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Financial Services
Architect Vol.41
2016年春号
システム構造改革を担う次世代リーダーの育成
〜プロジェクト推進の力を鍛える「力の100題」とは?
証券バックオフィス改革
〜プロセス標準化とリスク&コントロールの実現
デジタル投資の分水嶺
〜414社の保険会社役員の意識調査結果より
目次
1. システム構造改革を担う次世代リーダーの育成
〜プロジェクト推進の力を鍛える「力の100題」とは?
マネジング・ディレクター
森田
浩之
2. 証券バックオフィス改革
〜プロセス標準化とリスク&コントロールの実現
マネジング・ディレクター
山川
美佐代
3. デジタル投資の分水嶺
〜414社の保険会社役員の意識調査結果より
マネジング・ディレクター
大窪
章敬
4. 最近話題のプロジェクト
5. アライアンスおよびパッケージ・システム
6. 弊社外部講演およびレポートのご紹介
7. 会社概要
Financial
Services
Architect
Financial
Services
Architect
Financial Services Architect (FSアーキテクト) は、
金融業界のトレンド、最新の IT情報、
弊社サービスおよび貴重なユーザ事例を紹介する、
日本オフィス発のビジネス季刊誌です。
拝啓 春暖の候、貴社におかれましては益々ご清栄のことと、お慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本誌「FS Architect」は、おかげさまで発刊11年目を迎えました。
これも皆様のご支援とご愛顧の賜物と深く感謝しております。
本邦金融機関におきましては、ここ数年、海外ビジネス強化、Digital innovation強化、
グローバルオペレーション構築といった取り組みが次々となされてきました。全体的
にはトップライン向上を目指した投資・検討に注力されている事と思います。
一方、海外金融機関の動静を見てみますと、ブロックチェーン等のDigitalへの取り組
みが進展する一方、大胆なコスト削減を余儀なくされている状況です。あらためてコ
スト効率化は常に取り組むべき重要課題だと再認識させられます。
これまでのコスト削減は調達改革という側面が強く、外部ベンダの単価低減や調達量
の最適化が中心でした。
しかし、投資余力がある今は抜本的なコスト改革を視野に入れるべきではないでしょ
うか。IT 技術が進展し IT プラットフォームを大きく見直すことでコストも低減でき、
ビジネスボリューム変化への対応力も高まります。
一部の金融機関では着手されているこういった抜本的コスト改革を早期に着手するか
否かは、次を生き残る重要な要素になりそうです。
また、Digital Innovationが重要視される一方で、人材の育成にも関心が高まっています。
日本の金融機関では「適者生存(優れた者のみが生き残る)」の環境が多かったので
はないでしょうか。これからは「適所育成(各人材にあった役割を計画的に提供し育
成する)」が重要になってきます。この分野でも科学的アプローチができるように
なってきましたので、ご興味があればぜひご連絡ください。
弊社も東京事務所社員数が6,000人を超える規模となりました。
皆様の経営課題をご支援できる領域も増えてきたと考えております。
ご一読いただき、貴社取り組みの一助となれば幸いです。
今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
2016年4月吉日
アクセンチュア株式会社
金融サービス本部
統括本部長
中野
将志
2
システム構造改革を担う次世代リーダーの育成
〜プロジェクト推進の力を鍛える「力の100題」とは?
第三次オンライン等、大規模なシステム構造改革を現場で推進してきた銀行
IT 部門のリーダー層が引退を迎え始めた。一方で、次世代を担う人材は育っ
てない。プロジェクト推進の経験を積む機会が減っていることが背景にある。
このような中、次世代リーダーの人材育成に有効なのが弊社の「力の100題」
だ。システム改革プロジェクトを擬似的に経験し、その中でプロジェクトを
推進するための要諦を具体的に学んでいくプログラムである。
本稿では、まず次世代のリーダーが育たない理由を整理した上で、リーダー
育成に有効な「力の100題」の特徴について述べる。そして、実際にある銀
行で「力の100題」を行い、どのような成果があったかを紹介する。
森田
浩之
2001年 アクセンチュア㈱入社
金融サービス本部
銀行グループ
銀行システム改革チーム統括
マネジング・ディレクター
次世代のリーダー人材が不足している
近年、大規模なシステム構造改革に取り
1. システム改革プロジェクトを経験する ようにプロジェクト・マネジメントを体
機会が少ないこと
系的に学ぶための材料は揃ってきてい
る。そのため、各行、プロジェクト・マ
組もうとされている銀行のIT部門の方と
プロジェクトを推進する力を身につける
お話をすると、システム構造改革と併せ
ためには、基本的に、多くのプロジェク
て、次世代を担う人材育成を考えている
トを経験する必要がある。しかし、大規
ケースが多い。育成したいのは、改革の
模なシステム改革プロジェクトは過去に
目的を踏まえた上でゴール設定・アプロ
比べて減ってきているのが実情だ。IT部
ーチ策定を行い、経営・ユーザ部門・シ
門の方に伺うと「今回は30年ぶりの改革」
ステム部門・開発ベンダ等、数多くの関
ということも珍しくない。加えて、銀行
係者を巻き込んでプロジェクトを推進で
のIT部門が主導してプロジェクトを推進
きる人材だ。第三次オンライン等、大規
する機会も減っている。保守・運用を担
模なシステム構造改革をこれまで現場で
うベンダは長年保守・運用を担当してい
推し進めてきたリーダー人材が徐々に引
ることから銀行のIT部門よりもシステム
退を迎え始めたものの、次世代を担う人
に詳しくなっている。そのため、銀行の
材が十分育ってきていないことが背景に
IT部門もベンダに仕事を丸投げして、管
ある。
理に徹するという役割分担になっている。
なぜ、次世代のリーダーが育っていない
2. 外部研修で習った内容だけでは、社内
のか?
のプロジェクトで実践しづらいこと
次世代を担うリーダー人材が育たない理
システム改革を経験する機会が減って
てほしい人もいる。したがって、研修を
由は大きく2つあると考えられる。
き ている一方で、PMBOK(Project
受けて「なるほど」と思ったとしても、
ネジメント講座といった、外部研修を受
講させて育成を図ろうとするわけだが、
その研修の効果は少ないのが実態ではな
いだろうか。これは、置かれた状況によ
って、最適な手法・ツールは異なるが、
一般的な外部研修ではそこまで教えるこ
とは不可能だからである。例えば、「ス
テークホルダーマネジメント」の実行プ
ロセスでいえば、「ステークホルダーと
コミュニケーションをとり、プロジェク
トへの適切な関与を促すこと」というこ
とを研修で習っても、これを自身のプロ
ジェクトで具体的にどう実践してよいの
か悩むのではないだろうか。ステークホ
ルダーとのコミュニケーション一つをと
ってみても、始めに相談してほしい人も
いれば、現場で調整した内容をもってき
Management Body of Knowledge)の 自身のプロジェクトで実践するまでには
至らず、といったことになりがちだ。
3
図表1 「力の100題」のコンセプト – 問題を100題解くと、一人前のリーダーに
次世代リーダー育成の枠組み
「力の100題」のメニュー例 – プロジェクト推進・管理が人材育成テーマの場合
計画編
プロジェクト
「力の100題」
を受講する
管理手法
自身の
プロジェクトで
実践する
担当
研修
教材化
過去事例
参照
【計画編1】
関係者の論点
を外さない計
画を立てる
【計画編2】
リスク対策
を計画に織
り込む
管理編
【計画編3】
IT・ユーザ横
【管理編1】
工程完了期日
を予測する
断 タスクの推
進方法を 計画
に織り込む
【管理編2】
重要な課題を
確実に刈り取る
推進共通編
【推進共通編1】 部署跨ぎテーマを強力に推進する
次世代
リーダー
プロジェクト
プロジェクト
の実践
推進方法
設計編
開発・試験編
【設計編1】
仕様をがっちり
固める
【開発・試験編1】
仕様の認識ズ
レを早期に検
知する
【設計編2】
仕様の実装優先
順位を決める
【開発・試験編2】
ベンダーの
報告を鵜呑
みにしない
Aプロジェクト
振り返り文書
UAT編
移行編
【UAT編】
ユーザ部門・
店舗の期待通り
か確認する
【移行編1】
移行に伴う店舗
影響をきっちり
伝える
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次世代リーダー育成のための
「力の100題」プログラム
弊社が次世代リーダーとなる人材を育成
するプログラムとしてお勧めしているの
が、弊社の豊富なプロジェクト推進実績
のエッセンスを凝縮した「力の100題」
だ。これは、システム改革プロジェクト
を擬似的に経験し、その中でプロジェク
トを推進する上での要諦を具体的に学ん
でいくというものである。受講者が100
社内の過去のプロジェクトにしている。
ただし、いくら身近であっても、示唆の
少ないプロジェクトでは意味がない。
「社内で」「一定規模」のプロジェクト
が望ましい。例えば、今回紹介する銀行
では、10年に一度のシステム更改プロジ
ェクトを題材とした。
2. 受講者主体の問題の原因分析と解決策
立案
3. 社内に即した手法・ツール紹介
受講者同士で原因分析・解決策立案をし
た後に、講師から実際にプロジェクトで
活用して成功した手法・ツール群を具体
的に紹介する。手法・ツールは基本的に
そのまま受講者のプロジェクトにも適用
できるレベルであるため、「これ、早速
使います」というコメントをいただくこ
とも多い。手法・ツールを紹介する際に
は、その形に至った基本的な考え方もセ
題の問題を解き、その後自身のプロジェ
いくら題材がよくても、ただ単にその内
ットで伝えることで、応用が利きやすい
クトで実践していくことで、一人前のリ
容を講義で伝えるだけでは、受講者が受
ようにしている。
ーダーになるというコンセプトである
け身になってしまい、学びは限定的にな
(図表1)。「力の100題」の特徴は次の
る。そこで、「力の100題」では、題材
3点だ。
としたプロジェクトの背景と起きた問題 「今後も定期的に受講したい」
は講師から説明するものの、その原因分
1. 題材は社内の過去プロジェクトで実際 析と解決策立案は、受講者が主体的に行
に起きた問題
擬似的に経験するシステム改革プロジェ
クトは、受講者の身近なものにすると、
具体的なイメージが湧きやすく、実際に
経験したのと近い状態を作りだせる。し
たがって、「力の100題」では、題材を
う形式をとっている。受講者自身のこれ
までの経験と照らしながら考えること
で、プロジェクトを推進する上で重要な
問題解決能力が鍛えられる。参加者同士
が自身の経験を共有し、アイディアを出
しあうので、難しいながらも楽しい取り
組みでもある。
9割の受講者が
研修受講後のアンケートでは、 9 割以上
の受講者から「今後も定期的に本研修を
受講したい」という回答を得た。その理
由は、「過去事例を疑似体験できること」
「問題解決手法が習得できること」「他
部署と意見交換ができること」の3点で、
まさに「力の100題」の特徴が評価され
た形であった(図表2)。
4
図表2 「力の100題」アンケート結果 – 9割の受講者が「今後も定期的に受講したい」
0
満足度
①受講した
感想
10
20
30
40
60
100%
やや
不満
(2名)
:よかったところ、
:改善が必要なところ)
【過去事例の擬似体験】
実際に経験できなかったテーマでも、自分の経験として身に
付けられるので受講したい
失敗談は非常に勉強になるので、次回があるなら参加したい
研修の枠組み
色々なケースを疑似体験することで、実際に問題が発生した場
合にどのような対策を行えば良いか判断するのに役立てられる
問題の解決にあたっての勘所を養っていきたい
有益
(54名)
【他部署メンバーとの意見交換】
他部署メンバーとのチームであれば、ぜひ受講したい
ディスカッション形式であれば参加したい
要望
受講
しない
(7名)
事例追加の要望あり
(64名)
いただいたコメントの概要
(
有益
でない 【問題解決手法の習得】
(1名)
今後も定期的に受講したい
(74名)
⑤事例追加
の要望
90
普通
(17名)
とても有益
(37名)
④定期的な
研修受講へ
の要望
80
有益
(57名)
とても有益
(33名)
③他システム
担当とのテ
゙ィスカッション
70
満足
(49名)
とても満足
(23名)
②疑似体験し
て過去事例を
学ぶ手法
50
要望なし
(27名)
【その他】
外部研修では一般的な話になるが、本研修は銀行独自の環境
が考慮されたものであるため、大変意義がある
全体的に完成度の高い研修だったと思うので、今後も受講し
たい
*1.「力の100題」のアンケート集計結果(n=91)
*2. 項目④の回答数がnに満たないのは、研修実施途中でアンケート項目を
追加したことによるもの
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100%
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成長スピードを見ると、将来の組織のリ
「力の100題」から
ーダーとなることが十分期待できる。
次世代リーダーの卵が生まれた
今後も、田部さんのような若手が現れる
「力の100題」にある考え方、手法・ツー
ことが期待される。
ルを学んだ受講者の中から、次世代リー
ダーの卵が現れたのでその事例も紹介し
たい。田部さん(仮名)は、弊社のプロ
「力の100題」で組織活性化
2. 若手の知的好奇心を刺激
「力の100題」を受講して、社内プロジェ
クトを深掘りして学ぶことの面白さ、有
益さを感じたのか、約7割の受講者から、
「あの失敗プロジェクトも研究したい」、
「このタスクをテーマとしてもらいたい」
ジェクト推進のやり方に共感し、それを 「力の 100 題」を継続していく中で、組
といった要望をいただいた。「力の100
自身のプロジェクトに適用し、とにかく
織活性化にもつながる事象が確認できた
題」は若手の知的好奇心を刺激するにも
実践した。失敗することもあったが、そ
のでその共有もしたい。
一役買いそうだ。
1. 部署間のコミュニケーション促進
おわりに
れにめげることなく、どうしたらうまく
いくかを自身で考え、実践を続けた。迷
った時には、躊躇なく弊社メンバーにア
ドバイスを求めた。実践を繰り返すうち
「力の 100 題」では、意見の多様性を図
プロジェクトを推進する力を身につける
るために、同じ部署の受講者がいなくな
ためには経験を増やすしかない。実際に
るようチーミングした。すると、受講者
経験することが一番だが、次善の策とし
からかなりの割合で、「他部署との意見
て「力の100題」による伝達があると思
交換ができるのが有益」「研修を通して
う。題材としては大規模なシステム構造
他部署の方と知り合えたのがよかった」
改革が最高である。自社でシステム構造
とのコメントが寄せられた。「力の100
改革の企画と共に、人材育成をお考えの
題」は部署間コミュニケーションの促進
際には、ぜひお声掛けいただければ幸い
にも有益であるようだ。
である。
に、周囲からも認められる存在となり、
システム開発のある試験工程の計画のた
たき台を策定し、関係者と調整しながら
最終化していくといったリーダーとして
求められる行動ができるようになった。
人が足りないと分かれば不足分を数字を
持って所管役員に説明し、体制整備がで
きるまでになった田部さんの意識の高さ、
5
証券バックオフィス改革
〜プロセス標準化とリスク&コントロールの実現
テクノロジーやデジタル化の流れなどの証券業をとりまく環境の変化、また
競争の激化の中で、バックオフィス業務についても収益の源泉になる業務
(他社との差別化要素になる業務)とそれ以外の見極めが必要になってくる。
それ以外の「いわゆるバックオフィス業務」は、業務の品質レベルとかける
コストの判断を経て、徹底的な標準化によって業務上の無駄を排除し、サイ
ロからの脱却を図っていくことが求められる。
本稿においては、証券業におけるバックオフィス業務でありがちな課題であ
る、業務のサイロ化、サイロ化によるリスク、グローバルプレイヤーの抱え
る課題を解説し、その課題解決にむけた考慮点について述べたい。
山川美佐代
1999年 アクセンチュア㈱入社
金融サービス本部
マネジング・ディレクター
弊社のキャピタルマーケットグループで
各拠点のバックオフィス業務におけ
ロ化しており、各領域のスペシャリスト
実 施 し て い る 「 2016 年 度 の 投 資 銀 行
るチャレンジ
によって業務が運営されていることがほ
(トレーディングビジネスを含む)にお
ける Top10 チャレンジ」(図表 1 )によ
ると、 2016 年度は大半がデジタルテク
ノロジーの影響を受けたものになってい
る。テクノロジーの進化に伴う金融業界
への参入障壁の低下によって、イノベー
ションや潜在的な競争の加速や、FinTech
の盛り上がりによりテクノロジーのトッ
プタレントの投資銀行ビジネスからス
タートアップ企業等へ流出など、金融業
を取り巻く環境も変化してきている。激
しく変化する環境に対応していくため、
既存のビジネス・コスト構造について考
える良い機会だといえる。証券業を営む
各プレイヤーにとって、競合他社との差
別化ができない業務では、いかにコスト
証券業の各プレイヤーのシステムイン
フラはマーケットへの対応スピードを
優先してきており、商品・業務に個別
最適化されたシステムになっているこ
とが多い。さらに、グローバルの各拠
点でビジネスを展開しているプレイ
ヤーは、ビジネスを展開する各国にお
ける金融規制対応を実施した上で現在
とんどであろう。業務単位でみた場合、
日々の業務効率化が達成されているとし
ても、業務がサイロ化しているため、各
業務で確保すべき品質レベル、またどの
程度のコストがかかっているのかが分か
らない状態になっていることが多い。
② 業務の部分最適化による弊害
の業務を実現しているため、同じ会社
弊社の欧州の有識者によると、金融規制
であっても各拠点において業務プロセ
強化の流れの中で、業務上のリスク、お
スも個別最適化されていることがほと
よびリスク予防のための統制が機能して
んどである。以下に、バックオフィス
いるかについて、規制当局から問われる
業務における課題を挙げる。
ことがあるという。①のとおり、サイロ
化した部分最適の状況下においては、規
① 業務のサイロ化・属人化
制当局やマネジメントからの同様の要請
に対して、適切にタイムリーに応えるこ
を低減させていくかが重要な命題になっ
バックオフィス業務とひとくちにいっ
てくるだろう。本稿においては、厳しい
ても、取引報告および照合、入出金管
競争を勝ち抜くために求められる、より
理、決済照合等のさまざまな業務に分
効率的なバックオフィス業務運営実現の
かれており、一連のバックオフィス業
ためのガバナンスとコントロール確立の
務を全体プロセスの視点で把握できて
国内だけでなく、グローバルの各拠点に
ポイントについて述べたい。
いる人は少ない。つまり、業務がサイ
おいてもビジネスを展開するプレイヤー
とは容易ではない。
③ 横断業務の非効率化による弊害
6
図表1 2016年度の投資銀行(トレーディングビジネスを含む)におけるTop10チャレンジ
デジタルテクノロジーや
新たな変革に関するテーマ
01
将来のワークフォース
ビジネスの変革やミレニアル時代のチャレンジへの対応
02
トレーディングビジネスにおけるテクノロジー
レガシーシステムからの脱却
03
レファレンスデータマネジメント
本当に必要なコストの把握
04 Blockchainテクノロジーの活用
変革に向けた準備
05
収益向上に向けたコスト削減
収益の拡大に向けた最適な戦略の模索
06
グローバル構造改革
ビジネスモデル再構築に向けた新しい時代の答えの確立
07
トレーディングコミッション
加熱する価格競争
08
破壊的なデジタルテクノロジーへの対応
統合されたデジタルエコシステムの採用
09
サイバーセキュリティへの対応
脅威へ対峙
10
マーケットデータ
コスト高騰に対するコントロール
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にとっては、各拠点における固有業務に
また、各拠点においては、それぞれの業
トコントロール、クライアントサービス
加えて、拠点を跨った取引への横断的な
務に習熟した要員が育成されるが、同一
等)と、そうでない業務を識別する。差
対応が必要になってくる。トレードアン
の業務プロセスやインフラ基盤の活用が
別化の源泉となる業務においては、どの
マッチ(取引照合不一致)等の例外処理
前提になっていないため、知識・経験の
くらいのサービス品質を確立するか、ま
が発生した場合、原因の特定から処理対
共有は拠点内での対応にとどまり、さら
たそれにはどのくらいのコストをかける
応のため担当者間で膨大な電話やメール
なる高度化に向けて拠点跨りで取り組み
のか、フロント部門にビジネスジャッジ
によるコミュニケーションを行うことと
を実施していくことは困難であるため、
をしてもらう必要がある。一方で、いわ
なり無駄が多くなっている。
組織としてのセンターオブエクセレンス
ゆるバックオフィス業務プロセスは、品
の確立には至らない。
質を落とさずにいかにコストを下げられ
バックオフィス業務オペレーティン
グモデルの確立にむけて
グローバル展開するプレイヤーにとっ
て、業務プロセスが標準化されていない
と、いざ一連のバックオフィス業務の運
用状況を確認しようとしても、各拠点か
らの情報(データ)の収集に時間がかかる
るかを考える必要がある。また、どちら
国内プレイヤーがグローバルの各拠点を
の業務に対しても、各種業績管理指標
含めて効率的なバックオフィス業務を実
(KPI - Key Performance Indicator)を
現し、バックオフィス業務の運営モデル
定義しておくことで、サービス品質や業
を確立させていくには、次の 3 つの要素
務効率をモニタリングし、アカウンタビ
を考慮していくことが重要になってくる。 リティを明確にすることが肝要だ。
① バックオフィス業務プロセスの標準化
② リスク&コントロール部署の設置
粒度や鮮度、また用語レベルで内容が整
バックオフィス業務プロセスを標準化
業務のサイロ化を防止するため、一連の
合しておらず、ひとつのレポートに集約
し、さらに標準を現場に徹底させる必要
業務プロセスを全体的な視点で把握でき
するにも一筋縄ではいかず手間がかかっ
がある。まず標準化においては、競合す
るようリスク&コントロール部署を設置
てしまうだろう。
る他社との競争において差別化の源泉と
する必要がある。一連のバックオフィス
なる業務(トレードサポート、プロダク
業務プロセスを俯瞰して、業務リスクと
だけではなく、収集した情報(データ)は
7
図表2
バックオフィス業務効率化のオペレーティングモデル
シニアマネジメント
(CEO、COO、
オペレーションヘッド等)
リスク&コントロール
コントロールフレームワーク
(バックオフィス業務統括組織)
<ルール>
レポート
レポート
レポート
デリバティブズ
業務
証券業務
・・・
アセスメント
ワークフロー化
モニタリング
リスク対応
監査記録
監査指摘対応
レポート
金融規制対応
業務上の例外処理対応等
・業務手順標準
・コントロール
・方針
<管理指標>
・リスク指標
・業務管理指標
・業績管理指標
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そのコントロール(リスク予防のための
担当は各拠点に配置し、拠点横断の標準
の解として、各社で共通するバックオ
ルール・統制)を定義し、コントロール
化された業務プロセスに基づいた役割を
フィス業務を切り出して、「バックオ
を担うリスク&コントロール部署に有識
担うようにする。さらに、例外処理の実
フィス業務共同利用サービス」活用モデ
者を配置することが重要なポイントであ
施にあたっての拠点間のコミュニケー
ル(ユーティリティ化)を採用していくこ
る。リスク&コントロール部署に配置さ
ションは、メールや電話ではなく、イン
とも十分考えられるだろう。
れた要員が、一連のバックオフィス業務
フラ共通基盤を導入しワークフロー化す
における責任を明確化していくととも
ることでステータスの可視化、マネジメ
いずれにしても、変化する環境の中で、
に、業務プロセスの運用をモニタリング
ントへのエスカレーションレベルの適
将来も継続してビジネス競争に勝ち残っ
する責任を担っていくことで、品質向上
正 化、 KPI の 取 得 を 可 能 と す る 必 要 が
ていくためには、マネジメントの強いコ
が期待できる。合わせてマネジメントや
ある。
ミットメントのもと、バックオフィス業
フロント部門に対してのアカウンタビリ
務プロセスの標準化の徹底と KPI 等を用
ティも確保することができる(図表2)。 おわりに
いたコントロールによるオペレーティン
③ 横断業務プロセスの標準化と専任担当
者の配置
コスト削減、金融規制強化、新興のテク
ノロジープレイヤーの業界参入等のプ
グモデルを確立させることが必要になっ
てくるだろう。
レッシャーへ対応していくため、各プレ
グローバルの各拠点における業務運用に
イヤーにとってバックオフィス業務を含
あたって、拠点を跨った横断業務プロセ
めた業務プロセスの見直しは急務であろ
スの標準化と担当者の配置が重要とな
う。業界のトッププレイヤーを除いて、
る。拠点固有業務と拠点を跨った横断業
証券取引のボリューム減少や既存システ
務を識別した上で、拠点横断の業務につ
ムの刷新に 1 社のみで対応していくこと
いては、業務範囲や用語レベルでの定義
は、今後難しくなっていくかもしれな
を統一する。また、例外処理を実施する
い。ビジネスの持続的な成長へのひとつ
8
デジタル投資の分水嶺
〜414社の保険会社役員の意識調査結果より〜
グローバルな金融業界では、FinTechの名のもと、幾多の新テクノロジーや
イノベーションが日々世間を賑わせている。日本の保険業界においても新契
約手続きや支払請求手続きを中心に、タブレット端末を利用した新プロセス
の構築をほとんどの会社が終えている。その一方で、次のデジタル投資領域
についてはスムーズに取り組みを推進できていない、との声も最近よく聞く
ようになった。「テクノロジーをどのように自社の成長戦略に紐づけていく
のか?」、「どのように優先順位を定め、プロジェクトを推進させていけばよ
いか?」といった問いである。アクセンチュア・グローバルでは、世界20ヵ
国にて保険会社経営層へのインタビューを実施し、デジタル投資の注力領域
や将来への投資意欲を確認した。本稿では調査結果を一部紹介しながら、今
大窪章敬
後日本にも到来しうる潮流、さらには新潮流の中にある成長へのチャンスを
1998年 アクセンチュア㈱入社
考察したい。
金融サービス本部
マネジング・ディレクター
大きな環境変化の到来
従来のビジネスモデルの前提が通じず、
新テクノロジーは瞬時に一般消費者に
とって不可欠な存在となってしまい、そ
の移り変わりのサイクルはどんどん加速
しているようだ。保険商品のコモディ
ティ化は進む一方で、もはや商品性によ
る他社との差別化は不可能に思える。昨
今のオムニチャネル化の取り組みを裏付
けるように、主力直販チャネル以外から
の保険商品購入を考える消費者の割合は
70%の多数を占めるようになった(注:
グローバル調査)。保険業界に意欲的に
参入する他業種プレイヤーも増えてきて
おり、Googleの参入や、WalmartやIKEA
といった小売大手企業も、彼らが熟知す
る顧客層をターゲットに保険販売代行業
に参入している。従来、生命保険・損害
自動運転が一般生活に浸透すれば、従
会社役員を対象とした保険販売や代理店
来型の自動車保険の需要は減る一方
管理に関する意識調査を実施し、このよ
で、新たなリスクへ備える商品開発が
うな流動的な経営環境の中でどのように
必要となる。日本の高齢化は急激に進
デジタル・イノベーションを向かい合う
行中であり、保険市場は人口の面では
のか、その本音をインタビューした。
縮退するように見える。しかし公的医
(2015年7月〜10月)
療・年金制度が必ずしも現在と同様な
給付水準を維持できるかどうかは誰に
も予測がつかないため、日本の医療保
険・年金市場は今後大きくなると考え
ている北米の保険会社もある。新しい
テクノロジーやイノベーションの登場
は消費者意識や競合他社、リスクプー
ル、保険市場の質などを複合的に激変
させ、日本の保険会社を取り巻く環境
ファクターは極めて流動的なのである。
グローバル意識調査
諸外国と日本の傾向の差異
「最優先投資領域はどこか?」という問
いの結果が、地域別に大きく異なり大変
興味深い。市場の成熟度、一般消費者の
ITリテラシー、保険会社の発言力の強弱
が与える影響が大きいようだ。北米では
顧客からのクレーム処理を E2E(End to
End:最初から最後まで)システム完結
することが第一位(51%:複数回答可、
以下同様)に挙げられ、イギリスでは、
顧客への分かりやすく適切な提案力向上
保険として引き受けてきたリスクも大き
多くの諸外国においても、劇的な環境
が第一位となった(50%)。よく知られ
く変容を遂げつつある。遺伝子治療や再
変化を迎えていることには変わりがな
ているようにイギリスでは製販分離が極
生医療の実用化が進めば、死亡や危険の
いようだ。今回、アクセンチュア・グ
端に進んでいるため、保険会社はオンラ
概念を根本から考え直す必要があるし、
ローバルでは、世界20ヵ国414社の保険
インでは得られないコンサルティング力
9
図表1
Distribution and Agency Management Survey
概要:世界20ヵ国414社の保険会社役員を対象とした保険販売や代理店管理に関する意識調査
実施期間:2015年7月〜2015年10月
実施方法:インタビュー形式
インタビュー対象者(役職)
対象保険会社
ヨーロッパ
19%
34%
マーケティング
担当役員
29%
営業
担当役員
CIO
12%
チャネル
担当役員
6%
デジタル
担当役員
191
ラテンアメリカ
30
オーストラリア
5
ブラジル
30
ベルギー
6
APAC
90
ドイツ
20
日本
30
デンマーク
5
中国
30
フィンランド
6
オーストラリア
30
フランス
29
北米
103
イタリア
32
アメリカ
73
オランダ
7
カナダ
30
ノルウェイ
4
合計
414
スペイン
21
スウェーデン
8
スイス
8
トルコ
10
イギリス
30
27%
45%
28%
生保
損保
税金
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をデジタル投資により得ようとしてい
る。日本と類似した商品構成であるドイ
ツでは、顧客体験の品質向上(60%)が
一番多く、低価格化は 2 位( 50% )で
あった。公的保険と民間保険が排他的で
あるため、常に価格競争にさらされてい
るのだ(日本でも医療保険を民間が代行
することになれば同様な現象が起こる可
能性がある)。最後に中国では、申込・
購入の簡便性が群を抜いて第一位であ
る。いまだ白地顧客が多いことから、ま
だセールス重視であることが見てとれ
3つの潮流
日本の保険会社が注目すべき重要なトレ
ン ド と し て、 本 稿 で は 3 つ 取 り 上 げ た
い。( 1 )「デジタル化の波は加速度を
増している」、( 2 )「保険会社・代理
店の役割再定義が始まっている」、
( 3 )「イノベーションへ期待する段階
から実現する段階へシフトしている」
それぞれのトレンドについて解説する。
第1の潮流:デジタル化の加速
タル投資を増やすと回答があった。また
北米では新契約のみならず保全領域のデ
ジタル化を 3 年後に向けて増やすという
回答が 4 割強あり、顧客とのコンタクト
を総合的にとらえたいという意識が高い
ようだ(日本は25%)。デジタル・テク
ノロジーの導入が次世代の成長を支える
と考えて取り組みを推進している状況を
10段階で聞いたところ、10および9と高
いスコアで回答した国がドイツ(45%)、
北米(38%)、イギリス(37%)と軒並
み高い水準でなにかしら施策を推進して
る。一方、日本では回答が分散し50%を
損保領域におけるデジタル化を聞いたと
いる一方で、日本は 13%、中国は 1%に
超える多数派意見が得られなかった。
ころ、日本・北米・中国は、現在も投資
満たない状況であった。日本の経営層
「戦略が概念的で総花的な施策列挙に
意欲が旺盛だが、3年後(2018年)は、
は、投資判断はまだ手探り段階との回答
なっているのが問題」とのコメントから
さらにデジタル化が進むと回答を得てお
が大多数である。日本の消費者の意識は
も分かるように諸外国に比べて投資の優
り、商品情報提供・見積り・申込手続デ
北米やヨーロッパと大差ない IT リテラ
先順位付けが甘い。多くの取り組みを嗜
ジタル完結について圧倒的な伸びを示し
シーをもっているため、消費者の期待に
好するあまり、社内の人材・リソースが
ている。生命保険においては、損保ほど
応えるスピードで保険会社の取り組みが
分散してしまい、いずれの取り組みも進
の勢いはないものの、ドイツが商品情報
進んでいないことには不安を感じる結果
捗が悪いという傾向がある。
提供と見積りについて、 5 割以上がデジ
となった。
10
図表2
デジタル投資に対する注力度合い(10段階評価)
日本
3%
北米
10%
13%
イギリス
グローバル
平均
7%
27%
18%
17%
ドイツ
中国
20%
7%
3%
21%
20%
20%
25%
改革の原泉と思う
15%
21%
9
8
7
19%
17%
活用方法を模索中
6%
20%
19%
6
3%
17%
20%
30%
16%
20%
40%
23%
8%
17%
15%
23%
15%
4
3% 3%
9%
9%
3~1 検討していない
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第2の潮流:保険会社・代理店の役割
再定義
次に保険会社の役割、代理店の役割が従
来と大きく変わってくると予想している
ニケーションする能力が必須と考えるマ
ジメントは、デジタル・イノベーション
ネジメントが大多数である(8−9割)。
への価値を認めながらも、投資判断とな
ると躊躇しているという実態があるよう
第3の潮流:イノベーションの実現へ
見解が目立った。本社が担うべき役割と
最後の潮流として、外部のイノベーショ
しては、①Customer Hubの構築、②顧
ンの活用について実験的試行が始まって
客セグメンテーションの 2 点がとりわけ
いることが分かった。今後 3 年間で保険
注目されている。チャネルを増やし顧客
会社に利益成長をもたらすドライバーは
接点を増やしたため、それら複数の接点
何かという問いに対して、「商品のイノ
での顧客体験を一元化する取り組みと、
ベーション」、「IOT(Internet of Things)
その上で、自社にとっての「望ましい
を活用したパーソナライズドサービス」
客」を区別しようという試みである。北
に 5 割ほどの回答が得られた。ここでは
米、イギリスで、6−7割が積極的な回答
日本も他国と差異がなかった。一方、保
であったが、日本では1−2割にとどまっ
険会社以外の外部企業との提携について
た。また、営業事務は今後単純業務がな
は、イギリスが74%、北米が48%、最優
くなると予想しており、データアナリ
先事項と回答しているが、日本では20%
ティクス業務やソーシャルサービスの後
と低さが目立った。
方支援といった判断を中心とする「ミド
ル」機能へシフトさせると考えが明らか
になった。営業職員・代理店は、オン
(SNSなどのWebサービス)とオフ(対
面)の両方を同時に使って顧客とコミュ
日本の保険会社がとるべきアクション
だ。迅速な意思決定ができている北米や
イギリスの保険会社においては、意思決
定を迅速に行うための仕組みがある。横
断的組織、機動的予算承認・管理、加点
主義の報奨制度、積極的な外部人材の登
用などである。全てを自前で実現しよう
とすると投資するチャンスを逃す、とい
う意識付けと、勝者総取りという市場傾
向を踏まえての判断である。
一方で、テクノロジーはあくまで手段で
あり、最後に残るのは、やはり「人」の
力であるとの声もあった。「人」の力を
最大化するためにも、マネジメントはテ
クノロジーを自分の言葉で理解し、自社
の成長戦略に組み込む必要があろう。
前述した 3 つの潮流は程度の差はあれど
本記事の具体的内容を、5月20日開催の
も、日本に到来すると考えることが自然
「金融フォーラム 2016」(セミナーイン
である。しかし、日本の保険会社のマネ
フォ社主催)において講演いたします。
詳細は14頁をご参照ください。
11
最近話題のプロジェクト
金融業界では、従来の取り組みの延長線上ではなく、全く新しいビジ
ネスモデルを構築しようという機運が高まっています。まさに破壊的
創造を支援する取り組みが急増しています。また業界の垣根を超えて
サービスを拡充する取り組みも増えてきており、他の金融サービスの
みならず、ウェルネス関連企業やスタートアップ企業といった非金融
業とのオープンイノベーションの動きも加速しています。
これらの潮流をリスクではなくチャンスとして活かすために、日本国
内の他業種の知見やグローバルでの金融業の事例を最大限に活用し、
クライアントの迅速な意思決定や推進に貢献していきます。
業態
案件概要
CS
TC
銀行
BPMツールを活用した海外拠点の業務プロセス改革
○
○
海外決済ビジネス強化に向けたチャネルシステム刷新の検討支援
○
中長期のデジタル化戦略策定支援・FinTechによる業界構造や自社ポ
○
証券
OS
DG
ジションの変化等の検討に関わる支援
リテール営業高度化(業務負荷軽減/情報提供力の強化)のために分
○
析基盤を構築
保険
ウェルネスパートナーとの協業に向けたプランニング支援
○
全社デジタル戦略の策定支援
先進デジタルテクノロジーを活用したイノベーション取り組み推進
○
○
医療保険のダイレクトチャネル新設およびバックオフィスシステム構築
既存顧客やSNSユーザへの広告およびコミュニケーションメール配信の
○
○
○
○
システム基盤整備
カード
営業利益率40%を有効投資できていない中で、どう市場を創るか・
○
育てるか・優位に立つかを検討
(略)
CS:コンサルティング、TC:テクノロジー、OS:アウトソーシング、DG:デジタル
12
アライアンスおよびパッケージ・システム
社名/ソリューション名 ソリューションタイプ
弊社/
Accenture Multi
Channel Platform
(MCP)
弊社/
Accenture Mobility
Managed Service
(AMMS)
弊社/
Accenture Life
Insurance Platform
(ALIP)
弊社/
Claim Components
Solution(CCS)
銀行向け
プラットフォーム
ソリューション概要
グローバルも含めた銀行業経験と先進トレンドを反映した次世代ハブソリューション。フロントエンドとバッ
クエンドを分離し、商品・サービスの多様化や顧客志向のクロスセル営業プロセスをマルチチャネルで実現
する。顧客チャネル追加やバックエンドシステム統廃合を想定したSOA2.0型の柔軟なシステム間連携機能や、
マ
ルチチャネルでの顧客情報統合管理、複数商品を跨るバンドル商品も含めた新商品・サービス生成、先進のチャ
ネルフロント構築機能をベースに、あるべき銀行のシステム全体像構築を効率的かつ強力に支援。
銀行・カード会社向け
プラットフォーム
モバイルコマースのサービスデリバリープラットフォーム。モバイルバンキング・ポイント管理・ペイメント(NFC
含む)・クーポン・マーケティングなどのモバイルマネー系のコンポーネントを有する。従来、携帯キャリアが
提供していたモバイルマネー系のサービスを金融プレイヤーが主導で構築できるため、スマートデバイスを新
たな攻めのチャネルとして活用することが可能。欧米において多数の導入実績を有する。
生命保険会社向け
契約管理システム
生命保険・年金保険の契約管理(サイクル)業務を包括的に支援する基幹系パッケージシステム。コン
ポーネント単位の組み合わせによって、最適な機能のみの導入が可能。北米を中心に 60 社以上に
提 供 中。2006 年 8月アクセンチュアが NaviSys 社を買収後、ソリューション名をアクセンチュア
生命保険プラットフォーム(Accenture Life Insurance Platform–ALIP)に改称。
損害保険会社向け
パッケージシステム
損害サービス業務全般をカバーするグローバル No.1のソリューション。北米トップ三社のうち二社
が導入しており、約7万人の事案担当者が日々CCSを使用、米国個人保険損害全事案中 36%は CCS
で処理されている。初期導入は1998 年で、16 社に導入済。個人保険、企業保険といった全商品に
対応。業務分析ツール等変革に必要となる要素を包括的に含む。
弊社/
Underwriting
Components
Solution (UWC)
弊社/
Memetrics
(Digital Marketing
Optimization)
Pega
損害保険会社向け
引受業務支援
パッケージ
アカウント管理、
リスクセグメンテーション、外部データとの統合、指標管理といった機能に強みをもつ
全商品に対応し、引受業務全般をカバー。より迅速かつ適切な見積・引受を可能にし新たなリスクセグ
メントの開拓、
コンバインド・レシオの改善に大きな効果をもたらす。英RSAや米Allstate, Travelersといった欧米ト
ップ企業9 社が既に採用済。
マーケティング
チャネル最適化
ソリューション
Webサイトのランディングページ、E-mail、DM、リスティング広告、コールセンター等ダイレクトマーケ
ティング手段の活用を最適化し、売上増加、口座開設率の向上等、ROI の最大化を科学的かつ自動
的に実現。2007 年 12 月アクセンチュアが Memetrics 社を買収したことにより、コンサルティングを
含めたより総合的なソリューションとして提供可能。
BPM
CRM
ルールエンジン
ソフトウェア
業務プロセス・ルールベースのシステムを構築するための統合開発プラットフォームで、
Pegaの活用によりビジネ
スプロセスとシステムは一体となり、
整合性のある柔軟なシステム構築を実現。
Next-Best-Action
Marketingによ
り、
市場・消費者動向に応じた機動性の高い柔軟な対応ができ、
クロスセル・アップセルの強化、
営業推進の強化が
行える。弊社はPlatinum
Partnerとして、多くの海外事例に基づいた銀行、保険などの金融機関へのシ
ステム提供が可能。
Calypso
Murex
トレーディング・
リスク管理システム
デリバティブ(株式、金利、コモデティ、クレジット)、外為関連のディーリングフロントオフィス・リスク
日興システム
証券・資産運用系
システム&
コンサルテーション
銀行、証券、投信投資顧問等を主要顧客として、総合証券システム、オンライントレーディングシステム、
管理やバックオフィス業務を行うための市場系システムの導入支援。欧 州を中心に世界で 200 名
以上のエンジニア(国内では約20名)と多数の導入経験により培った方法論を最大活用。
ソリューションズ
(NKSOL)
投信窓販システム、投信経理システム等を、ASP 型のシステムサービスとして提供。また、豊富な実務・
運用経験に基づく、業務・システム・技術コンサルティングを展開。2005 年、より高度で幅広いサービス
をワンストップで提供すべく、
アクセンチュアとアライアンスを締結。
Oracle Financial
Services Software
銀行勘定系システム
コア・バンキングパッケージとして、新 規 顧 客 獲 得 数 4 年連 続 世界 第一 位にランキング( 2002 〜
2005 年 、IBS 誌 ) 。現 在 の 顧 客 数 500 以 上、115ヵ国 以 上で サービ スを 提 供して い る「 Oracle
FLEXCUBE 」。モジュール・アーキテクチャとして、機能が部品化されており、必要な機能のみの導入
が可能。また、商品をパラメータで設定可能なため、新商品の導入が容易。
SAP
BaselⅡ 対応システム
銀行勘定系システム
ERP(人事・会計)システム
データベース・システム
SAS Institute
イベント・ベースト・
マーケティング
クレジットライン最適化
リスク・マネジメント
サステナビリティ
Temenos
銀行勘定系システム
高品質・高付加価値な導入コンサルテーション、豊富な成功事例に裏づけされた安全・確実なシス
テム導入、およびSAP社とのグローバルアライアンスに基づく手厚いサポートを提供。
BWを中核とした情
報系システムの再構築 等、個別課題へのソリューションとして提供可能。
CRM、リスクマネジメント、サステナビリティ等同社ソフトウェア・コンポーネントにより、金融業界では、
個人・法人向け顧客営業支援、
クレジットカード与信分析、BaselⅡAMA 分析、カーボンモデリング等の
CSR環境アプローチ等、様々な分野における高度データ分析をリードするソフトウェア。
バンキング・システムとして、世界 120カ国、600 顧客サイトで利用されている「 Temenos」。
「 T24」は、
オープン・アーキテクチャにもとづき、カスタマイズ性と拡張性を提供し、
リアルタイム対応を可能と
するモジュラー構造。ハイ・パフォーマンスをリードするコア・バンキング・ソフトウェア。
13
弊社外部講演およびレポートのご紹介
2016年に投資銀行ビジネスが直面する10の課題
イントロダクション
外部講演のご報告
レポートのご案内
「 2016 年に投資銀行ビジネスが直面す
る10の課題」
5/20(金)開催「金融フォーラム2016」 「FinTech最新レポート」
(セミナーインフォ社主催)にて2つの
投資銀行のリーダーはデジタル技術や
講演を行います。
革新的な金融テクノロジー(FinTech)
FinTech の衝撃 − 金融イノベーション
を勝ち抜くための条件 / 金融サービス
本部マネジング・ディレクター 銀行グ
ループ統括 宮良浩二、戦略コンサル
ティング本部マネジング・ディレク
ター 村上隆文
保険会社でデジタルの取り組みが上手
く進まない5つの理由 - 海外の成功要因
に学ぶ / 金融サービス本部マネジング・
弊社最新調査によると、アジア・パシ
フィック地域のフィンテック投資は、
2015年1月から9月の9カ月間で約35億
ドルに、日本での投資も約4,400万ドル
に達するなど、急伸しています。分野
別では、決済業務( 40%)が最も高い
比率を占めており、金融機関は今後、
「ブロックチェーン」、「クラウド」、
「サイバーセキュリティ」分野への注
目が必要であると考えております。
https://www.accenture.com/jp-ja/insightfintech-innovation-lab-asia-pacific.aspx
に大きな関心を寄せており、デジタル
化の波で参入障壁が下がる中、業界の
垣根を越えて存在感を高めるデジタル
エコシステムに対する認識を深めてい
ます。同システムは新たなソリュー
ションの市場投入を迅速化し、市場の
根本的変化の必要性を浮き彫りにして
います。
https://www.accenture.com/jp-ja/insighttop-ten-challenges-investment-banks2016.aspx
ディレクター 大窪章敬
参加は無料で、事前登録が必要です。
詳細およびお申込みはこちらをご覧く
ださい。http://www.finance-forum.jp/
14
会社概要
アクセンチュア金融サービスに アクセンチュアについて
ついて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コン グローバル拠点数:
アクセンチュア金融サービスは、バンキング、
キャピタル・マーケットおよび保険の3セクタ
ーにおける様々な金融機関に対し、世界各
サルティング」「デジタル」「テクノロ
ジー」「オペレーションズ」の 5 つの領域
で幅広いサービスとソリューションを提供
国で「ストラテジー」「コンサルティング」 する世界最大級の総合コンサルティング企
「デジタル」「テクノロジー」「オペレー 業です。世界最大の規模を誇るデリバリー
ションズ」の 5つの領域で幅広いサービス
とソリューションを提供しています。
国内外の金融業界の変化をいち早くとらえ、
金融機関の中核戦略およびオペレーション
に重要な役割を果たすことで、企業のみなら
ず業界全体の成長に貢献したいと考えています。
ネットワークに裏打ちされた、40を超す業
界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験
世界 55 カ国
売上高:
310 億米ドル ( 2015 年 8 月期)
従業員数:
約 37万 3,000人
と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネ
会長兼最高経営責任者 :
スとテクノロジーを融合させて、お客様の
ピエール・ナンテルム
ハイパフォーマンス実現と、持続可能な価
( Pierre
値創出を支援しています。世界 120 カ国以
上のお客様にサービスを提供するおよそ37
Nanterme )
アクセンチュア株式会社
クライアント企業のトップラインの拡大、コス
万3,000人の社員が、イノベーションの創出
ト削減、高まる規制やリスクへの対応、合併・
と世界中の人々のより豊かな生活の実現に
本社所在地:
買収に伴う統合作業、新しいテクノロジーや
取り組んでいます。
〒 107-8672 東京都港区赤坂 1-11-44
複数チャネルサービスの導入等、支援領域は
多岐に亘ります。
3つのセクターにおける主な金融機関は以下
の通りです。
• バンキング:リテール銀行、商業銀行、総合
金融機関、政府系金融機関、クレジット・
信販会社、リース会社
• キャピタル・マーケット:証券会社、信託銀行、
投資/ 投資顧問会社、資産運用会社、証券
保管機関、各種金融商品取引所、清算およ
び決済機関
• 保険:損害保険会社、生命保険会社、年金
保険会社、再保険会社、保険ブローカー
フォーチュン 100 社にランキングされてい
る 92%の金融機関に対しサービスを提供し
赤坂インターシティ
アクセンチュアの詳細は
www.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細は
www.accenture.com/jpをご覧ください。
電話番号 :
03-3588-3000(代表)
FAX:
03-3588-3001
従業員数:
6,500 名以上( 2016 年 2 月末日時点)
代表者:
代表取締役社長
江川
昌史
URL :
www.accenture.com/jp
お問合せ先
ています。また、グローバルのトップ顧客
ニューズレターの掲載内容に関するお
10 社のうち 9 社と、 20 年以上継続してサー
問合せは、金融サービス本部
ビスを提供しています。
FS Architect 担当
シニア・マネジャー
松濤
真人
[email protected]
へご連絡ください。
03-3588-3000 ( 代表 )
03-3588-3001 (FAX)
FS Architect 専用サイト
www.accenture.com/jp/fsarchitect
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High Performance Delivered
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