海外安全対策情報(平成26年第3四半期) 在ベネズエラ日本国大使館 1

海外安全対策情報(平成26年第3四半期)
在ベネズエラ日本国大使館
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社会・治安情勢
(1)当国では、2014年2月12日の「青年の日」以降、全国(特にカラカ
ス首都区、タチラ州、メリダ州、ララ州、カラボボ州、スリア州、アラグア
州、ボリバル州、ヌエバ・エスパルタ州等)において、反政府支持勢力と治
安部隊及び政府支持勢力との衝突や道路封鎖が起り、多数の死傷者や逮捕者
が出た。現在、ほとんどの地域で沈静化してはいるが、当国の厳しい経済情
勢、物資不足及び劣悪な治安状況に対する国民の不満は解消されておらず、
引き続き反政府支持勢力の政府に対する抗議活動等には警戒を要する。
(2)犯罪統計によれば、誘拐事件等は昨年と比較し大幅な減少傾向にあるもの
の、総犯罪発生件数や強盗事件発生件数は増加傾向にあり、特に銃器を使用
した凶悪事件(殺人、誘拐及び強盗等)には注意を要する。
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一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)邦人被害事案
8月14日、メリダ州メリダ市において、邦人男性がベネズエラ人2名とと
もに移動中、バイク2台に乗った男3名から所持品(現金、身分証明書、デジ
タルカメラ等)を強奪された。
(2)邦人以外の被害事案
以下のとおり、カラカス首都区においては、昼夜を問わずあらゆる地域にお
いて、殺人、強盗事件等の凶悪事件が発生している。また、ここ数か月は、生
活必需品(牛乳、小麦粉、食用油等)や輸入品(携帯電話、自動車部品等)の
物不足が顕著になってきており、これらを狙った強窃盗事件や略奪行為が増加
傾向にある。特に、バイクに乗った強盗犯人が車両や徒歩で移動中の被害者に
けん銃を突きつけて、現金や携帯電話を強奪するという手口が引き続き多く発
生している。
ア
7月20日、スクレ州リオ・カリベ市において、エンリケ・フランチェッ
シ同市市長の射殺体が自宅で発見された。
イ
7月25日、カラカス首都区リベルタドール市エル・フンキト地区におい
て、チャカオ市警察の警察官で同市市長の身辺警護員が路上で射殺された。
ウ
8月21日、カラカス首都区バルータ市の高速道路上において、帰宅途中
の日系企業従業員が渋滞で停車していたところ、バイク2台が近付いてきて、
けん銃で助手席側の窓を激しく叩かれたが、偶然、渋滞が解消したため、車
を発車させ、バイクを振り切って逃げることができた。
エ
8月26日、カラカス首都区チャカオ市エル・ロサル地区の路上において、
出勤途中の日系企業従業員が交差点で信号待ちで停車していたところ、二人
乗りのバイクが近付いてきた。助手席側のロックをかけ忘れていたため、け
ん銃を所持したバイクの同乗者に助手席側ドアを開けられたが、信号が青色
に変わったため、発車させたところ、ドアが閉まったことから、バイクはそ
の後追って来なかった。
オ
8月29日、カラカス首都区ロス・パロス・グランデス地区の邦人居住の
マンションにおいて、ドイツ人女性が近所のスーパーから付けてきた男から
住居内に侵入され強盗被害にあった。
カ
9月7日、カラカス首都区チャカオ市アルタミラ地区のホテル前において、
日系企業運転手2名が車外で待機していたところ、けん銃を所持して近付い
てきた男2名から車(防弾車)2台を強奪された。
3
テロ・爆弾事件発生状況
なし
4
誘拐・脅迫事件発生状況
誘拐事件の発生については、昨年比で減少が認められるものの、短時間誘拐等
には十分な注意が必要である。また、治安機関関係者が誘拐事件に関与している
場合も多く注意が必要である。
(1) 7月15日、カラカス首都区の高速道路ペタレ-グアナレス間において、
車両で移動中、イタリア人企業家ビアジオ・クレメンテ・デ・パドベ氏と
その甥ミカエル・シモネ氏が誘拐された。
(2) 7月30日、カラカス首都区リベルタドール市にマリペレス地区におい
て、起業家ホセ・グレゴリオ・ゴンガルベス・ロドリゲス氏を誘拐してい
た犯人グループと捜査中の内務司法警察の捜査員の間で銃撃戦となった。
後に、犯人グループは私服の国家警備軍兵士3名で構成されていたことが
判明した。
(3) 8月9日、スクレ州クマナ市において、17歳女性がスクレ州警察の警察
官から誘拐された。国家警備軍がスクレ州警察の警察官8名を本誘拐事件
に関与した疑いで逮捕した。
以上