加納俊輔「コンストラクション断面」 2016年10月22日

www.makifinearts.com
1F Kurokawa Bldg, 4 Kaitaicyo, Shinjuku-Ku, Tokyo 162-0802
Email: [email protected] Tel : +81-(0)3-5579-2086
加納俊輔「コンストラクション断面」
2016年10月22日(土) - 12月11日(日)
オープニングレセプション:10月22日(土)18:00 – 20:00
Maki Fine Artsでは、2016年10月22日(土)より、加納俊輔 個展「コンストラクション断面」を開催します。
加納俊輔は1983年大阪生まれ。2010年 京都嵯峨芸術大学大学院芸術研究科修了。「写真を見るということを『イメ
ージを見ること』と捉えるのではなく、『イメージが貼りついた物質を見ている』と捉えなければならないと思っている」
という加納の言葉が示すように、写真を通して、複雑な階層を意識させる手法により、「見る」という行為を問い直す
作品を発表しています。
これまでの主な展覧会に、「これからの写真」(愛知県美術館/2014年)、第8回 shiseido art egg 「加納俊輔 | ジェン
ガと噴水」(資生堂ギャラリー/2014年)など。近年では、他アーティストとの共同制作およびアーティストブックの出版
など、活動を展開しています。「THE COPY TRAVELLERS」(加納俊輔・迫鉄平・上田良)や、「三つの体、約百八
十兆の細胞」(早川祐太×高石晃×加納俊輔)において、各作家との対話と実験を重ね、新たな表現の可能性に
挑戦してきました。
Maki Fine Artsでの個展としては、「バウムクーヘンとペタっとした表面」(2013年)、「ファウンテンマウンテン」(2014
年)、「Cool Breeze On The Rocks」(2015年)から約1年半ぶり、4回目の個展となります。本展では発表される新作
は、シンガポールで撮影したスナップショットを用いた、写真作品「specious notion」シリーズ、映像作品を中心に構
成されます。都市開発が進み、変容するシンガポールの工事現場の風景を素材として、拡張し続ける加納の最新
作を是非ご高覧ください。
www.makifinearts.com
1F Kurokawa Bldg, 4 Kaitaicyo, Shinjuku-Ku, Tokyo 162-0802
Email: [email protected] Tel : +81-(0)3-5579-2086
星野 太(美学・表象文化論/金沢美術工芸大学講師)
加納俊輔の作品を見ることは、いつも新たな発見の喜びに満ちている。その発見は、決して晦渋な「学び」をこちら
に強いるようなものではなく、つねに軽快な「喜び」を伴うものだ。見る者に対して啓発的であろうとする凝り固まった
姿勢を周到に回避しつつ、世界に対する新たな視野をあっけらかんと提示する加納の作品は、むしろその事実に
よって、どこか超然とした風格を湛えている。
現時点での加納の代表作である《layer of my labor》は、その洒脱なタイトルが示すように、現実に存在する複数の
「レイヤー」を操作的に用いた鮮やかな仕事であり、写真の表面性に対するすぐれた批判意識の産物である。とは
いえ、写真を見るときのプリミティヴな驚きを凝縮したような《WARP TUNNEL》、あるいは世界の「かたち」に対する
すぐれた洞察の結晶である《B&B》といった旧作に目を向けてみればわかるように、この作家はキャリアの当初から、
その軽妙な姿勢を決して崩すことがない。
加納俊輔の作品において何よりも驚くべきは、明敏な批判意識に満ちたこれらの産物が、つねにどこかユーモラス
な姿を纏っていることだ。加納の作品を見る者は、そのユーモアに満ちた発見の喜びを、何らかの言葉にしたいと
いう誘惑に駆られる。とはいえ、作品を前にしかめ面であれこれ言葉を闘わせることほど、その「喜び」に似つかわし
くない振る舞いもない。おそらくそれこそが、加納の作品から私たちが獲得すべき唯一にして最大の教訓である。
■展覧会名 加納俊輔「コンストラクション断面」
■会期 2016年10月22日(土) - 12月11日(日)
オープニングレセプション:10月22日(土)18:00 – 20:00
■会場 Maki Fine Arts
〒162-0802 東京都新宿区改代町4 黒川ビル1F
Web : www.makifinearts.com / Tel:03-5579-2086 / E-mail: [email protected]
■営業時間 水曜 – 日曜 12:00 – 19:00
■定休日 月・火・祝祭日