中国の人気テレビ番組「パパ！どこ行くの？」 2014 年 10 月３日、芸能人である「パパ」とその子供たちだけで旅行に出かけるリアリティ番組「パパ！どこ行くの？（中国語タイトル：爸爸去哪儿）」シーズン 2 の放送が終了しました。昨年の冬から現在まで、この番組は中国に一大ブームを巻き起こしています。「パパ！どこ行くの？」シーズン１のポスターこの番組は、中国のテレビ局「湖南衛視」が、韓国の文化放送（MBC）から「パパ！どこ行くの?」の著作権を購入して制作しました。パパと子供が辺鄙な農村に行き、苦しい環境の中で、子供たちがギブアップ寸前になってしまう様子が、視聴者の心を捉えました。同番組では、さまざまな親子関係や、普通の家庭と同じような親子間のやりとりが見られます。また、若い世代の親たちにとって、「育児」は最も関心の高い話題であるため、広く共感を呼びました。湖南衛視は、近年同番組以外にも、ほかの韓国の番組を採用してきました。ヨーロッパのテレビ番組に比べて、韓国の多くのバラエティー番組やドラマには、アジアの特色が盛り込まれており、家庭を重視し尊重する東洋の精神や、伝統を重んじる美徳に富んでいます。一方、中国社会は、近年飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げる中で、多くの伝統が消えていくという問題に直面しています。そのため、「パパ！どこ行くの？」の番組内で展開される「家庭の温かさ」が、中国人の心を刺激します。無邪気な子供と溢れる父親の愛情は、世の中で最も美しいものです。同番組が、「本当の愛こそが、人の心をひきつける」という真実を伝え、感動と啓発を与えることを願っています。「パパ！どこ行くの？」シーズン２の中また、番組の中で映し出される、父親の子供に対で、人気を集める、可愛い Grace ちゃんする教育スタイルも話題を呼んでいます。また、中国では有名人の子供に対する教育が注目を集めています。2011 年 9 月、中国の国民的歌手・李双江の息子である李天一が、一組の夫婦を殴る事件がありました。李天一は、16 歳未満の非行少年が収容される「収容教養所」に 1 年間収容され、 2012 年 9 月に釈放されたにもかかわらず、今年 2 月には輪姦の容疑で再び刑事拘留されました。同番組は、有名人が子供をどう教育しているのかという、視聴者の関心が高い一面に触れており、瞬く間に話題となりました。しかし、同番組に対する批判の声もあります。2014 年 9 月 21 日、「パパ！どこ行くの？」が、再び映画化されることになりました。これを受け、ネット上では「やりすぎだ」という批判の声が高まっています。中国の SNS 微博（中国版 twitter）上では、「映画化をボイコットしよう」という呼びかけも起こっています。テレビ局に対し「子供を利用して、そんなに金もうけがしたいのか？」という声や、「勝手に将来を決められる子供たちの気持ちになれ」と心配する声もあります。湖南衛視が、同番組のシーズン３を制作するならば、こういった批判を直視せねばなりません。外交学院日本語学部李如意（クレア北京事務所インターン勤務） ○参考：人民網日本語版記事：「人気番組「パパ！どこ行くの」の出演者親子が引っ張りだこに」 http://j.people.com.cn/206603/8518873.html ○付録：「パパ！どこ行くの？」の主題歌日本版キラキラ光る/お空の星よ/キラキラ光る/お空の星よ/まばたきしては/みんなを見てる/ キラキラ光る/お空の星よ/うちにはアイドルがいる/なんでもしてくれる/彼の胸はぬくぬく/僕を育ててきた/ありがとう愛しい子よ/君は一番の宝物/幸せを持ってきて/一生を守るため/パパパパどこ行くの/手と手をじっと握って/baby baby 今羽ばたけ/君が選んだのなら