隠岐の島町の豊かな水産資源を活用した観光振興

平成25年度小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業
隠岐の島町の豊かな水産資源を活用した観光振興策
平成26年2月 隠岐の島町商工会
事業報告書
目
次
1■事業概要・・・P1
2■地域の状況・・・P1
3■事業推進体制とPJメンバー構成・・・P2~5
4■具体的な取り組みについて
≪食開発≫P6~22
1.既存取組における課題及びボトルネックの検証・・・P6
2.専門家の招聘・・・P7~9
3.飲食業者、顧客に対してのニーズ調査・・・P10
4.消費者サイドの動向調査・・・P10
5.先進地視察・・・P11~13
6.隠岐の島の食文化の歴史調査・研究・・・P14~15
7.新規商品・メニューの開発・・・P15~21
8.試行的な取組の検討・・・P21~22
≪観光開発≫P22~27
1.専門家の招聘・・・P22~24
2.アンケートの実施・・・P24~25
3.地元漁業者、観光関係業者を交えての検討会。・・・P25
4.試行的な取組の実施・・・P25~27
5■事業の成果と今後の方向性・・・P27~30
6■会議開催状況・・・P31~32
-2-
1■事業概要
隠岐の島町の豊かな水産資源を「食」と「観光」という2つのアプローチから活用し、
観光地としての魅力を高めることで、交流人口の増加とそれに伴う地域経済の活性化を目
指す為、
「食」については既存取り組みの再検証、過去に行われていなかった伝統的な食文
化の検証、観光客への提供体制の確立の為の検討、試作品の開発等を行った。
「観光」については観光資源としての水産資源の活用検討及び試行、実施体制の検討を
行い、これらの水産資源を生かした複合的な取組により、隠岐経済全体の活性化の可能性
について検証した。
2■地域の状況
人口約1万5千人の隠岐の島町は、島根県の北東約50キロの地点に位置する隠岐諸島
に属しており、隠岐諸島中最大の面積を有する。近年まで、隠岐の島町の経済は、建設業
がその中心であり、H20年度においては、総生産額523億円に対して、建設業70億
円と総生産額の13%を占めていた。ところが、昨今の公共事業の削減に伴い、地域の基
幹産業の1つである建設業の状況は芳しくなく、それによって、島全体の経済にも影響が
出てきている。
現在、隠岐の島町では、建設業に代わる産業として、観光業及び1次産業である農林水
産業に着目し、世界ジオパークの認定による観光振興策、繁殖牛飼養頭数の700頭体制
に向けた増頭など、その振興に力を入れているところである。しかしながら、この観光業
についても、長引く不況や、海外旅行の格安化等の影響を受け、交流人口数は年々、減少
の一途を辿っており、H8年度の 232,897 人をピークにH23年度は 130,160 人と 10 万人
以上も減少している。
閉塞気味な観光業を活気づける打開策として、1 次産業である農林水産業と連携し、豊
かな水産資源を生かした隠岐の水産物を活用した全国展開も視野に入れた新商品の開発、
-1-
あるいは既存商品の改良、及びそうした商品の島内における観光客への提供体制の確立、
加えて、今まで十分に行われていなかった隠岐の水産資源の観光資源としての活用により、
隠岐の新しい魅力を開発し、交流人口数の拡大を図る為にもこの事業に対する期待は大き
い。
隠岐の島の豊かな海洋資源
顧客の増加
『食』への活用
『観光資源』としての活用
満足度の向上
Ⅰ.交流人口の増加による地域経済の活性化 Ⅱ.満足度向上によるリピーターの増加、評価上昇
3■事業推進体制とPJメンバー構成
隠岐の島町商工会の取りまとめのもと、学識経験者・地元行政・漁協・農協・観光事業
者・飲食宿泊事業者・その他関係団体が一体となって、検討委員会を組織した。事業実施
は、「食」と「観光」の作業部会を組織し、専門委員のプロデュースで機動的に事業推進
した。
専門家の中澤さかな氏(所属:道の駅/萩しーまーと駅長)は、㈱リクルート出身で、マ
ーケティング業界やマスコミ業界、流通業界、大学関係者に多彩なネットワークを持ち、
これまでもそれらの人脈を活かした地域振興事業を多数手がけてきている。特に水産物の
ブランディングについては、基本に忠実でありながら現実的・実践的な取り組みで短期間
に一定の成果を確保している。広報宣伝についても、前職で雑誌編集長職を長く経験する
など、その分野を専門としており、レギュラー番組や連載企画の確保など、そのパブリシ
ティの誘発力は全国有数とされる。
総務省の地域力創造アドバイサや内閣官房の地域活性化伝道師にも認定されており、複
数の市町村の地域“食”資源開発に関るなど、実践に基づいたフィールド経験も豊富であ
る。
-2-
専門家:坂本貴秀氏(郷土食コーディネーター)は津軽地方の伝承料理を掘り起こし食
べ継ぐプロジェクト「津軽料理遺産」の活動に取り組み、伝承料理の露出増加と価値共有
を目的とした食観光マップや、駅弁「ばっちゃ御膳」をプロデュース。
駅弁を媒体とした地域食文化の認知と商品価値向上スキームを構築。また、青森県内で
雪害に遭ったリンゴを高付加価値化するため、日本で初めてホットアップルサイダーによ
る地域活性化の取組を提案。冬場の青森観光における目玉商品の一つとなっている。
専門家:高田佳岳氏(一般社団法人 LIGHT UP NIPPON
長
元株式会社 博報堂
代表理事
任意団体 海の学校 校
プロモーション営業局 アカウントスーパーバイザー)はダイビ
ングインストラクターの資格を所持し、スピアフィッシングの世界大会で過去に上位入り
するなど、マリンスポーツに精通されており、近年では、子どもが海に触れ合う機会を増
やそうと、海の学校の立ち上げを企画するなど、海を活用した種々の取組を実践されてい
る。また、H25年9月まで、株式会社博報堂に勤めておられ、商品のプロモーション、
営業に関するノウハウを有している。現在は都内にて、日本全国の種々の新鮮な魚介類を
提供する飲食店を経営されており、飲食分野においても取組を展開されている。
-3-
○隠岐の島町の豊かな水産資源を活用した観光振興策検討委員会
氏
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
委員長
副委員長
委員
専門家
事務局
名
八幡 哲
道下 隆行
坂 嘉文
坂田 勝己
澤井 拓郎
中西 梨恵
林 千枝子
林 雅稔
村上 淳一
山辺 浩二
八幡 洋公
横地 廉平
渡辺 俊樹
伊藤 ゆかり
遠藤 元美
横田 幸男
武田 昌司
門脇 亮
斎藤 敬
広兼 克彦
橋本 真治
角橋 隼人
的地 伸夫
西岡 武志
前田 隼人
中澤 さかな
高田 佳岳
坂本 貴秀
吉田 幸二
野津 寿天
古川 拓也
山田 ちはる
所
属
隠岐の島町役場 定住対策課
隠岐の島町観光協会
㈱アトリエクラウド
キッチンサカータ
株式会社あいらんど
スプーンティーノ
JF しまね西郷支所女性部
株式会社 プラッツ
山形屋
ゆうひ
山陰観光開発株式会社
隠岐プラザホテル
㈲昭栄商事 西洋亭
ゆうや
㈲アグリおき
隠岐支庁水産局 水産グループ
隠岐支庁農林局農業振興グループ
隠岐支庁県民局地域振興観光グループ
JF しまね西郷支所
JA 隠岐 経済部
まちづくり運動協議会
隠岐観光協会
隠岐の島町観光協会
隠岐の島町役場 農林水産課
隠岐の島町役場 観光課
役
課長
事務局長
代表取締役
店長
営業課長
店長
部長
代表取締役
代表
代表
代表取締役
常務取締役支配人
社長
店長
社長
課長
課長
主任
販売課長
部長
地域振興部長
事務局長
業務課長
主幹
主幹
萩しーまーと駅長、内閣官房地域活性化伝道師
―
株式会社博報堂プロモーション営業局
FCAJ 認定フードコーディネーター
隠岐の島町商工会
隠岐の島町役場 定住対策課
農林局農業振興グループ
隠岐支庁水産局 水産グループ
―
-4-
職
―
部
食
○
○
○
○
○
○
○
会
観
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
◎
◎
経営支援課長
―
―
主幹
主事
主任技師
―
―
―
―
―
―
○事業の実施体制イメージ図
隠岐の島町の水産資源を活用した
地域産業観光促進事業委員会
事業進行管理
関係団体
・隠岐の島町商工会
・隠岐観光協会
・隠岐の島町観光協会
・隠岐の島町教育文化振興財団
・JA隠岐
・JFしまね西郷支所
行政
相互連携
・隠岐の島町
(定住対策課、観光課、農林水産課)
・隠岐支庁
(県民局、水産局、農林局)
調整
イベント等
実施地区
事業者
・飲食店事業者代表
・旅館業者代表
・漁業者代表
アドバイス
専門家
-5-
コーディネート
各事業者
4■具体的な取り組みについて
≪食に関するもの≫
① 既存取組における課題及びボトルネックの検証
これまでの隠岐の島町における「食」の取組の課題及びボトルネックの検証を行う為、
過去 5 年間に行われた食の取り組み4つについての問題点・反省点等について検証を行っ
た。
事業名/実施主体
さざえカレー島じゃ常識化事業
(みんな大好きサザエカレー実行委員会)
ご当地グルメグランプリ
(隠岐諸島☆ご当地ぐるめプロジェクト)
食を核とした地域活性化支援事業
((社)隠岐の島町観光協会)
Sea-1グランプリ
(隠岐の島町まちづくり運動協議会)
実施時期
平成21年4月1日
~21年12月31日
平成22年10月30日
平成23年2月2日
~23年3月31日
目的
内容
結果
隠岐の海岸部集落では古くから
豊富なサザエを肉の代わりにカ
レーに入れて食べていたが、地
元の食堂やレストランではほとん
ど食べることができない。そこで
もっと気軽に食べられる名物料
理として地元に普及させ、同時に
隠岐のサザエカレーを広くアピー
ルすることで、島の交流人口の
拡大を目指す。
地域活性化センターの補助金(300万
円)を使って事業(シンポジウムの開
催、レシピコンテスト等)を予定してい
たが、補助金が不採択。事業内容に
賛同のあった店舗(島後12、島前5)
に参加を求め、ノボリとポスターを配
布、観光案内所に店舗紹介マップの
配布のみ行う。集落活性化補助金74
万円活用。
参加店舗からはサザエの原価が高いの
で、仕入れ値を出来るだけ抑えたい相談
があったが、解決策が見い出せず参加店
舗のメニューからも自然消滅、現在はさざ
え村のみ残っている状況。
10代の新鮮な発想による「ご当 隠岐4島の中高生を対象に料理作品 グランプリ1点(隠岐焼き(たこ焼き風のサ
地ぐるめ」を開発し、今までにな を募集した。県の補助事業25万円活 ザエ入り))・準グランプリ2点(イカボン
い「隠岐の食」を新たな隠岐の魅 用。
バー、ローソクソフトクリーム)・敢闘賞4点
力として島内外へ広くPRすること
が選ばれた。レシピをウェブに公開したり
で隠岐を盛り上げていくことを目
して商品化を目指すが、その後の販売方
的とする。
法・PR方法を想定していなかった為、夏
祭等での販売はあったが安定した販売に
展開することなく一過性のもので終わる。
食への取り組みは各組織、団体
ごとに以前より行われていた。し
かしネットワーク化された取組と
なっていないため、継続した展開
や連携した取り組みに至ってい
ない。本事業により食に関係した
地域振興へと繋がる組織体制の
構築を目指す。
古くから食されている食材を使って新
商品・メニューの開発を行い、観光商
品として島内外(島根圏域・関西圏
域・関東圏域)への情報発信を行い、
観光客の誘客につなげる。また隠岐
の水産物について島根県飲食業生
活環境同業組合と商談を進める。農
林水産省の平成22年度農山漁村6
次産業化対策事業補助金 1,760万
円を活用。
島の朝めし、潮凪牛めし、あわびカレー、
隠岐焼きの商品化を目指し、関東、関西
とマスコミ関係者に試食会開催、BSS祭り
(松江)に出展し、広く情報発信するが、現
在残っているのは潮凪牛弁当のみであ
る。島の朝めしについては島内の宿泊施
設で提供されている朝食について、観光
客が求めている隠岐の水産物をたくさん
使用したものと乖離した、どこでも食べら
れる物しか提供できていないことを危惧し
た取り組みであったが、未だに連携体制
が取れず実現できていないとのこと。
同日開催の島友フェスタ内のイ
ベントの一つとして開催してす
る。コンテスト形式で、隠岐の海
の幸を使って今までにない新た
な商品を作成することを目的とす
る。
11店舗の出店があり、入場者の投
票と店の売り上げ高を総合してグラン
プリ形式で競うもの。一つ300円で少
量提供することで、多くのメニューを
食べてもらうこととする。
結果はグランプリ(バイドリア(ゆうや))・
準グランプリ(海鮮ピザ(スプーンテイー
ノ))・3位(白いかげそ焼きそば(うまい焼
きそばつくり隊))が選ばれた。しかし、
元々イベント用のメニュー開発及び販売し
か考えていなく、その後の販売方法・PR
方法を想定していなかった為、せっかくの
取り組みも文化祭での販売等はあった
が、安定した販売に展開することなく一過
性のもので終わる。イベント後の反省会
の中でも課題として残った。
平成24年9月22日
食の事業は過去に様々な取組があったが、どれも定着しなかった。どの取組も初めの企
画は良いが、実効性が薄い印象、継続した取り組みに繋がる検討がされていない。
また水産資源活用に向けて、流通の問題を把握するために、地元鮮魚店の店主を招き、
-6-
意見交換することにより、様々な角度から問題点を模索した。今回は島を挙げて本気でこ
の問題に取り組むことを共通認識し、過去の取り組みのような短絡的な取組にならないよ
うに 3 年間かけてじっくり検討していくことも必要であることを認識した。
その結果、大きく以下の3つの課題を確認する。
【まとめ】
隠岐の島の「食」の取組に係る課題まとめ
課題その1
ターゲットを明確にしていない
PRが上手くできていない
提供体制を想定していない
実際に『商品が消費者に届くまでの戦略』を十分に練らずに、事業に着手している
課題その2
関係者間の連携不足
取組に対する意識の不足
取組に対する意識の共有化が十分に図られていない中で、事業に着手している
課題その3
漁師はこれ以上魚価が下がると困ると主張
飲食店は魚価が高く、魚を活用できないと主張
鮮魚の価格に対する捉え方について、供給者と提供者の間でギャップがある
② 専門家の招聘
専門家:中澤さかな氏、坂本貴秀氏を招聘して講演をしていただき、今回の取り組みにつ
いてアドバイスをしていただく。(平成25年9月11日実施)
-7-
○坂本先生講義
これまでに取り組まれた「津軽料理遺産」の取り組みを中心に講義、伝承料理文化の重
要性及び「隠岐料理遺産プロジェクト」についても提案があり、隠岐は貝が豊富であるの
で「貝の王国」
「貝鮮丼」等のキャッチフレーズで貝を売りにすると良いとアドバイスを受
ける。
○中澤先生講義
これまで取り組まれた、ご当地メニューの開発について講義していただく。
リクルートの宿泊旅行調査において、旅行の目的として、現在ナンバー1に挙がってい
るのは、
「地元の美味しいものを食べる」であり、全国各地域で食の魅力を創造する動きが
広がっている。今回のプロジェクトの目的は、
「訪れる観光客の満足度の向上によるリピー
ターの増加」とあるが、訪れる人を待つのではなく、せっかくの水産資源を生かして、
「食」
によって、人を引き込む施策を前面に打ち出すべき。景勝地は 1 度見たら、終わりであり、
-8-
リピーターを生まないが「食」は美味しければ、必ずリピーターを生む。やはり「食」で
売り出していくべき。隠岐のうまいものを食べることを目的に多くの観光客が訪れるよう
な体制作りを3年間かけてやっていくとよいとアドバイスを受ける。
【まとめ】
現在、貝類を食べ物として、集中的なプロモーションを実施している地域は全国的にも
前例がなく、町内で生産される貝の種類も、アワビ3種・サザエ・トコブシ・白バイ・赤
バイ・ニイナ・ニシ・ヨメガカサ・カメノテ・イワガキ・マガキ・ヒオウギ・イタヤ・ム
ールと非常に多く、またその生産量も、それぞれ全国区級であり、商材化されず放置され
ている貝類もあると予測される。
今回の専門家の意見交換により、隠岐の島町を「貝の王国」
「貝の宝庫」としてプロモー
ションする可能性について検討の余地があることを確認する。
-9-
③ 飲食業者、顧客に対してのニーズ調査
飲食業者等の提供サイド、観光客等の消費者サイドの双方に対して、それぞれのニーズ
調査を行い、それぞれの現状・ニーズについて検証して、最も隠岐の島に適した商品を模
索した。
町内の全飲食店52店舗に対して実態調査アンケートを実施した。
(別添資料1参照:平
成25年11月実施)
【まとめ】
・観光客をターゲットとして意識しているかは、半々であり、観光地でありながら、必ず
しも意識がされていない状況が明らかとなった。
・地元産の食材使用率は、9割を超えており、多くの飲食店で使用されており、全体に占
める地元食材の割合も5割以上と高い数字となっている。
・新たなメニュー導入にしろ、伝統料理の導入にしろ、5割以上の店舗が導入に対して、
前向き。中華料理店を除けば、6~7割に達する。
・隠岐の食の抱える課題としては、「鮮魚の価格が高い」「鮮魚の安定的な供給が難しい」
という流通面、及び、「関係者の意識が低い」「関係者間の連携ができていない」という
2点が主に出てきた。
④ 消費者サイドの動向調査:GAP 調査を実施。(別添資料2参照:平成26年2月実施)
【まとめ】
・隠岐の島町での旅行経験者の内、食事に対する満足度が非常に高いと回答したものが全
体の 28.8%にとどまっていることから、現在の食の提供体制等の問題が再確認された。
・旅行者が求めている食事は海鮮系の定食メニューに高い興味度を示し、GAP 調査の得意
とする認知度は低いが興味度が高い食材は(=これから新たに売り出せる可能性の高いと
されるもの)白バイ貝、ヒオウギ貝、タイ、ブリ、イワシ、ハバノリ、神葉、あらめ、藻
- 10 -
塩等であった。
・貝類を中心としたグルメ開発においては、非常に高い支持を得ており、消費者のニーズ
があることがわかったため、消費者の傾向をつかんだ料金設定による新たなるメニュー開
発を継続して行い、認知度を高め、全国的に実施例のない「貝類と言えば隠岐の島町」と
いうブランドを作っていくことについての可能性について確認できた。
⑤ 先進地視察
隠岐の島近海で水揚げされた白バイ貝の金沢市場での流通状況、飲食店での提供方法、
評価等についてヒアリングを目的に下記の日程で石川県へ視察を行う。
視察日程
19日
平成25年11月18日(月)~20日(水)
午前 8 時半~金沢市中央卸売市場
2番ゼリ
見学
(石川中央魚市)
石川中央市株式会社視察(中央卸売市場内)
午前 10 時~ウロコ水産株式会社視察(中央卸売市場内)
午前 15 時~和倉温泉
参加者
加賀屋視察
隠岐の島町の豊かな水産資源を活用した観光振興策検討委員会委員8名
氏
名
所
属
備考
1 遠藤 元美
農家カフェ・レストラン経営者
2 澤井 拓郎
宿泊業勤務
3 中西 梨恵
製菓販売業代表者
4 横地 廉平
ホテル支配人
5 角橋 隼人
隠岐観光協会事務局長
6 道下 隆行
隠岐の島町観光協会事務局長
7 古川 拓也
島根県職員
事務局(補助対象外)
8 野津 寿天
島根県隠岐の島町職員
事務局(補助対象外)
ご当地グルメ実行委員会委員長
- 11 -
食部会部長
視察結果【まとめ】
・バイ貝について
金沢でバイ貝と言えば、鰤・蟹・甘エビのいわゆる3役にはかなわないが、無くては
ならない存在であり、大きいものは刺身、小さいものは煮物で食べられる他、寿司のネ
タとしても多く食べられている。
その中で隠岐の島産のバイ貝は日持ちがする、身が肥えている等の理由で、絶大な評
価を得ており、金沢のバイ貝の取引量450トンの内280トンと約 6 割を占めている。
日本一のおもてなし旅館:和倉温泉加賀屋でも隠岐産のバイ貝が使用されており、品
質において最高級の評価が認められる。
しかし良質なバイ貝の原産地である隠岐ではバイ貝がブランド化がされていなく、せ
っかくの水産資源を活かしきれていないことも事実であるが、バイ貝王国金沢でもまだ
バイ貝をメインとした商品開発は行われたことがなく、開発の余地があることも確認さ
れ、今後の隠岐産のバイ貝を使った新メニューの開発について可能性を見い出せた。
- 12 -
また、加賀屋において、客室係の方が、料理を出す時にその食材がどこで、どういった
風に作られた物で、それがこういう風に調理されている、お酒であれば、どういう酒造か
ら仕入れて、味はこういう感じという詳細な説明やストーリーを話されることを体験した。
このことは、今後とても大事な部分であると考えられ、新メニューの開発や、伝統料理
のPRなどは、ある意味でハードの部分であり、加賀屋に見られる、こうした説明やスト
ーリーを話せる土壌(意識)を飲食店、ホテルで統一的に醸成していくというアプローチ
も同時に非常に重要であると認識した。
隠岐の白バイ貝香草焼き(和倉温泉加賀屋)
- 13 -
⑥ 隠岐の島の食文化の歴史調査・研究
隠岐の島に伝えられている伝統的な食文化、郷土料理等について専門家である坂本貴
秀氏に調査を依頼し、それらを活用したプロモーションの可能性についても検証してい
ただいた。(別添:資料3参照)
【まとめ】主に以下の内容の提案を受ける
全国的に他の地域と差別化を図る為に、地域ブランドを確立する取組を行っている事
例は多いが、なかなか差別化に繋がりにくいのが現状である。
(特に大間のまぐろや氷見
のブリなど他の地域でナンバーワンの位置が確立されている食材)
隠岐の島の場合、
「隠岐の島といえばこれ!」として、群を抜いた全国的知名度を有す
る島の代名詞的食材がない代わりに平安時代まで「御食国(みけつくに)」として、皇室
や朝廷に御食料としてアワビやイカ、ワカメといった海産物を提供しており、食材全体
の質の高さを保証するストーリー性を強く有しており、併せて食材全体の偏差値が非常
に高いエリアである。
つまり、偏差値の高さを武器にしたプロモーションを行うことで、隠岐の島のブラン
ディングを進めることが可能である。
その可能性を大きく秘めているのは貝類である。
そして、
「貝王国・隠岐の島」という切り口を突破口に、隠岐の島の食材の接点を作っ
た後、「隠岐そば」や「焼き飯茶漬け」「なまこのおろし合え」などの伝承食文化を知っ
てもらうことで、更に深く島に興味を持ってもらうことが可能である。
その理由としては、伝承料理を食べて感じる「懐かしさ」の部分は調理法の共通化と
今の日本で触れる機会が多い洋食系の料理と、真逆の料理に出会った印象を強く持つた
めであり、それは最初の旅行の時点で、あまり目的意識として持たれない要素だからで
ある。
和食には「五法」と呼ばれる基本的な調理方法「煮・焼・揚・蒸・生」があるが、隠
- 14 -
岐の島の食文化環境は、五法のうち先に生を訴求することが可能であり、その後で残り
の方法による料理を提供することで、地域の伝承食文化のファンを作ることが可能な環
境である。
⑦ 新規商品・メニューの開発
課題把握、先進地視察、ニーズ調査といった取組を踏まえた上で、隠岐の水産物を生か
した新規商品の開発へ向け、試作メニューの開発を行う。
≪試作品試食会≫
○バイ貝を利用した新メニュー開発ということで、下記の4つのメニューについて、試作
品の試食会を行った。
(平成26年1月17日開催)
【バイフライカレー】闘牛用の牛肉を使ったカレーの上にバイ貝のフライを乗せたもの。
見かけは岩のりを岩場にバイ貝のフライを景勝地「ローソク岩」に見立てたユニークなも
の。
- 15 -
【バイ貝尽くし定食】
・・バイ貝の身を造り、煮つけ、フライ、炊き込み御飯に肝を使った
煮付け、吸物と、とにかくその名のとおりバイ貝尽くしの定食。
【焼き飯茶漬け】
・・藻塩米のおにぎりに味噌をつけて焼き、その上に粕漬けしたバイ貝を
のせ、けんちん汁で崩しながらたべていくもの。
- 16 -
【貝鮮丼】
・・炊き立てのご飯の上にバイ貝、サザエ、アワビ、ヒオウギ貝と、とにかく隠
岐の島でとれた貝尽くしの丼ぶり。中央にはメカブを乗せて完成。
- 17 -
- 18 -
○以下、来賓、専門家からのコメント。
【松田和久:隠岐の島町長】
・アイディアは化学反応のように生まれるもの、という言葉が思い出された。既にある
ものを新しいものと組み合わせていくことが重要。今日のメニューも興味深かった。
・全国各地の食べ物を食べるとまず第一に重要なのは、
「米」と考えている。今日も食べ
て思ったが、やはり隠岐は米が美味い。
・特に焼き飯茶漬けは美味しかった。
【竹森昭夫:島根県隠岐支庁水産局長】
・以前は白バイの知名度は低く、隠岐でもマイナーであった。それが、観光客向けの食
材としてピックアップされてきているのは、嬉しいこと。
・焼き飯茶漬けに乗っているバイの西京焼風については、単品でも加工品になりうるの
では。
【横地龍男:隠岐の島町観光協会会長】
・現在、別件で隠岐そばをPRしたい、という動きもあり、
「隠岐でしか食べられないも
の」を売り出していくことが重要。
【坂本貴秀先生】
・他の地域では、美味しいものとまずいものは、混在しているのが普通だが、2 回目で
はあるが、隠岐は全て美味しいもの、というイメージ。今日のものもどれも美味しかった。
・美味しいものを食べている人が作っているから、美味しいものができている、という
こと。
・観光客のニーズは、今全国どこでも食べられるものではなく、
「地域の人が食べている
ものを食べたい」というニーズに変化している。
・あとは、1人でも多くの人に発信していくことが重要であり、隠岐の美味しさを広め
ていって欲しい。
- 19 -
【中澤さかな先生】
・バイのフライは非常に美味しかった。
(以前、自分も試したことがあり、ここまで美味
しいのは本当に驚き)
・とってつけた料理を出す必要はない。よそが真似できないもの=その地域で食べられ
ているもの。如何に食文化、食風習を生かすか、ということが大事。
・全国 1,700 の市町村のどこも同じように食のアピールをしようとしている。そんな中
で成功するには、かなりのインパクト、印象の強さを与えなければならない。
・そういう意味では、本日の試食メニューは美味しいが、パンチがない。隠岐にまで食
べに行きたい!というあと一歩の何かが足りず、そこまで高めていかないと勝てない。
・成功するご当地のグルメの要素として、
①美味しい→これは最早当たり前
②地物を使っている→これも当たり前
③美味しそうに見えるかどうか→今日のメニューはここが足りない。色合いも考える
必要がある。
④地域の風土、食文化を取り入れているかどうか
⑤おもろい→思わず写真を撮って、facebook 等で人に教えたくなるようなものかどう
か、というところ。いい意味でも悪い意味でも隠岐は真面目過ぎる。もっと面白い発想が
あっていい。
・こうした取組は、1年でどうにかなるものではない。いいものであっても、最低3年
はかかる。腰を据えて、取り組んでいただきたい。
【まとめ】
試作品の味について一定の評価を得ることができ、今後のバイ貝を使ったメニュー開発
の可能性について方向性を見出せたが、専門家からは色合いやユニークさにおいて、まだ
全国レベルに足らないという評価もあり、今後の新メニュー開発の参考としたい。
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⑧ 試行的な取組の検討
これまでの取り組みの中から、次年度で行う具体的な取組について検討する。
「食」部会でこれまでに出てきた提案
1.島の朝飯
・宿の朝飯を1箇所で食べられるようにして、その場で隠岐らしい朝飯を振る舞う。
・具体的な案として出たのは、朝、宿から西郷港隣接のメガフロートへ行き、その場で、
ご飯等を給仕し、おかずについては、漁協、あんき市等の協力を得て、旬の地元の食べ物
を自分の好きな物を選んで、食べてもらえるようにする、というもの。
例えば、その日の朝にあがった旬の魚をその場で焼いて食べる、朝獲れ野菜のサラダ、
など。
2.貝をメインにしたプロジェクト
・中澤、坂本両先生からご提案のあった案。
一つの地域で、これだけ貝が獲れることは珍しい。これを売りにしていくべき。貝をメ
インにしたプロジェクトを展開してはどうか、というご提案。
・山口の「山賊料理」に対抗して、
「貝賊」として売ってはどうか。それぞれにキャラ立
てをすれば、非常に面白いのではないか。
・貝の王国、貝賊の島
3.隠岐料理遺産
・坂本先生からご提案のあった案。
・隠岐の古くからの伝統料理を隠岐料理遺産として、認定し、様々な店舗で売り出して
いく、というもの。
4.水ガニ小屋、イワガキ小屋
・広島のカキ小屋、松江のカニ小屋を参考に白バイ小屋、アワビ小屋、など、ヴァリエ
ーションは豊富。
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5.刺身食べ放題(バイキング)
・焼肉食べ放題のお刺身版。全国的に海鮮の食べ放題は少なく、中国地方では広島に 1
店舗(ぐるなび調べ)
・1匹ずつの提供にならないため、魚の大きさを揃える、等の配慮がいらず、提供のし
やすさがあるか。
6.季節丼
・決まった魚の丼ぶり、としての商品化ではなく、その季節ごとの旬の魚を丼として提
供する。食べる時期によって、中身が変わる、ということを前面に押し出す。
【まとめ】
検討の結果、時間帯別に朝食については「島の朝飯」、昼食は「貝をメインにし
たプロジェクト」夕食は「隠岐料理遺産」を中心とした取り組みを行うことを確認
する。
≪観光開発≫
① 専門家の招聘
専門家:高田佳岳先生を招聘して講演を受ける。(平成 25 年 10 月 8 日(火))
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主な内容
・日本のように、一国で、流氷からサンゴ礁まで見られるところは少ない。海水面の保有
面積は、世界で6位。世界中の海で生息する生物の約15%が日本で見られると言われ
ている。日本全体が素晴らしい海の資源を持っている。一方で、日本人が海から離れて
しまっている現状があり、そんな日本人を海に戻したいという想いがある。海を語れる
人がいない。
・実際に潜ってみたが、隠岐の海は、とてもいい海。伊豆の海に似ている。陸から20m
程度離れると、すぐ2~30m沈んでおり(ドロップオフと呼ばれる)、地形的にも面
白い。ジオパークの世界認定された、ということだが、海中も含めたジオパーク、とい
うことで謳うと全国的にもない取組で面白いのでは。
・海洋レジャーの可能性として、まず、隠岐ならではのものを出すには、「海外に学ぶ」
という視点を提案する。海外では、明確かつ細かなルールを定めて、海を開いている。
・フィッシングライセンス制度
→1匹いくら、で釣っていい、という制度。「自然環境保安官」という監視員を設置
し、不法に獲る者を取り締まる。一方で漁獲禁止種も設定し、海を守っている。
・サンクチュアリ(邦訳:聖域)
→一部地域を自然環境保護区域として、設定し、その地域での一切の漁獲を禁止し、
厳しく取り締まる。ダイビングなどのレジャーは可。そうした区域を設定すことで、
周辺の海域は豊かになり、魚が増えることから、名所にもなりうる。
・スピアフィッシングについて
・魚を突くスポーツで、世界的には非常にメジャーなスポーツ。やっている人が主にある
程度の富裕層であり、参加費が200~300ドルは当たり前。世界大会でも人数とし
ては、50人程度。ただ、家族も同伴なことが多く、150~200人程度の客は見込
める。また、大会前の視察、大会後の遊びも含めて、前後1~2週間滞在することが考
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えられ、そこの期間の現地への利益が見込まれる。
隠岐の海は、十分に世界大会に耐えられる。日本でも大会が行われており、団体がある。
・下田では、シーカヤックをしに来る人が多く、漁港を利用することから、漁協に数%の
上納金を納めていたが、利用者が多いため、漁協が施設(シャワー、トイレ)を整備、
管理し、上納金に加えて、施設の利用料をとる形になり、初期投資のみでかなりの益
を挙げている。
・例えば、1日漁師体験+ジオパーク+…というようなメニューで企業研修の誘致、とい
う可能性もあるかもしれない。
・ダイビングの関係だと、タンク代を無料にして、トライヤルダイブ、ということで、ダ
イビングポイントを開拓して下さい、という形で、募集する手法もある。トカラ列島の
中の島では、募集をかけて、次の日の昼には、300件の応募があったほど。
・他の地域も冬場は難しい。冬は、やはりフードツーリズムで売るのがいいかもしれない
そこでしか食べられない、というものを売っていく。加工品等でパッケージして、外に
出してしまったら、意味がない。食べに来てもらう、ということが大事。
【まとめ】
今回、高田先生との意見交換で、ジオパーク世界認定の隠岐の海は地形的にも面白く、
とてもいい資源を持っているのに、生かし切れていない、との指摘があり、本事業におい
て観光資源としての活用の可能性について十分な確証を得た。
② アンケートの実施
水産資源を観光資源として活用するにあたって、どういった形の利用が考えられるのか、
観光客の動向・ニーズを知るためにアンケート調査を行う。(別添:資料4参照)
【まとめ】
・シーカヤックに乗って、釣り、レース、カヤックで海の上からサンセットを見るという
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体験に高い関心が見えた。
その一方で課題について確認する。
・面白いアイディアはたくさんあるが、それを実行する人間がいないのが最大のネック。
また、隠岐はシーズンが限られる(主に夏場)ので、年間の雇用をどうするのか、とい
う問題が大きい。
・観光メニューの宣伝が上手くないのでせっかくの取り組みも観光客に伝わらない
・釣り具屋、自転車屋など様々な事業者にメンバーに入ってもらって、カヤックが時化て、
出れなければ、自転車で島内を走る、山に登る、など駄目だった時のフォローも含めて、
お客さんに提案をしていけるような柔軟な体制を作れるとよい。
③ 地元漁業者、観光関係業者を交えての検討会。
6~7年前には、「夜さで」をやっていたが、これは非常に好評だったとのことで、地
元漁業者、関係者に説明会を開き、来年度に試行することについて合意を得る。
(「夜さで」=夜、サザエが懐中電灯(昔は松明)の灯りに向かって浅いところに上がっ
てくるのに合わせて、お客さんに掴み取りをしてもらう、というもの。(全国的にも珍し
いのでは)通常、掴み取り等は密漁となり、駄目だが、漁協と協力し、対価として、漁協
からサザエを購入すること、入漁料を払うことを条件に実施した。)
【まとめ】
自分で獲れる、それをお土産にできる、ということで、観光客にはかなり人気だったと
のことなので観光メニューとして期待できる。別添資料4のアンケート調査でも高い関心
度を確認済
④ 試行的な取組の実施
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・アンケート調査で関心度の高かったシーカヤックの体験会を実施する(平成25年11
月16日実施)
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【まとめ】
・島内でのマリンスポーツに対する意識が低く、今まで積極的な対応もとられておらず、
実施する基盤ができていないことから、まずは、島内の人に楽しみを知ってもらう、とい
うことも大事であると確認する。(参考資料別添5)
5■事業の成果と今後の方向性
これまでの隠岐の島町における「食」の取組の課題及びボトルネックの検証については
関係者からの聞き取り調査、アンケート調査等により検証され、一定の成果を得たと言え
る。
また各種アンケート調査により、新メニューの導入及び伝統料理の導入については町内
5割以上の店舗が導入に対して前向きであり、中華料理店を除けば、6~7割に達するこ
とも判明しており、今後の事業展開に対して連携した取り組みを行える環境についても確
認できた。
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今後は、専門家との意見交換、視察及び「隠岐料理遺産報告書」で確証を得た、白バイ
貝等を活用した、隠岐の島町を「貝の王国」
「貝の宝庫」として本格プロモーション、島の
朝飯の試験的実施、及び隠岐料理遺産の商品化へ向けた取り組みについて、今回検証され
た課題を整理しつつ、来年度以降専門家の意見を参考にしながら新商品のブラッシュアッ
プ作業、各種メディア等への積極的な情報発信を行うこととしたい。
その一方で、提供体制確立のためにも飲食店が積極的に活用できる良質な真空パック食
材等の開発も検討するとともに、島内飲食店・ホテルで、提供する食材の説明やストーリ
ーを話せる土壌(意識)を統一的に醸成していくというアプローチも同時に推進すること
としたい。
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「食」部会 H26年度事業構想
2014/2/18
メニュー充実のための事業
昼食
・白バイを使ったメニュー開発
・上記、開発メニューのプロモーション
・上記メニューを売り出してくれる店舗の拡大対策
・貝王国、貝賊料理など総合的な貝を生かした隠岐
の島のプロモーション戦略の検討
・実際にメニュー開発を行い、成功している地域の
先進地視察
朝食
夕食
・隠岐料理遺産の本格実施に向けた検討
・上記取組に賛同してくれる店舗の拡大対策
・上記取組のプロモーション
・以上の取組は、試作的な取組として、まずは、
1~2店舗で実施
・飲食店において、隠岐ならではの「食」
をPRしてもらうための講習会の実施
・島の朝飯の実施に向けた検討会の開催
・試験的な「島の朝飯」の開催(メガフロート想定)
・上記の取組のための資料作成
(料理遺産との絡みも含めて)
・朝飯を生かして観光を盛り上げている地域の
先進地視察
・津軽料理遺産の取組を視察
隠岐の島らしい「食」を提供する上での
提供者側の心構えの醸成
下支え
提供体制確立のための事業
・開発したメニューを提供しやすくするため、飲食店が積極的に活用可能な素材開発の検討を実施
(例:冷凍バイフライ、白バイの冷凍剥き身、冷凍の混ぜ飯の素、白バイの西京焼きのパック、など)
・実際にそうした取組を行っている地域への先進地視察
観光については来島した専門家の意見にもあるように豊かな海に囲まれ、マリンスポー
ツを行うにも非常に適した環境であるが、観光面で活用しきれていないことが確認された。
理由としては、島内でのマリンスポーツに対する意識が低く、これまで積極的な対応も
とられておらず、実施する基盤ができていないことから、今年度の試行でも好評であった
シーカヤック等の試行を島民も一緒になって楽しめるように通年で試行していくこととし
たい。
また、今年度は日程の関係で試行できなかった「夜さで」についても有力な観光メニュ
ーとして試行していくこととしたい。
その一方で、今回判明した慢性的な実施団体及びその人材不足、通年営業の壁等の課題
についても、来年度以降の試行により、人材の育成、実施体制の構築を図り、安定した基
盤作りを行いたい。PRについては各種メディアを使い積極的に行うこととする。
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「海遊びの島 隠岐」化プロジェクト
【解決策】
●観光メニューの試験実施により、実施体制や収
益性の検証を実施
(実施の際は、漁業者との連携を密に図る)
【課題】
●隠岐の島は非常に豊かな海に囲まれ、マリンス
ポーツを行うにはもってこいの島だが、観光面で
の活用がなされていない
●島内でのマリンスポーツに対する意識が低く、
今まで積極的な対応がとられておらず、実施する
基盤ができていない(特に実施する人材面)
●シーカヤックについて、事業化に向けての具体
的な実施体制の確立を図る
7月 8月
6月
●西郷港周辺のメニュー検討もしつつ、島内の海
遊び周遊システムの確立を図る
9月
シーカヤック
5月
●地域住民との意見交換を通じ、実施主体を確保
した上での観光メニューの発掘を図る
10月
カヤックフィッシング
ダイビング
夜さで
H26年度取組計画案
☆シーカヤックの事業化に向けての検討
・試験実施を絡めつつ、シーカヤックを観光メニューとして、実施することを可能とするための検討
を実施(特に人員体制の確立を中心に)
(主な費用:会議費、講習会開催費、人件費(臨時雇用)、etc...)
☆海遊び観光メニューの試験実施
・5~10月までの6ヶ月間、月替わりで、海遊びのメニューを部会が主催者となって実施
(主な費用:備品リース料、参加費助成費、講師謝金、etc...)
☆海を生かした観光メニュー開発に積極的な地域住民との意見交換会
・島内各地域での観光メニュー発掘のため、地域住民との意見交換を実施し、その可能性を探る。
特に、年度当初の具体的な年間事業計画策定にあたっては、地元漁業者との意見交換を行う。
(主な費用:謝金、会議費、etc...)
☆島内における海遊びでの周遊システムの確立
・島外からの観光客が島内で海遊びを行いやすくするための移動手段や、情報提供手段などを
含めた総合的なシステムを構築。また、西郷港周辺での観光メニュー検討も同時に実施。
(主な費用:実態調査費、会議費、etc...)
☆先進地視察
・海遊びの先進地(石垣島)を視察し、上記の取組に生かす。
(主な費用:旅費、etc...)
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6■会議開催状況
委員会
開催日
会議名
7月5日
第1回委員会
2月19日
第2回委員会
主 な 内 容
事業概要説明、委員会規程策定、委員の委嘱、委員長・副委員長の選
出等
事業結果の報告、次年度の計画策定等
食部会
開催日
会
議 名
主 な 内 容
7月11日
第1回部会
部会長選出、部会事業目的の確認、今年度のスケジュールの確認
7月23日
第2回部会
過去5年間の食の取り組み(4つの事業)についての問題点・反省点
等について検証
8月7日
第3回部会
水産資源活用に向けて、流通の問題を把握するために、地元鮮魚店主
池田さんを招き意見交換する。
9月6日
第4回部会
食の取り組みに係る課題についての取りまとめ。
9月11日
第5回部会
専門家・中澤さかな・坂本貴秀両先生を迎え講演会及び意見交換を行
う。
10月10日 第6回部会
今後の部会の進め方について再確認する。
10月25日 第7回部会
今後の具体的な取組内容の確認。
11月15日 第8回部会
町内の飲食店へのアンケート内容検討
石川県視察の目的等について確認
11月18日 先進地視察
~20日
石川県へ先進地視察行き、主に隠岐産バイ貝の評価、提供方法をヒア
リング
12月4日
町内飲食店へのアンケート結果分析
石川県視察結果報告
第9回部会
12月16日 第10回部会
試作メニュ-の検討
1月17日
試作品試食会
中澤さかな・坂本貴秀両先生を招き、試作メニュー試食会開催
2月17日
第11回部会
今年度の成果を検証し、来年度の展開を確認
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観光部会
開催日
会 議 名
主 な 内 容
7月19日
第 1 回部会
部会長の選出、部会事業目的について確認、今年度のスケジュール
の確認
10月8日
第2回部会
専門家・高田佳岳先生を招き講義を受け、意見交換する。
観光客へのアンケート内容検討
10月31日
第 3 回部会
アンケート内容検証
今後の試行内容の検討
11月16日
体験試行
八尾川でシーカヤックの試乗体験を一般の方も一緒に交えて行う
2 月7日
第 4 回部会
今年度の成果を検証し、来年度の展開を確認
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