.47
892.12
1.17
14.07
–
698.28
1,014.99
26.06
1.56
–
30.40
93.76
7.52
4.94
0.80
1.75
29.92
–
–
43.66
563.51
21.50
279.89
2.66
–
2.76
206.00
–
26.07
21.03
–
0.10
91.69
–
225.87
6.62
286.65
0.50
5,572.63
98.82
564.58
9,920.25
26.15
160.56
94.50
8,144.63
15,112.95
432.58
13.55
5,560.32
452.41
905.76
1,403.28
57.25
63.99
36.78
491.98
411.83
2.30
1,437.19
10,530.69
634.01
6,280.29
102.66
144.44
57.91
2,573.91
91.14
99.59
4,183.05
52.26
4.26
374.31
48.99
1,955.16
110.58
48.00
2.29
72.45
71.37
67.19
66.34
88.64
64.25
93.11
59.67
75.14
86.24
89.50
87.73
80.00
76.56
70.60
71.14
81.91
65.52
80.61
77.58
46.00
66.38
74.44
72.54
73.25
88.57
79.77
73.02
73.89
90.78
44.39
77.64
98.83
54.45
47.40
95.59
62.23
65.05
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内 f
71.25
4,745.19
78,494.68
71.43
合計
2005 年中の
e 調達契約サマリーシートなしで実行される貸付(建設中の利子、臨時費用および調達を要しない民間セクター貸付等)があるため、貸付実行累計が締結済み契
約累計を上回る場合がある。
f 太平洋航空安全局の設立のための地域貸付ならびに、アジア金融投資会社および貿易金融促進プログラムに対する民間セクター貸付を含む。
147
統
計
付
録
表 16
2005 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト貸付−通常資本財源(OCR)(単位:百万ドル)
製品および
関連サービス、
土木工事
統
計
付
録
配分
(%)
コンサルティング・
サービス
配分
(%)
締結済み
契約合計
配分
(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
0.00
0.00
4.92
3.82
0.00
8.32
0.02
0.00
0.00
1.44
1,351.33
0.00
2.83
3.54
0.65
33.39
16.42
21.78
603.24
72.94
11.68
35.01
0.00
0.00
0.42
0.00
11.07
0.00
73.49
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.95
9.40
0.00
22.89
0.00
2.50
32.78
0.00
0.00
1.73
0.00
0.42
0.00
35.20
14.77
22.28
0.06
11.54
0.00
0.00
31.05
0.00
0.00
9.44
11.60
4.98
0.00
0.00
0.39
0.00
0.00
0.00
0.20
0.15
0.00
0.34
0.00
0.00
0.00
0.06
54.75
0.00
0.11
0.14
0.03
1.35
0.67
0.88
24.44
2.96
0.47
1.42
0.00
0.00
0.02
0.00
0.45
0.00
2.98
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.04
0.38
0.00
0.93
0.00
0.10
1.33
0.00
0.00
0.07
0.00
0.02
0.00
1.43
0.60
0.90
0.00
0.47
0.00
0.00
1.26
0.00
0.00
0.38
0.47
0.20
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
15.97
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.19
1.40
0.00
6.13
0.00
5.70
0.00
0.00
2.27
42.44
4.43
1.51
0.46
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
1.44
2.14
0.00
13.28
0.00
0.22
0.23
0.00
0.00
6.06
0.00
0.04
0.00
1.40
0.00
0.00
0.38
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
6.65
15.74
0.17
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
12.45
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.15
1.09
0.00
4.78
0.00
4.44
0.00
0.00
1.77
33.10
3.45
1.18
0.36
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
1.12
1.67
0.00
10.35
0.00
0.17
0.18
0.00
0.00
4.72
0.00
0.03
0.00
1.09
0.00
0.00
0.29
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
5.18
12.28
0.13
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
20.89
3.82
0.00
8.32
0.02
0.00
0.00
1.63
1,352.74
0.00
8.96
3.54
6.35
33.39
16.42
24.06
645.68
77.37
13.19
35.47
0.00
0.00
0.42
0.00
11.07
0.00
73.49
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
2.39
11.54
0.00
36.17
0.00
2.73
33.01
0.00
0.00
7.79
0.00
0.46
0.00
36.60
14.77
22.28
0.43
11.54
0.00
0.00
31.05
0.00
0.00
16.09
27.35
5.15
0.00
0.00
0.39
0.00
0.00
0.00
0.80
0.15
0.00
0.32
0.00
0.00
0.00
0.06
52.10
0.00
0.34
0.14
0.24
1.29
0.63
0.93
24.87
2.98
0.51
1.37
0.00
0.00
0.02
0.00
0.43
0.00
2.83
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.09
0.44
0.00
1.39
0.00
0.10
1.27
0.00
0.00
0.30
0.00
0.02
0.00
1.41
0.57
0.86
0.02
0.44
0.00
0.00
1.20
0.00
0.00
0.62
1.05
0.20
0.00
0.00
0.02
0.00
合計 b
2,468.30
100.00
128.24
100.00
2,596.54
100.00
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、製造、栽培および製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
148
表 17
2005 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト貸付−アジア開発基金(ADF)(単位:百万ドル)
製品および
関連サービス、
土木工事
配分
(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
0.00
0.00
4.39
0.00
0.05
172.40
0.00
1.76
31.75
1.63
50.46
0.54
0.09
0.00
0.17
2.61
4.48
0.29
61.65
37.23
3.52
15.49
1.52
0.00
57.85
16.26
27.72
0.00
8.13
4.65
0.02
0.40
7.24
0.00
0.00
45.17
0.19
0.57
0.00
143.88
0.00
4.10
4.48
0.00
0.00
6.16
0.07
0.46
134.18
0.67
0.76
0.37
9.73
26.12
0.00
0.00
9.30
0.00
0.00
3.79
14.37
0.00
0.00
64.87
0.02
0.00
0.00
0.00
0.45
0.00
0.01
17.56
0.00
0.18
3.24
0.17
5.14
0.05
0.01
0.00
0.02
0.27
0.46
0.03
6.28
3.79
0.36
1.58
0.15
0.00
5.89
1.66
2.82
0.00
0.83
0.47
0.00
0.04
0.74
0.00
0.00
4.60
0.02
0.06
0.00
14.66
0.00
0.42
0.46
0.00
0.00
0.63
0.01
0.05
13.67
0.07
0.08
0.04
0.99
2.66
0.00
0.00
0.95
0.00
0.00
0.39
1.46
0.00
0.00
6.61
0.00
0.00
0.00
0.00
11.96
0.00
0.00
10.21
0.00
0.00
4.82
3.90
0.04
0.09
10.91
0.38
0.00
0.23
5.76
0.00
2.11
14.05
0.00
15.01
0.00
0.00
0.00
1.09
0.63
0.00
0.00
0.00
0.00
0.06
0.26
0.00
0.00
3.69
1.65
1.05
0.22
7.90
0.00
0.26
2.80
0.00
0.35
0.00
0.00
0.12
2.72
0.59
0.05
0.00
1.61
1.39
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
3.87
7.45
0.00
0.00
1.56
0.00
0.00
合計 b
981.54
100.00
118.79
コンサルティング・
サービス
配分
(%)
締結済み
契約合計
配分
(%)
0.00
0.00
10.07
0.00
0.00
8.60
0.00
0.00
4.05
3.28
0.03
0.08
9.18
0.32
0.00
0.19
4.85
0.00
1.78
11.83
0.00
12.63
0.00
0.00
0.00
0.92
0.53
0.00
0.00
0.00
0.00
0.05
0.22
0.00
0.00
3.11
1.39
0.89
0.19
6.65
0.00
0.22
2.36
0.00
0.30
0.00
0.00
0.10
2.29
0.50
0.04
0.00
1.36
1.17
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
3.26
6.28
0.00
0.00
1.31
0.00
0.00
0.00
0.00
16.35
0.00
0.05
182.61
0.00
1.76
36.57
5.53
50.49
0.63
10.99
0.38
0.17
2.84
10.24
0.29
63.76
51.28
3.52
30.50
1.52
0.00
57.85
17.35
28.35
0.00
8.13
4.65
0.02
0.46
7.50
0.00
0.00
48.86
1.84
1.62
0.22
151.79
0.00
4.36
7.28
0.00
0.35
6.16
0.07
0.58
136.90
1.26
0.82
0.37
11.34
27.51
0.00
0.00
9.30
0.00
0.00
7.66
21.82
0.00
0.00
66.43
0.02
0.00
0.00
0.00
1.49
0.00
0.00
16.60
0.00
0.16
3.32
0.50
4.59
0.06
1.00
0.03
0.02
0.26
0.93
0.03
5.79
4.66
0.32
2.77
0.14
0.00
5.26
1.58
2.58
0.00
0.74
0.42
0.00
0.04
0.68
0.00
0.00
4.44
0.17
0.15
0.02
13.79
0.00
0.40
0.66
0.00
0.03
0.56
0.01
0.05
12.44
0.11
0.07
0.03
1.03
2.50
0.00
0.00
0.85
0.00
0.00
0.70
1.98
0.00
0.00
6.04
0.00
0.00
100.00
1,100.32
100.00
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、製造、栽培および製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
149
統
計
付
録
表 18
2005 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト貸付− OCR と ADF の合計
(単位:百万ドル)
製品および関連サービス、
土木工事
統
計
付
録
配分
(%)
コンサルティング・
サービス
配分
(%)
締結済み
契約合計
配分
(%)
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
0.00
0.00
9.31
3.82
0.05
180.72
0.02
1.76
31.75
3.07
1,401.79
0.54
2.92
3.54
0.82
36.01
20.90
22.08
664.88
110.17
15.20
50.50
1.52
0.00
58.27
16.26
38.79
0.00
81.62
4.65
0.03
0.40
7.24
0.00
0.00
45.17
1.14
9.97
0.00
166.77
0.00
6.60
37.27
0.00
0.00
7.89
0.07
0.89
134.18
35.87
15.53
22.65
9.78
37.65
0.00
0.00
40.36
0.00
0.00
13.23
25.97
4.98
0.00
64.87
0.41
0.00
0.00
0.00
0.27
0.11
0.00
5.24
0.00
0.05
0.92
0.09
40.63
0.02
0.08
0.10
0.02
1.04
0.61
0.64
19.27
3.19
0.44
1.46
0.04
0.00
1.69
0.47
1.12
0.00
2.37
0.13
0.00
0.01
0.21
0.00
0.00
1.31
0.03
0.29
0.00
4.83
0.00
0.19
1.08
0.00
0.00
0.23
0.00
0.03
3.89
1.04
0.45
0.66
0.28
1.09
0.00
0.00
1.17
0.00
0.00
0.38
0.75
0.14
0.00
1.88
0.01
0.00
0.00
0.00
27.94
0.00
0.00
10.21
0.00
0.00
4.82
4.09
1.44
0.09
17.03
0.38
5.70
0.23
5.76
2.27
44.55
18.48
1.51
15.46
0.00
0.00
0.00
1.09
0.63
0.00
0.00
0.00
0.00
0.06
0.26
0.00
0.00
3.69
3.08
3.19
0.22
21.18
0.00
0.48
3.03
0.00
0.35
6.06
0.00
0.15
2.72
1.99
0.05
0.00
1.99
1.39
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
10.52
23.20
0.17
0.00
1.56
0.00
0.00
0.00
0.00
11.31
0.00
0.00
4.13
0.00
0.00
1.95
1.66
0.58
0.04
6.90
0.15
2.31
0.09
2.33
0.92
18.03
7.48
0.61
6.26
0.00
0.00
0.00
0.44
0.25
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.10
0.00
0.00
1.49
1.25
1.29
0.09
8.57
0.00
0.20
1.23
0.00
0.14
2.45
0.00
0.06
1.10
0.81
0.02
0.00
0.81
0.56
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
4.26
9.39
0.07
0.00
0.63
0.00
0.00
0.00
0.00
37.24
3.82
0.05
190.93
0.02
1.76
36.57
7.16
1,403.23
0.63
19.95
3.91
6.51
36.24
26.66
24.35
709.43
128.65
16.71
65.97
1.52
0.00
58.27
17.35
39.41
0.00
81.62
4.65
0.03
0.46
7.50
0.00
0.00
48.86
4.23
13.17
0.22
187.95
0.00
7.08
40.30
0.00
0.35
13.94
0.07
1.04
136.90
37.86
15.58
22.65
11.77
39.05
0.00
0.00
40.36
0.00
0.00
23.74
49.17
5.15
0.00
66.43
0.41
0.00
0.00
0.00
1.01
0.10
0.00
5.16
0.00
0.05
0.99
0.19
37.96
0.02
0.54
0.11
0.18
0.98
0.72
0.66
19.19
3.48
0.45
1.78
0.04
0.00
1.58
0.47
1.07
0.00
2.21
0.13
0.00
0.01
0.20
0.00
0.00
1.32
0.11
0.36
0.01
5.08
0.00
0.19
1.09
0.00
0.01
0.38
0.00
0.03
3.70
1.02
0.42
0.61
0.32
1.06
0.00
0.00
1.09
0.00
0.00
0.64
1.33
0.14
0.00
1.80
0.01
0.00
合計 b
3,449.83
100.00
247.02
100.00
3,696.86
100.00
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、製造、栽培および製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
150
表 19
2005 年中のプログラム貸付による海外調達供給国への支出見積 a
通常資本財源(OCR)
単位:百万ドル
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
合計 b
配分(%)
アジア開発基金(ADF)
単位:百万ドル
配分(%)
OCR と ADF の合計
単位:百万ドル
配分(%)
3.11
0.00
73.53
6.39
0.01
3.42
28.93
0.07
0.08
25.17
142.68
0.00
4.08
0.08
5.74
19.32
61.78
21.41
178.22
10.95
20.17
177.90
0.10
0.00
85.50
0.01
0.02
0.13
60.09
0.00
0.00
0.00
0.00
1.40
0.03
0.35
19.93
6.02
1.30
3.02
0.00
0.95
103.43
0.37
0.16
111.02
0.05
7.88
22.00
9.36
18.71
47.06
0.03
43.47
0.00
0.00
3.66
0.06
0.00
33.01
162.33
0.61
0.33
10.72
0.00
0.00
0.20
0.00
4.79
0.42
0.00
0.22
1.88
0.00
0.00
1.64
9.29
0.00
0.27
0.01
0.37
1.26
4.02
1.39
11.60
0.71
1.31
11.58
0.01
0.00
5.57
0.00
0.00
0.01
3.91
0.00
0.00
0.00
0.00
0.09
0.00
0.02
1.30
0.39
0.08
0.20
0.00
0.06
6.73
0.02
0.01
7.23
0.00
0.51
1.43
0.61
1.22
3.06
0.00
2.83
0.00
0.00
0.24
0.00
0.00
2.15
10.57
0.04
0.02
0.70
0.00
0.00
0.30
0.00
4.83
0.43
0.85
0.39
3.16
0.01
0.41
1.60
32.21
0.00
0.60
0.01
0.73
4.28
6.68
9.34
3.85
4.61
3.06
19.18
1.71
0.00
18.32
0.20
0.31
0.06
12.48
0.00
0.00
0.00
8.80
0.19
0.00
2.53
3.21
0.56
0.14
85.03
0.00
0.00
1.01
0.11
0.00
23.89
0.01
1.12
0.51
0.99
3.00
0.00
0.02
14.12
0.00
0.00
0.97
0.73
0.00
4.52
14.32
3.59
0.01
8.66
0.00
0.00
0.10
0.00
1.57
0.14
0.28
0.13
1.03
0.00
0.13
0.52
10.47
0.00
0.20
0.00
0.24
1.39
2.17
3.04
1.25
1.50
0.99
6.23
0.56
0.00
5.96
0.07
0.10
0.02
4.06
0.00
0.00
0.00
2.86
0.06
0.00
0.82
1.04
0.18
0.04
27.64
0.00
0.00
0.33
0.04
0.00
7.77
0.00
0.36
0.17
0.32
0.97
0.00
0.01
4.59
0.00
0.00
0.32
0.24
0.00
1.47
4.66
1.17
0.00
2.81
0.00
0.00
3.42
0.00
78.36
6.81
0.86
3.81
32.09
0.08
0.49
26.78
174.89
0.00
4.69
0.09
6.47
23.60
68.46
30.75
182.07
15.56
23.23
197.08
1.81
0.00
103.82
0.21
0.33
0.19
72.57
0.01
0.00
0.00
8.80
1.59
0.03
2.88
23.14
6.58
1.44
88.05
0.00
0.96
104.43
0.48
0.16
134.91
0.06
9.00
22.51
10.34
21.71
47.06
0.05
57.60
0.00
0.00
4.64
0.79
0.00
37.54
176.65
4.21
0.34
19.38
0.00
0.00
0.19
0.00
4.25
0.37
0.05
0.21
1.74
0.00
0.03
1.45
9.49
0.00
0.25
0.00
0.35
1.28
3.71
1.67
9.87
0.84
1.26
10.69
0.10
0.00
5.63
0.01
0.02
0.01
3.94
0.00
0.00
0.00
0.48
0.09
0.00
0.16
1.26
0.36
0.08
4.78
0.00
0.05
5.66
0.03
0.01
7.32
0.00
0.49
1.22
0.56
1.18
2.55
0.00
3.12
0.00
0.00
0.25
0.04
0.00
2.04
9.58
0.23
0.02
1.05
0.00
0.00
1,536.15
100.00
307.66
100.00
1,843.86
100.00
統
計
付
録
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 推定金額は、国際通貨基金編集の「Direction of Trade Statistics」に掲載されている借入国の最新の貿易統計から抜粋した輸入データに基づいている。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
151
表 20
技術援助活動に関する締結済み契約累計金額(原産国別)a
(2005 年 12 月 31 日現在)
ADB の
独自財源
統
計
付
録
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
合計 b
配分
(%)
管理
信託
基金
配分
(%)
配分
(%)
締結済み
契約
合計
配分
(%)
0.58
0.00
135.57
0.81
0.39
10.92
3.66
0.41
0.96
76.77
10.47
0.05
11.80
0.79
7.02
21.97
22.20
22.27
37.51
14.26
4.97
27.05
0.59
0.00
4.81
1.05
2.92
0.00
9.74
0.09
0.10
0.01
0.99
0.87
0.01
7.20
20.81
59.83
4.57
18.76
0.00
1.20
72.50
0.04
0.86
14.08
0.38
3.08
11.06
6.15
9.87
1.05
0.23
12.26
0.23
0.31
0.28
0.02
0.06
155.80
217.23
0.31
0.74
2.92
3.31
23.21
0.05
0.00
12.55
0.07
0.03
1.01
0.33
0.03
0.08
7.10
0.97
0.00
1.09
0.07
0.65
2.03
2.05
2.06
3.47
1.32
0.46
2.50
0.05
0.00
0.44
0.09
0.27
0.00
0.90
0.00
0.01
0.00
0.09
0.08
0.00
0.66
1.92
5.54
0.42
1.73
0.00
0.11
6.71
0.00
0.08
1.30
0.03
0.28
1.02
0.56
0.91
0.09
0.02
1.13
0.02
0.02
0.02
0.00
0.00
14.42
20.11
0.02
0.06
0.27
0.30
2.14
0.65
0.00
37.31
0.00
0.11
3.18
1.04
0.02
1.84
39.05
2.72
0.17
3.38
0.65
5.86
12.43
8.16
4.90
13.01
3.84
0.82
11.35
1.35
0.03
1.22
0.11
1.84
0.00
0.24
0.02
0.08
0.00
0.39
0.52
0.01
1.64
18.40
14.13
7.54
4.76
0.00
0.04
16.10
0.00
0.01
1.23
0.02
1.69
2.91
3.94
5.26
0.07
0.13
4.88
0.00
0.00
0.13
0.05
0.00
55.80
66.18
0.13
0.01
2.36
6.47
4.07
0.17
0.00
9.96
0.00
0.03
0.85
0.27
0.00
0.49
10.43
0.72
0.04
0.90
0.17
1.56
3.32
2.18
1.31
3.47
1.02
0.21
3.03
0.36
0.00
0.32
0.03
0.49
0.00
0.06
0.00
0.02
0.00
0.10
0.13
0.00
0.43
4.91
3.77
2.01
1.27
0.00
0.01
4.30
0.00
0.00
0.32
0.00
0.45
0.77
1.05
1.40
0.01
0.03
1.30
0.00
0.00
0.03
0.01
0.00
14.91
17.68
0.03
0.00
0.62
1.72
1.08
0.02
0.00
105.27
0.11
0.00
4.36
2.20
0.06
0.37
61.92
6.92
0.00
15.46
0.18
7.96
21.21
32.16
20.25
13.99
11.52
2.59
22.74
0.14
0.01
3.56
0.05
0.91
0.00
3.19
0.03
0.00
0.00
0.61
0.01
0.00
1.40
26.44
54.99
3.36
3.23
0.00
1.02
30.18
0.09
0.87
9.93
0.21
0.89
3.08
7.49
11.51
2.05
0.08
10.66
0.01
0.15
0.05
0.00
0.00
125.05
162.47
0.04
1.20
2.09
3.35
4.90
0.00
0.00
13.08
0.01
0.00
0.54
0.27
0.00
0.04
7.69
0.86
0.00
1.92
0.02
0.98
2.63
3.99
2.51
1.73
1.43
0.32
2.82
0.01
0.00
0.44
0.00
0.11
0.00
0.39
0.00
0.00
0.00
0.07
0.00
0.00
0.17
3.28
6.83
0.41
0.40
0.00
0.12
3.75
0.01
0.10
1.23
0.02
0.11
0.38
0.93
1.43
0.25
0.00
1.32
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
15.54
20.19
0.00
0.14
0.25
0.41
0.60
1.25
0.00
278.14
0.92
0.50
18.47
6.90
0.49
3.17
177.74
20.12
0.22
30.63
1.61
20.84
55.60
62.52
47.42
64.50
29.62
8.38
61.14
2.08
0.03
9.58
1.21
5.67
0.00
13.17
0.14
0.18
0.01
2.00
1.40
0.03
10.24
65.66
128.95
15.47
26.74
0.00
2.26
118.77
0.13
1.73
25.25
0.61
5.66
17.05
17.58
26.64
3.16
0.43
27.81
0.24
0.46
0.47
0.07
0.06
336.65
445.88
0.49
1.94
7.36
13.14
32.17
0.05
0.00
12.31
0.04
0.02
0.81
0.30
0.02
0.14
7.86
0.89
0.01
1.35
0.07
0.92
2.46
2.76
2.09
2.85
1.31
0.37
2.70
0.09
0.00
0.42
0.05
0.25
0.00
0.58
0.00
0.00
0.00
0.08
0.06
0.00
0.45
2.90
5.70
0.68
1.18
0.00
0.10
5.25
0.00
0.07
1.11
0.02
0.25
0.75
0.77
1.18
0.14
0.01
1.23
0.01
0.02
0.02
0.00
0.00
14.90
19.74
0.02
0.08
0.32
0.58
1.42
1,079.96
100.00
374.25
100.00
804.59
100.00
2,258.75
100.00
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、製造、栽培および製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
152
日本
特別
基金
表 21
技術援助業務に関する締結済み契約金額(原産国別)a(2003 ∼ 2005 年)
(単位:百万ドル)
2003
金額
アフガニスタン
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内
国際機関
合計 b
2004
%
金額
2005
%
金額
%
0.56
0.00
19.32
0.00
0.04
1.21
1.10
0.07
0.71
15.91
2.38
0.03
2.05
0.25
1.59
5.77
6.59
2.37
3.32
3.46
0.31
4.32
0.17
0.00
0.38
0.17
0.22
0.00
1.01
0.00
0.00
0.00
0.23
0.01
0.00
0.65
4.08
6.53
1.03
3.97
0.00
0.09
12.07
0.00
0.03
2.05
0.00
1.35
1.15
1.52
0.40
0.00
0.06
1.71
0.52
0.06
0.03
0.02
0.00
22.76
22.11
0.05
0.00
0.00
0.65
0.00
0.36
0.00
12.35
0.00
0.02
0.77
0.70
0.05
0.45
10.17
1.52
0.02
1.31
0.16
1.02
3.69
4.21
1.51
2.12
2.21
0.20
2.76
0.11
0.00
0.24
0.11
0.14
0.00
0.65
0.00
0.00
0.00
0.15
0.01
0.00
0.42
2.61
4.17
0.66
2.54
0.00
0.05
7.72
0.00
0.02
1.31
0.00
0.86
0.73
0.97
0.26
0.00
0.04
1.09
0.33
0.04
0.02
0.01
0.00
14.55
14.14
0.03
0.00
0.00
0.42
0.00
0.27
0.00
17.42
0.00
0.11
1.61
0.30
0.09
0.56
7.49
2.53
0.00
0.24
0.05
2.39
3.47
5.09
4.43
10.35
1.88
0.11
7.83
0.67
0.00
0.09
0.39
0.47
0.00
1.29
0.02
0.01
0.00
0.48
0.12
0.00
0.96
1.75
11.56
4.30
4.42
0.00
0.00
7.49
0.00
0.10
1.40
0.04
1.08
1.65
0.68
0.42
0.00
0.08
3.02
0.02
0.18
0.10
0.00
0.00
18.96
18.08
0.12
0.09
1.42
1.87
0.00
0.18
0.00
11.65
0.00
0.07
1.08
0.20
0.06
0.38
5.01
1.69
0.00
0.16
0.03
1.60
2.32
3.40
2.97
6.92
1.26
0.08
5.23
0.45
0.00
0.06
0.26
0.31
0.00
0.86
0.02
0.01
0.00
0.32
0.08
0.00
0.64
1.17
7.73
2.88
2.95
0.00
0.00
5.01
0.00
0.07
0.94
0.03
0.72
1.11
0.45
0.28
0.00
0.05
2.02
0.01
0.12
0.07
0.00
0.00
12.68
12.09
0.08
0.06
0.95
1.25
0.00
0.22
0.00
22.68
0.12
0.14
2.84
0.10
0.18
0.73
9.72
3.56
0.00
2.31
0.72
0.62
2.87
5.68
4.25
3.69
3.52
0.07
6.94
0.52
0.00
0.42
0.16
1.67
0.00
0.55
0.03
0.09
0.01
0.16
0.05
0.03
1.13
1.02
9.29
0.99
4.98
0.00
0.03
10.93
0.00
0.03
2.94
0.01
0.77
0.68
1.72
1.87
0.01
0.15
1.70
0.00
0.03
0.04
0.05
0.00
18.07
23.06
0.10
0.04
1.09
7.68
0.00
0.14
0.00
13.91
0.07
0.09
1.74
0.06
0.11
0.45
5.96
2.18
0.00
1.42
0.44
0.38
1.76
3.48
2.60
2.26
2.16
0.04
4.26
0.32
0.00
0.26
0.10
1.03
0.00
0.34
0.02
0.06
0.00
0.10
0.03
0.02
0.69
0.62
5.70
0.61
3.06
0.00
0.02
6.70
0.00
0.02
1.81
0.00
0.47
0.41
1.06
1.15
0.01
0.09
1.04
0.00
0.02
0.03
0.03
0.00
11.09
14.15
0.06
0.02
0.67
4.71
0.00
156.43
100.00
149.52
100.00
163.00
100.00
統
計
付
録
0.00 無視しうる範囲のデータ。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、製造、栽培および製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
153
表 22
技術援助無償(国および地域活動別)a (1967 年∼ 2005 年、 2004 年、 2005 年)
(単位:千ドル)
1 9 6 7 – 2 0 0 5b
統
計
付
録
件数
金額
2
%
件数
TASF 財源
JSF 財源
0
0
4
その他の財源
合計
%
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
50
1
20
312
50,242.70
150.00
10,542.00
165,238.33
1.81
0.01
0.38
5.94
14
–
5
12
8,900.00
–
750.00
2,030.00
– 4,706.00 13,606.00
–
–
–
1,800.00
– 2,550.00
3,840.00
420.00 6,290.00
6.97
–
1.31
3.22
ブータン
カンボジア
中国
94
133
480
35,375.15
85,129.60
256,809.65
1.27
3.06
9.23
5
12
32
750.00
2,300.00
11,154.00
600.00
300.00 1,650.00
600.00 1,688.00 4,588.00
800.00 4,750.00 16,704.00
0.85
2.35
8.56
クック諸島
フィジー
27
77
8,945.00
25,474.80
0.32
0.92
–
3
–
295.00
–
600.00
–
895.00
–
0.46
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
212
480
57
34
115,789.86
240,449.17
26,367.00
11,410.70
4.16
8.64
0.95
0.41
15
24
4
1
1,800.00
5,530.00
750.00
800.00
1,250.00 7,150.00 10,200.00
2,806.50 9,240.00 17,576.50
950.00
– 1,700.00
–
–
800.00
5.23
9.01
0.87
0.41
韓国
キルギス
ラオス
33
63
215
5,010.15
37,171.40
104,902.08
0.18
1.34
3.77
–
7
11
–
600.00
1,870.00
–
–
2,600.00
700.00
1,300.00 2,950.00
–
3,900.00
6,120.00
–
2.00
3.14
92
55
44
25,202.30
19,125.00
18,357.00
0.91
0.69
0.66
–
3
2
–
1,000.00
760.00
–
–
–
–
–
150.00
–
1,000.00
910.00
–
0.51
0.47
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
39
121
38
22,678.00
58,870.65
10,716.00
0.82
2.12
0.39
3
7
–
550.00
1,214.00
–
300.00
850.00
–
–
586.00
–
850.00
2,650.00
–
0.44
1.36
–
ナウル
ネパール
パキスタン
6
247
301
1,721.81
113,993.70
152,565.40
0.06
4.10
5.48
–
10
22
–
1,254.00
3,530.00
–
–
–
1,630.00
300.00 3,184.00
2,285.00 22,605.00 28,420.00
–
1.63
14.57
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
126
316
81
45,513.60
141,554.25
22,676.50
1.64
5.09
0.82
1
10
3
300.00
2,670.00
300.00
–
2,700.00
400.00
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
2
56
220
577.42
13,845.24
91,588.10
0.02
0.50
3.29
–
3
4
–
1,200.00
1,500.00
台湾
タジキスタン
タイ
1
48
150
100.00
25,285.00
54,998.60
–
0.91
1.98
–
5
–
–
500.00
–
–
1,500.00
–
26
52
3
11,250.90
14,441.50
565.00
0.40
0.52
0.02
3
3
–
400.00
450.00
–
500.00
250.00
–
18
62
53
190
4,487.00
31,980.00
14,964.76
121,750.46
0.16
1.15
0.54
4.38
1
6
2
16
–
1,625.00
1,100.00
1,650.00
小計
域内
4,635 2,197,815.77
1,288
584,430.26
79.00
21.00
合計
5,923 2,782,246.04
100.00
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
200.00
625.00
–
500.00
5,995.00
700.00
0.26
3.07
0.36
–
–
–
650.00
850.00 1,600.00
–
1,850.00
3,950.00
–
0.95
2.02
–
800.00
–
–
2,800.00
–
–
1.44
–
–
–
–
900.00
700.00
–
0.46
0.36
–
300.00
–
875.00
–
–
200.00
2,650.00 3,380.00
300.00
2,500.00
1,300.00
7,680.00
0.15
1.28
0.67
3.94
249
72
57,532.00 32,236.50 63,000.00 152,768.50
20,882.00 7,785.00 13,653.50 42,320.50
78.31
21.69
321
78,414.00 40,021.50 76,653.50 195,089.00
100.00
– 該当データなし、 JSF = 日本特別基金、 TASF = 技術援助特別基金、 ATF = アジア津波基金
a ADB の貸付データに含まれる貸付を財源とする技術援助は除く。
b 累計データは各国政府によりキャンセルされた技術援助プロジェクトを除外するよう調整されている。
154
–
–
2 0 0 5
件数
TASF 財源
JSF 財源
11
1
5
13
8,295.00
150.00
1,050.00
2,520.00
–
–
1,040.00
3,700.00
5
14
34
1,400.00
1,650.00
14,840.00
1
3
ATF 財源
その他の財源
合計
%
–
–
–
–
190.00
–
850.00
1,230.00
8,485.00
150.00
2,940.00
7,450.00
4.27
0.08
1.48
3.75
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
300.00
2,200.00
–
–
–
–
–
3,765.00
3,494.60
1,700.00
7,615.00
18,334.60
0.86
3.83
9.23
ブータン
カンボジア
中国
600.00
1,000.00
–
600.00
–
–
–
–
600.00
1,600.00
0.30
0.80
クック諸島
フィジー
9
6
3
–
2,368.00
3,700.00
–
–
–
600.00
1,300.00
–
–
–
–
–
3,960.00
6,030.00
–
–
6,328.00
10,330.00
1,300.00
–
3.18
5.20
0.65
–
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
–
4
7
–
900.00
550.00
–
900.00
1,500.00
–
–
–
–
–
974.30
–
1,800.00
3,024.30
–
0.91
1.52
韓国
キルギス
ラオス
–
6
1
–
1,100.00
–
–
40.00
–
–
–
–
–
777.00
300.00
–
1,917.00
300.00
–
0.96
0.15
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
–
3
–
–
500.00
–
–
900.00
–
–
–
–
–
250.00
–
–
1,650.00
–
–
0.83
–
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
2
4
25
–
1,320.00
8,279.00
–
–
1,545.00
–
–
–
477.81
835.00
5,452.00
477.81
2,155.00
15,276.00
0.24
1.08
7.69
ナウル
ネパール
パキスタン
3
7
2
1,150.00
3,720.00
350.00
1,000.00
500.00
300.00
–
–
–
–
400.00
–
2,150.00
4,620.00
650.00
1.08
2.32
0.33
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
–
2
8
–
895.00
2,062.50
–
–
550.00
–
–
–
–
200.00
500.00
–
1,095.00
3,112.50
–
0.55
1.57
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
–
6
7
–
1,400.00
1,045.00
–
500.00
–
–
–
2,000.00
–
2,100.00
300.00
–
4,000.00
3,345.00
–
2.01
1.68
台湾
タジキスタン
タイ
2
1
–
–
600.00
–
–
–
600.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,200.00
700.00
–
–
0.60
0.35
–
–
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
5
–
20
600.00
–
1,850.00
1,400.00
–
3,725.00
–
–
–
300.00
–
6,675.00
2,300.00
–
12,250.00
1.16
–
6.16
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
220
79
63,894.50
25,615.00
23,900.00
4,450.00
2,000.00
–
39,060.71
39,800.75
128,855.21
69,865.75
64.84
35.16
小計
299
89,509.50
28,350.00
2,000.00
78,861.47
198,720.97
100.00
合計
域内
155
統
計
付
録
表 23
2005 年中の技術援助無償(単位:千ドル)
プロジェクト
準備
統
計
付
録
アフガニスタン
中小規模水力発電開発
天然ガス開発
商業的農業開発
金融市場・民間セクター開発プログラム
エネルギー水資源省の能力開発
800.00
995.00
995.00
1,000.00
道路セクター関係機関の能力開発
貿易・輸送促進のための商務省の能力開発
灌漑・水資源に関する能力開発
地域協力に関する能力開発
3,790.00
アルメニア
ADB の業務政策・手続に関するセミナー
セクター
エネルギー
エネルギー
農業・天然資源
750.00
1,000.00
390.00a
1,000.00
400.00
755.00
400.00
民間航空セクターの能力増強
経済運営に関する能力開発
小計
助言・実施
金融
エネルギー
運輸・通信
法律・経済運営・公共政策
運輸・通信
鉱工業・貿易
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
4,695.00
150.00
法律・経済運営・公共政策
150.00
小計
アゼルバイジャン
南部道路回廊改善(アルヤト∼アスタラ道路)
国内避難民および脆弱な集団のための社会インフラ(追加)
再生可能エネルギー開発
運輸セクター開発戦略
700.00b
340.00b
700.00c
350.00
850.00d
ミレニアム開発目標達成のための参加型戦略の開発と実施
小計
運輸・通信
保健・栄養・社会的保護
1,740.00
エネルギー
運輸・通信
法律・経済運営・公共政策
1,200.00
バングラデシュ
ダッカ上水道
パドマ多目的橋
中等教育セクター改善(第 2 期)(追加)
第 2 次コマンド地域開発
グッド・ガバナンス・プロジェクト
財政運営および監視の支援
1,000.00
800.00b
120.00
950.00e
1,000.00b
バングラデシュ電力開発局の企業化
アグリビジネス開発のプロジェクト管理強化
国民経済計算、価格および賃金統計の改善
都市部貧困層による地方自治体統治への参加
グッド・ガバナンス・イニシアティブの支援(第 2 期)
小計
3,870.00
a
b
c
d
e
f
g
h
i
500.00
マルチセクター
保健・栄養・社会的保護
エネルギー
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
マルチセクター
法律・経済運営・公共政策
金融
400.00
200.00
300.00b
300.00
道路交通安全および道路資産管理に関する能力開発
支払・決済システムの強化(追加)
法律・経済運営・公共政策
マルチセクター
3,580.00
500.00
ブータン電力公社の能力開発
環境アセスメント手続実施のための能力開発
小計
教育
農業・天然資源
150.00
250.00f
150.00g
800.00b
600.00
400.00
480.00h
750.00i
早期警報システムの調査
都市部一次医療(第 2 期)つなぎ支援
ブータン
金融セクター/ノンバンク金融機関改革プログラム
上下水道・廃棄物管理
運輸・通信
エネルギー
農業・天然資源
運輸・通信
金融
1,200.00
この金額のうち 20 万ドルは技術援助特別基金(TASF)から、 19 万ドルはオーストラリア政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
日本特別基金(JSF)から供与される。
この金額のうち 50 万ドルは TASF から、 20 万ドルはフィンランド政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 20 万ドルは TASF から、 65 万ドルは国家貧困削減戦略協力基金(NPRS)から供与される。
この金額のうち 60 万ドルは JSF から、 35 万ドルは貧困削減協力基金(PRF)から供与される。
オランダ政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
英国政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
PRF から供与される。
この金額のうち 25 万ドルは TASF から、 50 万ドルは JSF から供与される。
156
続き
プロジェクト
準備
カンボジア
持続可能な地方上下水道
運輸インフラ開発・維持管理
地方行政支援第 2 期
トンレサップ低地安定化
内水漁業研究開発機関の能力開発(第 2 期)
150.00
1,000.00a
400.00a
1,000.00b
国家経済政策の分析・開発に関する能力開発
トンレサップの参加型貧困アセスメント(追加)
カンボジアにおける鉄道のリストラクチャリング
金融セクタープログラムの実施
トンレサップにおける構造物の漁業に対する影響の調査
金融セクター詳細計画の更新
カンボジア農村部における預金サービスの開発
2,550.00
セクター
統
計
付
録
上下水道・廃棄物管理
運輸・通信
法律・経済運営・公共政策
300.00
500.00c
150.00c
500.00
100.00c
1,500.00d
500.00
765.00e
150.00f
600.00c
コミュニティの自立および洪水リスクの軽減
カンボジア農村開発企業イニシアティブ
小計
助言・実施
農業・天然資源
農業・天然資源
農業・天然資源
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
運輸・通信
金融
農業・天然資源
金融
金融
5,065.00
中国
太原∼中衛鉄道
内モンゴル自治区環境改善
貴陽総合水資源管理
黒竜江道路網開発
南京・秦淮川環境改善
合肥都市環境改善
白洋淀湖集水域の総合的生態系管理および環境保全
北部における乾地農業
西部道路開発
寧夏・銀川の総合的生態系管理
鉄道開発
陝西省秦嶺山脈の総合的生態系管理
500.00
500.00
960.00g
500.00
600.00
750.00
500.00
400.00
800.00
850.00h
500.00
500.00
山西省の炭坑地域における貧困削減
村落レベルの貧困削減に向けた NGO と政府の連携
主要プロジェクトに関する成果重視型・国家レベルの監視・評価システムの開発
南京水道公社の市場からの長期資本調達
資産担保証券市場の開発および資産管理会社のリストラクチャリング
第 11 次五カ年計画の策定支援
中国の国別環境分析
遠隔地の農村貧困層向け代替エネルギー供給
運輸プロジェクトの貧困インパクト評価
洪水制御戦略調査(追加)
地方道路開発戦略
石炭セクター再構築を促進するための代替的生計手段
都市貧困戦略調査(第 2 期)
道路交通安全改善
鉄道旅客・貨物政策改革調査
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
運輸・通信
エネルギー
農業・天然資源
運輸・通信
マルチセクター
マルチセクター
農業・天然資源
農業・天然資源
運輸・通信
農業・天然資源
運輸・通信
農業・天然資源
500.00c
1,000.00c
400.00
600.00i
1,000.00
500.00
150.00
500.00c
150.00
49.60j
350.00
300.00c
300.00c
625.00k
400.00
エネルギー
マルチセクター
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
金融
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
エネルギー
運輸・通信
農業・天然資源
運輸・通信
マルチセクター
マルチセクター
運輸・通信
運輸・通信
JSF から供与される。
この金額のうち 20 万ドルは TASF から、 80 万ドルは JSF から供与される。
PRF から供与される。
フランス政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
フィンランド政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
スペイン政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 80 万ドルは TASF から、 16 万ドルは水資源セクター協力基金(CFWS)から供与される。
この金額のうち 50 万ドルは TASF から、 35 万ドルは地球環境ファシリティ(GEF)から供与される。
この金額のうち 49 万ドルは TASF から、 11 万ドルは CFWS から供与される。
CFWS から供与される。
この金額のうち 40 万ドルは TASF から、 22 万 5,000 ドルは世界道路交通安全パートナーシップ(GRSP)から供与される。
157
続き
プロジェクト
準備
統
計
付
録
都市部の鉄道交通に関する官民パートナーシップの適用
民間企業向け信用保証の開発のための国家基金
北西部の特定省における省別開発戦略
SEPA の地域監督センターの組織開発
中国銀行:コーポレート・ガバナンス改善
小計
助言・実施
500.00
600.00
500.00
700.00
1,000.00
550.00
300.00
大都市圏における持続可能な都市化に関する調査
省エネルギーおよび資源管理
7,360.00
セクター
マルチセクター
エネルギー
運輸・通信
金融
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
金融
10,974.60
クック諸島
600.00
災害管理および防災の強化
フィジー
農村・離島開発
700.00
農業・天然資源
600.00a
300.00
商業的農業開発の強化
民間セクター開発ロードマップ
小計
マルチセクター
600.00
小計
700.00
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
900.00
インド
ウッタランチャル州道
ウッタランチャル州都市開発
北東部都市開発(第 2 期)
住宅ローン担保証券の発行を促進する政府機関の開発に関する調査
368.00
600.00
960.00b
250.00c
1,900.00d
600.00d
500.00
250.00d
900.00
チャティスガル州の灌漑管理を改善するための水利用者組合の権利拡大
マディヤプラデシュ州道路セクターの組織強化および能力開発(追加)
ウッタランチャル州電力セクター能力開発
総合的沿岸管理および関連する投資開発
北東部諸州における道路担当機関の開発
小計
インドネシア
コミュニティ・地方政府支援セクター(第 2 期)
1,928.00
インフラ開発支援
カザフスタン
地方上下水道セクター(第 2 期)
600.00
小計
a
b
c
d
e
運輸・通信
教育
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
金融
マルチセクター
上下水道・廃棄物管理
150.00a
500.00a
650.00
エネルギー
農業・天然資源
9,730.00
650.00a
給水セクター強化プログラム
金融セクター・ガバナンス(第 2 期)
農業・天然資源
運輸・通信
マルチセクター
6,030.00e
500.00
600.00
600.00a
2,000.00
分権化フレームワークにおける天然資源管理
二次抵当債権機関
マルチセクター
金融
4,400.00
600.00
教育管理の分権化支援(第 2 期)(追加)
財政分権化のための効果的な組織的枠組みの支援
小計
運輸・通信
上下水道・廃棄物管理
上下水道・廃棄物管理
金融
650.00
JSF から供与される。
この金額のうち 16 万ドルは CFWS から、 80 万ドルは英国政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
スイス政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
英国政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
欧州委員会(EC)から供与される。
158
続き
プロジェクト
準備
キルギス
職業教育および技能訓練
歳入管理の改革および近代化
国家貧困削減戦略の開発および実施支援(第 2 期)
300.00a
500.00
800.00
セクター
統
計
付
録
教育
400.00
600.00a
銀行セクター・資本市場開発プログラムの支援
小計
助言・実施
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
金融
1,000.00
ラオス
保健セクター開発プログラム
北部大メコン河流域圏輸送網改善
700.00a
800.00a
土地保有の統合、参加型天然資源管理および現地コミュニティの
技能開発を通じた貧困削減(追加)
124.30b
150.00
150.00c
700.00d
400.00
北部開発戦略の運用
国家成長・貧困撲滅戦略の開発成果モニタリングのための能力開発
国家成長戦略および貧困撲滅戦略のための公共支出計画
農業におけるジェンダーの主流化のための能力開発
小計
保健・栄養・社会的保護
運輸・通信
1,500.00
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
1,524.30
モルジブ
公共会計制度の強化(追加)
中小企業開発
40.00a
600.00
377.00d
400.00e
250.00
250.00
成果重視型の第 7 次国家開発計画の策定
津波災害後の健全な環境管理の促進
金融財務省のプロジェクト管理およびモニタリング能力の強化
公共サービス局の強化
小計
法律・経済運営・公共政策
鉱工業・貿易
640.00
法律・経済運営・公共政策
上下水道・廃棄物管理
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
1,277.00
マーシャル諸島
300.00b
改善された都市廃棄物管理のオーナーシップおよび有効需要の強化
モンゴル
都市開発および住宅建設
600.00f
マルチセクター
150.00
900.00a
西部道路回廊開発の事前フィージビリティ調査
金融セクター改革のための能力開発
小計
上下水道・廃棄物管理
300.00
小計
600.00
運輸・通信
金融
1,050.00
ナウル
375.00g
102.81g
ナウル燐酸塩公社の改革
財政・経済運営の能力開発(追加)
エネルギー
金融
477.81
小計
ネパール
教育セクター開発プログラム(第 1 期)
教育セクター開発政策および戦略の策定(追加)
600.00h
110.00
760.00
685.00b
地域開発戦略
主流の農村開発における最も恵まれない集団への支援提供
小計
a
b
c
d
e
f
g
h
600.00
教育
教育
法律・経済運営・公共政策
保健・栄養・社会的保護
1,555.00
JSF から供与される。
PRF から供与される。
開発成果マネジメント協力基金(MDRCF)から供与される。
国家貧困削減戦略協力基金(NPRS)から供与される。
CFWS から供与される。
この金額のうち 35 万ドルは TASF から、 25 万ドルは PRF から供与される。
オーストラリア政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 45 万ドルは TASF から、 15 万ドルは PRF から供与される。
159
続き
プロジェクト
準備
統
計
付
録
助言・実施
セクター
パキスタン
ラワルピンディ環境改善(追加)
パンジャブ州分権型社会サービス・セクター開発プログラム(追加)
巨大都市開発
北西辺境州分権型社会サービス・プログラム
パンジャブ州灌漑農業開発セクター
送電強化
インフラ・セクター開発プログラムへの民間参加
バハーワルプール農村開発(第 2 期)
巨大都市の持続可能な開発
70.00
340.00a
150.00
450.00b
1,242.00c
500.00b
1,000.00
300.00
1,000.00
司法アクセス・プログラムの支援および進捗監視(追加)
地方分権化の実施支援(第 2 期)(追加)
パキスタンにおける貧困削減イニシアティブの支援(追加)
アグリビジネス開発プロジェクトの実施支援
ジェンダー改革行動計画の実施支援
エネルギー顧問室の業務支援
社会健康保険の開発
インフラ投資支援
分権型社会サービスのためのバロチスタン州の能力開発
上下水道・廃棄物管理
マルチセクター
上下水道・廃棄物管理
マルチセクター
農業・天然資源
エネルギー
金融
マルチセクター
マルチセクター
400.00
450.00
109.00
150.00
4,565.00d
150.00
350.00
150.00
300.00
法律・経済運営・公共政策
150.00
150.00
350.00
2,000.00
150.00
500.00
300.00
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
マルチセクター
エネルギー
保健・栄養・社会的保護
マルチセクター
マルチセクター
チャシュマ右岸灌漑プロジェクト(第 3 期)
是正措置の独立モニタリング
自然水流管理の準備のための追加作業
国家農業セクター戦略
パキスタン会計監査局の能力開発
パンジャブ州資源管理プログラム第 3 サブプログラムの支援
成果重視型のプロジェクト・モニタリング
バロチスタン州経済報告
小計
5,052.00
農業・天然資源
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
10,224.00
パプアニューギニア
農村開発飛び地における HIV /エイズの予防および蔓延防止
PNG ガス・プロジェクト
150.00
1,000.00
エネルギー
1,000.00b
民間セクター開発政策
小計
保健・栄養・社会的保護
1,150.00
法律・経済運営・公共政策
1,000.00
フィリピン
メトロ・マニラにおける貧困層向け都市サービス
700.00
保健セクター改革の支援
調和化および成果マネジメント
マイクロファイナンス開発プログラムの実施支援
貧困削減のための持続可能な水産養殖の開発
債務管理およびリスク管理
小計
マルチセクター
400.00e
1,000.00
700.00
500.00b
600.00
720.00
マネーロンダリング対策制度の強化(第 2 期)
700.00
法律・経済運営・公共政策
保健・栄養・社会的保護
法律・経済運営・公共政策
金融
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
3,920.00
サモア
慣習地の経済的利用の促進
国家教員育成フレームワーク
小計
300.00b
350.00
法律・経済運営・公共政策
教育
650.00
a 英国政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
b JSF から供与される。
c この金額のうち 59 万 5,000 ドルは JSF から、55 万 7,000 ドルはオランダ政府から、9 万ドルは CFWS から供与され、ADB が実施機関として行動
する。
d この金額のうち 10 万ドルは TASF から、 80 万ドルは PRF から、 366 万 5,000 ドルはカナダ政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
e 域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金(RTFSI)から供与される。
160
続き
プロジェクト
準備
助言・実施
セクター
ソロモン諸島
495.00
600.00a
島間運輸改革の実施
企業法改革支援
統
計
付
録
運輸・通信
法律・経済運営・公共政策
1,095.00
小計
スリランカ
中小企業セクター開発プログラム(第 2 期)
教育セクター開発プログラム
550.00b
700.00
教育
500.00c
6.50
120.00
500.00
400.00
336.00
スリランカ津波復興ニーズ・アセスメントおよび緊急支援実施戦略の策定
紛争影響地域のニーズ・アセスメント(追加)
技術教育の強化
地方政府のインフラ資金調達の強化
道路開発局環境・社会部の能力開発
南部交通網開発プロジェクトの再定住活動の独立・外部モニタリング
小計
鉱工業・貿易
1,250.00
マルチセクター
マルチセクター
教育
マルチセクター
運輸・通信
運輸・通信
1,862.50
タジキスタン
電力修復(第 2 期)
農村開発
税務管理の近代化およびガバナンスの強化
500.00b
850.00d
500.00
農業・天然資源
法律・経済運営・公共政策
650.00e
700.00f
800.00c
援助調整およびポートフォリオ管理の改善(追加)
地方政府の財務能力の開発
債務解消のための農場分析および意識向上
小計
エネルギー
1,850.00
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
2,150.00
タイ
670.00
150.00g
150.00g
300.00h
1,700.00g
地方行政単位のための商業的資金調達
津波被害を受けたアンダマン地域の開発計画策定
津波復興活動および沿岸圏管理の支援
マネーロンダリングおよびテロ資金調達の防止に関する国際協力の促進
津波被害を受けたアンダマン地域の準地域開発計画
法律・経済運営・公共政策
マルチセクター
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
法律・経済運営・公共政策
公害税の徴収および環境・天然資源セクターへの資源動員のための
能力開発(第 2 期)
225.00
150.00
タイ公的債務管理局に対するインフラ投資助言支援
農業・天然資源
マルチセクター
3,345.00
小計
東ティモール
都市部上下水道
600.00b
上下水道・廃棄物管理
600.00
インフラ・セクターの能力開発
小計
600.00
総合的都市開発
700.00b
小計
700.00
マルチセクター
600.00
トンガ
a
b
c
d
e
f
g
h
上下水道・廃棄物管理
この金額のうち 40 万ドルは TASF から、 20 万ドルはオーストラリア政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
JSF から供与される。
PRF から供与される。
この金額のうち 70 万ドルは TASF から、 15 万ドルは PRF から供与される。
英国政府が資金を供与し、 ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 20 万ドルは TASF から、 50 万ドルはガバナンス協力基金(GCF)から供与される。
アジア津波基金(ATF)から供与される。
RTFSI から供与される。
161
続き
プロジェクト
準備
統
計
付
録
助言・実施
セクター
ウズベキスタン
300.00a
600.00
農村部の再生可能エネルギー開発
民間農場およびアグリビジネスのための市場インフラ開発
エネルギー
農業・天然資源
400.00b
600.00b
400.00b
金融セクターのインフラ開発
運輸セクター戦略(2006 ∼ 2020 年)
基礎教育における投資および改革の効果的な管理
900.00
小計
金融
運輸・通信
教育
1,400.00
ベトナム
貧困削減支援クレジット第 4 期に概要が示される
貧困削減プログラム第 2 期の実施支援
昆明∼ハイフォン運輸回廊(追加)
ソンブン 4 水力発電(第 2 期)
金融セクター開発プログラム(第 3 期)
150.00
350.00b
1,575.00c
900.00b
法律・経済運営・公共政策
運輸・通信
エネルギー
金融
500.00d
600.00e
400.00f
700.00b
250.00g
水資源管理のための能力開発(追加)
戦略的中等教育計画および協力
貧困削減および成長の成果重視型モニタリング
農業科学および技術管理の強化
マイクロファイナンスの規制・監督フレームワークの実施
農業・天然資源
教育
法律・経済運営・公共政策
農業・天然資源
金融
持続可能な貧困削減・成長プログラムに関するトゥアティエン・
フエ省およびクアンチ省の支援
ムオンドゥオン火力発電
貧困削減および成長パフォーマンスの改善に向けたダクノン省の能力開発
貧困層を重視した保健政策の支援(追加)
発電プロジェクトの悪影響を受ける人々のための利益共有メカニズムの開発
ソンラ生計・再定住計画の実施に関する地元利害関係者の組織能力強化
高速道路網開発計画
ソンラ水力発電プロジェクトの環境管理計画の実施
水力発電セクターの戦略的環境アセスメントに関する能力開発
ホーチミン市における大気汚染、貧困および健康への影響
マネーロンダリング対策法令の実施支援
小計
合計
a
b
c
d
e
f
g
h
i
900.00h
550.00
650.00i
50.00g
150.00g
1,000.00g
1,150.00
800.00a
475.00a
600.00g
500.00b
2,975.00
9,275.00
43,005.00
85,850.21
法律・経済運営・公共政策
エネルギー
法律・経済運営・公共政策
保健・栄養・社会的保護
エネルギー
エネルギー
運輸・通信
エネルギー
エネルギー
健・栄養・社会的保護
マルチセクター
フィンランド政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
JSF から供与される。
この金額のうち 97 万 5,000 ドルは JSF から、 60 万ドルはフランス政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
デンマーク政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 30 万ドルは JSF から、 30 万ドルはデンマーク政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
MDRCF から供与される。
PRF から供与される。
NPRS から供与される。
この金額のうち 32 万 5,000 ドルは PRF から、 32 万 5,000 ドルは NPRS から供与される。
162
表 24
技術援助無償(セクター別)a(1967 年∼ 2005 年、 2004 年、 2005 年)
1967–2005b
件数
2004
金額(千ドル)
%
件数 金額(千ドル)
2005
%
件数
%
金額(千ドル)
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
保健・栄養・社会的保護
鉱工業・貿易
法律・経済運営・
公共政策
運輸・通信
上下水道・廃棄物管理
マルチセクター
1,051
274
470
421
166
260
493,445.32
131,058.72
212,634.05
194,300.72
76,125.90
106,305.00
22.45
5.96
9.67
8.84
3.46
4.84
46
17
25
18
12
14
27,184.00
8,275.00
15,080.00
10,275.00
4,670.00
7,750.00
17.79
5.42
9.87
6.73
3.06
5.07
38
10
23
20
8
3
21,165.90
9,330.00
14,420.00
11,052.81
3,685.00
1,550.00
16.43
7.24
11.19
8.58
2.86
1.20
868
588
240
297
415,024.55
273,980.45
101,483.45
193,457.62
18.88
12.47
4.62
8.80
56
28
17
16
28,626.50
14,890.00
9,070.00
26,948.00
18.74
9.75
5.94
17.64
49
28
12
29
26,116.00
17,124.00
5,110.00
19,301.50
20.27
13.29
3.97
14.98
合計 c
4,635
2,197,815.77
100.00
249
152,768.50
100.00
220 128,855.21 100.00
a 貸付による技術援助(貸付データに含まれる)および地域活動を除く。
b 累計データは各国政府によりキャンセルされた技術援助無償を除外するよう調整されている。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
表 25
2005 年中の貸付および無償による技術援助(セクター別)
(単位:百万ドル)
貸付
無償 a
合計
%
15.85
26.78
21.17
47.95
教育
5.66
9.33
14.99
4.96
エネルギー
8.65
14.42
23.07
7.63
3.65
農業・天然資源
金融
保健・栄養・社会的保護
鉱工業・貿易
–
11.05
11.05
2.63
3.69
6.32
2.09
–
1.55
1.55
0.51
1.70
26.12
27.82
9.20
運輸・通信
45.43
17.12
62.55
20.68
上下水道・廃棄物管理
26.92
5.11
32.03
10.59
マルチセクター
55.84
19.30
75.14
24.84
173.61
128.86
302.47
100.00
法律・経済運営・公共政策
合計
a 地域技術援助無償を除く。
163
統
計
付
録
表 26
2005 年中の地域技術援助
金額(単位:千ドル)
会議
統
計
付
録
援助効果実現のための調和化と連携に関する第 2 回ハイレベル・フォーラムの準備に向けた
地域ワークショップ(追加)
津波被災国に対する復興・再建支援に関するハイレベル調整会合
第 2 回 GMS 首脳会議のための環境準備会議
労働者送金と貧困削減に関する米州開発銀行および国連開発計画との共同会議
第 15 回租税会議
エネルギー効率イニシアティブ協議ワークショップ
中央アジア地域経済協力(CAREC)加盟国電気規制者フォーラムの設立
国際会議「アジア 2015 :貧困の終焉?」
競争法と競争政策に関する円卓会議
小計
41.93a
150.00
90.00
150.00
150.00b
150.00
500.00
150.00
100.00
1,481.93
研究
貧困層のための市場機能改善(追加)
太平洋地域ガバナンス戦略の策定
太平洋地域における貧困層重視政策の策定
アジアにおける大気汚染管理の向上(追加)
基礎教育における情報通信技術に関する準地域協力
南アジアにおけるコメの節水栽培技術の開発と普及
アジアにおける都市管理
域内知識ハブの確立
小計
443.60c
17.22d
1,850.00e
390.00f
600.00
1,000.00
980.00
990.00
6,270.82
調査
南アジア準地域経済協力情報通信技術開発マスタープラン
環境法令の遵守および施行に関する域内ネットワーク
大メコン河流域圏南部沿岸回廊
都市セクターの戦略および業務に関する特別評価調査
太平洋地域における HIV /エイズの社会経済的影響
450.00
250.00g
1,000.00b
150.00
300.00
GMS の少数民族の持続可能な生計保護および天然資源管理のための
新たな政策パラダイムの開発:政策およびそのインパクト、変化をもたらす戦略の調査
ASEAN+3 地域複数通貨建て債券
中央アジアにおける地方金融(追加)
2005 年の特定評価調査に対する技術援助
大メコン河流域圏内の感染症対策(追加)
公共部門会計監査に関する国際ガイドラインの策定
GMS:カンボジアの鉄道修復
150.00h
400.00b
50.00i
1,250.00
250.00j
235.00
625.00b
a この金額のうち 3 万 2,505 ドルは日本政府が、 9,426 ドルは欧州復興開発銀行(EBRD)が資金を供与し、 ADB が実施機関として行動する。
b 日本特別基金(JSF)から供与される。
c この金額のうち 38 万 5,000 ドルは貧困削減協力基金(PRF)から、5 万 8,600 ドルはオーストラリア政府から供与され、ADB が実施機関として行動
d
e
f
g
h
i
j
する。
米国内務省(USDOI)が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 92 万 5,000 ドルは PRF から、 92 万 5,000 ドルはオーストラリア政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
民間セクターの拠出金により資金を賄う。
ガバナンス協力基金(GCF)から供与される。
国家貧困削減戦略協力基金(NPRS)から供与される。
デンマーク政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
ベルギー政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
164
続き
金額(単位:千ドル)
GMS における地域経済統合の貧困に対する影響評価(追加)
太平洋島嶼国における人口統計・保健調査
道路事故の社会経済的影響
GMS におけるビジネス環境の改善
アジア太平洋地域の教育における革新的情報通信技術、およびそれが貧困削減に貢献する可能性
GMS:持続可能な観光開発プロジェクトの準備
東アジア・南アジア間の経済協力に関する調査
大災害に対する保険メカニズムの開発
中央アジア地域経済協力加盟国間の運輸協力の促進(第 1 期)
東南アジア株式市場間の協力強化支援
小計
100.00a
1,000.00
925.00b
500.00c
800.00b
900.00
500.00
150.00b
650.00d
500.00
11,135.00
研修
ADF 資金のパフォーマンスに基づく配分に関する域内能力開発ワークショップ
大メコン河流域圏プノンペン開発管理計画(第 2 期)
貿易金融促進プログラムに参加している開発途上加盟国における国内銀行の能力開発
移行経済諸国における財務情報開示基準の強化
最高会計検査機関アジア地域機構加盟国の会計検査能力の強化
成果重視型のプロジェクト設計およびプロジェクト管理
インフラ・サービス提供の改善
太平洋教育戦略:技能開発の実施
開発成果マネジメントに関する実務コミュニティ(CoP-MfDR)の準備および試行
2006 年公共政策研修プログラム
特定の ASEAN+3 諸国における経済・金融モニタリングの強化
特定の開発途上加盟国における購買力平価統計の強化と収集(追加)
太平洋金融技術支援センター(2005 ∼ 2008 年)
ADB ・米州開発銀行提携協定に対する支援
環境問題および社会的問題への対応に関する民間金融機関の能力開発
博鰲(ボアオ)アジア・フォーラム 2006 に対する支援
リーダーシップ強化および昇進プログラム(追加)
貧困層を重視したガバナンス能力および知識の開発
小計
400.00
3,573.00e
225.00
500.00
650.00d
850.00
800.00
975.00d
150.00
950.00f
600.00
670.00
800.00
75.00
150.00g
50.00
50.00h
875.00b
12,343.00
その他
GMS 貿易・投資促進行動計画の策定支援
中央アジア諸国土地管理イニシアティブ
少数民族のためのマラリア対策の強化
コミュニケーション戦略を通じた少数民族グループ内での HIV /エイズに対する脆弱性およびリスクの削減
女性および恵まれないグループの法的エンパワーメント
a
b
c
d
e
f
g
h
i
150.00
1,250.00i
750.00b
700.00b
550.00b
NPRS から供与される。
PRF から供与される。
この金額のうち 30 万ドルは技術援助特別基金(TASF)から、 20 万ドルは中国政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
JSF から供与される。
この金額のうち 80 万ドルは TASF から、 50 万ドルは地域協力・貧困削減基金(RCPF)から、192 万 3,000 ドルはフランス政府から、35 万ドルは
ニュージーランド政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
公共政策トレーニング日本基金(JFPPT)から供与される。
スイス政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
オーストラリア政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
この金額のうち 50 万ドルは TASF から、70 万ドルは地球環境ファシリティ(GEF)の無償資金、 5 万ドルはグローバル・メカニズム(GM)から供
与される。
j ベルギー政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
165
統
計
付
録
続き
金額(単位:千ドル)
ADB の都市同盟(Cities Alliance)への参加の継続
航空に関する立法および規制の見直し
GMS 経済協力プログラムの開発効果の改善
GMS 環境事業センターの設立
統計資源のポータル
小管水道ネットワークのパイロット・プロジェクトの実施
貧困層を重視した政策およびプロジェクトのためのナレッジ・マネジメントの促進
アジア太平洋地域の開発途上国における主要指標の改善
2006 年大シルクロード・イニシアティブ
2006 年アジア開発展望
アジア太平洋地域における MDGs 達成の支援(第 2 期)
国別セーフガード制度の強化
中央アジアにおける地域協力のための能力開発
大メコン河流域圏における中核環境プログラムおよび生物多様性保全回廊イニシアティブ
アジアにおける大気質管理の展開
統
計
付
録
アジア太平洋地域における環境投資の促進
南アジア準地域経済協力(第 3 期)
小計
合計
a
b
c
d
e
600.00
450.00a
2,500.00
150.00
140.00
400.00b
980.00c
140.00
985.00
340.00
325.00
800.00
400.00d
24,970.00e
655.00f
400.00g
1,000.00
38,635.00
69,865.75
域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金(RTFSI)から供与される。
この金額のうち 20 万ドルは TASF から、 20 万ドルはフランス政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
PRF から供与される。
RCPF から供与される。
この金額のうち 122 万ドルは TASF から、55 万ドルは PRF から、1,320 万ドルはオランダ政府から、1,000 万ドルはスウェーデン政府から供与され、
ADB が実施機関として行動する。
f フィンランド政府が資金を供与し ADB が実施機関として行動する。
g この金額のうち 20 万ドルは TASF から、 20 万ドルはフィンランド政府から供与され、 ADB が実施機関として行動する。
166
表 27
財源の純移転
(通常資本財源およびアジア開発基金)a,b(2003 ∼ 2005 年)
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
2003
OCR
2004
–
–
20.19
1.65
–
89.61
33.51
–
93.38
(0.07)
–
0.49
(0.14)
(0.06)
–
(1,977.89)
–
0.92
–
–
4.11
–
2005
544.64
–
8.30
–
ADF
2004
2005
54.54
–
47.69
40.48
–
(70.07)
20.66
0.50
(12.21)
3.34
68.40
–
5.35
70.87
–
10.48
76.73
–
(0.02)
–
–
1.14
–
–
0.53
–
–
2003
インド
インドネシア
カザフスタン
(1,197.14)
(432.15)
(19.73)
(1,036.01)
(282.67)
(85.67)
457.20
105.23
(153.38)
–
30.08
0.16
–
28.93
0.22
–
37.58
(0.47)
キリバス
韓国
キルギス
–
(2,122.84)
–
–
(66.84)
–
–
(1,756.33)
–
2.27
–
22.18
2.32
–
50.36
1.36
–
25.10
–
(69.04)
–
–
(59.48)
–
25.07
(52.99)
–
40.53
–
3.91
31.00
–
0.94
47.78
–
3.66
0.22
–
–
(0.34)
–
6.00
(0.21)
–
(0.57)
3.98
2.42
34.52
0.74
0.63
32.54
(0.05)
1.24
21.13
(1.44)
–
(6.08)
–
–
(6.01)
–
–
(5.71)
–
–
(0.43)
–
–
(17.34)
–
–
2.92
10.86
(13.09)
(54.82)
(922.29)
(14.57)
(194.47)
150.45
(4.78)
(89.81)
(14.18)
(4.63)
(17.43)
59.31
(0.10)
(24.07)
92.46
(4.75)
(29.13)
(0.81)
–
(2.98)
(0.17)
–
(0.71)
(0.35)
–
1.16
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
–
–
–
–
–
–
–
–
–
スリランカ
台湾
タジキスタン
36.37
–
–
36.64
–
–
21.16
–
–
タイ
東ティモール
トンガ
(223.22)
–
–
(98.67)
–
–
(390.98)
–
–
(3.56)
–
5.02
(3.55)
–
(1.26)
(3.44)
–
(1.37)
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
–
–
29.01
–
–
68.39
–
–
69.70
–
0.09
3.22
–
0.01
2.43
–
0.06
(0.21)
バヌアツ
ベトナム
域内
–
60.62
(2.58)
–
6.79
(6.32)
–
(13.39)
(27.65)
(5,961.86)
(2,559.73)
(987.32)
合計 c
129.37
–
14.24
79.66
–
19.00
(0.84)
219.69
–
(0.92)
160.80
–
640.76
468.54
101.54
–
25.22
(0.93)
195.02
612.24
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
( )マイナス
a OCR 財源の純移転額は、貸付実行額から元本返済/期限前返済および受取り済みの利子/手数料を差し引いた金額として定義される。民間セクターへ
の貸付および純出資を含む。
b ADF 財源の純移転額は、貸付実行額から元本返済および受取り済みの利子/手数料を差し引いた金額として定義される。民間セクターへの貸付を含む。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
167
統
計
付
録
表 28
財源の純移転
(通常資本財源とアジア開発基金の合計)a (1996 ∼ 2005 年)
(単位:百万ドル)
統
計
付
録
1996 ∼ 2000 年
平均
2001
2002
2003
2004
2005
54.54
–
67.88
42.13
–
19.54
54.17
0.50
81.17
アフガニスタン
アゼルバイジャン
バングラデシュ
–
–
166.07
–
–
104.33
82.99
–
71.96
ブータン
カンボジア
中国
3.84
28.81
456.64
5.57
46.42
555.26
12.71
76.40
(246.41)
3.28
68.40
(1,977.89)
5.28
70.87
0.49
10.34
76.73
544.64
1.14
4.11
–
0.53
8.30
–
1.67
(4.39)
–
0.21
(2.74)
–
(0.33)
(2.98)
–
(0.02)
0.92
–
インド
インドネシア
カザフスタン
203.37
(4.67)
41.04
(218.21)
(44.26)
(15.10)
(122.96)
115.78
(26.50)
(1,197.14)
(402.07)
(19.57)
(1,036.01)
(253.74)
(85.45)
457.20
142.80
(153.85)
キリバス
韓国
キルギス
0.12
538.17
43.20
1.32
(268.83)
55.83
0.72
(136.36)
24.17
2.27
(2,122.84)
22.18
2.32
(66.84)
50.36
1.36
(1,756.33)
25.10
ラオス
マレーシア
モルジブ
60.32
(33.27)
1.76
34.61
(49.30)
2.16
37.65
(49.42)
5.59
40.53
(69.04)
3.91
31.00
(59.48)
0.94
72.84
(52.99)
3.66
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
6.76
5.29
40.65
7.87
2.25
27.46
7.59
1.08
22.67
4.20
2.42
34.52
0.40
0.63
38.54
(0.26)
1.24
20.56
ミャンマー
ナウル
ネパール
(6.85)
0.44
70.98
–
(0.07)
25.56
–
–
(9.26)
(1.44)
–
(6.51)
–
–
(23.35)
–
–
(2.79)
98.27
(5.81)
(117.78)
72.61
13.29
(80.57)
58.21
(16.95)
(196.71)
(3.32)
(17.72)
(72.25)
(862.98)
(14.67)
(218.54)
242.91
(9.52)
(118.94)
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
(0.84)
–
2.26
1.61
–
(0.80)
(1.22)
–
–
(0.81)
–
(2.98)
(0.17)
–
(0.71)
(0.35)
–
1.16
スリランカ
台湾
タジキスタン
81.48
–
4.40
65.03
–
2.75
タイ
東ティモール
トンガ
89.37
–
2.39
(72.05)
–
(0.61)
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
–
0.56
14.82
–
1.14
30.47
5.39
143.05
11.03
2.13
161.54
(2.54)
クック諸島
フィジー
香港
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
バヌアツ
ベトナム
域内
合計 b
1,948.55
464.32
125.26
–
13.81
165.74
–
14.24
116.30
–
19.00
122.70
–
25.22
(226.78)
–
5.02
(102.22)
–
(1.26)
(394.42)
–
(1.37)
–
(0.04)
16.35
–
0.09
32.23
–
0.01
70.82
–
0.06
69.49
(0.24)
223.03
(8.23)
(0.84)
280.31
(2.58)
(0.92)
167.59
(6.32)
(0.93)
181.62
(27.65)
(1,379.92)
(5,321.09)
(2,091.18)
(375.08)
(1,462.42)
–
4.14
– 該当データなし
( )マイナス
a 財源の純移転額は、貸付実行額から元本返済/期限前返済および受取り済みの利子/手数料を差し引いた金額として定義される。民間セクターへの貸付
および純出資を含む。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
168
財源
表 29
アジア開発基金(ADF)の財源および融資約定枠
ADF 拠出財源
(単位:百万ドル、 2005 年 12 月 31 日現在)
2005 年中の増減
2004 年 12 月 31 日
現在評価額
(ドル換算)
オーストラリア
オーストリア
ベルギー
カナダ
中国
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インドネシア
イタリア
日本
韓国
ルクセンブルク
マレーシア
ナウル
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
ポルトガル
シンガポール
スペイン
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
TOTALb
追加
(ドル換算)
為替レート
調整
(ドル換算)
2005 年 12 月 31 日
純増減額
(ドル換算)
現在評価額
(ドル換算) (SDR 換算 a)
1,270.23
223.64
202.15
1,471.93
0.00
224.30
123.98
1,162.14
1,723.97
36.55
14.96
778.15
12,697.80
154.37
21.31
6.71
1.93
671.64
100.28
177.68
69.72
4.12
263.28
277.05
372.25
43.03
5.18
104.14
954.55
3,135.59
52.74
6.52
–
40.44
7.00
6.80
4.18
–
45.41
4.48
–
–
285.15
30.01
20.65
1.17
–
24.15
6.27
7.84
–
0.95
50.37
10.34
10.33
4.48
0.73
1.29
–
99.20
(79.77)
(29.40)
(26.41)
56.84
–
(29.89)
(16.52)
(151.86)
(226.19)
–
–
(101.69)
(1,643.99)
4.51
(4.92)
0.04
–
(89.78)
(5.66)
(18.51)
(9.11)
(0.06)
(37.23)
(46.11)
(52.33)
–
(0.30)
–
(100.28)
–
(27.03)
(22.88)
(26.41)
97.28
7.00
(23.09)
(12.34)
(151.86)
(180.77)
4.48
–
(101.69)
(1,358.85)
34.52
15.73
1.21
–
(65.63)
0.61
(10.67)
(9.11)
0.89
13.14
(35.77)
(42.01)
4.47
0.43
1.29
(100.28)
99.20
1,243.20
200.76
175.74
1,569.21
7.00
201.21
111.64
1,010.28
1,543.21
41.03
14.96
676.46
11,338.94
188.89
37.04
7.92
1.93
606.00
100.89
167.02
60.61
5.01
276.42
241.28
330.23
47.50
5.61
105.43
854.27
3,234.79
869.81
140.46
122.96
1,097.91
4.90
140.78
78.11
706.85
1,079.72
28.71
10.47
473.29
7,933.38
132.16
25.92
5.54
1.35
423.99
70.59
116.86
42.41
3.51
193.40
168.81
231.05
33.23
3.93
73.76
597.70
2,263.25
26,292.60
720.50
(2608.63)
(1,888.13)
24,404.47
17,074.81
2004
2005
ADF 融資約定枠
(単位:百万ドル、 2005 年 12 月 31 日現在)
ADF VIII からの繰越金
ADF IX 拠出金
ADF VII および VIII 拠出金
OCR 純利益の移し替え
貸付の減額およびキャンセル分
拡大繰上融資約定枠
差引:貸付実行リスク引当金
合計 ADF 約定枠
差引:約定済み貸付および無償援助
約定済み条件付き貸付の繰越
将来の約定に利用可能な ADF 約定枠
–
a
b
c
d
e
f
g
3,464.19
350.00
495.20e
3,200.00
280.11
7,229.28f
6,383.90
720.93
124.45c
114.90c
497.60d
151.77
40.00
899.34
44.81
1,658.80g
1,619.03
39.77
該当データなし
2005 年 12 月 31 日現在の特別引出権(SDR)換算レート、 1SDR = 1.42927 ドルでの換算額。
小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年末時点の換算レートによる 8,039 万 SDR の米ドル換算額。
無償援助の金利免除分の資金として受領した拠出金は、拡大繰上融資約定枠の計算に含まれているので、ここでは除外している。
2003 年および 2004 年中に適用された特別な取り決めにより新規貸付の財源として直接利用できるようになった貸付の減額およびキャンセル分。
ADF VIII の期間中(2001 ∼ 04 年)に利用可能となった財源を含む。
ADF IX の期間中(2005 年 1 月 1 日∼)に利用可能となった財源を含む。
169
統
計
付
録
表 30
技術援助特別基金
(単位:千ドル換算額、 2005 年 12 月 31 日現在)
統
計
付
録
拠出金合計
支出額
2,484
159
47
2,484
159
47
ベルギー
カナダ
中国
1,394
3,346
1,600
1,394
3,346
1,600
デンマーク
フィンランド
フランス
1,963
237
1,697
1,963
237
1,697
ドイツ
香港
インド
3,315
100
2,958
3,315
100
2,958
250
774
47,710
250
774
47,710
韓国
マレーシア
ナウル
1,900
909
–
1,900
909
–
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
1,338
1,096
3,279
1,338
1,096
3,279
パキスタン
シンガポール
スペイン
1,666
1,100
190
1,596
1,100
190
スリランカ
スウェーデン
スイス
6
862
1,035
6
862
1,035
台湾
トルコ
英国
200
–
5,617
200
–
5,617
米国
1,500
1,500
88,732
88,662
368,475
255,443
直接任意拠出金
オーストラリア
オーストリア
バングラデシュ
インドネシア
イタリア
日本
小計
通常補充拠出金 a
アジア開発基金への移し替え
OCR 純利益からの分配 b
小計
合計
(3,472)
(3,472)
803,726
700,461
1,168,729
952,432
1,257,461
1,041,094
– 該当データなし、 ADF = アジア開発基金、 OCR = 通常資本財源
( )マイナス
a 総務会決議 182 号、214 号および 300 号により承認されたアジア開発基金および技術援助特別基金(TASF)の補充拠出金の TASF 部分(歴史的価値)
を示す。
b 1980 年以降の純利益および TASF への払い戻し金を示し、未実現投資保有利益(保有損)を含む。
170
表 31
日本特別基金−通常拠出および追加拠出
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
1988-1999a
2000
2001
2002
2003
2004
2005
合計
745.0
89.3
37.6
19.6
30.9
14.2
22.5
5.9
16.7
3.3
24.2
4.3
27.3
7.1
904.2
143.7
834.3
57.2
45.1
28.4
20.0
28.5
34.4
1,047.9
域内貿易・金融安全保障
イニシアティブ協力基金
への移し替え
支出
為替差益(差損)
外貨換算調整
–
604.6
(23.5)
(14.0)
–
60.8
(0.1)
1.5
–
65.9
(1.0)
–
–
35.9
(0.6)
–
–
39.6
(0.3)
–
(1.0)
19.7
1.2
–
–
33.4
(0.8)
–
(1.0)
859.9
(25.1)
(12.5)
純資産の増減
192.2
(2.2)
(21.8)
(8.1)
(19.9)
9.0
0.2
149.4
約定済み拠出金
収入
合計
– 該当データなし。
( )マイナス
a 1995 年の表示方式に準拠するために前年までの金額を再計算した。
表 32
日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
1999-2000
2001
2002
2003
2004
2005
Total
241.0a
0.4
–
0.3
–
1.4
–
0.7
–
0.5
–
1.1
241.0
4.4
合計
貧困削減日本基金への移し替え
利払い支援金の戻し入れ
支出
為替差益(差損)
外貨換算調整
241.4
–
–
105.3
–
0.9
0.3
–
–
8.8
(0.2)
(28.4)
1.4
(90.0)
33.2
16.2
(1.5)
1.2
0.7
–
–
1.2
–
–
0.5
–
–
(0.9)
–
–
1.1
–
–
(0.8)
–
–
245.4
(90.0)
33.2
129.8
(1.7)
(26.3)
純資産の増減
137.0
(37.1)
(71.9)
(0.5)
1.4
1.9
30.8
約定済み拠出金
収入
– 該当データなし。
( )マイナス
a 保証ファシリティは ACCSF の下で供与される。日本政府は ACCSF のために、ADB が保証請求に応じるためにいつでも現金化できる 3,600 億円の
無利子・譲渡不能約束手形を提供した。しかし、契約成立する保証が存在しなかったため、この手形は 2002 年 3 月 25 日に日本政府へ返還された。
171
統
計
付
録
表 33
2005 年中の貧困削減日本基金
単位:千ドル
統
計
付
録
アゼルバイジャン
マハッラ(村落共同体)ビジネス開発
1,500
バングラデシュ
ジャムナ川・メグナ川氾濫原の浸食被害を受ける貧困層のための社会開発
790
ブータン
道路作業員の福利向上
500
カンボジア
恵まれないコミュニティにおける小学校へのアクセスの改善
トンレサップ湖の貧しい水上集落の社会インフラおよび生計活動へのアクセスの改善
女性開発センター
1,870
1,000
1,800
インドネシア
食物の栄養強化を通じた都市部貧困層の生活水準の向上
ナングル・アチェ・ダルサラム特別州の沿岸コミュニティのための持続可能な生計の開発
ナングル・アチェ・ダルサラム特別州の珊瑚礁およびマングローブ資源の回復
ナングル・アチェ・ダルサラム州および北スマトラ州の家屋の耐震化
アチェ州における零細企業およびマイクロファイナンスの復興
1,750
2,500
1,500
2,000
2,000
ラオス
地方貧困層の生計改善のための持続可能な農林業制度
1,500
モルジブ
モルジブの津波被災農民の生計回復
1,000
モンゴル
妊産婦死亡率の削減
1,000
パキスタン
北西辺境州の貧困コミュニティに向けた道路改修便益の拡大
1,000
スリランカ
津波被害を受けた地方政府道路の土木工事および排水システムの修復
貧困層のための津波後の電気・ガス・水道接続
2,000
2,000
タジキスタン
コミュニティ・ベースの地方道路維持管理
ベトナム
山間部諸県におけるコミュニティ・ベースの農業指導および訓練
合計
1,800
900
28,410
表 34
2005 年中の情報通信技術日本基金
単位:千ドル
インドネシア
地方政府のパフォーマンス計測システムに関する支援
730
フィリピン
フィリピン企業登記簿の整備
700
域内
南アジア準地域経済協力プログラムの下でのコミュニティ・E- センターを通じた農村部のエンパワーメント
合計
172
1,000
2,430
表 35
2005 年中のテーマ別基金によるプロジェクト
単位:千ドル
国家貧困削減戦略協力基金
アゼルバイジャン
ミレニアム開発目標達成のための参加型戦略の策定および実施
ラオス
国家成長・貧困撲滅戦略のための公共支出計画
モルジブ
成果重視型の第 7 次国家開発計画の策定
ベトナム
持続可能な貧困削減・成長プログラムに関するトゥアティエン・フエ省およびクアンチ省の支援
貧困削減および成長パフォーマンスの改善に向けたダクノン省の能力開発
域内
GMS の少数民族における持続可能な生計保護および天然資源管理のための新たな政策パラダイムの開発:
政策およびそのインパクト、変化のための戦略の調査
GMS 地域経済統合の貧困に対する影響評価(追加)
小計
水資源セクター協力基金
中国
貴陽総合水資源管理
南京水道公社の市場からの長期資本調達
洪水制御戦略調査(追加)
インド
北東部都市開発(第 2 期)
モルジブ
津波災害後の健全な環境管理の促進
パキスタン
パンジャブ州灌漑農業開発セクター
小計
開発成果マネジメント協力基金
ラオス
国家成長・貧困撲滅戦略の開発成果モニタリングのための能力開発
ベトナム
貧困削減および成長の成果重視型モニタリング
小計
域内貿易・金融安全保障イニシアティブ協力基金
フィリピン
マネーロンダリング対策制度の強化(第 2 期)
タイ
マネーロンダリングおよびテロ資金調達の防止に関する国際協力の促進
域内
航空に関する立法および規制の見直し
小計
地球環境ファシリティ
中国
寧夏・銀川の総合的生態系管理
域内
中央アジア諸国土地管理イニシアティブ
小計
ガバナンス協力基金
タジキスタン
地方政府の財務能力の開発
域内
環境法令の遵守および施行に関する域内ネットワーク
小計
統
計
付
録
650.0
700.0
377.0
900.0
325.0
150.0
100.0
3,202.0
160.0
110.0
49.6
160.0
400.0
90.0
969.6
150.0
400.0
550.0
400.0
300.0
450.0
1,150.0
350.0
700.0
1,050.0
500.0
250.0
750.0
GMS = 大メコン河流域圏
173
続き
単位:千ドル
統
計
付
録
貧困削減・地域協力中国基金
域内
GMS プノンペン開発管理計画(第 2 期)
GMS におけるビジネス環境の改善
中央アジアにおける地域協力のための能力開発
小計
貧困削減協力基金
バングラデシュ
都市部貧困層による地方自治体統治への参加
コマンド地域開発
カンボジア
カンボジア農村開発企業イニシアティブ
コミュニティの自立および洪水リスクの軽減
トンレサップの参加型貧困アセスメント(追加)
カンボジア農村部における預金サービスの開発
中国
山西省の炭坑地域における貧困削減
村落レベルの貧困削減に向けた NGO と政府の連携
遠隔地の農村貧困層向け代替エネルギー供給
石炭セクター再構築を促進するための代替的生計手段
都市貧困戦略調査(第 2 期)
ラオス
土地保有の統合、参加型天然資源管理および地方コミュニティの技能開発を通じた貧困削減(追加)
マーシャル諸島
改善された都市廃棄物管理のオーナーシップおよび有効需要の強化
モンゴル
都市開発および住宅建設
ネパール
教育セクター開発プログラム(第 1 期)
主流の農村開発における最も恵まれない集団への支援提供
パキスタン
ジェンダー改革行動計画の実施支援
スリランカ
スリランカ津波復興ニーズ・アセスメントおよび緊急支援実施戦略の策定
タジキスタン
農村開発
債務解消のための農場分析および意識向上
ベトナム
マイクロファイナンスの規制・監督フレームワークの実施
貧困層を重視した保健政策の支援(追加)
貧困削減および成長パフォーマンスの改善に向けたダクノン省の能力開発
発電プロジェクトの悪影響を受ける人々のための利益共有メカニズムの開発
ソンラ生計・再定住計画の実施に関する地元利害関係者の組織能力強化
ホーチミン市における大気汚染、貧困および健康への影響
域内
少数民族のためのマラリア対策の強化
コミュニケーション戦略を通じた少数民族グループ内での HIV /エイズに対する脆弱性およびリスクの削減
太平洋地域における貧困層を重視した政策の強化
女性および恵まれないグループの法的エンパワーメント
道路事故の社会経済的影響
貧困層のための市場機能改善(追加)
貧困層を重視した政策およびプロジェクトのためのナレッジ・マネジメントの促進
アジア太平洋地域の教育における革新的情報通信技術、およびそれが貧困削減に貢献する可能性
大災害に対する保険メカニズムの開発
大メコン河流域圏における中核環境プログラムおよび生物多様性保全回廊イニシアティブ
貧困層を重視したガバナンス能力および知識の開発
小計
合計
GMS = 大メコン河流域圏、 NGO = 非政府組織、 HIV /エイズ = ヒト免疫不全ウィルス/後天性免疫不全症候群
174
500.0
200.0
400.0
1,100.0
480.0
350.0
150.0
500.0
100.0
600.0
500.0
1,000.0
500.0
300.0
300.0
124.3
300.0
250.0
150.0
685.0
800.0
500.0
150.0
800.0
250.0
50.0
325.0
150.0
1,000.0
600.0
750.0
700.0
925.0
550.0
925.0
385.0
980.0
800.0
150.0
550.0
875.0
18,504.3
27,275.9
付録
176
177
177
178
180
181
181
182
183
184
付録 1: 加盟国、資本金および議決権
付録 2: 2005 年中に採択された総務会決議
付録 3: 2005 年中に理事会が考慮した政策、財務書類および運営書類(抜粋)
付録 4: 総務会
付
録
付録 5: 理事会および議決グループ
付録 6: 理事会委員会
付録 7: ADB 研究所諮問委員会
付録 8: 組織図
付録 9: 歴代の ADB 総裁および副総裁
付録 10: 2006 年予算の概要
略語一覧
ADB
ADF
ASEAN
DMC
GDP
GMS
HIV /エイズ
MDG
NGO
OCR
SARS
km
アジア開発銀行
アジア開発基金
東南アジア連合
開発途上加盟国
国内総生産
大メコン河流域圏
ヒト免疫不全ウィルス/後天性免疫不全症候群
ミレニアム開発目標
非政府組織
通常資本財源
重症急性呼吸器症候群
キロメートル
175
付録 1
加盟国、資本金および議決権
(2005年12月31日現在)
加盟年
応募済資本a
議決権b
加盟年
(構成比%) (構成比%)
アフガニスタン
オーストラリア
アゼルバイジャン
付
録
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー
香港
インド
インドネシア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
ニュージーランド
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
トゥヴァル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
域内小計
176
議決権b
(構成比%) (構成比%)
域外
域内
アルメニア
応募済資本a
1966
2005
1966
1999
1973
1982
1966
1986
1976
1970
1969
1966
1966
1966
1994
1974
1966
1994
1966
1966
1978
1990
1990
1991
1973
1991
1966
1966
1966
2003
1971
1966
1966
1966
1973
1966
1966
1998
1966
2002
1972
2000
1993
1995
1981
1966
0.034
0.301
5.834
0.448
1.029
0.006
0.050
6.496
0.003
0.069
0.549
6.383
5.490
15.734
0.813
0.004
5.079
0.302
0.014
2.745
0.004
0.003
0.004
0.015
0.549
0.004
0.148
1.548
2.196
0.003
0.095
2.402
0.003
0.343
0.007
0.585
1.098
0.289
1.373
0.010
0.004
0.255
0.001
0.679
0.007
0.344
0.340
0.553
4.979
0.671
1.136
0.317
0.352
5.510
0.315
0.367
0.752
5.419
4.705
12.900
0.963
0.316
4.375
0.554
0.324
2.509
0.316
0.315
0.316
0.325
0.752
0.316
0.431
1.551
2.069
0.315
0.388
2.234
0.315
0.587
0.318
0.780
1.191
0.543
1.411
0.320
0.316
0.517
0.314
0.856
0.318
0.588
63.351
65.056
オーストリア
ベルギー
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
イタリア
ルクセンブルク
オランダ
ノルウェー
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
スイス
トルコ
英国
米国
域外小計
合計
1966
1966
1966
1966
1966
1970
1966
1966
2003
1966
1966
2002
1986
1966
1967
1991
1966
1966
0.343
0.343
5.274
0.343
0.343
2.347
4.361
1.822
0.343
1.034
0.343
0.343
0.343
0.343
0.588
0.343
2.059
15.734
0.587
0.587
4.531
0.587
0.587
2.190
3.802
1.770
0.587
1.140
0.587
0.587
0.587
0.587
0.783
0.587
1.960
12.900
36.649
34.944
100.000
100.000
注: 小数点以下の処理により合計が一致しないことがある。
a 応募済資本とは、ADBの資本に対する加盟国の応募済持ち分をいう。
b 各加盟国の総議決権は、基本議決権と比例議決権からなる。各加盟国の
基本議決権数は、全加盟国の基本議決権と比例議決権の合計の20%を全
加盟国で均等に配分した議決権数である。各加盟国の比例議決権数は、
当該加盟国が保有するADBの株式の数と同じである。
付録 2
2005 年中に採択された総務会決議
決議番号
303
304
305
306
307
308
309
310
311
312
件名
付則第 5 項に関する決定
付則第 7 項(B)(a) の修正
OCR 剰余金のアジア津波基金への移し替え
第 40 回年次会合(2007 年)の開催地および開催日
財務諸表および外部監査機関の報告書
純利益の分配
理事選出手続
通常資本財源剰余金のパキスタン地震基金への移し替え
ADF 財源の他通貨への転換
パラオの開発状況
採択日
2005 年 1 月 21 日
2005 年 1 月 21 日
2005 年 3 月 4 日
2005 年 5 月 5 日
2005 年 5 月 6 日
2005 年 5 月 6 日
2005 年 5 月 26 日
2005 年 11 月 25 日
2005 年 11 月 28 日
2005 年 12 月 16 日
付録 3
2005 年中に理事会が考慮した政策、財務書類および運営書類(抜粋)
件名
水資源政策の改訂案
アジア開発基金規則の改訂案および特別業務無償規則の採択
日付
2005 年 1 月 28 日
2005 年 2 月 7 日
アジア津波基金
2005 年 2 月 17 日
貸付手数料の見直しおよび 2004 年純利益の配分
2005 年 4 月 12 日
情報公開政策
2005 年 4 月 22 日
拡大離職プログラム
2005 年 5 月 19 日
業務の有効性強化を目的とする組織改編
2005 年 5 月 19 日
現地通貨建て貸付
2005 年 6 月 15 日
理事会討議の議長要約および議事録ならびに業務評価局報告書に関する情報公開政策の開示規定の実施
2005 年 7 月 12 日
ADF 無償プロジェクトに略式手続を適用する際の適格性
2005 年 8 月 10 日
アジア開発銀行およびその借入人によるコンサルタントの利用に関する政策と手続
2005 年 8 月 19 日
アジア開発銀行の融資における費用分担と支出適格:新しいアプローチ
2005 年 8 月 25 日
現地通貨建て貸付商品の導入
2005 年 8 月 25 日
試験的融資商品および融資態様
2005 年 8 月 25 日
調達ガイドラインの改訂
2005 年 9 月 20 日
業務計画と予算枠組み(2006 ∼ 2008 年)
2005 年 10 月 11 日
特別資本予算案−事業継続性施設
2005 年 10 月 13 日
財務報告および取引に使用する為替レートに関する会計政策の見直し
2005 年 10 月 13 日
公共政策トレーニング日本基金実施協定の変更
2005 年 10 月 14 日
略式手続の改訂
2005 年 10 月 14 日
アジア開発基金通貨管理案
2005 年 10 月 27 日
専門職員の報酬および手当の包括的見直し
2005 年 11 月 3 日
パキスタン地震基金
2005 年 11 月 14 日
アジア津波基金実施協定の変更案ならびにアジア津波基金未使用額および
通常資本財源剰余金のパキスタン地震基金への移し替え
2005 年 11 月 14 日
追加融資政策の見直し:問題点と拡大するニーズへの対応
2005 年 11 月 28 日
2006 年借入プログラム
2005 年 12 月 6 日
アジア開発銀行の 2006 年予算
2005 年 12 月 16 日
アジア開発基金規則および特別業務貸付規則の改訂案
2005 年 12 月 19 日
177
付
録
付録 4
総務会
(2006 年 3 月 31 日現在)
P. Chidambaram
(インド)
(議長)
付
録
Elbuchel Sadang
Jean-Louis Schiltz
(パラオ)
(副議長)
(ルクセンブルク)
(副議長)
加盟国・地域
総務
総務代理
アフガニスタン
イタリア
Anwar Ul-Haq Ahady
Vardan Khachatryan1
Peter Costello
Karl-Heinz Grasser
Heydar Babayev4
M. Saifur Rahman
Didier Reynders
Lyonpo Wangdi Norbu
Keat Chhon
Peter MacKay5
Jin Renqing
Terepai Maoate6
Ole E. Moesby
Jone Yavala Kubuabola
Marjatta Rasi7
Thierry Breton
Karin Kortmann9
Henry Tang
P. Chidambaram
Sri Mulyani Indrawati11
Mario Draghi12
Wahidullah Shahrani
David Avetissian1
Teresa Gambaro2
Marcus Heinz3
Avaz Alekperov
Md. Ismail Zabihullah
Gino Alzetta
Daw Tenzin
Aun Porn Moniroth
Alister M. Smith
Li Yong
Kevin Carr
Sus Ulbæk
Savenaca Narube
Anneli Vuorinen8
Xavier Musca
Rolf Wenzel
Joseph Yam
A. K. Jha10
Burhanuddin Abdullah
Ignazio Angeloni13
日本
谷垣 禎一
アルメニア
オーストラリア
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
1
2
3
4
5
6
7
8
178
福井 俊彦
14
Natalya Artemovna Korzhova
Nabuti Mwemwenikarawa
Duck-Soo Han
Akylbek Japarov
Chansy Phosikham
Jean-Louis Schiltz
Dato’ Seri Abdullah Haji Ahmad Badawi
2005 年 12 月に任命。
2006 年 3 月に Bruce Wilson の後任に就任。
2005 年 3 月に Thomas Wieser の後任に就任。
2005 年 10 月に Farhad Aliyev の後任に就任。
2006 年 2 月に Pierre Pettigrew の後任に就任。
2005 年 8 月に Geoffrey Henry の後任に就任。
2005 年 9 月に Pertti Majanen の後任に就任。
2005 年 9 月に Taisto Huimasalo の後任に就任。
9
10
11
12
13
14
15
16
Marat Apsemetovich Kusainov15
Taneti Maamau
Seung Park
Sabyrbek A. Moldokulov
Phouphet Khamphounvong
Arsene Jacoby16
Dato’ Izzuddin bin Dali
2005 年 12 月に Uschi Eid の後任に就任。
2005 年 7 月に Rakesh Mohan の後任に就任。
2005 年 12 月に Jusuf Anwar の後任に就任。
2006 年 2 月に Antonio Fazio の後任に就任。
2005 年 6 月に Lorenzo Bini Smaghi の後任に就任。
2006 年 3 月に Arman Galiaskarovich Dunayev の後任に就任。
2006 年 3 月に Batyrkhan Arysbekovich Issayev の後任に就任。
2005 年 9 月に Georges Heinen の後任に就任。
続き
加盟国・地域
総務
モルジブ
Ismail Shafeeu
Riluwan Shareef
Brenson S. Wase
Amon Tibon
Nick L. Andon
Lorin Robert
N. Altankhuyag
Ochirbat Chuluunbat
Hla Tun
Daw Myo Nwe
David Adeang
Jonathon Kirkby17
18
Roop Jyoti
Bhanu Prasad Acharya
Gerrit Zalm
Agnes van Ardenne-van der Hoeven
Michael Cullen
John Whitehead
Anne Margareth Fagertun Stenhammer19 Nils Haugstveit
Omar Ayub Khan
Khalid Saeed20
Elbuchel Sadang
Marino Rechesengel
Bart Philemon
Simon Tosali
Margarito B. Teves21
Amando M. Tetangco, Jr.22
Fernando Teixeira dos Santos23
Carlos Costa Pina24
Misa Telefoni Retzlaff
Hinauri Petana
Raymond Lim Siang Keat
Lim Siong Guan
Peter Boyers
Shadrach Fanega
Pedro Solbes Mira
David Vergara Figueras
Mahinda Rajapaksa25
P. B. Jayasundara
Annika Soder
Anders Oljelund
Oscar Knapp
Adrian Schlaepfer
Fai-nan Perng
Shuh Chen
26
Matlubkhon S. Davlatov
Nagmatjon Kh. Buriev
Thanong Bidaya27
Suparut Kawatkul
Maria Madalena Brites Boavida
Aicha Bassarewan
Siosiua T.T. ‘Utoikamanu
Aisake Eke
28
Ali Babacan
Ibrahim H. Çakci29
30
(空席)
Geldymurat Abilov
Bikenibeu Paeniu
Aunese Makoi Simati31
Hilary Benn
Gareth Thomas
John W. Snow
Josette S. Shiner32
33
Saidakhmat Rakhimov
Ulugbek Rozukulov34
Willie Jimmy Tapangararua35
Simeon Athy
Le Duc Thuy
Phung Khac Ke
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
トゥヴァル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
2006 年 2 月に Peter Depta の後任に就任。
2005 年 12 月に Shumshere J.B. Rana の後任に就任。
2005 年 10 月に Leiv Lunde の後任に就任。
2005 年 6 月に Shuja Shah の後任に就任。
2005 年 7 月に Cesar V. Purisima の後任に就任。
2005 年 7 月に Rafael Buenaventura の後任に就任。
2005 年 7 月に Luis Campos e Cunha の後任に就任。
2005 年 7 月に Maria Dos Anjos Nunes Capote の後任に就任。
2005 年 12 月に Sarath Amunugama の後任に就任。
2006 年 3 月に F.S. Kholboboev の後任に就任。
総務代理
27
28
29
30
31
32
33
34
35
2005 年 8 月に Somkid Jatusripitak の後任に就任。
2006 年 3 月に Ibrahim H. Çanakci の後任に就任。
2006 年 3 月に Cavit Dagdas の後任に就任。
2006 年 3 月に任命。
2006 年 3 月に Seve Paeniu の後任に就任。
2005 年 10 月に任命。
2005 年 8 月に Rustam S. Azimov の後任に就任。
2005 年 8 月に Mamarizo Nurmuratov の後任に就任。
2005 年 11 月に Moana Carcasses Kalosil の後任に就任。
179
付
録
付録 5
理事会および議決グループ
(2006 年 1 月 20 日現在)
理事
付
録
理事代理
代表される加盟国・地域
Volker Ducklau1
David Taylor
オーストリア、ドイツ、ルクセンブルク、
トルコ、英国
Emile Gauvreau
Pasi Hellman2
カナダ、デンマーク、フィンランド、オランダ、
ノルウェー、スウェーデン
Sibtain Fazal Halim3
Marita Magpili-Jimenez4
カザフスタン、モルジブ、マーシャル諸島、
モンゴル、パキスタン、フィリピン、
東ティモール
Agus Haryanto
Richard Stanley
クック諸島、フィジー、インドネシア、
キルギス、ニュージーランド、サモア、
トンガ
Chol-Hwi Lee
Batir Mirbabayev
韓国、パプアニューギニア、スリランカ、台湾、
ウズベキスタン、バヌアツ、ベトナム
大村 雅基
水野 敦 5
日本
Niklaus Zingg
ベルギー、フランス、イタリア、ポルトガル、
スペイン、スイス
Ashok Saikia
Nima Wangdi7
アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、
インド、ラオス、タジキスタン
Stephen Sedgwick
Richard Moore
オーストラリア、アゼルバイジャン、
カンボジア、ミクロネシア連邦、香港、
キリバス、ナウル、パラオ、
ソロモン諸島、トゥヴァル
Paul W. Speltz
Paul W. Curry8
米国
Chaiyuth Sudthitanakorn
Sein Tin
マレーシア、ミャンマー、ネパール、
シンガポール、タイ
Xiaosong Zheng9
Xiaolong Mo10
中国
Patrick Pillon
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
180
6
2005 年 7 月 1 日に Rolf Eckermann の後任に就任。
2005 年 9 月 1 日に Geert Jan Engelsman の後任に就任。
2005 年 11 月 16 日に M. Akram Malik の後任に就任。
2005 年 7 月 1 日に M. Akram Malik の後任に就任。
2005 年 8 月 24 日に山西 雅一郎の後任に就任。
2005 年 10 月 1 日に Michele Miari Fulcis の後任に就任。
2005 年 6 月 1 日に M. Saiful Islam の後任に就任。
2006 年 1 月 20 日に Troy Wray の後任に就任。
2005 年 2 月 1 日に Ju Kuilin の後任に就任。
2005 年 2 月 1 日に Shaolin Yang の後任に就任。
付録 6
理事会委員会
(2006 年 1 月 23 日現在)
常任委員会
監査委員会
予算検討委員会
Patrick Pillon(委員長)
Ashok Saikia(委員長)
Paul Curry
Sibtain Fazal Halim
Pasi Hellman
Xiaolong Mo
Batir Mirbabayev
水野 敦
Paul W. Speltz
Richard Stanley
Chaiyuth Sudthitanakorn
付
録
大村 雅基
遵守状況審査委員会
開発効果委員会
Stephen Sedgwick(委員長)
Volker Ducklau
Chol-Hwi Lee
Marita Magpili-Jimenez
Sein Tin
Niklaus Zingg
Agus Haryanto (Chair)
Emile Gauvreau
Richard Moore
David Taylor
Nima Wangdi
Xiaosong Zheng
運営委員会
年次報告 2005 作業部会
David Taylor(委員長)
Pasi Hellman
Batir Mirbabayev
Xiaolong Mo
Sein Tin
Nima Wangdi
付録 7
ADB 研究所諮問委員会
(2005 年 12 月 31 日現在)
青木 昌彦
日本
William P. Fuller
米国
Eric Girardin
フランス
Li Yong
中国
Corattiyil Ramachandran
インド
Kanit Sangsubhan
タイ
Ifzal Ali
ADB チーフ・エコノミスト
ADB 研究所長
Peter McCawley
181
付録 8
組織図 1
(2006 年 3 月 31 日現在)
総務会
理事会
総裁
黒田 東彦
付
録
アジア開発銀行研究所
P. McCawley, 所長
監査部
事務総長
業務評価局 2
監察審査部 3
Y. Lee
B. Murray, 局長
R. Zelius, 部長
副総裁
(ナレッジ・マネジメント
および持続的開発担当)
副総裁
(業務 1 地域担当)
L. Jin
G. van der Linden
南アジア局
千賀 邦夫 , 局長
地域協力・持続的開発局
B. Lohani, 5 局長
副総裁(業務 2 地域担当)
C. Lawrence Greenwood, Jr.
東・中央アジア局
H.S. Rao, 局長
副総裁(財務・管理担当)
K. Pholsena
官房
J. Hovland, 官房長
P. Pedersen, 部長
経済調査局
戦略・政策局
坂井 和 , 局長
アフガニスタン駐在員事務所
B. Fawcett, 所長
I. Ali
アゼルバイジャン駐在員
事務所
M. Westfall, 所長
バングラデシュ駐在員事務所
H. Du, 所長
中国駐在員事務所
渋市 徹 , 所長
インド駐在員事務所
近藤 理 , 所長
カザフスタン駐在員事務所
S. Wermert7, 所長
ネパール駐在員事務所
S. Rahman, 所長
キルギス駐在員事務所
M.A. Malik, 所長
パキスタン駐在員事務所
P. Fedon, 所長
モンゴル駐在員事務所
(欠員) , 所長
スリランカ駐在員事務所
A. Pio, 所長
タジキスタン駐在員事務所
N. Jain, 所長
協調融資業務部
地域経済統合室
河合 正弘 , 4 室長
法務局
A. Mitchell, 局長
局長(チーフエコノミスト)
W. Liepach, 部長
特別案件促進部
予算人事局
宗永 健作 , 局長
総務部
A. Wasan, 部長
N. Samarasingha, 部長
会計局
リスク管理ユニット
Y. Shin, ユニット長
広報部
メコン局
R. Nag, 6 局長
J. Hiday, 部長
欧州代表事務所
P. Benedic, 所長
カンボジア駐在員事務所
S.P. Bajipai, 所長
ウズベキスタン駐在員事務所
S. O’ Sullivan, 所長
東南アジア局
(欠員) , 局長
ラオス駐在員事務所
J. Nugent, 所長
インドネシア駐在員事務所
E. Cua, 所長
タイ駐在員事務所
フィリピン国内事務所
T. Crouch, 所長
駐日代表事務所
W. Chung, 所長
J. Verbiest, 所長
北米代表事務所
T. Diaz, 所長
ベトナム駐在員事務所
小西 歩 , 7 所長
民間部門業務局
R. Bestani, 局長
1
2
3
4
5
6
7
経営陣および役員の一覧は、 www.adb.org/About/
management.asp. を参照。
業務評価局は、開発効果委員会を通じて理事会に報告を行う。
監察審査局は理事会に報告を行う。
地域経済統合に関する総裁特別顧問を兼務。
最高法令遵守執行責任者ならびにクリーン・エネルギーおよび環境
に関する総裁特別顧問を兼務。
地域経済協力および統合に関する総裁特別顧問を兼務。
着任時に発効。
太平洋局
P. Erquiaga, 局長
太平洋地域連絡事務所
N. Chakwin, 所長
南太平洋準地域事務所
S. Jarvenpaa, 所長
パプアニューギニア駐在員
事務所
S. van der Tak, 所長
東ティモール特別連絡事務所
C. Andrews, 所長
中央業務サービス部
P. Daltrop, 部長
182
P. Chiu, 局長
財務局
柏木 幹夫 , 局長
情報システム技術部
R. Dawson, 部長
付録 9
歴代の ADB 総裁および副総裁
(2006 年 1 月現在)
総裁
渡辺 武
1966 年 11 月 24 日∼ 1972 年 11 月 24 日
井上 四郎
1972 年 11 月 25 日∼ 1976 年 11 月 23 日
吉田太郎一
1976 年 11 月 24 日∼ 1981 年 11 月 23 日
藤岡眞佐夫
1981 年 11 月 24 日∼ 1989 年 11 月 23 日
垂水 公正
1989 年 11 月 24 日∼ 1993 年 11 月 23 日
佐藤 光夫
1993 年 11 月 24 日∼ 1999 年 1 月 15 日
千野 忠男
1999 年 1 月 16 日∼ 2005 年 1 月 31 日
付
録
副総裁
C. S. Krishna Moorthi
1966 年 12 月 19 日∼ 1978 年 3 月 31 日
A. T. Bambawale
1978 年 4 月 1 日∼ 1985 年 10 月 28 日
M. Narasimham
1985 年 11 月 1 日∼ 1988 年 7 月 31 日
S. Stanley Katz
1978 年 4 月 1 日∼ 1990 年 9 月 28 日
In Yong Chung
1988 年 8 月 1 日∼ 1993 年 7 月 31 日
William R. Thomson
1990 年 10 月 1 日∼ 1994 年 6 月 30 日
Günther G. Schulz
1983 年 4 月 1 日∼ 1995 年 6 月 30 日
Bong-Suh Lee
1993 年 8 月 1 日∼ 1998 年 7 月 31 日
Pierre Uhel
1995 年 7 月 1 日∼ 1998 年 11 月 24 日
Peter H. Sullivan
1994 年 7 月 6 日∼ 2000 年 9 月 20 日
Myoung-Ho Shin
1998 年 8 月 1 日∼ 2003 年 7 月 31 日
John Lintjer
1999 年 1 月 18 日∼ 2004 年 1 月 16 日
Joseph B. Eichenberger
2000 年 12 月 15 日∼ 2005 年 12 月 23 日
183
付録 10
2006 年の内部管理費予算概要
(単位:千ドル)
2005 年
予算
移し替え後 a
975
19,477
975
20,137
920
20,030
1,350
19,540
III. 営業経費
222,537
222,537
221,916
236,123
給与
115,178
113,728
113,728
123,606
61,799
63,919
63,919
65,008
職員人材開発費
3,267
2,369
1,894
3,697
転勤費
3,769
3,997
3,997
4,848
コンサルタント費
18,906
20,303
20,303
19,327
出張費
19,246
17,849
17,735
19,259
代表費
372
372
340
378
IV. 管理費
53,870
53,870
51,398
56,566
通信費
6,962
7,053
7,053
6,540
11,355
12,281
12,281
11,945
925
937
937
694
事務用消耗品費
1,934
1,934
1,825
1,771
事務用設備費
6,288
6,288
5,518
5,518
10,243
10,243
9,536
10,941
837
837
747
3,483
14,839
13,810
13,019
15,271
487
487
482
403
296,859
297,519
294,264
313,579
2,969
2,309
–
3,136
I. 総務会
II. 理事会
付
録
諸手当
事務所費
図書費
契約サービス費
保険料
減価償却費
雑支出
V. 一般臨時費用加算前合計
VI. 一般臨時費用
VII.
信託基金からの手数料返済額を差し引く c
合計
a
b
c
d
実績
2006 年予算 b
(3,818)
299,828
299,828
294,264 d
312,897
移し替えは各分類の当初金額を超過することなく、各予算分類の範囲内において予算項目間で行われた。理事会カテゴリの超過分を埋めるため、一般臨時費用
から 66 万ドルを移し替えた。
2006 年予算から、年次総会の全費用を総務会カテゴリにまとめて計上する。また、退職後集団医療保険の補助付き保険料は、営業経費カテゴリ(諸手当)か
ら管理費カテゴリ(保険料)に分類しなおす。
2006 年予算から、内部管理費予算の正味金額を算出するために、国際機関および 2 国間ドナーの信託基金の管理について ADB が受け取る手数料返済額を差
し引いている。
以下の一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠した財務諸表との調整項目を除く。(i) 退職金に関する将来の負債のための引当金(− 113 万 1,000 ド
、(ii) 年金費用(1,396 万 7,000 ドル)および退職後医療給付
ル)、累計有給休暇(115 万 1,000 ドル)および未払い再定住/帰国手当(428 万 4,000 ドル)
、および(iv) アフガニス
(2,034 万 9,000 ドル)に関する給付債務の保険数理上の査定に基づく調整、(iii) 拡大離職プログラム関連費用(466 万 1,000 ドル)
。財務諸表に示すように、管理費総額は 3 億 3,747 万 8,000 ドルであった。この総額
タン駐在員事務所のゲストハウスに関連する調整(− 6 万 7,000 ドル)
は、日本奨学生プログラム(6 万 9,000 ドル)および貧困削減日本基金(45 万 3,000 ドル)から直接支出される 52 万 2,000 ドルを差引いた金額であり、配
分は以下の通りである。通常資本財源(OCR)−融資取組み費用に対して相殺され管理費削減分として認識される先取り手数料 2,448 万 1,000 ドルを差し引
、 ADF − 1 億 7,575 万 1,000 ドル(ADF-2 を参照)
、日本特別基金(JSF)− 103 万 5,000 ドル(JSF-2
いた 1 億 3,568 万 9,000 ドル(OCR-2 を参照)
を参照)
。
184
ADB の事務所等連絡先
(2006 年 3 月 31 日現在)
アフガニスタン駐在員事務所 :
House No. 126, Street 2,
Yaqoub Roundabout,
Shar-e-now, Nest to District
10 Police Department, Kabul,
Afghanistan;
Tel: +93 020 210 3602
アゼルバイジャン駐在員事務所:
96 Nizami St. 4th Floor,
Landmark Building,
Baku AZ1000, Azerbaijan;
Tel: +994 12 496 5800;
Fax: +994 12 465 9990;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/azrm
バングラデシュ駐在員事務所 :
Plot E-31, Sher-e-Bangla
Nagar, Dhaka-1207,
Bangladesh;
Tel: +880 2 815 6000 ∼ 6016;
Fax: +880 2 815 6018/6019;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/brm
インドネシア駐在員事務所 :
Gedung BRII, 7th Floor, Jl.
Jend Sudirman Kav. 44.46,
Jakarta 10210, Indonesia;
P.O. Box 99 JKPSA, Jakarta
10350A, Indonesia;
Tel: +62 21 251 2721;
Fax: +62 21 251 2749;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/irm
中国駐在員事務所 :
7th Floor, Block D,
Beijing Merchants
International Financial Center,
156 Fuxingmennei Avenue,
Xicheng District, Beijing
100031, People's Republic of
China;
Tel: +86 10 6642 6601;
Fax: +86 10 6642 6606;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/prcm
欧州代表事務所 :
Rahmhofstrasse 2,
60313 Frankfurt am Main,
Germany;
Tel: +49 69 2193 6400;
Fax: +49 69 2193 6444;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/ero
インド駐在員事務所 :
4, San Martin Marg,
Chanakyapuri, New Delhi 110
021, India;
P.O. Box 5331, Chanakyapuri
HPO;
Tel: +91 11 2410 7200;
Fax: +91 11 2687 0955;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/inrm
Srikunj, Kamaladi,
Ward No. 31,
P.O. Box 5017
Kathmandu, Nepal;
Tel: +977 1 422 7779;
Fax: +977 1 422 5063;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/nrm
駐日代表事務所:
〒 100-0011 東京都千代田区内幸町 1 丁目 1 番
7 号 大和生命ビル 2 階;
Tel: +81 3 3504 3160;
Fax: +81 3 3504 3165;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/jro
815 Connecticut Avenue, NW,
Suite 325, Washington DC
20006, USA;
Tel: +1 202 728 1500;
Fax: +1 202 728 1505;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/naro
太平洋地域連絡事務所:
カザフスタン駐在員事務所 :
12 Samal, Astana Tower
Business Center 10th Floor,
Astana 010000, Kazakhstan;
Tel: +7 3172 325053/325054;
Fax: +7 3172 328343
20A Kazybek bi Street,
Arai Building 4th Floor,
Almaty 050010, Kazakhstan;
Tel: +7 3272 582223/917344;
Fax: +7 3272 918670;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/karm
キルギス駐在員事務所 :
52-54, Orozbekov Street,
Bishkek, 720040, Kyrgyz
Republic;
Tel: +996 312 627343/612
900445;
Fax: +996 312 627344;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/kyrm
ラオス駐在員事務所 :
Corner of Lanexang Avenue
and Samsenthai Road,
P.O. Box 9724, Vientiane,
Lao People's Democratic
Republic;
Tel: +856 21 250444;
Fax: +856 21 250333;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/lrm
モンゴル駐在員事務所 :
MCS Plaza, 2nd Floor 4
Natsagdorj Street,
Ulaanbaatar, Mongolia;
P.O. Box 1083, Central Post
Office, Ulaanbaatar-13,
Mongolia;
Tel: +976 11 313440/323507/
329836;
Fax: +976 11 311795;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/mnrm
南太平洋準地域事務所 :
Level 5, Ra Marama Building
91 Gordon Street, Private Mail
Bag, Suva, Fiji;
Tel: +679 331 8101;
Fax: +679 331 8074;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/spso
スリランカ駐在員事務所 :
北米代表事務所 :
カンボジア駐在員事務所:
29 Suramarit Boulevard (268/
19), Sangkat Chaktomok,
Khan Daun Penh, Phnom
Penh, Cambodia;
P.O. Box 2436;
Tel: +855 23 215805/215806/
216417;
Fax: +855 23 215807;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/carm
ネパール駐在員事務所:
Level 18, 1 Margaret Street,
(corner of Clarence and
Margaret Streets), Sydney,
New South Wales 2000,
Australia;
Tel: +61 2 8270 9444;
Fax: +61 2 8270 9445;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/plco
パキスタン駐在員事務所:
Overseas Pakistanis
Foundation Building,
Sharah-e-Jamhuriyat, G-5/2,
Islamabad; GPO Box 1863,
Islamabad, Pakistan;
Tel: +92 51 282 5011 ∼ 5016/
208 7300;
Fax: +92 51 282 3324/227
4718;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/prm
パプアニューギニア駐在員事務所:
Deloitte Tower, Level 13,
P.O. Box 1992, Port Moresby,
NCD, Papua New Guinea;
Tel: +675 321 0408;
Fax: +675 321 0407;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/pnrm
フィリピン国内事務所:
6 ADB Ave., Mandaluyong
City, 1550 Metro Manila,
Philippines;
Tel: +63 2 683 1000;
Fax: +63 2 683 3300;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/phco
東ティモール特別連絡事務所 :
ADB-World Bank Building,
Avenida Dos Direitos
Humanos, P.O. Box 62, Dili,
Timor-Leste;
Tel: +670 332 4801;
Fax: +670 332 4132;
Website: www.adb.org
付
録
49/14.15 Galle Road,
Colombo 3, Sri Lanka;
Tel: +94 11 238 7055/533
1111;
Fax: +94 11 238 6527;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org
タジキスタン駐在員事務所 :
107 Nozim Khikmat Street,
Dushanbe 734001, Tajikistan;
Tel: +992 372 235314/
235315/210558;
Fax: +992 372 244900;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/tjrm
タイ駐在員事務所 :
23rd Floor, The Offices at
Central World, 999/9 Rama I
Road, Pathumwan, Bangkok
10330, Thailand;
Tel: +66 2263 5300;
Fax: +66 2263 5301;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org
ウズベキスタン駐在員事務所 :
1 A. Khodjaev Street,
Tashkent 700027, Uzbekistan;
Tel: +998 71 120 7921/7922/
7925;
Fax: +998 71 120 7923;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/urm
ベトナム駐在員事務所 :
Units 701-706, Sun Red River
Building, 23 Phan Chu Trinh
Street, Hoan Kiem District,
Hanoi, Viet Nam;
Tel: +84 4 933 1374;
Fax: +84 4 933 1373;
E-mail: [email protected];
Website: www.adb.org/vrm
アジア開発銀行研究所 :
〒 100-6008 東京都千代田区霞ヶ関 3 丁目 2 番
5 号 霞ヶ関ビル 8 階;
Tel: +81 3 3593 5500;
Fax: +81 3 3593 5571;
E-mail: [email protected];
Website: www.adbi.org
185
ア
ジ
ア
開
発
銀
行
2
0
0
5
年
次
報
告
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
[email protected]
www.adb.org
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2005
年次報告
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