Title:名称未設定-5 Page:1 Date: 2006/06/20 Tue 10:08:34 Title:001.ec6 Page:1 Date: 2006/06/20 Tue 09:56:15 は じ め に 平成17年度文部科学省が新規に募集した「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 に応募し、採択された「中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成」プログラムは、学部教育、卒後臨床研 修、地域医療病院勤務医に対する支援を 3 つの柱とした。 その中の平成17年度の学部教育の一環として、平成 18年3月13日∼15日「学部学科を超えた学生による ワークショップ・フィールドワーク」が執り行われた。参加者は医学部医学科、医学部保健学科、歯学部口 腔生命福祉学科からの本プログラムに賛同した学生である。 一日目には地域医療をテーマとしたワークショップで学生による小グループディスカッションと発表会が 行われ、異なる学科の学生同士話し合うことができ、また地域医療に対する意識を高めることができた。二 日目の14日には、折からの豪雪の中、関係各位のご協力を賜り、午前中は長岡市山古志陽光台仮設住宅群へ のフィールドワーク、午後は4チームに分かれて県立松代病院、厚生連魚沼病院、ゆきぐに大和病院、湯沢 町保健医療センターで、訪問診療・訪問看護を含めた地域医療体験実習を行った。三日目にはこれらの体験 を持ち寄り、その感想のまとめを行った。 これらの経験は、これまでの机上の勉学とは全く異質であり、彼らの中に鮮烈な印象を残したことと思わ れる。また、このフィールドワークの様子は県内の各種メディアも大きく取り上げたので、社会の皆様にも 関心を寄せていただいた。 本冊子はそのワークショップ・フィールドワークの記録である。学生の皆さんにとっても印象深い経験と なったことが読み取れるものである。この経験を今後の勉学に生かしていただければ幸いである。 新潟大学医歯学総合病院長 (地域医療教育支援コアステーションリーダー) 下 条 文 武 −1− Title:003.ec6 Page:3 Date: 2006/06/20 Tue 09:56:58 目 次 はじめに………………………………………………………………………………………………… 1 目 次……………………………………………………………………………………………………… 3 参加者名簿……………………………………………………………………………………………… 8 協力者・スタッフ名簿………………………………………………………………………………… 9 ワークショップとフィールドワーク の 日 程 表………………………………………………… 10 ワークショップとフィールドワークの概要 第1日目 3 月 13 日(月) …………………………………………………………………… 11 1.セッション1 導入「心に残る学習」 ………………………………………………… 11 2.セッション2 「地域医療を取り巻くもの」 (KJ 法) ………………………………… 1 3 3.セッション3 「地域医療の問題点」(二次元展開法)……………………………… 17 4.セッション4 「フィールドワークの目標」……………………………………………… 19 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項…………………………………………………… 20 第2日目 3 月 14 日(火) …………………………………………………………………… 22 1.長岡市山古志陽光台診療所、長岡市山古志仮設住宅群での実習…………………… 22 2.地域医療病院での地域医療体験実習………………………………………………… 23 ①Aチーム報告書…………………………………………………………………… 23 ②Bチーム報告書…………………………………………………………………… 24 ③Cチーム報告書…………………………………………………………………… 24 ④Dチーム報告書…………………………………………………………………… 25 第3日目 3 月 15 日(水) …………………………………………………………………… 27 1.セッション5 「WS/FW で学んだこと・感じたこと」 ……………………………… 27 2.セッション6 「個人レポート作成」…………………………………………………… 28 3.セッション7 「WS のまとめ」 ………………………………………………………… 37 編集後記………………………………………………………………………………………………… 43 −3− −5− 『中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成』新潟大学医歯学総合病院 文部科学省「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 学部教育プログラム 「学部学科を越えた学生によるワークショップとフィールドワーク」 平成1 8年3月1 3∼15日 Title:005.ec6 Page:5 Date: 2006/06/20 Tue 09:58:41 Title:007-010.ec6 Page:7 Date: 2006/06/20 Tue 09:59:38 学部教育プログラム 「学部学科を越えた学生によるワークショップとフィールドワーク」 平成1 8年3月1 3∼15日 30 27 19 32 33 20 21 9 31 29 28 10 1 11 2 22 13 12 3 24 23 4 14 25 15 5 16 6 26 17 7 18 8 文部科学省「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」 『中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成』新潟大学医歯学総合病院 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 6 11 12 13 14 15 1 17 川 部 江 部 由 佳 梨 戸 倉 鈴 木 坂 井 市 川 阿 部 石 川 直 子 鷹 見 安 藤 栄 一 執 印 沙 枝 子 荒 井 貴 子 高 橋 理 香 許 奈 加 奈 英 明 大 輔 真 弓 舞 愛 北 澤 勝 池 田 昌 幸 鈴 木 昭 18 2 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 19 20 21 2 佐 藤 米 澤 石 川 井 渕 藤 澤 太 田 本 橋 櫻 井 美 樹 大 輔 博 補 慎 弥 純 一 求 磨 邦 夫 伸 晴 長 谷 川 隆 志 −7− 井 口 清 太 郎 山 口 鈴 木 田 中 鈴 木 村 松 大 内 克 博 誠 之 香 苗 直 子 芳 幸 章 嗣 遠 山 和 姫 Title:007-010.ec6 Page:8 Date: 2006/06/20 Tue 09:59:38 ●参加者名簿● 名 前 あ べ 学 科 ひであき 阿部 英明 あんどう もと な 安藤 許奈 いけ だ まさゆき 池田 昌幸 いしかわ だいすけ 石川 大輔 いしかわ ひろすけ 石川 博補 いちかわ か な 市川 加奈 い ぶち しん や 井渕 慎弥 え べ ゆ か り 江部由佳梨 かわ べ ま ゆみ 川部 真弓 きたざわ まさる 北澤 勝 さか い なお こ 坂井 直子 さくらい のぶはる 櫻井 伸晴 しゅういん さ え こ 執印 沙枝子 たかはし まい 高橋 舞 たか み あい 鷹見 愛 と くら たか こ 十倉 貴子 もとはし くに お 本橋 邦夫 よねざわ だいすけ 米澤 大輔 学 年 医学科 4 保健学科 3 保健学科 2 医学科 4 医学科 4 口腔生命福祉学科 2 医学科 4 口腔生命福祉学科 2 口腔生命福祉学科 2 医学科 4 保健学科 2 医学科 4 保健学科 2 口腔生命福祉学科 2 保健学科 2 口腔生命福祉学科 2 医学科 5 口腔生命福祉学科 2 (アイウエオ順) −8− Title:007-010.ec6 Page:9 Date: 2006/06/20 Tue 09:59:39 ●協力者・スタッフ名簿● 所 属 名 前 役 職 山古志診療所 佐藤 良司 所長 山古志診療所 星野 勝美 歯科医師 山古志診療所 鈴木 恵子 保健師 山古志診療所 高橋 純治 山古志支所保健福祉課長 湯沢町保健医療センター 井上 陽介 センター長 湯沢町保健医療センター 浅井 泰博 副センター長 湯沢町保健医療センター 駒形 香織 保健師 湯沢町保健医療センター 平賀 弘美 保健師 厚生連魚沼病院 斉藤 六温 病院長 厚生連魚沼病院 丸山 倫夫 副病院長 厚生連魚沼病院 谷口八重子 看護師 厚生連魚沼病院 久保田八千代 看護師 厚生連魚沼病院 長島美奈子 看護師 ゆきぐに大和病院 斎藤 芳雄 病院長 ゆきぐに大和病院 小野沢法子 看護部長 ゆきぐに大和病院 岡村 智子 看護師 ゆきぐに大和病院 駒形チヅ子 看護師 ゆきぐに大和病院 大塩 春美 看護師 ゆきぐに大和病院 原沢由美子 看護師 県立松代病院 布施 克也 病院長 県立松代病院 古川 香子 医師 県立松代病院 市川佳代子 看護師 大学病院 下条 文武 病院長 医学部保健学科 青木 萩子 教授 医学部保健学科 村松 芳幸 教授 歯学部口腔生命福祉学科 鈴木 昭 助教授 歯学部口腔生命福祉学科 大内 章嗣 教授 看護部 二瓶 恵子 副看護部長 医科総合診療部 鈴木 栄一 部長 医科総合診療部 長谷川隆志 副部長 臨床研修センター 小原 明 事務 臨床研修センター 鈴木 誠之 事務 臨床研修センター 荒井 理香 事務 管理課 長谷川英美 事務 管理課 斎藤 俊夫 事務 管理課 山口 克博 事務 地域医療教育支援コアステーション 井口清太郎 専任教員(講師) 地域医療教育支援コアステーション 藤沢 純一 専任教員(講師) 地域医療教育支援コアステーション 太田 求磨 専任教員(助手) 地域医療教育支援コアステーション 佐藤 美樹 事務 地域医療教育支援コアステーション 遠山 和姫 事務 地域医療教育支援コアステーション 鈴木 直子 事務 地域医療教育支援コアステーション 田中 香苗 事務 −9− ●ワークショップとフィールドワークの日程表● Title:007-010.ec6 Page:10 Date: 2006/06/20 Tue 09:59:39 − 10 − Title:011-021.ec6 Page:11 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:36 ◎受付∼はじめに 1.セッション1 まず、参加した学生に今回のワークショップの 導入「心に残る学習」 9:20 − 10:30 スタッフを紹介し、ついで、参加者全員による集 まず、グループの内部ではお互いに知らない者 合写真を撮影した。 も多いことから、お互いをよく知るためにアイス 最初に、今回がワークショップへの参加は初め ブレーキングとして絵を描くこととした。 てと言う学生が、ほとんどであったことから、オ 絵の題材はこれまで生きてきた中でもっとも リエンテーションとして、ワークショップについ 「心に残る学習(経験) 」であった。これをグルー ての説明がコアステーションサブリーダーの鈴木 プ内であらかじめ決めた発表者が、他のメンバー 教授よりなされた。 の分も含めて、後から発表することとした。 その後、参加した学生全員にワークショップと それぞれグループに分かれてから、模造紙を半 フィールドワークについてのプレアンケートを 切にして、さらに半分に折って描き、グループ内 行った。結果は38ページ(表1)に掲載されてい で各自がグループのメンバーに自分の絵を説明し る。 た。このことが、グループ内での自己紹介になる ものと思われた。 ワークショップとは… 所定の時間が終了した後にグループ毎に前に出 て、その絵について各グループの発表者が説明を ワークショップ(Workshop)とは、本来作 行った。それぞれに個性的な、思い出に残る絵を 業場や工房を意味する語である。現在のワーク 描いていた。また、これまで全く知ることのな ショップは、1 9 2 0年ごろにアメリカのJ . L . モ かった人の作品を理解し説明することで、少しで レノが臨床心理学の一手法として考案したもの であり、今日では「体験型の講座」を指すことが 多い。体験型講座の意味でのワークショップは、 問題解決やトレーニングの手法としている。近 年は企業研修や住民参加型まちづくりにおける 合意形成の手法としてよく用いられている。 ワークショップは、ファシリテーターと呼ば も そ の 人 と な り を 知 り、こ れ か ら 先 の ワ ー ク ショップとフィールドワークでのチームワークの 形成に大いに役立つものと思われた。 ■Aチーム 発表者:安藤 許奈 安藤 許奈:人生の中で一番勉強をしたのは中三 れる司会進行役の人により、参加者が自発的に の時で、お風呂の中でも勉強していた。その様 作業をする環境を整え、参加者全員が体験する 子を描いた絵。入試の一週間前はインフルエン ものとして運営されることがポピュラーな方法 ザで倒れるハプニングもあったが、その努力の である。 結果、志望校に合格できた。 ワークショップの効果として期待されている 執印沙枝子:小学校の時合唱部に入っていたので ものに、参加者同士の体験共有、意見表出、創造 夏は毎日練習をしていた。そのときの様子を絵 表現、意見集約、その他コミュニケーションを深 にした。長野県出身なので背景に山を描き入れ めることなどがある。 た。 米澤 大輔:長野県出身なので、新潟は海があるが − 11 − Title:011-021.ec6 Page:12 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:36 山がないので実家に帰ると山がありホッとす んでもらえた。また、日本の文化を知ってもら る。その山の様子を絵にした。 うことが出来た。 石川 博補:ラクビー部所属で 1 年生のときに東 市川 加奈:修学旅行で沖縄へ行き海で泳いだこ 医体で初勝利し、皆が号泣した。この一勝が心 とと、ハイビスカスの花が印象に残っている。 のささえになっていまも部活を続けている。そ 沖縄の豚料理がおいしかった。沖縄の修学旅行 の号泣している様子を絵にした。 の様子を描いた。 本橋 邦夫:はじめての実習で透析の患者さんの 安部 英明:以前テレビで放映していた「白い巨 止血の手伝いをしている時の様子を描いた。患 塔」のオープニングの画を描いた。江口洋介の 者さんと触れ合うことで医療が成り立つとわ 演じた里見助教授が印象に残っている。 池田 昌幸:オーストラリアへ旅行に行った想い かった。最初の出発点として想い出に残ってい る。 出。英語は少ししか話せないが、宿の予約等、 自分ひとりで何でもやらなければいけないの ■Bチーム 発表者:十倉 貴子 が、とても良い経験になった。オーストラリア 十倉 貴子:小学校4年の理科の授業で山に登り 大陸をバックに歩いている様子を描いた。 自分たちで石を取る学習では、自分自身で石を 取り、確認することで目にも焼きついたし、印 ■Dチーム 発表者:坂井 直子 象にも残っている。 坂井 直子:小学校4年生から中学校3年生まで 鷹見 愛:食べたいものを描く美術の授業のと 吹奏楽部に所属し、クラリネットを吹いてい きカップラーメンの絵を描いた。学校へ好きな た。そのクラリネットを描いた。6年間で3 食べ物を持って行って絵を描いたり食べたりし 回、西関東大会に出場したことが、一番がん たことが印象に残る授業だった。 ばった思い出として残っている。 江部由佳梨:友人は自分の気づかない良いところ 櫻井 伸晴:小さい頃、よく家族で山登りに行っ や悪いところを教えてくれる。そのような友人 た。谷川岳で、いつも霧がかかっていたのが、 たちが学習でも刺激を与えてくれている。その 昼食の後でパーッと霧が晴れて、鮮やかな風景 友人を絵に描いた。 が現れたのが印象的だった。 北澤 勝:長野の山に一歩一歩登り、朝陽を見 高橋 舞:小学校に上がる前、自転車の練習を ることができた。地道に進むことにより最後は していて、家の前の下り坂で止まれなくなり、 今までに見たこともないすばらいしい景色を見 土手に落ちて血だらけになった。 石川 大輔:小さい頃、近所でインド孔雀を飼っ ることができた。そのすばらしい景色を描い た。 ていて、毎日親に見に連れて行ってもらった。 それがきっかけで獣医になる夢を持ったが、医 ■Cチーム 発表者:井渕 慎弥 学科に入った。そのインド孔雀の絵を描いた。 井渕 慎弥:10数年前に母親がギランバレー症候 群にかかり、後遺症に悩まされ満足に家事も出 各グループの絵の説明のとき、各自が自分の絵 来ないので、日々泣いていたことが想い出に を持って前に出ることで他己紹介的になり、個性 残っている。 的な様々な絵の紹介で笑いもおこり、十分にアイ 川部 真弓:カナダへホームスティしたとき、ホ スブレーキングになったものと思われた。 ストファミリーのおばあさんへ浴衣を、おじい さんへインスタント味噌汁をプレゼントして喜 − 12 − Title:011-021.ec6 Page:13 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:37 2.セッション2 「地域医療を取り巻くもの」(KJ 法) KJ 法は東京工業大学名誉教授の、川喜田二郎 10:30 − 11:50 が活動の中で考案した「創造性開発」 (または創 今回のワークショップとフィールドワークの 造的問題解決)の技法である。多くの情報、気づ キーワードとも言える「地域医療」について、集 きの中から関連の記事をグループでまとめて まった学生がお互いにどのような知識、認識があ いって、創造的なアイディアの展開や問題の解 決の糸口を探り出す手法である。 るのかを知り、また今後の議論を進めるために、 グループ毎に「地域医療を取り巻くもの」につい て KJ 法にて抽出、まとめた。 今回、この KJ 法によりまとめてもらったもの が、下記のものである。 ■Aチーム 発表者:執印沙枝子 − 13 − Title:011-021.ec6 Page:14 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:38 ■Bチーム 発表者:鷹見 愛 − 14 − Title:011-021.ec6 Page:15 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:39 ■Cチーム 発表者:市川 加奈 − 15 − Title:011-021.ec6 Page:16 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:40 ■Dチーム 発表者:櫻井 伸晴 − 16 − Title:011-021.ec6 Page:17 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:40 それぞれのチームが様々な意見を出してくれた 3.セッション3 「地域医療の問題点」(二次元展開法) が、 「地域医療」と言う単語一つをとっても、そこ から想起される事態は個々の学生によって異なっ 13:00 − 14:30 ていた。その思いつきの中には、大きな幅がある 昼食を挟んで午後からは、午前中に挙げられた ように思われた。一方、共通してみられる項目も 「地域医療を取り巻くもの」を踏まえて、今、問題 あり、それらはより重要なものと考えられた。 となっている「地域医療の問題点」と「赤ひげチー ム医療に必要なもの」について、重要度、緊急度 の尺度によって二次元展開を行った。 また、その問題点のうち一つに焦点を当て、そ の解決策についてグループ内でディスカッション した。 ■Aチーム 発表者:本橋 邦夫 問 題 点:スタッフ不足 解 決 策:病気の予防 医療者の報酬を増やす 労働の軽減 大病院からの派遣 次の医療者へ地域医療の重要性の教育 大病院と診療所の連携(遠隔医療) ボランティア教育 過疎地の都会化→地域医療を豊かにする 若い人達を呼び込む − 17 − Title:011-021.ec6 Page:18 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:41 ■Bチーム 発表者:北澤 勝 問 題 点:医療施設へ物理的に行けない人がいる 解 決 策:訪問診療 …………………… 多職種で行う保健指導が必要 交通手段を増やす ………… 自宅への送迎 オンライン診察 …………… IT 革命 診療所を増やす …………… 粟島 ■Cチーム 発表者:阿部 英明 問 題 点:人手不足 解 決 策:ローテーション制度の強化 給料の増加 確立された休暇 地域医療についての教育 財源確保のため、政治家を見つける。 − 18 − Title:011-021.ec6 Page:19 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:41 ■Dチーム 発表者:高橋 舞 問 題 点:人材不足 解 決 策:医師・看護師だけに限らず、福祉関係者を増やす 大学などの教育の中で、地域医療の教育を充実させる 特典をつける(温泉、しっかりした休み)など 多くのチームで共通して見られたのが地域医療 ■Aチーム 発表者:石川 博補 にかかる人材の不足であった。その人材を育成す GIO るためにこれまで欠けていたもの、と言う視点で これからの地域医療の発展のために、地域医療 これから活動していくことも重要と思われた。 の実際の現状を理解し、そこから問題点の抽出や 改善策を検討し、説明することができる。 4.セッション4 SBOs 「フィールドワークの目標」 ①どのように人材を補っているのか説明できる。 14:30 − 16:00 翌14日(第二日目)に予定されているフィール ②具体的な医療従事者の人数を説明できる。 ③地域の人達との連携がいかに行われているか 説明できる。 ドワークで、学びたいこと、聞きたいこと、経験し たいことなどの目標について、グループ内で討論 ④病気の予防のために何が行われているか説明 できる。 し、最終的に、一般目標(GIO) 、行動目標(SBOs) などとしてまとめた。 ⑤医療者の待遇について説明できる。 それぞれのチームが提出した一般目標、行動目 ⑥医療施設間の連携はどのように行われている のか説明できる。 標は下記の通り。 ⑦訪問診療の実際について説明できる。 − 19 − Title:011-021.ec6 Page:20 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:41 ■Bチーム 発表者:江部由佳梨 ③医療スタッフの労働条件について説明でき GIO る。 学生が、へき地チーム医療の意義を理解し、深め ④湯沢の患者さんが今困っていることを説明で るために松代地区の地域医療の実状を理解する。 きる。 SBOs ⑤重症患者の扱いを説明できる。 ①大病院と県立松代病院の相違点を説明できる。 ⑥訪問医療の現状(患者数・世帯数など)を説 ②松代地区の患者数・医療者数を示せる。 明できる。 ③各医療者の役割を列挙できる。 ⑦大学病院・総合病院や診療所との違いが説明 ④訪問診療の流れを説明できる。 できる。 ⑤どのような人に訪問を行っているか説明でき まず各チーム毎にこれらの目標を設定し、翌日 る。 のフィールドワークに臨むこととした。 ⑥訪問診療における各医療者の種類・役割を列 5.WS 第一日目のまとめ・連絡事項 挙できる。 16:00−1 6:3 0 ■Cチーム 発表者:川部 真弓 初日を終えた学生は生き生きしていた。朝はお GIO 互いに面識のない者が多いため会話も少なかった 実際のへき地医療の問題点及び必要性を学ぶた が、一つのテーマでディスカッションを経たあと め現場のスタッフや患者さんに話を聞き、多角的 は、より多くの話題がでるようになり、後半は活 な視点で地域医療の現状を理解する。 発な議論を展開することができた。 SBOs 思ったよりも時間が短く感じられた、と言う参 ①訪問診療のいい点について、また悪い点(改 加者もいたが、これはスタッフ側も同様に感じて 善点)について、スタッフ・患者・双方の視 いた。 点で説明できる。 午前中の最初のセッションでアイスブレーキン ②スタッフの勤務実態について説明できる。 グとして描いてもらった作品の中から、スタッフ ③地域の人の要望について説明できる。 の厳選な審査により優秀な作品を選び表彰した。 ④訪問先の(家族を含む)人の生活状況につい その作品はつぎの 4 作品であった。 て説明できる。 ⑤大震災の影響について説明できる。 ■Dチーム 発表者:石川 大輔 GIO 湯沢における地域医療の現状と課題を説明でき る。 SBOs ①湯沢の地域医療の設備の現状を説明できる。 ②湯沢の地域医療の役割を説明できる。 十倉 貴子…山に登り石を採ってきたときの絵 − 20 − Title:011-021.ec6 Page:21 Date: 2006/06/20 Tue 10:03:42 池田 昌幸…オーストラリアに行ったときの絵 石川 博補…東医体で優勝した時の絵 翌日のフィールドワークに関する注意点は、天 候がかなり悪かったため、それに見合った服装や 履き物のことが中心であった。 それから集合場所、おやつのことなどを説明し、 第一日目のワークショップを終了した。 坂井 直子…クラリネットの絵 − 21 − Title:022-026.ec6 Page:22 Date: 2006/06/20 Tue 10:04:38 ◎受付 B、Cチームは定刻通り午前9時30分頃までには 全員が午前8時に大講義室前の広場に集合し 陽光台仮設住宅のC棟集会所に到着することがで た。この日は前日からの大雪が続き、新潟市内も きた。一方Dチームは間違って、今日の目的地と 珍しく積雪が観測されていた。ほぼ全員が、時間 は異なる種芋原の仮設住宅群に到着し、その種芋 に遅れることもなく集合し、前日に決められたと 原のC棟集会所でしばらく待機していた。やが おりのチーム分けに従って、それぞれのジャンボ て、電話などで連絡を取り合い、Dチームのみ タクシーに乗車した。今日の交通手段は、4チー 誤った場所で待機していることが判明した。その ムと事務局のジャンボタクシー計5台と、病院の 事に気付いた頃、Dチームの登場してきたジャン 公用車1台であった。 ボタクシーは既にそこにはなく、連絡を取ること もできなくなっていた。そこでDチームは本日の 1.長岡市山古志陽光台診療所、長岡市山古 会場である陽光台仮設住宅群まで、迷子になりな 志仮設住宅群での実習 がら、人気のない道路を約1 km 歩いて移動する ジャンボタクシーに乗車後、まずは長岡市陽光 こととなった。陽光台の仮設住宅群がもう目前に 台にある山古志村の仮設住宅群に向かった。途 なったあたりでようやく追いかけてきたジャンボ 中、中之島・見附 IC 付近よりさらに大雪になり北 タクシーに拾ってもらい、当初の到着予定時間よ 陸自動車道も路面に圧雪があり、通常の走行にも り約20分遅れて、無事に集合場所である山古志村 支障を来すほどになっていった。 陽光台仮設住宅群C棟集会所に到着することがで 現地に近づいてからは視界が100m程度の猛吹 きた。スタッフがきちんとした集合場所を把握で 雪となったため次第にはぐれてしまった。A、 きていなかったこと、天候が悪かったことなどが 集合に遅れた原因であった。 会場に到着すると、まずコアステーションリー ダーの下条病院長が挨拶され、ついで、仮設住宅 の概要などについて山古志村の課長さんにお話を 伺った。また、NHK新潟放送局、NST(新潟総 合テレビ) 、新潟日報など地元メディア数社が取 材に来ており、数人の学生が取材を受けた。その 後、全体を2チームに分け、A、Bチームは最初 に仮設住宅を、C、Dちームは最初に長岡市山古 志陽光台診療所を訪問した。 山古志診療所では診療所における唯一の医師で ある佐藤先生が対応してくださり診察の様子、地 域支援テレビシステムの稼働状況などを説明して いただいた。診療所内は人があふれ、多くの地域 住民の方々がおられた。その中で佐藤先生が丁寧 に患者さんを診察されている様子が印象的だっ 長岡市山古志陽光台診療所 た。また、奥の地域支援テレビシステムを稼働し − 22 − Title:022-026.ec6 Page:23 Date: 2006/06/20 Tue 10:04:39 ている部屋は一時的に点滴室にもなっていたよう だが、システムの説明の際にも患者さんは、ご挨 拶すると嫌な顔一つせずに対応してくださったの が印象的だった。その後、口腔生命福祉学科の学 生は、付属の歯科診療所の方も見学していろいろ とお話を伺った。診療所を出たところで、先に仮 設住宅を見学していたグループと交代した。 山古志診療所からさらに雪の中を200∼300mほ ど移動して、今度は現在空いている仮設住宅の部 厚生連魚沼病院 屋を一つ見学させていただいた。2∼3人用と言 われたその小さな仮設住宅は決して十分な広さと かなっている状況であるとのことであった。看護 いえるようなものではなかった。震災後はこうい 師については、厚生連として、長岡と佐渡に看護 う仮設住宅で過ごさなければならないのでいろい 専門学校があり、今のところは何とか必要な人数 ろな苦労があるのでは、と考えさせられた。学生 を充足しているとのことであった。その他のコメ は、仮設住宅での生活・周辺の環境などについて担 ディカルスタッフについても必要人数については 当の方からへ熱心に質問した。また折からの降雪 充足されているとのことであった。訪問看護の現 で仮設住宅群内の道路も十分な除雪がされている 況についての質問があり、現在は訪問看護のス わけではなく、ところによっては自動車の通行も タッフが 3 名おり、小千谷市と、旧川口町、それ 大変そうなところもあった。 に旧十日町、旧川西町、旧山古志村の一部がカ 天気は相変わらず雪が降り続いていたが、少し バー範囲になること、それぞれ 1 日に 8 から 15 件 小康状態となっていた。再び歩いて最初に集合し のお宅を訪問しており、遠いところでは車で片道 た C 棟集会所に集まり、そこで昼食を食べた。こ 30 分ほどかかること、今の時点では、訪問看護の こで20分ほど休憩し、午前 11 時 45 分には各チーム 需要と供給がうまくバランスが取れている状況で に分かれてそれぞれの実習先に向けて出発した。 あるとの説明があった。 2.地域医療病院での地域医療体験実習 その後、それぞれ、訪問診療 2 班、訪問看護 3 ①Aチーム報告書 班に分れて、実習を行った。 場所:厚生連魚沼病院、および小千谷市内 訪問診療では、院長と内科 Dr.2 名の計 3 名が、 あいにく大雪の悪天候であったが、予定の12時 それぞれ月に1度、訪問診療をしているとのこと 30分前には無事、厚生連魚沼病院に到着した。 であった。1回の訪問数は多いときで 10 軒位との 院長の齋藤六温先生が外来中であったため、ま ことであった。患者さんは、やはり高齢者の方が ず、川瀬事務長より、厚生連魚沼病院の沿革につ 多く、寝たきりか、準寝たきりの方々がほとんど いて御説明をいただいた。続いて中村看護部長か であった。診療は、バイタル等全身状態の把握と、 ら、訪問看護ステーション「うおぬま」の概要に 顔色、食欲等、全身所見の把握が中心であった。 ついて御説明をいただいた。 やはり、中越地震と、今年の大雪の影響で寝たき 質疑応答では、スタッフ不足について、魚沼病 りになってしまった、という方が多かった。また、 院の現況につき学生から質問があり、やはり医師 御自宅も、地震で半壊してしまい、新築、改築を余 の不足が問題としてあり、大学等へ依頼をしてい 儀なくされたというようなお宅もあった。介護す るが、いまは大学等からの出張によって何とかま る側も高齢で、心身ともに負担が大きくなってい − 23 − Title:022-026.ec6 Page:24 Date: 2006/06/20 Tue 10:04:40 るというお話もあった。実習の中では、患者さん に実際に聴診をさせていただいたり、血圧測定 や、パルスオキシメーターによる酸素飽和度の測 定などをさせていただいたりした。患者さんは、 高齢であることや障害により、通院が困難であ り、また患者さんも御家族も訪問診療を心待ちに されている方が多く、訪問診療が心の支えになっ ている面もあり、強いニーズがあるということで あった。 県立松代病院 訪問看護では、それぞれの班が、2 件のお宅を 訪問した。各訪問では、清拭やバイタルチェック ついてのレクチャーを受け、質疑討論となった。 のほか、患者さんの話し相手になる、といったこ 4時より実際に新潟大学医歯学総合病院とテレ とも主なメニューのひとつになっているというこ ビ会議システムを通じて連絡する様子を見学し、 とであった。医師に対するのと違って、看護師さ 4時30分松代フィールドワークを終了した。 んには話がしやすいということもあり、患者さん ③Cチーム報告書 との話も長くなりがちということで、一軒一軒の 場所:ゆきぐに大和病院 訪問時間が長くなるということであった。 午後4時に全員が魚沼病院に帰院したのち、新 ゆきぐに大和病院到着。 潟への帰途についた。 まず、事務長さんより、病院の成り立ちについ て、概要を説明された。現在の組織図を示され、 ②Bチーム報告書 開設当初から、行政、福祉を考えて、設立されて 場所:県立松代病院 おり、また、特に福祉に先進的に取り組んできた 長岡西丘陵を出発したBチーム ことが説明された。平成16年から1 7年にかけての 予定より30分早く午後1時に松代病院に到着。 3町の合併により、現場では、少々の(?)問題 院長、事務長、看護師長の出迎えを受ける。 が生じてきている現状にも触れられた。 訪問看護チームと訪問診察チームの2班に分か ついで、看護部長から、訪問看護ステーション、 れる。 居宅介護支援センターなどの概要と、スタッフの 訪問看護チームは病院の看護師と病院運転手、 人事交流について、病棟での治療から、外来、訪 口腔生命福祉科の十倉、江部に引率長谷川の5名 問診療までの継続的ケアの現状を示された。訪問 で、2件の訪問看護。血圧や酸素分圧測定などの 看護ステーションの担当から、訪問看護ステー バイタルチェック、褥創処置、尿道カテーテルの ションの概要、活動状況を説明された。移動距離 交換の見学と一部手伝いを行った。 の問題、総訪問人数約180人に対して、訪問看護師 訪問医療チームは院長自ら運転の車で看護師と が、10人配置されており、人的に充実しているこ 医学科の北澤、看護科の鷹見に事務/記録係鈴木 と、合併にともない、移動範囲が非常に拡大する の5名で、遠く松之山地区まで2件の訪問診察を 傾向にあり、移動時間のロスなどの問題などが目 行った。診察の見学の他、血圧や酸素分圧の測定 立ってきていることが示された。 を実習した。 その後3班に分かれて、訪問へ。当日は訪問診 両チームともに3時30分過ぎには帰院し、その 察はなく、看護ステーションと居宅介護支援セン 後、院長による松代地区の医療情勢/松代病院に ター(同じ部屋内)に協力していただいた。 − 24 − Title:022-026.ec6 Page:25 Date: 2006/06/20 Tue 10:04:40 訪問看護ステーションのケアマネと一緒に訪 在宅への支援をいち早く開始されていることが、 問。80歳代の方。認知症と閉塞性動脈硬化症。今 地域に根ざす元になっているようであった。学生 回はサービス計画の確認、見直しなどのために訪 がイメージしているスタッフの不足は特に医師で 問。同行したケアマネは以前入院したときにはそ 強調され、この解決策にも意見をのべられた。 の病棟の看護師であったことが判明し、 「自宅だと 上越新幹線浦佐駅のある当地域において、訪問 本当に病院とは違う顔なんだよね」といわれ、患者 診療を中心とした訪問ケアサービスは非常に充実 さんでなく、一人の人との対話であることを感じ していてしかも地域に根付いていることを感じ、 た。また、認知症の症状のことで、介護者と相談 イメージしているよりも田舎でなかったとの意見 していると、プライドを傷つけられた趣旨のこと がでていた。また、自分にはこういうのが合って ばが出てきて、コミュニケーションの重要性を認 いるかもしれないとの意見も出ていた。 識することとなった。 斉藤院長先生の熱い講義は予定よりも大幅に延 居宅介護支援センター(基幹型)のケアマネと 長し、帰路に着いたのは 17 時 15 分。ほっとし、 訪問。80歳前半の独居宅へ訪問し、訪問先では自 一同喉の渇きと疲れを感じたのか、アイスが食べ 殺などの死を考える住民のことばに出会い、地域 たいとの要望が強く、小出 IC 近くのコンビニに に生活する人の苦労に触れた。 て、高級アイスを含めて購入し、笑顔で帰路につ 訪問看護ステーションの方と90歳代後半のお宅 いた。ただし、ほとんどの者は、ジャンボタク へ訪問。家族の介護パワー、コミュニティのパ シーの暖かさのため、安らかな時間をすごしてい ワーの重要性にふれ、そのコミュニティのパワー た。 を引き出すのに一役買っているケアマネージャー ④Dチーム報告書 の存在を知ることとなった。 各班病院へ帰院ののち、病院長の斉藤先生の講 場所:湯沢町保健医療センター 義が開始された。 (15時40分)ここより朝日新聞の 長岡市を抜けて小千谷、越後川口、そして堀之 記者が取材を開始し、学生はいろいろぶつけられ 内と進むうちに徐々に降雪は少なくなり、塩沢付 る質問にどぎまぎであった。 近ではほとんど路面に雪が見られなくなってい 町の変遷をベースに福祉を基本として、病院の た。このたびの雪は里雪であったと思われた。 運営を考えていったこと、訪問診療が始まったこ 午後1時10分頃湯沢町保健医療センターに到着 ろの写真を解説されつつ、当時の苦労話などを した。すぐにセンター長である井上陽介先生に対 ユーモアを交えながら解説され、みんなで聴講し 応していただき、大変ありがたかった。ここで石 た。介護保険が導入される以前から福祉を考え、 川、櫻井両君は早速訪問診療に連れて行っても らった。この日の訪問診療は 3 件有り、湯沢の最 深部に至るものであった。石川君、櫻井君はとも に患者さんの聴診などの診察もさせてもらってと ても喜んでいた。高橋さんはケアマネージャーさ んの訪問に同行した(これは1件のみ) 。これには カメラマンとして歯学部の鈴木助教授も同行し た。また坂井さんは訪問看護の予定がある、とい うことでそちらの方について行った(これは1件 の み) 。こ れ に は カ メ ラ マ ン と し て コ ア ス テ ー ゆきぐに大和病院 ションの鈴木直子さん、佐藤美樹さんが同行した。 − 25 − Title:022-026.ec6 Page:26 Date: 2006/06/20 Tue 10:04:40 湯沢の天候は小雪が降っていたが長岡よりも穏や かな天候でちょっと予想外の天候だった。高橋さ んはすぐに戻ってきたが、それから歯科での診療 の実際も見学させてもらった。次に戻ってきた坂 井さんは、看護部長に伴われて病院内の設備や状 況などを説明してもらった。 午後4時半、医学科の学生が訪問診療から戻っ てきたのを待って、浅井先生から地域医療に関す る講義をしていただいた。浅井先生の自己紹介に 始まり、地域の現状、病院の現状などについてお 話しいただいた。また地域医療とはプライマリケ 湯沢町保健医療センター アである旨の説明もあり、皆聞き入っていた。学 生からも地域の医療の現状に関する質問などが寄 最後、参加者全員で湯沢町保健医療センターの せられていた。講義終了後、石川君、櫻井君は院 前で記念撮影を行った。午後 5 時半に同センター 内の設備などについて案内を希望したが、浅井先 を後にして帰路についた。途中、越後川口から三 生は嫌な顔一つもせずに快諾され、学生らに病棟 条市付近まではやはり大雪で路面に圧雪があり難 を始め外来なども含め、説明してくださった。高 渋した。新潟市内で学生を下ろしながら、午後 7 解像度の DICOM ビューワーが全診察室に設置し 時半過ぎに全員が無事に帰り着いた。 てあったのが印象的だった。 − 26 − Title:027-038.ec6 Page:27 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 ◎受付 8:45−9:0 0 →県などの大きな単位で可能。 前日の疲れも見せずに参加者は全員、定刻に集 ・患者さん側の『コミュニティー』が大切 合し以後、第 3 日目のワークショップを開始した。 =交通アクセスの悪さを近所の人同士で解決。 ・歯科との関わりがうすい 1.セッション5 →口腔の状態を把握できていない。 「WS/FW で学んだこと・感じたこと」 ・訪問診療…大変だが、患者さんが喜び、やりが 9:00 − 10:30 第一日目に作成した「フィールドワークの目標 いは大きい。そして、絶対必要である。 ・人手不足…赤字。 (一般目標、行動目標) 」を踏まえて、第二日目の フィールドワークに参加しての感想を各チームで ■Cチーム 発表者:池田 昌幸 まとめた。 ・介護サービス(商品)の種類、質が充実。 ・地域と密着していて気軽に相談できる。 ■Aチーム 発表者:石川 博補 ・大和町は医療・福祉体系が進んでいる。 <行動目標に対応して> ・交通の便は意外とよい。 ①医師が足りないので、大学病院にお願いする。 ・訪問の方が入院の生活よりも快適と感じる。 ・スタッフの人手不足(医師以外)は感じられな 看護師はギリギリ足りている。 い。 ②内科医2名。訪問看護師3名。 ③ 病 院 が ボ ラ ン テ ィ ア 募 集。ケ ア マ ネ ー ・最先端の機器よりも、気軽に使えるものの方が 重要。 ジャー・保健師との連絡密に。 ④集会所で転倒予防講座。お茶サロンで引きこ ・介護者の負担が必要以上に大変。 ・介護者の数が減少してきている。 もり防止。 ⑤訪問看護師は労働がキツイ。正当な評価がな ・時間・距離がかかる。 ・地域ならではの悩みがある。 い。 ⑥山古志の仮設住宅では遠隔診療が行われてい ・家族間での差がある。 る。 ⑦現在は3人だけだが、もっといれば沢山回れ る。 ■Dチーム 発表者:石川 大輔 <湯沢の特色> <学んだこと・感想> ・財政が豊か ・患者さんと深く接しており、患者さんから頼 ・交通アクセスが良い りにされる存在。 ・関東圏との交流が強い ・地域の性質、特異性、ニーズに合わせた対策 を考える。 ・地域医療の実習を増やすなど、人材の育成。 <設備の現状> ・建物がきれい ・設備も整っている ・量が少ない ■Bチーム 発表者:北澤 勝 <重症患者の扱い> ・大病院との連携が大切 ・やまと、小出、長岡へ移送 − 27 − Title:027-038.ec6 Page:28 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 <湯沢の医療の役割> ざまな視点からとらえられたことが一番良かった ・地域住民へのプライマリ・ケア 点かなと思います。 ・在宅医療のサポート また、一番最初にやった「お絵かき」によって ・保健福祉事業 初対面の人達が楽しく笑いながら話すことがで <医療スタッフの労働条件> き、それからの3日間の作業もスムーズに行える ・時間・環境・待遇、ともに良い ことができていたので 1 番最初にお絵かきをやっ <湯沢の患者さんの困っていること> たことは大正解 !!! だったと思います。 ・療養の選択肢が少ない また、他に良かった点といえば。現場にでる医 ・診療科が少ない 療者の方と直接お話ができ、患者さんのところに 回れたことだと思います。今までの実習場所は病 それぞれのチームで自分たちの行った地域医療 院だけだったので、初めて、訪問看護が実際には 病院についての感想や、最初考えていたこととの どのようなものであるかを学べたと思います。そ 対比を行った。一言で地域医療病院といっても、 こで病院と比較して、患者さんが直接関わる時間 その地域やバックグラウンドとしての経済力など が30分でも持てる。家族の顔も見れ、家族の声も の差からかなり違う面も見えてきたようだった。 すぐに聞ける、患者さんが望んでいる場で医療を 一方、共通点もあり、それらを学生同士でディス 受けられるというメリットもあり、また、移動に カッションしていく中で共通の認識を高めること 時間がかかる、看護師の高い能力が求められる。 ができた。 家族の協力があってこそ QOL の向上や持続的な 自分たちが行かなかった他の地域医療病院にも 看護ができるという課題を見つけることができま 行ってみたいというような意見も聞かれた。 した。 1つだけ、次回から改善できればと思ったこと 2.セッション6 があり、今回は時間にあまりにも追われるスケ 「個人レポート作成」 ジュールであり、十分な事前学習が出来なかった 10:40 − 11:10 り、現地の仮設住宅で住民の方とゆっくりお話す 今回のワークショップとフィールドワークに参 ることが出来ませんでした。より実りある学習に 加してどのようなことを感じたのかレポートとし するためにも2日半だけでなく、もう少し時間を て作成した。 持てたら良かったと思います。 また、このような機会があった時には是非参加 Aチーム Aチーム したいと思います。 安 藤 許 奈 石 川 博 補 3日間の感想を一言で言うと、ただ参加して良 かったなと思います。医療といっても医師、看護 今回のフィールドワークは、午前は仮設住宅に 師、歯科、保健師など様々な職種の人が関わって おいて見学をし、午後は魚沼病院において訪問診 いるのに、今までは同じ「学生」としても他の職 療に同行させて頂いた。それぞれにおいて感じた 種を目指す人に関わる機会がほとんどなく、自分 ことを述べてみた。 の「看護」という視点でしか患者さんや地域住民 仮設住宅の見学では、診療所の見学が最も心に をみることができませんでした。 残った。医師や看護師と患者との心的な距離が非 今回は、医療の分野を志すさまざまな人と交流 常に近く、医師がほぼ全ての患者の顔を知ってい を持って、意見交換ができ、そして対象者をさま ることを聞いて驚いた。また、診療は問診の前に − 28 − Title:027-038.ec6 Page:29 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 視ることから始まると教わったが、その現場を目 考えることはあっても、他学部、学科、他学年の人 にすることができ、非常に印象的であった。それ と同じテーマについて考えることはないので、今 と同時に、一人でこれだけ多くの患者を診ている まで自分が考えもしなかったような意見や、逆に ということで、個人の資質のみに頼っており、代 同じ意見を持っているということがわかり、とて 替がないという現状に不安を感じた。 も勉強になったし、また、一緒に KJ 法を行った 午後においては、訪問診療に立ち合わせて頂い り、ディスカッションをしていくことでお互いに た。6件の患者宅を訪問したのだが、まず同行さ 協力するという意識も持てたのではないかと思い せて頂いた丸山先生の患者・家族への親しみやす ました。 い話し方に驚いた。地域の人と話すためには、方 また、2日目に実際にフィールドワークを行っ 言への理解が必須と感じられた。さらに、患者の てみて、とにかくすごい雪で驚きました。私は訪 方が信心深いということもあるだろうが、その場 問看護の方に付いて一緒に回らせていただいたの に白衣でいただけの私にさえも手を合わせて下さ ですが、一日に8人∼15人を雪で道が悪い中回っ り、医療関係者に対する信頼と期待の重さを感じ ているという話を聞き、様々な苦労があると知り させられた。また、個人的に患者さんの呼吸音を ました。しかし、実際、看護師の方が患者さんと 聞かせて頂き、副雑音の聴取をさせていただいた。 接している様子を見ていて、患者さんがすごく看 さらに、診療のテクニックとして腰をかがめて患 護師の方を頼りにしているという様子が伺われ、 者さんと目線の高さを同じにする。聴診器を温め また、看護師の方も患者さん自身や周囲の環境(近 てやるといった点を実地で学ぶことができた。ま 所にはどんな人が住んでいるかなど)について十 た、魚沼かつ山古志の近辺まで行ったのだが、道 分に把握していることがわかり、病棟とは違い、 中、地震によって地崩れの起きた場所なども通り、 より深く患者さんと接することのできる現場であ 復興には時間がかかる。それはインフラの面のみ ると感じました。同時に、患者さんについてのあ ではなく、その地崩れを見ることで地元の人々の らゆることを知っていないとできない仕事なのだ 心の傷が再び開くということも分かり、そういっ と思いました。雪に埋もれて生活している患者さ たメンタルな部分で再生には時間がかかると感じ んたちにとって、訪問看護師は実際の医療処置の させられた。 みでなく、不安を解消するための話し相手として 続いて、フィールドワークでは多くのことを感 の役割も大きく、特に冬は外界との交流も減って じさせられ、学生の、まだ明確に進路を決定して くる時期のため、重要なのではないかと感じまし いない段階でこのような機会をいただいたことに た。また、訪問看護は主に介護、医療保険で行わ 感謝したい。 れており、それでもやはり利用者の経済的負担が ただ、今回は午前中の震災に関する内容とそれ 大きいという話を聞き、行政からの援助がもっと 以外の地域医療に関する内容の整合性があまりな あれば、訪問看護に携わる人も増えるし、利用者 かったように感じられた。そのあたりの整理が自 にもより質の高いものが行えるのではないかと思 分の中でもよくついていない。 いました。 山古志の仮設住宅でも、診療所の医師が住民か 執 印 紗枝子 らとても信頼されている様子がすごく印象的でし 今回、全くの初対面の人たちとチームを組み3 た。 日間行動する中で、やはり最初は緊張して少し不 3日間あっという間でしたが、本当に楽しく、ま 安もありましたが、次第に打ち解けていくことが た地域医療について考えていく大きなきっかけと できました。普段、看護の中で地域医療について なった3日間でした。ありがとうございました。 − 29 − Title:027-038.ec6 Page:30 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 本 橋 邦 夫 あると考える。これからもどんどん行って欲し い。3日間ありがとうございました。 「中越地震に学ぶ赤ひげチーム医療人の育成」プ ログラムを通して、率直な感想としては非常に楽 米 沢 大 輔 しかったということである。普段あまり一緒に学 ぶ機会のない保健学科、歯学部口腔生命福祉学科 今回、赤ひげチームに参加したことで地域医療 の学生と協力して取り組めたことは新鮮であっ の厳しさとやりがいを実感できた。 た。同じフィールドワークをするにしても見る点 始まる前は何の知識もなく、今まで特に地域医 がそれぞれ違い、お互いに自分の視点で学んだこ 療というものを意識してこなかったため、赤ひげ とを教え合うのは非常に勉強になった。また、訪 チームへの参加理由も中越地震の仮設住宅・被災 問診療・看護では医師一人だけではなく、看護師、 地を見たいというものだった。しかし、いざ始 保健師、ケアマネージャーとの連携の大事さを肌 まってみると、ワークショップとして各グループ で感じることができ、チーム医療の必要性が理解 による「地域医療」をテーマとした話し合いが1 できた。 日行われた。ここで、今まで意識してこなかった 今回のプログラムの良かった点は、様々な学科 地域医療について目を向け、問題点も見つけるこ の学生が集まって一緒に勉強したことであると思 とが出来た。1日目が終わる頃には、フィールド う。 「中越地震」 「地域医療」 「チーム医療」とキー ワークも只の興味本位ではなく非常に関心と目的 ワードは色々あるが、今回は「チーム医療」とい を持って2日目を迎えていた。 うキーワードが重要であると思う。 「中越地震」 そして、フィールドワークが始まり、今まで見 「地域医療」というキーワードももちろん学ぶこと た事がないような積雪の中仮設住宅を見ることが ができたが、これは一つの学科単独でも行うこと 出来、今年の大雪による大変さや被害を痛感し が可能であると考える。3日間という短い期間で た。仮設住宅を見て感じた事は、非常に密集して 最も学ぶことができたのはチーム医療の必要性と いてしかも各部屋も非常に狭いため、とても息苦 良さであると私は思う。 しいという事である。物音一つに対しても慎重に 今回のプログラムで悪かった点は強いて言うな ならざるをえない環境と、引率して下さった方の ら、上の3つのキーワードがぼやけてしまったこ 山古志村は家も大きく、こんなに周りの人が近く とではないだろうか。もちろん 3 つとも学べるの にいる事などありえないという言葉が印象的で が最も良いが、3日間という短い期間では難しい あった。1日も早い山古志をはじめ、全ての被災 と思う。それぞれつながりがあるのは分かるが、 地の復興を願うばかりである。診療所を見学させ 一つのキーワードを柱にしてフィールドワーク・ ていただいていた時、歯科を見られなかったのが ワークショップを進めてみるのも良いのではない 残念だったが、普通の病院より明るい空気がある か。特に「中越地震」とのつながりがよく分から 気がしてホッとした。先生の人柄が大きいと思わ なくなってしまったので、改善の余地があると考 れる。自分達が患者さんや住民の迷惑になってい える。 ないかが不安である。 最後に、今回のプログラムは「地域医療という また、魚沼の病院で1対1で訪問看護に付き添 言葉が最近取りざたされているが、現状ははたし わせていただいて、道路脇に雪壁がある中、四駆 てどうなっているのか」と疑問に思っていたとこ ではないMT車で市の端から端まで巡回する大変 ろで行われたので、非常に時期的に合っていて勉 さをいきなり感じました。2件とも非常に御家族 強になった。やはりテレビ、新聞だけから得る知 の介護への意欲が高く、好感が持てました。しか 識には限界があり、実際に経験することは必須で し、2件目は若い方も介護をされていましたが、 − 30 − Title:027-038.ec6 Page:31 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 1件目は自分の事でも精一杯な奥さんが一人で大 慮していかなければならないことを感じた。訪問 体見ている現状に、在宅ケアの厳しさを感じまし 看護では、実際に患者さんの体位を変えたりもし た。また、看護師さんに尋ねたところ、中には家 たが、想像以上に体力を要するということが分 の中の確執などがあり、まったくといっていい介 かった。患者さんに苦痛をできるだけ与えないよ 護が行われず、食事介助すらしてない家もあり、 うに配慮し、必ず声かけを行って反応を見るとい そういった家を家族から指導しなければならない うのも、患者さんを理解していく上で大切だと感 という事が訪問看護の一番大きな苦労だと聞き、 じた。また、交換ノートを使い、看護師、介護ス 周りの協力の大切さを感じた。また、実際の現場 タッフとのやりとりを行っていた家庭があった を見た事で非常に勉強になり、これからの実習意 が、これも、患者さんの健康管理をしていく上で 欲も沸いてきた。 重要だと思った。 ただ残念だったのは今回歯科に関する勉強が出 しかし、こういった体験を終えて考えると、歯 来なかった点である。 科領域からのサポートがほとんど無いということ に気づいた。訪問看護においても、口腔ケアとい Bチーム Bチーム う点において重要視されておらず、もの足りなさ 江 部 由佳梨 を感じた。患者さんの QOL 向上という観点から見 1.ワークショップについて て、 「おいしく食べる」という食の楽しみは不可欠 はじめは、正直ワークショップはいらないと感 だと思うし、口の中がきれいになっただけでもう じていたが、他の学科の人たちと地域医療につい れしいものだと思う。 て意見交換ができたので、フィールドワークをよ 実際、松代病院に歯科がないためということも り充実させるためには大切なことだったと思う。 あるだろうが、歯科を専門とするスタッフをおく 討論していく中で、それぞれの学科の立場から考 ということも大切になってくると思う。 えを述べていくことは、自分では全く意識してい 北 澤 勝 なかったことに気づけて面白いと思った。また、 それと同時に、今まで「医学、歯学、福祉という ・病院の在り方について ように、それぞれを分けてしまわずに、医療につ 病院を運営していくのに、財政は重大な問題で いて考えられる人になりたい。 」と思っていたが、 ある。病院の都合通りの医療体制をとれれば財政 実際はかなり自分の専門にばかりこだわりすぎて 難になることは多くないだろうが、そう出来ない いた面もあったことにも気付けた。 病院もある。それが地域医療を担う病院である。 もっと自分の視野を広げていくためにも、医療 在宅ケアなどのコストのかかる体制をとる必要 に関わる様々な人々の意見を聴く機会を増やして があり、また患者の多くない診療科については常 いこうと思った。 駐する医師はコストがかかるために置くことが出 2.フィールドワークについて 来ない。また、スタッフが集まりづらいために、 地域医療を行っている現場を実際に見たりする スタッフの維持費も大きくなってしまう。これを ことで、自分が持っていたイメージと現実との差 民間の病院が行うと、財政難でやりくりが出来な がかなりあったということが分かった。今回は松 いようである。ここで大切なのが、国、県、市町村 代地区を訪れ、その地域での医療について学んだ。 の関わりであろう。 松代地区は高齢化が著しい、雪が多い、交通の便 こういった病院を公が支援することで、つまり が悪いというような特性をもっており、地域医療 国立、県立などの病院でこういった医療が可能と において、そういった地域の特性というものを考 なるのではないだろうか。医療関連の予算を多く − 31 − Title:027-038.ec6 Page:32 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 付けることにより、地方医療は充実していくはず が不可欠で大切になってくるのだと感じた。そし だ。容易なことではないのかも知れないが、そう て、訪問診療をスムーズに行うためには、ただ医 いった方法もあるのではないだろうか。 師・看護師が診察に行くだけでなくて、ケアマネ・ ・訪問診療について 保健師・ヘルパーなど他職種の人との連携が大切 訪問診療には、おおきなコストがかかる。時間 だと思いました。 も長くとられ、また、疲労も溜まってしまう。し 地方の小さな病院があえて高度医療にまで手を かし、病院に行けない患者さんを訪問することの 出す必要性は無いんだなとも感じました。自分た メリットは大きい。第一に患者さんは労せず医療 ちだけで解決できないものは、他の病院の協力を をうけることができる。さらに大きなこととし 得ればいいことだし、普段、地域住民が安心して て、患者さんが喜んでくれることである。医療を いられるような存在であるように、自分たち(小 おこなう者として、それにかわる喜びはないはず さな病院)ができることを精一杯やればいいのか で、非常にやりがいのある仕事であると感じた。 なと思います。 以下、思ったことを箇条書きで記す。 ありがとうございました。 ・病院を含む各医療間の協力が大切である。 十 倉 貴 子 ・地元出身者による地域医療が望ましいのでは。 この3日間の研修は私にとって、地域医療に対 ・そのために、新潟の地方出身の医師を増やすこ する考え方を大きく変えるような体験になりまし とは大切である。 た。今回の研修に申し込んだ動機は、これまであ ・地元出身者以外をいかにして地方に集めるかが まり地域医療に関して深く考えたことはなくあま 大切。 り意識もしなかったので、この機会に少し学んで 鷹 見 愛 みて興味が持てたらいいなという考えでした。今 今回、3日間活動に参加して強く感じたことは まで学校の実習等で歯科衛生士さんの話を聞いた 「訪問診療は本当にやりがいのある仕事」だという り、病院を見学したりした中で、チーム医療が大 ことです。今まで訪問診療というと大変だという 切だということや訪問介護などの重要性について イメージが強く、かかわってみたいと思うことは は考えたことがあったのですが、地域医療につい ほとんどありませんでした。でも実際に現場へ ては漠然としたイメージしかわかなくて具体的に 行ってみると、医師や看護師がやってくるのを心 どういう問題点があるのかやどんな需要があるの 待ちにしている人がたくさんいて、患者さんから か、そして地域に住んでいらっしゃる患者さんた 「今日は先生の顔を見たからぐっすり寝れるわぁ」 ちの気持ちなどについて考えませんでした。 という声もありました。診療中も終始笑顔・なご しかし今回のフィールドワークを通して、松代 やかな雰囲気で、病院で感じるような緊張感が無 病院の現状に触れてみたことで、地域医療には人 く日常生活の一部にこの時間が自然に組み込まれ 材が不足していること、医療設備があまり整って ている感じでした。院長さんも「本当に笑顔が病 いなくて重症患者は他の病院に搬送されること、 院とは違うんだよ。ずっと訪問診療をやっていた 交通が不便なので訪問診療が非常に重要であるこ いよ。 」と言っていて、すごくやりがいを感じてい となどを知りました。実際に訪問について行かせ ました。私が行った松代は本当に積雪量が多く てもらったことによっても、訪問の大変さなどを て、高齢者のみで生活している人たちが病院まで 感じることができました。そして経済面での厳し 自力で通うのは無理だと思いました。だからこ さについても考えることができました。本当に得 そ、頻回に行うことはできないけれども訪問診療 るものが多かったと思います。 − 32 − Title:027-038.ec6 Page:33 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 仮設住宅の間取りや設備は私の住んでいるアパー Cチーム Cチーム トに比べるとかなりハイグレードなものだった。 阿 部 英 明 しかし、今まで山古志のような地域で生活してい 今回、地域医療について中越地方に直接おもむ る人にとっては、トイレや風呂などの設備はよい き学ばせていただきました。 のかもしれないが、部屋の狭さはいただけないだ 今までは、大学にいて、大学病院など大きな病 ろうし、隣と接していることも生活環境の変化と 院における医療について学ぶ機会はあったもの して大変なものだったに違いない。もうすぐ山古 の、今回のように地域と密着した医療を提供して 志に戻れるという状況であっても期待する人より いる現場について学ぶということはあまり機会が も不安と思っている人が多いことは意外だった なかったので、今回のフィールドワークは大変新 が、慣れ親しんだところへ戻れることよりも、地 鮮でありました。 震のときの記憶、崩壊してしまった家など、また また、他の学部、学科の学生達と、ワークショッ 地震がくるのではなどの心配が強いのではないか プを行い、意見を交換し合うこともあまりなかっ と思う。 たことなので、その点も非常に新鮮でありました。 ゆきぐに大和病院に行ってみて、一番に印象に 今回のフィールドワーク、ワークショップを通 残ったことは、病棟と訪問の看護が3年ごとに して痛感したことは地域医療に限らないことだと ローテンションすることで、それによって、病院 は思いますが、人と人とのコミュニケーションが 内・外問わない経験が積めること、利用者との交流 非常に大切であるということです。医療スタッフ が継続されることなどの双方にとって利点がある の側においても、患者さんだけでなく、その家族 と思えた。ゆきぐに大和病院は思っていたほどへ でも信頼関係を築くことが大切であると感じまし き地とは感じなかったし、規模的にも大きくもな た。 く、小さくもなく私にとっては理想的であったと 一つ、欲を言うと、タイムスケジュールが矢継 感じる。 早としたものだったので、もっと一つの場に少し 最後に、自分の目で見たり体験したり、いろん でも長くとどまって学べるシステムにして欲しい な人と話し合える機会を増やして欲しいと思いま という要望を持ちました。 す。新潟であれば、夏と冬など季節的な差を感じ られるとよいと思う。 池 田 昌 幸 市 川 加 奈 まず第1日目のスケジュールを見たときに、か なりタイトな時間割だと感じたが、始めてみると、 今回のフィールドワーク、ワークショップに参 確かに時間に追われて焦ることもあるが、初対面 加するまで地域医療について勉強することも実際 であったとしても、目的を達成するために様々な に見ることも無かったので、大変良い経験となり 意見を出し合うことができたり、学科が異なるこ ました。山古志村では今までテレビでしか見るこ とで、異なった見方の意見が出されたりして良 との無かった仮設住宅、そこでの人々の生活、ま かったと思う。普段なら、遊んだり、サークルな た医療を見ることができよかったですし、なんと どで話したりする以外には、学科を越えての勉強 いってもグループごとのフィールドワークで在宅 会のような機会がほとんどないので、今回のよう 支援のケアマネージャーの方に同行させてもらっ な機会を増やしていくことで、学生のうちから交 たのがとても勉強になりました。私は口腔生命福 流が保たれていくのだと思う。 祉学科という所で学んでおり、将来の職業に近い 2日目に、初めて仮設施設を見せてもらった。 ケアマネージャーのお仕事を見られた事は将来の − 33 − Title:027-038.ec6 Page:34 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 仕事への現実感というかイメージできるようにな 院長先生の話では、最先端の機器よりも、パル りました。実際に見学させてもらって感じた事は スオスキンメーターや掃除機を使った痰取りなど 地域医療というのは地域に密着していてスタッフ 身近なものを使った工夫の方が大事であると仰っ の人と利用者の方との協力、信頼関係が強く、と ていたことが興味深かった。 てもいい関係が築けているなと思いました。ス 3 日間のワークショップを通しておもしろかっ タッフの方は利用者の全身状態をよく把握してい た。山古志の仮設住宅に行った時など雪の中に車 て、過去の入院や口腔状態、皮膚のできものまで がはまって動かなくなったり、その小さなハプニ しっかり覚えていて(大勢の利用者を担当してい ングがまたおもしろい。今度は、一晩泊まりがけ るのに)それらの調子はどうかと聞いたり、なに で、飲みの場など設けてはどうでしょうか。 げない日常の苦労など相談に乗ってあげ、介護者 新潟大学の教授方、へき地医療の先生方、様々 だけではなく利用者の話もしっかり聞き考えて気 な学部の学生の人達、すべてごちゃ混ぜにして酒 を使っておりすごいなと思いました。その方に訪 でも飲めたら、話も一層はずむのではないでしょ 問に行って世間話をして終わってしまっては意味 うか。 が無いから話をしつつも必要なアドバイス、サー 川 部 真 弓 ビスの提供をしなくてはいけないから面接技術は 大切だというアドバイスをもらったので来年度の 今回、この「赤ひげチーム医療」に参加して一 授業でしっかり勉強したいと思います。また、訪 番印象深かったことは一般目標にも挙げられてい 問医療や他のグループの発表を聞いて、口腔衛生 る学部・学科を超えて様々な視点を持った人と交 の分野が必要とされている事が実際に知ることが 流できたことです。普段の授業で、私たち口腔生 できて歯科−医療−福祉をつなぐことを目的とし 命福祉学科の学生は PBL という講義ではなく自 ている学科にいる私にとってはとてもうれしい事 主 的 に 学 ぶ 勉 強 を し て い ま す。今 回 の ワ ー ク でした。 ショップも、まさにチームごとの話し合いによっ 急いでまとめたので支離滅裂ですが、とにかく て進められていきましたが、医科や看護科の方た よい経験がたくさんでき参加できてよかったで ちから見た問題点や課題の抽出など非常に新鮮で す。 した。この「赤ひげチーム医療」に参加しなけれ ば出会わなかった方々との交流が、短期間でした 井 渕 慎 弥 が私の中でとても大きかったです。 ワークショップ「赤ひげチーム医療」に参加し フィールドワークでは、実際の仮設住宅での暮 てみて、学科を越えた人たちとの交流や様々な立 らしやへき地医療、訪問診療の現場また豪雪地帯 場の人と話す機会を持つことによって、同じト の大変さを身をもって体験することができまし ピックを話していても色々な切り口や物の見方が た。百聞は一見にしかずということわざのよう あるということを学べた。普段医学部の人達とし に、自分自身が経験することは一番の勉強になる か話していないので、これはとても新鮮なこと なとおもいました。私はゆきぐに大和病院の地域 だった。 医療を見学させていただきましたが、他の湯沢や 訪問診療においては、患者さんが「自殺」など 松代などに行った方の話を聞いて、自分では気付 死を連想させる言葉を言っていたことが衝撃的 けなかった点を色々挙げていて地域差を実感しま だった。大和町は自殺者が多く、お年寄りなどは した。地域医療に対する様々な問題の中で、やは 家の中で一人ぼっちになることが多いとのことで り口腔ケアは今後の大きな課題の一つだと感じま ある。 した。口腔ケアに力を入れていくのはなかなか大 − 34 − Title:027-038.ec6 Page:35 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:28 変だとは思いますが、このように学生の時から他 ・ 「地域に興味がもてない」と思った学生(今回は 学部の方と交流していくというのも有効な手段だ いなかったようだが)が出たらその人たちの と思いました。福祉と医療を縦のつながりではな フォローもして欲しいと思う。 「ヤル気のある く、横のつながりで行っている、ゆきぐに大和病 学生」と「ない学生」の溝が深まってしまうこ 院の医療体系は素晴らしく、このような体系がよ とはさけて欲しい。私達の学年はグループ学習 り広がっていけば、地域医療が行いやすくなると を通じて人間関係が悪化してしまった。これだ 思います。 けは避けて欲しい。 今回の取り組みはとても良いと思いますが、時 感想 期や日程をより考慮するともっと参加人数が集ま ・大学に入ってから一番面白い企画だったと思 う。TV放送、後で見せて下さい。 るのではないかと思いました。私は今回参加した ことにより地域医療に対して少し具体的なイメー 坂 井 直 子 ジがつかめたように思います。 ワークショップについて Dチーム Dチーム ・他学科の人と親睦が深まった。 石 川 大 輔 ・問題設定までの方法や発表の仕方や考え方を学 べた。 良かったこと ・湯沢町の地域特性が良くわかった。ポイントは ・他の学科の人の考え方や視点に触れることがで きた。 「財政が潤っている」ことである。交通のアクセ スの良さも大きい。松代病院などと比べると、 ・職種間の理解が少ないように感じた。 医療と財政は切り離せないもの同士であること フィールドワークを通して がわかる。 ・仮設住宅を見学して、医療はいろんな場所でい ・地域医療の現場を見れたことが大きいと思う。 ろんな形で求められているのだと感じた。メン (私は初めてではないが)机の上での勉強の生か タル面や生活様式に対応させてケアを行ってい た。 し方がわかってくる。 ・診療所というのは、地域住民にとって身近なも 反省点 のであることが第一である。 ・問題点が何なのかがわからなかった。 (湯沢自 湯沢での医療を通して 体に問題が少ないからだと思うが) ・二ヶ所以上の病院を回った方が、全体が見通せ 訪問看護に付き添って行かせてもらい、家族の ると思う。長岡の避難所見学は得るものが大き ケアの重要性を感じた。 かったが、フィールドワークをちゃんとやると 介護者が疲れてしまうと在宅医療は疲れてしま いう点からは、受け入れ病院のうち2つ行くと うとのこと。休養を与えたり、指導をする等して いう方が理想的である。 介入していた。 今後期待することなど また、患者さんの部屋に情報ファイルというも ・二ヵ所以上の病院を回るようにしてほしい。 のが置かれていて、ヘルパーさん、ケアマネー ・少人数であったことは今回の企画のポイントだ ジャーの方、ナース、ドクター、家族の連携がス と思う。自ら参加した生徒ばかりであることも ムーズになされていた。田舎なので、患者さんと 忘れないで欲しい。全学年に強制となると、想 の距離感が難しい。 定していなかった問題が必ず起きるはずであ 在宅ケアの介入を受け入れにくい家族の方もい る。 るそう。 − 35 − Title:027-038.ec6 Page:36 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:29 湯沢健康医療センターの見学を通して 性を強く感じた。湯沢では新幹線や高速道路が発 患者中心という考えの下、いろんな職種間で連 達していてアクセスが良いように思えたが、それ 携し、保健と医療と福祉の一体化したサービスを はあくまで医療側の問題であり、地域住民にとっ 提供していた。スタッフ同士の協力体制がとても ては、やはり交通が発達していないということが 良かった。職種間同士の理解が深いように思え 地域医療においてとても重要な問題であることが た。お互い認め合って働くことが大切であり、そ わかりました。 れがうまくいかないと全て患者へ返ってしまうと また、地域医療ではやはり地域住民の方々と密 いう話を聞いた。病院内だけでなく、退院後、地 接に接していくことが多く、そういった意味でと 域の中で暮らす患者さんの姿もサポートしている てもやりがいのある、また、喜びといったものを ことが大学病院とは全く違った。 感じることができました。 全体を通して やはり、講義室で学ぶだけでなく、いろいろな 大学では分からない地域医療の現状や役割を知 人と話し合ったり、現地に行って実際に見学した ることができて、とても良かった。 りすることは学ぶことも多いように思います、ま 事前に内容をもう少し知っておきたかった。他 た、引率の先生がいてくれたのもとても良かった 職種への理解が低くて驚いた。 と思います。いろいろな場所でいろいろな話を聞 かせていただいてとても勉強になりました。 桜 井 伸 晴 高 橋 舞 今回の実習に参加するまでは、自分の「地域医 療」のイメージは、田舎で施設も小さく、医療ス ワークショップについて タッフも少なく、地域住民と友達感覚で……と 今回のワークショップは地域医療について学ん いったようなドラマでよく出てくるような感じの だ。 ものでした。しかし、今回実習で湯沢に見学に 地域医療について、イメージだけの世界で知識 行ってみて、思ってたよりも田舎ではなく施設も はほとんど無かった。けれど、グループ内での話 充実していて、自分が住んでいる町にもあるよう し合いや他グループの発表を聞いただけでも得る な病院であることを感じました。しかしまた、 ことは多かった。 もっと詳しく学んでみると、やはり、その地域に 例えば、医師・看護師などの人材不足、赤字、 特徴的なさまざまな問題を抱えていたり、必要と 高度技術ができないことなど、また、地域医療は なるものも大病院とは異なっていたりといったこ 福祉的な役割が大きいことを知った。 とを理解できました。 みんな地域医療について知識が豊富なことに驚 まず、地域医療では専門的な高度な医療よりも いたし、これから勉強しなければいけないと思っ プライマリケアが重要であること。そのためにも た。 地域住民により近い存在であることが重要だとわ フィールドワークについて かった。そういった意味でも、湯沢では医療と保 仮設住宅を訪問したが、やはり部屋が狭かっ 険・福祉が一体となっており、地域住民が簡単に た。4 畳半の部屋に 1 世帯 2 ∼ 3 人が寝るのは無理 利用できるよう整備されていて、とてもよい環境 だろうと思う。あの部屋は明らかに単身用である のように思えました。また、街のように交通が発 と思った。 達してなかったり、山や雪が多かったり、高齢者 また、あのような豪雪地帯であるのに除雪は行 の人が多かったりするため、訪問診療や看護など き届いてなく、仮設住宅自体も悪状況。もっと自 の重要性と在宅医療の大変さ、そして人手の必要 然に暮らせるように自治体がお金を出してもいい − 36 − Title:027-038.ec6 Page:37 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:29 と思う。 地」 、 「将来働きたい医療機関は:小規模病院」 、 「将 湯沢保健医療センター:この施設は病院と保健 来働きたい医療機関は:中規模病院」などの項目 福祉施設が一体化したような施設だった。最近増 は、参加後のアンケートのほうが、VAS が高値と え始めている型の施設である。 なる傾向がみられた。今回のワークショップ、 在宅訪問をメインとしていて、私も同行させて フィールドワークの経験から、参加以前よりも、 もらった。訪問医療とは違い、訪問することで利 地域医療、チーム医療への前向きな気持ち、意欲 用者とお話をし、悩みを聞いてあげるというメン が得られているのではと考えられた。 タル的な要素が大きいと感じた。そうすることで プレアンケートの自由意見欄では、 「地域医療に この利用者にはどのような制度を利用すればいい ついてあまり知らないので、今回学びたい」などの かを見極める。とても難しい仕事だ。湯沢町の福 意見があった。 祉の課題は、お年寄りが集まって団欒するという ポストアンケートでは「今回のワークショップ・ 場を作ることだとおっしゃっていた。積極的に外 フィールドワークを友達や後輩に薦められます に出ることで、リハビリ的な意味も持つのだろ か」 、という質問項目を設け、VAS 形式で回答して う。 もらったところ、結果はきわめて高値であった。 今回のようなこういう機会に参加できて良かっ また、自由意見欄では、 「とても充実していて楽し たと思います。事前に地域医療を学んでいれば、 かった」 、 「まだ進路が決まっていない段階でこの この機会はもっと良いものになったと思いまし ような経験ができてよかった」 、 「次回も参加した た。 い」 、 「今後も続けてほしい」などの前向きな意見が ありがとうございました。 多かった。 3.セッション7 「WS のまとめ」 11:10 − 11:40 第一日目に行ったプレアンケートとほぼ同じ内 容のポストアンケートを行った。その結果をもと に、ワークショップ・フィールドワーク前後でどの * VAS(Visual analog scale) 法とは、測定・ 評価が困難な痛み刺激などを評価するための 手法として Keele らにより1 9 4 8年に提唱され た方法であり、現在、臨床現場で広く用いら れている。これは真横に10 0mm の直線を引 ような変化があったのかを比較した。 き、これを「ものさし」と考え、直線の左端 結果 各項目では、 「地域で働く医療人は楽しそうであ る」 、 「地 域 医 療 に は 夢 が あ る」の 2 項 目 で、 WS/FW 参 加 後 の 方 が、VAS* で 有 意 に 高 値 で あった(表1) 。また、 「地域医療を担うとしたら自 信がある」 、 「地域医療を担うには他職種との連携 が大切であると思う」 、 「将来働きたい場所は:へき − 37 − を「愁訴なし」とし、直線の右端を「愁訴が 最大の状態」と定義して、その程度に応じて直 線上に×を付けていく、これを左端から×印 までの長さを測ることで、その程度を数値と して置き換えるものである。 Title:027-038.ec6 Page:38 Date: 2006/06/20 Tue 10:05:29 表1 アンケート結果 mean ± S.D. プレ ポスト p-value 1 地域で働く医療人は大変である 74.4 ± 15.7 72.4 ± 23.9 n.s. (0.79) 2 地域で働く人は立派である 71.9 ± 16.6 74.3 ± 21.3 n.s. (0.83) 3 地域で働く医療人は楽しそうである。 63 ± 17.2 76.4 ± 14.5 p<0.01 (0.0098) 4 地域で働く医療人は孤独である 37 ± 30.4 30 ± 28.7 n.s. (0.36) 5 地域医療には夢がある 61.7 ± 16.7 77.1 ± 13.4 p<0.05 (0.014) 6 地域医療にはやりがいがある 77.2 ± 15.2 84.5 ± 13.7 n.s. (0.093) 7 地域医療を担うとしたら自信がある 38.9 ± 21.6 53 ± 21.9 n.s. (0.12) 86.2 ± 13.6 92.3 ± 7.5 n.s. (0.18) 31.4 ± 25.9 24.3 ± 22.1 n.s. (0.49) 33.4 ± 24.3 25.3 ± 21.8 n.s. (0.38) 38.9 ± 22.5 34.7 ± 23.3 n.s. (0.59) 12 へき地勤務によって、医療人の能力は低下すると思う 37.9 ± 20.4 38.6 ± 32.4 n.s. (0.95) 13 将来働きたい場所は:へき地 48.1 ± 17.5 59.4 ± 13.7 n.s. (0.16) 14 将来働きたい場所は:都市部 46.9 ± 20.1 46.3 ± 20.7 n.s. (0.96) 15 将来働きたい医療機関は:診療所 45.1 ± 18.9 50.8 ± 19 n.s. (0.28) 16 将来働きたい医療機関は:小規模病院 46.8 ± 19.8 56.8 ± 18.6 n.s. (0.1) 17 将来働きたい医療機関は:中規模病院 48.2 ± 15.2 59.1 ± 19.7 n.s. (0.076) 18 将来働きたい医療機関は:大規模病院 50.8 ± 18.1 51.5 ± 22.9 n.s. (0.86) 19 将来働きたい医療機関は:大学病院 43.9 ± 22.4 45.2 ± 25.1 n.s. (0.79) 8 9 10 11 20 地域医療を担うには他職種との連携が大切であると思 う 地域住民と話すことが苦にならない(相手を想定した場 合に) 患者(患者家族を含む)と話すことが苦にならない(相 手を想定した場合に) 行政職(福祉課長や保健師など)と話すことが苦になら ない(相手を想定した場合に) 今回のワークショップ・フィールドワークを友達や後輩 に薦められますか − 38 − 89.9 ± 13.7 Title:039-042.ec6 Page:39 Date: 2006/06/20 Tue 10:06:27 〈第一日目〉 顔合わせをおえて (KJ 法での一コマ) 地域医療について 考えてみました (KJ 法での一コマ) 二次元展開法での一コマ − 39 − Title:039-042.ec6 Page:40 Date: 2006/06/20 Tue 10:06:30 発表をおえて 〈第二日目〉 フィールドワークへ出発 豪雪の中迷子になった − 40 − Title:039-042.ec6 Page:41 Date: 2006/06/20 Tue 10:06:36 陽光台仮設住宅群の集会場に 到着 仮設住宅の中の説明を受けて いる 山古志支所高橋保健福祉課長 より説明を受けた − 41 − Title:039-042.ec6 Page:42 Date: 2006/06/20 Tue 10:06:40 移動用のタクシーに乗り込む 午後の目的地へ出発 訪問診療のお宅で(湯沢) 〈最終日〉 まとめ − 42 − Title:043編集後記.ec6 Page:43 Date: 2006/06/20 Tue 10:07:25 編 集 後 記 平成17年度の学部教育プログラム「ワークショップ・フィールドワーク報告書」を作成しました。 今回の企画「学部学科を超えた学生によるワークショップ・フィールドワーク」は初めてのものではあり ましたが、予想以上の成果を上げたと考えています。参加した学生の反応も、我々の想像以上に好反応であ り、「地域の現状を初めて見ることができた」「機会があればまた参加したい」など大変嬉しい言葉をもらう ことができました。そして今後このワークショップ・フィールドワークを継続することに大きな自信を得る ことができました。これもひとえに今回のフィールドワークの実現に多大なご協力を賜りました長岡市山古 志支所の関係者の皆様、厚生連魚沼病院、県立松代病院、ゆきぐに大和病院、湯沢町保険診療センターの関 係者の皆様方のおかげであります。本当に有り難うございました。 この「赤ひげチーム医療人の育成」プログラムの目的は新潟県も含んだ大きな地域を一つのチームとして 見立て、大学病院を中心とした支援体制を確立することにあります。その意味からも平成 18 年度に予定され ているワークショップ・フィールドワークについてはさらに発展させ、中越地方のみならず、新潟県全県下 をフィールドとして様々な企画を考えているところです。この企画を通じて、学部学科を超えた多くの学生 に、地域医療の現状・必要性を認識してもらい、そしてそのうち一人でも地域医療を志す者が出てくれるこ とを願ってやみません。 関係する地域医療機関にはまた何かとお願いにあがることがあるかとは思いますが、ご協力のほど、よろ しくお願いいたします。 新潟大学医歯学総合病院 地域医療教育支援コアステーション 井 口 清太郎 − 43 − Title:名称未設定-5 Page:2 Date: 2006/06/20 Tue 10:09:50
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