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E
PL
M
SA
家庭で調理するすべての料理に食材として必ず使われる商品群です。
スーパーマーケットは、地域のお客様へ、 豊かな食卓の「素材提供業」
店舗の全部門で提供する商品をいかにおいしく、健康的に食べていただくのか?
【 目次
】
No
カテゴリー
1
しょうゆ
2
みそ
3
No
カテゴリー
頁
14
14
乾めん
15
15
カレー・シチュー
46
18
16
パスタ・パスタソース類
48
食用塩
22
17
E
超海量を理解しよう!
頁
PL
■
M
SA
基礎調味料、油ほか、スーパーマーケットで働く従業員全員の必須商品知識です。
中華・韓国料理
51
4
砂糖
24
18
農産乾物
52
5
食酢
26
19
海産乾物
61
6
みりん類
28
20
お茶
64
7
だし
29
21
コーヒー・紅茶・ココア
68
8
食用油
31
22
ジャム・はちみつ
72
9
マヨネーズ・ドレッシング
34
23
シリアル・ベビーフード・雑 穀
74
10
トマトケチャップ類
37
24
缶詰め・レトルト食品
75
11
ウスターソース類
38
25
製菓材料
77
12
小麦粉・パン粉類
39
26
お米
78
13
香 辛 料 ( ス パ イ ス )・ ハ ー ブ 42
(出汁) ・ つゆ
1
79
まず、基礎調味料をしっかり理解しよう!

料理のおいしさの秘密は調味料にあり 
私たちが提供する商品は、調味料の使い方でもっと価値あるものになります。
お客様の料理のできばえを大きく左右する調味料を知ることがすべての基本
『 さ(砂糖)
、し(塩)
、す(酢)
、せ(しょうゆ)
、そ(みそ) 』からスタート
【 基礎調味料の効果と役割
種類
砂 糖
み そ
うまみを引き出す。こくを出す。
甘味をつける。香ばしさを出す。
見た目の効果
水分を保持する、保存
照り・つやだし
旨みを出す。砂糖の甘味引き
臭みを取る。、ぬめりを取る。
立てる。味の引き締める。
あくを取る。水分を出す。
酸味をつける。
野菜のあく取り。殺菌作用。
塩見をやわらかくする。
魚の臭味とり、たんぱく質を固める
香り付け。
臭みを取る。水分を出す。
味の引き締め。
深みを加え、こくを出す。
【 和食の味付けの基本
変色防止、漂白作用、
素材の色を鮮やかに
する。
料理の色付け
保存性を高める。
臭みを取る。水分を出す。
つやだし
保存性を高める。
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独特の風味をつける。
野菜・果物の色止め
PL
しょうゆ
加工上の効果
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酢
味覚上の効果
SA
塩
】
「 さ・し・す・せ・そ 」 】 ➡
調味料を加える順番
① 砂糖は、親水性が高いので最初に入れないと味が染みにくい。
② 塩は、浸透圧作用で食材から水分を多く呼んでしまうので味を決める初期に使う。
③ 酢は、早い段階で入れてしまうと酸味が飛んでしまう
④ しょうゆは、風味を楽しむために仕上げに入れる。
⑤ みそは、しょうゆと同じく加熱することで風味を損ねてしまうので仕上げに入れる。
2
しょうゆ
 基礎知識 
万能調味料だが、料理、食べ方により各種使いこなすことが食卓の豊かを実現!
丸大豆、生醤油など風味高い、特色ある“しょうゆ”がさらに料理をおいしくする。
しょうゆの原料は、「大豆」、「小麦」、「塩」。 まず、これを麹(こうじ)菌で発酵・熟成させ、
しょうゆ麹を作り、さらに食塩水を加えて諸味(もろみ)を作る。
この諸味(もろみ)を絞ったものが生しょうゆとなる。 これを加熱殺菌すると、しょうゆとなる。
みそと同じ大豆を主原料とした発酵食品であるが、加熱することより、みそに比べ保存性が高い。
しょうゆは、JASでは、製造方法、原料、特徴などから、以下の5種類に分類される。
濃口しょうゆが80%以上を占めており、濃口を省略して、「しょうゆ」「特選しょうゆ」などとなっている。
【 しょうゆの分類(JAS)と出荷量 】
濃口しょうゆ
(こいくち)
淡口しょうゆ
SA
種類
大豆・小麦・塩
83%
※ “ うすくち ”とは、色がうすいこと
高濃度の塩水で仕込み、素材の味を生かすため色や香りは抑えめ。 18%
14%
大豆・小麦・塩
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大豆・小麦・塩
再仕込みしょうゆ
PL
塩水のかわりに醤油で仕込むため、色、味、香りとも濃厚でうま味あり。
溜りしょうゆ
大豆がメインで小麦は少量
(たまり)
16% 0.8%
製法は味噌に近いタイプで、濃厚。東海地方では在。
16% 1.5%
小麦がメインで大豆は少量
18% 0.8%
E
白しょうゆ
塩分 出荷量
16%
一般的な醤油で万能タイプ。酸味、味をひきしめる苦みを持つ。
(うすくち)
【 商品の表示について
主な原料と特徴
】
名称
特徴
しょうゆ
通常の濃口しょうゆのこと。調理用、卓上用のどちらにも幅広く使える。
減塩しょうゆ
100g 中の塩分量が 9%以下のもの(通常のしょうゆの50%)
丸大豆しょうゆ
大豆を丸のまま原料とし最後に油脂を抜いたもの。まろやかな風味と深みが特長
有機しょうゆ
有機農産物原料を使い 、非有機原料と切り離した製造工程でつくられたもの
生しょうゆ
火入をせず、微生物をろ過したもの
だししょうゆ
しょうゆにだしを加えて加工したもの
ぽん酢しょうゆ
しょうゆに柑橘果汁と酢を加えたもの
うすくちしょうゆ、たまりしょうゆ ・・・
本醸造・・・
上記JASの分類と同じ
原料を麹菌や酵母によって長期間 発酵・熟成させる製造方式を指し、ほとんどが本醸造で作られる。
特選、超特選・・・JAS
の品質基準で分類されたもので、うま味成分(全窒素分(%))の含有量のレベルで分類
3
 しょうゆの効用 
★
世界の万能調味料として、和食はもちろん幅広い料理の下ごしらえに、調理に、そして卓上で使用頻度
が高いしょうゆ。さらにおいしく効果的にしょうゆを使いこなせるようご提案しましょう。
❶ 殺菌効果
…
塩分と酸で食品の日持ちをよくする
しょうゆには、塩分と有機酸が含まれているため、大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果がある。
❷ 消臭効果
…
肉や魚の生臭みを消す
しょうゆの中のアミノ酸の一種、メチオニンが変化したメチオノールという物質に消臭効果があるため。
❸ 加熱効果
…
食欲をそそる香ばしさ
しょうゆと砂糖やみりんを合わせて加熱すると、アミノ酸と糖分がアミノカルボニル反応をおこし、
食欲をそそる香りと、美しい照りが生まれる。すき焼き、照り焼き、蒲焼き、焼き鳥など
❹ 対比効果
…
甘みを一層ひきたてる
例えば甘い煮豆の仕上げに少量のしょうゆを加えると、甘味がひきたつ。
❺ 相乗効果
…
だしにしょうゆを入れると味が引き立つ
しょうゆの中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働き合うと、深い旨味が作り出される。
…
SA
❻ 抑制効果
塩味を和らげる
塩しゃけや漬物にしょうゆをかけると、塩味がやわらぐ。香味成分や乳酸などが塩味をやわらげるため。
…
PL
❶ そばのつけつゆ・天つゆ
M
 しょうゆの使い方 
しょうゆ1
みりん1
出し汁4
そば、うどん用のつゆの基本。そうめん冷や麦にも使うが、めんを水につけて出すときは、出し汁を少し
控えめにする。しょうゆは濃口でも薄口でもどちらでもよい。
…
E
❷ そば、うどんのかけ
しょうゆ1
みりん1 出し汁8
そばのつけつゆに比べて出し汁の量は2倍。倍も味が薄いことに注目。関西風にするなら薄口しょうゆや
白しょうゆをやや控えめに使い、色を淡く仕上げるとよい。冷蔵庫でも2~3日は持つ。
❸ おでんのつゆ
…
しょうゆカップ 1/2
酒カップ 1/2
出し汁カップ 10
1:1:20 の割合。おでんの味はとり合わせる具によっても左右される。多く使われる練り製品は以外に
甘いので、砂糖やみりんを控えること。
❹ どんぶりもののつゆ
…
しょうゆカップ 1/4
みりんカップ 1/4
出し汁カップ1と 1/4
甘い煮豆の仕上げに少量のしょうゆを加えると、甘味が一層ひきたつ。おしるこの仕上げに
塩をひとつまみ入れるても同じ効果がある。
❺ 寄せ鍋のつゆ
… しょうゆ大さじ 3
みりん大さじ1
酒大さじ 2
出し汁カップ 5
なべの大きさで材料の量が変わるが、この割合で増やす。入れる具や好みにより、塩を少々足してもよい。
❻ ポン酢
…
しょうゆ1
レモン、ゆず、だいだいなどの絞り汁 1
…
しょうゆ大さじ 3
好みのかんきつ類を絞る
❼ からしじょう
溶きがらし小さじ 2
溶きがらしと砂糖を合わせた中にしょうゆを少しずつ加える。
4
砂糖小さじ1
 しょうゆの保存方法 
開栓前は冷暗所、開栓後は冷蔵庫、1カ月を目安に使い切る
しょうゆは、腐敗しにくいが、時間の経過とともに色が濃くなり、風味もおちてしまう。そのため、直射日光を
避け、できるだけ涼しいところに保存する。空気に触れることで酸化が進み、品質が落ちてしまうので、開栓後
はきちんと栓をして冷蔵庫で保存し、1ヶ月を目安に使い切る。

しょう油の豆知識

丸大豆
✪ 丸大豆しょう油の特徴
通常のしょう油は、大豆から油を取り除いているが、丸大豆しょう油は、大豆を丸のまま使用し、油を取り
除いていないため、大豆の油脂成分が醸造中にグリセリンなどに分解され「まろやかさ」、「深いうま味」
が特徴のしょう油となっている。「色」「味」「香り」のパランスが良く、どんな料理も引き立てる。
✪ 生しょう油(きじょうゆ)の特徴
熱処理(火入れ)をしていないので、もろみ特有の香りが失われず、そのまま残っているのが特徴。
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火香と呼ばれるしょう油の特徴的な香りが弱くなり、素材の風味をより楽しむことができる。
また、加熱調理した時にも通常のしょう油に比べ、香りが保持されており、甘く香ばしい風味が出る。
✪ 「うす口しょう油」の 塩分濃度は「濃い口しょう油」より高い
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うす口とは色が淡い(=うすい)ということで、塩分濃度は通常濃い口しょう油が約16%、うすくちが約18%
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✪ 「減塩しょう油」と「うす塩しょう油」の違い
「減塩しょう油」は厚生労働省「特別用途食品」として指定されており、塩分は通常のしょう油の50%以下(9%)、
「うす塩しょう油」は80%以下(13%)となっている。「減塩しょう油」は高血圧、妊娠中毒毒症など
で減塩食を必要としている人向けのしょう油で「うす塩醤油」は成人病予防をに適した醤油となっている。
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✪ だし入りしょう油
しょう油にあらかじめかつお節、昆布などのうま味成分を合わせた簡便な調味料。だししょう油は、
昆布しょう油、土佐しょう油などの名称で商品化され、つけ・かけ用から調理用まで幅広く使われている。
✪ たれ類
しょう油に、風味原料や糖類、香辛料などを合わせ、調整したもの。しょう油の色や香りが決め手になる
蒲焼き、照り焼き、焼き鳥用のたれから、各種焼肉のたれ、すき焼きの割り下など、多種多様です。
✪ つゆ類
しょう油にあらかじめかつお節、昆布などのうま味成分を合わせた簡便な調味料。だししょう油は、
昆布しょうゆ、土佐しょう油などの名称で商品化され、つけ・かけ用から調理用まで幅広く使われている。
✪ ポン酢しょう油
しょう油と醸造酢をあわせたものから、だいだい、すだち、かぼすなど、香りの高い柑橘類の果汁を加えた
もの、さらにだしのうま味をきかせたものまで、幅広く作られていいる。
✪
魚醤(ぎょしょう)
魚醤(ぎょしょう)は、魚類または他の魚介類を発酵、熟成させた調味料。魚醤油(うおしょう油)、
塩魚汁(しょっつる)とも呼ばれる。タイのナンプラーも 小魚を発酵させた上澄み液を熟成させて作る。
5
みそ
 基礎知識 
栄養満点で、健康によい“みそ”は、種類豊富で、料理に深みをあたえる。
地域特性や料理に合った おいしい“みそ”の使い方の提案で楽しい食事を演出
みその原料は、「大豆」、「米」又は「大麦」、「塩」。これを麹菌により、発酵・熟成させて作る。
みそ製品は発酵食品であり、酵母などが生きていると再発酵が進み、容器が破裂することがある。
このため加熱するか、アルコールを添加するなどするが、このような処理をしない製品には「生」「無添加」な
どと表示されている。また、熟成期間が一年くらいあり「天然醸造」と表示している製品もある。
みそはJASの分類では、大豆以外の原料となる穀物のこうじの種類によって以下の4つに分類される。
流通量は、米みそ 約80%、麦み約10%、豆味噌約6%、調合味噌約10%前後となっている。
さらに、甘口、辛口といった味や赤みそ、白みそといった色でも分類される。
SA
【 みその分 類 (JAS)と特 徴 】
M
大豆を主原料に、米こうじを加えて、発酵・熟成させたもの。
全国的に一番多く生産されている。 その産地の地方名をつけられて売られているも
のがほとんどである。色によって白みそ・淡色みそ・赤みそ
に、味によって甘みそ・
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米みそ
甘口みそ・辛口みそに分けられる。
白い甘みそは関西に、淡色系の辛みそは関信越を中心に赤の辛みそは東北を
中心に、それぞれ消費されている。
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大豆を主原料に、麦こうじを加えて、発酵・熟成させたもの。
麦みそ
大麦に多く含まれている蛋白質などによって米みそと異なった独特の風味が特徴。
色も淡いものから赤いものまであり、味も西日本の甘口のものから、関東の
辛口のものまで種々のものがある。
大豆を主原料に、こうじ菌を加えて、発酵・熟成させたもの。
豆みそ
大豆の蛋白質がアミノ酸に分解されて、濃厚な うまみがある。現在では愛知、
岐阜、三重の3県で主に生産されている。
これを加工した調合みそに赤だしみそなどがある。
上記の各みそを混合したもの。または、その他のみそ。
調合みそ
上記の3種のものを混合したみそや、大豆の代わりに脱脂大豆を、米や大麦の
代わりにコーンなどの 他の原料を使用したものが全部包含されている。
6
【 みその種類と産地など 】
JAS分類
塩分
(%)
主な銘柄
白
5~7
西京白味噌
讃岐味噌・府中味噌
赤
5~7
江戸甘味噌
淡色
7~12
相白味噌
中甘味噌
赤
11~13
御膳味噌
淡色
11~13
信州味噌
赤
11~13
甘口味噌
淡色系
9~11
-
辛口味噌
赤系
9~11
-
味や色による分類
甘味噌
米味噌
甘口味噌
辛口味噌
(まろやか・軽い甘い香り)
東京
(濃厚な甘味・香ばしい甘い香り)
(サッパリとした甘味と辛味・さわやかな香り)
徳島、その他
(のびのある甘味とうま味・落ち着いた発酵の香り)
関東甲信越、北陸その他全国的に分布
(サッパリしたうま味と調和した甘味・辛味やかな香り)
仙台・津軽・秋田・佐渡・越後
・加賀・北海道味噌など
SA
調合ミソ
10~12
近畿各府県と岡山、広島、山口、香川
静岡、九州
関東甲信越、東北、北海道、その他全国各地
(濃厚なうま味と調和した辛味・発酵した深い香り)
九州、四国、中国地方
(甘味とうま味の調和した味・淡い麦味噌特有の香り)
麦味噌
豆味噌
主な産地
(味と香り)
九州、四国、中国、関東地方
(甘味とうま味の調和した味・濃い麦味噌特有の香り)
八丁味噌
名古屋味噌
中京地方(愛知、三重、岐阜)
赤だし味噌など
愛知・福岡
(濃厚なうま味とやや渋み・豆味噌特有の香り)
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PL
M
赤
淡色
白
豆みそ
7
 みその栄養素・ 健康効果 
主な栄養素
(100g 当たり)
★
たんぱく質 11g 前後、脂質 5g 前後、糖質 20g 前後、カルシウム 440mg 前後、カリウム 440mg 前後、
鉄分 4.3mg 前後、その他ビタミンB1、ビタミンE、大豆イソフラボン、サボニン
良質な大豆なたんぱくが、麹の発酵作用でより吸収されやすいアミノ酸に変化、二日酔いに効果的
代表的な効果を挙げると、がん予防、コレステロールの抑制、消化促進、整腸作用、胃潰瘍の予防、美容効果、脳の活性化、
老化防止、基礎代謝の促進などがある。さらに主原料である大豆の良質のたんぱく質には過酸化脂質の増加を防ぐといわれて
いるサポニン、ビタミン群、カリウム、カルシウム、食物繊維など様々な栄養素が豊富に含まれている。
 みその保存

開封後はできるだけ空気に触れないようにして、冷蔵庫で保存
発酵食品である味噌は保存中に、色や風味が変わってきますが、品質に大きな問題はなく食べられます。
色が変わったら、他の味噌と混ぜて合わせ味噌として使うとよい。袋ものの場合は、できるだけ空気を抜き、
口をしっかりとしめること。そして冷蔵庫で保存する。
SA
 みその味、好みと販売上のポイント 
M
みその味は、用いられる麹の種類と、大豆と麹の割合、
および塩分量によって微妙に違ってくる。
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一般に、みそ汁に用いる辛みそと呼ばれるものは塩分12%後のみそで、
麹の使用量が大豆よりやや少ないのが特徴。米みそで赤みその系統に当たる仙台みそや、色の淡い辛みその
代表である信州みそなどが該当する。麦みその中でも、主として関東北部で造られるものは辛口みそである。
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一般に寒い地方では、主としてみそ汁用のやや塩分量の多い辛口みそが多く造られる。
豆みそも、どちらかといえば辛口みそである。
一方、甘みそと分類されるみそは塩分が6%前後のものが多く、麹を多く使用する。代表的なのは、関西
地方で多く造られている米の白みそである。九州地方を中心として造られる甘口の麦みそは塩分が
10%前後で、麹が大豆量よりも多く、2倍以上のものも市場にはたくさんある。
塩分が多く熟成期間の長い辛みそはうま味が濃厚で、良く熟成したものは発酵食品特有の食欲をそそる芳香
がある。また、麹の使用量が多い甘みそは甘みに富み、麹の良い香りがすることが特徴である。
さらに、麦みそには特有の香りとうま味があり、豆みそは食べ慣れると非常においしく感じる独特の渋みと
濃厚なうま味がある。みそは単一名称の調味料としては非常に種類が多く、それぞれに個性的なうま味や香
りを持っているが、これも主原料の大豆、麹、塩の分量の微妙なバランスが生み出したものといえる。
みそを販売するには、お客様の好みに合ったみそをお勧めすることが大切。
みそは、特徴の異なるタイプ2種類ぐらいを合わせて使用することで、風味に変化が出て喜ばれる。
混合して長くおくと風味が落ちることがあるので、使用する際に合わせる方がよい。
みそ汁用には辛口を主体に、料理用には甘口を主にお勧めする。
8
 みその豆知識 
✪ “ 赤みそ ”と“ 白みそ ”
どちらもの原料は同じ。作り方で違いが出る。
赤味噌が大豆を蒸すのに対して、白味噌が茹でる。
大豆を茹でると大豆のタンパク質やアミノ酸が流れ出すが、蒸した大豆にはそのまま残っているので
赤味噌の方がアミノ酸が多く、みそ汁にするとコクが出る。
赤味噌の色は、熱せられると赤くなるアミノ酸の色。
また、熟成期間も赤みそは長く、白みそは短い。
✪ み そ の 熟 成 期 間 と “ 長 期 熟 成 み そ ( 2 年 ~ )”
みその熟成期間は、塩分の少ない白みそは、通常1~2週間と短い。
一方、赤みそは、天然醸造であれば1年以上の熟成が必要であるが、店頭に並ぶみその多くは、「速醸」
(温度をかけて早く作る速成醸造法)により、数週間~3ヶ月。長くても6ヶ月の熟成となっている。
長期熟成は、信州などの高冷地域で、2年以上の熟成を行うことにより、塩かどが取れ、うまみが増して
香りがよく、
「まろやか」で「味わい深い」みそに仕上がっている。通常無添加のため、冷蔵保存となる。
✪ だし入りみそ・即席みそ汁
だし入りみそは、みそ汁などを作る時、手間を省くため調味料として、昆布エキス、粉末のかつお節、
SA
煮干などの天然調味料、うま味調味料を添加したもの。乾燥タイプ(フリーズドライ)と生みそタイプがあるが、
乾燥タイプの製造技術が向上し、味、風味、具材の歯ごたえとも生と遜色がなくなっている。
M
✪ みそ汁は朝の毒消し(ことわざ)
「朝の一杯のみそ汁は体にいい」という意味で、みそ汁の栄養がとても良いということを表わしている。
PL
みそ汁の原料である大豆に含まれる、サポニンやレシチンが体の中の余分な脂肪を排除する働きがあり、
食物繊維も豊富に含まれているため、腸内の掃除にも効果的。タンパク質も豊富なため、みそ汁を毎日
飲むと健康を維持していけるということ。
E
✪ みそ汁の好きな具ランキング
さまざまなアンケートが実施されており、結果は、地域、年令、性別で異なっていますが、豆腐だけは、
すべてのアンケートで第1位となっています。以下は主要なアンケート結果です。
第1位
豆腐
第2位~5位(順不動)ワカメ、ねぎ、油あげ、大根
第6位~
玉ねぎ、じゃがいも他
✪ 食べるみそ“ 金山寺(キンザンジ)味噌 ”
和歌山県、千葉県、静岡県等で生産され、調味料としては使わず、おかずや酒の肴としてそのまま食べる。大
豆・米・麦・野菜等から作られ、熟成期間は長くても3ヵ月。唐の時代、中国で修行した僧侶が帰国して、紀
州(和歌山)の金山寺で造られ始めたと伝えられている。あったかいご飯やお茶漬けにかけてもおいしい。
✪ 名古屋名物“ 味噌煮込みうどん ”
塩なしの真水で打った生うどんを、八丁味噌をベースに数種の味噌をミックスしてだしに入れ、土鍋で煮
込む味噌煮込みうどn。生うどんをそのまま入れるので独特のトロ ミがつくのが特色。煮込み時間が3
~4分程度と短かめで沸騰しているうちに出されるが、生煮えのような固めの食感と八丁味噌の風味が独
特で、くせになる。また、鶏肉、油揚げ、ねぎ、かまぼこ、干しいたけ、玉子などの具を入れて煮込むの
で栄養バランスもよく、名古屋では、味噌煮込みうどんをおかずに御飯を食べる人も多い。
煮込麺を塩を入れずに真水だけで練る理由は、生のまま八丁味噌で煮込むことで、味噌の塩分が小麦粉の
たんぱく質を変化させるためで、さらに煮込 むことで、独特の歯ざわりが生まれる。
9
食用塩

基礎知識 
一振りするだけで、素材のおいしさをぐっと引き立てる“塩”
それぞえの料理に適した塩、味をよくする特徴、効果を理解しよう。
食用塩は、100年近く続いた塩専売制が平成14年4月に完全に自由化され、現在、食用塩の大部分は国内で
生産され、原料も約85%が国内産塩で海水を煮詰める方によって生産されています。
店頭で販売される食卓塩は、大きく、精製塩、天然塩(自然塩)
、再生塩に分かれます。
最近は、うま味成分が多く、素材の味をより引き立て、体に良いとされる天然塩の商品が多くなっている。
❶ 精製塩
純度(塩化ナトリウムの割合)が95%以上。海水から作られた原塩から不純物を除き、精製した塩。
サラサラとしていて、辛く、水に溶けやすく使いやすいのが特徴で料理の味つけ全般に使用する。
SA
① 食塩
純度99%以上
最も一般的な食用塩。多 少の水分やにがり成分を含み、料理に使われる。
② 食卓塩、クッキングソルト
純度99%以上
M
食塩よりより純度を高めたものに、食卓や厨房での防湿のため、塩基性炭酸マグネシウムを加えたもの。
純度95%以上
PL
③ 漬けもの塩
食塩より純度が低く、にがり成分がが多い。漬けものの味の成分であるリンゴ酸、クエン 酸を加えてある。
E
❷ 天然塩・自然塩(粗塩タイプ)
純度(塩化ナトリウムの割合)が80%程度。さまざまなミネラル=にがり成分(塩化マグネシウムが
主成分でナトリウム、カリウムなどを含む)が多く、しっとりしていて、特有のうまみがある。
① 自然海塩
(平釜塩)
海水のみを使用し、飽和塩水を作り、平釜で煮詰め結晶化させたもの。ミネラル=にがり成分がバランス
よく含まれている。
商品例)小笠原の塩、能登のはま塩、沖縄の海水塩、、最進の塩など
② 天日塩
海水のみを使用し、飽和塩水を作り、何ヶ月~何年も天日にさらして結晶させたもの。(加熱はしない)
商品例)日本:粟国の塩、土佐の塩丸、美味海、海の精(青ラベル)
③ 岩塩
岩塩は純度が高く、にがり成分は少ない。
岩塩を原料としたもの。
❸ 再生自然塩
商品例)
サーディロッチャ、アンデスの塩など
(粗塩タイプ)
海外から輸入した塩(メキシコ・オーストラリア・中国等の天日塩)や食塩を日本国内の工場で水又は
海水に溶かしにがり成分を人工的に加え再結晶させたもの。
商品例)赤穂の天塩、伯方の塩、あらしお、シママース、瀬戸のましおなど
10

塩の豆知識 
✪ 自然海塩、天日塩が体によく、美味しいと言われる理由
人間の体液の組成元素に近い海水の微量なミネラル=にがり成分がふんだんに含まれている。
料理をはじめ、漬けものに使うと味わいがまろやかになる。
✪ 粗塩タイプと焼き魚
粗塩タイプは、特に焼き魚に合うと言われている。それは、海水と同じにがり成分によるものと考え
られている。ただし、粗塩タイプは、食塩に比べ溶けにくいので、水分の多い魚は焼く30~1時間前
に塩を振っておくことがポイントとなる。
✪ 岩塩に合う料理
岩塩は特に溶けずらい塩です。従って焼き魚などの振り塩には向かない。
特にシンプルな岩塩の辛さや、焼き上がりに残るでかりっとした塩の粒の旨味が特徴であり、肉料理、
それも牛や羊の赤い肉、ジビエなどのクセの強い肉に合います。また、フランス料理などの濃厚なソース
にも岩塩の直感的な塩辛さが生きてくる。
SA
✪ 漬けものに合う塩
漬けものに使う塩は、できるだけ溶けやすくて材料とのなじみが良く、味もよくなるというものになる。
その点、漬け物用として販売されている塩には、にがり成分、クエン酸、うまみ添加物などが入っており、
PL
M
保存性もうまみも向上する。
✪ クレージーソルトとマジックソルト
両商品とも塩(岩塩)をベースに、スパイス、ハーフを調合した調味料。一振りで食欲と風味を増す
万能調味料として料理全般に使える。入っているスパイス、ハーフの違いでそれぞれ味、風味が異なる。
E
✪ 塩の表示ルール
 食用塩公正取引協議会HPより http://www.salt-fair.jp/explain/pdf/explain01.pdf
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砂糖
 基礎知識 
甘味を加えるだけでなく、料理にコクや深みを与える“砂糖”
多くの種類がある砂糖についてそれぞれの特徴と用途をしっかり覚えよう。
砂糖の原料はサトーキビとてん菜の2種類がある。サトーキビは熱帯・亜熱帯地方で栽培され、てん菜は反対に
温帯北部・亜寒帯地域で栽培され、国内ではサトーキビは鹿児島県・沖縄県で、てん菜は北海道で栽培されている。
わが国で消費される砂糖の約65%は、サトーキビを一次加工して作った粗糖の輸入に依存している。
砂糖の種類は分蜜糖と含蜜糖に大きく分類されるが、店頭で販売されるほとんどが製造工程で結晶と蜜を分離
する純度の高い分蜜糖に入る。
黒砂糖などの含蜜糖は結晶と蜜を分離しないので、原料由来のミネラル分が多く含まれている。
 砂糖の種類と特徴

上白糖
SA
日本で最も多く使われている砂糖(約半分)。結晶が細かく、しっとりとしたソフトな風味で、
コクのある甘味が特徴。これは製造の最終段階でビスコという転化糖を加えているため
焼き色が付きやすく、適度に色を付けたい料理に適している。
M
PL
グラニュー糖
上白糖よりも結晶の大きい、サラサラとした感じの砂糖。クセのない淡泊な甘さを持つため、
香りを楽しむコーヒーや紅茶に最適。また、菓子用や料理用にも広く使われる。
E
海外では最も一般的な砂糖となっている。
三温糖(サンオウトウ)
黄褐色をした砂糖で、上白糖やグラニュー糖に比べて特有の風味を持っていて、甘さも
強く感じる。煮物や佃煮などに使うと、上白糖などに比べて、強い甘さとコクがでる。
フルーツケーキなどにも使われる。
白ザラ糖
純度が最も高く、高級菓子等に使われる。また、結晶が大きくグラニュー糖等よりもゆっくり
溶けるため、果実の旨みを十分に引き出した、おいしい果実酒をつくることができる。
クッキー等のトッピングにも使われる
中ザラ糖
日黄褐色をしているが、特にミネラル分が多く含まれているわけではなく、純度は高い砂糖。
まろやかな風味があり、煮物ほか、和菓子のあめやめん類の汁の味付けなどに使われる。
12
角砂糖(かくざとう)
グラニュー糖を四角に固めたもので、コーヒーや紅茶に使われる。
また、1 個の重量が決まっているので、お菓子や料理用にも便利。
コーヒーシュガー
「氷砂糖」にカラメルを加えて茶褐色にしたもの。
コーヒー用の砂糖として香りを高め、また、ゆっくり溶けて甘さの変化を楽しむことができる。
顆粒状糖 (フロストシュガー)
グラニュー糖を粉末にしてから、粒状に固めたもの。
低い温度でも溶けやすく、すっきりとした甘さのため、デザート、フルーツに向いている。
氷砂糖(コオリザトウ)
最も大きな結晶の砂糖で、氷のように見える。溶けるのに時間がかかるので果実酒を
SA
作るのに最も適している砂糖。
また、煮物に利用すると、素材に美しいツヤが出る。
黒砂糖(クロザトウ)
含蜜糖
M
さとうきびの搾り汁を精製せず、そのまま煮詰めて砂糖にしたもの。濃厚な甘さと、強い風味
がある。沖縄県や鹿児島県の南西諸島で作られている。
PL
カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれているため、少ししょっぱい。
てんさい糖(ビート糖) 含蜜糖
E
てん菜の搾り汁を精製せず、そのまま煮詰めて砕いて砂糖にしたもの。主に北海道で生産
される。サトウキビから作る砂糖とは違い、てんさい糖には甘味だけではなくまろやかな
風味があり、特に整腸作用のあるオリゴ糖を含んでいる。どんな料理にも合う。
きび砂糖
含蜜糖
さとうきびを原料とした三温糖ににた黄褐色の砂糖で、粗製糖と同じようにミネラル分が豊富。
粉末タイプで使いやすく、甘さもまろやか。上白糖と同じようにどんなものにも使ってもいい。
煮物や魚料理に使うと、素材の臭みが和らぎ、美味しくなる。
粗製糖(ザラメ糖)
原料を濃縮して煮詰めたものを一度結晶化(分密化)したもの。精製を抑えているので、
カリウム、カルシウム、鉄分などのミネラル分が多く、絞りたてのサトウキビの風味がある。
癖は少なく、白上糖の代わりに使ってもいい。料理の味がコク深くなる。
和三盆
主に香川県や徳島県などで地元産のさとうきびを原料に伝統的に生産されている砂糖。
粉砂糖に近いきめ細やかさを持ち、微量の糖蜜が残っていることから淡く黄色がかっている。
食感がサラッとしていて、甘さがくどくなく後味がよいため、高級和菓子の材料として使用される。
13
食酢
 基礎知識 
少量で料理の甘味、うま味、コクを出す便利な調味料
それぞれの種類、商品の特徴、適切な使い方をお客様に伝えましょう。
食酢は、穀類とくに米を原料とし、糖化発酵、アルコール発酵、酢酸発酵の3段階を経て作られる。
食酢に醤油、砂糖、香辛料等を加えて味を調製したものが加工酢で「調味酢」
、
「合わせ酢」とも呼ばれいて、代表
的なものに「すし酢」
、
「三杯酢」
、
「たで酢」等がある。酢は4~5%の酢酸を主成分とする液体の調味料で、副
成分としてその他の有機酸、糖類、アミノ酸などを含み、芳香、香味を有している。食酢は大別すると、醸造酢
と合成酢とになる。家庭用のお酢は、ほとんどが醸造酢となる。
【 食酢の種類と特徴 】
穀類、果実、野菜、その他農産物、はちみつ、アルコール、砂糖類を原料に酢酸発酵させた液体調味料であって、
SA
かつ、氷酢酸または酢酸を使用していないもの
穀物酢のうち、原材料として米、小麦、大麦、コーンなどを使用したもので、その使用総量が
醸造酢 1 リットルにつき 40g 以上のもの
■ 穀物酢
M
最も一般的な酢。さっぱりとしてさわやかな味で、日本料理はもちろん、
西洋料理、中華料理などあらゆる料理に合う。
穀物酢のうち、原材料として米の使用量が穀物酢1リットルにつき 40g 以上のもの(ただし、米黒酢を除く)
(よねず)
PL
穀
物
酢
■ 米酢
刺激臭が少なく、さっぱりした酸味をもつので、すし、酢のもの、合わせ酢などの
日本料理に多く用いられる。
原料の違いで米黒酢と大麦黒酢があり、発酵および熟成によって褐色または黒褐色に着色したもの
醸
造
酢
料理に使うと黒酢の持つうま味とコクがより一層味に深みを与えます
E
■ 黒酢
必須アミノ酸を多く含み、飲む食酢としても健康食品として人気がある。
■ 香酢
■ 果実酢
■りんご酢
果
実
酢
主に中国で作られるもち米を醸造し、モミ殻を加えて発酵させたもの。
健康食品として流通し、カプセルとして飲むものが多い。
果実酢のうち、原材料として 1 種または 2 種以上の果実を使用したもので、その使用総量が醸造酢
1 リットルにつき果実の搾汁として 300g 以上のもので、リンゴ酢、ブドウ酢でないもの
果実酢のうち、りんご果汁を主原料にしたお酢。アメリカではポピュラー
フルーティーな香りとライトな味わいで、飲み物やデザートに使う。
■ ワインビネガー
ぶどう果汁をアルコール、酢酸菌で発酵させて作られた酢。 ワインと同じように赤と白がある
ブドウ酢
特有の香りがあり、煮込み料理、ドレッシングやマリネやソースなどにも用いる。
■ バルサミコ酢
北イタリアが発祥。ぶどうの濃縮果汁から作られ、数年の樽熟成が特徴
コク、まろやかな甘みがあり、ドレッシングからデザートソースほかに用いる。
合
成
酢
氷酢酸または酢酸の希釈液に砂糖類等を加えた液体調味料、もしくはそれに醸造酢を加えたもの
食酢としてほとんど店頭で見ることはない。
14
■ ポン酢
柑橘類の絞り汁に醤油を加えた調味料のことで、酢、みりん、節、昆布などを加えている製品も多い。
醤油と同様に幅広い料理に活用できるポピュラーな調味料。“味ポン”というのは、固有の商品名。
■ 調味酢
食酢に醤油、砂糖、香辛料等を加えて味を調製したもので「加工酢」、
「合わせ酢」とも呼ばれており、
「すし酢」、
「土佐酢」ほか色々な種類の製品が発売されている。
■ もろみ酢
酒の醸造でできる「もろみ粕(かす)」から作られ、JASでは食酢と分類されない。クエン酸とアミノ酸が
豊富で酸味が強い。
(米酢の20倍のアミノ酸を含有)。健康飲料としてそのまま飲んだり、他の食酢と同様に
調味料として使う。
 穀物酢の栄養素・ 健康効果 
主な栄養素
(100g 当たり)
ナトリウム 6mg、カルシウム 2mg、リン 2mg、カリウム 4mg ほか
酢にはビタミン・ミネラル類の栄養吸収を促進する効果がある。骨粗しょう症や老化予防に効果的
さらに、脂肪低下効果、血圧低下作用、血糖値上昇抑制作用を実証されている。
SA
 黒酢の主な栄養素と健康効果 
アミノ酸
(一般の食物酢の5~20倍含んでいる)
… 基礎代謝を向上させるダイエット効果、細胞をを作る美肌効果、動脈硬化予防効果
■
オリゴペプチド
…
高血圧の予防効果
■
クエン酸
…
疲労物質である乳酸をエネルギーに変える疲労回復効果
PL
M
■
 酢の保存方法 
E
長期間の保存も可能であるが、開栓後は、キャップをしっかり締めて冷暗所で保存
酢の賞味期間の目安は、製造後約2年。保存する時は、高温の場所は避け、冷暗所に置く。
開栓後は、キャップをきちんとしめて冷暗所に保存する。
 合わせ酢の作り方 
名称
用途など
酢
しょうゆ だし
二杯酢
魚介類、海藻の酢の物
大2
大1
大2
三杯酢
酢のもの全般の基本的な調味料
大2
大1
大2
甘酢
野菜や魚を漬ける、甘酢漬けとして
大3
すし酢
炊きたてご飯に混ぜるとおすしに
大 4½
土佐酢
だしを加えた酸味の柔らかい酢。淡白な野菜に
大6
ごま酢
鶏肉のササミ、大根、たたきゴボウなどに
大4
南蛮酢
揚げた魚とからめて南蛮漬けの漬け酢として
わさび酢
魚介類の付け酢
大2
酢みそ
ワカメ、魚介、ゆでた野菜の酢みそあえ
大2
15
大1
大3
塩
みりん
その他
少々
少々
小½
大1
大
大2
米3合
大1
削り節10g
大6
小½
½カップ 大½
大½
砂糖
大1
大2
小4
大1
大1
少々
あたりゴマ大3
ワサビ大1
大2
みそ大4
みりん類
  基礎知識 
本みりん、みりん風調味料、料理酒の特徴と使い分けを知る。
上品な甘さや香り、コクとうま味をお求めなら本みりんがお奨め!
日本独自の調味料であるみりん類には、酒類に分類される本みりんと酒類として分類されないアルコール分
1%未満のみりん風調味料とアルコール分は高いが食塩を加えた料理酒(発酵調味料)があります。
煮物、照り焼きなどの和風料理に使用して、独特の甘み、照りをつけ、さらに生臭さをとります。
本みりん
みりん風調味料
料理酒など(発酵調味料)
原材料
もち米・米こうじ
・醸造アルコール糖類など
糖類・米・米こうじ
・酸味料・調味料など
米・米こうじ・糖類
・アルコール・食塩など
製 法
糖化熟成
ブレンドなど
発酵・加塩・ブレンドなど
塩 分
約14%
1%未満
約14%
0%
1%未満
約2%
M
❶ 本みりん
SA
アルコール分
蒸したもち米に米こうじと焼酎(またはアルコール)を加えて熟成させたもの。
PL
アルコールは14%前後で、上品な甘さやうま味・香りがあり、肉や魚の臭み消し、煮くずれの防止、
うま味を閉じこめるなどの効果がある。煮物は本みりんがおすすめ。
E
❷ みりん風調味料
穀類を発酵させて糖液を作り、水あめなどの糖類や香料・アミノ酸などの調味料を混ぜ合わせたもの。
アルコール分1%未満で、基本的には本みりんと同じ使い方をする。アルコールがほとんど入っていない
ため、臭み消し、煮くずれ防止の効果は薄いが、テリやツヤを出す効果ではみりん風調味料の方が優れている。
❸ 料理酒(発酵調味料)
本みりんに塩を1.5%以上加えて、酒類の適用を外れたもの。塩みりんとも呼ばれ、肉や魚の臭み消し、
うまみを加える効果はあるが、本みりんの様なてりやコクをだしたり、甘みをつける効果はない。
 みりんの保存方法
本みりん
みりん風調味料
料理酒

保存場所
賞味期間
保存場所
賞味期間
保存場所
賞味期間
16
開栓前
開栓後
冷暗所
18ヶ月
冷暗所
12ヶ月
冷暗所
12ヶ月
冷暗所
90日
冷蔵庫
90日
冷暗所
90日
だし (出汁) ・ つゆ
 “だし”についてマスターしよう 
料理の“おいしさ”の決めてとなる“だし”
“だし”の基本をマスターして、おいしい食べ方、料理を提案しよう。
✪“だし”って何?
魚貝や肉、野菜など味の出る素材を水につけたり煮出したりしてうま味成分を引き出した汁のこと。
“だし”で煮込んだ素材には、素材そのものの味わいに加え、うま味やコク、香りなどがプラスされ、
素材の持ち味がより引き立てられます。つまり“だし”は、おいしさの元となる大切な存在。
日本料理の“だし”、西洋料理の“ブイヨン”“フォン”、中華料理の「湯(タン)」と、世界の料理で
だしが使われている。
✪
料理のおいしさの元となる5つの味とうま味
SA
食べ物のおいしさの元となる味は“甘味”“酸味”“塩味”“苦味”“うま味”の5つ。
特に“うま味”は、おいしさを決める大切な要素。そして、うま味成分の中でも大事な役割を果たすのが、
アミノ酸の一種である“グルタミン酸”。この“グルタミン酸”と、もう一つのうま味成分“イノシン酸”
が一緒になり、うま味の強さが数倍の“だし”となる。植物性の素材からとれる“グルタミン酸と、動物
✪
和風の基本的なだし
PL
M
性の素材からとれる“イノシン酸”。この両方のうま味が料理をおいしくする大きな相乗効果を生む。
通常和風のだしは、合わせだしにします。グルタミン酸がうま味成分の昆布とイノシン酸のかつお節
などの削り節 もしくは煮干し(いりこ)を合わせてだしをとります。
分類
名称 ・原料
昆布だし
和風
節類のだし
かつお節・さば節・いわし節など
だし
いりこだし
いりこ(煮干し)
フォン・ド・ヴォー
洋風
フォン
及び
ブイヨン
仔牛のスネ、香味野菜
フォン・ド・ヴォライユ
鶏肉、野菜
ブイヨン
野菜
毛湯(マオタン)
豚肉や骨、鶏肉やガラ、香味野菜
中華
湯(タン)
E
【 世界の“だし” 】
うま味成分
特長
用途
グルタミン酸
香りが控えめであっさりとした”だし”
炊き込みご飯、かつお節と併用
イノシン酸
上品なうま味とコクと香りのある
”だし”
吸い物・煮汁・味噌汁・そば
・うどんつゆなど
イノシン酸
しっかりとしたうまみを出した”だし”
惣菜用のすまし汁や味噌汁・煮物
・そば・うどんつゆなど
グルタミン酸
イノシン酸
仔牛のスネ、香味野菜をオーブンで
肉の煮込み料理、ソースベース
焼き、煮出した茶色系の”だし”
グルタミン酸
イノシン酸
鶏肉や野菜を煮出した白色系の
”だし”
鶏肉などの肉料理
グルタミン酸
きれいに済んだスープ
野菜スープのベース、魚介料理
グルタミン酸
イノシン酸
鶏のあっさりした湯に、豚ガラや豚の 普段づかいの”だし”、一般的な
赤身が加えられたコクのあるスープ
鶏ガラスープ
清湯(チンタン)
グルタミン酸
毛湯に鶏肉、豚肉、香味野菜を加えたもの イノシン酸
肉のたんぱく質を使って済ませた
スープ
フカヒレやツバメの巣などの
高級料理
白湯(パイタン)
グルタミン酸
毛湯に豚の脂身、豚足、鶏の脚を加えたもの イノシン酸
濃厚で白濁したスープ
こってりした味に仕上げたい料理、
淡白な野菜料理、じっくり煮込む料理
17
 商品知識 
❶ 粉末タイプのだし
(ほんだし、だしの素など)
お湯にとかすだけで簡単にだしができることで便利で一般家庭でよく利用される。。
かつお節、いりこ、昆布などいろいろな商品が各社から発売されている。
だし取りだけでなく、炒め物、和え物、揚げ物、ドレッシングに直接混ぜるなど料理に広く使える。
❷ 液体タイプのだし (瓶および紙パック)
① 白だし
白しょうゆや淡口しょうゆに こんぶ や かつお節などから取った出汁やみりんなどを加えたもので、
濃縮されているので料理に応じて適宜希釈して使用する。
主に煮物や吸い物などの和食などを作る際に用いられるが、和食以外にも洋食や中華料理にも応用する
SA
ことができる。白だしを用いると濃口醤油の含まれた濃縮めんつゆを用いた場合よりも素材の色や風味
を損なわずに料理を仕上げることができる。
②
めんつゆ
M
濃口しょうゆに こんぶ や かつお節などから取った出汁やみりんなどを加えたもので、濃縮されて
PL
いるので適宜希釈して使用する。基本的には、そばや冷麦などのめんのつゆ用であるが、味付けが簡単な
ことにより万能調味料として天つゆ、煮物、丼もののたれ、鍋、お浸しなどにも使われる。
本つゆという商品もあるが、めんつゆと同じ分類に入る。
E
③ こんぶつゆ
こんぶだしを中心に、かつおだしを加え、まろやかでコクのある味に仕上げた濃縮のつゆ。希釈して使う。
濃口しょうゆを加えてあるので、色は濃い。
 “だし”の豆知識
白だしタイプの商品も発売されている。

■ 一番だし
削り節と昆布でだしを取る際に、削り節を投入してすぐ火をとめ削り節が沈むのを待って漉(こ)して取る。
これを一番だしという。うま味が少ないが、あっさりしており風味も香りも良いので、お吸い物などに最適。
■ 二番だし
一番だしを取った後の削り節と昆布に再び水を入れ、火にかけて取るダシ。香りが少ないがうま味が強い。
通常「追いがつお」といって途中で削り節を追加する。
うま味が強く味も色も濃いので、しっかりした味のみそ汁や煮物などに向いている。
18
その他調味料ほか
❶ 塩麹
米麹・塩・水を混ぜて発酵させた発酵食品。アミノ酸、乳酸菌、ビタミン B1、B2、B6といった
ビタミンB群を豊富に含んでいる。
健康増進効果、アンチエイジング効果、デトックス(解毒)効果が高いとされている。
さらに、麹の働きで、でんぷんは糖に、タンパク質はアミノ酸に分解されるので、食材の甘みやうま
味が増し、料理コクと深みがでる万能調味料として定番調味料となりつつある。
【塩麹のポイント】
① 素材のうま味を引き出し、料理がおいしくなる。
② 上記健康効果に加え、塩、砂糖の量を控えることができる。
③ 簡単に調理できる。調味料が塩麹だけの料理もできる。
SA
【塩麹の主な使い方】
 うま味が増す (塩の2倍の量で使用)
② 魚や肉に漬けて焼く
 柔らかくなり、かつうま味が増す (素材の約10%の分量)
③ 野菜の浅漬け
 野菜の甘みを引き出す (素材の約10%の分量で一昼夜)
PL
M
① 塩の代わりに使う
❷ しょう油麹
米麹・しょう油を混ぜて発酵させた発酵食品。栄養成分、健康効果は塩麹とほぼ同じであるが、
E
うま味成分であるグルタミンが塩麹の15倍あり、使い勝手は塩麹より良い。
【しょう油麹の主な使い方】
① しょう油の代わりに使う  醤油よりまろやかで甘く、素材のうまみを引き出す
醤油を使うより麹で醤油の量は半分になるので減塩になる。
② サラダのドレッシング

③ 豆腐、納豆、卵にかける 
そのままかけたりディップのように使ってもよい。
うま味、香りがアップ。
❸ 生七味
生の唐辛子、さんしょう、ごま、しょうが、などをそのまま練り合わせた薬味、調味料。
一つ一つ素材の風味が生きており、香りとうま味、新鮮なピリッとした辛さが特徴。
【生七味の主な使い方】
① 七味の代わりとして
 香りと食感が食材のうま味を引き立てる。
② 卵かけごはん
 いつもと違った風味豊かな卵かけごはんになる
③ チャーハンやパスタ
 スパイシーな和風調味料として香りを楽しむ。
19
食用油
 食用油でよりヘルシーな料理を作るために 
高カロリーの揚げ物のカロリーをできるだけ抑える料理方法とコツを知ろう。
天ぷらに、から揚げ、フライなど、子供から大人までみんな大好きな“揚げ物”
。そのサクサク、カリッという
食感は魅力的ですが、食材や衣が油をたっぷりと吸収するため、高カロリーの代表メニューとも言えます。
おいしい揚げ物をできるだけカロリーを抑えて料理、食べるための基本とポイントを理解しましょう。
【揚げ物の種類と吸油率 】
 吸油率 :
材料(素材+衣)に対する吸収する油の割合い
 揚げ物の吸油率の順
天ぷら
フライ
吸油率
特徴
SA
料理方法
天ぷら > フライ > から揚げ > 素揚げ
高
 カロリー  低
:
15~25%
10~20%
素揚げ
3~8%
食材に小麦粉・卵などのつなぎを付け、パン粉をまぶして油で
揚げたもの
例) カキフライ ・ カツ
食材に片栗粉や小麦粉を付けて油で揚げたもの
例) 鶏のから揚げ ・ 竜田揚げ
PL
6~8%
例) かき揚げ ・ 天ぷら
M
から揚げ
食材に小麦粉・水・卵などを混ぜた衣を付けて油で揚げたもの
食材に何も付けず、そのまま油で揚げたもの。
例)野菜の揚げ浸し
】
E
【 揚げもので吸油率を抑える料理のポイント
① 衣をできるだけ薄くする(薄めにまぶし、余分な衣をはたきながら揚げる。)
② 揚げる直前まで冷蔵庫で冷やす。(素材、衣とも ⇒ サクッとあがる)
③ フライパンや小さい鍋を使う (フライパンの場合5㎝程度の油を入れる)
⑦ 大きな状態で揚げてから小さく切る (例えば一口カツは、塊で揚げた後に切る)
④ 水分の少ないものから揚げる
⑤ 一度にたくさん揚げない(温度を下がり、揚げ時間がのびるため)
⑥ 二度揚げする(揚げる時間の短縮←余熱で中心温度があがるため)
例)鶏のから揚げ … 180℃の油で1分 30 秒揚げ、一旦取り出し4分後に再度投入して40秒揚げる。
⑦ 揚げカスはこまめに取り除く(カスが油の酸化を早めるため)
⑧ 引き上げる際には油の温度を高め、よく油を切る(温度が高いと油切れがよい)
⑨ 揚げた後は、キッチンペーパーで油を吸わせる。
⑩ 炒め物はテフロン加工のフライパンを使うと油の使用量が少なくなる。
20
  基礎知識 
食用油には、サラダ油、ごま油、なたね油、オリーブオイルなどの食用植物油のほか、食用加工油脂(マーガリ
ン類、ショートニング)
、動物油脂(ラード、ヘッド)などがある。マーガリンは、通常 乳製品の扱いとなる。
食用植物油は、用途別に大きくサラダ油と天ぷら油に分けられる。
■ サラダ油
サラダ油は生食に適するようにつくられ、天ぷら油は揚げもの、炒めものなど、加熱調理用につくられてい
たより精製の度合いを高めた良質の食用油のことを指す。原料は主に大豆、菜種、コーン、ごまなど。
■ 天ぷら油
天ぷら油は、揚げ物に合うように作られ、加熱しても劣化しにくく、腰が強く旨みがあるのが特徴。
実際には、天ぷら油として販売される商品はほとんどなく、揚げものに使用する油を総称して天ぷら油と呼んでいる。
原料により以下の種類に分かれる。
① 大豆油
SA
日本の食用油の中で大変ポピュラーな油で、油切れがよく特有のうま味がある。家庭用のサラダ油は、
この大豆サラダ油と菜種サラダ油を調合したものが主流。マーガリンの原料としても使われる。
② キャノーラ油
(なたね油の1種)
M
なたね(キャノーラ種)の種子を原料とした油。
風味は淡白で酸化しにくく、熱に強い。
天ぷらに使うとカラッと油っこくなく揚がる。
PL
③ ごま油
ごまの種子を焙煎してから搾った油。香ばしい風味が特長で、中華などに風味つけとしてよく使われる。、
E
④ コーン油
(とうもろこし油)
酸化安定性が良く、加熱すると香ばしい独特の香りがたち、香味豊かな揚げ物に仕上がる。
⑤ 紅花油(サフラワー油)
ビタミンEが豊富、淡白な風味。油くささがないのでドレッシングやマリネなどの生食用として使われる。
⑥ 綿実油
油の王様といわれ、風味とまろやかなうまみが特長。ビタミンEが豊富、高級サラダ油、てんぷら油として使われる。
⑦ パーム油
パームやしから作られる。常温では固体の油。安定性に優れ、高温でもこしが強いので加工用に使われる。
⑧
亜 麻 仁 油 ( アマニ油 /フラックスシードオイル) ・ え ご ま 油 ( シ ソ 油 )
それぞれアマ、えごまの種子より作られる 飲む油。
健康食品として注目されている。
2つとも約60%がオメガ3系の必須脂肪酸であるαリノレン酸を含んでいる。
、αリノレン酸は、
体内でDHA・EPAに変換され、中性脂肪やコレステロールを抑制し、生活習慣病予防に効果がある。
生食用の健康食品としてサラダのドレッシングなどで使う。
21
⑨ オリーブオイル
オリーブの果実を搾った果汁100%の油。特有の香りとうまみがあり、地中海料理やマリネなどの
食用に使われる。日本で店頭で販売されるオリーブオイルは以下の2種類となる。
■
エクストラバージンオリーブオイル
オリーブの果実を搾ってろ過しただけの、一切化学的処理を行わないバージンオイルで、
酸度(遊離脂肪酸の割合)が100g当たり0.8gを越えない上質なオリーブオイル。
最も大切な要素は「フルーティーさ」。ワインのように、産地・摘んだ時期・圧搾やり方など
様々な条件で味が変わる。
■
主にサラダやマリネ、ドレッシングなど生食に使用する。
ピュアオリーブオイル
精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルをブレンドしたもの。
ただ単にオリーブオイルと呼ばれることもある。焼きもの、炒め物など加熱料理に使用する。
⑩ グレープシードオイル
ぶどうの種子からとれる淡黄・淡緑の油で、リノール酸を多く含む。
まろやかな風味を持ち、ドレッシングなど生食に使用する。
SA
 トランス脂肪酸について
トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、マーガリン、パン、ケーキ、ドーナッツ、また食用油などにも含まれる。
M
トランス脂肪酸は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やすため、それ以外の脂肪酸との
バランスを欠いて多く摂取した場合は、心臓疾患など生活習慣病の発生のリスクが高まると言われている。
PL
欧米諸国では食品への表示や含有量の規制が行われているケースがあるが、日本の安全委員会は、トランス脂肪
酸の摂取量について、日本人のほとんどがWHOの目標である総エネルギー摂取量の1%未満であり、また、
健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さい。しかしな
がら、脂質に偏った食事をしている人は、留意する必要があるとの見解を出している。
E
1日に摂取するトランス脂肪酸は乳製品の多いアメリカで全カロリー中2.6%、日本が0.3%となっている。
一方、日本人の食生活で一番の問題は食塩の摂り過ぎとされている。
 食用油の保存方法

開栓前は冷暗所、開栓後は栓をきちんと締めて、1~2ヶ月を目安に使い切る
温度や光が油の品質を落と、また、空気に触れても劣化が早まる。開栓前は、通常の保管状態の場合、賞味期間
は、缶・着色ガラスびん2年、透明ガラスびん1.5年、プラスチック容器1年が目安とまる。
 揚げものの油(揚げ油)の使用回数の目安 
◆
さし油なしの同じ油の場合は、1ヶ月のうちで3~4回ぐらい
◆
油が減った分だけさし油(新しい油)を加えるて使うと10回ぐらい
【使用した揚げ油を保存のポイント】
①
衣のカスなどをキレイにすくう
②
油は熱いうちにこす。⇒ 油こし器(オイルポット)もしくは、こし紙を使用。
③
冷暗所で保存する。
22
マヨネーズ・ドレッシング
  サラダの傾向を知ろう 
日 本人 の約 4割 が毎 日食 べているサラダは、栄 養バランスの重要 な調 整役
野 菜をよ りおいし く、楽 しく、豊 富に食 べる提案 をしよ う ♪
サラダとは、野菜などを塩、酢、油、香辛料などで和えて盛りつけた料理の総称で、生のままの野菜や、ポテト、
豆類などの煮たものを冷ましてから盛り合わせ、マヨネーズ、ドレッシング、塩等をかけて食べるものが一般的
だが、野菜以外の材料を多く含んでいる。
【 日本で食べられる主なサラダの種類 】
種類
特徴
レタスやキャベツなど、緑色の野菜を中心としたサラダ。
シーザーサラダ
レタスを主にしたサラダ。
ちぎったレタスとクルトンをフレンチドレッシングで和え、粉チーズをかけるのが基本
卵サラダ
卵を主体にニンジンなどを加えてマヨネーズで和えたサラダ
果実を主体としたサラダ。
M
フルーツサラダ
SA
グリーンサラダ
茹でたジャガイモを主材料としたサラダ
マカロニサラダ
茹でたマカロニを主材料としたサラダ
春雨サラダ
茹でた春雨を主材料としたサラダ
海藻サラダ
海藻を主材料としたサラダ
E
サラダソーメン
PL
ポテトサラダ
ソーメンにレタス、トマトなどを盛り付け、マヨネーズと麺汁をベースにしたド
レッシングをかけて食べる。
ツナサラダ
ツナをトッピングしたサラダ
ごぼうサラダ
茹でたゴボウを主材料としたサラダ
大根サラダ
水にさらした大根を主材料としたサラダ
【 サラダの傾向 】

サラダを作る際の3つのポイント
「入れる材料の種類」 「彩り」 「栄養のバランス」
 サラダに入れる人気野菜
「レタス」「キャベツ」「トマト」「きゅうり」「玉ねぎ」「ブロッコリー」
 人気のあるサラダ
「ポテトサラダ」
「グリーンサラダ」
「マカロニサラダ」
「大根サラダ」
「海藻サラダ」
23
  基礎知識 
JASでは、、マヨネーズやサラダクリーミードレッシング、液状ドレッシングなどの調味料を総称して
「ドレッシング」という。さらに、品質表示基準では、ここにドレッシングタイプ調味料に加え、「ドレッシン
グ及びドレッシングタイプ調味料」と総称している。ドレッシングはその状態によって以下の 3 つに大別される。
● 半固体状ドレッシング
●
乳化液状ドレッシング
● 分離液状ドレッシング
【 ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料の分類 】
PL
M
SA
❶ マヨネーズ
主な原料は、卵黄、サラダ油、食酢で その他食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料などを加え、
E
原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のもの。
マヨネーズは、卵の使い方により、大きく卵黄型(ヨーロッパ型)と全卵型(アメリカ型)に分かれる。
卵黄型は味が濃いめで、全卵型はあっさりしていて旨味が強め。
健康志向の高まりに対応しカロリーハーフのタイプは、脂質を抑えるため糖類などを使用した機能性マヨネーズ
が、メーカー各社から発売されている。これは、厳密には半固体状ドレッシングに区分される。
❷ ドレッシングの特徴と主な種類
粘性は高いものから低いものまで様々であり、酢・油・塩をベースに香辛料・ハーブ・酒等を加えて
作られる。このほか、醤油他を加えたものなど多くの種類の製品がある。
脂質含量が3.0%未満であれば、ノンオイル、オイルフリー、ファットフリーなど、油脂を含有
しないことを示す用語が表示できる。しかし、完全な「ノンオイル」ではない。
チルドドレッシングは、冷蔵(10℃以下)で流通する合成保存料・着色料・甘味料をほとんど使用
していない生ドレッシングに近い商品であるが、賞味期限が60~90日と短い。
なお、通常のドレッシングの賞味期限は3ヶ月以上が多い。
24
① サウザンド・アイランド
マヨネーズとケチャップをベースに、細かく刻んだ玉葱やピーマンなどの野菜やピクルスを加え、
香辛料で風味を整えたドレッシング。
温野菜や魚介のサラダなどに合う。
② シーザーサラダ
チーズのコクととうま味が特徴的な乳化液状ドレッシング。レタスなど洋野菜のサラダ合う。
③ イタリアン・ドレッシング
ワインビネガーなどの酢またはレモン汁、油、をベースに、刻んだ玉葱やピーマン、ニンニク、オレガノ、
フェンネル、こしょうなど香辛料でさっぱりと仕上げたドレッシング。魚介のマリネなどに合う。
④ フレンチ・ドレッシング
酢と油を混ぜ、塩・胡椒で調味した酸味のあるヴィネグレットソースに砂糖やケチャップを加えた
ドレッシング。「白」と「赤」がある。通常の生野菜サラダや手作りドレッシングの材料で使う。
⑤ 和風ドレッシング
SA
青じそ風味、醤油ごま味、わさび醤油味など日本独特の食材を使用して作られるドレッシング。
蒸し鶏や唐揚げなどにも合う。
中華ドレッシング
M
⑥
ごま油の風味とピリッとした辛味を生かして仕上げたドレッシング。
⑦
ランチドレッシング
PL
ゆで豚や春雨など中華料理に合う。
サワークリームやバターミルク、マヨネーズなどに酢を混ぜ合わせ、みじん切りにしたエシャレットや
E
ガーリックパウダー、香辛料などを加えたもの。どろっとしていてアメリカでは一般的。瓶入り
 マヨネーズの保存方法 
開栓前は冷暗所、開栓後は冷蔵庫に保存し、1カ月を目安に使い切る
未開栓のマヨネーズは常温で、直射日光を避け、冷暗地保管。開栓後は、冷蔵庫に保管し、
1ヶ月を目安に使い切る。マヨネーズは0℃以下に置かれると油が分離するので、冷蔵庫でも冷気の当たる
場所は避け、ドアポケットあたりに置く。
 マヨネーズの効能

マヨネーズは、料理の味をまろやかにし、食べやすくし、緑黄野菜に含まれるカロテンやビタミンEなどの
脂溶性ビタミンを無駄なく、吸収しやすくする効果もあるが、油脂分が高く、高カロリー。
ヘルシー志向の中で各社で開発、発売されている低カロリータイプの製品が拡大しつつある。
25
トマトケチャップ類
  基礎知識 
トマトにはサラダなどにして食べる「生食用トマト」と、ジュースやケチャップなどの原料となる「加工用トマ
ト」がある。加工用トマトは、露地で栽培され、真っ赤に熟してから収穫するため、生食用トマトと比較すると、
リコピンは約3倍、β-カロテン、ビタミンCは約2倍、食物繊維は約1.5倍も多く含まれている。
加工用の国産トマト生産量は30年前の1/10に減少し、現在は、加工用原料の90%以上は輸入原料を
使用していることになる。
❶ トマトケチャップ
トマトを裏ごしして濃縮したものに、食塩、香辛料、食酢、砂糖類、玉ねぎ、
にんにくなどを加えて調味したもの。 固形分が25%以上。
500gのトマトケチャップ1本に約14個のトマトが使われて
おり、トマトに含まれる栄養素を凝縮している。
(大さじ2杯でトマト1個分)
SA
特にグルタミン酸は、他の食材のうま味を引き出す効果が高く、イノシン酸を多く含む肉類や魚介類、
グアニル酸を多く含むキノコ類などをより美味しくする。みそ、しょうゆ、和風だしとの相性もいい。
保存方法は、開栓前は常温の涼しい場所で、開栓後は、冷蔵庫で1ヶ月を目安に使い切る。
M
❷ トマトソース
PL
トマトケチャップと製法はほぼ同じであるが、固形分が8~25%のもの。
さらりとして、味付けは薄めなので、パスタソースのペーストなどに使う。
E
❸ トマトピューレ
トマトケチャップと製法は同じであるが、違いは 材料に食酢、砂糖を入れないこと。
調味料による味があまりせず、トマトの風味が強いので、煮込み料理などに使う。
固形分は8~24%未満。
❹ トマトペースト
トマトピューレをさらに煮詰めたもの。固形分は24%以上。
ピザなどに使う。
❺ 固形トマト(ホールトマト)
皮をむいてシンやヘタを取り、丸のまま充てん液を加えて加熱殺菌したもの。
味がついていないので、パスタソースから煮込み料理まで幅広く使え手軽に
本格派の味が楽しる。料理しやすいようにサイコロ状にカットしたものもある。
 トマトケチャップ類の効能

赤なトマトには栄養がいっぱい。その中でも特に注目されているのが、リコピンと呼ばれる赤い色の元となって
いるカロテノイドの一種が注目。生活習慣病予防や老化抑制にも効果があると言われている。
さらに、ビタミンC、E、カリウムなどが豊富。
26
ウスターソース類
  基礎知識 
ウスターソース類は、野菜や果実をジュース、ピューレ状にして濃縮し、食酢や食塩、香辛料をくわえて調整し
たものです。原料の割合は、トマト、玉ねぎ、りんごなどの野菜・果実が30~40%、食酢が約30%、10
種類以上の香辛料ほかが30~40%です。基本的には着色料、化学調味料などの食品添加物はほとんど加えら
れてなく、また、油も一切使用されていないヘルシーな調味料と言える。
ウスターソース類は、粘土により、以下の3つに大きく分類される。
● ウスターソース
● 中濃ソース
● 濃厚ソース(とんかつソース)
❶ ウスターソース
もっともさらっとした辛口のソース。野菜や果実のパルプ質を製造工程中でろ過しているため、粘はが低い。
しっかりとした味が特徴なのでかくし味にも使え、料理に風味を加えることができます。
SA
❷ 中濃ソース
ウスターと濃厚の中間ぐらいの適度なとろ味があり、ピリッとした味と甘くソフトな味の両方を持ち合わせ
ている。煮込み料理の味付けや肉の下味付けなどにも使うことができます。
M
❸ 濃厚ソース
PL
もっとも濃厚でトロリとして甘くソフトな風味がある。粘度が2.0Pa・s以上
野菜はもちろん、たくさんの果実を使っているのでパルプ質が多く、かつてはフルーツソースといわれていた。
とんかつソース、お好み焼きソース、焼きそばソースなどが該当する。
E
✪ ハンバーグソース
ハンバーグ用にトマト、たまねぎ、りんごなどのたっぷり野菜にビーフエキスや赤ワインなどでコクや
風味を加えた濃厚ソース。
 ウスターソース類の保存方法 
開栓後は、ウスターは 3 ヶ月程度、中濃・とんかつは 2 ヶ月程度での使い切りを目安とする。
ソースは塩分の濃度が高く、すぐに傷むということはないが、開栓と同時に空気中の雑菌等が入り、風味も落ちてくる。
 お好み焼きは、“関西風”と“広島風”のどっちがお好き? 
全国的に人気メニューとなっているお好み焼きは大きく2つの分けられる。
関西風は、一般的で、焼く前に具材を水にといた小麦粉としっかりと
混ぜ合わせて(麺を除く)て焼く方式。
表面はカリカリですが、中がふっくらフワフワとしてホットケーキに似た食感。
一方、広島風は、水でといた小麦粉をを薄くワッフル状に伸ばして焼いた生地の上に、野菜、肉といった具材を
重ねて焼き上げる。小麦粉は野菜等のつなぎとしても使われるものの、お好み焼き全体に比して量はわずか。
ソースが焦げた香りと小麦粉のパリパリ感が食欲をそそります。どちらも甲乙つけがたく、好みの問題ですが、
本場で味わうとまた格別です。
27
小麦粉・パン粉類
  基礎知識 
素 材 のうま味を包み込む粉類 、料理用 途に応 じて様々な種 類、商 品がある。
そ れぞれ の粉の特 徴、用 途を知る ことが 基本
■ 小麦粉
小麦粉(こむぎこ)とは、小麦を挽いて作られた粉。小麦粉は7~8割がデンプンだが、タンパク質も約1割含
んでいる。主なタンパク質はグリアジンとグルテニンで、これらは水を吸収すると、粘りのあるグルテンとなる。
このグルテンが小麦粉独特の料理を生み出し、様々な商品に生まれ変わる。
日本の小麦消費量のうち国内産小麦はおよそ15%、残りは輸入で、アメリ力産が60%を占め、その他カナダ
産、オーストラリア産となっている。
小麦粉は含まれるタンパク質の割合と形成されるグルテンの性質によって薄力粉、中力粉、強力粉に分類される。
【 小麦粉の種類 】
粘土
少ない
中間
多い
中間
粗い
軟質小麦
PL
天ぷら、ケーキ、菓子、など
中間質小麦、軟質小麦
硬質小麦
うどん、お好み焼きなど
パン、餃子の皮、中華まん、ピザ
E
※
強力粉
細かい
原料小麦の種類
主な用途
中力粉
M
(たんぱく質)
SA
グルテンの量
薄力粉
料理レシピに小麦粉とある場合、通常は、薄力粉を指す。
【 その他の小麦粉の種類 】
●
全粒粉
普通の小麦粉はふすま(表皮)や胚芽をのぞいて製粉しますが、小麦の粒をまるごと挽いた小麦。
ミネラルなどの栄養が豊富に含まれている。
●
デュラムセモリナ(デュラム小麦 パスタ用)
グルテン含有量の多い硬質のデュラム小麦を粗挽きにした小麦。パスタ用の小麦粉として使用されている。
 小麦粉の保存方法

湿気に弱いので開封前、開封後もできるだけ風通しの良い、乾燥した場所で保存
小麦粉は匂いがつきやすい性質があるので、洗剤など匂いの強いものとは一緒に保存しない。
また、虫がつきやすにので開封後は、開封部をしっかりと締める。
28
  基礎知識 
■ パン粉
パン粉はパンを粉砕して粉にして、それをふるって細かくしたもので、特にフライ料理に使われるが、
いくつかの種類があり、好みや用途によって使い分けれらる。
フライに使うと、乾燥パン粉はカリッと、生パン粉はサクッと本格的な仕上がり。
生パン粉は、パンバーグ、ミートローフ、トンカツに最適、ただし賞味期限が短い。
乾燥パン粉は、カロリーを抑え、賞味期限が長い、使う前の水の霧吹きが効果的
【 乾燥の度合いでの分類 】
❶
乾燥パン粉
原料のパンを粉砕し、水分を14%以下に乾燥させたもので、保存性にすぐれ、カリッと香ばしく仕上がる。
水分・油分を比較的吸いにくいことから揚げた後のカロリーが抑えられる。お弁当に適している。
生パン粉
SA
❷
原料のパンを粉砕し、そのままパックしたもので、パン粉本来の風味が活かされ、サクッと仕上がる。
M
乾燥パン粉に比べて油を多く吸うのでカロリーは高くなる。揚げてすぐ食べるのに適している。
水分・油分を比較的吸いにくいことから揚げた後のカロリーが抑えられる。お弁当に適している。
PL
✪ ソフトパン粉について
ソフトパン粉という名称については、特に決まった定義はないが、一般的に乾燥パン粉に使われる場合が
多い、。通常“パン粉”のみの場合乾燥パン粉を指し、生パン粉の場合は、
“生パン粉”と表示される。
E
【 パン粉の粗さと用途 】
❶ 粗目 … フライにボリューム感が出て。サクサクの食感、トンカツ、メンチカツなどに合う。
❷ 中目 … 一般的によく使用されどんなフライ料理にも合う。
❸ 細目
… 具材の火の通りが早く油切れがよい。ハンバーグ、コロッケ、串カツなどに合う。
【 パン粉の賞味期限 】
種
額
生パン粉
乾燥パン粉
開 封 前
常温で2ヵ月(夏期は1ヵ月)
冷蔵庫内で6ヵ月
常温で3ヵ月(夏期は1.5ヵ月)
29
開 封 後
冷蔵庫内で3日
冷蔵庫内で 1 カ月
常温で15日(梅雨期は10日)
  その他の粉類 
■ 片栗粉
植物のデンプンを精製した調理用の粉。市販品の多くはジャガイモのデンプンが原料となっている。
料理にとろみをつけるために使う場合が多い。
■ コーンスターチ
トウモロコシのデンプンを精製した調理用の粉。片栗粉に比べて粘度は低いが、加熱して一旦
とろみがつくと加熱を続けても、温度が下がっても、粘度は低下しにくい性質があり、ブラマンジェ
やカスタードクリームなどの製菓に使われることが多い。
■ くず粉(葛粉)
秋の七草の一つの葛の豆のデンプンを精製した調理用の高級な粉。かなりとろみが強く和菓子や
洋菓子の材料、食品(和食)のとろみつけなどさまざまな用途があり、上品な仕上げとなる。
現在市販されているものの多くは、ジャガイモ、トウモロコシなどのデンプンを混入している。
■ きな粉(黄粉)
大豆を炒って皮をむき、ひいた粉である。黄土色のような色をしているのきな粉と呼ばれる。
SA
加熱により大豆特有の臭みが抜け、香ばしい香りになる。餅にからめて食べたり、和菓子の原料にする。
■ 上新粉
M
うるち米(通常の米)を加工した粉。主に菓子用に使われる米粉。
歯ごたえの強さをいかしたおだんごに向く。 柏餅やみたらしだんご、草餅に使う。
PL
■ 米粉(上用粉)
うるち米(通常の米)を加工した粉。従来は上新粉を単に米粉と言っていたが、現在は、上新粉を
さらに粉砕する技術が開発され、微細粉の米粉が登場し、米粉として販売されている。
E
上新粉の粒の大きさは、180 ミクロン、米粉の粒は、60~70 ミクロンと一般の小麦粉と同程度で
小麦粉の代わりに使うと歯ごたえのある食感になる。米粉でパンを焼く場合、グルテンを加えるが、
米粉にグルテンを加えた商品の発売されている。
◆ 上新粉
 団子・柏餅など
◆ 米粉

クッキー・天ぷら・たこ焼きなど
◆ 米粉+グルテン

食パン・ケーキ・ピザなどに向く
■ 白玉粉
もち白米を加工した粉。白色で光沢があり、白玉だんごなどで使われる。
■ はったい粉(糗粉)
大麦をを炒って挽いた粉。きな粉と同じ黄土色。ホットケーキやクッキー類に混ぜたり牛乳に入れて飲む。
■ 天ぷら粉、から揚げ粉、ホットケーキミックス、お好み焼き粉
小麦粉等の粉類(澱粉を含む)に糖類、油脂、脱脂粉乳、卵粉、膨張剤、食塩、香料などを必要に
応じて適正に配合されたもの(調整粉)で、総称してプレミックスと呼ばれている。
30
商品知識シリーズ
おいしさの鍵は、調味料にあり!
その他一般食品の商品は、それぞれ
その使い方で料理の味を大きく左右
お客様の食卓のパートーナーとして
店舗で働く全員の必須の知識です。
スーパーマーケット
SA
M
一般食品の商品知識
E
PL
Mding of Grocery Dept
Copyright © 2013 itudemo super net
香辛料(スパイス)・ハーブ
  香辛料(スパイス)・ハーブを理解しよう 
一 振りで 素材の味 を引き 立て 、料 理をお いしくし 、食欲 を増進
用 途に応 じて使い こなす ことが、 料理を 楽しくす る大切 なスパイ ス
スパイス(香辛料)は調味料の一種で、植物から採取され、調理の際に香りや辛味、色をだすものの総称を指す。
料理をおいしくしたり、食欲を増進させたりする。香料として食品に添加されるものも多数ある。
ハーブは、スパイスと同じように使われ、言葉のとして香草を意味し、
「葉の部分を使用するスパイス」といえる。
スパイスを使って、料理をもっと楽しく、また、おししいものにする提案ができるよう知識を深めてください。
【 香辛料・ハーブの4つの基本効果 】
効果
加えるタイミング
スパイスの例
SA
香りをつける
臭み消し
仕上げ時
ほとんどのスパイスおよびハーブ
下ごしらえ時 又は 調理中
ナツメグ、ジンジャーなど
M
調理中
色をつける
調理中
唐辛子、胡椒(ペッパー)、ジンジャー、
山椒、マスタード(辛子)など
PL
辛味をつける
ターメリック、サフラン、パプリカ
くちなしの実など
E
【 香辛料・ハーブの形態による分類 】
タイプ
フレッシュ(生)
特徴
生で使用するもの。 わさび、しょうが、にんにくなど
ホール
スパイスの原形のもの。ミルでひいて使う。
あらびき
ホールを粗目に粉砕し、粒子揃えたもの
パウダー
ターメリック、サフラン、パプリカ
くちなしの実など
ドライ(乾燥)
単品・ミックス
・シーズニング
練り(ペースト)
・液体
チューブやびんに入った、からし、わさび、にんにくなど
※
日本ではスパイスの売上の50%以上を練りスパイスが占める
□ 単品
:
1種類のスパイス
□ ミックス
:
複数のスパイスをミックスしたもの
□ シーズニング :
スパイスに塩、砂糖などの他の調味料を加えたもの。ハーブソルトなど
31
  代表的な和風香辛料の特徴 
❶ 七味(唐辛子)
唐辛子を主原料とし、七種類の香辛料を混ぜて作られることからその名がある。
必ずしも同じ原料、また七種類の原料で作られるとは限らず、
「赤唐辛子」
、
「陳皮(ちんぴ)
」
、
「さんしょう」
、
「ごま」
、
「けしの実」
、
「麻の実」、
「あおじそ」
、「しょうが」
、「青のり」
などが混ざっており、生産者によっては原料や種類数が違う。
❷ 一味(唐辛子)
乾燥させた唐辛子の実をすりつぶして粉末にした香辛料。主に料理の辛味付けに用いられる。
関東では「大辛」
(おおがら)とも呼ばれ、七味唐辛子より辛い。
七味唐辛子はこれをベースにほかの香辛料を混ぜて作られる。
❸ 和がらし・洋がらし・マスタード
いずれも、原料は、アブラナ科のカラシナ類の種子であるが、原産地や取れる種子の種類に違いがある。
SA
辛味成分にも違いがあり、和からしには揮発性の成分が含まれているので、独特のツーンとする辛味があるが、
洋からしは白がらしが主に配合され、揮発性が少なく、比較的柔らかい辛味成分が含まれて、まろやかな
風味となっている。通常からしと言えば和がらしを指す。
マスタードは、洋からしに酢や糖類、その他の香辛料を
M
加えて調整した複合調味料と言える。
粗粒マスタードは、黒からしの実を皮ごと粗挽きにして、
❹ わさび(山葵)
E
PL
食酢などと合わせてペースト状にしたものとなっている。
原料となる本わさびは、アブラナ科の多年草で、冷涼な気候を好み全国各地の谷間や渓流で自生、もしくは、
栽培されている。粉わさびは、本わさびを粉末にしたものではなく、ほとんどホースラディッシュから作ら
れている。
チューブタイプの本わさび もしくは 生さわびは本わさびを原料に使用している。
ホースラディッシュ(わさび大根、洋わさび)はレホールとも呼ばれ、すりおろしたものは、ローストビ
ーフの薬味として欠かせないものとなっている。
❺ ゆずこしょう(柚子胡椒)
“こしょう”と呼ぶものの、こしょうは入っておらず、青唐辛子を
刻んだものにゆずの果皮をすったものを入れて塩を加えて練りつぶし
少し熟成たせた香辛料。ピリッと辛く、鍋ものからうどん、みそ汁、
刺身、天ぷらなど様々な料理と相性が良い。
九州では一般的な香辛料。
❻ かんずり(寒造里)
雪にさらしたをすりつぶし、麹と塩、ゆずなどを加えて熟成させた香辛料。
かどが取れた円い辛味と塩気、麹の甘み、ユズの香りとがよく調和して、鍋料理の
ポン酢醤油に加えたり、焼肉、冷奴、ラーメンの薬味など、幅広い料理に用いる。
新潟県妙高市特産の香辛料で“かんずり”は、かんずり社の登録商標。
32
  よく使うスパイスとハーブの特徴

未熟なペッパーの実を日で乾燥させた
ブラック
ペッパー
もの。
ホワイトペッパーと同じ種類でで収穫期、
加工方法が異なる。
ホワイト
ペッパー
ナツメグ
さわやかな香りと辛み
肉料理やソーセージに
合う
香りと辛みがおだやか
完熟したペッパーの実の果皮を取り除い
て乾燥させたもの。
白身魚、鶏肉料理、白く
仕上げたい料理に使う
SA
エキゾチックで甘い刺激的
常緑樹の種子で、仮種子(メース)を取り な香りとほろ苦い味
除き割って出た仁を天日乾燥したもの ハンバーグ・ピーマンの
特にひき肉料理には不可欠のスパイス 肉詰めなどひき挽肉を
使った料理など
特有の甘くさわやかな香り
トマトと特に相性が良く、
一年草のバジルを乾燥させたもの。
イタリア料理には欠かせないハーブ。 ピザやパスタに用いたり、
ソースやドレッシングなどにも広く
サラダのトッピングとして
利用される。
刻んでのせる。
バジル
(ベイリーフ)
ガーリック
(にんにく)
E
ローリエ
PL
(バジリコ)
M
シソ科に属する草たけ 40〜60cm の
清々しい芳香と若干の苦味
肉や魚の臭み消し、また
完熟したペッパーの実の果皮を取り除い
煮込み料理・スープ・ブイ
て乾燥させたもの。
ヨンなどの香りづけに使わ
れる。
パウダーのにんにくは、調理器具に匂い
がつかないので様々な料理に気軽に
使える。
食欲を増進させる効果が高い。
食欲増進と臭み消し
鶏のから揚げ、ポテトフライ
クリームパスタなど
様々な料理に使う。
楠科の常緑樹で、幹や枝の肉桂を乾燥 上品な香りと甘みがあり
シナモン
砂糖との相性も良い。
樹皮をまいたのがシナモンスティックで、 洋菓子などの香りづけに
粉末状にするとシナモンパウダー。
用いられる。
させたもの。
33
独特の香りと辛み
クミン
インド料理に必須のスパイスのひとつで
カレーの匂いの元となっている。
セリ科の野菜として食用にものを
乾燥させて、刻んだもの。
パセリ
肉、魚、卵、野菜等々、甘いもの以外
のほとんどすべての洋風素材と合う
万能ハーブ。
がラムマサラ
シチュー、カレーほか
エスニック料理に使う。
さわやかな香り
ドレッシングやスープの
浮きみ、サラダやパスタ
にと用途は広い。
ヒンズー語で「ヒリヒリと辛いまたは熱
ヒリヒリと辛い
い混合スパイス」という意味を持つガラ
カレーなど最後に香り
付け、または辛味を付ける
時に使用する。出合う
ムマサラは、辛いスパイスを中心に何
種類かのスパイスを独自の比率でブレ
ンドしたインドを代表するスパイス。
地中海原産のシソ科の多年草で
SA
清涼感とほろ苦さ
トマト料理、オムレツ、
欠かせないハーブの一つで、トマトケ
ピザ、スープ、シチュー、
チャップ、トマトジュース、オムレツなどの
トマト料理とよく合う。ピザに欠かせない。 鶏肉・マトン料理など
葉を乾燥させたもの。イタリア料理に
オレガノ
M
ターメリック
PL
ターメリックはウコン(しょうがの仲間)
のことで、根茎を粉にしたもの。
カレーには欠かせないスパイスで
主に着色が目的
カレーに添えるごはんを
炊くときに加えてターメ
リックライスにする。
E
シナモン+クローブ+ナツメグの香り
オールスパイス
を持つことからこの名前がついた。、
強い刺激味のある球状の果実を乾燥
させたもの
甘くさわやかな香り
肉にも甘いものにも合う
“万能スパイス”
レッドペパーに、オレガノ、クミン、パプ
チリパウダー
チリソース
HOT で辛い
タコスなどのメキシコ料理
アメリカ南部やメキシコなど中南米の料
に欠かせない。
リカなどを加え混ぜたたもの。
理によく使われている。
芳香をもつシソ科の多年草を乾燥さ
タイム
せたもの。
ヨーロッパ各地の料理には、きわめて
重要なハーブの一つ。
34
強い芳香と殺菌力があ
る鶏肉のソテーやクリー
ム煮、魚のムニエル、肉
の煮込み料理など。
乾めん
  基礎知識 
乾めんは 生めんを水分15%以下に乾燥した棒状のめん類をいう。JAS規格があり、原料や形態や太さに基
準がある。食味に関しては、調理法(茹で戻し方法)にもよるが生麺にくらべ、一般に麺のコシが強いことが多い。
JASでは、製麺方法の違いから、乾麺を大きく「乾めん類」と「手延べそうめん類」の2つに分類している。
さらに、太さにより分類される。
❶
乾めん類
小麦粉、そば粉または小麦粉もしくはそば粉に大麦粉、米粉、卵などを加えたものに食塩、水等を加えて
練り合わせた後、製めんし、乾燥させたもの。
❷
手延べそうめん類
小麦粉を原料とし、これに食塩、水等を加えて練り合わせた後、食用植物油を塗布してよりをかけながら
順次引き延ばして丸棒状のめんとし乾燥したもので、製めんの工程において熟成がおこなわれているもの。
SA
そば粉を使用したもので太さに定義はない。
干しうどん
長径1.7㎜以上3.8㎜未満
干しひらめん
✪
長径1.3㎜以上1.7㎜未満
短径1.0㎜以上1.7㎜未満
そうめん
長径、短径ともに1.3㎜未満
手延べうどん
直径1.7㎜以上の丸棒状
手延べひやむぎ
直径1.3㎜以上1.7㎜未満の丸棒状
手延べそうめん
直径1.3㎜未満の丸棒状
E
手延べ
そうめん類
短径1.0㎜以上3.8㎜未満
幅4.5㎜以上、厚さ2.0㎜未満
PL
ひやむぎ
M
乾めん類
干しそば
原料
■
うどん、そーめん ・・・ 小麦粉(中力粉) 。約80%が輸入で、麺用としてはオーストラリア産が大半。
■
そば
・・・ そば粉と小麦粉。そば粉は高価なため通常そば粉の割合は40~50%。
十割そばは、そば粉が100%、八割(二八)そばはそば粉80%の商品。
✪
■
手打ち(うどん)と手延べの違い
手打ち式 ・・・ 小麦粉に水を加えて練った生地を丸め、棒を用いて多方向に薄い平板状に延ばしたもの
包丁で細く切っていく製法(めん線にする)
■
手延べ式 ・・・ こねた生地をある程度厚さを持った円板状に延ばし、各作業ごとの熟成を繰り返しながら
細いめんにする製法。手延べは一切作り直しができない。また質の良い粉が必要となる。
✪
半生麺
うどんを少しだけ乾燥させたもので、保存期間が常温で1~3ヶ月
35
 乾めんの保存方法

保存食として常温の冷暗所で1年間は保存が可能。
開封後は、一番気をつけなければいけないのは虫害。虫に食われないような丈夫な密封容器で常温で保管する。
  全国各地の代表的なめん 
北海道
東北
青森県
りんごファイバー入りうどん・津軽そば
秋田県
稲庭うどん
岩手県
わんこそば・盛岡冷麺
宮城県
白石温麺
山形県
紅花そば・山形そば・天童そば
福島県
裁そば・磐梯そば
栃木県
島田うどん
群馬県
上州うどん・おっ切りうどん・水沢うどん
埼玉県
加須うどん・埼京うどん
東京都
更科そば・藪そば
新潟県
長野県
信州そば・戸隠そば
山梨県
ほうとう
静岡県
茶そば
富山県
大門素麺・氷見うどん
愛知県
きしめん・あいゆうめん
三重県
大矢知ひやむぎ
奈良県
三輪素麺
兵庫県
E
近畿
十日町そば
PL
東海北陸
M
SA
関東甲信越
乾燥らーめん・十勝そば・ちほくうどん
播州そうめん、揖保乃糸
(いぼのいと)は、兵庫県手延素麺協同組合が有する商標
中国・四国
九州・沖縄
岡山県
鴨川うどん
島根県
出雲そば
香川県
讃岐うどん・小豆島そうめん
徳島県
半田そうめん・祖谷そば
福岡県
浮羽そうめん
佐賀県
神埼そうめん
長崎県
島原そうめん・五島手延べうどん
熊本県
南関そうめん
沖縄県
沖縄そば

 全国乾麺協同組合連合会HPより
36
http://www.kanmen.com/typical/index.html
カレー・シチュー
  基礎知識 
■ カレー
日本ではラーメンと並び、国民食と呼ばれるほど人気があるメニュー。 小中学校の給食メニューの人気アンケ
ートでもつねに上位に挙げられている。歴史的には、インドを植民地支配していたイギリスのカレーが幕末~
明治初期に日本に伝わり、さらに日本式に変化し、現在のものとなっている。日本で使われるスパイスは、
ほぼすべてが外国、おもにアジア、南米から輸入されている。
店頭では、カレールーとなった商品が主体で販売される。
【 商品形態による分類
】
形態
カレー粉
(パウダー)
通常30種類前後のスパイスを粉にし、混ぜ合わせ、焙煎した後熟成したもの
レトルトパウチという袋に具材とカレーソースを入れて密封後、レトルト釜で
高温で加圧加熱殺菌したもの。高圧力で温度も 100℃以上なり殺菌効果が高い。
】
E
PL
【 カレーの関連商品
フレークタイプの商品もある。
M
レトルトカレー
カレー粉に、小麦粉、油脂、調味料、追加のスパイス類を加えて固形状にしたもの。
SA
カレールー
特徴
① チャツネ
マンゴーやリンゴ、モモ、タマリンドなどの果実に、酢、砂糖、香辛料を加えて煮た、果物の甘みを
活かして甘く仕上げたジャム状のもの。
仕上げに加えることでカレーをマイルドにする。
② ココナッツミルク
コヤシの実の胚乳をしぼった白色の液体。顆粒タイプもある。
仕上げに加えることでカレーをマイルドにし、コクを加える。タイ風カレーに多用される。
③ ブーケガルニ
ローレル、セロリなどのハーブに、クローブ、キャラウェイなどのスパイスをブレンド
したもの。ティーバッグタイプもある。煮込み時に加えるとハーブで香りが豊かになる。
④ マサラ
「マサラ」とはミックススパイスのこと。仕上げに入れると、カレーにさらに辛味と香りを加える。
⑤ ナン
インドのパンの一つで、小麦粉と塩、水、酵母の主材料に大きな木の葉
のように焼いたもの。家庭で簡単に焼けるミックスパウダーの製品が出ている。
37
■ シチュー
シチューは、野菜や肉、魚介類を出汁やソースで煮込んだ料理であり、日本でも人気メニューの一つ。
一般的にシチューと言えば「ビーフシチュー」か「クリームシチュー」となる。
店頭で販売されるシチューのルーは、小麦粉をサラダオイルやバターなどの食用油脂で炒めて、製品によって
チーズや生クリームを加えて固形状にしたものである。
【 主なシチューの特徴
】
名称
特徴
クリームシチュー
ホワイトシチューとも呼ばれる。牛乳や生クリームをベースに肉(特に鶏
肉)、ジャガイモ、人参、タマネギなどを加えて煮込んだシチュー。
好みでマッシュルームやキャベツ、コーン、ブロッコリーなどを入れる
赤ワインやトマトをベースに牛肉、ジャガイモ、人参、セロリ、タマネギな
どを、香味野菜を加えて煮込んだシチュー。用いられる肉の部位は脛やバラ
が多いが、タンを煮込んだものは特に「タンシチュー」と呼ばれ人気が高い。
ビーフシチュー
SA
【 その他シチュー関連
✪
】
シチューとスープの違い
M
線引きは明白ではないが、素材が大きめに切られ、前菜ではなくメインディッシュとして食べられる
ものをシチューと呼び、シチューの方が長時間弱火で煮込まれ、汁がより濃厚。
PL
① チャウダー
チャウダーは、シチューよりは具が小さくソースのとろみも少ない。
E
「スープとシチューの中間ぐらい」に位置する料理。具を小さく切るのでシチュー
より加熱時間が短く、手軽に作れる。アメリカの名物料理でのクラムチャウダーが(二枚貝)が有名。
② ブイヤベース
フランスの地中海側の地方の代表的な海鮮スープ料理。魚介類をベースにハーブ類、
白ワイン、ガーリックなどを入れる。世界3大スープの一つ。
③ ハッシュドビーフとハヤシライス
ハッシュドビーフは、薄切りした牛肉とタマネギをバターで炒め、
デミグラスソースで煮たものでそれをご飯にのせるとハヤシライスになる。
だだし、一般的には、ハッシュドビーフはドミグラスソースをベースにした
より大人向きの味、ハヤシライスはトマトソースやトマトケチャップの味を強めにし、
子供から大人まで親しみやすい味にしている場合が多い。
④ ビーフストロガノフ
ビーフストロガノフはロシア料理であるが、作り方は、牛肉が多めの
ハッシュドビーフにサワークリーム 又は生クリームを 入れて作る。
38
  カレーの豆知識 
✪
欧風カレーとインドカレーの違い
(タイプの違い)
欧風カレーは、日本で最も一般的なカレーのタイプです。歴史的には、インドのスパイスがイギリスに
伝わり、小麦をを加え、つまりシチューと同じような料理方法で、肉やジャガイモなども入れて、現在の
形の日本で一番食べられている形のカレーができました。
一方、インドカレーは、小麦粉を使わずサラッとして、スパイスを重視したタイプのカレーです。
✪
カレーライスの付け合わせ「福神漬け」と「らっきょう」、その他
「福神漬け」は、細かく刻んだ大根やナスなど7種類の野菜を醤油や砂糖で味付けした漬物です。
たくさんのスパイスが使われているカレーは、辛さを和らげたり、違う食感や味の変化を楽しむために
付け合わせとして福神漬けとらっきょうが定番。
そのたレーズン(カレーにかけても良い)やフライドオニオンも付け合わせとして人気がある。
✪
カレーのかくし味
 牛乳
・・・
SA
■ 味に深みを出す
甘みやコクを出す。
煮込む際に、水の変わりに入れる。
M
 バター(無塩バター) ・・・ 味にコクを出す。
野菜を炒める時か、最後に風味を出すために入れる。
・・・ 仕上げに加えると、カレーのコクがアップ
 チョコレート
・・・ 一切れ入れるとコクがアップ。 入れ過ぎに注意
PL
 オイスターソース
・・・ カレーに苦味を加え、深いコクをす。入れ過ぎに注意
 ワイン
カレーの酸味とコクがアップ。ルーを入れる間に加える。
・・・
E
 インスタントコーヒー
■ 甘めでまろやかなにする
 バナナ
・・・
すりおろしたものをルーと一緒に煮込みむ。よい甘みが出る。
 りんご
・・・
すりおろしたものをルーと一緒に煮込みむ。まろやかさがアップ
 ハチミツ
・・・
甘みを増し、カレーの味がマイルドになり、カレーの苦味・辛味に深みを
出し引き立たせる
■ さっぱりとした味にする
 ヨーグルト
・・・
煮込むときに加えることで、カレーのさわやかさがアップ
 トマトソース ・・・ トマト酸味とうまみでさっぱりした仕上がりになる。
ホールトマト、ピューレ、トマトジュースも可
39
パスタ・パスタソース類
  イタリアリアンについて 
国民的 人気メ ニュ ーのパ ゲティー ほかパ スタ料理
イ タリア 料理の人 気は上 昇中、本 格的 イ タリアン にもチ ャレンジ
日本では「イタリアン」「イタ飯(いためし)」の呼び名で親しまれているイタリア料理、その中でも特に
パスタ料理は、全国で幅広く愛され、親しまれてきた料理で、日本は「イタリアの21番目の州」とも言われる。
イタリアは、地形も日本に似て、四季もあり、野菜・肉・魚介類・乳製品・発酵食品などおいしい食材の宝庫。
その食材を使ったイタリア料理は和食と同じように、新鮮な素材を生かす特徴がある。
最近は、手に入るイタリアの食材が豊富になり、家庭でも本格的なイタリンに挑戦する機会が増えている。
以下、イタリア料理のメニューや食材についてどれだけ知っているか確認してみましょう。
✪ 日本の食卓で食べられる主なイタリアンのメニュー
 ミネストローネ
 グラタン
 ピザ
 リゾット
SA
 スパゲティ
 バーニャ・カウダー
 カプレーゼ
✪ イタリアの調味料など
 バジルペースト
M
 トマトソース・ピューレなど
 オリーブオイル
 アンチョビ
 松の実
✪ ナチュラルチーズの種類
✪
生ハム(プロシュート)
 パルメザンチーズ
 モッツァレッラチーズ
 ゴルゴンゾーラチーズ
 リコッタチーズ
野菜、ハーブ
 サラミ
 ペコリーノチーズ
E
✪

 ワインビネガー
 セモリナ粉  ケイパー
PL
 グリーン/ブラックオリーブ(塩漬け)
 バルサミコ酢
 マスカルポーネチーズ
 ズッキーニ
 パプリカ
 ルッコラ
 バジル
 セージ
 ローズマリー
 オレガノ
オリーブオイルの種類
 コールドプレスエキストラバージンオイル
 エキストラバージンオイル
 バージンオリーブオイル
 ピュアオリーブオイル
※
オリーブオイルの特徴
普通の植物油は種子をしぼって作るが、オリーブオイルは果実をじぼって作るいわば果汁100%の植物油。
そのため、ビタミン類、抗酸化成分、ポリフェノールなどの栄養素をバランスよく含む。
✪
オリーブの実の塩漬け
オリーブの実は、渋く苦みがあるためそのままでは食べられないが、あく抜きをして
塩漬けにするとおいしくなる。商品は、種付き、種無し、スライスなどのがあるが、
黒オリーブは、一度漬けたオリーブを天日干しすることによって色が変わったもので、
歯ごたえがよい。オリーブの塩漬けはワインなどのツマミとして、そのまま食べたり、
スライスしてマリネやバスタに入れてもおいしい。
40
 基礎知識 
■ パスタ
スパゲティーを筆頭にパスタを使った料理は、日常的な人気メニューとなっている。パスタ、パスタ―ソース、
オリーブオイルなどいわゆるイタリアンであるが、簡単に作れて、また、種類も豊富で好みの味で楽しめる。
パスタはイタリア語で「ペースト:生地」という意味で、 タンパク質の多い硬質の小麦粉、デュラムセモリナ
から作られます。パスタはその形状や大きさによってさまざまな種類のものが作られており、イタリアには
500~600種類以上ものパスタがある。日本の食卓でもスパゲッティ、ペンネ、ラザニアなどが使われる。
 主なパスタの種類と特徴 
【 ロングパスタ 】
スパゲッティ
日本で最も日本ではもっともなじみの深いパスタでは「1.2mm 以上の太さの棒状、又は
SA
2.5mm 未満の管状」のパスタ。どんなソース、素材にもあわせやすく色々な種類の商品が
発売されている。
太いパスタは濃厚なソース(クリームソースやミートソース)に、細いパスタはあっさりしたソ
ースや和風ソースによく合う。冷製パスタには、標準~細めのパスタが良い。
M
PL
リングイネ
「小さな舌」を語源とするリングイネは、 切り口が楕円であるスパゲッティに対し、
楕円形をしているのが特徴で、スパゲチィとは食感が異なる。やや太めのスパゲッテ
E
ィと同様、ソースの絡みがよいので、濃厚なソース、魚介類のソースともよく合う。
ブカティーニ
「小さい穴」を語源とする、中心に小さな空洞があるパスタ。 空洞は、寒い冬でも早く茹で
上がるようにするための工夫によるもの。ソースの絡みも良く、濃いソースに負けない歯ごた
えが特長。
フェットチーネ
卵を加えた平めんタイプ(幅 4~7mm)のパスタ。タリアテッレと呼ぶこともある。スパゲッティ
と比べてどっしりとした感じがあり、特に濃厚なクリームソースによく合う。
41
【 ショートパスタ 】
カットマカロニ(リガトーニ)
ショートパスタの中で最も一般的。マカロニやグラタンなどに最適なパスタ
ソースが穴にしみこんで、よりおいしさが楽しめる。日本ではサラダやグラタンに使用されるこ
とが多いが、トマトソースやクリームソースなどとも相性が良く、その利用法は幅広い。
カールマカロニ(フリッジ)
らせん状の形に、ソースがよく入り込み、どんなソースと合わせてもピッタリ。スープにもよく
合います ドレッシングやマヨネーズであえたサラダとして登場する機会が多く、他にもオイ
ル系などその使い道は数多い。
ペンネ
円筒状の両端をペン先のように斜めにカットしたもの。ペンネには表面が滑らかなものと、
SA
すじが入ったもの(ペンネリガーテ)がある。 スパゲティ同様どんなソースとも相性がよく
使いやすいパスタ。
唐辛子入りの辛いトマトソースのペンネ・アラビアータが有名。
M
シェルマカロ二(コンキリエ)
PL
貝殻の形をしたパスタで、その大きさはさまざま。 小さなものはスープの浮かし、中くらい
のものはソースとからめたりて使用したり、サラダに使用したりする。。
E
ファルファレ
蝶のような可愛らしい形状のパスタ。薄い部分は柔らかであるのに、中心部分は歯ごたえ
がある独特の食感。 トマトソース、オイル系、クリームソースなど様々な味で楽しめる。
ラザニエ(ア)
平たい板状のパスタで、パスタの間に具やソースを交互に重ねて使う。ひき肉と香味野菜
を煮こんだボロネーゼソースや、ベシャメルソースと重ねて焼くラザニエ料理がある。
ニョッキ(ポテト)
平小麦粉やジャガイモに卵や牛乳を加えて丸く練った団子状のパスタ。
柔らかく、もっちりとした食感で人気が出ている。
42
 基礎知識 
■ パスタソース
パスタソースは、トマト系のミートソース、ナポリタン、クリーム系のカルボナーラ、オイル系のペペロンチ
ーノ~和風の明太子など色んなジャンルで多くの種類があります。
代表的なソースについては、理解しておく必要があります。
 主なパスタソースの種類と特徴 
【 トマト系 】
ミートソース
(ひき肉とトマトのソース)
最もなじみのあるひき肉とトマトを主な材料とするソース。
パスタに対してたっぷりとした量があった方が美味しくなる。
好みに応じてチーズやロリエなど入れても風味が増す。
SA
ナポリタン
(トマトケチャップを使ったソース)
M
スパゲティにトマトケチャップをからめ炒めて作る。代表的な具材はタマネギ、ピーマン、
これにハム、ウインナーソーセージ、ベーコン等の加工肉を入れる日本独自の料理。
PL
タバスコと粉チーズを好みでかける食べ方が一般的である
ボンゴレ・ロッソ
(あさりとトマトのソース)
E
あさりとトマトソースで作るソース。ボンゴレは「あさり」、ロッソは「赤」の意味。
パスタを固めに茹であげ、あさりの汁とトマトソースをパスタに吸わせることで
うまみを含んだ仕上がりになる。
ペスカトーレ
(魚介類とトマトのソース)
豊富な魚介類とトマトで作るソース。ペスカトーレとは漁師という意味。
一般的には、アサリ、イカ、エビ、カニ、ムール貝、ホタテ等がよく使われる。
アラビータ
(唐辛子をきかせた辛いトマトのソース)
唐辛子を利かせたトマトソース。アラビータはイタリア語で「怒り」という意味で、
辛くて食べるとまるでカッカと怒っているような顔になるというところからこの
呼称が付いた。ソースは、オリーブ油、にんにく、赤唐辛子などを入れて作る。
43
【 オイル系 】
ペペロンチーノ
(にんにく、オリーブオイル、唐辛子のソース)
にんにく・オリーブオイル・唐辛子で作るソース。ペペロンチーノは唐辛子の意味。
材料・作業工程の少ないシンプルなソースであるが、パスタ本来の味を楽しめ、
スパイシーな定番のパスタソース。
ボンゴレ・ビアンコ
(あさり、にんにく、オリーブオイルのソース)
あさり、にんにく、オリーブオイルで作るソース。
あさりのだしの風味を味わうパスタ。ビアンコは「白」を意味しており、トマト
ソースを加えると赤いボンゴレ・ロッソになる。
【 クリーム系 】
(生クリーム、チーズ、卵のソース)
SA
カルボナーラ
ベーコンを炒め、生クリーム、チーズ、卵黄、粗挽き黒コショウを加えて作るソース。
非常にこってりとしたソースであるため、パスタには太くて平たいフィットチーネ
好みに応じてにんにくやバターを加えることもある。
PL
クリームソース
M
などが合う。
(生クリーム、チーズ、バターのソース)
生クリームにチーズやバターを好みで加えて作るソース。
E
その他に使う素材で色んなバリエーションは多い。
パルメザンチーズを加えるとより豊かな香りのあるソースとなる。
【 和風系 】
明太子・たら子
(明太子 または たら子とバターなどのソース)
基本は明太子にオリーブオイル,、バター、塩、コショーを加えて作る。
その他に青じそ、のりやにんにくほかお好みで色んな素材を加え、バリエーションは豊富。
しょう油風
(しょう油とバター、オリーブオイルなどのソース)
しょう油をベースにバターやオリーブオイルをあわせて作るソース。
その他に使う素材で色んなバリエーションは多い。
本みりんを加えると風味が増す。好みに応じてだしの素を少々加えたりもする。
44
 その他調味料など
✪
タバスコ

( 赤・緑 )
赤唐芥子を醗酵・熟成させ酢を加えて作った、パスタやピザに定番の赤いソース。
アメリカで 1905 年に発売され、日本に紹介したのはアントニオ猪木氏となっている。
緑のタバスコは、
「タバスコ ハラペーニョソース」と言う名称で青唐辛子とビネガーを主原料とし、
辛さは赤のタバスコの約5分の1で、まろやかな辛さとなっている。
✪
粉チーズ( パルメザンチーズ )
粉チーズは各種発売されているが、パスタに向いているのは、香りやコクの点で熟成された
パルメザンチーズをすりおろした粉チーズ、100%ナチュラルチーズのものと言われている。
✪
トマトソースで作るパスタソース
各社から発売されている缶や瓶のトマトソース
又は固形のトマト(ホールトマトなど)
を使って作るパスターソースもよりトマトの風味が楽しめて美味しい。
好みで色んな材料を入れるが、一手間かけることで本格的なソースとなる。
冷製パスタにも向いており、夏期にはさっぱりとして食欲をそそる。
冷製には細いタイプのスパゲティが合う。
SA
✪
バジルソースで作るパスタソース ( ジェノベーゼ )
バジルペーストに、松の実、チーズ、オリーブオイルなどを加えたパスタソース。
日本人にはなじみがないが、バジルの香りが豊かで美味しい本朴的な味を楽しめる。
✪
アンチョビ
PL
M
市販されているパジルソースを使用すれば手軽にできる。
タクチイワシを塩漬け発酵し、オリーブ油に漬けたもので、かなり塩っ辛い。
イタリア料理などで調味料的に使用される。少し加えるだけで香ばしい風味が出る。
なお、オイルサーディンはイワシを加熱後、油漬けしたもので、アンチョビほど辛くない。
E
✪
サルサ
サルサは、トマトをメインに唐辛子主とした香辛料や塩・砂糖・酢などの
調味料を加え、煮詰めて作るソース。
、メキシコ料理でよく使われるソース。
チリソースもトマト、唐辛子と酢で作った調味料であるが、サルサより粘度が低く、辛い。
✪
ガーリックオイル
オリーブオイルやサラダ油ににんにくとその他の香辛料を加えて加熱して作ったオイル。
料理の中で家庭で作る場合も多いが、簡単に調味料として使えるように瓶詰で商品化されている。
✪
バーニャカウダー(料理)
「バーニャ」はソース、「カウダ」は熱いの意味でイタリア北部の料理。
オリーブ油にニンニクやアンチョビなどを加えて温めたディップソースに、
野菜やパンなどをつけ、フォンデュスタイルで食べる料理。
手軽にアンチョビの風味を楽しめ、野菜を食べれるヘルシーメニューとして人気。
✪
カプレーゼ(料理)
薄切りにしたトマトとモッツァレラにバジリコの葉をあしらい、
オリーブオイルをかけたサラダ。
簡単で白、赤、緑の配色が印象的で定番メニューとなりつつある。
45
中華・韓国料理
 基礎知識 
■ 中華
家庭での中華メチューとしては、ギョウザ、シューマイ、マーボ豆腐、八宝菜、酢豚、青椒肉絲(チンジャ
オロウスー)、回鍋肉(ホイコーロー)などがあります。料理に使う調味料やソースについての理解を深めましょう。
【主な中華食材と特徴 】
❶ ラー油(辣油)
主にゴマ油に唐辛子を入れて、加熱して、漬け込んだもので、唐辛子をベースに
他の香辛料を混ぜあわせたところに、よく熱した油を注いで作りる。作り方は様々で、例えば、トウガラ
シの種類や刻み方を変えて辛みの具合を調節したり、山椒(サンショウ)、八角、シナモンなどの香辛料、
ネギ類やニンニク、ショウガなどの香味野菜を組み合わせて加えることで、より深い風味をつけている
SA
商品もある。ギョウザなどのつけダレに添えたり、和え物の味付けに少量加える程度の使い方が主流たっ
たが、最近では漬け込んだ薬味も一緒に食べるような具だくさんのラー油が流行し、多様化している。
M
❷ オイスターソース(牡蠣油 かきあぶら)(蠔油 ハオユー)
PL
塩漬けにした牡蠣(カキ)を発酵させて作った調味料。濃厚なうまみがあり、
広東(カントン)料理で多く用いられる。中華ではどんな料理にも使え、味が物足りない
と感じた時に加えると、味の深みが増す。野菜炒めや焼きそばに入れてもコクが出る。
E
❸ 豆板醤(トウバンジャン)
そら豆を発酵させた中国の味噌で、唐辛子(の塩漬け)等を加えた辛味のきいた調味料。
四川料理のマーボ豆腐などの炒め物、エビチリなど、火を通して香りや旨みを引き出して
使う。ギョウザや焼き肉のたれやスープにも少量加えるとピリッとした辛さで味を引き出す。
❹ 豆鼓醤(トウチジャン)
黒大豆の種子「豆鼓」が原料で、これを蒸してから細かくきざみ、ニンニクやしょうが、
オイスターソースなどをまぜ発酵させたもの。黒く柔らかい粒状をしているものを豆鼓(ト
ウチ)といい、豆鼓を使いやすくペースト状にしたものが豆鼓醤となる。回鍋肉や魚介類
の炒め物などに用い、また、素材と合わせて蒸し、味と香りを付けるのにも用いられる。
❺ 甜麺醤(テンメンジャン)
小麦に麹を加えて作った甘い 黒または赤褐色の中国みそ。回鍋肉(ホイコ―ロウ)、
マーボ豆腐、ジャージャー麺、坦々麺などに使う。北京ダックを食べる時のつけみそとしてそえられる。
46

【 代表的なメニューと関連商材
】
❶ 八宝菜(ハッポウサイ)
豚肉や鶏肉、ハムなどの肉類、エビ、アワビ、ナマコ、イカなどの魚介類、シイタケやキクラゲなどのキ
ノコ類、タケノコ、ニンジン、ピーマン、白菜、チンゲンサイなどの野菜類、ギンナンやウズラの卵をゆ
でたものなどのたくさんの具材を油で炒めあわせ、塩味もしくは醤油味に調味した後、片栗粉でとろみを
つけたもの。八宝菜の「八」は「8種類の」という意味ではなく「たくさんの」
「数多くの」の意味.
■
隠し味に 味覇(ウエイパー)を加えるとコクと風味が増す。
❷ マーボ豆腐
四川料理で炒めた豚ひき肉と小さく切った豆腐をスープで煮、豆板醤を入れて辛く味をつけ、とろみを
つけたもの。四川では「麻(マー)
」とは、「甘い」とか「辛い」
「しびれる」という意味.
本場四川の麻婆豆腐は、とろみがほとんどなく、山椒(花椒)が大量に振りかけてあり、唐辛子の辛さに
山椒が加わり、舌がしびる。日本では、陳建一氏のお母さんが日本人向けに山椒を抜いて売り出してから
■
SA
一般に普及し始めたと言われている。
山椒(花椒)を振りかけると本場に近い、辛いマーボ豆腐になる。
M
❸ 青椒肉絲(チンジャオロース)
ピーマンと豚肉又は牛肉の細切り炒め。細切りにして下味をつけた豚肉と細切りにしたピーマンやたけの
PL
こを油通してから炒め、しょうゆ・砂糖・紹興酒・オイスターソースなどの調味料とスープ、水溶き片栗
粉を加えて仕上げる。もとは四川料理であるが、中国全土でよく食べられている。日本では、辛みよりも
旨みを重視する広東風のものが一般的で、オイスターソース、、砂糖などで甘辛く味付けされる。。一方、
四川風のものでは豆板醤や醤油などを使って辛味を効かせて仕上げられる。
E
■
オイスターソースを加えると味にコクが出る。
❹ 回鍋肉(ホイコーロー)
四川料理の一つで、豚バラ肉を茹で、冷ましてからキャベツ・長ネギなどの野菜と炒め合わせ、豆板醤、
甜麺醤、トウチ・醤油・酒などで味付けしたもの。回鍋とは、鍋を回す(煽り炒めや鍋返しをする)こと
ではなく、一度調理した食材(肉)を再び鍋に戻して調理することを指している。
陳建一氏の父
■
日本における四川料理の父陳建民氏が広めたと言われている。
豆板醤の追加することで辛さとコクを調整できる。
❺ 酢豚(すぶた)
片栗粉をまぶして油で揚げた豚肉と玉ネギ・ニンジン・ピーマン・タケノコなどの野菜を炒めた後、
片栗粉をスープで溶いたものに醤油・酢・砂糖などを入れて加熱して作った甘酢あんを絡めたもの
広東料理となる。長崎では酢排骨(スーパイコ)とも呼ばれる。パイナップルを入れると甘味や酸味が増し、
その他にリンゴやケチャップなどを入れて甘酸っぱさを強める場合もある。
■
甜麺醤(テンメンジャン)を加えるとうま味が増す。
47
 基礎知識 
■ 韓国料理
一連の韓国ブームの中で、日本の家庭で食べられる韓国の食材、メチューも豊富となっている。昔から
おなじみののビビンバ、冷麺などに加え、チヂミ、チゲ鍋、チャプチェ、プルコギなども一般的になってきた。
【 主な韓国料理の食材 】
❶ コチジャン(唐辛子みそ)
もち米・米こうじ・唐辛子・塩を発酵させて作る甘辛い味の唐辛子みそ。
朝鮮料理の重要な調味料。コチとは韓国語で唐辛子を指す。ビビンバを
食べる時の必需品であるほか、鍋物や煮物、炒め物、和え物から薬味などにも用い、そのまま生野菜につ
けたり、直接飯に混ぜこんで食べたりもする。用途がきわめて広く頻繁に用いられる。
❷ 韓国のり
SA
塩とごま油で味付けされた味付けのり。日本ののりに比べ薄く、口溶けが良い。
溶けやすいという点でありとあらゆる料理に対応できる優れた調味料代わりにもなる。
【 代表的なメニューと関連商材 】
M
❶ チヂミ
PL
小麦粉を水で溶き、えび・いか・牡蠣(かき)などの魚介類、ねぎ・ニラなどの野菜、
キムチなどの具材を混ぜ合わせ、お好み焼きのように平たくのばして焼いたもの。
仕上げに溶き卵をかけて焼き上げることも多い。しょうゆ・酢・ごま油などを混ぜ
E
たたれにつけて食べる。チヂミ粉は、通常 米粉入っており、食感がもちもちとする。
❷ チャプチェ
春雨の炒め物。にんじん、玉ねぎなどの野菜と きのこ・もどした春雨、細切りに
した牛肉などをそれぞれ別にごま油で炒めて調味し、混ぜ合わせたもの。
朝鮮の春雨は、主にさつまいものでんぷんから作られ、日本の春雨より太くて腰がある。
❸ プルコギ
甘辛のタレで下味を付けた薄切りの牛肉を、野菜やきのこ、
春雨などと一緒に焼いたり煮たりした料理。
「韓国風すき焼き」とも呼ばれる。
サンチェで包んで食べれば本場の味わい方ができる。
❹ サムゲタン(参鶏湯)
内臓を取った鶏の腹の中に、ニンニク・ナツメ・朝鮮人参・もち米を詰め、
ゆっくりと煮たスープ料理。薬膳料理としても珍重される。各社から、
鶏肉とナガネギを煮込むだけで簡単に作れるサムゲタンの素が発売されている。
48
農産乾物
 基礎知識 
■ 乾しいたけ
椎茸は乾燥によって旨み・香り成分が化学的に増すという特徴がある。出汁をとったり、水で戻してから
煮物や佃煮にしたりする。もどし汁も出汁として利用される。また、陽に当てて干すことによって、ビタ
ミンD2 の含有量も増える。
成長程度の違いから、「どんこ」(冬菇)と、
「こうしん」
(香信)
、「こうこ」(香菇)の区別がされる。
日本で流通する乾ししいたけの80%以上が国産で、その約40%が大分県で生産されている。
生産方法は、天然の原木に菌を植える栽培が主流で、クヌギの木が多い。通常は屋内で機械乾燥する。
乾しいたけは、低カロリーでビタミンB1・B2が野菜類の約2倍多く含まれ、カリウム・亜鉛・鉄などのミネラル成分
もバランス良く含まれている。
【 種類(大きさ)と特徴 】
SA
❶ どんこ(冬菇)
肉厚でかさが開ききっていないもの。 寒い時期にゆっくりと育ったもので、
そぎ切りで
M
こんもりと丸く、肉厚で固い歯ごたえで、小さいものはそのまま、大きいものは
煮もの、鍋もの、すき焼き、中華料理使われる。
PL
❷ こうしん(香信)
春と秋の温度、湿度が高い時に急速に成長して傘が開いたもの。
E
薄手で傘が開いているので水ですぐ戻り、料理、だし取りに便利。
ちらし寿司、煮しめ、和え物などあっさりとした料理に向く。
❸ こうこ(香菇)
「どんこ」と「こうしん」の中間のタイプ。
適当なボリューム感があり、味にもコクがある。
❹ スライス
採取した生椎茸を薄くスライスして乾燥したもの。
水戻しの時間が短く、料理にすばやく使える。
✪
乾しいたけの保存方法
乾しいたけの賞味期限は1年間とされている。おいしさを保つには、開封後には密封容器に入れ替えて
湿気を断ち、直射日光の当たらない涼しいところで保管。冷蔵庫内であればな良い。万が一、カビが
発生したとしても、カビが腐食した部分を取り除いてから水戻しすれば問題はない。
49
■ その他農産乾物
❶ ごま(胡麻)
理想的な食品のひとつで、ごまに含まれるゴマリグナンという抗酸化物質に肝機能を改善
する効果、コレステロールを抑える効果、血圧低下効果、抗アレルギー、脂質代謝促進 、
アンチエイジングなど多くの効果があると言われている。
日本で使用されるごまは、その99.9%を輸入に頼っており、アフリカ、中南米から輸入している。
種皮の色の違いにより「白ごま」「黒ごま」「金ごま」に分けられる。
加工方法によって「洗いごま」
「いりごま」「すりごま」「ねりごま(ペースト)
」となる。
栄養的には、中でもさまざまな抗酸化物質が含まれ、体や脳の老化を予防する。
① 白ごま
控えめな味なので何にでも合う。すりごまやペースト状のねりごまにして、
ごま豆腐や白和え、ドレッシングやつけだれ、和え物などにもよく合う。
② 黒ごま
SA
香りが強く、コクがあるので、春菊やセロリのような香りの強い野菜の
ごま和えに合う。そのほか、黒ごま豆腐、黒ごまプリン、スイーツなどに使われる。
③ 金ごま
M
香りがよく、濃厚な味わいが特徴。煮物やきんぴらなどに最適。
また、毎日のあたたかいごはんのふりかけにもおすすめ。
PL
❷ 麩(ふ)
小麦粉に含まれるタンパク質のグルテンを加工して作った食品である。大きく生麩と焼き麩に分けられる。
E
① 生麩(日配)
グルテンにもち米粉などを混ぜて蒸したもの。副材料を練り込んだ細工麩も
多く作られている。モチ麩、ヨモギ麩、アワ麩、小倉麩、養老麩など。
主に関西で普及している。生麩は薄味の煮物、田楽、揚げ物に使う。
② 焼き麩
グルテンに強力小麦粉ともち米粉、ベーキングパウダーなど膨張剤を混ぜて練り、
焼いたもの。乾燥しているため保存に向く。地域によってさまざまな大きさや
形がある。焼き麩は淡白な味わいをいかして煮物、鍋物、汁の実、あえものなどに使う。
❸ こうや豆腐
凍らせた豆腐をその熟成し、スポンジ状になったら脱水し、火力で乾燥したもの。
軽く締まったスポンジ状で、水で戻し、だし汁で煮込むなどして味をつける。
こうや豆腐には、豆腐の栄養素が凝縮されており、約50%はたんぱく質でできている。
❹ ゆば(湯葉)
豆乳(とうにゆう)を煮立て、表面にできた薄皮をすくい上げて加工したもの。
生ゆばと干しゆばとがある。乾燥ゆばは、そのまま鍋ものやお吸い物に入れる。
また、水でもどして刺身やサラダで食べる。
50
❺ はるさめ (春雨)
 P.65(中華)
❻ かんぴょう (干瓢)
ウリ科のユウガオの実を、細く削って乾燥させたもの。水で戻して煮て
寿司の具材や、煮物、和え物などとして使われる。日本で使用されるかんぴょうの
約9割は中国からの輸入で、国産の約9割が栃木県産となっている。
低カロリーで食物繊維に富み、カルシウム、カリウム、リン、ナトリウムなど、
ミネラル分が豊富
❼ くずきり(葛切り)
くず粉を水溶きして煮詰め、平らに冷やし固めて細長く切って乾燥した麺状のもの。
くず粉は高価なため、じゃがいもなどののでんぷんを加えたものが多い。
食感がよく、鍋もの、すき焼き、しゃぶしゃぶ、サラダなどに使う。
SA
❽ マロニー
じゃがいものでんぷんとコーンスターチを原料としたくずきりのような麺状のもの。
くずきりより安価であるが、同じように食感がよく、水でもどして鍋もの、
M
すき焼き、しゃぶしゃぶ、サラダなどに使う。
❾ かんてん (寒天)
PL
マロニーはマロニー社の登録商標。
E
天草(テングサ)
、オゴノリなどの紅藻類の粘液質を凍結・乾燥したもの。
かんてんはそのほとんど(約80%)が食物繊維で、1あらゆる食品の中でで
食物繊維を一番多く含んでる。菓子の材料に用いられる他、ほとんどカロリーが
ないこと、腸において油や糖分の吸収をさまたげることから、ダイエット食品としても注目されている。
❿ ビーフン
米粉で作られめん。ライスヌードルとも言われる。
乾めんと同じような使い方で、野菜や肉類などの具材と一緒に炒めた
焼きビーフンや、具材とともにスープにいれた汁ビーフンとして食べる。
⓫ 切り干し大根
切り干し大根は、大根を細く切り、天日で干して乾燥させたもの。
太陽の光を浴びることで、糖化されて甘味がさらに増し、栄養価も
増加し、独特の甘みと歯ごたえがでる。
水でもどして酢の物やサラダ、和え物、煮物、卵焼きなどで使う。
51
■ 豆類
豆類は、炭水化物(糖質)
、たんぱく質、ビタミン、ミネラル等の栄養素をバランスよく含んでいる上、
食物繊維やポリフェノール等の機能性成分も豊富で、毎日の健康づくりに役立つ優れた食品です。心と
体の健康のために、小さな豆に秘められた大きな力を見直してみませんか。
❶ 小豆(あずき)
国産の小豆の約8割は北海道産。ほとんどはアンや菓子の原料になり、
和菓子、冷菓、菓子パン、赤飯、しるこ、ゆであずきなどにに使う。
❷ 大納言[小豆]
小豆の中で特に大粒な特定の品種群。大粒なだけではなく、煮たときに皮が
破れにくい特徴を持ち、つぶあん、こしあん、赤飯などに使う。
❸ 金時豆(きんときまめ)
粒の形が良く、食味も優れていることから、煮豆用に最も適した豆とされ、
❹ 黒豆
SA
洋風の煮込み料理にもよく使われる。甘納豆の主要な原料となっている。
粒が大きい黒色の一種。主に煮豆とする。正月のおせち料理には欠かせない材料
M
として労苦をいとわず物事に励むこと、また、その様や、体の丈夫なことを
「まめ」と呼ぶことから、一年をそのように過ごせるようにというゲン担ぎになる。
PL
❺ 丹波黒豆
黒豆のなかで粒の大きな品種。モッチリとした口当たりのいい独特の
E
食感で上品な味。通常の黒豆に比べて価格が高い。
小豆(あずき)
小豆(あずき)
大納言[小豆]
ササゲ属
ささげ
金時豆
手
いんげん豆
亡
うずら豆
虎豆
豆
インゲン属
大福豆
類
白花豆
紅花いんげん
紫花豆
ソレマメ属
そら豆
エンドウ属
えんどう
ダイズ属
大豆
ラッカセイ属
落花生
黒
豆
丹波黒大豆
52
海産乾物
 基礎知識 
■ のり(海苔)
のりは身近な海産物の一つであり、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、カルシウム、EPA、タウリン、
ベーターカロテン、アミノ酸などが豊富に含まれており栄養に富んでいる。市販されているのりのほとん
どが国内で養殖により生産されている。産地は、太平洋沿岸と瀬戸内海、九州となっている。
収穫して板状に延ばして乾かしたもの(板のり)を火であぶったものが「焼のり」と言われ、タレなどで
味をつけたものを「味付けのり」という。
【 のりの基本サイズ(規格) 】
基本となる海苔1枚(全型)のサイズは、縦21×ヨコ19cm となっている。
SA
❶ 焼のり半切タイプ
寿司や三角おむすび用に最適なサイズ。店舗で販売しているおむすびもこのタイプ。
M
❷ 焼のり3切タイプ
全形の3分の1のサイズの海苔はおむすびを俵巻きにする時や、
❸ 味付けのり
E
≪8切袋タイプ≫
PL
おもちに巻くのにぴったりなサイズ。
メーカーにより「おむすびのり」
「おかずのり」などとネーミング
している場合もある。1袋8切8枚入りで3~8袋で販売されている。
≪12切タイプ≫
旅館などの朝食についてくるサイズ
【 のりの保存方法】
海苔は湿気ると風味がおちるので、密封容器に入れて冷暗所か冷蔵庫で保存する。あらかじめ食べやすい
大きさに切って容器に入れておくと便利。 長期に保存する場合は、冷凍庫で保存する。ただし、海苔は
湿気やすいので、早めに食べるのが一番。
(冷蔵庫で2~3ヵ月が目安)
【 のりの美味しい食べ方 】 歯切れと香りがアップ
ゴマ油やオリーブオイルを塗って軽くあぶる(オーブントースター)


のり の裏側(ツヤのない方)にぬる。
オーブントースターは先に暖め、弱火で数秒焼く(あぶる感覚) 焼き過ぎに注意(こがさないように)
53
■ 昆布(こんぶ)
昆布は、四方を海に囲まれた日本独特の長寿食と言われており、特に豊富な食物繊維や鉄分、カルシウム
などが含まれており健康食品として人気が高い。また、
、鰹節と並んで最もよく用いられているだし原料の
一つで、昆布のうまみ成分はグルタミン酸でその だしは、上品な香りと強い旨みが特徴となっている。
鰹節のうまみ成分でイノシン酸と合わせた「合わせだし」は、日本料理の基本とされている。
販売する昆布にも、煮て食べる昆布とだしをとる昆布とがある。
食べる昆布は、繊維質が少ない柔らかく、煮上がりが早い特徴があり、だしをとる昆布は、繊維質の 多い
煮上がりが遅く、うま味分を多く含んでいる特徴がある。
❶ 真昆布
最も代表的な良質のだし用昆布。肉厚があり幅も広くこんぶの最高級品。
上品な甘味で、清澄なだしがとれる。産地は道南が中心で
道南真昆布 とする商品もある。
❷ 羅臼昆布
SA
茶褐色で羅臼オニコンブの別称があり、真昆布と同格扱いされる高級品。
香りがよくやわらかく黄色味を帯びた濃厚でこくのあるだしがとれる。産地は知床半島。
M
❸ 利尻昆布
だし用昆布。甘みもあり、真昆布に比べ、塩味があり少し硬い感じがする。
❹ 日高昆布
E
PL
味が濃く香りも高い透明な澄んだ出しがとれる。産地は利尻・礼文島~網走。
繊維質が少なく柔らかいので 煮上がりが早く、昆布巻、佃煮などの
煮て食べる昆布に適している。だしをとる昆布としても使える。
産地日高沿岸で取れる昆布で三石昆布とも呼ばれている。
❺ がごめ昆布
表面は凸凹状で、粘りが強く、抗ガン作用を
利尻昆布
羅臼昆布
真昆布・がごめ昆布
日高昆布
有するフコイダンが多量に含まれていることから、
健康食品として注目を集めている。
とろろやおぼろなどに多く用いられる。
産地は利尻・礼文島~網走。
54
❻ 早煮昆布
日高昆布などの若く薄いものをボイルして干したもの。昆布の繊維が柔らかく、
おでんの具や、昆布巻、煮物に使っても、煮くずれしにくい。昆布はだしをとるには不向き。
❼ 切り出し昆布
中型の鍋でも使いやすいように12㎝前後にカットした昆布。
道南産や日高産の昆布を原料にしたものが多く、
だし用としてお徳用で、また、だべる昆布としても利用できる。
❽ 根昆布
昆布の「根」を乾燥させたもの。原料の昆布の種類は各種ある。
成長に必要な昆布の栄養分が集中していて、健康食品として注目されている。
水に入れてエキスを出して飲んだり、焼酎・醤油の中に入れてだしを出す。
❾ とろろ昆布
SA
干し昆布を削ったもの。削り昆布ともいう。原料としては真昆布や利尻昆布
などうま味成分の高級品が使われることが多い。主にお吸い物に使。
M
■ わかめ(乾燥)
わかめには、食物繊維、アルギン酸、フコイダンなどで、血中コレステロール値を
PL
下げたり、動脈硬化や心筋梗塞予防などの効果がある栄養素が豊富に含まれている。
わかめには、塩蔵の生のものとカットして乾燥している乾燥ワカメがある。
歯ごたえを楽しむサラダなどには生が合うが、乾燥わかめはおみそ汁など便利に使え人気がある。
E
国内で流通しているわかめは、中国産50%、韓国産30%、国産20%がとなっている。
■ ひじき(乾燥)
ひじきには、食物繊維、ビタミンA、鉄分が豊富に含まれている。乾燥ひじきは、水で戻してから醤油、砂糖などで
煮て食べる「ひじきの五目煮」が一般的。その他ひじきご飯に加え、サラダ、酢の物、天ぷらなどに使われる。
使用する部分で芽ひじきと長ひじきがある。 原料から採れる割合は、芽ひじき : 長ひじき = 8 :2 となる。
国内で流通しているひじきは、韓国産60%、中国産30%と、国産10%となっている。
❶ 芽ひじき 
❷ 長ひじき 
葉の部分
茎の部分
水で早く戻すことができ、炒め物や煮物に使用する際、
ボリュームがあり、歯ごたえが良いのが特徴。
ほかの食材と絡みやすく使いやすい。
煮物、炒め物、サラダや和え物などに向く。
ひじきご飯などに向く。
55
【 乾物はどれだけ増えるか? 】
乾物は、常備しておくととっても便利な食材で食物繊維やミネラルを多く含むものが多く、カロリーが低い
食材ですが、乾物をもどしてみたら量が多すぎてしまったということがよくあります。
どれくらい増えるかわかっていれば無駄がありません。
食 材
戻り率
戻し方
ヒジキ
4倍
さっと洗い、たっぷりの水にひたす(10~20分)
長ヒジキ
5倍
さっと洗い、たっぷりの水にひたす。(30分)
干しワカメ
12~14 倍
さっと洗い、たっぷりの水にひたす。(10分)
塩蔵ワカメ
2倍
コンブ
2.5 倍
塩を洗い流し、水にひたす、1 回水を替える。(20分)
汚れをふき、水にひたす。(10分)
2倍
汚れをふき、水にひたす。(5分)
刻みコンブ
3倍
たっぷりの水で何度も洗い、ボールに入った水でさらす
かんぴょう
7倍
はるさめ(緑豆)
凍り豆腐
3倍
4.5 倍
6倍
塩でもみよく洗い、熱湯でゆでる。
さっと洗いたっぷりの水にひたす。(10~30分)
E
はるさめ(芋でんぷん)
4.5 倍
PL
切り干し大根
M
早煮コンブ
ほぼ同量
SA
海藻ミックス(塩蔵)
塩を洗い流し、たっぷりの水にひたす。(10分)
熱湯にひたす。(3~4分)
熱湯でゆで(10 分)、火をとめてむらす。(5 分)
60℃の湯に浸し(30 分)、水中で押し絞る。
焼き麩(車麩)
4.5 倍
水にひたす。(20分)
干ししいたけ(香信)
5.5 倍
水にひたす。(30分)
干ししいたけ(どんこ)
5倍
水にひたす。(120分)
きくらげ
7倍
水にひたす。(20分)
そば
うどん
スパゲティー
2.5 倍
8~10倍の量の熱湯でゆでる。
3倍
8~10倍の量の熱湯でゆでる。
2.5 倍
塩分0.5%のお湯でゆでる。
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■ 削りぶし
鰹節やカツオ、サバ、イワシ、マグロ等の干し魚を薄く削ったものでJAS規格で以下の分類となっている。

かつお削りぶし
・・・
削りぶしのうち、かつおのふしを削ったもの

かつおかれぶし削りぶし
・・・
削りぶしのうち、かつおのかれぶしを削ったもの

さば削りぶし
・・・
削りぶしのうち、さばのふし又は煮干しを削ったもの

さばかれぶし削りぶし
・・・
削りぶしのうち、さばのかれぶしを削ったもの

まぐろ削りぶし
・・・
削りぶしのうち、まぐろのふしを削ったもの

いわし削りぶし
・・・
削りぶしのうち、いわしのふし又は煮干しを削ったもの

混合削りぶし
・・・
削りぶしのうち、2種類以上の魚類のふし、かれぶし、
煮干し又は圧搾煮干し(さばに限る。
)を削って混合したもの
【 それぞれの削りぶしの特徴 】
削り節のうま味成分は、
「イノシン酸」
種類
特徴と使い方
かつおかれぶし削りぶし
かつお削りぶし
さばかれぶし削りぶし
さば削りぶし
SA
まぐろ削りぶし
上品で淡白な味と香り。
風味を生かす吸い物、めんのだし汁、煮物、添え物、即席惣菜、ご贈答品
コクがあって濃いだし。
みそ汁、めん類のかけつゆ、煮物向き。
M
淡白でやわらかな味。
吸い物、薄味の煮物、添え物向き。
旨みが強くコクのある味。カルシウムがとくに豊富。
みそ汁、めん類のかけつゆ、煮物向き。
各種削りぶしの混合による複雑な味。
配合魚種の特徴による万能だし用。
いわし削りぶし
PL
混合削りぶし
【 削り方の種類 】砕片薄削りを破砕したものをいう。
薄削り
カツオの場合
“花かつお”
厚削り
糸削り
ソフト削り
マイルド削り
主な用途
□ お吸い物などのだし取り
□ お好み焼、焼きそば等の
トッピング
E
削り方
特徴
削りぶしを厚さ 0.2mm 以下の片状に削ったもの。
削りは、短時間のでだしがよく出て香りを楽しめる。
トッピングとしても使え、用途が広い。
□ そば、うどんのめんつゆ
□ 煮付けなどのだし取り
□ 煮物、お浸し、漬物等の
トッピング
□ 煮物、お浸し、漬物、
お好み焼きなどのトッピング
削りぶしを厚さ 0.2mm を超える片状に削ったもの。
濃厚なだしをとるのに向いており、水に対して多量に
入れることができる。
削りぶしを糸状又はひも状に削ったもの。
口当たりをよくするために、削りぶしを繊維に直角に
薄片状に削ったもの
* 繊維に沿って削る
【 削りぶしの保存方法 】
削りぶしは湿気ると風味がおちるので、開封後は、密封容器に入れてできるだけ空気を抜いて、できる
だけ冷蔵庫で保存する。特に湿気は大敵、カビや害虫の原因となる。
57
■ 煮干し(にぼし、いりこ)
煮干しは小魚を煮て干したもので、主にだしをとる材料として使われるほか、そのまま、あるいは乾煎り
にするなどで食べられている。
“かたくちいわし”で作ったものが最も一般的だが、まいわし、うるめいわ
し、きびなご、あじ、さば、とびうお(あご)などを原料としたものもある。いりこ(炒り子)
、じゃこ(雑
魚)
、だしじゃこ(出汁雑魚)など多くの別名がある。煮干しのうま味成分は、イノシン酸である。
煮干の原料はいわゆる青魚で不飽和脂肪酸を多く含むので、製造から流通、保存に至る管理が適切に行わ
れないと、脂肪の酸化が進み品質が低下する。酸化を防ぐ意味で原料自体も脂があまりのっていないもの
が適しており、大きな魚を煮干にしないのはこのためである。
煮干しの栄養素はカルシウムが豊富で。その含有量は牛乳の約20倍もある。さらに、鉄分や亜鉛、マグ
ネシウムやカリウムなどの様々な必須ミネラルも多く含まれている。
保存については、できるだけ空気に触れないよういに密封して冷蔵庫で保存する。長期間の場合は、
冷凍庫で保存する。
SA
【煮干しでだしをとるポイント】
① 頭と腹の内臓部分を取り除く (そのまま調理すると苦みやえぐみが出る)
※ このあとフライパンで少し煎ると、より生臭さが取れる。
M
② 水に最低20~30分浸す。 (時間がある時は一晩つける。 分量が水1Lに対して煮干し 20~40g)
PL
③ 鍋に入れて、強火にかけ、沸騰してきたらちょっと火を弱める。
④ アク(白い泡)が出てくるので、お玉ですくいながら10分ほど煮立てる。
E
⑤ 目の細かいザルやキッチンぺ―パーなどで濾す。
■ 桜えび・干しえび(小えび)
桜えびは4月から6月の初めにかけて、主に駿河湾もしくは台湾で
とれる約3~5cmの半透明で淡紅色をした小さなえびで漁獲量が
少なく、高価。そのため小えび(芝えびや川えび)を着色している
商品もあるが、桜えびとしての名称はつけられない。
桜えびは皮をむいておらず、かき揚げ、お好み焼きの具、
野菜との煮物、三杯酢、おろし和えなどに利用する。
一方、干しえびは一般的に小エビの皮をむいたもので、
さっと水洗いしてからぬるま湯につけ、つけ汁をだしとして
利用したり、もどした物を煮物、炒め物にも使う。
両方とも保存については、できるだけ空気に触れないように
密封して冷蔵庫で保存する。長期間の場合は、冷凍庫で保存する。
58
お茶
  基礎知識 
世界的に原料の茶の樹は、ツバキ科の常緑樹で、この芽や葉などを加工したものがお茶である。中国が原産地で、
日本、中国、台湾、インド、スリランカ等温暖多雨な地方に栽培されている。晩春から初夏にかけて新葉を採取し、
加工する。お茶は、加工の段階で、発酵させるかどうかで、不発酵茶、半発酵茶、完全発酵茶、(強発酵茶、後発
酵茶を含む)に大別され、世界的には、それぞれ緑茶、烏龍茶、紅茶が代表的である。茶の葉を火熱、または蒸気
で蒸し、酵素の動きを殺したものが、日本茶である不発酵素の緑茶となる。製法によって、玉露、煎茶等に分類
される。また産地により宇治茶、静岡茶となり、摘採期によって一番茶、二番茶、 三番茶、四番茶となる。
■ 世界的なお茶の分類
【 発酵度合いによる分類 】
分類
種類
緑 茶
特徴
茶摘後、すぐに熱を加えることによって茶葉の自然発酵を止めたお茶
SA
不発酵茶
(日本茶)
発酵茶
烏龍茶
半発酵茶
発酵を止めた緑茶と完全発酵した紅茶の中間に位置する半発酵仕上げのお茶
発酵の度合いで種類が分かれる。
E
【 お茶の品種 】
紅茶は全世界で生産されている茶の80%を占めている。
PL
■ 日本茶の種類
茶摘後、茶をしおれさせ、完全に茶葉や芽を発酵させた後に加工されるお茶
M
紅 茶
発酵していないので、茶葉に含まれているビタミンCが含まれている。
全国の緑茶栽培面積の76%を占めるお茶の品種は「やぶ北」という静岡発祥のもので日本茶の代表格。
それ以外にも「さやまかおり」や「かなやみどり」など、特徴のある多くの品種が作られている。
【 栽培方による分類 】
種類
露地栽培
特徴
煎茶
自然光下で栽培する栽培方法
程よい渋みと爽やかな香り、すっきりとしていて日本の
流通量の80%以上を占める一番愛飲されていれるお茶
かぶせ茶
被覆栽培
玉露
てん茶
被覆栽培を7日前後行った茶葉を荒茶加工したもの
覆い香も感じられる煎茶と玉露の中間的な味わい。
被覆栽培を20日前後行った一番茶を荒茶加工したもの
甘みとコクのある味わい。遮光栽培独特の覆い香と言われる香りがある。
玉露と同じ製造方法で、茎などを除いて 5mm 角程度の扁平な形としたもの
59
【 摘採時期による分類】
種類
特徴
「一番茶」と同じであるが、特に一年で最初に摘まれる「初物(はつもの)」
の意味を込めて、また「旬」のものとして呼ばれるお茶。
新 茶
摘み採った順番により呼ばれるお茶。一番茶は新茶とも呼ばれ、が新鮮な香りが
高く、品質が高く、二番茶、三番茶となるに従って風味が落ちると言われ、
販売価格も大きな差がある。
一番茶、二番茶、
三番茶、秋冬番茶
✪ 一番茶(新茶)がおいしい理由は、秋の収穫後の半年間
たっぷりとたくわえた養分をもとにして成長するため
【 荒茶製造工程によるによる分類 】
種類
特徴
煎茶
蒸し製緑茶
一般的な製法でつくられたお茶
玉緑茶
SA
釜伸び茶
釜炒り緑茶
釜炒り玉緑茶
【 特別加工による分類】
荒茶製造の精柔工程がなく、回転するドラムで茶葉を乾燥して作られたお茶。
ほうじ茶
玄米茶
夏や秋摘みの採取時期が遅い煎茶を番茶と言う。煎茶にする葉を積んだあとの
硬くなった茶葉を原料として作られ渋み成分を比較的多く含む。
さっぱりとした味が特徴で、熱いお湯でさっと入れるのがコツ。
抹茶も玉露と同様に、大事に育てられた新芽から作られるお茶。抹茶は蒸された
茶葉を揉まずに乾燥し、石臼で挽かれ粉末する。
茶葉をまるごと飲むので、お茶本来の栄養も十分に取ることができる。
E
抹茶
特徴
PL
番茶
玉緑茶の製造工程で、蒸熱の工程のかわりに、茶葉を釜で炒って作ったお茶
M
種類
荒茶製造工程で蒸熱の工程のかわりに、茶葉を釜で炒ってつくったお茶
番茶やクキ茶を高温で炒るので、緑色は茶色に変化し独特の香ばしさがある。
苦味や渋味もほとんどなく、さっぱりとした味わいが特長。
カフェインやタンニンが少ないのでお年寄りや子どもにも向いている。
強火で炒った玄米を緑茶にブレンドした日本茶。 玄米の独特な香ばしさが特徴
で、熱湯ですばやく入れるのがコツ。
玄米はビタミンB1が豊富に含まれていて、リラックス効果がある。
 緑茶の健康効果 
ポリフェノール・カテキン類が、血糖値を下げ、食中毒やがんの予防に効果的
緑茶には、
「タンニン」、
「カフェイン」、
「テアニン」その他にもビタミン類が多く含まれている。
近年は、その中に含まれる「カテキン」がガン予防の効能があるとして注目を浴びており、このカテキンとは、
タンニンのポリフェノールの一種で特に煎茶に多く含まれている。
油っぽいものを食べた後に飲めば、タンニンが脂肪を分解する酵素の働きを高めてくれダイエット効果がある。
緑茶に含まれるビタミンCは、熱に強く80度でも壊れないうえに、保存にもすぐれた特性がある。
60
 日本茶の主要産地と特徴 
お茶の木は寒さに弱いため、比較的温暖で、かつ適度な降水量のある地域でよく生産されている。
日本茶の主要産地は、静岡(40%)
、鹿児島(30%)でその2県で約7割を生産している。
各産地でそれぞれ特徴あるお茶を生産し、全国的に出荷している。
【 お茶の主要産地とシェア 】
奈良 その他
福岡
9%
2%
3%
京都
3%
宮崎
4%
三重
9%
静岡
40%
鹿児島
30%
【 各産地の特徴 】
① 静岡県( 静岡茶 )
・・・
日本最大のお茶の産地
SA
日本のお茶の約40%の生産量を誇る静岡県。 県内には牧の原台地、富士山麓、安倍川、天竜川、大井川
などお茶の栽培に適し自然環境を活かした銘産地が並ぶ。
主にやぶ北茶などの煎茶や深蒸し茶の生産が主流ですが岡部町は玉露の産地としても有名。
・・・
M
② 三重県( 伊勢茶 )
1千年の歴史を持つお茶の名産地
静岡、鹿児島に次いで全国第3位の生産量の三重県。 伊勢茶は煎茶、深蒸し茶、かぶせ茶などが主に生産
PL
されている。 特にほのかな甘みが特徴のかぶせ茶は全国2位、シェア30%以上の生産量を誇る。
③ 京都府( 宇治茶 )
・・・
高級茶の産地として知名度の高い「宇治茶」
E
ご京都府の宇治近郊、和束町や山城一帯は代表的な高級茶の産地として有名です。 煎茶を中心に生産され
てるが玉露やてん茶(抹茶の原料)、抹茶など国内における高品位なお茶の産地として有名。
④ 奈良県( 大和茶 )
・・・
古くから特色のある煎茶の産地
茶園が地形的に山間に点在しているため、特色のあるお茶が生産されており、なかでも香りの評価が高い。
地形的に地続きなため、味・香りともに宇治茶に最も近い。
⑤ 福岡県( 八女茶 )
・・・
玉露の生産量全国第1位を誇る
八女玉露 玉露と煎茶の名生産地として名高く古い歴史を持つ。八女市を中心に生産されている玉露は
全国生産量の約半分を占め 日本一。まろやかな風味と香気が特徴。
⑥ 宮崎県( 日向茶 )
・・・
全国的にはレアなお茶
全国第4位の生産量の宮崎県。宮崎県 日向地方では、煎茶を主に栽培しているが、釜炒り玉緑茶や玉露も
作られている。無農薬のお茶作りに力を入れている産地の一つ。全国的に出回ることが意外と少ない。
⑦ 鹿児島県( 鹿児島茶 )・・・
静岡県に次ぐ全国第二位の生産量
全国第2位の生産量の鹿児島県。知覧(ちらん)のお茶、頴娃(えい)のお茶などが有名。
特に屋久島・種子島では、温暖な気候を活かし日本一早い新茶」の産地としても知られている。
61
 おいしい日本茶の入れ方 
お茶は種類によって成分含有量が異なり、それぞれに適した葉の量、湯加減、
浸出時間等がる。それぞれの種類のお茶の特徴を理解した入れ方が大切です。
。
お湯の適切な温度は、それぞれのお茶のおいしさを引き出す上で重要です。
お湯の温度によって浸出するお茶の香味成分が異なるためで、渋み成分のカテキンは80℃以上の高温で、
旨み成分のテアニンは50℃程度の低温で
溶け出しやすいとされている。
【 お湯の温度について 】
煎茶の場合、渋みを抑えて旨み成分を
引き出すため70~80℃で、旨み成分を
引き出したい玉露は50℃程度の低温で
じっくりと、逆に香りが特徴の玄米茶・ほうじ茶
・中国茶・紅茶は100℃の熱湯を使用
して、香りや渋みの成分を引き出す。
渋い煎茶が好みの場合や緑茶の健康成分
SA
・カテキンを効果的に摂取するためには、
カテキンを多く含む茶葉を選び、高温の
お湯を使用すること。
M
株式会社伊藤園「お茶百科」http://ocha.tv/index.html より
】
PL
【 お茶の量・お湯の温度の目安
お茶の量
お湯の量
お湯の温度
煎茶・茎茶
6g(小さじ 3 杯)
270ml
80℃
1分
上煎茶
6g(小さじ 3 杯)
180ml
70℃
2分
深むし煎茶
6g(小さじ 3 杯)
270ml
90℃
30秒
玄米茶
9g(小さじ 4.5 杯)
400ml
100℃
30秒
ほうじ茶
9g(小さじ 4.5 杯)
400ml
100℃
30秒
玉 露
9g(小さじ 4.5 杯)
60ml
60度
2分
E
お茶の種類
※
小さじ1杯は約2g
※
沸かしたてのポットのお湯は約80~90℃。
玉露、上煎茶の場合は少し冷ましてから使い、玄米茶、ほうじ茶など熱湯で入れる。
62
浸出時間
コーヒー・紅茶・ココア
  基礎知識 
■ コーヒー
アカネ科の常緑樹であるコーヒーの木の種を、皮をむいて乾燥させてばい煎したもので、商品としては、
焙煎されたコーヒー豆(炒り豆)や、焙煎後に挽(ひ)いて粉状になったレギュラーコーヒーと、
コーヒー豆の抽出液を乾燥し、粉状にしたインスタントコーヒーの大きく分かれる。
コーヒーの木は日本では栽培されておらず全量を輸入(輸入量世界第3位)に頼っている。国別の輸入量
については、レギュラーコーヒーはブラジル、インスタントコーヒーはアメリカとなっている。
家庭で使用する量としては、レギュラーコーヒーの方が多いが、実際に飲料として飲むコーヒーの段階
では、圧倒的にインスタントコーヒーの方が多くなっている。
【 コーヒーの木の種類 】
品種
特徴
ロブスタ種
SA
アラビカ種
世界中で最も多く栽培され、コーヒー生産量全体の70~80%を占めている。低地から高地にかけて栽培可能だが、
サビ病等の病害虫に弱い。風味、香りともロブスタ種比べて優れており、 レギュラーコーヒーの原料となっている。
低地で湿潤な土地で栽培される。生産量はコーヒー全体の20~30%だが、強健で病害虫にも強い。単品で飲むには
種類
PL
【 コーヒの産地別の種類 】
M
あまり適さず、主にブレンド用としてインスタントコーヒーなどに利用されている。アイスコーヒー用としても使われる。
味の特徴
芳醇な香りとまろやかな味とコク。コーヒーの王様と称されるジャマイカ産の最高級品。
マンデリン
独特の格調高い香りと強い苦味、ほのかな甘みと豊かなコクがあるストロング系。
キリマンジャロ
強い香りとフルーティーな酸味、適度な苦味。また濃厚なコクがあり幅広く楽しめる。
モカ
独特の香りと強めの酸味が特徴。バランスのとれた味わいでストレートがおすすめ。
ハワイコナ
芳醇な香りと独特の酸味、しっかりしたコクがある。ストレートがおすすめ。
グァテマラ
酸味とコクに優れ、香気も良好で全体的に華やかさとキレのいい後味。
ブラジル
酸味と苦みのバランスが良い落ち着いた風味、ブレンドのベースとしても多く使われる。
コロンビア
甘い香りと上品な酸味、軽い苦味がある。ブレンドに用いると香りが際立つ。
キューバ
やわらかな苦味と酸味、上品な風味がある。またブルーマウンテンに似た味わいを持っている。
E
ブルーマウンテン
【 インスタントコーヒーの製法(2種類) 】
製法
特徴
高温の乾燥筒の中に、高温のコーヒー液を噴霧して素早く乾燥させる方法。
スプレードライ製法
大量生産ができ、値段も安いが、一瞬で蒸発させるためで風味が少ない。
水にも溶けやすく、アイスコーヒーを作るのに向いている。
コーヒー液をマイナス 40℃以下で一度凍結させた後に細かく砕き、真空状態に
フリーズドライ製法
して水分を蒸発させる方法。スプレードライ製法よりも風味を保ったまま粉末
化できるが、手間が多い分だけ価格も高く、粒が大きいので水には溶けづらい。
63
■ 紅茶
紅茶の原料となる茶の樹は、日本茶と同じ種類であるが、加工段階で完全に発酵させることにより紅茶となる。
世界的には、ヒマラヤ山麓のインド(ダージリンやアッサム)
、スリランカ(セイロン)が紅茶の名産地とな
っている。日常的に飲む紅茶のほとんどが、各種の紅茶をブレンドしたもの(ブレンドティー)で、ティー
バックとなった商品は、さらに手軽に味と香りを楽しむために人工的に香りをつけたフレーバーティーと呼
ばれるものとなっている。
【 主なブレンドティー・フレーバーティの特徴 】
種類
味の特徴
ブレックファストティー
朝起き抜けに、あるいは朝食に添えて飲むための紅茶で、少し渋みがある。
アフタヌーンティー
午後のひとときのための紅茶で、ブレックファストに比べると渋みが少ない傾向
ロイヤルブレンド
王室をイメージしてブレンドした紅茶。内容は様々で、味わいもそれぞれ違う。
オレンジペコ
オレンジペコとは一番大きな茶葉を指す。オレンジのの香りがついた紅茶ではい。
アールグレイ
比較的渋みの少ないブレンドした茶葉にベルガモットで香りを付けた紅茶
レディグレイ
アールグレイをベースに、柑橘類の果皮などを加えたトワイニング社の紅茶
アップルティー
りんごの香りをつけた紅茶。 りんごの香りと紅茶はよく合う。
アプリコットティー
あんず(アプリコット) の香りをつけた紅茶。 清涼感がある。
カモミールティー
りんごの香りがして、リラックス効果のあるハーブカモミールをブレンドした紅茶
SA
■ ココア
ココアは、カカオの種子(カカオ豆)を焙炒して、殻を除いて果肉を加熱し、
M
できたカカオペーストから、カカオバターを除いて粉砕したもの。
ココアとチョコレートとの違いは、カカオペーストからカカオバターを除いたものが
ココアとなり、カカオバターを取り除かず、他に材料を加えたものがチョコレートとなる。
PL
栄養価は、タンパク質(18.5%)、炭水化物(42.4%)、脂肪(21.6%)と、優れており、疲労回復に効果的。
■ ウーロン茶(烏龍茶)
E
中国茶のうち青茶(せいちゃ、あおちゃ)と分類され、茶葉を発酵途中で加熱して
発酵を止め、半発酵させたお茶。体内の中性脂肪の低下、体内の活性酸素の消去
などの効能があるとされるポリフェノールが緑茶の約4倍含まれている。
疲労回復、高脂血症、高血圧、動脈硬化、肥満予防、二日酔いなどに効果的。
■ プアール茶
中国茶のうち黒茶と分類され、茶葉を発酵途中で加熱して発酵を止めた後、
カビで発酵をさせて作られる。リパーゼという酵素を含み脂肪燃焼する働きがある。
また、ミネラル濃度が極めて高く、血液循環の改善、快眠、便秘解消、
花粉症などのアレルギー体質の改善が見られる。
■ 杜仲茶(トチュウ茶)
中国原産の杜仲の葉を乾燥して作るお茶。血圧の降下や肝機能の機能向上に効果が
あるとされる。また、鎮痛剤としての働きもあると認定されている。
リューマチや関節痛、神経痛、生理通、スポーツによる痛み、筋肉疲労などに効果的。
■ ルイボスティー
緑茶、紅茶、中国茶等の「お茶」とは全く原料が異なり、ルイボスとよばれる
豆科の松の葉のような針状の葉の部分を乾燥して作るお茶で、良質のミネラルをはじめ、
プロテインやフラボノイド等、抗酸化物質が含まれていて健康によいとされる。
64
ジャム・はちみつ
  基礎知識 
■ ジャム類
ジャム類は、果実や野菜に糖類などを加えて煮詰め、果実や野菜に含まれる
多糖類のペクチンや酸の作用でゼリー化したもの。
ジャム類のうち柑橘類を原料とし、その果皮も含まれるものがマーマレード。
プレザーブスタイルというのは、ベリー類などの小さな果実ならそのまま、
リンゴなど大きなものなら5mm 以上の果肉片を含むものを言う。
本来ジャムは、果物の保存食として作られ、甘さが強かったが、最近の
ジャムは保存食の意味合いが薄れ、ブルーベリーのアントシアニン色素、柑橘系の香気成分、ヨーグルトと
の取り合わせなど健康イメージが強くなり、低糖度のジャムが好まれるようになっている。
SA
■ はちみつ(蜂蜜)
M
ミツバチが花の蜜を採集し、巣の中で加工、貯蔵したもので、自然界で最も甘い蜜と言われる。
約80%の糖分と約20%の水分によって構成され、ビタミンとミネラル類などの栄養素をわずかに含む。
PL
味や色は蜜源植物によって様々で「レンゲ」や「アカシヤ」などが代表的。国内で流通しているはちみつの
約95%が輸入物で中国産が最も多い。国産はちみつは、ミカンが最も多く、その次はリンゴとなっている。
E
【 主なはちみつの特徴 】
種類
特徴
レンゲ
色が薄く香りも少なく癖のない味で、日本でよく好まれる。
アカシア
色は薄い褐色で香りも少なく味に癖がなく、日本でも好まれる。
ミカン
柑橘系の香りがあり味も癖がない。国内の生産量は最も多い。
クローバー
世界で最も生産量が多い。強めの甘い香りがあるが、味はマイルド。
■ メープルシロップ
サトウカエデなどの樹液を濃縮した甘味料。
カナダが世界の生産量の約85%を占めている。
はちみつと同じように使われ、特にホットケーキには定番となっている。
はちみつよりカロリーが低く、なおかつカルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいる。
ただしはちみつに比べ、傷みやすく、開栓後の場合は必ず冷蔵庫で保管し、1ヵ月を目安に使いきる。
65
シリアル・ベビーフード・雑穀
  基礎知識 
■ シリアル食品
トウモロコシ、米、大麦、小麦などを加熱調理した上で薄い破片に成型し、牛乳などをかけて食べる食品。
日本での正式な名称は、朝食シリアル。トウモロコシを主原料にしたものを特にコーンフレークとも言う。
また、特にトウモロコシが主原料でなくても、混同してコーンフレークと呼ばれることがある。
多くは牛乳などをかけるだけで食べることができ、簡単に朝食をとることができる。特定の栄養分を強化し
たも発売されている。
また、より食べやすく、栄養の吸収をよくする方法としてシリアル食品を暖めて食べる食べ方として
“ホットシリアル”も増えているい。
【 代表的なシリアル食品 】
グラノーラ
SA
種類
特徴
燕 麦 ( エ ン バ ク )、 麦 、 玄 米 、 と う も ろ こ し な ど を 蜂 蜜 や 黒 砂 糖 、 植 物 油 と 混 ぜ て
オーブンで焼き、ドライフルーツ、ココナッツ、ナッツなどをミックスしたもの
M
オールブラン
食物繊維やミネラル分の豊富な小麦の表皮であるふすま(ブラン)を原料にしたもの。
オートミール
燕麦(エンバク)をすりつぶしたもの。全粒穀物であるため栄養が豊富で、軽く煮る
シリアルバー
そのままお菓子感覚で食べやすいように棒状にしたシリアル食品
特に食物繊維が多いダイエット食品。
PL
だけで粥状になり食べることができる
E
■ ベビーフード
「乳児」および「幼児」の発育に伴い、栄養補給を行うとともに、順次一般食品に適応させることを目的と
して製造された食品。母乳やミルクを飲むことしか知らなかった乳幼児が、食事から栄養をとれるようにな
っていく過程を「離乳」と言い、ベビーフードとは、その過程で、赤ちゃんの発育に伴った栄養補給を行う
とともに、
「噛む力」を身につけさせたり、「味」や「舌ざわり」を覚えさせるなど、機能発達をサポートす
る役割を持った食品。
ベビーフードの食材には、
「米」
「パン」「うどん」
「ポテト」などの穀類やイモ類、その他魚介類や肉類、野
菜、果物など、赤ちゃんの栄養を考え、様々なものが使われている。調理形態も離乳開始時期から与えられ
る「かゆ状」
「裏ごし状」のものなどの加工したものや、発育度合いに合わせて、粒状、固形具材が使われる
調理完成品などの製品が市販されいて、大きく水や湯を加えて用いる「ドライタイプ」と調理完成品として
そのまま与えられる「ウェットタイプ」に分かれる。
66
■ 雑穀類
雑穀は、アワ、キビ、ヒエなどの「日本人が主食以外に利用している穀物の総称。
栄養面で、ビタミン各種、カルシウムや亜鉛、鉄分などのミネラルや食物繊維などを、白米よりはるかに豊富
に含んでいる穀物が多く、健康志向の中で白米に混ぜて食べる家庭が増えている。
【 代表的な雑穀などの名称と特徴 】
大麦
押麦
(大麦を加工)
効能 便秘予防、肥満防止血糖値上昇抑制、血中コレステロール値の抑制
大麦をローラーで押しつぶしてよく乾燥したもの。
丸い、平べったい形で栄養価は大麦と同じ。
SA
ビタバレー
白米と比較して食物繊維約19倍、カルシウム約3倍、カリウム約2倍。
大麦を加工して。
、ビタミンB群を加えたもの。
PL
M
形はお米に近く、押麦より食べやすい。
玄米をわずかに発芽させたもの。発芽の際に眠っていた酵素が活性化し、
発芽玄米
出芽のために必要な栄養を内部に増やすため、玄米よりも栄養価が高い。
ストレス軽減作用で知られるギャバは白米の約10倍含まれている。
E
イネ科の一年草で、雑穀の中ではもっとも粒が大きい雑穀。
はと麦
穀物の中でも最も良質なアミノ酸を含み、新陳代謝を活発にし消化器、
呼吸器系の機能を活発にする。利尿作用、解毒作用があり、美肌に良い。
きび
(黍)
あわ
(粟)
ひえ
(稗)
イネ科の一年草で、香りとコクがある。白米と比較して、食物繊維約3倍、
カルシウム約2倍、マグネシウム約4倍、鉄分約3倍、カリウム約2倍。
イネ科で、色から、赤粟、黄色粟がある。白米と比較して食物繊維約7倍、
カルシウム約3倍、マグネシウム約5倍、鉄分約6倍、カリウム約3倍。
イネ科で、風味特徴があり、y6ミルキーな味わいがある。白米と比較し
て
食物繊維約8倍、マグネシウム約5倍、鉄分約2倍、カリウム約3倍。
67
缶詰め・レトルト食品
  基礎知識 
■ 缶詰め
缶詰は、空気、水、細菌などが絶対に入らないように空気を除いて密封してあり、中身は完全に真空の状態
で加熱殺菌してあるので、食中毒の原因になる恐れはなく、また、殺菌剤や保存料などの食品添加物は使って
いない。ふつう110~120℃の高温で加熱殺菌されるので、生鮮食品や家庭で調理した食品に比べて、
栄養価が劣ると考えられがちだが、調理の工程で、湯煮をできるだけ短時間に行ったり、蒸気で蒸す方法に変
えることによって、ビタミン類の減少を少なくする方法がとられている。また、加熱殺菌により、たん白質、
脂肪、糖質などの栄養素は、減少することはない。
■ レトルト食品
レトルト食品とは、レトルト(加圧加熱殺菌装置)で殺菌できるパウチ(袋状のもの)、または成形容器(ト
SA
レー状など)に詰められた食品のことを言う。
缶詰めと同様中身は完全に加熱殺菌後、完全密封してあり、殺菌剤や保存料などの食品添加物は使っていない。
災害備蓄食料としての有効活用
【1人当たり3日分の備蓄食料の目安

PL
M

】(缶詰め・レトルト食品活用)
1
パン or 乾パン(缶詰)
3缶 2
4
カレー(レトルト)
1袋 5 ミカン(缶詰)
7
玉子がゆ(レトルト)
1袋 8
コンビーフ(缶詰)1 缶
10
黄桃(缶詰)
1缶 11
ビーフシチュー(レトルト) 1袋 12 スイートコーン(缶詰)
1缶
13
鮭がゆ(レトルト)
1袋 14
ツナ&野菜(缶詰)
2缶 15 ヤキトリ(缶詰)
1缶
16
フルーツミックス(缶詰)
1缶 17
梅がゆ(レトルト)
2袋 18 牛丼の素(レトルト)
1袋
19
さんま蒲焼(缶詰)
1缶 20
飲料水9L(1日3L×3日分)
3袋
1缶 6 さば味噌煮(缶詰)
1缶
1缶 9 ハヤシ(レトルト)
1袋
E
【 用意しておくと便利な備品・器具
コーンスープ(レトルト) 1袋 3 白がゆ(レトルト)
】
1
カセットコンロ、ボンベ、鍋
温める場合に使用
2
ラップ
紙皿の上にひいたり、手袋の代わりに使用洗い物が出ないようにします
3
アルミホイル
温めたものを保温するために使用
4
キッチンペーパー
洗い物を出さないよう、汚れたものを拭くために使用
5
紙コップ、紙皿、割り箸
なるべく洗い物がでないよう使い捨てのものを使用
6
3徳ナイフなど
何かを切ったり、缶詰をあけるときなどに使用
7
ライター、マッチ
ガスコンロがつきにくい場合などに使用
8
ポリ袋
食品の保存や手袋代わり、紙コップ、紙皿、割り箸などの保管用に使用
68
製菓材料
  基礎知識 
❶ バニラエッセンスとバニラオイル
バニラは、甘い香り付けとしてお菓子づくりに用いられる。舐めると苦い。
バニラの香り成分「バニリン」のエキスをアルコールで溶かしたものがバニラエッセンスで、
油で溶かした物がバニラオイルとなる。生クリームなどの加熱しない物にはエッセンスを使用し、
焼き菓子などの加熱するものにはオイルを使用する。
❷ ココアパウダー
カカオ豆から取れるチョコレートやココア、その他の洋菓子の原材料の1つ。
カカオ特有の成分も多く含まれていて、独特の苦味や酸味、コクと香りがあり、チョコレート感覚の
❸ 小麦グルテン
M
SA
お菓子を作る際に使われる。
小麦を原料とするグルテン。菓子やパン作りに使用される。小麦や米粉パンにブレンドすると、
ふんわりとしたボリュームのある仕上がりが得られる。
PL
❹ 菓子作りに使用する3つの凝固剤(ゲル剤)
ゼラチン
E
原料は、動物性コラーゲン。
凝固剤として弾力性ともちもち感が強く、
柔らかくて口溶けの良い仕上がりとなる。
動物性コラーゲンならではの、
なめらかで口の中で溶けるような食感を作り出せる。
用途 ・・・ ゼリー、ババロア、ムース、マシュマロ
原料は、テングサやオゴノリ等の海藻。ノンカロリーであっさりとした仕上がり。
寒天
弾力はほとんどなく、しっかりした食感。
ゼラチンに比べ凝固力が強く、少量で多くの水分を固めることが可能。
用途 ・・・ 羊羹、トコロテン、杏仁豆腐
原原料は、カラギーナンという海藻。寒天と違い無味無臭。非常に柔らかく軽い
アガー
弾力を持つ。ノンカロリーにも関わらず、ゼラチンのような食感。
ゼラチンのような食感と寒天のヘルシーさと扱い易さのを両方を併せ持つ。
用途 ・・・ ゼリー、プリン、アイス
69
お米・おもち
  お米の基礎知識 
✪ 白米とは?
玄米から糠(ぬか)および胚芽(はいが)を取り除いた状態のもの。日本人の食生活において最も親しみ
のあるお米です。玄米から糠を削り落として白米にする作業を精米と呼びます。白米 = 稲の実の胚乳
(はいにゅう)と言える。
✪ 玄米とは?
稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いた状態のもの。精米する前のお米。
白米と比べるとビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいるため栄養面で優れている。
✪ 無洗米とは?
SA
精米したお米にもまだ「肌糠(はだぬか)
」と呼ばれる粘りけのある糠が残ってる。無洗米はこの肌糠を
精米の段階で特別な方法を使って取り除いたお米のこと。炊く前にお米を水で洗い、とぐ必要がない。
炊く時はの水加減は普通のお米よりも多めにするが、炊飯器には無洗米用の目盛りが付いているものもある。
M
✪ 新米
PL
収穫した年の年末(12月31日)までに精米されて包装されたお米に限り新米と表示できます。
産地や銘柄で収穫の時期が違い、九州は8月初旬、関東は8月下旬、新潟は9月下旬、東北は10月上旬
から新米の出荷が始まり、年末までに包装されたお米は年が明けても新米として販売されます。
* 年が明けてからは、新米ではなく○年産米と表記して販売される場合もあります。
E
現在は貯蔵技術や精米技術が進歩し、新米の時期以外でも、お米はおいしい。
✪ ブランド米とブレンド米
ブランド米は、
「コシヒカリ」
「ひちめぼれ」といった一つの銘柄だけを袋詰めにしたのお米。
ブランド米は、味、品質、価格を一定に保つために、複数の品種や産地のお米をブレンドしたもので、
一年を通して美味しいお米が食べられるように工夫されたお米。
✪ 日本のお米の歴史
お米(稲作技術)は、少なくとも3000年以上前に中国から日本へ伝わり長い年月の中で改良されてきた。
今では300種類を超えるお米の品種が栽培されているが、そのもととなるのは、すべて明治時代に生まれた
日本のお米の代表品種となる「旭」と「亀の尾」となる。人気のコシヒカリは、
「旭」と「亀の尾」をもと
にして生まれたもので、
「ひとめぼれ」「あきたこまち」はコシヒカリの子供にあたり、
「きらら397」は
ずっと先のひ孫といった存在になる。
以前は人気が高かったササニシキは、病気に弱いというデメリットがあり、現在では、生産量が極端に
少なくなっている。
70
【 お米の収穫量ベスト10 】
No
都道府県
収穫量(t)
1
北海道
634,500
2
新潟県
631,600
3
秋田県
512,100
4
茨城県
396,900
5
山形県
392,200
6
宮城県
363,200
7
福島県
353,600
8
栃木県
351,400
9
千葉県
322,000
10
岩手県
297,600
【 品種別作付比率 】(平成21年調査)
まっしぐら
つがるロマン 1.5%
1.6%
はえぬき
2.6%
キヌヒカリ
3.2%
あきたこまち
7.7 %
ヒノヒカリ
9.8 %
ひとめぼれ
9.9 %
 社団法人米穀安定供給確保支援機構HPより
SA
① コシヒカリ
コシヒカリ
37.6 %
ななつぼし
2.8%
 農林水産省「平成23年産水陸稲の収穫量」 より
【 主な品種の特徴 】
その他
21.2 %
きらら397
2.1%
【 品種別作付状況 】
粘り、ツヤ、モチモチした食味で人気が高く、味、香り、
コシヒカリから生まれた品種。
PL
② ひとめぼれ
M
粘りともおいしいお米の代表として最も食べられている。
味だけでなく粒の見た目も良く粘りの強い
お米。冷めてもおいしいのが特長で
E
高い人気を誇る。
③ ヒノヒカリ
九州を中心に中国・四国・近畿地方など西日本で広く栽培されている宮崎県生まれの品種。
味・つや・香りが良く年間を通して安定した品質を保ちやすい。
④ あきたこまち
秋田県オリジナルの品種を目指して開発されたお米。その特長はモチモチとした食感。水分が多くもち米
のように粘りがあっておにぎりなどにも最適。
⑤ キヌヒカリ
関東や近畿で広く栽培されている品種。コシヒカリと比べて粘りが弱く、さっぱりとした口当たりのお米。
⑤ ななつぼし
北海道で開発されたつや、粘り、甘みのバランスの良いお米。きらら397の後継品種として登場。
⑤ はえぬき
山形県のオリジナル品種として開発された弾力感があるバランスの良いお米、
。食味はコシヒカリと並ぶ。
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 おいしいごはんの炊き方と保存方法 
❶ 洗米は、短時間(4~5分間)でサッサと研ぐ(とぐ)のが鉄則
※ もむように研ぐのは昔の話、洗い過ぎはお米を傷め、風味を落とす。
お米を洗うのは、表面についたヌカやゴミ、ホコリを落とすためです。現在は精米技術が進歩し、
昔に比べお米にあまりヌカなどがついていません。以下の要領でとぎましょう。
お米をとぐ時間の目安は、4~5分です。
❷ 炊く前に必ず浸水させる
炊飯器のお釜へ移して、30分~1 時間浸水させます。
※ すぐに炊くと芯の残ったご飯になりやすく、ふっくら感がでなくなる。
❸
蒸らし終わるとすぐにほぐす。
現在家庭で使用されている炊飯器のほとんどは、蒸らしが終了してからスイッチが切れるように
SA
なっていいます。
(蒸らしによりごはんの芯まで水分が浸透し、ふっくら仕上がります)
蒸らしが終わるとすぐにほぐすことによって余分な水分を飛ばし、歯ごたえを作る。
蒸らし過ぎると水っぽいごはんになる。
M
❹ ご飯の保存で風味を落とさないのは、冷凍 > 冷蔵 > 保温
特に炊飯ジャーで6時間以上保温しておくのは、もう一度ご飯を炊くのと同じくらい電気代が
PL
かかり、しかも5時間を超えると味が落ち、ツヤがなくなり、黄ばんでくる。
一晩以上保存する場合は、容器に移し替えるかラップして、冷蔵保存する。2日間以上保存
する場合は冷凍保存する。
➡
E
ごはんは、熱いうちに一食ずつラップすると、水分が蒸発せず、解凍してもパリパリにならない。
解凍は、凍っている状態に霧吹きを掛けて、レンジで行う。
【 お米のとぎ方のポイント 】
①
まずすばやくお米を洗い流す。
➡
ボールに入れた米全体が水に浸るまで水を入れ、軽くすすいで、素早くとぎ汁を捨てる。(1~2回)
※ お米がぬかや汚れを吸収しないようにすばやくやることがポイント
②
お米を研いですすぐ(以下を2回繰り返す)
水を捨て指を立て小さな円を描きながら米粒同士をこすり合わせるように研いだ後、すすぐ
※ あまり力をいれないで摩擦でお米を研磨するようにこすり合わせる。10~30回程度
すすぎはたっぶりの水で素早く2回行う。
力を入れ過ぎると米が割れたり、ヒビが入ったりする。
また、ザルに入れて洗っったり、
泡立て器で洗うのも米が割れるので避けること。
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  おもちの基礎知識 
おもちは、色んな料理に使え、便利で、食べやすく消化のよい食材。
長期保存可能なレトルトパックは、災害時の非常食として常備
おもちは、もともと正月や祝い事などの「ハレの日」のための特別な食べ物だった。
昔から季節の区切りである節句に、正月もち(1月)
、節分もち(2月)、桃の節句もち(3月)
、
たんご
端午の節句持ち(5月)として、また、色んなお祝いの時に食べられてきた。
正月もちは、お正月に来る神様のためにおもちを供え、翌日の元旦にみんなで同じものを食べることにより
“神様の力を分けてもらって一年間幸せに過ごそう”という祈りから来たものと言われている。
最近では季節や行事に関係なく日常的にもちを食べることができ、もちしゃぶなど新しい食べ方やメニューも
増え、便利な食材として一般的になっている。
また、長期保存可能なレトルトパックした商品が主流となり、災害時の非常食として常備する家庭も増えている。
SA
全国的な傾向としては、東日本はは切りもち、西日本は丸もちを食べる傾向がある。
✪ うるち米ともち米の違い
M
お米のには炭水化物が70~75%含まれている。その主体はデンプンで、このデンプンはアミロースと
PL
アミロペクチンという成分から構成されている。
お米の粘り気を左右するのはアミロペクチンの割合で、うるち米ともち米の大きな違いとなっている。
■ うるち米 …
アミロース20%前後
アミロペクチン80%前後
E
普段ご飯として食べるお米で適度な柔らかさと粘り気があり、主食としておかずの
味を引き立てる。粘り気があり、おいしいとされるお米は、アミロペクチン含量が
85~95%と高く低アミロース米と呼ばれ、冷えても固くなりにくい。
■
もち米
…
ほぼ100%がアミロペクチン
粘りが強く、うるち米が透明感があるのに対して、白さが特徴で、白玉粉などの
もちや団子(白玉粉)の原料となる。
  おもちの保存方法 
レトルト商品は開栓前は冷暗所、開栓後は冷蔵庫で保存して早めに使い切る
開封前は、商品の期限表示に従う、生もちやレトルト商品の開封後は、風味や品質の劣化が比較的早い。
特にカビが生えた場合、見えているところはカビ全体の一部で、より広範囲にカビは生えている可能性が高く、
毒素を持つ場合もあるので、、カビの生えたもち安全のため極力食べないようにする。
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インスタントラーメン(即席めん)
日本最初のインスタントラーメンとして袋めんの「チキンラーメン」が誕生したのは1958年。
その13年後の1971年にカップめんが誕生し、さらにその18年後の1989年にカップめんのシェア
が袋麺を超えた。その後、減少傾向にあったが、最近は少し持ち直してきている。
インスタントラーメンの麺はほとんどが乾燥させたアルファー化麺になるが、その乾燥方法により
大きくフライめんとノンフライめんに分かれるが、健康志向の高まりから油分の少ないノンフライ麺も
増えてはいるが、現時点では、まだ、フライ麺が主流となっている。
このこの二つ以外の方法として、蒸煮した麺を有機酸で処理した後に殺菌する「生タイプ即席麺」がある。
近年その他の製法により、より生麺に近い食感の製法も開発されている。
■ フライ麺(油揚げ麺)
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麺を油で揚げて短時間で乾燥させたもので、お湯を入れた時の待ち時間が少なく、湯戻りが比較的早く、
調理感のある香ばしい風味が特徴。油て揚げているのでノンフライに比べてカロリーが高い。
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■ ノンフライ麺
麺を油で揚げずに、熱風で乾燥、ないし真空下で凍結乾燥させたもので、フライめんより水分も残り、
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戻した時により生麺に近いもちっとした歯ごたえになり、また湯伸びしにくい。
E
■ アルファー化(糊化)
麺の成分の約70%のでんぷんを急速に乾燥させ、2~3分の簡単な調理でおいしく食べられるように
すること(蒸した状態のままで乾燥させ、戻すと同じ状態になる)。
お米などにもこの製法が応用され、アルファ化米と呼ばれる。
■ かんすい
豆腐を作るのに必要な「にがり」のように、ラーメンの麺に特有の風味と独特のコシを作るために使用する
もの。かんすいを小麦粉に加えると蛋白質(グルテン)に作用し、弾力、コシ、滑らかさが増す。
成分は炭酸カリウム・炭酸ナトリウムの混合物、又はこれにリン酸塩を加えた物となっている。
■ フリーズドライ製法
真空凍結乾燥技術のことで、
‘水分を含んだ食品や食品原料を、マイナス30℃程度で急速に凍結し、さらに
減圧して真空状態で水分を昇華させて乾燥すること。常温で長期保存でき、また、ビタミンなどの栄養成
分や風味の変化が少なく、水や熱湯で戻しやすい。インスタントラーメンの具材、インスタントみそ汁な
どに使われている。
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清涼飲料水
店頭に並ぶ清涼飲料水には、「茶系飲料」「ミネラルウォーター」
「スポーツ飲料」
「炭酸飲料」「果実飲料」
「野菜」
「コーヒー飲料」「乳性飲料」
「豆乳類」
「コーヒー飲料」
「コーヒー飲料」などがある。
ここでは、特に混同しがちな分類のみ解説する。
【 ミネラルウォーターの分類 】
ナチュラルウォーター
ナチュラルミネラル
ウォーター
ミネラルウォーター
特定の水源より採水された地下水の内、地下でミネラルが自然に解け出たものに、沈殿、
加熱や、ろ過殺菌を行ったもの
特定の水源より採水された地下水に、複数のミネラル水を混ぜ合わせたり、人工的にミネラ
ルを加えたもので、それを沈殿、加熱や、ろ過殺菌を行ったもの
上記以外の飲用に適した水。処理方法の限定はない純水、蒸留水、河川の表流水、水道
SA
ボトルドウォーター
特定の水源より採水された地下水に、沈殿、加熱や、ろ過殺菌を行ったもの
水などを水源としたもの*水道水を容器に詰めれば、ボトルドウォーター
【 ミネラルウォターの硬度(軟水と硬水)について 】
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軟水と硬水は、水の中に含まれる「カルシウムとマグネシウムの量
=
硬度 」で決まる。
日本の水は、軟水が多く、ヨーロッパの水は、石灰岩層を通るためミネラルが多く溶け出すので硬水が多い。
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店頭で販売されるもののほとんどは軟水の分類に入る。
分 類
水
中硬水
硬
水
~100
100~300
300~
用 途
お茶、紅茶、コーヒー、料理全般
E
軟
硬 度
*水道水 30~60
パスタ、ポトフなど洋風スープ、鍋物、 ウイスキーの水割りなど
ミネラル補給、ダイエット、便秘解消、 焼酎の水割り(まろやかになる)
軟水はミネラル分が、硬水に比べて少なく、コーヒーや紅茶などの香りや味がストレートに引き出され、料理などでも素材や
ダシ、香りなどが浸透しやすいので味がしみ込みやすく、日本料理全般に適している。
硬水は、運動後のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分補給に適し、また、食材の臭みを消したりアクをとったりという
働きがあるので、肉料理や煮込み料理、パスタをゆでるのにも向いている。
【 果汁飲料の表示ついて 】
 ジュースと表示できるのは果汁100%の飲料のみ
1種類の果実による「果実ジュース」、2種類以上の果実を混合した「果実ミックスジュース」 果実の果肉を細切りにしたもの等を
含む「果粒入り果実ジュース」、果汁と野菜汁の混合の「果実・野菜ミックスジュース」 がある。
以下製法の違いで2つのタイプがあるが、店頭で販売される果汁100%ジュースのほとんどが濃縮還元タイプとなっている。
濃縮還元タイプ
ストレートタイプ
しぼった果汁(100%)を、いったん水分を少なくして濃縮、ペースト状にして、保管、輸送し、
容器に詰める前に、水を加えて元の果汁にしたもの。輸送コストを抑えることができる。
濃縮する際に、風味が損なわれるため、通常、水を加える際に香料で味を調整する。
しぼった果汁(100%)を、そのまま低温保存しておき容器に詰めたもの。
通常、“ストレート果汁”と呼ばれる。一般的に濃縮還元タイプに比べさっぱりして、甘さが控えめ。
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