愛島通信 - 仙台高等専門学校

120
2013年11月15日発行
愛島通信
・高専制度創設50周年
…………………………………………………………02
・学生の活動
…………………………………………………………08
・学生会執行部から
…………………………………………………………18
・オープンキャンパス
…………………………………………………………19
・インターンシップ
…………………………………………………………23
仙台高等専門学校 名取キャンパス 広報誌 愛島通信 第120号
編 集 : 総務課図書係
印 刷 : (株)
阿部紙工
発 行 : 2013年11月15日
・国際交流
…………………………………………………………25
・新任教職員紹介
…………………………………………………………27
・事務・技術支援室だより
………………………………………………………30
高専制度創設50周年を迎えて
仙台高等専門学校 校長 内田
龍男 宮城高専と仙台電波高専が高度化統合されて仙台高専が設立され、今年で4年目です
が、宮城高専設立50年、仙台電波高専設立40年、その前進の東北無線電信講習所創基
70年となることから、高専制度創設50周年として記念行事を挙行することに致しまし
た。
高専の50年を振り返ると、当初は経済成長と科学技術の発展に寄与できる中堅技術
者の育成を目的として設立されましたが、オイルショックを乗り切り、バブル崩壊後か
ら社会が大きく変化していく中で、高専に対する期待や要望も変化してきました。創造
的・実践的技術者の育成に重点が置かれるようになり、より高度な幅広い能力を涵養す
るために1991年に専攻科制度が創設されました。これに伴い、学位授与機構から学士
の称号が授与されることになり、名実共に高等教育機関としての体制が整えられていき
ました。さらに、2001年にプログラム認定が開始された JABEE に対して高専は積極
的に取り組み、中でも宮城高専と仙台電波高専は2002年に東北の大学や全国の高専の
中で最初の認定校に指定されました。これにより、高等教育機関として国際的に認めら
れなかった問題が、次第に解消されることになりました。その後、大学等の高等教育機
関に法人化の波が押し寄せ、高専も2004年に全国55高専が国立高等専門学校機構の
下に一法人化されました。その目標は創造的な人材の育成、高等教育の水準の向上など
です。高度化を目指した典型例として、仙台、富山、香川、熊本の高専の高度化再編が
行われ、4つのスーパー高専が誕生しました。その目的は専攻科の拡充や共同利用型セ
ンターの設置などによる、高度化と地域社会のニーズへの対応、および広域連携の牽引
などです。
仙台高専は今後、これまで以上に優れた人材を育成するために、基礎学力とその実践
的応用力、責任感と人間力、そして国際性の養成を強化した教育を推進します。今後大
きく変化すると思われる産業界に対応できる幅広い学力と柔軟な思考力を養うことも重
要です。50年後も仙台高専が重要な位置と意義を保ち、さらにはそれを発展させるよ
う努めていきたいと思います。
同窓会や後援会はじめ関係の皆様方には、今後ともご支援、ご鞭撻をよろしくお願い
いたします。
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愛島通信
■ №120
高専制度創設50周年
記念事業について
名取キャンパス総務担当副校長 内海
康雄
高専制度創設50周年を迎えて、仙台高専では地域や
リストとして、パネルディスカッション「仙台高専の
全国各地の方々と共に、シンポジウムや式典などを挙
これまでと将来展望」を行いました。これからの高専
行しました。ご支援とご参加を頂いた文部科学省、高
を考える上でとても示唆に富んでいました。
専機構、自治体、企業、卒業生、在学生、後援会の方々
に深く感謝申し上げます。宮城工業高等専門学校と仙
記念誌発行
台電波工業高等専門学校が再編されてから4年余が経
これまでの仙台高専の歩みを、多くの文献や写真な
ちましたが、同じく一つになった同窓会の力強い支援
どを基にして199ページにまとめました。高専機構理
がありました。
事長ほかの方々の言葉に始まり、
「第1部 仙台高専 仙台高専に関係する皆様と共に行われましたシンポ
Change100 100の転換点」で全体の流れを概観
ジウムや式典などは次のようなものです。
し、「第2部 仙台高専 Memories 輝かしい軌跡」
発行日:平成25年10月4日
では、これまでの旧学科や皆様の回想により越し方を
省みて、「第3部 仙台高専 Future 未来への道標」
シンポジウム・講演会
平成25年5月23日(木)
東北大学の市川隆先生の記念講演「南極から夢見る
では、新学科と高専へ寄せられている期待が示されて
います。
果ての宇宙―ものづくりと天文学と―」では、宇宙の
構造を明らかにしていくという壮大な夢が、高専の身
記念式典・祝賀会
近にあるものづくりと共に行われる姿が語られました。
内田龍男校長、小畑秀文高専機構理事長の挨拶に続
続いて四ツ柳
き、宮城工業高等専門学校前校長の四ツ柳
夫先生、阿部清人氏、湯澤哲雄氏、
佐々木勇氏と在校生の佐野文香君、遠藤靖典君をパネ
パネルディスカッション「仙台高専のこれまでと将来展望」
平成25年10月11日
(金)
夫先生か
ら講演「“仙台高専”その輝かしい軌跡と新たな技術
四ツ柳
夫先生による記念講演
№120 ■ 愛島通信
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者教育への展望―フロンティアの発見と開拓者魂の育
査中ですが、これからさまざまな学校の行事や生活の
成を目指して」を頂きました。祝賀会では、仙台市長
中への登場が楽しみです。
奥山恵美子氏、名取市長佐々木一十郎氏、初代仙台高
等専門学校校長宮城光信先生からご挨拶を頂き、華や
高専制度創設50周年記念事業募金
かで和やかな会となりました。多くの方々が思いを述
これまでを振り返り仙台高専の将来への発展へと繋
べられ、同窓会会長新山敏彦氏から締めの言葉を頂き
げることを目的とする事業として進行中です。高専で
ました。
学ぶことの素晴らしさを学生に改めて感じさせるとと
もに、教育環境の整備をより充実させて、教育・研究
に対する学校全体の意欲の向上を図り、
「幅広い場で活
記念ホームカミングデー
平成25年10月26日
(土)、27日
(日)
両キャンパスで行われる高専祭当日に行われました。
躍する実践的・創造的技術者の養成」に更に力を入れ
て行くことが趣旨です。
各キャンパスで歴史年表パネルや震災復興プロジェク
トほかの展示を行いました。名取キャンパスでは卒業
仙台高専の名取キャンパスの桜並木は校舎を立てた
生から寄せられた仙台市地下鉄、震災関連等のパネル
当時に名取市議会議員有志の方が植えられたものと
展示や資料配布があり、広瀬キャンパスでは卒業生で
伺っています。野田山の周辺にはいまだ多くの緑を見
あるモンゴル国の教育・科学大臣であるロブサンニャ
ることができますが、名取とその周辺地域のご支援を
ム・ガントゥムル氏からの資料などを展示しました。
強く感じます。
これからの高専の50年を考えながら、学生・卒業生
記念コンテスト
そのほか地域に皆様と進んで行きたいと思います。関
在学生に呼びかけて、マスコットキャラクターコン
係者の皆様に重ねて感謝申し上げますと共に、ますま
テストが開催されました。現時点では、応募作品の審
すのご支援をお願い申し上げます。
祝 賀 会
OB による学生歌「無線放浪歌」斉唱
ホームカミングデーでの展示室の様子(名取キャンパス)
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愛島通信
■ №120
50周年によせて
助けられ助けて生きる絆
宮城工業高等専門学校 名誉教授 仙台高等専門学校 特命教授 庄司 彰
高専創設50周年おめでとうございます。私は宮城高
の増田川氾濫による大洪水、そして平成23年3月11
専の1回生が4年生の時、助手として赴任し40年間教
日の東日本大震災と3つの大きな震災を受けましたが、
員として教壇に立ちました。その後、ヤマセ電気㈱顧問、
増田川氾濫による大洪水では通学生約200名と教職員
文部科学省産学官連携コーディネーターとして奉職し
が野田山に取り残され、その日の夕食がなく、寮生が
ております。よく「宮城高専の最初の頃の学生は優秀
夜食用食糧を提供してくれたことなど助けられて 助
でしたね。」と聞かれます。当時は高等教育機関(大
けてでありました。教育研究面では高専祭のとき機械
学、高専等)に進学する学生は少なく、現在は多くが
工学科の展示で試作の蒸気エンジンが回らず、夜の9
高等教育機関へ進学する時代です。学生の質はそんな
時過ぎまで学生・教職員全員が残っていました。1回
に変わらないと思います。ただ1つ言えますのは教員
生の塩沢君(元トヨタ自動車)が学科棟を走り回って
と学生が一丸となって高専を良くしようと努力しまし
「動きました。」の声が今でも残っております。私の研
た。就職、進学、インターンシップすべて教員が企業
究室の学生では学会誌掲載や国際会議で採択された論
訪問してお願いしました。私は学科主任、主事、専攻
文が多くあります。このように学生・教職員が一丸と
科長、副校長を拝命し、全教員による学生指導、混合
なって取り組むことが高専の特徴で企業からも高く評
学級導入、専攻科創設、JABEE 審査5年認定などに
価されています。
携わりましたが学生、教職員のご協力の御蔭です。そ
今後とも50年間に築き上げた財産を切り崩すこと
の間、昭和53年6月12日の宮城県沖地震、平成6年
なく財産を増やしていただきたいと思います。
50周年に寄せて
専攻科 教授 鈴木
勝彦
本校に赴任してからも、しばらく、高専は高等教育
1年間、米国に在外研究員で滞在していたときも、高
機関の中でも少数派であり、まるで「ガラパゴス」に
専を高く評価する話を多く耳にしました。また、帰国
居るような感じをしていました。しかし、教員の募集
してから、滞在時に世話になった先生が、日本で国際
をすると、最近では国内からだけでなく海外からの応
会議があった時にわざわざ当時の宮城高専を訪問して
募もあり、人選に苦慮するほどになっています。また、
くれました。その分野で国際的にも非常に有名でノー
№120 ■ 愛島通信
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ベル物理学賞の候補にも挙がった先生なので大変驚
なしそうに見える学生でも、
「こだわり」をもった学生
きました。日本の高専に興味があったようです。また、
が実に多い。教員も普段着から、背広姿、白衣姿、カ
学生と絆プロジェクトで行ったベトナムでは、ベトナ
ラフルな服を着ていたり、作業着姿だったりと実に多
ム国家大学の学長は日本の高専を高く評価していまし
様。多様性を許容する校風があり実に楽しい。親しく
た。これらだけで判断はできませんが、決して高専は
なって話が弾むと教員も「オタク!」。
「ガラパゴス」ではないと、最近とみに感じます。
こういった校風は、実は私が学生だったころから
一方で、学生も教員も「オタク」が多いと感じてい
さっぱり変わっていないように思います。寮で過ごし
ます。こだわり、個性が強く、理工系集団の特徴なの
た生活、先輩、後輩、同僚と話したバカ話は今でも鮮
でしょうか。男子女子問わず学生も、ファッション雑
明に覚えています。色々と学校の体制やカリキュラム
誌から飛び出てきたような学生がいたり、高校の制服
が変わっていく中でも、こういった素晴らしい校風は
かと思うような服装をした学生がいたり、土木工事の
変わらないでほしいと感じています。
作業員風の服を着てきたり、行動にしても、一見おと
オタク結構、万歳!
昭和の末から
建築デザイン学科 教授 飯藤
昭和末期にかつての宮城高専に赴任した。当時から
戦後の高度経済成長を支える中堅技術者の養成という
の高専生の知・体・徳の変化について記してみようと
使命を終えた後である。企業30年説とも同調し、高
思ったところ、奈良高専に勤務されたある先生の論文
専は専攻科の上積みをし、高学歴化社会と歩調を合わ
を思い出した。その論文は1997年に「高専の教育と
せるべく舵を切った。創設時と比べれば、1990年代
研究」に掲載されたもので、学生の憂える学力の状況
の学生の読み書き計算能力は低下し、ゆとりと生きる
と高専の評価が低下する中で真の改革がなされていな
力で入学時の知識量も減っていた。それでも、中学生
いこと、そして教員組織の一員としての負い目が綴ら
の上位3割以上を受け入れてきた優位性は、バブル経
れている。
この論文が書かれたのは、高専発足後35年が経過し、
4月22日に行われていた遠足
6
將之
愛島通信
■ №120
建築学科1年の餅つき(高専祭)
済期の大量採用の反省を経て、団塊世代の後継者不足
萩花寮では若者本来のエネルギーが連綿と継承されて
問題解消の担い手となってきたように思う。
いる。
創設当初、高専では高度な技術教育がなされていた。
中教審答申以来、高専は好評を博しているかのよう
平成の大綱化を経て、教える内容は精選という妥協の
だが、いいことだけを発信する時代の錯覚に陥っては
一途である。しかし、時の経過は卒業者に求められる
ならない。個人的なことであるが、高専教員となり
資質も変えた。各論以外のものを吸収しなければなら
来年の夏で10,000日になる。伯楽ならざるがゆえ
ない今の若者を、過去の学生と単純比較することには
に、高専が不評であった頃を忘れず、自浄作用をもっ
意味を感じない。三神峯を巡礼した遠足や教員も参加
た「学校らしい学校」であるよう、自身の適性にあっ
したマラソン大会はなくなったが、文化部・運動部と
た役割を果たさねばと思う次第である。
思い出話と
これからの学生に期待すること
マテリアル環境工学科 助教 伊東 航
高専制度50周年おめでとうございます。私が本校の
め、常に新鮮な気持ちで勉学に励む事ができました。
学生の頃から読んでいた愛島通信の「50周年特集号」
ところで、私は今でこそマテリアル環境工学科の教
に、教員という立場で原稿を書かせて頂けることは大
員をしていますが、実は本校を受験した際の第一志望
変光栄であります。先に触れましたように、私は本校
は情報デザイン学科であり、材料工学科は第二志望の
の材料工学科および専攻科の卒業生であり、2年半前
学科でした。合格発表の当日はショックもありました
から本校マテリアル環境工学科に教員として赴任いた
が、材料工学科に入学するからにはそれが私に与えら
しました。
れた運命なのだろうと思い、必死に勉強しました。そ
少し思い出話をしたいと思います。私が入学した当
うするうちに徐々に材料工学の魅力にはまり、いつの
初(約16年前)は、現在とは全く異なる校舎でした。
間にか専攻科、大学院と材料研究を行う道に進み、最
ちょうど情報デザイン棟が完成したばかりで、現在の
終的には母校の教員として戻ってきていました。そん
形の総合棟も高学年棟も専攻科棟も専門棟もなく、ど
な私から学生の皆さんに伝えたい事は、困難から簡単
れも古い建物ばかりでした。教室のサイズは今より小
に逃げないという事です。これからの人生の中で何度
さく、ロッカーは廊下にあったと記憶しています。も
か転機が訪れる事と思いますが、例え希望する道に進
ちろん教室にエアコンなんてありませんでした。しか
めなかったとしても、そこで与えられた役割から逃げ
し、今考えると私が在学していた頃は宮城高専から仙
ず正面から向き合って下さい。必ず何か得られるもの
台高専になる変革期真っ只中だったようで、次々と新
があるはずです。
しい校舎が建っていきました(おそらく当時の先生方
最後に、これから学生の皆さんが学業的にも人間的
が施設予算要求の申請書を、お忙しい中一生懸命書い
にも魅力ある技術者になれるよう、微力ながらも力を
てくれたのでしょう)。幸運なことに私の学年はその
お貸ししたいと思います。一緒に新しい仙台高専の歴
数々の新しい校舎が建つ毎に使用することができたた
史を作っていきましょう。
№120 ■ 愛島通信
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学生の活動
全国優勝を目指して
柔道部 建築学科5年 遠藤 丞
中学校から始めた柔道は今年で8年目、その中でも
きているので、楽には勝てなかったものの、優勝する
高専でやってきた5年間はとても充実したものであり、
ことができました。主将となって挑んだ大会での優勝
自分にとってもかけがえのないものだと思っています。
は、今までの優勝とは一味違いました。また、このと
最後の1年は主将を任されましたが、自分が主将とし
きの胴上げは忘れられない思い出です。
てやっていけるかという不安と試合で勝たなければな
そして地元仙台での全国大会。目標の全国優勝を目
らないというプレッシャーでいっぱいでした。
指し、試合に臨みました。しかし結果は3位でした。
過去の主将の方々は、立派で主将としての威厳があ
とても悔しかったけれども、6年連続入賞できたこと、
りました。私には、主将としての威厳があまりないと
主将の役目を無事終えられたこと、そして最後の試合
思ったので、日々の練習での自分の姿から後輩たち
を地元の仙台でやることができてよかったです。
になにか感じ取ってもらえるよう努力し、後輩たちと
最後に、今までご指導して下さった平間先生、お世
積極的にコミュニケーションをとって、今まで以上に
話になった OB の方々、保護者の皆様には本当に感謝
チームワークをよくしていこうとしました。このよう
しております。
にして1年間練習してきて、私はこの仲間たちでなら
そして、こんな頼りない自分を支えてくれた5年生
全国優勝を目指せると思いました。
のみんな、ついてきてくれた後輩たちにも感謝してい
そして地区大会。地区大会は年々レベルが上がって
ます。本当にありがとう。
全国大会会場の宮城県武道館にて 運営に協力いただいた OB と一緒に
8
愛島通信
■ №120
陸上競技部
陸上部部長 建築デザイン学科3年 加藤
私たち陸上競技部は、基本的に日曜日を除いて毎日
練習に励んでいます。場所は主に高専のグラウンドや
坂道、岩沼や宮城野原の競技場です。また、さまざま
な大会にも積極的に参加しています。毎年高専大会を
はじめ、高校総体や高校駅伝、その他記録会など自分
の記録を0.01秒でも更新できるよう、日々努力して
います。
私は1年の時、何の迷いもなく陸上競技部に入部し
ました。その理由は、中学の時から始めた陸上競技
(110mH)で、東北大会に出場したいという目標が
あったからです。その目標を達成することなく終わっ
てしまった中学時代。そのとき必ず高校では東北大会
に行ってやる!という強い気持ちがあったので、他の
部活に入部するなんて少しも考えませんでした。
高専で陸上部に入部し、部活動が始まってから思っ
たことがあります。中学の時にいたコーチがこの部
活にはいませんでした。私はそこに不安を感じました。
コーチがいない部活で強くなれるのかと。しかし先輩
たちはとても真面目に練習していたので自分も頑張れ
るような気がしました。そして先輩たちから色々とア
ドバイスをもらうことができました。
そのような先輩たちが次々に引退していく中、あっ
丈博
という間に3年の高校総体がやってきました。その日
の私はなぜかとても自信がありました。3年間本当に
一生懸命やってきたので東北大会に行けるだろうと思
い、実際に行くことができました。高専大会でも2位
に入り全国高専大会出場を決め、たとえコーチがいな
くても目標がしっかりして、努力し続ければ強くなれ
るんだと本当に思いました。他の部員も去年より多く
の人が全国高専大会出場を決めましたが、来年はもっ
と多くの部員が行けると思います。行きます。その気
持ちを持ち続け、日々努力していくつもりです。
東北地区大会
最後の高専大会
剣道部部長 建築学科5年 相澤
2年生の後半から部長になり、3年が経ちました。
今年は5年生にして最後の高専大会ということもあ
り、今までとは違う緊張感が襲ってきました。東北地
区高専大会は自分達の第1試合で幕を開け、1試合目
から5試合目まで順調に勝ち進み、いよいよ最後は鶴
岡高専との試合でした。しかし最後の最後で惜敗して
しまい、東北地区では団体2位で終わってしまいまし
た。全国出場枠は開催地の鶴岡を含め3校と多く自分
達は全国出場がすでに決まっていたのですが、やはり
悔しさは拭えず自然と涙が溢れてきました。その気持
ちを忘れず全国では東北地区のような悔いを残さない
試合をしたいと思いました。
翌日の個人戦では、電気システム工学科3年の佐藤
颯太郎君が優勝、マテリアル環境工学科4年の立谷優
羽君が準優勝を成し遂げました。これで全国への出場
は男子団体、個人2人となりました。
8月18日の全国大会に向けて練習に一層身が入り
ます。毎日試合を想定して稽古に励み、いよいよ全国
大会の日がやってきました。予選は大島商船高専と超
強豪の高知高専です。
第1試合目は大島商船高専―仙台高専名取の試合で、
0
(0)
−1
(1)でなんとか勝利しました。
良祐
そして運命の第2試合目、高知高専―仙台高専名取
は4(5)−0(0)で見事に完敗しました。
自分の最後の試合であり、最後まで攻め続けたもの
のやはりレベルの差を見せつけられた気がします。後
輩たちもそのレベルの差を感じていることとは思いま
すが、その気持ちこそをバネにして、来年はぜひ優勝
してほしいと思います。
仙台高専剣道部、素晴らしい5年間をありがとうご
ざいました。そして後輩たちはこれからの部活動を悔
いの残らないよう精いっぱい頑張ってください!
東北地区大会会場にて
№120 ■ 愛島通信
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平成25年度(第50回)東北地区高専体育大会結果
注:東北地区大会個人種目は3位以内入賞者
競 技 ・ 種 目
氏 名
学校対抗男子
上
2位
男子100m
入賞者なし
男子200m
入賞者なし
男子400m
入賞者なし
男子800m
入賞者なし
男子1,500m
小黒 翼(M5)
男子5,000m
入賞者なし
男子110mH
2位
予選敗退
男子3,000m SC
佐藤直樹(PS3)
2位
男子4×100mR
浅野亮平(PA2)
・石幡進之介(M5)
・大畑瑛悠(PA4)
・
加藤丈博(PA3)
5位
男子4×400mR
小川裕也(PM3)
・加藤丈博(PA3)
・小黒 翼(M5)
・
伊藤亘輝(PE3)
4位
男子走高跳
入賞者なし
男子走幅跳
入賞者なし
男子三段跳
不出場
男子棒高跳
不出場
男子砲丸投
入賞者なし
男子円盤投
入賞者なし
男子やり投
沼倉寛人(PS4)
2位
24位
女子100m
安田志帆海(PS1)
2位
予選敗退
女子800m
佐藤愛理奈(PA1)
優勝
6位
女子100mH
佐藤愛理奈(PA1)
優勝
ソ
テ
フ
ニ
ー
ル
ト
ス
不出場
女子走高跳
不出場
不出場
星 歩美(A5)
球
女子やり投
星 歩美(A5)
女子やり投
成田有梨香(PS4)
10
愛島通信
3位
3位
女子
2位
男子
3位
女子
男子個人
予選敗退
3位
男子団体
予選敗退
亀井雄登(PS4)
・佐藤 諒(PE4)
女子個人
3位
三回戦敗退
不出場
予選敗退
男子シングルス
入賞者なし
男子ダブルス
入賞者なし
不出場
女子ダブルス
道
2位
男子
女子シングルス
柔
3位
不出場
男子団体
卓
女子4×100mR
女子円盤投
レ
ー
予選敗退
加藤丈博(PA3)
女子砲丸投
バ
ボ
3位
女子走幅跳
バスケット
ボ ー ル
全国大会
4位
学校対抗女子
陸
東北大会
不出場
男子団体
監督:平間哲雄、マネージャー:村上真純(PS3)
、
選手:遠藤 丞(A5)
、佐藤駿太(A5)
、志賀直仁(S5)、
佐々木豪也(PE4)、土田大樹(PE4)
、
南條颯斗(PE4)
、髙橋裕貴(PS4)
男子60㎏級
入賞者なし
男子73㎏級
入賞者なし
男子90㎏級
佐々木豪也(PE4)
優勝
3位
男子90㎏級
南條颯斗(PE4)
2位
一回戦敗退
男子90㎏超級
遠藤 丞(A5)
優勝
一回戦敗退
男子90㎏超級
佐藤駿太(A5)
2位
一回戦敗退
優勝
女子48㎏級
不出場
女子52㎏級
不出場
女子63㎏級
不出場
女子63㎏超級
不出場
■ №120
3位
競 技 ・ 種 目
男子団体
剣
道
氏 名
東北大会
全国大会
選手:相澤良祐(A5)、立谷優羽(PS4)、菅野 航(PM3)、
佐藤颯太郎(PE3)、松崎 翔(PE3)、
佐藤亜由夢(PS3)、伹野 絢(PE2)
2位
予選敗退
男子個人
佐藤颯太郎(PE3)
優勝
一回戦敗退
男子個人
立谷優羽(PS4)
2位
一回戦敗退
女子個人
不出場
2位
硬式野球
サッカー
3位
男子団体
テ
ニ
ス
男子シングルス
入賞者なし
男子ダブルス
嶺岸知輝(A5)
・秋元裕太(S5)
女子団体
ド
ト
ミ
ン
入賞者なし
女子ダブルス
境 七美(PS3)
・丸屋百花(PS3)
3位
3位
予選敗退
男子団体
2位
一回戦敗退
女子団体
2位
一回戦敗退
男子シングルス
入賞者なし
男子ダブルス
入賞者なし
女子シングルス
八巻里紗(PA4)
3位
女子ダブルス
八巻里紗(PA4)
・佐々木葵(PA4)
2位
女子ダブルス
府金由樹(PA4)
・村岡慶美(S5)
3位
学校対抗男子
一回戦敗退
4位
学校対抗女子
水
3位
3位
女子シングルス
ハンドボール
バ
ン
一回戦敗退
予選敗退
6位
男子自由形100m
相澤和嘉(PA4)
3位
辞退
男子自由形200m
小野寺謙(PA4)
2位
予選敗退
男子自由形400m
井上達仁(PS4)
3位
辞退
男子自由形800m
井上達仁(PS4)
3位
男子背泳ぎ100m
藤田武憲(D5)
3位
予選敗退
男子背泳ぎ200m
藤田武憲(D5)
3位
予選敗退
男子平泳ぎ100m
入賞者なし
男子平泳ぎ200m
入賞者なし
男子バタフライ100m
小原雅輝(PE1)
4位
予選敗退
男子バタフライ200m
小原雅輝(PE1)
優勝
6位
男子個人メドレー200m
入賞者なし
男子リレー400m
藤田武憲(D5)
・小原雅輝(PE1)
・小野寺謙(PA4)
・
相澤和嘉(PA4)
4位
男子リレー800m
井上達仁(PS4)
・小原雅輝(PE1)
・小野寺謙(PA4)
・
相澤和嘉(PA4)
3位
男子メドレーリレー400m
藤田武憲(D5)
・佐竹優貴(PE4)
・小原雅輝(PE1)
・
相澤和嘉(PA4)
4位
泳
女子自由形100m
不出場
女子自由形200m
不出場
女子背泳ぎ50m
入賞者なし
女子背泳ぎ100m
白石眞子(PS3)
3位
女子平泳ぎ100m
不出場
女子平泳ぎ200m
不出場
女子バタフライ50m
不出場
女子バタフライ100m
不出場
女子リレー200m
不出場
女子リレー400m
不出場
女子メドレーリレー200m
不出場
注1)アンダーラインの種目は全国大会にはない種目
注2)団体戦の氏名は全国大会出場時
№120 ■ 愛島通信
11
水泳部の活動
水泳部 情報デザイン学科5年 藤田
武憲
水泳部は主に学校のプールを中心に活動しています。
最後に、僕は特に優れた選手でもなく、部員で一番
しかし、気温的にプールに入ることのできない冬から
頑張る訳でもない普通の部員でした。でも、自分の中
春にかけては、筋トレを中心にしたり近くの温水プー
で5年間部活を続けて大会に出たことは誇ってもい
ルに泳ぎにいったりします。活動時間は2時間前後で
いことだと思います。なにかを途中でやめようと思っ
す。練習は他の部活のことをよく知っている訳ではあ
たときにとりあえず続けてみることもいいと思います。
りませんが、練習は厳しいほうだと思います。その水
きっといいことがあると思います。
泳部で5年間やっていたのですが、正直大変でした。
顧問やコーチのみなさん、水泳部のみなさん、そし
今年の地区大会。大会のために上級生は力をつけ新
て応援してくださったみなさんありがとうございまし
入部員はその先輩についていくような形で日々の練習
た。これからも水泳部のことをよろしくお願いします。
に励んでいました。その中で自分も頑張って練習して
いました。大会の当日ですが、自分の力に自信がな
くて不安でいっぱいでした。下級生の時とは違った緊
張がそこにはありました。最高学年にもなって緊張し
ている様子なんて見せられないので、余裕の表情をし
ていました。そんな時に、後輩がレースの中で結果を
ちゃんと出しているのをみて、自分もがんばろうと
思いました。そんなことを思っているうちに緊張はす
でに消えていました。おかげさまで僕の成績は背泳ぎ
100m と200m で全国大会に進むことができました。
5年間続けて本当に良かったと思いました。
名取と広瀬 両キャンパスの集合写真(東北地区大会)
名取と広瀬
80分間の価値
サッカー部 マテリアル環境工学科3年 迫中
記憶に新しい真夏の5日間、全国高専大会を終えて、
ました。結果は1回戦敗退と悔いの残るものになって
5年生の先輩方がこのサッカー部を引退しました。グ
しまいましたが、プレーや声援で部員全員がひとつに
ラウンドに吹く風に季節の移り変わりを感じるように
なったこの全国大会で、かけがえのない時間を過ごす
なった今、先輩方の存在がどれだけ大きなものだった
ことができました。
かを改めて実感しています。
私たちサッカー部は、5年生の先輩方と共に過ごし
8月の中旬、グラウンドを焼き付ける強い日差しに
た日々を糧に、新たなキャプテンの下、練習に励んで
暑さもピークに達した頃、私たちサッカー部は全国大
います。私自身もサッカー部のマネージャーとして、
会へ出発しました。
有意義な練習や価値のある試合をサポートできるよう、
炎天下のなか迎えた小山高専との初戦、仙台高専は
日々精進していきたいと思います。
冒頭から攻めのプレーで開始早々に小山高専から一点
を奪いました。その後も果敢に攻め続けてゲームの主
導権を握ったものの、前半戦終了間近に一瞬の隙を突
かれ、小山高専から一点を奪われました。後半戦もな
かなかチャンスを生かしきれず、時間だけが経過しま
した。そして、選手たちのプレーにも焦りが見られ始
めた時、小さなミスの連鎖で小山高専に追加得点を許
し、その後も選手全員が1秒でも長くこのチームで
戦うために全力でプレーを続けましたが、無情にも得
点を返せないままに試合終了のホイッスルが鳴り響き
12
あやめ
愛島通信
■ №120
11人の意
硬式野球部
硬式野球部 建築デザイン学科4年 小野田
有里
去年秋に行われた高専大会新人交流戦。10名という
う高い目標を掲げ更に練習に励みたいと思います。
本当に少ない部員のチームではありましたが1、2回
最後に大雨の影響により2日も順延になりましたが、
戦を順調に勝ち上がり迎えた決勝では、強豪秋田高専
遠い所応援に足を運んで下さった保護者の皆様、OB
に7対8で惜しくも敗れ、大変悔しい思いをして帰っ
の方々、そして監督、笠松先生に心から感謝致します。
てきました。その思いを胸に、
「次は必ず優勝」という
目標を掲げて日々練習を重ねました。
少ない人数ではありながら、それを全員の団結でカ
バーすることでチームの信頼関係を築き、万全の状態
で2013年の夏を迎えることが出来ました。
初戦八戸高専、二回戦一関高専を打破し、迎えた決
勝は対鶴岡高専。序盤3点を先制されましたが、我が
チームも幾度かチャンスを作るものの、最後の1本が
出ず、唯一の得点もキャプテン・星の本塁打1点で終
わり、4対1で惜敗しました。エース佐藤の連投が重
なったのが痛かったです。試合を終えてみて改めて優
勝することの難しさとチームワークの大切さを学びと
ることができました。来年こそは、全国大会出場とい
決勝戦のベンチ前でのミーティング
今、思うこと。
男子バレーボール部部長 材料工学科5年 大場
大地
まさかの予選敗退から1年が経ち、自分たち5年生
今までお世話になった顧問の先生方には本当に感謝
の最後の高専大会を迎えました。この1年間は長いよ
しております。これからも、男子バレー部をお願いい
うで、とてつもなく短い1年間になりました。
たします。そして、部員の皆様、こんな自分勝手な部
私が部長になり同学年の2人に支えてもらいながら、
長に1年間耐えてくれてありがとう ! おかげで楽し
私の考えていることを好き勝手にやらせていただきま
かったです。残りのバレー人生を楽しんで。
した。そのなかでも大切にしていたのが“全員が練習
学生の皆さん !! これからの男子バレー部は、春高
に参加できる”と、
“全員がバレーボールのことを好き
バレー宮城県代表決定戦という大会で4年ぶりにベス
になれる練習をする”の2つです。この2つのことを
ト8に入った人たちが最上級生としてがんばっている
守った練習を考えることがとても難しく、守れないこ
ので、是非 ! 期待して応援してください ! 必ず、す
とも多々ありました。しかし、このことを意識しなが
ごくいい成績を残してくれると思います !!
ら練習をしていたら、部員たちが " いい意味 " で楽し
そうに練習をしているな、と感じることができるよう
になり、続けてきてよかったなー、と思っています。
その反面、私がもっと厳しくできなかったため部を
締めることができず、結果として弱くなってしまいま
した。今はそのことにとても後悔し、部員や顧問の先
生方に大変申し訳なく思っています。
その結果、最後の大会では3位でした。あと1勝す
れば部員全員で目標としていた全国大会に出場できた
ので、とても悔しく思います。が、残っている部員た
ちが、次の高専大会や他の大会でがんばってくれるだ
ろうと信じているので、今は来年が楽しみです。
東北地区大会
№120 ■ 愛島通信
13
高専大会を終えて
硬式テニス部 材料工学科5年 秋元
裕太
今年の高専大会は、団体戦は男子が予選敗退、女子
が3位、個人戦は男女共に最高3位という結果に終わ
りました。個人戦では、全国大会まであと1勝に迫り
ながらも、目標の全国大会には届きませんでした。
ば、大きな進歩だと思います。しかし、今のままでは
全国大会に届かないことも事実です。一人ひとりが今
以上に考えて行動し、もっと上手になって、来年こそ
は全国大会で活躍してください。応援しています。
男子ダブルス準決勝。全国大会が懸かったこの試合
は、互いにマッチポイントを握り合う展開となりまし
た。しかし、あと1点が遠く、最後は私がボールをネッ
トに掛けてしまい、5年生は引退となりました。試合
終盤の競った場面で、弱気なプレーをしてしまった
ことを今でも後悔しています。最後の試合に負けてし
まったことはとても悔しいです。でも、大会を通して
沢山の人に応援していただきました。あんなに沢山の
応援の中で何かをすることは、この先ないと思います。
最後になりましたが、今まで指導してくださった先
生方、先輩方、最後まで私を助けてくれた同級生、頼
りない部長に付いてきてくれた後輩に心から感謝して
います。本当にありがとうございました。
あの応援の中で試合ができたことだけでも、この5年
間は価値のあるものだったと感じています。
今年の大会では、後輩達の頑張る姿を数多く見まし
た。そんな後輩達のことを、とても頼もしく感じてい
ます。全国大会には出場できなかったものの、男子は
団体戦で全国大会出場校に勝ち、女子は全員1勝以上
しました。全員で1勝しかできなかった昨年と比べれ
東北地区大会
世界一の幸せ者
女子バレーボール部 材料工学科5年 安藤
「ピーッ」という笛の後、ボールは私の数センチ前に
バレーに興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ
落ちました。試合終了です。最後の大会は、準決勝で
一度練習を見学してみてください。学年・学科問いま
秋田高専にフルセットの末に敗れ、第3位という結果
せん! 初心者でも大丈夫です! 現在プレーヤー大
で幕を閉じました。
募集中です!
5年間の部活動を終えて、今思うことは「女子バ
最後に、こうしてとても素敵で貴重な経験が出来た
レー部に入部して本当に良かった」ということです。
のも、今までこの部に関わりを持ち、支えてくださっ
時には“自分のやりたいバレー”と“女子バレー部の
た全ての皆様のおかげです。本当にありがとうござい
バレー”の間に違和感をもち、悩んだこともありまし
ます。そして、これからも可愛い後輩たちが頑張って
た。というか、悩んだ時間の方が多かったと思います。
いる姿を温かく見守っていただきますよう、よろしく
しかし、その悩んだ時間の多さ以上にとてもキラキラ
お願い致します。
した最高の宝物を部活動で得ることが出来ました。そ
れは、仲間です。ずっと一緒に練習してきた里穂、史奈、
可愛い後輩達、素敵な OG の先輩方、男子バレー部
のみなさん、他校のバレー部、そしていつも寛大な心
で私たちを受けとめてくれた遠藤先生と青木さん。こ
の最高の仲間に出会えて、私はとても幸せです。私は
世界一の幸せ者だと胸を張って言えます。入部当初は、
こんなにも部活を大好きになるとは想像も出来ません
でした。でも今は、女子バレー部のことが大大大好き
なんです。
そして、その大好きな女子バレー部が現在プレー
ヤー6人という厳しい状況にあります。もし少しでも
14
成美
愛島通信
■ №120
私の宝物
全国大会を終えて
男子バドミントン部 マテリアル環境工学科4年 猪股
今年の夏は高速に忙しかった。前期中間試験が終
わってからは、高専地区大会に向けて部活に集中して
取り組んだ。今年は全国大会の主管校に名取キャンパ
スがなっていて全国大会の枠は決定しているが、地区
大会で優勝して全国に行きたかったので練習は気を抜
かずに取り組んだ。しかし、結果は団体戦が準優勝で
優勝することはできず、さらに個人戦では自分が熱中
症のような症状になり両足がつり、シングルスとダブ
ルス両方棄権という凄惨な結果になってしまった。
地区大会が終わってから全国大会までは1ヶ月あっ
たので地区大会での反省を生かして練習に取り組んだ。
しかしインターンシップもあり、部活に行ける時間は
多いとは言えなかった。さらに主管校の部長として選
手宣誓も任されていたので精神的にもすごく追い込ま
れていた。
大起
しかし自分たちのために大会運営に力を注いでいる
顧問の先生のためにも、ここで折れずに頑張ろうと
思った。
そして全国大会が始まった。開会式では選手宣誓を
間違わずに言うことができたのでとりあえず一安心し
た。初の全国大会の試合では、全国のレベルを実感し、
自分たちの実力が不足していることを痛感させられた。
しかし最終日のシングルスではなんとか勝利すること
ができ、全敗することは避けられたのでよかった。
最初は主管校枠で全国に出場することも選手宣誓に
もすごく抵抗があった。しかし、実際に全国大会を経
験して自分が来年全国へ行くためには実力が不足して
いるということがわかったので、いまでは出場してよ
かったと思える。来年こそ実力で全国に行けるように
がんばりたい。
バドミントン
女子バドミントン部 材料工学科5年 村岡
地区大会の団体戦は波乱の展開で、相手の棄権によ
り初戦から決勝になりました。結果としては2−1で
惜敗。あと一歩及ばずといった感じでした。ダブルスは、
八巻・佐々木組が2位、府金・村岡組が3位。シング
ルスは八巻が3位という結果でした。団体戦で優勝し
て後輩たちにメダルをあげたかったのですが、それも
叶わず、とても悔しい気持ちでいっぱいでした。
1か月後の全国大会。仙台市体育館という馴染みの
場所でのおかげか、選手は万全の態勢で臨むことが出
来ました。団体戦、個人戦ともに結果は惜敗でしたが、
どの試合も次に繋がる良い試合だったと思います。
今回の大会を通して、全国は近いようで遠い位置に
あると痛感しました。また、後輩たちの成長を間近で
感じることが出来ました。怪我をしながらも試合に挑
んでいく姿、かなり格上の相手にも物怖じせず突き進
んでいく姿、それから、一丸となって試合を応援して
いる姿など。選手・マネージャー・サポートと、それ
ぞれ役割は違いますが、
「みんなで試合を勝ちに行って
るな」と実感しました。それは、私の理想のチームで
あり、仙台高専名取バドミントン部の伝統でもあるの
で、試合中、嬉しくもあり、胸が熱くなる思いでした。
バドミントン部で過ごした5年間は、振り返ってみ
れば想像以上に楽しく、中身の濃いものでした。とて
も個性豊かな先輩や後輩たちと一緒にやってこれて本
当に良かったなと思います。学んだこと、感じたこと
はとても沢山あるのですが、その中でも一つ。
困ったときは周りを頼ること。これは、2年くらい
実力が伸びず、悔しくて、でも現状は変わらなくて葛
藤していたときに先輩が教えてくれました。それまで
慶美
の自分は、一人で全部こなしていくことが強さに繋が
ると思っていました。しかし、このアドバイスのおか
げで目が覚め、周りのこと頼っていいんだな、むしろ
悩んでずっとうじうじしてる方がカッコ悪いし、弱い
なと知りました。それ以降は、自分のプレーで悩んだ
ときにはいろんな人にアドバイスをもらったり、練習
したりしながら乗り越えることができました。後輩た
ちにも、これが伝わるように今まで活動してきたつも
りです。
最後に、今まで支えてくださった OB・OG の方々、
コーチ、顧問の先生方、特に野角先生には大変お世話
になりました。高専でバドできて、本当に良かったです。
ありがとうございました。
そして、後輩たち。いつも突っ走って暴走気味な私
に文句も言わず、ついてきてくれてありがとう。学年
ひとりでもやってこれたのは、本当にみんなのおかげ
です。だんだん忙しくなってくると思うけど、みん
なでバドできるのは今しかないから、全力で楽しんで
ね !! 活躍期待してます。
男女バドミントン部 全国大会
№120 ■ 愛島通信
15
高専大会を振り返って
ソフトテニス部 マテリアル環境工学科2年 渡邊
私達ソフトテニス部は、1年生2人、2年生2人、
3年生1人、4年生3人の8人4パートで地区予選に
出場しました。1日目の団体戦、仙台高専はいきなり
優勝候補である八戸高専と福島高専と同じブロックに
入ってしまい、どちらの試合も惜しくも負けてしまい
ました。しかし、団体に出場したメンバーは大健闘
し、その姿は本当に格好よかったです。2日目の個人
戦、私を含めた3ペアは1回戦で敗退してしまいまし
た。残りの1ペアは4年生のペアで、準決勝まで進む
ものの、アクシデントに見舞われ、あと一歩というと
ころで負けてしまいました。ですが、3位決定戦で勝
利し、見事入賞して全国大会の出場権を獲得しました。
全国では、4年生ペアがベスト8という成績を残しま
した。
大会を通して、先輩方のすごさ、格好よさを改めて
感じたと同時に、私達後輩も頑張って、先輩方のよう
になりたいと思いました。そのために、私達1、2年
生は一番近い大会である新人仙南予選で団体優勝をし、
1つでも多くのペアが県大会に出場できるように、全
友章
力で戦ってきます。
先輩方、本当にお疲れ様でした。先輩方から教わっ
たことを忘れずに、新チームとしてこれからの部活を
盛り上げていきたいと思っていますので、これからも
応援よろしくお願いします。また、私は来年の高専大
会も、先輩方と出場したいと考えているので、4年生
で引退せず、5年生でも出場してくれる方が1人でも
いることを願っています。
遠征メンバー 集合写真
高専大会の思い出
ハンドボール部マネージャー 機械システム工学科3年 岩間
創部間もないハンドボール部は、今年度、悲願の全
国大会出場を果たしました。
思えば3年前、廃部となっていたハンドボール部を、
部活用品もまともにない、コートは震災の工事で使え
ないという劣悪な練習環境から、部員一同卒業した先
輩方と共に一丸となって、一歩一歩必死に立ち上げて
きました。練習環境を整えながら、基本となる練習を
積み重ねつつ、練習試合や合宿も必死でこなしながら
競技力アップに打ち込んできました。
今年の全国大会は、八戸が会場のため、全国枠が2
枠あり、全国出場へのまたとない好機でした。そんな
中挑んだ予選で1位通過は叶わず、2位通過という結
果に。しかし主催校の八戸が2位となり、枠が3位ま
でとなりました。ここで勝てば、全国大会出場。
試合開始早々、ポイントゲッターが完全マークされ
ましたが、日々の練習の成果で、チーム全員が力を合
わせ点を取りました。前半は3点差で終了。しかし試
合終了が迫るにつれ見えてきた、スタミナと集中力の
限界。とうとう5点差になった。またもや秋田の勝利
か。しかしラスト5分で点が入りだし、なんとラスト
2分で同点。試合終了が差し迫る中、冷静にパスを回し、
ラスト30秒で部長のシュートが決まる。これで逆転。
湧き上がるギャラリー。しかしここで秋田も諦めませ
ん。残り5秒で秋田が絶対的なフリーのチャンスを得
16
愛島通信
■ №120
遥香
て同点ゴール……かと思われましたが、普段は頼りな
いキーパーが見事にセーブ。それと同時に試合終了の
笛が鳴りました。皆で泣いて喜びました。この逆転劇は、
どんな試合よりもハンドボールが本当に面白いと感じ
た試合でした。
必死でもぎ取った八戸での全国大会ですが、リーグ戦
で敗退し決勝トーナメントに進出できなかったという
不本意な結果になりました。しかし、全国大会の雰囲気
を感じ取ることができ、貴重で大きな体験ができました。
来年は1枠しかありませんが、絶対に東北地区大会で
優勝し、全国大会でも勝利したいと思っています。
対豊田高専での加藤選手のシュート
5年間を振り返って
女子バスケットボール部 材料工学科5年 小野
瑞希
私が女子バスケットボール部に所属していた5年間
底から抜けようと頑張ってやっとチームが安定し始め、
様々な事がありましたが、結局思い出すのは最近の出
私もなんとなく部長のような存在になり始めました。
来事ばかりで今までなにしてたのかなぁと思います。
10月に季節外れの新入部員が加わり、いい刺激を受
1年生の時は毎日ひたすら家から学校を往復する生
けつつ迎えた春休み。忘れもしない春合宿。この合宿
活で、部活も戸惑うことばかりでした。仲良くなりた
がチーム完成のきっかけでした。私達に足りなかった
いと思っていた先輩方と会話し始めたのも冬休みから
のは相手に踏み込むことと笑顔だったのだと気付かさ
でしたし、この頃の私はつまらない後輩だっただろう
れました。それからは負けっぱなしの試合にも勝てる
なと思います。
ようになり、東北大会優勝が目指せるチームに近づき
生活に余裕ができてきた2年生。勉強は嫌でしたが
ました。
部活は楽しかったですし、初めて後輩というものがで
そして迎えた5年生、そして高専大会。結果は2位
き、嬉しく思ったのを覚えています。
でしたが、皆の頑張りと気持ちでもぎ取った壮絶な2
3年生、この年が一番大変でした。3/11の大地震
位でした。全国に行けないのは残念でしたが、4年間
のせいで仙台から片道320円の電車賃を払って広瀬
の3位を塗り替えての2位だったので本当に嬉しかっ
まで行き、体育館を借りて部活を行っていました。東
たですし、試合内容にも満足しています。
北地区高専大会まで時間がない中、焦りながらも大丈
こうして5年間を振り返ってみて「昔○○で良かっ
夫だと思っていた結果、涙を流すはめになり、最後に
た」でなく「最後○○で良かった」という思い出で本
残ったのは部長という肩書でした。晴れて3年生で部
当に良かったと思います。2年前の私ではこうはなら
長となった私は結果的にこの1年を無駄にして、4年
なかったと思います。これも指導して下さった顧問の
生となり大会を迎えました。思えば本当に馬鹿なこと
浅田先生、伊藤先生、そして支えてくれた皆のおかげ
をしたし、特に後輩には本当に迷惑をかけました。で
だと思います。本当にありがとうございました。来年
もある意味ここで失敗して底を知ったことで、変わり
の大会は2試合目からなので、しっかり準備して全国
たいと思えたのかなと今だから思います。
へ行って下さいね!
そんな感じで4年生、東北大会では3位でしたが、
笑顔の女子バスケ部、今年の東北地区高専大会にて
№120 ■ 愛島通信
17
学生会執行部から
∼スポーツ大会 2013 ∼
学生会執行部 電気システム工学科2年 中村
今年も5月14日(火)・15日(水)の2日間に渡り、
スポーツ大会が行われました。スポーツ大会といえば、
新学年を迎えて最初にある学生全員が参加するイベン
トです。
2年生は新しいクラスのみんなと仲良くなる機会で
幹汰
1位
2位
3位
サッカー
PE3
PM4
A5
バスケ
E5
PM4
S5
卓球
PS4
PE4
PM2
バレー
PM3
A5
PE3
す。また、1年生にとっては入学してから最初のイベ
ントです。このスポーツ大会を機にクラスのみんなと
総合優勝は総合得点659点で機械システム工学科4
交流し仲良くなる機会です。また、先輩や他のクラス
年、準優勝は642点で昨年度総合優勝の電気工学科5
の人たちと交流できる機会でもあります。5年生は宮
年、第3位は電気システム工学科3年でした。
城高専生時代の5学科として最後のスポーツ大会とな
りました。そして、今年は専攻科の方々も参加された
のでよりいっそう全学生の交流が深まりました。その
ため今年は例年とは違い1年生から5年生、専攻科1、
2年生までと幅広い年齢の人が集まって開催されまし
た。
今年はサッカー、卓球、バスケットボール、バレー
が行われ、エキシビジョンとして長縄跳び、のだラリー、
のだコレが行われました。幸いにも今年は2日間とも
サッカー
に晴天でスムーズに競技が行われました。最終結果は
今年のスポーツ大会で大きな活躍が見られたのが第
次の通りです。
4位タイの建築デザイン学科2年です。唯一全競技で
決勝トーナメントに出場したクラスで、大きく躍進し
ました。また、縄跳びなどのエキシビジョンでは、1
年2組が大きく点を稼ぎ活躍しました。この他のクラ
スでも全員で一致団結して全力でプレーする姿が見ら
れました。
これからも全学生が楽しく参加できて盛り上がるよ
うなスポーツ大会を続けていけるように頑張っていき
たいです。
バスケットボール
18
愛島通信
■ №120
オープンキャンパス
機械システム工学科
機械工学科5年 西浦
和孝
3D プリンタの動作音が響く多目的実験室。普段
「エンジン解体ショー」は学科一の人気ブースであ
は伊藤(昌)先生の指導する声が響く実験室も、今日
る。原付のエンジンが徐々にバラバラになっていく様
は見学に来た中学生でひしめき合っている。オープン
子に見学者たちは目が離せない様子だった。
「翼断面の
キャンパスの午前中は見学に来た方々への説明会が開
空気の流れ」、「光弾性実験」、「音反応ロボット」、「粘
かれる。
塑性流体の振動」などの機械科らしい出展のほか、
「遊
「
『機械』ってなんだと思いますか?」
星歯車ペーパークラフトの制作」は子供たちに大人気
学科の説明役に抜擢された僕は、熱心に耳を傾けて
であった。
「似顔絵制作体験」などは、近年機械工学で
くれる中学生相手に偉そうに声をかける。正直、機械
も不可欠となってきている情報分野の技術を体験する
科の学生であってもこの定義を正確に言える者は少な
ものだ。
いかもしれない。
僕の担当したブースは「ロボット操作体験」。クモの
「機械とは、『動力』をもって仕事をする道具を言う
ように地面をはって4足歩行をするロボットの動作を
のです」
披露するのである。プレステのコントローラで動くロ
だから人間の力で動かすはさみやペンは機械ではな
ボットに、見学者たちは興味津々の様子であった。ロ
く機器というのである。僕が中学の時に機械工学科を
ボコンをやりたいと言う中学生からは質問攻めにあっ
志望したのは、単に飛行機や鉄道に興味を持っていた
たが、メカトロニクスは畑違いの僕にとって、突っ込
からだ。だが実際、機械の範囲はものすごく広い。身
んだ質問をされると回答に窮してしまった。機械工学
の回りにはたくさんの「機械」にあふれている。その
の幅広い知識をもつことは技術者として大事だと感じ
機械を設計し、作り、維持する技術を学ぶのが機械シ
た。
ステム工学科である。限りある時間で「機械システム
専門知識のない方相手に、技術的な話をすることは
工学科」の全貌を掻い摘んでプレゼンすることは実に
難しい。その点では、オープンキャンパスにおける、
難しいものだ。
来場者との会話一つとっても貴重な経験となった。今
機械システム工学科のオープンキャンパスは、さま
回来場された中学生が「機械」に興味を持って本校へ
ざまな実験を通じて「機械工学」の学習内容を体験で
の入学を志し、将来の日本のモノづくりを担う技術者
きるように構成した。午後からの学科展示は機械の特
となる決意を持ってくれたらと願う。
色ある展示を行った。
執筆者による学科説明
エンジン解体ショーの様子
№120 ■ 愛島通信
19
電気システム工学科
学生も楽しむオープンキャンパス
電気工学科5年 寺島
今回のオープンキャンパスで、私たち電気システム
るということを伝えられたのではないかと思います。
工学科は様々な催しをしていました。ある研究室では
オープンキャンパスは、ただ遊ぶのではなくて仙台高
ピコ水力発電の模型を、ある研究室では自転車を使っ
専で学ぶことの面白さや素晴らしさを伝えて、来てく
た発電装置を、はたまたソーラーカーやラジコンを動
ださった人たちに入学してもらうことが目的です。今
かしている研究室も、パンチングマシンを展示してい
回のオープンキャンパスを通して、来てくださった人
る研究室もあり、オープンキャンパスに来てくださっ
たちにちょっとでも興味を持たれ、楽しそうな顔を見
た人たちも、私たち学生も楽しんで参加出来たのでは
られたのならば、このオープンキャンパスは決して無
ないかと思います。
駄なことではなく成功したものと思っていいはずです。
そのような中で、私たちの研究室ではほかの研究室
かくいう私も入学前にオープンキャンパスに参加し、
と合同で液晶ディスプレイと PC の分解を行いまし
そして入学して今では5年生になっていますが、あの
た。この分解は来てくださった人たちと学生が協力し
時も楽しんで参加した記憶があります。あの頃も自分
て行い、普段見ることのできない液晶ディスプレイや
の入りたい学科の催しを見て、楽しいものでなかった
PC の中身を思う存分分解し、見てもらおうという試
なら、もしかしたら電気工学科に入っていなかったか
みで行いました。こういった催しは電気システム工学
もしれないし、最悪の場合高専にも入学していなかっ
科で初めてだったようで、参加してくれる人がいるか
たかもしれません。おおげさかもしれませんが、オー
どうか正直かなり不安でしたが、いざ蓋を開けてみる
プンキャンパスは参加してくれた人たちの未来や夢に
と思った以上に参加してくれる人がいたのでとても嬉
関わる大切なイベントだと私は思います。そのため楽
しく思いました。
しむ、楽しませることはオープンキャンパスで一番重
この仙台高専に入学したいと思っている人たちは、
要なポイントだったと言えます。
オープンキャンパス中に話を聞いてみると、やはり専
参加した学生は自分たちも含めて楽しむことが出来
門分野の勉強が難しそうといった不安の声をあげてい
ましたか? 楽しむことが出来たのならば、参加した
ましたが、オープンキャンパスを通して、専門的なこ
ことに対して胸をはっていいと思います。
とを学ぶとこんなにもすごいことができるようにな
電気システム工学科の紹介 ∼液晶ディスプレイ、PCの分解を体験しながら∼
20
康平
愛島通信
■ №120
オープンキャンパスにて
マテリアル環境工学科
材料工学科5年 大坂
悠平
今年のオープンキャンパスは、
「中学生に楽しんでも
安もありました。けれども、無事準備を終えオープン
らう」ということをテーマにしようということで始ま
キャンパスを行うことができたのは、先生方の協力が
りました。探偵モノにしたいということで、とりあえ
あっての事だと思います。ムービー撮影に関わってい
ず学科の先生に失踪していただきました。私たちが刑
ただいた先生方や、化学実験のアドバイスを下さった
事に扮し出演した自主制作ムービーを中学生に観ても
先生方には、本当に感謝しています。
らい、またその失踪した先生を探してもらう。その中で、
当日は、中学生だけでなくその親御さんまでとても
高専の楽しさやマテリアル環境工学科の良さを知って
楽しんでくれている様子でした。ムービーに関しては
もらおう。という内容です。正直、私は今までにない
若干スベってる感が否めませんでしたが、真剣にマテ
物ができるのではないかと思い、とても期待に胸を膨
環について質問してくださる親御さんや、目を輝かせ
らませていました。
て実験を見つめる中学生を見て、私はとても嬉しくな
しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。
りました。今までにない物を作ることが出来たと思い
準備する内容が多いので、日程的にも常に切羽詰まっ
ます。
た状態で、さらに凝ったものにしようとするあまり話
学生生活もあと半分ですが、残りわずかなクラスで
し合いがうまく進まず、意見が割れたりもしました。
のイベントをいい形でしめることができました。この
私は企画する立場として、準備をオープンキャンパス
経験をずっと忘れずに、残りの一日一日を噛みしめて
に間に合わせる事ができないのではないか、という不
過ごして行こうと思います。
実演実験の様子
体験化学実験
№120 ■ 愛島通信
21
建築デザイン学科
2度目のオープンキャンパス
建築学科5年 海和
宗人(熊谷研究室)
今年もオープンキャンパスの時期がきました。
何とか準備も間に合い、迎えたオープンキャンパス。
例年建築学科は4年生が主体でオープンキャンパス
午前は建築デザイン学科の紹介が中心でしたが、午後
に取り組んできました。今年は、私たち5年生が主体
からはいよいよ体験教室です。準備してきたことが成
で取り組ませてもらうことになりました。昨年の活動
功するか不安でした。午後の部の開始から徐々に人が
の反省を生かしつつ、新たなことに挑戦したいと考え
来はじめ、椅子づくりは中学生の皆さんに気に入って
ました。短い時間でも建築デザイン学科について興味
もらえたようで、予定していたブースの範囲では足り
を持ってもらい、来てみてよかったと思えるようなも
ず、展示スペースを借りて2か所に分かれて行うほど
のにしたいと考え、今年は昨年好評だったせっけい倶
の大盛況でした。せっけい倶楽部も家族連れが多く訪
楽部体験に加えて、新たに椅子の模型づくり体験を実
れ、親御さんも関心を持っていただけました。
施しました。
大盛況で終えた1日目。明日はさらに多くの中学生
なぜ椅子づくりにしたのか。それは建築家でも建物
に来てもらいたいと、椅子づくりのスペースの拡大や、
の設計だけでなく家具の設計をすることがあり、建築
レクチャーする担当学生を増やすなどして対応しまし
についての前知識が無くても触れることができると考
た。2日目も多くの中学生が体験に来てくれました。
えたからです。それぞれ担当を分け、授業や研究活動
5年生で各自が進路を決めはじめる時期に、オープ
の合間に準備を行いました。せっけい倶楽部は昨年度
ンキャンパスで新たに取り入れたことが、目に見えて
のマニュアルを参考にレクチャーできますが、椅子づ
結果に出て、私たちにとって自信になりました。私た
くりは新たな試みゆえ、模型として作る椅子探しや設
ちが卒業した後も、建築デザイン学科に夢を持った学
計図面に起こすことなど1からのスタートでした。実
生が途絶えることのないよう、これからのオープン
際の椅子の写真や図面を参考にしながら、模型材料を
キャンパスも良い経験のできる機会にし続けてくれる
切り出す寸法や数を決め、作り方を示したテキストを
といいと思います。
準備しました。
椅子の模型づくり体験コーナー
せっけい倶楽部の体験コーナー
22
愛島通信
■ №120
インターンシップ
インターンシップ活動報告
機械システム工学科
機械システム工学科4年 渡邉
将伍
私はインターンシップで東北交通機械株式会社に行
2万5千ボルトの電圧が流れているため、危険回避の
かせていただきました。東北交通機械は主に新幹線や
ための表示板がありました。また、線路の付近では左
地下鉄の検査修繕、改良等を行っている会社です。本
右前方の指差・声だし安全確認などが徹底されており、
社は仙台市内にありますが、利府新幹線車両基地、富
とても感心しました。新幹線車両もまた、安全に走ら
沢地下鉄車両基地が主な現場となっています。
せるために細かなところまで検査修繕を行います。作
私はその現場において、新型現行新幹線 E5系「は
業員の皆さんは、いかに効率よくそれらの検査修繕を
やぶさ」の検査修繕や検査修繕設備の点検等をさせて
行うかなど細かい予定表に沿って作業を進められてい
いただきました。特に今回はタイミングが良く、新型
ました。
現行車両 E6系「スーパーこまち」の新車搬入作業に
今まで乗ったことしかなかった新幹線やその検査修
立ち会うこともできました。新車は仙台新港から前の
繕設備の裏側まで見ることができたのはとても貴重な
日の夜、トレーラーに載せて運ばれてきたものです。
体験でした。安全管理や作業の進め方など学ぶことが
作業内容は主に床下機器の取り付けと、台車との連結
たくさんあり、充実したインターンシップとなりまし
作業でしたが、見たこともない大きさのトルクレンチ
た。
を使っての締め付けはとても大変でした。
最後になりますが、現場での声を聞いて設計開発等
工場内では安全のため、ヘルメットと保護めがね
を行える技術者になりたいと思いました。
の装着が義務づけられています。工場の一部は交流
電気システム工学科
インターンシップ実習を通して
電気システム工学科4年 今野
巧也
私は今回、富士電機株式会社にインターンシップに
時間を優先して学習をしている一方で、会社は一人の
行かせていただきました。
仕事のミスや遅れは、会社全体のミスとなるので一つ
富士電機株式会社ではシーケンス制御回路を使い、
一つの作業に集中し、時間を有効的に使わなければな
パワーエレクトニクス機器や自動販売機などの製品を
らず、個人だけの問題ではないことがわかりました。
作っている会社です。
今回のインターンシップは10日間という短い期間
このインターンシップを通じて、私は学生という時
期に学校と社会の違いというものを体験し、また現場
で働く人と接することができました。
私の最初の会社のイメージは「お金をもらうために
会社に勤めている」でした。しかし間近で会社を見学
したり話を聞いたりして、実際に働いている人は仕事
に何かしらの「意味」を持って働いているのだなと思
いました。
毎日働いてみて私は、学生と社会人の大きな違いを
いくつか感じました。その中で一番強く感じたのが、
仕事をしている時の集中力、またその仕事に対する責
任感です。私たち学生はある程度余裕を持って自分の
№120 ■ 愛島通信
23
でありながらも、私はとても大変だと感じました。社
まだまだ社会人になれる準備ができていないと思いま
会人は自分たちが行った作業よりも遥かに重要な仕事
した。
を何年も続けていて、自分はこのようになれるのだろ
残りの学生の時間は集中力、責任感を身に付けて、
うかという不安にかられました。そして自分は、社会
学生のうちにしかできないことをやっていきたいと思
人になるまで2年を切ってしまっているというのに、
いました。
マテリアル環境工学科
失敗から学ぶ。∼高崎量子応用研究所でのインターンシップ∼
マテリアル環境工学科4年 沼倉
私は、平成25年7月26日から8月9日の期間を高
る。」というものでした。
崎量子応用研究所(日本原子力研究開発機構)の夏期
実習中は多くの失敗をしました。元になる論文の理
実習生として過ごしました。
解が間違っていたり、コードの記述が間違っていたり、
実習テーマは「細胞間コミュニケーションを解析す
無駄なデータを取っていたりと思い起こせばキリがな
るための Logo 言語を用いたシミュレーションモデル
いです。
の開発」です。簡潔に言うと、放射線を浴びた細胞は
今回の実習を通して学んだことは「失敗から学ぶこ
突然変異などの影響が出ますが、その際にその細胞が
とが多いこと、とことん追究すること」です。妥協し
周囲にシグナルを発し、周囲の細胞も照射を受けた細
たり自分でも曖昧な部分を残してはいけない。計算
胞同様に影響を受けます。その現象をシミュレートす
ループが一回ズレてるならそれは間違っている。その
るモデルの開発をすると言うものです。
原因が分かってやっと、まともなプログラムができる、
実際に行った実習は、「参考にする Prise 博士らの
それはとても大切でやりがいのあるものでした。
論文【Kinetic-Based Model of Radiation-Induced
最後に、実習先のマイクロビーム細胞照射研究グ
Intercellular Signalling】を読む。どんな内容なの
ループの皆様には本当に良くして頂きました。そのお
か整理する。モデルの全体像を考える。実際にプログ
かげで右も左もわからぬ私でも無事実習を終えること
ラムを組んでみる。プログラムのバグ取りをする。論
ができました。ありがとうございました。とても楽し
文中の結果を再現する。他の条件でデータを取る。モ
くて、充実した2週間でした。これからの人生に役立
デルの特性を解析する。結果のまとめと実習報告をす
てられるようがんばります。
インターンシップで学んだこと
建築デザイン学科
24
寛人
建築デザイン学科4年 目黒
里香
私は夏休み前半の約2週間をいわて NPO-NET サ
に良い経験になりました。はじめは、慣れない土地で
ポートさんでお世話になりました。
ひとり2週間も続けられるのかとても不安でした。し
今回のインターンシップでは、アンケート集計の
かし、北上の方々が温かく私を受け入れてくださった
データ整理やお祭りの会場運営などさまざまな活動に
ことをとても嬉しく感じ、北上のことや会社のことを
参加させていただきました。研修の中で企業や団体、
もっと知ってみたいと思うようになりました。私の目
地域の方々と関わる機会が多く、行政や企業と市民を
からみた会社のみなさんは、とても活き活きとしてい
取り結ぶ中間支援組織という立場での活動の難しさを
ました。私はインターンシップに来るまで働くという
知り、人と人とのコミュニケーションと信頼関係がと
ことが想像できなかったのですが、今回実際に働いて
ても大切だと感じました。
みて、様々な困難はあってもそれ以上のやりがいがあ
このインターンシップを通して、積極的に人と関わ
るのではないかと感じるようになりました。これから
り、自ら新しいことに挑戦していくことで、いろいろ
進路を考えていくうえでこういった機会をいただけた
と気づくことができました。
ことはとても貴重な経験になりました。このインター
また、2週間という短い期間でしたが、北上で現地
ンシップで学んだことを今後に活かしていきたいと思
の方々に交じって生活することができたことは、本当
います。
愛島通信
■ №120
国際交流
横河ミドルイースト&アフリカ社でのインターンシップ in バーレーン
専攻科1年 相澤
祐樹
今回の私のインターンシップの目的は、異文化体験
ウェアで自分たちが作ったモノを発表するという内容
を通してグローバルエンジニアになる糧とすること、
であった。第3週目はそれらをまとめた資料を作っ
制御分野の概論やしくみを理解することであった。
てプレゼンテーションを行った。加えて研修開始前の
バーレーンは平均気温が35度を超える気候であり、
30分間は、インターンシップ生の英語を話す力の向
バーレーンの空港から外へ出た時、全身を包むような
上を目的に英語スピーチ大会が毎日行われていた。そ
熱気が伝わり、思わず「暑っ」と声に出したほどだっ
れらのスピーチに対してコメントをいただき、実際の
た。バーレーンは多国籍国家で、主にインドやフィリ
会話でのノウハウや、アイコンタクトやジェスチャー
ピンから出稼ぎにくる者や、ヨーロッパなどからビジ
の重要性を学んだ。さらに、研修終了後の30分間は
ネスで訪れる者が多い。言語も第一言語はアラビア語
アラビア語の授業が開かれた。その内容は主に基本的
だが、第二言語である英語を使いこなす人がほとんど
なフレーズで、アラビア人とのコミュニケーションに
であった。
は欠かせないモノとなった。
研修の3週間を振り返ると、第1週目はコントロー
インターンシップ中には安倍首相との懇談も開かれ
ルに関する理論を英語の授業を受けながら学ぶという
た。懇談では自己紹介と将来の希望を各々述べ、その
内容で、英語の把握ももちろんだが専門内容の理解と
あと10分ほどの対話をおこなった。人生で一番緊張
いうのも求められた。第2週目は横河の製品であるコ
したので、もはや何を話したかは覚えておらず、安倍
ントロールシステムのソフトウェアに実際に触れて、
首相からいただいた励ましの言葉だけが心に強く刻ま
どのような働きをするのかを学び、それぞれのソフト
れた。
制御分野に関する授業
安倍首相と懇談
フィンランド珍道中
専攻科1年 沓掛
亜斗武、北里 愛莉、石山 ともみ、眞木 栞
8月5日、私は早い日程で開始する授業を受講する
8月16日、一同は Turku 応用科学大学内にある
ため他のメンバーよりも一足早くフィンランドに到着
ゲーム・アプリケーション開発研究室を見学。最新の
した。友人たちと合流するのは同月16日であり、それ
機器を駆使した「おもしろく、かつシンプル」なアプ
までは現地で授業を受けながら自分の力で生活しなけ
リケーションの開発を行っており、その高い技術にと
ればならなかった。その中でトラブルは多々あったも
ても刺激を受けた。その後、フィンランドの代表的
のの、英語での意思疎通、授業、フィンランドでの生
キャラクター「ムーミン」の玩具工房に赴く。ムーミ
活はいずれも自身の成長に繋がったと感じた。
(沓掛)
ンのキャラクター性を活かし、デザイン性と機能性の
№120 ■ 愛島通信
25
両方を追求した玩具作りが行われていた。その他にも
外側からしかあけられない空間に閉じ込められたこと
Turku には緑生い茂る古城や何隻もの船が泊まる美し
や(運良く外に人が居てよかった)、同じ授業を取っ
い港と美味しい食事、そして活き活きとした街の人々
ていた韓国人に話しかけられたことの方が印象深かっ
の姿があり、とても素晴らしい街だった。
(北里)
た。(眞木)
19日から大学での講義が始まった。私と北里が受講
したのは、13時からの画像処理。高専でも画像処理
について学んでいたが、本講義では初めて MATLAB
というソフトを用いて画像処理を行い、まずは使い方
に慣れるのに必死だった。驚いたのは講義中に学生が、
すぐに手を挙げて疑問点を指摘すること。多国籍の学
生がいる中で、自己主張をすることは、とても大事だ
と感じた。
(石山)
2人の授業が終わった頃、Cellular System という
授業が始まる。簡単に説明すると、Arduino というシ
ステムを使ってプログラムをし、携帯電話をつくって
みようという内容だ。大変難しいものだったが、それ
以上にパスワードを更新してもらいに行く途中迷って
ムーミンと愉快な仲間たち
絆プロジェクトによるベトナム訪問について
マテリアル環境工学科4年 成田
私達3年生の5人、2年生6人(いずれも3月時の
いての説明において、震災の時の様子だけでなく経済
学年)計11人は鈴木勝彦先生引率のもと、3月16日
的に未だ豊かでないにも関わらず震災時にベトナムの
∼3月27日の日程で絆プロジェクトに参加し、ベト
方々から日本に頂いた援助への感謝も伝えてきました。
ナムを訪問してきました。
絆プロジェクトにはアフタープランがあり、現地の
絆プロジェクトとは、外務省外郭団体の国際交流推
高校生と作製したモザイクアートの展示を4月に JR 名
進機関である JICE の企画で、海外に東日本大震災に
取駅の展示スペースで行い、また、6月に増田西小学
ついて伝えること、同年代の現地学生と交流を図るこ
校で、8月には中野中学校において、今回のベトナム
とを目的としたものです。昨年の10月から出発まで
訪問を紹介する活動を続けてきました。10月には高専
の間、諸先生からの支援も受けながら様々な準備を整
祭において本活動をまとめたパネルの展示をしました。
え訪問しました。
最後に、今回のプロジェクト活動を通じて種々の報
在ベトナム日本国大使館や現地の高校(チュウバン
道やさりげなく見聞きしているものが少し変わったと
アン高校、グエンシュウ高校)などを訪問し、サッ
感じています。これからの勉学の糧にしていきたいと
カーの交流試合や2泊3日のホームステイも体験して
思います。
きました。現地には多くの日本の工場があり、日越交
流40周年の記念行事が開催されていて、私たちが思っ
ていた以上に両国は交流が深かったことを改めて感じ
ました。
ホームステイにおいて、こちらは英語での会話に不
安がありましたが、訪問した高校での学生は、同年代
で自分たちより英語を話せることに悔しくも驚きを感
じました。高校の伝統とベトナム人が未来へ希望を
もって真剣に取り組んでいる姿を垣間見た感じがしま
した。
また、今回の大きな目的である両高校での震災につ
26
有梨香
愛島通信
■ №120
震災についてのプレゼンテーション
新任教職員紹介
数理モデルで見いだす自然界の秩序
総合科学系理数科 中山
まどか 新任の中山まどかと申します。数学を担当しており
数学といっても様々な分野がありますが、私の専門は
ます。どうぞよろしくお願い致します。新任で仙台高
数理生物学です。特に興味があるのは、複雑な自然現
専に赴任させて頂いてから、約半年が過ぎました。ま
象から一定の規則を見出して微分方程式で表し、解析
だまだ分からないことだらけですが、少しずつ周りを
することです。例えば葉っぱの葉脈、手指、など、個
見渡せる余裕が出てきました。仕事面では本当に周り
体差はありますが、一定の規則性があります。この規
の皆さんに助けて頂いており、ありがたく思っていま
則性を簡単化し、数式で表し、数式をコンピュータに
す。
読ませてシミュレーションします。シミュレーション
教育活動で感動したのは、とにかく仙台高専の学生
と実際の現象を比較してその差を調整していきますが、
が真面目であるといったことです。課題や研究に忙殺
単に似せるだけでは数式を用いた「お絵描き」になっ
される中でも部活動に励んだりと、かなり忙しい学生
てしまうので、さらにシミュレーションを用いて現象
生活を送っているように見えます。授業中には冗談を
の予測をすることを目標にしています。最近は卒業研
飛ばしているような学生も、テストではしっかり点数
究の学生2人と納豆菌を用いた研究を行っています。
をとるなど、目標に向けてがんばる学生が多いようで、
研究だけを行っていた昨年までとは違って、教えるこ
こちらも刺激を受けています。
との難しさや、やりがいを感じています。学生と一緒
私は昨年度までは大学で数学の研究をしていました。
に私自身も成長したいと思っています。
それでもボクは君と違うから
機械システム工学科 野呂
秀太 ボクが見ているこの「青」は、君にも「青」に見え
人の意見を気にしすぎるあまりに、自分が感じるこ
ているのだろうか。ボクが「まる」と言っているこの
と、考えていることを無理に他人に合わせようとする
形、君も「まる」と認識しているのだろうか。ボクが
必要はない。誰もが普段使っている「フツー(普通)」
感じているこの幸せ、君も同じように感じられている
は、所詮あってないようなものだ。文化が違えば習慣
のだろうか。少なからず誰もが皆、他人が何をどう考
も異なるし、人が違えば考えや感じ方が違って当然だ
えているか気にしたことはあるだろう。
とボクは思っている。
「そんなこと、わざわざ言われな
№120 ■ 愛島通信
27
くても知ってるさ」君はそう言うかもしれない。けれ
あらゆる手段を使って周りの人たちを納得させる必要
ど、その「違和感」を理解することは考えているより
があるだろう。これまた言うは易し、きっと相手に拒
もはるかに難しい。
否されることの方が多いだろうし、とても難しいこと
であるが。
おそらく、自分がどう頑張っても理解できないこと
は世の中に山ほど存在する。人はそれぞれ違って理解
ボクは君が考えていること全ては分からない。たと
しあうのは不可能だから、周りが考えていることなん
え言葉というツールを使って話し合いしたとしても、
て省みずに我がままを突き通せ、ボクはそう推奨して
君の気持ち全てを理解することはできないだろう。だ
いるのではない。時には他人からアドバイスを聞いて
からこそ、ボクは君をできるだけ理解しようと努める
取り入れたり、何やら自分にはとうてい理解できない
し、お節介かもしれないけれど声をかける。
「あるがま
意思・主張を聞いて、世の中にはこのような考え方の
まの君が素敵だ」、他人に迷惑をかけなければ「やりた
人もいるのだなと感じることは大切なことである。そ
いことをやれば良いよ」と。
れであっても自分の主張を受け入れてほしい時には、
建築を学ぶことについて
建築デザイン学科 祝 亜弥 28
はじめまして、10月1日付けで建築デザイン学科
自由な時間が多い学生時代のうちに、旅に出たり、本
の助教に就任しました、祝 亜弥です。私は、旧宮城高
を読んだり、部活や趣味を通してたくさんの人と触れ
専の情報デザイン学科の卒業生ですが、高専卒業後は
合ったりと、自分の世界をどんどん広げていってほし
専攻分野を変更し、大学・大学院で建築や都市のデザ
いと思います。
インを学びました。この9月末までアトリエ系の建築
私はこれまで設計者として活動してきましたので、
設計事務所に勤務しており、事務所では、展覧会のデ
教育者としての経験は浅いのですが、実務を経験して
ザインや、マンションのリノベーション、被災地のコ
きたからこそ伝えられることを学生の皆さんに精一杯
ミュニティカフェの設計等を担当してきました。
伝え、建築の面白さや設計の楽しさを感じてもらえた
これまでの学生生活や実務経験から、建築という分
らと思っています。「建築家」「デザイナー」と聞くと
野で活躍するためには、自分の外の世界への興味を
華やかなイメージがあるかもしれませんが、毎日の仕
常に持ち続けることが大切だと感じています。一つの
事はとても地道な検討の積み重ねです。学校での課題
建築をつくるためには、デザイン、構造、設備、歴
も、同じようにたくさんの検討を必要としますし、こ
史、文化、社会学など、幅広い分野の知識が必要なので、
れまで存在しないものを生み出すということはとても
自分の専攻だけでなく、他分野のことについても興味
苦しいものですが、だからこそ自分が納得できるもの
をもって積極的に学ぶ姿勢が大切だと思います。また、
ができたとき、他では得られない達成感が感じられる
建築は他人が使う空間を自分のことのようにリアルに
と思います。私も学生の皆さんと一緒に成長していき
想像しながら設計することが求められますので、他人
たいと思いますので、これからどうぞよろしくお願い
に対する想像力もとても大切です。学生の皆さんには、
いたします。
愛島通信
■ №120
人事異動について
教 員
異動年月日
平成25年3月31日
〃
所属学科等
総
合
科
学
職 名
系
教
氏 名
授
宍戸 隆之
総 合 科 学 系 理 数 科 特 任 教 授 生田 信之
備 考
辞職(大阪教育大学へ)
期間満了
〃
〃
〃
高村 潔
〃
〃
機械システム工学科
〃
大久 忠義
〃
〃
専
嘱 託 教 授 本間 敏行
〃
〃
総 合 科 学 系 文 科 嘱 託 准 教 授 佐々木誠逸
〃
平成25年4月1日
総合科学系理数科
採用
〃
機械システム工学科
平成25年10月1日
建築デザイン学科
攻
科
助
教
〃
助
中山まどか
野呂 秀太 〃
教
祝 亜弥
採用
事務職員
異動年月日
所属学科等
平成25年3月31日
教育研究技術支援室
平成25年4月1日
管
理
課 会 計 係 長 吉田 貴子
東北大学金属材料研究所経理課経理係長から
〃
学
生
課
学 生 支 援 係 鈴木 三雄
採用
〃
企
画
室
連携・国際
山口 恒隆
交
流
係
学生課学生支援係から
平成25年6月30日
企
画
室
室
東北大学法務・コンプライアンス部コンプライ
アンス推進課安全保障輸出管理室室長へ
〃
学
生
課
教 務 係 長 島貫 淳一 東北大学教育・学生支援部入試課入試広報係長へ
〃
職 名
〃
氏 名
技 術 職 員 高橋 勉
長 志田 享
学生生活係長
鈴木 定弘
長 水戸辺栄一
備 考
期間満了
東北大学教育・学生支援部学生支援課課長補佐へ
平成25年7月1日
企
画
室
室
総務課課長補佐から
〃
総
務
課
課 長 補 佐 大場 得志
東北大学医学部・医学系研究科総務室室長から
〃
〃
庶 務 係 長 齋藤 哲志
企画室研究支援係長から
〃
〃
情報企画係長
総務課庶務係長から
〃
学
〃
生
課
〃
上野 智清
教 務 係 長 佐藤 和宏
東北大学教育・学生支援部入試課入試実施係長
から
学生生活係長
信坂菜穂子
東北大学理学部・理学研究科総務課数学専攻事
務室主任から
永澤 岳彦
学務課入試係主任から
〃
企
画
室
研究支援係長
〃
管
理
課
契
約
係 猪狩 絢子
会計課会計係から
〃
学
務
課
入
試
係 佐藤 彩香
東北大学工学部・工学研究科機械・知能系教務
担当から
№120 ■ 愛島通信
29
事務・技術支援室だより
学校での仕事
学生課学生支援係 鈴木
三雄 私は今春に大学を卒業し、4月に新規採用職員とし
そのような学生の様子を肌で感じながら、学生の皆
て採用されました。
さんが、毎日何事もなく普通に学校に通うことのでき
現在の仕事の内容は主に奨学金関係、課外活動関係
るような、環境づくりの一助となれるよう仕事をして
です。どちらも学生生活にとって重要な柱となるもの
いきたいと思っています。
であるため、とてもやりがいのある仕事であると感じ
ています。学生課の仕事は何をするにも、学生との関
わりがあることから「学校」の職員として働いている
ことが実感できますし、いろいろな行事もありますの
で、変化のある毎日を送ることができる点が楽しいと
感じているところです。
高専の学生のみなさんは短い期間の中で、高い専門
性を身につけるために多くの授業をこなすだけでも大
変である上に、課題や研究、部活動など様々な活動に
熱心に取り組み、忙しい生活を送りながらも頑張って
いるのだと感心しています。
窓口での対応
工場よろしく
教育研究技術支援室第一技術班 青木
こんにちは。教育研究技術支援室第一技術班に所属
えていこうと思っています。気軽にお声掛けしてもら
しています青木良浩です。第一技術班は創造教育セン
えるとうれしいです。よろしくお願いします。
ター(通称:工場)にて機械工作実習を担当する部署
になり、私は旋盤や NC 機械、CAD・CAM、ホブ盤
などを扱う実習に携わっています。本校の工場は建屋
の改修や古い機械の更新が順調に進んでおり、ものづ
くりの基礎を学ぶ上では非常に充実した設備が整って
います。よって工作実習の時間だけではなく、創造実
習や卒業研究等で大いに活用して頂ければと思ってい
ます。また私は女子バレーボール部の部活動のお手伝
いもしています。このように実習や部活動で学生のみ
なさんと一緒の時間を過ごすなかで、教える立場の私
が逆に学生のみなさんから様々な刺激をうける毎日で
す。そんな若い力に負けないよう日々頭と心と体を鍛
30
良浩 愛島通信
■ №120
実習中です
平成25年度 後期 主な学校行事
10/1
(火)
開校記念日 ≪休業日≫
10/11
(金)
高専制度創設50周年記念式典
10/13
(日)
ロボコン東北大会(一関)
10/13
(日)
∼14
(月)
プロコン本選(旭川)
10/18
(金)
∼22
(火)
ラグビー東北地区大会(仙台広瀬)
10/19
(土)
保護者懇談会
10/26
(土)
∼27
(日)
高専祭
11/5
(火)
∼8
(金)
研修旅行(4年)
11/15
(金)
進路ガイダンス(4年)
11/24
(日)
全国ロボコン大会(両国国技館)
12/3
(火)
∼12/5
(木)
後期中間試験
12/5
(木)
芸術鑑賞会
12/21
(土)
閉寮
12/22
(日)
ブラバンコンサート
12/24
(火)
∼1/3(金)
冬季休業
1/4
(土)
∼9
(木)
ラグビー全国大会
1/6
(月)
授業再開
1/14
(火)
到達度試験(3年)
1/17
(金)
入学試験(推薦)≪学生臨時休業≫
1/29
(水)
∼1/31
(金)
後期期末試験(専攻科2年)
1/29
(水)
∼2/3
(月)
後期期末試験(5年)
2/6
(木)
∼10
(月)
専攻科2年専攻研究発表会
2/6
(木)
∼13
(木)
後期期末試験(1∼4年・専攻科1年)
2/17
(月)
入学試験作業 ≪学生臨時休業≫
2/26
(水)
∼27
(木)
5年卒業研究発表会
2/28
(金)
企業研究会(4年・専攻科1年)
3/3
(月)
閉寮(1∼4年) 【5年は3/1】
3/18
(火)
臨時開寮
3/19
(水)
終業式・4年保護者懇談会
3/20
(木)
∼31
(月)
学年末休業
3/21
(金)
卒業証書・修了証書授与式
企業研究会
卒業証書・修了証書授与式
∼ 学科の略称について ∼
本文内で使用している学科略称(例:PM 3)につきましては以下のとおりです。
なお、数字については学年を表します。
M
E
A
S
D
機械工学科
電気工学科
建築学科
材料工学科
情報デザイン学科
PM
PE
PS
PA
機械システム工学科
電気システム工学科
マテリアル環境工学科
建築デザイン学科
№120 ■ 愛島通信
31
120
2013年11月15日発行
愛島通信
・高専制度創設50周年
…………………………………………………………02
・学生の活動
…………………………………………………………08
・学生会執行部から
…………………………………………………………18
・オープンキャンパス
…………………………………………………………19
・インターンシップ
…………………………………………………………23
仙台高等専門学校 名取キャンパス 広報誌 愛島通信 第120号
編 集 : 総務課図書係
印 刷 : (株)
阿部紙工
発 行 : 2013年11月15日
・国際交流
…………………………………………………………25
・新任教職員紹介
…………………………………………………………27
・事務・技術支援室だより
………………………………………………………30