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博 士( 地球 環 境科学)南 雲不二男
学 位 論 文 題 名
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(西アフリ カ、サヘルの固定砂丘地帯と 非砂丘地帯における裸地の特徴と地形・土壌環境)
学位論文内容の要旨
西ア フリ カ, サ ヘル地帯は1960年代末からの 降水量の減少傾向と過度の 土地利用が結びつい
て ,土 地荒 廃の 危 険が世界で最も憂慮される地 帯である。そこでは固定砂 丘が帯状に広く分布
し ,非 砂丘 地帯 と は異なる土壌環境が形成され ,土地荒廃の発現のしかた に大きな影響を与え
ていると考え られる。本研究の目的は,サ ヘ´レの固定砂丘地帯と非 砂丘地帯において,(1
)
土 地荒 廃の 指標 で ある裸地の分布・タイプと, 地形・土壌環境を明らかに し,裸地化を起こし
や すい 土地 条件 を 考察 する こと ,お よ び,( 2)両地域の裸地の特徴を比 較し,固定砂丘が裸
地化におよぼ す影響を考察することである 。
調査 地と して , 固定 砂丘 地帯 のニ ジ ェー ル南 西部 (年 平 均降 水量 550 mm)と, その 南 縁に
位 置す る非 砂丘 地 帯の プル キナ ファ ソ 中部 (年 平均 降水 量 780 mm)を設 定し ,地 形区 分 ,土
壌 調査 ・分 析を 実 施した。そして,異なる年次 に撮影された空中写真(ニ ジェールサイトでは
1975年 と 1992年 , ブ ル キ ナ フん ソサ イ トで は1955年 と 1988年) の判 読に よ り土 地被 覆の 変
化 を明 らか にし , 裸地の拡大を定量化した。さ らに,凧を利用した低高度 からの空中写真撮影
を 試み ,裸 地の 分 布パ ター ンと その 形 態か ら裸 地の タイ プ 分け を行い, 裸地の成因を検討し
た 。以上 の結 果か ら, 裸地 の分 布域 ・タイプと地形・土壌環境を対応づけた。
ニジ 工一 ルサ イ トの地形は平坦な台地,山麓 砂丘,ベデイプレイン,枯 渇河川,ワジ,砂丘
地 形な どか らな る 。ほ ぼ全 域が 砂質 堆 積物 で覆 われ ,S∼SLの土 性 を有 する 砂質 土壌 が 分布
し ,土 色に よっ て ,赤褐色,明赤褐色,および 白色砂質土壌に細分できる 。土色に関わらず,
その砂質土壌 の飽和透水係数は高い(10・ 2∼10.3 cm/
sのオーダー)。いっぽう,砂質堆積物の
分 布し ない 平坦 な 台地 では ,鉄 質礫 に 富む HC質 土壌 が分 布 し, その飽和 透水係数は砂質土壌
のそれに比べ ,ー桁ないし二桁低い(10. 4 cm/sのオーダー)。
1975年か ら1992年の 間の 土地 被覆 の 変化 の特 徴と して , 未利 用地が顕 著に減少し,耕作地
と 裸地 に富 む荒 廃 地と が拡 大し たこ と があ げら れる 。荒 廃 地の 占有率は 1975年の2711%から
1992年 の 36.7% に 増 加 し , 裸地 の占 有 率は それ ぞれ 13.7% と22.1% と見 積 もら れた 。裸 地
は ,平 坦な 台地 , ベデイプレイン,山麓砂丘の 斜面上部などに局在する。 そのタイプを分布パ
タ ー ン と 形 態 と を も と に , (1)タ イガ ーブ ッ シュ 型, (2)蟻 塚型 ,( 3) 傾斜 型 ,( 4)
河 岸型 およ び( 5) ネブ カ型 の 5種類 に 区分 する こと がで き た。 前二者は ,その裸地の性状か
ら 自然 発生 的に 形 成さ れた 裸地 とみ な せる 。後 の三 者は , 樹木 の伐採跡 が観察されること・
1975年 に耕 作地 で あっ た土 地が 1992年 には 局所 的に 荒廃 地 に変 化したこ とから,局所的に人
為 的な 影響 を受 け て形成されたと考えられる。 いずれの裸地においても, 表面クラストが形成
され.土壌表 層の物理的劣化が確認された 。
荒廃 地の 分布 は (1) 台地 の 粘土 質土 壌, ( 2)砂 質堆 積 物が 100 cm未 満の薄い砂質土壌,
- 958―
お よ び( 3) 砂質 堆積 物の 厚さ に 関わ りな く, 4% 以上 の傾 斜 を有 する傾斜 地,に多い。傾斜
が 2% 未満 で 砂質 堆積 物が 200 cm以上 と厚 い場合 には,荒廃地を全く含まず ,耕作地として広
く 利 用さ れて いた 。 この荒廃地の分布と砂層の厚 さの関係は,植物の生育環 境から次のように
説 明 でき る。 砂質 土 壌は粘土質土壌に比べて,透 水性が高いために,降水を 貯水しやすく,裸
地 の 植被 の回 復に と って有利である。また,砂層 の厚さが薄い場合には,下 層に分布する緻密
な 粘 土質 層の ため , 根張りの最大深さはその砂層 の厚さに制限されていた。 従って.浸透水が
粘 土 質層 にま で達 し て吸収される場合には,浸透 水は非有効化してしまうこ とになり,降水の
利 用 効率 の観 点か ら は不利な土壌条件と言える。 このことから,薄い砂質土 壌は厚い砂質土壌
に 比 べ て 植 物 の 生 育 環 境 と し て は 不 利 で あ り , 植 被 の 回 復 が 遅 れ や す い と 考 えら れる 。
ブ ルキ ナフ ァソ サ イトの地形はべデイプレイン ,残積性ベデイプレイン, ワジ,白ボルタ川
の 河 岸平 坦面 ,お よ び河岸緩斜面などからなる。 河岸平坦面,河岸緩斜面, およびワジ縁辺部
に は ,CL質の 土性 を 有す る水 成土 壌が 分 布し ,ベ デイ プレ イ ンに は,地形 条件によって,熱
帯 鉄 質 土 壌 , シ ル ト 質 の礫 , ま た は 鉄 質 礫 か ら な る レ ゴ ソ ル が 分 布 す る 。
1955年 と1988年 の 間の 土地 被覆 の変 化 の特 徴と して ,未 利 用地 が減少し ,耕作地が拡大す
る と 共に 裸地 が局 所 的に 拡大 した こと が あげら れる。その裸地の占有率は, 1955年の1.7%か
ら 1988年 の5.9% に 増加し,おもに河岸緩斜面と 河岸平坦面に集中した。そ の分布パターンと
形 態 か ら 裸 地 を ( 1) 蟻 塚 型 , ( 2) 河 岸 型 , ( 3) 礫 質 型 の 3種 類 に 区 分 す る こと がで き
た 。 自然 発生 的な 裸 地である蟻塚型裸地は拡大し ていなかったが,後二者で は分布域が拡大し
た 。 1955年に 耕作 地 であ った 土地 の一 部 が1988年 に裸 地に 変 化し たこと, 裸地で人為的な活
動 の 証拠 が多 く観 察 されること,および聞き取り 調査の結果から,これらの 裸地がおもに人為
的 な成因であることがわかっ た。
裸 地 が 拡 大 し た 地 域 の 土 壌 タ イ プ は CL質 の 水 成 土 壌 と シ ル ト 質 礫 に 富 む CL質土 壌で あ
り ,低い飽和透水係数を有す る(下層で10゛4∼10
.5 c
m/sのオーダー)。ー方,飽和透水係数の
高 い (全 層 10. 3 cm/sの オー ダ ー) SL質 から SCL質の 土壌 か らな る地 域に は裸 地 は分 布し な
い 。 また ,裸 地化 し た土 壌は 植被 域の 土 壌に比 べて乾燥・固結し,土壌硬度 が30 mmを越えて
い た。裸地化する.と土壌の 物理性が劣化し,透水性が減 少することによって,土壌を乾燥・固
結 し やす くし てい る とみなせる。さらに,土性が 細粒質になるほど土壌硬度 が大きくなること
が わ かっ た。 した が って,土性の違いによる透水 性および土壌硬度の違いが ,裸地の分布と関
連 していると考えられる。
両 地域 の裸 地化 の 特徴の違いは,固定砂丘地帯 では,人為的および自然発 生的な裸地が拡大
し た のに 対し ,非 砂 丘地帯では,おもに人為的な 裸地のみが拡大したことで ある。前者は.も
と も と年 降水 量が 少 なく,植被量も少ないために ,降水のインバクトに対し て植被による土壌
表 面 の保 護が 不十 分 な気候条件である。これに対 して,後者は,年降水量が 比較的多く,植被
量 も 多く なる ため , 地表面が十分保護される気候 条件である。この気候条件 の違いが,裸地化
の 進行の違いに明瞭に反映し たものと考えられる。
半 乾燥 地帯 にお い ては,透水性は降水の土壌中 への貯留の観点から重要で あり,土壌硬度は
植 物 の根 の伸 長の し やすさの観点かぢ重要である 。このニつの要因から,砂 質土壌は,粘土質
土 壌 に比 べて 裸地 化 が起こりにくいとみなすこと ができる。このことから, 人為的にも,自然
発 生 的に も裸 地化 が 起こりやすい気候条件にある 固定砂丘地帯において,特 に,厚い砂質堆積
物 の 存 在 が 裸 地 の 拡 大 を抑 え , 農 耕 を 可 能 に し て い る が 明 ら か に な っ た 。
― 959―
学 位 論 文 審 査 の 要旨
主査
教授
小野有五.
副査
副査
教授 平川一臣
教授 波多野隆介(農学部)
副査
助教授
渡辺悌二
学位論文題名
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(西アフ リカ、サヘルの固定砂丘地帯と非砂丘地帯における裸地の特徴と地形・土壌環境)
本研 究は,西 アフリカ, サヘルの 固定砂丘地帯と非砂丘地帯において,裸地の分布を指
標 と して ,砂 漠化の進 行過程を 比較した ものであ る。そのた めに,30の トランセ クトを
設定 し,計200地 点で詳細な 地形・土 壌調査を 行った。 これらの 現地調査と空中写真判読
か ら 地形 単位 ,土壌単 位の区分 を行い, 裸地の分 布との対応 を明らか にしてい る。さら
に, 異なる年 次に撮影さ れた空中 写真の判読から,裸地の拡大を定量化するとともに,凧
を用 いて低高 度からの空 中写真の 撮影を試み,これらの写真を用いて裸地のタイプ分けを
行な った。こ のカイトフ ォトと空 中写真,および地上調査を組み合わせたアプローチは,
今ま でに例が ない独自の 手法とし て高く評 価される 。
本論 文 は七章 からなる 。第一章 で,研究 の背景と 目的を述ベ ,第二章 で対象地 域の概
要, 第三章で 研究方法を 述べてい る。
第四 章 では , 固 定砂 丘 地帯 の ニ ジェ ー ルサイト (年平均降 水量:550mm)の 事例につ
い て ,そ の結 果が詳細 に記述さ れている 。地形は 平坦な台地 ,山麓砂 丘,ベデ イプレイ
ン, 枯渇河川 ,ワジ,砂 丘地形な どからなる。そして,土壌は砂質堆積物を母材とする砂
質土 壌と,平 坦な台地の 粘土質土 壌からなることを示した。裸地に富む荒廃地の占有率は
1975年の 2711%から1992年 の36.7%に上昇 し,調査 地内の裸 地の占有率はそれぞれ13
.7
% と 22.1%であっ た。その 裸地のタ イプを分 布パター ンと形態と をもとに ,(1)タ イ
ガ ー ブ ッ シ ュ 型 , (2)蟻 塚 型 ,( 3) 斜 面型 , ( 4) 河岸 型 およ び ( 5) ネブ カ 型の 5
種 類 に区 分し ている。 前二者は ,その裸 地の性状 から自然発 生的に形 成され, 後の三者
は, 局所的に 人為的な影 響を受け て形成されたとみなしている。これらの裸地の分布は地
形の 傾斜,土 壌の土性, および砂 層の厚さに左右されていることが明らかにされた。そし
て ,砂質土壌は粘土質土壌に比べて,透水性が高いために,降水を貯水しやすく,裸地の
植 被の回復にとって有利であると説明している。また,砂層の厚さが薄い場合には,根張
り の最大深さはその砂層の厚さに制限されるため,降水の利用効率の観点からは不利な土
壌条件となるとみなしている。
第五章 では ,非 砂丘 地帯 のブ ´レキナフんソサイト(年平均降水量:780 mm)の事例に
つ いて, その 結果 を詳 細に 記述 して いる 。地 形は べデ イプ レイン,残積性ベデイプレイ
ン ,ワジ,白ボル夕川の河岸平坦面,および河岸緩斜面などからなる。河岸平坦面,河岸
緩 斜面, およ びワ ジ縁 辺部 には ,CL質の 土性 を有 する 水成 土壌が分布し,ベデイプレイ
ン には,地形条件によって,熱帯鉄質土壌,シルト質の礫,または鉄質礫からなるレゴソ
ル が 分 布す るこ とを 示し た。調 査地 内の 裸地 の占 有率 は, 1955年の 1.7% から 1988年の
5.9%に 上昇 し, 裸地 はお もに 河岸緩斜面と河岸平坦面に集中した。ぞの分布パターンと
形 態 か ら 裸 地 を ( 1) 蟻 塚 型 , ( 2) 河 岸型 ,( 3)砂 礫地 型の 3種類 に区 分し てい る。
自 然発生的な裸地である蟻塚型裸地は拡大していなかったが,後二者では分布域が拡大し
た 。拡大したこれらの裸地はおもに人為的な成因であることが明らかにされた。裸地が拡
大 し た 地 域 の 土 壌 夕 イ プ は CL質の 水 成 土壌 とシ ルト 質礫に 富む CL質 土壌 であ り, 砂質
土 壌には分布していないことが明らかにされた。このように,土性が裸地の分布を左右す
る 理由として,透水性および土壌硬度を支配し,植被の回復しやすさに影響をおよぽすた
めであるとしている。
第六章 では ,裸 地の 分布 とそ の成 因に つい て, 両地 域を 比較して総合考察を行ってい
る 。両地域の裸地化の特徴の違いは,固定砂丘地帯では,人為的および自然発生的な裸地
が拡大したのに対し,.非砂丘地帯では,おもに人為的な裸地のみが拡大したことである。
こ のことについて,両地域の降水条件の違いが,裸地化の進行の違いに明瞭に反映してい
る と説明 して いる 。半 乾燥 地帯 にお いて は, 透水 性と 土壌 硬度から考えると,砂質土壌
は ,粘土質土壌に比べて裸地化が起こりにくいとみなすことができる。従って,人為的に
も ,自然発生的にも裸地化が起こりやすい気候条件にある固定砂丘地帯では,固定砂丘が
も たらした厚い砂質堆積物の存在が裸地の拡大を抑えていることが明らかになった。これ
は.本研究で新たに得られた重要な成果である。
七章では研究成果をまとめて結論を述べている。
以上のように,砂漠化の進行過程を,グラウンドトウ少ースに基づぃて,具体的に明ら
か にした本研究の成果は,今後の砂漠化のモニタリングとその防止に資することが期待さ
れ る。審 査員 一同 は, これ らの 成果 を高 く評 価し ,ま た研 究者として誠実かつ熱心であ
り ,大学院課程における研鑽や既得単位なども併せ申請者が博士(地球環境科学)の学位
を受けるのに十分な資格を有するものと判定した。
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