福岡病院 CPAP ニュース No16 2007/4/1 外来受診時に、リハビリ棟で体重を測っていただいておりますが、その結果シートには BMI(体格指数)の 項目があります。今回は、この BMI についての話題です。 1.BMI とは BMIはbody mass indexの略で、日本語では体格指数といいます。その計算は簡単で、身長と体重から次の式で 算出されます。 BMI = 体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)) この指数は簡単でありながら、体脂肪量とよく相関することから、医学分野では非常によく使われています。 BMI は日本人では 22 が理想的な値とされており、BMI が 22 である場合の体重を理想体重とします。その理 由は、BMI が 22 である場合が、病気が最も少ないという研究結果があるからです。 日本では BMI が 25 以上の場合が肥満であるとされています。 最近、この BMI と死亡率との関係が韓国で明らかにされました。 2.BMI と死亡率 約 120 万人の韓国人(30 歳∼95 歳)を 12 年間前向きに観察し、その間の死亡例についてその原因が調査され ました(N Engl J Med 2006;355:779-87)。この対象集団の平均 BMI は 23.2 で、その死亡の危険率は BMI が 23.0 ∼24.9 の間の群で最も少ないという結果でした。BMI が 23 未満の群では呼吸器疾患(結核、COPD、喘息、肺 炎)の死亡が多くなり、逆に、BMI が 25 以上では、動脈硬化性疾患や癌による死亡が多くなるという結果でし た。この BMI の死亡の危険への影響は 50 歳未満で特に顕著に認められ、65 歳以上では影響は少なくなる結果で した。 BMI 23-24.9 の群に比較した各 BMI での 死亡の危険率(非喫煙男性) (N Engl J Med 2006;355:779-87 より改変) 3.BMI と睡眠時無呼吸 睡眠時無呼吸は BMI が高い人に多いのですが、アゴの大きさも関係し、アゴの小さな人では BMI が 22 以下 でも重症の睡眠時無呼吸を呈することがあります。当院の患者さんで体重減量により CPAP を中止可能になった 人は、もともと高度の肥満がある場合は BMI が 25 に近くなった時点で CPAP が中止可能になっています。また アゴが小さめで肥満がもともと目立たない人は BMI が 22 に近くなった時点で CPAP 中止可能になっています。 BMI は無呼吸以外に、上記のように寿命に関係します。皆さん、BMI 25 以下を目指して頑張りましょう!
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