Special Report 乗梅 り雨 切を る安 台全 所・ の快 工適 に 夫 住 ま い の 衛 生 管 理 は 換 気 か ら [清潔なキッチンでは空気もおいしいご馳走です。] 湿度の目安は50%以下 ●食中毒菌やカビ、 ダニは湿度50%以下になると増殖を抑えること ができます。 ●煮炊きをすると一時的に大量の水蒸気と熱が発生するので、 それ らをできるだけ早く排出するための局所換気が必要です。 ●燃焼系の調理器具は酸素を消費するので、新鮮な空気を十分に 給気することも大切です。 独立キッチンは負圧に、 LDKタイプは局所換気と 全体換気の組み合わせが鍵 ●独立型の台所では、熱気やにおいが隣室に流れないように、強制 換気で基本的に負圧を保ちます。 ●台所と食堂、居間が一緒になったLDKタイプでは、空間を仕切る ことができないので、換気設計には特に注意が必要です。 ●台所の換気扇から遠い位置に開口部または通風口を設けると、 部屋全体の空気が大きく、 すみずみまで効率良く流れます。 ●換気扇の能力が十分でないと、 リビングのエアコンが熱気のこも った台所の空気を引き寄せ、冷房効率が悪くなります。 ●さらに、台所の湿った空気が冷房の効いたダイニングやリビング に流れると、床や壁、家具等の表面で結露します。換気設計では レンジ用換気扇と開口部、 リビングのエアコンとの位置関係を検 討すると同時に、温度差をなくすことも大きなポイントになります。 北向きキッチンは足元にご用心 ●南面リビングを設けるために、台所を北面に配置する住宅が多く みられます。室温が上がりにくいという点では評価できますが、湿 気がこもりやすいのが難点です。 ●煮炊きで出た水蒸気をたっぷり含んだ空気は、時間が経つと冷え て足元にたまり、流し台の下の収納部にもぐりこんで見えないとこ ろで結露します。これを防ぐためには、台所のドアの下部にガラリ を設けるなどして、床面の空気を動かす工夫が必要でしょう。 Special Report ジメジメとした梅雨は、人にとっても住宅にとっても気の許せない季節です。カビやダニ、雑菌の発生、結露、雨漏れなど、 これらの悩みに共通する原因は「湿気」。湿度をコントロールすることは、快適な暮らしの基本とも言えます。 注 意 通風口には害虫の防止策を! 今回は、梅雨の時期に最も気になる「食生活の安全」をキーに、清潔で衛生的な台所とはどういうものかを「湿度」と 「温度」の関係から探ってみましょう。 ネズミやゴキブリ、ハエ等は病原菌の運び屋です。 開口部や通風口には、害虫の侵入を防ぐ配慮を忘れずに! IHクッキングヒーターで 台所の熱気と湿気を発生源から削減 [なぜ梅雨時はジメジメするのでしょうか] 「相対湿度」温度と湿度の切っても切れない関係 単位体積当りの空気が含むことのできる水蒸気の最大量を「飽 和水蒸気量」といい、温度によって変化します。空気に最大量の水 蒸気が含まれた状態が湿度100%です。 「飽和水蒸気量」を基準にして、実際に空気に含まれている水 蒸気量の比率を%で表したものを「相対湿度」といいます。湿度計 で表示される湿度○%というのは、 この相対湿度のことです。 (g) 60 空気は温度が高くなるほどより多くの水蒸気を含むことができます。 昼に気温30℃・湿度80%(単位体積当りの水蒸気量24.2g)の部 屋では、夜になって気温が下がると湿度が上がり、25℃(同23g)で 結露が始まって部屋中がジメジメします。 また、一般的に快適の目安とされる湿度50%の状態でも、冬と夏 とでは、空気に含まれる水分量が異なります。たとえば、冬季の快適 室温20℃・湿度50%の時、1㎥の空気中に含まれる水蒸気量は 8.65gですが、夏季の快適室温27℃・湿度50%では12.9gで、1.5 倍の水蒸気が存在します。 このように、水分をたっぷり含んだ空気が、夏場にカビやダニ、 雑菌の増殖を活発にしているのです。 8 51.5 50 空気1㎥当りに含むことの できる水蒸気の最大量 (湿度100%) 40 30.3 30 気温20℃、湿度50%での 水蒸気量 20 25.8 23.0 2.36 −10 0 10 気温30℃ 湿度80%での 水蒸気量 12.9 気温27℃、湿度50%での 水蒸気量 8.65 4.8 24.2 17.3 9.4 10 0 湿度が同じでも、夏の空気は冬より水分が多い 温度に対する飽和水蒸気量の変化 20 25 27 30 40 (℃) 湿気を防いでカビ・食中毒を防止 食中毒の予防には、手や食材の洗浄、十分な加熱調理が不可 欠なことは言うまでのありませんが、まず台所から湿気を追放し、 清潔を維持できる環境を整えることが大切です。 カビの 繁殖条件の目安 温度:−10∼50℃ (特に25∼30℃の環境で 活発に増殖する) 湿度:65%以上 ダニの 繁殖条件の目安 温度:20∼30℃ 湿度:60∼80% 食中毒菌の 繁殖条件の目安 温度:25℃以上 湿度:70%以上 ●調理中も熱気がこもりにくく、燃焼系のように水蒸気やCO2が発 生することがありません。 ●汚れをためないのも衛生管理の基本。IHクッキングヒーターは炎 がないので空気の対流による油煙の飛散が少なく、換気扇など の油汚れが抑えられます。さらにトッププレートがフラットなので煮 こぼし等の汚れもサッと拭くだけで簡単にとれ、 レンジまわりをいつ も清潔に保てます。 換気扇に向けて空気の流れをつくる ●換気するためには、空気の入り口と出口が必要です。窓を締め切 って換気扇を回しても、空気が流れないのでほとんど効果があり ません。独立型キッチンには扉にガラリを設けておきましょう。 ●換気扇の使用時には、窓を細めに開けて空気の入り口を作って やると空気がスムーズに流れます。 (窓を全開にするとかえって効 率が落ちます。) ダイキン□ IH クッキングヒーター ダイキンIHクッキングヒーターは3kWのパワフル高火力。 そのうえ、今まで使えなかった金属鍋にも対応できる 「いろいろメタルIH加熱」※を搭載。全電化住宅や高気 密住宅にぴったりです。※HIH4EBPSの場合 ﹁ おそ 考ろ えそ のろ おう 客 様ち にも ⋮ ﹂ と ハイグレードなビルトイン形 3口ビルトインタイプ HIH4EBPSシルバータイプ 消費電力 単相200V-4. 8kW 本体希望小売価格 309,750円(税込) 日本の気候では夏場の絶対湿度が高いため、必ずしも除湿だけでカビやダニ、雑菌の増殖を防止できるとは言えません。 換気はあくまでも除湿の手段の一つです。換気扇をはじめ、 エアコン、除湿機などを組み合わせ、全体換気と局所換気を 効果的に使い分けて、適切な温度・湿度コントロールを行うことが大切です。 株式会社 ロスコ・アールディ研究所 9
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