The Dreams of DoRIS 2012 Doshisha Women's College of Liberal Arts 生命物理化学研究室 遺伝子転写装置の構造・作用を理解し、新しい機能分子を造る 生体では DNA や蛋白質等、種々の分子がうまく相互作用しながら生命活動を営んでいます。分子の立体構造や 分子間相互作用の解明は、生命機能や薬物作用の理解をはじめ、疾病の原因究明や創薬にも極めて重要と考えられ、 この種の研究に取り組んでいます。 例えば、ヒトの染色体はとてもダイナミックに調節されています。そして遺伝情報を読み出す際に鍵となるのが 転写因子という蛋白質です。そこに見られる「zinc finger」という小さな構造単位は転写因子が遺伝子 DNA に結 合するためのものですが、全く別のシグナル機能を持ち、蛋白質も認識することを当研究室では見いだしています。 また、zinc finger をコードする遺伝子はヒトゲノム中に極めて豊富に存在することが明らかとなっており、ポスト ゲノムの時代にあって、その未知なる役割が注目されています。 このように蛋白質にはまだまだ多彩な機能が隠されています。細胞の核で起こる生命現象を分子構造に基づいた 「化学」の言葉で精密に理解し、癌や神経変性疾患の解明に、そして薬の創製に少しでも役立てたいと思っています。 17 同志社女子大学 教員研究活動紹介集 医療薬学科 ●薬学部 杉浦 幸雄 特別任用教授 薬学博士 (京都大学) SUGIURA Yukio 現在の研究分野・研究テーマ 生命物理化学、生体機能化学、医薬分子機能学、遺伝子薬学・遺伝子 に作用する亜鉛フィンガー蛋白質の構造と機能に関する研究、新機能 性人工亜鉛フィンガー蛋白質の創製 finger 3 of Zif268 stabilizes the domain 研究・社会活動等 日本薬学会、日本化学会、日本生化学会、アメリカ化学会 主要研究業績 ●厚生労働省 審議参加規程評価委員会 委員 2010年〜2011年 ●公益財団法人サントリー生命科学財団 評議員 2011年〜2014年 学内外研究費による主要研究活動歴 <論文> transcriptional activity in vivo and slow DNA binding in vitro by artificial multi-zinc finger protein(共著) Biochemistry 2008年 ●Metal-stimulated transcriptional regulation by an artificial zinc finger protein(共著) ChemBioChem 2010年 ●私立大学戦略的研究基盤形成事業 先端的分子生命化学の研究拠点形成 酵素型亜鉛フィンガー蛋白質の創出 よる特異的DNA認識とスマート転写因子への展開 Sequence-Specific DNA Cleavage(共著)Journal 生命物理化学、生体機能化学、分子生物学 ・転写因子における zinc finger に基づく蛋白質認識と転写制御の分子機構 ・Zinc finger に基づく転写因子の細胞核輸送の分子機構と分子デザイン ・遺 伝 子 発 現のエピジェネティック制 御と細 胞 分 化を志 向した chemical biology 所属学会 日本薬学会、日本分子生物学会、日本生化学会、日本生物物理学会、 日本蛋白質科学会 of the American Chemical Society ● Interaction 1994 年 of Sp1 Zinc Finger with Transport Factor in the Nuclear Localization of Transcription Factor Sp1(共著) Biochemical and Biophysical Research Communications 研究・社会活動等 ●金属の関与する生体関連反応シンポジウム 評議員 2010年 2010年〜 学内外研究費による主要研究活動歴 主要研究業績 ● 科学研究費補助金(基盤研究(C))カルモデュリン依存性プロテイン <論文> of the Zinc (II) Ions in the Structure of the Three-Finger DNA Binding Domain of the Sp1 Transcription Factor(共著) Biochemistry 1990 年 Novel Zinc Finger-Based DNA Cutter: Biosynthetic Design and キナーゼ II 遺伝子の脳特異的発現の分子制御機構 症・抗リウマチ剤の開発 1998 年 ●財団法人医薬資源研究振興会(研究奨励金)転写因子Sp1のzinc に基づく核輸送機構の解明と分子デザイン finger 2001年 特別任用助教 博士 (工学) (同志社大学) NEGI Shigeru 現在の研究分野・研究テーマ structure and mediates DNA binding.(共著) タ ンパク質科学、超分子化学、分子認識化学、生物物理科学・化学、 生物学的手法を用いた機能性人工タンパク質の創製 Biochemistry . ● Zn(II) -binding 2011 年 and DNA-binding Properties of Ligand-substituted CXHH-type Zinc Finger Proteins.(共著) 所属学会 日本化学会、日本薬学会、日本蛋白質科学会、日本ペプチド学会、日 本生物物理学会 Biochemistry . 2012 年 学内外研究費による主要研究活動歴 ● 科学研究費補助金(基盤研究(C))亜鉛フィンガータンパク質をフレーム 主要研究業績 ワークとする人工ペプチターゼの開発 <論文> 2008年~ 2010年 ● 私立大学戦略的研究基盤形成事業 先端的分子生命科学の研究拠点形成 diatomic molecule receptor that removes CO in a living organism (共著) Angew Chem. Int. Ed. Engl. 1996年 ● 科学研究費補助金(基盤研究(B))新しい作用機序に基づく新規抗炎 根木 滋 ● An 2012年~ 2014年 教授 薬学博士 (京都大学) 現在の研究分野 ● A 2010年〜2012年 ●科学研究費補助金(基盤研究 (B))亜鉛フィンガー蛋白質の揺らぎに KUWAHARA Jun ● A 2008年~ 2012年 ●科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究) 世界最初の触媒機能を有する 桑原 淳 ● Role arginine residue instead of a conserved leucine residue in the recognition helix of the structure and mediates DNA binding(共著) Biochemistry 2011年 所属学会 ●Rapid ●An 2010 年 arginine residue instead of a conserved leucine residue in the 2008年〜2012年 ● 科学研究費補助金(基盤研究(C))金属イオン結合およびレドックス制御 における亜鉛フィンガータンパク質の構造と機能 2011年~ 2013年 recognition helix of the finger 3 of Zif268 stabilizes the domain 同志社女子大学 教員研究活動紹介集 18
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